JP4761587B2 - 放射線撮像装置及びシステム - Google Patents

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Description

本発明は、医療用測定器、非破壊検査器などに用いられる1次元或いは2次元の像を撮像するための放射線撮像装置及びシステムに関するものである。
なお、本明細書では、放射線の範ちゅうにX線、α線、β線、γ線などの電磁波も含むものとする。
被写体を放射線によって曝射して得られた放射線の像を撮像する放射線撮像装置の代表例として、X線撮像装置を例に挙げて説明する。
X線撮像装置においては、撮像素子によって受光されたX線像を電気信号に変換することにより撮像を行う。X線は可視光線に比べてエネルギーが高いので、撮像素子によってその全てのX線が吸収されるわけではなく、撮像素子を透過したX線の中には、撮像素子の周辺回路を構成している半導体集積回路素子に入射し、その半導体集積回路素子を誤動作させるものがでてくる恐れがある。
そのために、米国特許第5、777、335号の明細書及び図面や特開平9−152486号公報には、そのようなX線から半導体集積回路素子を遮蔽するために、鉛のような遮蔽部材を配置する構成が提案されている。
図16は、従来の放射線撮像装置の一例を示す模式図である。図16において、1は撮像素子、2は撮像素子基板1などの支持体、3は回路基板、4は鉛の板などの放射線遮蔽部材、5は半導体集積回路素子などの能動素子、11は筐体、12はフレキシブル配線基板などの配線部材、13は放射線である。
図示しない放射線源から照射された放射線は被写体を透過して放射線撮像装置へと入射する。入射した放射線13には、被写体のX線情報が含まれている。
撮像素子基板1に入射した被写体の情報を含むX線は、そこで直接或いは間接的に電荷を発生させ、電子回路により読み出すことができる電気信号となる。
X線は可視光に比べてエネルギーが高いために、撮像素子基板1において完全に吸収されず、撮像素子基板1を透過することがある。そこで、鉛板のような遮蔽部材4を撮像素子基板1の受光面とは反対側の面(裏面)側に設け、能動素子5を有する回路基板3にX線が入射することを妨げている。
米国特許第5、777、335号明細書 特開平9−152486号公報
しかし、図16に示したような構成では、X線遮蔽すべき回路基板3に比べて、かなり大きな面積を有する遮蔽部材4を搭載しているために、撮像装置がかなり重くなる。立位や臥位などの大型診察機器の用途としては許容される重量であっても、近年、市場の強い要望があるところの、診察室、ベッド、救急車などでも使用できる簡易型撮像装置としては、持ち運びがし難いものとなる。
そこで、本発明は、軽量な放射線撮像装置及びシステムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の骨子は、放射線撮像装置であって、入射された放射線を電気信号に変換する変換素子を有する撮像素子基板と、前記撮像素子基板に接続された複数のフレキシブル回路基板と、前記撮像素子基板の側方に配置され、前記複数のフレキシブル回路基板のいずれか1つの上に設けられて前記撮像素子基板にそれぞれが接続された複数の回路チップと、複数の放射線遮蔽部材と、を有する放射線撮像装置であって、前記複数の回路チップと前記複数の放射線遮蔽部材とは一対一に対応しており、前記複数の放射線遮蔽部材のそれぞれは、樹脂と、Pb、Ta、Ba、Wから選択された少なくとも一種の金属の粉末又は複数のハンダボールとの硬化物であり、対応する回路チップの面のうち、前記放射線撮像装置へ放射線が入射する側の面を覆う位置に絶縁膜を介して設けられており、前記放射線撮像装置へ放射線が入射する側の面以外の面を覆う位置には設けられていないことを特徴とする。
さらに、本発明の骨子は、上述した放射線撮像装置と、前記放射線撮像装置によって撮像された像を表示するためのディスプレイと、を具備する放射線撮像システムであることを特徴とする。
発明によると、重量のある遮蔽部材を小さくすることが可能となるので、放射線撮像装置及びシステムを軽量化することができる。
本発明の実施形態1の放射線撮像装置の断面図である。 本発明の実施形態2の放射線撮像装置の断面図である。 図2の遮蔽部材の構成を示す模式的断面図である。 図2の能動素子5に対して一対一で遮蔽部材4を配置する場合の構成を示す模式図である。 本発明の実施形態3の放射線撮像装置に用いられる回路基板3に搭載される半導体集積回路素子の模式的な断面図である。 本発明の実施形態4の放射線撮像装置の回路基板3の模式的な断面図である。 本発明の実施形態5の放射線撮像装置の一例を説明するための概略斜視図である。 本発明の実施形態6のカセッテ型の撮像装置の内部構成を示す断面図である。 図8の放射線撮像素子モジュール16の断面図である。 図8の放射線撮像素子モジュール16の上面図である。 本発明の実施形態6の放射線撮像装置の構成を示す図である。 図11のセンサ基材の引き出し電極部32及びフレキシブル回路基板33周辺の拡大図である。 本発明の実施形態7の放射線撮像装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態8の放射線撮像装置の模式的な構成図及び模式的な断面図である。 本発明のX線診断システムを説明するための模式図である。 従来の放射線撮像装置の構成を示す模式的断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
(実施形態1)図1は、本発明の実施形態1の放射線撮像装置の断面図である。ここで、符号1は撮像素子基板、2は支持体、3は回路基板、11は筐体、12は配線部材である。
撮像素子基板1としては、X線のような放射線を吸収し電荷を発生させるタイプの直接型変換素子、或いは、放射線を一旦可視光線に変換した後、その可視光線を吸収し電荷を発生させる間接型変換素子、のうち何れかを用いることができる。
例えば、間接型の撮像素子基板1としては、撮像素子基板1上に薄膜半導体プロセスによって所要の光電変換素子を作成し、その撮像素子基板1上には、さらに、シンチレータ、蛍光体のような波長変換体を設けた構成があり、この場合には蛍光体により、光電変換素子の感度波長域において、X線が可視光線に波長変換され、撮像素子基板1に入射することで光電変換後の電気信号となる。なお、撮像素子基板1は、複数の光電変換素子基板からなる。
具体的には、水素化アモルファスシリコン(以下、「a−Si」と称する。)のような非単結晶半導体材料により、光電変換素子の光電変換半導体層と、薄膜電界効果型トランジスタ(以下、「TFT」と称する。)の半導体層とを同時又は順次形成して、可視光線の2次元エリア型撮像素子を作成し、これにCsI蛍光体のような波長変換体のシートを貼り合せて、放射線撮像素子を形成する。
また、別の間接型変換素子としては、単結晶シリコン基板にホトダイオードとともにCCDやMOSトランジスタを作成し、その受光面上に波長変換体を設けた構成であってもよい。
一方、直接型変換素子としては、単結晶シリコン基板や、ガラス基板の表面にトランジスタなどでアドレス回路を形成し、そのアドレス回路にGaAsなどの化合物半導体からなる放射線吸収素子を接続した構成の素子が用いられる。
支持体2は、金属、セラミックス或いはガラスなどからなる板状のものであり、表面側に撮像素子基板1が平面的に重なるように固定され、裏面側には、回路基板3などが固定されていて、これを筐体11としての外装カバーにて覆っている。
撮像素子基板1側より入射されたX線は、蛍光体の板により可視光線に波長変換され、撮像素子基板1に入射し、光電変換素子による光電変換後の電気信号となるが、波長変換されないX線は、蛍光体の板が搭載された撮像素子基板1を透過し、撮像素子基板1の裏面側(図面下方)に配置された回路基板3に爆射される。
回路基板3は、銅などの導電層パターンとガラスエポキシなどの絶縁層が積層された構成の所謂プリント回路基板が用いられる。多数の導電層パターンと多数の絶縁層が相互に積層された多層プリント配線基板とすれば、より高密度な実装が可能である。
回路基板3には、例えば、撮像素子基板1の動作を制御するための制御回路ブロックや、撮像素子基板1から得られた画像信号を記憶したり、画像処理する画像処理回路ブロックや、外部とのインターフェース回路ブロックなどが形成される。
配線部材12としては、半導体集積回路チップを有するテープキャリアパッケージのTABテープを用いてもよいし、単純なフレキシブルプリント回路基板であってもよい。
回路基板3の回路は、個別ダイオードや個別トランジスタなどの個別半導体素子や、半導体集積回路素子のような能動素子5と、コンデンサや抵抗などの受動素子6などにより構成され、これらがコネクタなどと共に回路基板3の表面或いは裏面のうち少なくとも何れか一方に実装されている。
特に、そのうちの単結晶半導体素子からなる能動素子5は、X線により誤動作することで、取り出される情報信号の品質の低下や装置自体の信頼性を低下させる可能性がある。
そこで、本実施形態においては、図1のように、撮像素子基板1のガラス基板の裏面で対向して配置されている支持体2と回路基板3との間に撮像素子基板1及び回路基板3のいずれよりも小さい面積の遮蔽部材4を設けている。
換言すれば、撮像素子基板1の下方には、部分的に設けられた層状のX線遮蔽用の遮蔽部材4があり、これの設置位置に対応して回路基板3上に能動素子5を設けており、透過X線から能動素子5を保護することができる。また、回路基板3を、撮像素子基板1の周辺に配置するのではなく、X線投射方向に重ねた位置に置き、そこに能動素子5を設けている。
このようにすることで、撮像素子基板1を透過したX線が遮蔽部材4によって遮蔽され、回路基板3の能動素子5へのX線曝射を回避することが可能になる。
(実施形態2)図2は、本発明の実施形態2としての放射線撮像装置の断面図である。本実施形態では、図2に示すように、撮像素子基板1の裏面で対向して配置されている支持体2と回路基板3に搭載された能動素子5との間にのみ、それぞれ、遮蔽部材4を設けている。
遮蔽部材4は、撮像素子基板1の裏面側回路基板3上に設けられた能動素子5に一対一に対応して分割されて、より小型化された層状の遮蔽部材4が複数設けられている。これによって、透過X線から周辺回路を効率良く保護することができる。
ここでは、遮蔽部材4の大きさ(回路基板3の表面に沿った面における面積)は、能動素子5の外形の大きさより若干大きなものとしている。また、回路基板3は両面実装基板としており、能動素子5はその一方の面にのみ実装している。
こうすることにより、回路基板3上の各種部品のレイアウトに応じて、遮蔽部材4がレイアウトしやすい構成となる。そして、遮蔽部材の面積の合計は、回路基板の面積よりも小さい。
また、回路基板3を、撮像素子基板1の周辺に配置するのではなく、X線投射方向に重ねた位置に配置しており、しかも、回路基板3上の能動素子5に対応して、より小型化された遮蔽部材4が設けているので、X線遮蔽部材の材料である重金属の使用量を低減することができ、装置全体がより一層軽量化でき、これによって装置本体の筐体11なども簡単化や薄肉化ができるため、装置全体の小型化も達成できる。
次に本実施形態に用いられる遮蔽部材4の変形例について述べる。
遮蔽部材4は、図3(a)に示すように、重金属及び重金属を含有した材料で構成される。具体的には、表面が樹脂などでコートされた鉛板が挙げられる。
また、図3(b)に示すように、遮蔽効果がないか、遮蔽効果が低い材料からなる支持体52の両面に、上記遮蔽材料の層51を一体的に設けたものでもよい。
さらには、図3(c)に示すように、1対の支持体52にて遮蔽材料の層を挟み込んだ構成であってもよい。
さらには、図3(d)に示すように、バインダ53の中に遮蔽材54を多数分散させて一体化したもので遮蔽部材4を構成してもよい。
図4は、図2の能動素子5に対して一対一で遮蔽部材4を配置する場合の構成を示す模式図である。能動素子5、特に、単結晶半導体素子からなる半導体集積回路素子の場合には、図4(a)に示すように遮蔽部材4は、半導体集積回路素子から分離して、詳しくは、半導体集積回路素子のパッケージから離した位置に配置する。例えば支持体2に固定してもよい。
また、半導体集積回路素子等からなる能動素子5の上に、直接、貼り付け、または、印刷・塗布などの方法により、遮蔽部材4を固定してもよい。図4の(b)は、半導体集積回路素子のパッケージの大きさよりも、若干大きな遮蔽部材4を、パッケージに固定した場合を示している。
本実施形態によれば、特に、遮蔽部材4が小型化されることで、両面テープなどによる簡易な固定方法でも、遮蔽部材を支持体2や能動素子5に固定することができるので、コストの点からも効果がある。
(実施形態3)本発明の実施形態3では、能動素子5としての半導体集積回路素子に入射する放射線から該素子5を遮蔽するための遮蔽部材4を、半導体集積回路素子に一対一に対応して設けている。そして、遮蔽部材4の面積は、対応する半導体集積回路素子のパッケージより小さく且つ該半導体集積回路素子の半導体集積回路チップより大きくしている。
図5(a)は、本発明の実施形態3の放射線撮像装置に用いられる回路基板3に搭載される半導体集積回路素子の模式的な断面図である。図5(a)において、61はシリコン基板などに形成された半導体集積回路チップ、62はボンディングワイヤとしての金線、63は外部接続用のリード、64はチップ61を支持するフレーム、65は封止用の樹脂などからなるパッケージである。
半導体集積回路素子の多くは、図示したようにその外形を決めているパッケージ6の大きさに比べて、半導体集積回路チップ61の大きさは相当小さい。そこで、遮蔽部材4の実装面積(回路基板3の実装面に沿った面における面積)をパッケージ65の実装面積より小さく且つ半導体集積回路チップ61の面積と同等かそれより大きなものとする。
論理回路やシステムLSIのような大規模な半導体集積回路素子の中には、チップの面積がパッケージの面積に比べて極端に小さいものもあり、そのような場合には、使用する遮蔽部材4をより小さくすることができる。
図5(b)は、図5(a)の変形例を示す図であり、回路基板3の片面に遮蔽部材4を配置し、もう片方の面に半導体集積回路素子5を配置している。
もちろん、図5(a)の構成と図5(b)の構成とを組み合わせて、半導体集積回路チップの両面を遮蔽することも好ましいものである。
(実施形態4)本発明の実施形態4の放射線撮像装置においては、放射線遮蔽部材として、回路基板3に被着されたハンダによって遮蔽部材4を形成するものである。
図6は、本発明の実施形態4の放射線撮像装置の回路基板3の模式的な断面図であり、遮蔽部材4を鉛と錫を含むハンダで形成している。
このハンダの層が回路基板3の表面に占める面積は、回路基板3の面積よりも小さく、且つ能動素子5の実装面積よりも大きくしている。
(実施形態5)図7は、本発明の実施形態5の放射線撮像装置の一例を説明するための概略斜視図である。図示のように、本実施形態の放射線撮像装置においては、遮蔽部材4が撮像素子基板1の光電変換基板より小さく、且つ、回路基板3の上方の必要な部分のみを覆えるように配されている。
即ち、支持体2上には、複数(この事例では4個)の光電変換素子基板からなる撮像素子基板1が配置され、また、撮像素子基板1の下方であって筐体11としての外装カバーの底部側に設けた回路基板3上には、複数の能動素子5が配置され、少なくとも、これら能動素子5に対応して、撮像素子基板1と回路基板3との間に遮蔽部材4が配置されている。
なお、光電変換素子基板上の光電変換素子(図示せず)からの電気信号は、フレキシブル回路基板のような配線部材12を介して、回路基板3側に伝達される。また、筐体11としての外装カバーは、その上面に、撮像素子基板1のX線照射領域に対応する開口11aが形成されている。
また、本実施形態では、支持体2上に4つの光電変換素子基板を配設しているが、1個の撮像素子基板1を配設するシンプル構造としてもよいことはもちろんである。
以上の各実施形態においては、回路基板3に鉛を含まないハンダ、例えば銀、銅、ビスマスから選択される少なくとも一種と、錫とを含む鉛フリーハンダで能動素子5等の各種部品を取り付け、遮蔽部材4のみに鉛を用いることも好ましいものである。
この場合には、遮蔽部材4のみを取り外せば、使用できなくなった装置の解体、修理、破棄を行いやすくなる。さらにこの場合には、鉛を含む遮蔽部材4を樹脂などで封止した状態で組み立てておけば尚よい。
(実施形態6)本発明の実施形態6について説明する前に、図8〜図10を参照して参考例による放射線撮像装置の構成について述べる。
図8は、本発明の実施形態6のカセッテ型の撮像装置の内部構成を示す断面図である。装置の外枠は、筐体14にグリッド15をビス留めした構成であり、装置内に図示している点線枠で囲われた領域に放射線撮像素子モジュール16がある。
放射線撮像素子モジュール16は装置内で支持台17に支えられ、接着材、或いは、粘着剤を両面に有する固定材18で支持台17ならびにグリッド15に固定されている。
放熱板19と平板41との間に放射線撮像素子モジュール16内のフレキシブル回路基板33を挟みビス42で二つの板の間隔を狭めることでフレキシブル回路基板33を放熱板19に固定する。
さらに、放熱板19は筐体14にビス42で接続されることによって、機械的に筐体14に固定される。同時に、フレキシブル回路基板33に搭載された画像信号読み出し用のIC35から発する熱は放熱板19を介して筐体14へと導かれ、放熱面積を稼いでよりよい冷却効果をあげている。
またプリント回路基板34は取り付け板21を介してビス42によって筐体14に固定されている。55、56は放射線7を遮蔽する鉛板、22は蛍光板30において変換されず且つ基台28を透過したX線である。
図9は、図8の放射線撮像素子モジュール16の断面図である。図10は、図8の放射線撮像素子モジュール16の上面図である。図9,図10において、23〜26は上面が受光部であるセンサ基材、27はセンサ基材23〜26の上に各々形成された画素領域であり、光電変換素子とTFT素子(トランジスタ)とが備えられている。28はセンサ基材23〜26を保持する基台、29はセンサ基材23〜26と基台28とを固定する接着材である。
センサ基材23〜26は2次元方向に画素ピッチが合うよう位置合わせされた状態で基台28に固定されている。これは製造歩留まりのよい小型基板を複数個配列させ大判化するといった目的で行われている。したがって、歩留まりのよい1枚の大面積基板が製造可能であれば、基台29を有しない放射線固体撮像素子を構成してもよい。
また、30は放射線を可視光に変換する蛍光体の板でCaWO4やGd22S:Tb3等の粒状の蛍光材を樹脂板に塗布したものやCsI蒸着物の層などが用いられる。31はセンサ基材23〜26と蛍光板30を貼り合わせるための接着材である。32は画素領域に備えている光電変換素子及びTFT素子を駆動させるための入力信号とX線情報を読み取った出力信号とをセンサ基材23〜26外にある入力或いは出力システムとのやりとりを行う引き出し電極部である。
なお、ここでは、蛍光板30と光電変換素子とで変換手段を構成するようにしているが、放射線を直接電気信号に変換するような変換手段を用いれば、蛍光板30は不要となる。
引き出し電極部32はフレキシブル回路基板33を介してプリント回路基板34に接続されている。フレキシブル回路基板33上とプリント回路基板34との各々には入力信号或いは出力信号を処理するIC35,36が各々搭載されている。
また、引き出し電極部32とフレキシブル回路基板33の接合部において、引き出し電極部32の電食を防止するためシリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などの封止材37を設けている。
さらに、38は不透湿かつ放射線透過性の性質を有する金属フィルムであり、蛍光板30上に接着材39を介して接続されている。光電変換素子及びTFT素子に防湿或いは電磁波遮蔽が求められる場合に、金属フィルム38は蛍光板30と光電変換素子及びTFT素子とを密閉する目的で用いられる。
さらに蛍光板30と光電変換素子及びTFT素子との密閉をより確実にするため、金属フィルム38上からセンサ基材23〜26の間を封止材40で充填するとよい。
このように構成された放射線撮像装置は、放射線源から被写体を透過して装置内に入射した放射線7を蛍光板30内で可視光へと変換する。この可視光は、蛍光板30直下の接着材31を透過しセンサ基材上に形成された光電変換素子に入射される。
光電変換素子では、これを光電変換し2次元画像を形成するために出力する。この時、蛍光板30によって全ての放射線7が可視光へ変換されることが望ましい。実際は、変換しきれなかった放射線22がセンサ基材や基台28を透過して、支持台17に備えられている鉛板56に照射されることがある。
仮に鉛板56がない場合、放射線22はさらに支持台17を透過し、下方にあるプリント回路基板34に搭載しているIC36に入射される。IC36へのX線入射は誤動作を起こし、また光電変換素子の特性を劣化させる問題に進展することがある。
したがって放射線固体撮像装置は、鉛板56を設けてプリント回路基板34上のIC36に放射線が照射されないよう工夫がされている。しかしながら、前述したように鉛板56などの重量により装置が重くなってしまう。
以下、図面を用いて本発明の実施形態6について説明する。
図11は、本発明の実施形態6の放射線撮像装置の構成を示す図である。図11においては、遮蔽部材4を、放射線遮蔽性を有する材料を例えば粉末にし混入させた有機化合物もしくは無機化合物からなる材料で作成している。
シンチレーターであるところの蛍光板30によって変換されなかった放射線9は撮像素子モジュール16と支持台17とを透過して、プリント回路基板34上のIC(能動素子)36に照射される。
放射線9を遮蔽するため、プリント回路基板34上に遮蔽部材4を設ける。遮蔽部材4は回路基板34のIC36の実装面と逆の面上にIC36の実装面の面積と同等或いはそれより大きな面積となるように形成する。
また、本実施形態では、筐体14を透過した放射線8が、90度に折り曲げられたフレキシブル回路基板33上のIC35に照射されないように、IC35を包み込むように遮蔽部材4を形成している。理論的には、遮蔽部材4を形成していなければ放射線8が入射するであろう領域にだけ遮蔽部材4を形成すればよいので、IC35の側面をカバーすればよいことになる。
しかし、ビス42による取り付け板21のビス留めの仕方によっては、フレキシブル回路基板33が若干傾いて固定されることもあるので、IC35の放射線7からの遮蔽に万全を期すためには、IC35を包み込むように形成するとよい。なお、図11において図8〜図10と同様の部分には、同一の符号を付している。
図12は、図11のセンサ基材の引き出し電極部32及びフレキシブル回路基板33周辺の拡大図である。図12において、55は必要に応じて設けられる絶縁膜であり遮蔽部材4の下部に設けられている。これは、仮に遮蔽を必要とするエリアに絶縁保護されていない部品や配線がある場合に有用である。
また、54はPb、Ta、Ba、Wなどの金属のように、放射線遮蔽性を有する材料である。実際は粒状に加工しやすい点からハンダボールが適している。53は有機化合物もしくは無機化合物のバインダであり、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アルミナ、炭化けい素が挙げられる。中でもシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂を選択すれば、IC35,36上に例えば膜状に形成することが容易になる。
なお、ハンダボールの材料であるハンダは、例えばSn−Pb(63wt%:37wt%)の共晶ハンダやSn−Pb(10wt%:90wt%)の高融点ハンダを用いている。
また、遮蔽部材4を液状のまま必要なエリアにディスペンサー、スプレーなどによる塗布或いはフレキソなどの印刷によりコーティングし、その後熱、2液混合、湿気、紫外線などで硬化させることもできる。
さらに、フレキシブル回路基板33のように形状が変形するものに塗布等しても剥れないように、軟らかな材質が望まれる。先に挙げた材料の中ではシリコーン樹脂がもっとも適している。
また、IC35,36を遮蔽部材4で覆えば、どの方向から放射線が装置内に入射しても、遮蔽できる。
(実施形態7)図13は、本発明の実施形態7の放射線撮像装置の構成を示す図である。本実施形態は図11に示したカセッテ型放射線撮像装置に、さらに、別の鉛板56を備えたものである。
図13に示すように、IC36を覆うように鉛板56を備えることによって、筐体14内に侵入した放射線8が、筐体14の底に達して散乱した場合、散乱線8の強度によってはプリント回路基板34上のIC36の表面に放射線7が照射されることも考えられる。
そのため、プリント回路基板34上のIC36の表面をも鉛板56で覆っている。その際、IC36が絶縁保護されてない場合は、図12に示したようにIC36と鉛板56との間に絶縁膜を介在させることが望ましい。
(実施形態8)図14(a)、図14(b)は本発明の実施形態8の放射線撮像装置の模式的な構成図及び模式的な断面図である。光電変換素子とTFTはa−Siセンサ基材6011内に複数個形成され、シフトレジスタ又は検出用集積回路を構成しているIC35が実装されたフレキシブル回路基板6010が180℃に折り曲げられて接続されている。
フレキシブル回路基板6010の逆側は回路基板PCB1、PCB2に接続されている。a−Siセンサ基材6011の複数枚が基台6012の上に接着され大型の光電変換装置を構成する基台6012の下には処理回路6018内のメモリ6014をX線から保護するため遮蔽部材としての鉛板6013が実装されている。
a−Siセンサ基材6011上にはX線を可視光に変換するためのシンチレーター6030例えばCsIが、蒸着されている。図14(b)に示されるように全体をカーボンファイバー製のケース6020に収納している。
次に、本発明の放射線撮像システムについて説明する。
図15は、前述した各実施形態による放射線撮像装置を用いたX線診断システムへの応用例を示す図である。放射線源としてのX線チューブ6050で発生したX線6060は患者或いは被験者6061の胸部6062を透過し、シンチレーターを上部に実装した放射線撮像装置6040に入射する。この入射したX線には患者6061の体内部の情報が含まれている。
X線の入射に対応してシンチレーターは発光し、これを光電変換して、電気的情報を得る。この情報はディジタルに変換されイメージプロセッサ6070により画像処理され制御室のディスプレイ6080で観察できる。
また、この情報は電話回線6090等の伝送手段により遠隔地へ転送でき、別の場所のドクタールームなどディスプレイ6081に表示もしくは光ディスク等の保存手段に保存することができ、遠隔地の医師が診断することも可能である。またフィルムプロセッサ6100によりフィルム6110に記録することもできる。
なお、以上説明した各実施形態では、X線を用いた場合を例に説明したが、 α,β,γ線等の放射線を用いることができる。また、光は光電変換素子により検出可能な波長領域の電磁波であり、可視光を含む。さらに、例えば放射線を含む電磁波を電気信号に変換する電磁波電気信号変換装置にも適用することができる。
1 撮像素子基板
2 支持体
3 回路基板
4 遮蔽部材
5 能動素子
11,14 筐体
12 配線部材
15 グリッド
16 放射線撮像素子モジュール
17 支持台
18 固定材
19 放熱板
21 取り付け板
23〜26 センサ基材
27 画素領域
28 基台
29,31,39 接着材
30 蛍光板
32 引き出し電極部
33 フレキシブル回路基板
34 プリント回路基板
35,36 IC
37,40 封止材
38 金属フィルム
41 平板
42 ビス

Claims (5)

  1. 放射線撮像装置であって、
    入射された放射線を電気信号に変換する変換素子を有する撮像素子基板と、
    前記撮像素子基板に接続された複数のフレキシブル回路基板と、
    前記撮像素子基板の側方に配置され、前記複数のフレキシブル回路基板のいずれか1つの上に設けられて前記撮像素子基板にそれぞれが接続された複数の回路チップと、
    複数の放射線遮蔽部材と、
    を有し、
    前記複数の回路チップと前記複数の放射線遮蔽部材とは一対一に対応しており、
    前記複数の放射線遮蔽部材のそれぞれは、樹脂と、Pb、Ta、Ba、Wから選択された少なくとも一種の金属の粉末又は複数のハンダボールとの硬化物であり、対応する回路チップの面のうち、前記放射線撮像装置へ放射線が入射する側の面を覆う位置に絶縁膜を介して設けられており、前記放射線撮像装置へ放射線が入射する側の面以外の面を覆う位置には設けられていないことを特徴とする放射線撮像装置。
  2. 筐体をさらに有し、
    前記複数の回路チップは、前記筐体に固定された放熱板によって固定されていることを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  3. 前記撮像素子基板は、放射線を可視光に変換する波長変換体と、光電変換素子と、を有する請求項1又は2に記載の放射線撮像装置。
  4. 前記撮像素子基板は、放射線を直接変換する直接変換素子を有する請求項1又は2に記載の放射線撮像装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の放射線撮像装置と、前記放射線撮像装置によって撮像された像を表示するためのディスプレイと、を具備することを特徴とする放射線撮像システム。
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