JP2002253090A - 釣用リール - Google Patents

釣用リール

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転特性が改善される釣用リールを提供する
ことを目的とする。 【解決手段】 スピンドルユニット(6)は、スピンド
ル(7)と、少なくとも二つのころがり軸受(18,1
9)でスピンドル上に支持された軸受ハウジング(1
3)と、軸受ハウジングの内部をシールする環状の端部
ワッシャ(23,24)とを有する一体型ユニットとし
て形成されていて、軸受ハウジング(13)の外周に一
つの肩部(15)が設けられており、スプール(2)は
フランジ部(8,9)と内面突部(14)を有し、スプ
ールの軸方向位置を決定し、軸方向荷重を受けるために
上記外周突部が軸受ハウジング外面肩部(15)と係合
しており、弾性部材(12)が軸受ハウジングの外側ラ
ジアル肩部に対してスピンドルユニット(6)に予圧を
与えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二つのリール側部
フレームの間に配設されるスピンドル上の軸受配置構造
で回転自在に支持されるスプールを有する形式の釣用リ
ールに関する。リールは、例えばマルティプライ型のベ
イトキャスターリールであっても良いが、本発明ではこ
れに限定されず、スピンドルに支持された回転自在なス
プールを有する各種の釣用リールにも適用される。
【0002】
【従来の技術】釣用リールの特性を決定する一つの要素
として、いわゆる自由スプール回転時間が挙げられる。
これはスプールが規定の作用の状態になった後に回転し
続ける時間を言う。自由スプール回転時間の算出は、ス
プールがほぼ水平に位置しているリールで保持されてい
る状態で行われる。20gの重りに取りつけられた50
0mmの糸がテープでスプールに取りつけられる。糸が
スプール上に巻回され、次に重りが落とされる。重りが
落とされた瞬間からスプールの回転が停止するまでの時
間が測定される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、スピ
ンドルユニットを改善することにより自由スプール回転
時間を増長できる上記形式の釣用リールを提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記目
的は、スピンドルユニットに配された軸受で回転自在に
支持されたスプールを有する釣用リールにおいて、スピ
ンドルユニットは、長いスピンドルと、離間配置された
少なくとも二つのころがり軸受でスピンドル上に支持さ
れたスリーブ状の軸受ハウジングと、シールとしての狭
いスロットを介して周囲から軸受ハウジングの内部をシ
ールするためにスピンドルに設けられた環状の端部ワッ
シャとを有する一体型ユニットとして形成されていて、
軸受ハウジングの外周に半径方向に延びる一つの肩部が
設けられていること、スプールはスリーブ状をなすと共
にその両端に半径方向に突出するフランジ部と少なくと
も一つの内面突部を有し、軸受に関してスプールの軸方
向位置を決定し、又一方向で軸方向荷重を受けるために
上記外周突部が軸受ハウジング外面肩部と係合している
こと、軸受ハウジングの外面とスプールの内面との間に
弾性部材が配されていて、ハウジングとスプールとの間
で遊びなしの接触とし、軸受ハウジングの外側ラジアル
肩部に対してスピンドルユニットに予圧を与えているこ
と、により達成される。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、添付図面にもとづき、本発
明の実施の形態を説明する。
【0006】図1は、ベイトキャスター型の釣用リール
の斜視図を示しており、該釣用リール1は、該リールの
側部フレーム3,4で支持されているスピンドルユニッ
トに回転自在に配設されたスプール2を有し、一端にて
ハンドクランク5と接続されている。
【0007】図2は図1に示された釣用リール1の内部
を示す断面図である。スプール2は、上述のごとく、側
部フレーム3,4内でスピンドル7で支持されたスピン
ドルユニット6によって支持されている。リールは、
又、ハンドクランクをスピンドルユニットに接続させる
ためのトランスミッションのような従来型の複数の機
構、スプール接続解除のための早送り出し手段、ブレー
キ手段、糸分配手段等を有しているが、これらは本発明
の部分でないので、以降詳細説明を省略する。又、これ
らは他の形によっても置き換えられる。
【0008】図3は、本発明の釣用リールに用いられる
スピンドルユニット6のスピンドル7に接続されるスプ
ール2を示す斜視図である。
【0009】スプール2とスピンドル7は、さらに、断
面図として図4にも示されている。図示のごとく、スプ
ール2は、ほぼスリーブ状をなし、スプール2の軸方向
に対向して両端に設けられ半径方向に延びるフランジ部
8,9の形をなす側部フレームを有していて、スプール
をクランクハンドル(図5)に接続するための駆動ディ
スク10が上記一方の側部フレーム9の軸方向外側に取
りつけられる。駆動ディスク10は好ましくは鋼製ワッ
シャである。本実施形態のスプール2の外周面には球面
の一部をなす凹部11が形成されていてスプールの重量
を軽減している。スピンドルユニット6は、図4に示さ
れていない軸受によってスピンドル7上に支持された管
状もしくはスリーブ状の軸受ハウジング13を有してい
る。軸受ハウジング13はその外周面上に半径方向に延
びる肩部14を有し、該肩部14はスプールの内周面の
内突部15と当接係合するようになっており、本実施形
態ではこの突部15はラジアル肩部として形成されてい
る。軸受ハウジング13の外周面とスプール2の内周面
との間には、Oリングとして示されている弾性部材12
が圧縮された状態で配されており、好ましくは、スプー
ル2の溝と軸受ハウジング13の溝に位置するように配
置されている。スプール2は、さらに、軸方向一端に周
溝が形成され、該周溝にはクラッチワッシャを保持する
ためのスナップイン型のロックワイヤの形態のロック部
材16が収められている。
【0010】図5には、本発明による、スプール2、ス
ピンドルユニット6そしてそのスピンドル7の若干変形
された例が拡大して示されている。ここで、軸受ハウジ
ング13は概要断面図として示されていて、図示のごと
く、軸受ハウジング13は2つの軸受18,19によっ
て回転自在に支持されていて、該2つの軸受は上記軸受
ハウジング13内で互いに軸方向に最大限に離れて位置
づけられている。こうすることにより、軸受ハウジング
とこれに組み込まれたスプール2は円滑そして振動のな
い作動を行う。
【0011】軸受ハウジング13の外側(外面)肩部1
4とスプールの内側(内面)肩部又は既述の突部15
は、スプールが軸受ハウジングに組まれたときに、互い
に当接係合するようになる。その結果、スプールを2つ
の軸受との関係においてほぼ対称に位置することが確保
でき、こうすることによっても、円滑かつトラブルのな
い作動を得る。スプールと軸受ハウジングの互いに対向
する面同士の間には、スプールが組み込まれたとき、弾
性部材が圧縮された状態で配設されていて、スプール2
が軸受ハウジング上で軸方向に移動することを阻止する
力を発生する。この弾性部材は好ましくはOリングとし
て形成されていて、軸受ハウジングの外周面の溝20内
に応力をもって嵌め込まれており、該Oリングが軸受ハ
ウジングの面から突出するようになっていて、好ましく
は、該Oリングはスプールの内周面の対応溝21に収め
られていて、該Oリングが組立位置で圧縮されて、スプ
ールと軸受ハウジングとの間の相対軸方向移動を阻止す
るようになっている。
【0012】スピンドル7は一端部が軸受ハウジングか
ら外方へ突出する短いジャーナル軸7aとなっていて、
このジャーナル軸7aはリールの側部フレーム(図2の
符号3)内で支持される。スピンドル7の他端部は軸受
ハウジングから突出する突出部7bとなっていて、該ス
ピンドル部7bは好ましくは黄銅製の駆動手段22を支
持していて、該駆動手段には既述の駆動ディスク10が
接続される。スピンドル7は、さらに、軸受ハウジング
13の各側面に位置する端部ワッシャ23,24を有し
ていて、該端部ワッシャは、スプールの内周面そして軸
受ハウジング13の側部フレームと協働して、外部から
軸受ハウジング内への異物の進入を防止するラビリンス
シールとしての狭いスロットを形成し、さらには、部材
の回転時に軸受ハウジングから外の方に向かうポンプ効
果をも確保している。端部ワッシャ23の外側には、ス
ピンドルのジャーナル軸7aの位置に、好ましくはプラ
スチック製のシールカバー25が設けられている。
【0013】かくして、スピンドルユニット6は、スピ
ンドル7と、ころがり軸受18,19を伴う軸受ハウジ
ング13とを一体型ユニットとして構成され、該ユニッ
トは釣用リールが製造される工場で組込みを直ぐに行え
る閉じた形態のユニットとして作られる。こうすること
によって、このスピンドルユニットは、ナット26や既
述のスナップイン型のロックワイヤの形態のロック部材
16によって、正規位置にロックされる。したがって、
保守や交換の際には、上記ナットを緩めそしてロック部
材16を外すだけで、スピンドルユニットを軸方向に簡
単に取り出すことができる。
【0014】本発明は、図示された形態に限定されず、
種々変更可能である。例えば、図示のベイトキャスタ形
式だけでなく他の形式の釣用リールにも適用可能であ
る。
【0015】
【発明の効果】本発明は、以上のように、弾性部材によ
って軸受に予圧を与え、又、ハウジング内の軸受をスロ
ット状のシールにより保護することとしたので、長時間
にわたり、スピンドルは低摩擦で回転できて自由スプー
ル回転時間を増長し、回転特性の改善が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるマルチプライベイトキャスタ型の
釣用リールの斜視図である。
【図2】図1の釣用リールの断面図である。
【図3】図1と図2に示される釣用リールの一部をなす
スピンドルユニットをもつスプールの斜視図である。
【図4】図3に示されるスピンドルユニットをもつスプ
ールの断面図である。
【図5】図4に対応して、若干変形を加えたスピンドル
ユニットをもつスプールの断面図である。
【符号の説明】 1 リール 2 スプール 6 スピンドルユニット 7 スピンドル 7b 突出部 8,9 フランジ部 10 駆動ディスク(駆動部材) 12 弾性部材 13 軸受ハウジング 14 肩部(外突部) 15 内突部(内肩部) 18,19 軸受 20 溝 21 溝 22 駆動ギア 23,24 端部ワッシャ 25 シールカバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フォルケ エストリング スウェーデン国、412 67 イェーテボリ、 マルグレーテルンドスガータン 31 (72)発明者 モーリス リチャード フランス共和国、77810 ソマリー、ルデ ルオーメモート 10 (72)発明者 パトリック スベンソン スウェーデン国、 374 54 アサルム、 プラクトバゲベーゲン 13 Fターム(参考) 2B108 EC01 EH01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スピンドルユニット(6)に配された軸
    受で回転自在に支持されたスプール(2)を有する釣用
    リール(1)において、 スピンドルユニット(6)は、長いスピンドル(7)
    と、離間配置された少なくとも二つのころがり軸受(1
    8,19)でスピンドル上に支持されたスリーブ状の軸
    受ハウジング(13)と、シールとしての狭いスロット
    を介して周囲から軸受ハウジングの内部をシールするた
    めにスピンドルに設けられた環状の端部ワッシャ(2
    3,24)とを有する一体型ユニットとして形成されて
    いて、軸受ハウジング(13)の外周に半径方向に延び
    る一つの肩部(15)が設けられていること、 スプール(2)はスリーブ状をなすと共にその両端に半
    径方向に突出するフランジ部(8,9)と少なくとも一
    つの内面突部(14)を有し、軸受に関してスプールの
    軸方向位置を決定し、又一方向で軸方向荷重を受けるた
    めに上記外周突部が軸受ハウジング外面肩部(15)と
    係合していること、 軸受ハウジングの外面とスプールの内面との間に弾性部
    材(12)が配されていて、ハウジングとスプールとの
    間で遊びなしの接触とし、軸受ハウジングの外側ラジア
    ル肩部に対してスピンドルユニット(6)に予圧を与え
    ていること、を特徴とする釣用リール。
  2. 【請求項2】 弾性部材(12)は軸受ハウジングの外
    周面に形成された溝(20)に配されたOリングであ
    り、該Oリングはスプール(2)の内周面に形成された
    溝(21)へ入り込んでいることとする請求項1に記載
    の釣用リール。
  3. 【請求項3】 軸受ハウジング(13)とスプール
    (2)は共にアルミニウム製であることとする請求項1
    又は請求項2に記載の釣用リール。
  4. 【請求項4】 スピンドル(7)は軸受ハウジング(1
    3)から軸方向で一端側に突出する突出部(17b)を
    有し、この突出部に駆動ギア(22)が支持され、該駆
    動ギア(22)は駆動部材(10)を介してスプール
    (2)の半径方向に突出せる二つのフランジ部の一方の
    フランジ部(9)と接続されていることとする請求項1
    ないし請求項3のうちの一つに記載の釣用リール。
  5. 【請求項5】 スピンドルユニット(6)は、スピンド
    ル(7)と、軸受(18,19)と、軸受ハウジング
    (13)とを有する一体型ユニットであることとする請
    求項1ないし請求項4のうちの一つに記載の釣用リー
    ル。
  6. 【請求項6】 スピンドル(7)とスプール(2)との
    間が、スロット状のシールの外側で、端部シールカバー
    (25)でシールされていることとする請求項1ないし
    請求項5のうちの一つに記載の釣用リール。
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