JP2002250773A - 放射線撮像装置 - Google Patents

放射線撮像装置

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JP2002250773A
JP2002250773A JP2001047309A JP2001047309A JP2002250773A JP 2002250773 A JP2002250773 A JP 2002250773A JP 2001047309 A JP2001047309 A JP 2001047309A JP 2001047309 A JP2001047309 A JP 2001047309A JP 2002250773 A JP2002250773 A JP 2002250773A
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radiation
radiation imaging
imaging apparatus
shielding
electronic component
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JP2001047309A
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Kenji Kajiwara
賢治 梶原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量化と低コスト化を図る。 【解決手段】 放射線固体撮像部25は支持台24の前
面に設けた基台31と、この基台31の前面に設けたセ
ンサ基板33と、このセンサ基板33の前面に設けた蛍
光板34と、この蛍光板34の前面に設けた金属フィル
ム36とから成り、センサ基板33の前面は複数個の光
電変換素子とTFT素子を形成した画素領域とする。セ
ンサ基板33に順次に接続した回路基板42、43はI
C45、46をそれぞれ備え、回路基板42、43には
IC45、46に放射線Rが入射しないように遮蔽する
遮蔽層51、52をそれぞれ設ける。遮蔽層51、52
は放射線遮蔽性材料を粉末にして混入させた有機又は無
機化合物から構成する。遮蔽層51はIC45の表面4
5aと側面45cの全体を覆うように設ける。遮蔽層5
2はプリント回路基板43の裏面43bにそれぞれ設
け、遮蔽層52の広さはIC46の広さと同等か又はそ
れよりも大きくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用検査機器、
非破壊検査機器等に使用される一次元又は二次元の放射
線撮像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば医療用の放射線画像を得る
際には、図6に示すように放射線源1から放射線Rを被
写体Sに照射し、この被写体Sを透過してその情報を担
った放射線Rを放射線撮像装置2で撮像している。放射
線撮像装置2では、図7に示すように筐体3の前壁3a
に放射線Rが入射する開口3bが設けられ、前壁3aに
はグリッドを含む筐体蓋4が開口3bを塞ぐようにねじ
留めされている。筐体3の後壁3cには支持台5が設け
られ、筐体蓋4と支持台5の間には放射線固体撮像部6
が配置されている。
【0003】放射線固体撮像部6には、図8にも示すよ
うに、支持台5に支持された基台7、この基台7に固着
されたセンサ基板8、このセンサ基板8に固着された蛍
光板9、この蛍光板9に固着された金属フィルム10等
が含まれている。センサ基板8は、図9に示すように4
個のセンサ基板8a〜8dから構成され、これらのセン
サ基板8a〜8dは二次元方向に画素ピッチが合うよう
に位置合わせされている。そして、センサ基板8a〜8
dの前面は受光部を含み、画素領域Tは複数個の光電変
換素子及びTFT素子が二次元的に配列されて形成され
ている。
【0004】このようなセンサ基板8には、フレキシブ
ル回路基板11を介してプリント回路基板12が接続さ
れ、これらの回路基板11、12にはセンサ基板8への
入力信号又はセンサ基板8からの出力信号を処理するI
C13、14がそれぞれ実装されている。また、回路基
板11と筐体3とは平板15及び放熱板16等によっ
て、回路基板12と筐体3とは取付板17等によってそ
れぞれ連結されて放熱路を形成し、IC13、14の昇
温が抑制されている。
【0005】そして、これらのIC13、14を誤動作
や特性劣化から保護する目的で、筐体3の前壁3aの内
面や支持台5と基台7の間には鉛板18、19がそれぞ
れ設けられ、グリッド4を外れて筐体3に入射した放射
線RによってIC13が照射されたり、蛍光板9で可視
光に変換しきれなかった放射線RによってIC14が照
射されたりすることが防止されている。この際に、支持
台5と基台7の間の鉛板19は、プリント回路基板12
の全体を遮蔽し得る広さとされ、部品点数や工数が可能
な限り削減されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
放射線撮像装置2が被写体Sを立位や臥位等の姿勢で撮
像するための大型撮像装置として使用されている反面
で、近年の市場では診察室、ベッド、救急車等でも使用
可能なカセッテ型撮像装置が要望され、その開発が急務
とされている。このカセッテ型撮像装置は放射線技師等
の使用者によって携帯されたり、時には撮影のために被
写体によって支持されたりすることが想定されるため、
可搬性や持ち易さを考慮して軽量化を図る必要がある。
【0007】このような要望に応えたカセッテを開発す
るためには、筐体3の形状や材料の選択、基台7やセン
サ基板8に使用する基板の薄型化、プリント回路基板1
2の小型化等の見直しが必要になる。また、放射線Rの
遮蔽を必要としない領域までも遮蔽する比重の大きい鉛
板18、19を使用することは、カセッテ2の軽量化の
大きな妨げとなっているので、鉛板18、19等の見直
しも必要になる。
【0008】そこで、鉛板18、19を筐体3の前壁3
aの内面や支持台5と基台7の間に設ける代りに、IC
13、14を個々に遮蔽する大きさの鉛板をIC13、
14にそれぞれ設けても、IC13、14を遮蔽するこ
とが可能となる。ところが、IC13、14は回路基板
上に分散して複数配置されている上にそれらのうちで最
も小さいものは数平方mmの広さになっているので、I
C13、14を鉛板で個々に遮蔽することは部品点数と
工数を増加させることになる。
【0009】本発明の目的は、上述の問題点を解消し、
軽量で安価で製造容易な放射線撮像装置を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の請求項1に係る本発明は、放射線撮像素子への入力信
号又は放射線撮像素子からの出力信号を処理する電子部
品の近傍に、放射線を遮蔽するための放射線遮蔽性材料
を粉末にして混入させた有機又は無機化合物の化合物層
を設けたことを特徴とする放射線撮像装置である。
【0011】請求項2に係る発明は、放射線撮像素子へ
の入力信号又は放射線撮像素子からの出力信号を処理す
る電子部品の外周面の少なくとも一部を覆うように、放
射線を遮蔽するための放射線遮蔽性材料を粉末にして混
入させた有機又は無機化合物の化合物層を設けたことを
特徴とする放射線撮像装置である。
【0012】請求項3に係る発明は、放射放射線撮像素
子への入力信号又は放射線撮像素子からの出力信号を処
理するための複数の電子部品を有し、これら複数の電子
部品のうちの所定の個々の電子部品毎に、放射線を遮蔽
するための放射線遮蔽性材料を粉末にして混入させた有
機又は無機化合物の化合物層を設けたことを特徴とする
放射線撮像装置である。
【0013】請求項4に係る発明は、放射線撮像素子へ
の入力信号又は放射線撮像素子からの出力信号を処理す
るための複数の電子部品が実装された回路基板を有し、
前記複数の電子部品のうちの所定の個々の電子部品毎
に、放射線を遮蔽するための放射線遮蔽性材料を粉末に
して混入させた有機又は無機化合物の化合物層を設けた
ことを特徴とする放射線撮像装置である。
【0014】請求項5に係る発明は、回路基板に実装さ
れた前記電子部品の表面の少なくとも一部を覆うように
前記化合物層を設けたことを特徴とする請求項1〜4の
何れか1つの請求項に記載の放射線撮像装置である。
【0015】請求項6に係る発明は、前記電子部品が実
装された回路基板の裏面側に前記化合物層を設けたこと
を特徴とする請求項1〜4の何れか1つの請求項に記載
の放射線撮像装置である。
【0016】請求項7に係る発明は、回路基板に実装さ
れた前記電子部品の表面に放射線が入射する場合には、
前記電子部品の表面の少なくとも一部を覆うように前記
化合物層を設け、放射線が前記電子部品の裏面に入射す
る場合には、前記化合物層を前記回路基板の裏面に設け
たことを特徴とする請求項1〜4の何れか1つの請求項
に記載の放射線撮像装置である。
【0017】請求項8に係る発明は、前記化合物層の広
さは遮蔽される前記電子部品の表面の広さと同等とした
ことを特徴とする請求項1〜7の何れか1つの請求項に
記載の放射線撮像装置である。
【0018】請求項9に係る発明は、前記放射線遮蔽性
材料は少なくとも鉛、タンタル、バリウム、タングステ
ン及び半田から成る群から選択したことを特徴とする請
求項1〜8の何れか1つの請求項に記載の放射線撮像装
置である。
【0019】請求項10に係る発明は、前記放射線遮蔽
性材料は半田ボールとしたことを特徴とする請求項1〜
8の何れか1つの請求項に記載の放射線撮像装置であ
る。
【0020】請求項11に係る発明は、前記有機又は無
機化合物は、熱、湿気、又は二液混合で硬化する有機樹
脂としたことを特徴とする請求項1〜8の何れか1つの
請求項に記載の放射線撮像装置である。
【0021】請求項12に係る発明は、前記有機又は無
機化合物は、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹
脂、ポリウレタン樹脂、アルミナ、炭化硅素から成る群
から選択したことを特徴とする請求項1〜8の何れか1
つの請求項に記載の放射線撮像装置である。
【0022】請求項13に係る発明は、前記放射線撮像
素子は複数個の光電変換素子と薄膜トランジスタから構
成したセンサ基板としたことを特徴とする請求項1〜1
2の何れか1つの請求項に記載の放射線撮像装置であ
る。
【0023】請求項14に係る発明は、前記センサ基板
の前面に放射線を可視光に変換する変換部材を備えたこ
とを特徴とする請求項13に記載の放射線撮像装置であ
る。
【0024】請求項15に係る発明は、前記放射線撮像
素子の前方に電磁ノイズと湿気の少なくとも一方を遮断
する遮断部材を覆設したことを特徴とする請求項請求項
1〜13の何れか1つの請求項に記載の放射線撮像装置
である。
【0025】請求項16に係る発明は、前記変換部材の
前方に電磁ノイズと湿気の少なくとも一方を遮断する遮
断部材を覆設したことを特徴とする請求項14に記載の
放射線撮像装置である。
【0026】請求項17に係る発明は、前記変換部材は
蛍光板としたことを特徴とする請求項14又は16に記
載の放射線撮像装置である。
【0027】請求項18に係る発明は、前記遮断材料は
金属フィルムとしたことを特徴とする請求項15又は1
6に記載の放射線撮像装置である。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明を図1〜図5に図示の実施
の形態に基づいて詳細に説明する。図1は第1の実施の
形態のカセッテ21の断面図であり、カセッテ21は可
搬性を有する放射線撮像装置とされ、カセッテ21には
放射線源から出射した放射線Rが入射するようになって
いる。カセッテ21の筐体22の前壁22aには開口2
2bが形成されており、この開口22bには散乱線を除
去するためのグリッドを含む筐体蓋23が配置されて、
前壁22aにねじ留めされている。筐体22と筐体蓋2
3により形成された枠体の内部において、筐体22の後
壁22cには支持台24が備えられ、点線で囲まれた領
域Uの内部には放射線固体撮像部25が配置されてい
る。この放射線固体撮像部25は両端面に接着剤又は粘
着剤を備えた複数の固定材26によって、グリッド23
と支持台24に固定されている。なお、筐体22の前壁
22a及び後壁22cという用語は、放射線Rが入射す
る方向に対する筐体22の相対的位置を示している。
【0029】放射線固体撮像部25において、支持台2
4の前面に基台31が固定材26によって支持され、基
台31の前面には接着剤32を介してセンサ基板(放射
線撮像素子)33が固定されている。センサ基板33は
例えば4個のセンサ基板33a〜33d(センサ基板3
3c、33dは図示せず)によって構成され、これらの
センサ基板33a〜33dは二次元方向に画素ピッチが
合うように位置合わせされている。センサ基板33a〜
33dの前面には受光部を有し、センサの画素領域は複
数個の光電変換素子とTFT(薄膜トランジスタ)素子
が二次元的に配列されて形成されている。
【0030】なお、センサ基板33a〜33dを二次元
方向に画素ピッチが合うように位置合わせすることは、
製造歩留まりに優れた小型のセンサ基板33a〜33d
を複数個配列してセンサ基板33を大判化する目的で行
われている。従って、製造歩留まりに優れた1枚の大面
積のセンサ基板33を製造することが可能であれば、基
台31を必要としない構成が可能となることは云うまで
もない。
【0031】センサ基板33の前面には、放射線を可視
光に変換する蛍光板34が接着剤35によって貼着され
ており、蛍光板34にはCaWO4やGd22S:Tb
3+等の粒状の蛍光材を樹脂板に塗布したものが使用され
ている。蛍光板34の前面には、不透湿性と放射線透過
性を有する例えばアルミニウム蒸着フィルム等の金属フ
ィルム36が、接着剤37を介して接続されている。光
電変換素子とTFT素子に対して湿気、電磁波(ノイ
ズ)等を遮断する必要がある場合に、金属フィルム36
が蛍光板34、光電変換素子及びTFT素子を密閉する
目的で設けられている。そして、この密閉状態をより確
実にするために、金属フィルム36の前面からセンサ基
板33の間に封止材38が充填されている。
【0032】センサ基板33には引出電極部41が設け
られており、引出電極部41は光電変換素子とTFT素
子を駆動するための信号を入力したり、放射線Rの情報
を読み取った信号を外部の図示しない処理装置に出力す
る際に用いられる。引出電極部41にはフレキシブル回
路基板42を介してプリント回路基板43が接続されて
いる。引出電極部41とフレキシブル回路基板42の接
続部には、引出電極部41の電食を防止するための封止
材44が設けられており、この封止材44にはシリコン
樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等が使用されてい
る。
【0033】回路基板42、43には、上述の入力又は
出力信号を処理するためのIC45、46がそれぞれ実
装されていると共に、これらのIC45、46から発し
た熱を筺体22に伝導させる対策が施されている。この
熱伝導対策として、平板47と放熱板48がフレキシブ
ル回路基板42の両面にそれぞれ圧接するようにねじ留
めされ、放熱板48の一端部は筺体22にねじ留めされ
ている。また、熱伝導機能を有する取付板49の前端と
後端が、プリント回路基板43と筺体22にそれぞれね
じ留めされている。そして、IC45、46の近傍に
は、放射線RがIC45、46に入射しないように遮蔽
する遮蔽層(又は膜)51、52がそれぞれ設けられて
いる。
【0034】図2の部分拡大図にも示すように、一方の
IC45の表面45aは外方に向けられ、裏面45bが
フレキシブル回路基板42の表面42aに接続されてい
る。従って、IC45に対する遮蔽層51は、IC45
の表面45aと側面45cの全体を覆うように設けられ
ている。そして、前述の放熱板48は遮蔽層51をIC
45との間に挟むように取り付けられている。
【0035】なお、遮蔽層51は放射線Rが入射する領
域を覆うように設ければよいので、IC45の側面45
cのうちの放射線Rが入射する面のみを覆えばよい。し
かし、放熱板48のねじ留めの仕方によってはフレキシ
ブル回路基板42が傾斜することがあるので、安全性を
考慮して遮蔽層51はIC45の表面45aと側面45
cの全体を覆うように設けることが好ましい。
【0036】これに対し、他方のIC46の表面46a
は後方に向けられ、裏面46bがプリント回路基板43
の表面43aに接続されている。従って、IC46に対
する遮蔽層52は、プリント回路基板43の裏面43b
にそれぞれ設けられ、遮蔽層52の広さはIC46の広
さと同等か又はそれよりも若干大きくされている。
【0037】なお、回路基板42、43の放射線Rの遮
蔽を必要とする領域に、絶縁保護されていない部品や配
線が存在している場合には、図3に示すように回路基板
42、43に絶縁層(又は膜)53、54をそれぞれ設
け、これらの絶縁層53、54を下地にして遮蔽層5
1、52をそれぞれ設ければよい。
【0038】ここで、図4に示すように、遮蔽層51、
52は放射線Rの遮蔽に適した性質を有する材料、つま
り放射線遮蔽性材料55を粉末にして混入させた有機又
は無機の化合物56から構成している。そして、放射線
遮蔽性材料55は少なくともPb(鉛)、Ta(タンタ
ル)、Ba(バリウム)、W(タングステン)等の群か
ら選択した金属とすることが可能である。しかし、実際
には粒状に加工し易い点から半田ボ−ルとすることが好
ましい。また、化合物56は液体の状態でIC45、4
6を覆った後に熱、湿気、2液混合等によって硬化する
シリコン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレ
タン樹脂、アルミナ、炭化硅素等の群から選択すること
ができる。中でもシリコン樹脂、エポキシ樹脂、アクリ
ル樹脂、又はポリウレタン樹脂を選択すれば、IC4
5、46のチップ上の微小領域に遮蔽層51、52を容
易に形成することが可能となる。
【0039】遮蔽層51、52を設けるに際しては、遮
蔽層51、52となる材料を液状のまま必要な領域にデ
ィスペンサ、スプレ等によって塗布するか、フレキソ等
の印刷によってコーティングし、その後に熱、硬化剤付
与、湿気等によって硬化させるプロセスを採用する。ま
た、フレキシブル回路基板42の可撓性によって遮蔽層
51がフレキシブル回路基板42から剥離し易いので、
遮蔽層51には軟質材料を使用して遮蔽層51の剥離を
防止することが好ましく、前述の材料のうちではシリコ
ン樹脂が最も好ましい。
【0040】このようなカセッテ21に放射線Rが入射
すると、蛍光板34が放射線Rを可視光に変換する。こ
の可視光は蛍光板34の直後の接着剤35を透過してセ
ンサ基板33の光電変換素子に入射し、光電変換素子は
可視光を光電変換して二次元画像とし、この二次元画像
は引出電極部41から出力される。
【0041】このとき、放射線Rが筐体22の前壁22
aを透過しないことが好ましいばかりでなく、蛍光板3
4が全ての放射線Rを可視光に変換することが好ましい
が、実際には放射線Rが筐体22の前壁22aを透過し
てフレキシブル回路基板42に向かったり、蛍光板34
で変換しきれない放射線Rがセンサ基板33や基台31
等を透過してプリント回路基板43に向かったりするこ
とがある。
【0042】しかしながら、この第1の実施の形態では
遮蔽層51、52が放射線Rを遮蔽し、放射線RがIC
45、46に入射することを防止する。従って、IC4
5、46に誤動作を発生させることがなく、素子の特性
を劣化させることもない。また、従来のように面積の大
きい鉛板を使用しない上に、遮蔽層51、52を必要な
領域に設ければよいので、軽量化が可能となる。更に、
Pb(鉛)を使用する場合でも必要な領域以外には使用
しないので、軽量化及び低コスト化が可能となる。
【0043】図5は第2の実施の形態のカセッテ21’
の要部断面図であり、筺体22に入射した放射線Rが筺
体22の後壁22cで散乱して散乱線R’となり、この
散乱線R’の強度によっては、散乱線R’がプリント回
路基板43のIC46に入射した場合に、悪影響が生ず
ることが予想できる。
【0044】そこで、この第2の実施の形態では、プリ
ント回路基板43のIC46の表面46aと側面46c
の全体を、第1の実施の形態と同様な材料、即ち放射線
遮蔽性材料55を粉末にして混合した化合物56から成
る遮蔽層57によって覆っている。なお、IC46が絶
縁保護されてない場合は、IC46の周辺に第1の実施
の形態と同様な絶縁層54を設けることが好ましいこと
は云うまでもない。
【0045】この第2の実施の形態では、第1の実施の
形態と同様な効果を達成することが可能である上に、プ
リント回路基板43のIC46を第1の実施の形態より
も良好に保護することができる。なお、放射線を遮蔽す
るための遮蔽層(化合物層)は、必ずしも全ての電子部
品(IC等)毎に設ける必要はなく、放射線の影響を受
け易い位置にある電子部品又は放射線の影響を受け易い
性質の電子部品等に限定して、所定の一部の単数又は複
数の電子部品毎に設けるようにしてもよい。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る放射線
撮像装置は、従来のような面積の大きい鉛板を必要とし
ない上に、化合物層を必要な領域に設けたので、軽量化
を達成することができる。また、鉛を使用する場合でも
必要な領域以外には使用しないので、軽量化及び低コス
ト化を実現することが可能となる。また、「発明が解決
しようとする課題」で述べたような鉛板を分散配置する
場合に比べて、部品点数を少なくできるため製造が容易
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の断面図である。
【図2】部分拡大図である。
【図3】絶縁層を設ける場合の断面図である。
【図4】遮蔽層の説明図である。
【図5】第2の実施の形態の要部断面図である。
【図6】従来例の使用状態の説明図である。
【図7】従来例の断面図である。
【図8】従来例の放射線固体撮像部の断面図である。
【図9】従来例のセンサ基板の平面図である。
【符号の説明】
21、21’ カセッテ 22 筐体 22a 前壁 22b 開口 22c 後壁 23 筐体蓋 25 放射線固体撮像部 33 センサ基板 34 蛍光板 36 金属フィルム 41 引出電極部 42、43 回路基板 42a、43a 表面 42b、43b 裏面 45、46 IC 45a、46a 表面 45b、46b 裏面 45c、46c 側面 51、52、57 遮蔽層 53、54 絶縁層 55 放射線遮蔽性材料 56 化合物

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射線撮像素子への入力信号又は放射線
    撮像素子からの出力信号を処理する電子部品の近傍に、
    放射線を遮蔽するための放射線遮蔽性材料を粉末にして
    混入させた有機又は無機化合物の化合物層を設けたこと
    を特徴とする放射線撮像装置。
  2. 【請求項2】 放射線撮像素子への入力信号又は放射線
    撮像素子からの出力信号を処理する電子部品の外周面の
    少なくとも一部を覆うように、放射線を遮蔽するための
    放射線遮蔽性材料を粉末にして混入させた有機又は無機
    化合物の化合物層を設けたことを特徴とする放射線撮像
    装置。
  3. 【請求項3】 放射線撮像素子への入力信号又は放射線
    撮像素子からの出力信号を処理するための複数の電子部
    品を有し、これら複数の電子部品のうちの所定の個々の
    電子部品毎に、放射線を遮蔽するための放射線遮蔽性材
    料を粉末にして混入させた有機又は無機化合物の化合物
    層を設けたことを特徴とする放射線撮像装置。
  4. 【請求項4】 放射線撮像素子への入力信号又は放射線
    撮像素子からの出力信号を処理するための複数の電子部
    品が実装された回路基板を有し、前記複数の電子部品の
    うちの所定の個々の電子部品毎に、放射線を遮蔽するた
    めの放射線遮蔽性材料を粉末にして混入させた有機又は
    無機化合物の化合物層を設けたことを特徴とする放射線
    撮像装置。
  5. 【請求項5】 回路基板に実装された前記電子部品の表
    面の少なくとも一部を覆うように前記化合物層を設けた
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1つの請求項に
    記載の放射線撮像装置。
  6. 【請求項6】 前記電子部品が実装された回路基板の裏
    面側に前記化合物層を設けたことを特徴とする請求項1
    〜4の何れか1つの請求項に記載の放射線撮像装置。
  7. 【請求項7】 回路基板に実装された前記電子部品の表
    面に放射線が入射する場合には、前記電子部品の表面の
    少なくとも一部を覆うように前記化合物層を設け、放射
    線が前記電子部品の裏面に入射する場合には、前記化合
    物層を前記回路基板の裏面に設けたことを特徴とする請
    求項1〜4の何れか1つの請求項に記載の放射線撮像装
    置。
  8. 【請求項8】 前記化合物層の広さは遮蔽される前記電
    子部品の表面の広さと同等としたことを特徴とする請求
    項1〜7の何れか1つの請求項に記載の放射線撮像装
    置。
  9. 【請求項9】 前記放射線遮蔽性材料は少なくとも鉛、
    タンタル、バリウム、タングステン及び半田から成る群
    から選択したことを特徴とする請求項1〜8の何れか1
    つの請求項に記載の放射線撮像装置。
  10. 【請求項10】 前記放射線遮蔽性材料は半田ボールと
    したことを特徴とする請求項1〜8の何れか1つの請求
    項に記載の放射線撮像装置。
  11. 【請求項11】 前記有機又は無機化合物は、熱、湿
    気、又は二液混合で硬化する有機樹脂としたことを特徴
    とする請求項1〜8の何れか1つの請求項に記載の放射
    線撮像装置。
  12. 【請求項12】 前記有機又は無機化合物は、シリコン
    樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹
    脂、アルミナ、炭化硅素から成る群から選択したことを
    特徴とする請求項1〜8の何れか1つの請求項に記載の
    放射線撮像装置。
  13. 【請求項13】 前記放射線撮像素子は複数個の光電変
    換素子と薄膜トランジスタから構成したセンサ基板とし
    たことを特徴とする請求項1〜12の何れか1つの請求
    項に記載の放射線撮像装置。
  14. 【請求項14】 前記センサ基板の前面に放射線を可視
    光に変換する変換部材を備えたことを特徴とする請求項
    13に記載の放射線撮像装置。
  15. 【請求項15】 前記放射線撮像素子の前方に電磁ノイ
    ズと湿気の少なくとも一方を遮断する遮断部材を覆設し
    たことを特徴とする請求項請求項1〜13の何れか1つ
    の請求項に記載の放射線撮像装置。
  16. 【請求項16】 前記変換部材の前方に電磁ノイズと湿
    気の少なくとも一方を遮断する遮断部材を覆設したこと
    を特徴とする請求項14に記載の放射線撮像装置。
  17. 【請求項17】 前記変換部材は蛍光板としたことを特
    徴とする請求項14又は16に記載の放射線撮像装置。
  18. 【請求項18】 前記遮断材料は金属フィルムとしたこ
    とを特徴とする請求項15又は16に記載の放射線撮像
    装置。
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