JP2002250064A - 洗面器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 すっきりとした外観として意匠性を向上さ
せ、又洗面ボウル内部排水口付近の汚れや停滞水を目立
たなくさせ、なお且つ汚物によるつまりなどの問題を軽
減し、使用者に快適な水廻り空間を創造することのでき
る洗面器を提供することを目的とする。そして、本発明
の洗面器を連立して使用される公共の洗面所などの場合
においては、使用者は前の使用者までに付着した洗面器
の排水口付近の詰まりや汚れさらには停滞水を不快に感
じることが著しく軽減されるので、比較的汚れの付着の
少ない洗面器に使用者が集中することもなく、連立して
いる洗面器を効率的に使用することが出来るようにし
た。 【解決手段】 洗面ボウルと排水口を有する洗面器にお
いて、前記洗面ボウルの端部に排水口を設けて、その排
水口に向かって下り勾配の傾斜を形成し、かつ、その排
水口には、排水口よりも幅広な排水孔を有するカバーで
覆ってなることを特徴とする洗面器としたこと。さら
に、前記排水孔は、洗面ボウルに対して平行なスリット
形状であること。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、洗面器に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来の洗面器としては、図８に示すよう
に円形をした排水口を洗面器ボウル内側の中央底面上に
設けていた。そして、従来の洗面器の排水口には金属な
どからなる排水金具を別置で設けていた。また、前記の
排水口および排水金具に挿入される形態のヘアキャッチ
ャー（ゴミ取り用の網、以下ヘアキャッチャーと記す）
を設ける場合もある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の洗面器
においては、円形をした排水口が洗面器ボウル内側の底
面の中央に設けられており、使用者がその洗面器を使用
する場合に、使用者の見えるところに位置していた。一
方、排水は前記排水口に集中して流れるが、排水と共に
流れようとする水垢、髪の毛、たんなどの汚物が排水口
周囲に集中して付着しがちである。したがって、従来の
洗面器では、汚物が付着した排水口や流れきれずに排水
口付近に停滞した汚水が使用者の目に留まり易いため、
洗面器自体の美観を著しく損ねてしまい、不快感を持ち
ながらその洗面器を使用することになり、使用者にとっ
て必ずしも快適な水廻り空間を提供するに至っていると
は言えない。また、排水口が洗面器ボウルの底面の中央
に位置しているため、意匠上好ましくない。

【０００４】特に、上述する問題は、公共スペースなど
の大勢の利用者が利用する場合には顕著に現われる。更
に、公共スペースなどの短時間に大勢の利用者が利用す
る場合には、従来の洗面器の略円形をなす排水口の径が
小さい為に、排水口及びヘアキャッチャーが汚物によっ
て詰まる場合がある。それによって連立して使用される
公共の洗面器などの場合には、前の使用者までに付着し
た洗面器の排水口付近の詰まりや汚れさらには停滞水を
不快に感じ敬遠しがちとなる。そして、比較的汚れの付
着の少ない洗面器に使用者が集中することにより、連立
している洗面器が効率的に使用されないことになる。

【０００５】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、本発明の目的は、すっきりとした外観とし
て意匠性を向上させ、又洗面ボウル内部排水口付近の汚
れや停滞水を目立たなくさせ、なお且つ汚物によるつま
りなどの問題を軽減し、使用者に快適な水廻り空間を創
造することのできる洗面器を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に第一の発明では、洗面ボウルと排水口を有する洗面器
において、前記洗面ボウルの端部に排水口を設けて、そ
の排水口に向かって下り勾配の傾斜を形成し、かつ、そ
の排水口には、排水口よりも幅広な排水孔を有するカバ
ーで覆ってなることを特徴とする洗面器としたことであ
る。この発明により、使用者からは直接排水口が見えな
いので排水口周囲に集中して付着する水垢、髪の毛、た
んなどの汚物は使用者の目に直接触れる事が無く美観を
損ね使用者に不快感を与えず、また、洗面ボウルで使用
した汚水を幅広な排水孔を通過させてカバー下に素早く
流すことができ、使用者の見える洗面ボウルに汚水を停
滞させることがない。したがって、すっきりとした外観
となり、使用者に快適な水廻りを空間を創造する洗面器
を提供することが出来る。

【０００７】第二の発明では、前記排水孔を洗面ボウル
に対して平行なスリット形状としたことである。この発
明により、洗面ボウルで使用した汚水をスリットを通過
させてカバー下に素早く流すことができ、使用者の見え
る洗面ボウルに汚水を停滞させることがない。特に、こ
の平行なスリット形状を洗面ボウルの幅と略同幅とする
ことが好ましく、この場合、洗面ボウルで使用した汚水
をより素早くカバー下に流すことができ、また、カバー
下で許容できる停滞水の量も増えると言える。したがっ
て、たとえ、排水口付近で素早く流れずに停滞水が生じ
ても、カバーに覆われているため、使用者はその停滞水
を見ないで済み、使用者に快適な水廻りを空間を創造す
る洗面器を提供することが出来る。

【０００８】第三の発明では、前記カバーは、洗面器の
後方に形成される立壁面の一部をなし、該立壁面の下端
に前記排水孔を設けたことである。この発明により、洗
面ボウル全域を快適に使用することができ、さらに、洗
面器の後方の立壁面の一部をなすことによって、外観上
もすっきりさせることができ、使用者に快適な水廻りを
空間を創造する洗面器を提供することが出来る。

【０００９】第四の発明では、前記カバーは、洗面器の
後方に形成される上縁面の一部をなすことである。この
発明により、カバーの上縁面を小物載置部として利用す
ることができ、使用勝手を向上させることができる。

【００１０】第五の発明では、前記カバーは取り外し自
在であることである。この発明により、使用時に汚れが
付着しやすい排水口が見えず、快適に洗面器を使用する
ことができるとともに、かつ、清掃時にはカバーの下に
位置する排水口をカバーを取り外して容易に清掃でき、
衛生面も維持することができる。

【００１１】第六の発明では、前記排水口の上方に取付
けられるヘアーキャッチャは、排水孔幅と略同幅の横長
形状としたことである。この発明により、著しく広い表
面積を持つので、例えば短時間に大勢の利用者が利用す
る場合にも、ヘアキャッチャーが汚物によって詰まるこ
とが著しく軽減されるのである。つまり、ヘアキャッチ
ャーの目詰まりにより、汚水が排水口から流れずに洗面
ボウル上に停滞することをなくすことができる。なお、
上述した洗面器を連立して使用される公共の洗面所など
の場合においては、使用者は前の使用者までに付着した
洗面器の排水口付近の詰まりや汚れを不快に感じること
が著しく軽減されるので、比較的汚れの付着の少ない洗
面器に使用者が集中することもなく、連立している洗面
器を効率的に使用することが出来るようになるのであ
る。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施の形態に
ついて説明する。本発明の洗面器１は、洗面ボウル２と
排水口４を有している。そして、この洗面ボウル２の端
部に排水口４を設けて、その排水口４に向かって下り勾
配の傾斜を形成している。さらに、その排水口４には、
排水口４よりも幅広な排水孔５を有するカバー６で覆っ
ている。つまり、通常この洗面器１を手洗いや洗顔など
に使用する場合に、排水口４はカバー６で覆われている
ため、使用者の目に入ることはない。そして洗面ボウル
２で使用された汚水はこのカバー６に設けた排水孔５を
経て排水口４に流れる。そのため、汚水は排水口４より
も幅広な排水孔５からカバー６内に即座に流れ込むた
め、使用者が使用し目にする洗面ボウル２には汚水は停
滞しない。

【００１３】なお、この排水孔５は、水垢、髪の毛、た
んなどの汚物が流れずに引っかかって使用者の目に触れ
ないように形成することが大事である。そのため、たと
えば、洗面ボウル２の底面３に対して平行に横長のスリ
ット状とすることが好ましい。スリットの高さは、１５
ｍｍ〜４０ｍｍ好ましくは２０ｍｍ〜３０ｍｍとする。
なお、排水口４に備えるヘアキャッチャ１０をその隙間
から取り外しできるようにしてもよいが、カバー６を取
り外してからヘアキャッチャ１０を取り外すようにして
もよい。そして、このスリットの幅は、できるだけ大き
くし、排水をより早くカバー６下に導くようにして、洗
面ボウル２に停滞する水をなくし使用者が不快感を持た
ないようにすることが大切である。

【００１４】そして、このカバー６は、洗面器１の後方
に形成される立壁面８の一部をなしている。この立壁面
８の下端である洗面ボウル２と当接する部分に上述した
排水孔５を設けている。また、このカバー６は、さらに
洗面器１の後方に形成される上縁面の一部をなして、た
とえば、石鹸、コップなどを置く小物載置部として利用
してもよい。また、このカバー６は取り外し自在とし
て、カバー６の下に位置する排水口４を清掃するように
してある。なお、ここでいうカバー６の取り外し自在と
は、使用時に排水口４が見えず、清掃時にはカバー６の
下に位置する排水口４を清掃できるようにするこであ
り、カバー６の端部に蝶番などを設けて開閉自在とした
ものも含む。

【００１５】また、洗面ボウル２に吐水するための水栓
金具７は、洗面器１の後方もしくは側方の上縁面に設け
ることができる。また、洗面器１の後方の上縁部を上方
に立設させて立壁面８を形成し、この立壁面８に水栓金
具７を設けても良い。さらに、この立壁面８を洗面器１
とは別体に形成してもよく、たとえば、配管を内部に敷
設できる配管ケース９を用いてもよい。このように配管
ケース９を用いた場合、配管の取廻しが容易となるとと
もに、排水口４を配管ケース９内に位置させて、手洗い
や洗顔等をするために必要な洗面ボウル２のみを室内側
に露出するように設けることも可能となる。なお、ここ
でいう洗面器１とは、排水口４を有するシンク、手洗い
器なども含み、例えば人造大理石などの樹脂や陶器等か
ら形成されたものを言う。

【００１６】次に、本発明の洗面器１について図に基づ
いて説明する。図１における洗面器１は、洗面ボウル２
の後方端部に排水口４を設けて、その排水口４に向かっ
て下り勾配の傾斜を形成している。そして、後方の上縁
部に水栓金具７を取付けており、水栓金具７が取付けて
いない側の上縁部がカバー６として機能している。した
がって、カバー６を形成するこの上縁部の下方に、洗面
ボウル２の底面３に対して平行に横長のスリット状の排
水孔５を設けている。つまり、このカバー６は、洗面器
１の後方に形成される立壁面８の一部と上縁面の一部を
形成しており、この立壁面８の下端にスリット状の排水
孔５を設けた構成となっている。

【００１７】図３は、この排水口４部分の断面図であ
る。図示するように、使用者から直接排水口４が見えな
い（見え難い）ようになっている。なお、排水口４に
は、ヘアキャッチャ１０を設けておいても良い。なお、
図１及び図３では、スリット状の横長の間隙を有し、さ
らにそのスリットの奥にスリットとほぼ同幅の排水口４
及びヘアキャッチャ１０を形成している例を挙げた。

【００１８】次に、図２における洗面器１について説明
する。この洗面器１においては、図１に示す洗面器１の
カバー６部分を取り外し自在に形成している。つまり、
スリット状の横長の間隙の上部部分は取り外しできるも
のであっても良い。そして、カバー６上面を小物載置部
として利用したとしても、取り外すことができるので、
たとえカバー６が汚れても洗うことができ、いつも衛生
的に保つことができる。

【００１９】次に、図４における洗面器１について説明
する。この洗面器１は、洗面器１の後方の上縁部を上方
に立設させて立壁面８を形成し、この立壁面８に水栓金
具７を設けている。そして、排水孔５を形成するスリッ
ト状の横長の間隙及びヘアキャッチャ１０は、洗面ボウ
ル２と同等の幅としている。つまり、このカバー６は、
洗面器１の後方に形成される立壁面８の一部を形成して
おり、この立壁面８の下端にスリット状の排水孔５を設
けた構成となっている。なお、立壁面８を分割して形成
し、排水孔５の上方部分を取り外し自在に形成してもよ
い。

【００２０】次に、図５、図６における洗面器１につい
て説明する。図１乃至図４に示した洗面器１のように、
必ずしも水栓金具７を洗面器１自体に設置せず、図５や
図６に示したように、洗面器１とは別体の立壁面８に水
栓金具７を設けても良い。その場合水栓金具７は部屋の
壁を形成する立壁面８か配管を内部に敷設することがで
きる配管ケース９の前面部分にあたる立壁面８に設けて
もよい。そして、排水口４を覆うカバー６は、少なくと
も洗面器１の後方に形成される立壁面８の一部を形成す
るようにして、この立壁面８の下端にスリット状の排水
孔５を設けた構成となっている。なお、この際にもスリ
ット状の横長の間隙部及びヘアキャッチャ１０は、洗面
ボウル２と同等の幅であるとより好ましい。幅広の排水
孔５となり、この排水孔５から汚水がカバー６内に即座
に流れ込むため、排水口４の排水能力以上に水を使用し
排水口４付近に汚水が停滞したとしても、その停滞した
汚水はカバー６に覆われて使用者には見えない。また、
洗面ボウル２は、停滞していない状態と同じであり、快
適に使用することができる。また、横長のスリットをな
すカバー６が簡単に取り外しできるものでも良い。

【００２１】次に、上述した洗面器１を備えた洗面所の
一実施の形態について説明する。上述した洗面器１を複
数連設するとともに、各洗面器１の上方の立壁面８に水
栓金具７を設けて、たとえば、公共施設の洗面所を形成
することができる。図７に示す洗面所は、配管ケース９
に洗面器１を取付けて、さらにこの洗面器１の上方に水
栓金具７を取付けている。カバー６は、配管ケース９の
前面部分にあたる立壁面８の一部を構成しており、取り
外し自在となっている。

【００２２】

【発明の効果】本発明により、すっきりとした外観とし
て意匠性を向上させ、又洗面ボウル２内部排水口４付近
の汚れや停滞水を目立たなくさせ、なお且つ汚物による
つまりなどの問題を軽減し、使用者に快適な水廻り空間
を創造することのできる洗面器１を提供することができ
る。そして、本発明の洗面器１を連立して使用される公
共の洗面所などの場合においては、使用者は前の使用者
までに付着した洗面器１の排水口４付近の詰まりや汚れ
さらには停滞水を不快に感じることが著しく軽減される
ので、比較的汚れの付着の少ない洗面器１に使用者が集
中することもなく、連立している洗面器１を効率的に使
用することが出来るようになるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態である洗面器の斜視図で
ある。

【図２】別の実施形態である洗面器の斜視図である。

【図３】同上の洗面器の側面断面図である。

【図４】別の実施形態である洗面器の斜視図である。

【図５】別の実施形態である洗面器の斜視図である。

【図６】別の実施形態である洗面器の斜視図である。

【図７】本発明の洗面器を連設した洗面所の斜視図であ
る。

【図８】従来の洗面器の斜視図である。

【符号の説明】

１ 洗面器 ２ 洗面ボウル ３ 洗面ボウルの底面 ４ 排水孔 ５ 排水口 ６ カバー ７ 水栓金具 ８ 立壁面 ９ 配管ケース １０ ヘアキャッチャ

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗面ボウルと排水口を有する洗面器にお
   いて、 前記洗面ボウルの端部に排水口を設けて、その排水口に
   向かって下り勾配の傾斜を形成し、 かつ、その排水口には、排水口よりも幅広な排水孔を有
   するカバーで覆ってなることを特徴とする洗面器。
2. 【請求項２】 前記排水孔は、洗面ボウルに対して平行
   なスリット形状であることを特徴とする請求項１に記載
   の洗面器。
3. 【請求項３】 前記カバーは、洗面器の後方に形成され
   る立壁面の一部をなし、該立壁面の下端に前記排水孔を
   設けてなることを特徴とする請求項１または２に記載の
   洗面器。
4. 【請求項４】 前記カバーは、洗面器の後方に形成され
   る上縁面の一部をなすことを特徴とする請求項３に記載
   の洗面器。
5. 【請求項５】 前記カバーは取り外し自在であることを
   特徴とする請求項３または４に記載の洗面器。
6. 【請求項６】 前記排水口の上方に取付けられるヘアキ
   ャッチャは、排水孔幅と略同幅の横長形状としたことを
   特徴とする請求項２乃至５のいずれか１つに記載の洗面
   器。