JP2002249746A - 熱硬化型耐熱接着剤および超耐熱ボイスコイル - Google Patents

熱硬化型耐熱接着剤および超耐熱ボイスコイル

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Takahiko Hanada
孝彦 花田
Sadami Itonaga
貞美 糸永
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Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価で、ボイスコイルの効率的な製造が可能
であり、瞬間的に400℃に達するボイスコイル部の発
熱に耐え得る熱硬化型耐熱接着剤および超耐熱ボイスコ
イルを提供する。 【解決手段】 この熱硬化型耐熱接着剤は、ビスマレイ
ミド・トリアジン樹脂を沸点100℃以下の溶剤に溶解
したものである。ボイスコイルを製造する場合に、低沸
点の溶剤を用いることにより、エナメル線に塗布した熱
硬化型耐熱接着剤の溶剤を短時間の熱風で容易に蒸発さ
せることができるので、エナメル線のスプリングバック
を防止することができ、ボイルコイルを効率的に製造す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱硬化型耐熱接着
剤および超耐熱ボイスコイルに関し、特に、安価で、瞬
間的に400℃に達するボイスコイル部の発熱に耐え得
る熱硬化型耐熱接着剤および超耐熱ボイスコイルに関す
る。
【0002】
【従来の技術】スピーカーに用いられる従来のボイスコ
イルとしては、例えば、導体上に絶縁皮膜を施し、この
上層にアルコールに可溶な自己融着層を施した自己融着
線と、補強用接着剤を塗布乾燥したボビンとを主材料と
して構成されたものが知られている。
【0003】このボイスコイルは、ボビンに自己融着線
をメチルアルコール又はエチルアルコール等の低級アル
コールを塗布しつつ巻線し、アルコールにより溶融状態
となった自己融着線同士および自己融着線とボビンに塗
布された補強用接着剤を接着させ固着させることにより
製造される。
【0004】自己融着線は、導体にエナメル線用絶縁塗
料を塗布焼き付けした絶縁層の上層に、更に自己融着層
として融着塗料を塗布焼き付けしたものである。導体
は、銅線、銅クラッドアルミニウム線、アルミニウム線
が一般的である。絶縁層は、ポリウレタン、耐熱ポリウ
レタン、ポリエステル、ポリエステルイミド等のエナメ
ル線用絶縁塗料を用いて形成される。自己融着層は、ア
ルコール可溶共重合ポリアミド樹脂を主剤とし、これに
エポキシ樹脂、フェノール樹脂等を添加しクレゾールを
初めとした溶剤に溶解した熱軟化型融着塗料、あるいは
これにポリイソシアネート、イミド、ノボラックエポキ
シ等の樹脂を添加した熱硬化型融着塗料が用いられる。
これらの材料は、顧客の要求により組み合わされ、自己
融着線として使用されている。
【0005】ボビン材料は、クラフト紙、アルミニウ
ム、ポリイミドフィルム等が多く使用されている。
【0006】ボビンと自己融着線との接着の補強を目的
とした補強用接着剤は、アルコール可溶共重合ポリアミ
ド樹脂のみを使用したもの、あるいはこれにポリイソシ
アネート、イミド、ノボラックエポキシ、フェノール等
の樹脂を添加し熱硬化型にしたものがある。
【0007】一方、自己融着線を用いない方法も従来よ
り知られている。これは、自己融着層を施していないエ
ナメル線に接着剤を塗布しながらボビンに巻線し、乾燥
工程を経てボイスコイルを得る方法であり、「付け巻き」
と称されている。接着剤は、フェノールエポキシ樹脂を
MEK(メチルエチルケトン)等のケトン系溶剤に溶解
したものが使用されている。この低沸点溶剤のMEK
は、短時間の熱風で容易に溶剤を蒸発させることができ
るので、エナメル線のスプリングバックを防止すること
ができ、ボイルコイルを効率的に製造することができ
る。
【0008】近年、スピーカーの小型化および高出力化
が進行している。特に車載用スピーカーは、自動車内の
スペースの問題から小型化が要求されると共に、音質の
向上と高出力化が求められている。一般的に、ラジオ、
テレピ、ラジオカセット等に用いられているスピーカー
のボイスコイル部の発熱温度は、最高出力下においても
100℃以下であるが、高出力のオーディオおよび車載
用スピーカーでは、瞬間的に200℃を超える温度に至
ることもあり、近年の更なる小型化、高出力化の中で瞬
間的には400℃前後までボイスコイル部が温度上昇す
るスピーカーも開発されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の熱硬化
型自己融着線および補強用接着剤では、耐熱温度が低い
ため、瞬間的に400℃前後まで達するボイスコイル部
の発熱に耐えられず、接着力を保持できないという問題
がある。
【0010】一方、「付け巻き」に関しても、従来から使
用されてきたフェノールエポキシ樹脂を主剤とした接着
剤では、高温雰囲気下で接着力を保持することは不可能
である。この対応として、米国製耐熱接着剤が輸入され
一部使用されているものの、その単価は10万円/kg
と高価であり、一部の高級機種に供されているに過ぎな
い。
【0011】従って、本発明の目的は、安価で、ボイス
コイルの効率的な製造が可能であり、瞬間的に400℃
に達するボイスコイル部の発熱に耐え得る熱硬化型耐熱
接着剤および超耐熱ボイスコイルを提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、ビスマレイミド・トリアジン樹脂を沸点1
00℃以下の溶剤に溶解したことを特徴とする熱硬化型
耐熱接着剤を提供する。
【0013】本発明は、上記目的を達成するため、ビス
マレイミド・トリアジン樹脂100重量部に対しフェノ
キシ樹脂あるいはエポキシ樹脂を30重量部以下添加
し、沸点100℃以下の溶剤に溶解したことを特徴とす
る熱硬化型耐熱接着剤を提供する。ビスマレイミド・ト
リアジン樹脂としては、例えば、三菱ガス化学製BT2
160、2170、2177、4480等が挙げられ
る。沸点100℃以下の溶剤としては、アセトン、ME
K等のケトン系溶剤が好適であるが、テトラハイドロフ
ラン、アクリロニトリル、アセトニトリル等も使用する
ことができる。 また、硬化速度の向上のため、オクチ
ル酸亜鉛、オクチル酸錫、ジオクチル酸オキサイド等の
有機金属触媒単独とジクミルパーオキサイド等の有機過
酸化物を併用することも可能である。
【0014】本発明は、上記目的を達成するため、上記
熱硬化型耐熱接着剤が塗布されたポリアミドイミド線
(AIW)、ポリエステルイミド線(EIW)等のエナ
メル線がアルミニウム、ポリイミドフィルム等を素材と
したボビンに巻線され、熱硬化処理がなされてなること
特徴とする超耐熱ボイスコイルを提供する。
【0015】本発明のボイスコイルは、「付け巻き」を
前提としている。接着剤を塗布しながら巻線した直後に
工業用および民生用ドライヤの熱風を数秒間吹き付け、
エナメル線のスプリングバックを防止することが作業効
率上不可欠である。このため、100℃以下の低沸点溶
剤に容易に溶解する樹脂であることが望まれる。また、
硬化温度が250℃以下であり、硬化後の硬化物のTg
(ガラス転移温度)が高く、Tm(融点)は検出されず
熱溶融しないことが必要となる。樹脂の価格が比較的リ
ーズナブルで汎用的に流通しているものが望まれる。
【0016】この様な前提から発明者は、樹脂としてビ
スマレイミド・トリアジン樹脂を選択した。これは、本
樹脂がアセトン、MEK(メチルエチルケトン)等の低
沸点溶剤に溶解すること、硬化物のTgが230℃以上
であり、Tmを有さないこと、一般のエンジニアリング
プラスチックとして汎く流通していること等が選択した
理由である。また、ビスフェノールA型エポキシ、フェ
ノキシ等のエポキシ系樹脂との相溶性が良好であり、同
一の溶剤に溶解可能なこともその理由の一つである。
【0017】ボイスコイルに使用するエナメル線は、A
IW、EIW等の耐熱エナメル線が望ましいが、これに
限定されるものではない。また、ボビン材料は、アルミ
ニウム、およびカプトン、チル等で呼称されるポリイミ
ド系フィルムが好適であるが、これに限定されるもので
はない。
【0018】ビスマレイミド・トリアジン樹脂単独で溶
剤に溶解してもよいが、ビスマレイミド・トリアジン樹
脂100重量部に対しフェノキシ樹脂あるいはエポキシ
樹脂を30重量部以下添加したものを溶剤に溶解しても
よい。フェノキシ樹脂あるいはエポキシ系樹脂の添加量
を30重量部以下としたのは、これを超えると、耐熱性
が低下することによる。エポキシ系樹脂としては、ビス
フェノールA型、ノボラック型、クレゾールノボラック
型、臭素化、3官能型、4官能型、ビスフェノールF
型、脂環式等のエポキシ樹脂およびダイマー酸ジグリシ
ジルエステル樹脂、アルキレングリコールジグシジルエ
ステル樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、グリシジルメ
タアクリレート系樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられ
る。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例1〜4、および比較例
1〜6について説明する。
【0020】<実施例1>ビスマレイミド・トリアジン
樹脂BT2170 100重量部に対しMEK100重
量部を攪拌機、温度計および冷却管を取りつけた三口フ
ラスコに入れ、マントルヒーターにて50℃に温度を維
持し2時間攪拌して完全に溶解して不揮発分50%の接
着剤を得た。
【0021】<実施例2>ビスマレイミド・トリアジン
樹脂をBT2160とした以外は実施例1と同様にして
接着剤を得た。
【0022】<実施例3>ビスマレイミド・トリアジン
樹脂BT2170 100重量部に対しビスフェノール
A型エポキシ樹脂エピコート1007(油化シェルエポ
キシ製)を30重量部および溶剤としてMEK130重
量部とした以外は実施例1と同様にして接着剤を得た。
【0023】<実施例4>ビスマレイミド・トリアジン
樹脂BT2170 100重量部に対しフェノキシ樹脂
YP−50(東都化成製)を30重量部および溶剤とし
てMEK130重量部とした以外は実施例1と同様にし
て接着剤を得た。
【0024】<比較例1>ビスマレイミド・トリアジン
樹脂BT2170 100重量部に対しエピコート10
07を50重量部および溶剤としてMEK150重量部
とした以外は実施例1と同様にして接着剤を得た。
【0025】<比較例2>エピコート1007の代わり
にYP−50とした以外は比較例1と同様にして接着剤
を得た。
【0026】<比較例3>YP−50 100重量部に
対しMEK233重量部を攪拌機、温度計および冷却管
を取りつけた三ロフラスコに入れ、マントルヒーターに
て50℃に温度を維持し2時間攪拌し完全に溶解して不
揮発分30%の接着剤を得た。
【0027】<比較例4>アルコール可溶共重合ポリア
ミド樹脂ウルトラミッド1C(BASF社製)100重
量部に対しメチルアルコール400重量部および蒸留水
50重量部を比較例3と同様に溶解して不揮発分18.
2%の接着剤を得た。
【0028】<比較例5>アルコール可溶共重合ポリア
ミド樹脂ウルトラミッド1C100重量部に対しエピコ
ート1007 30重量部およびクレゾール/キシロー
ル=1/1の混同溶剤600重量部を攪拌機、温度計お
よび冷却管を取りつけた三つロフラスコに入れ、マント
ルヒーターにて80℃に温度を維持し3時間攪拌して完
全に溶解して不揮発分17.8%の自己融着エナメルワ
ニスを得た。
【0029】<比較例6>アルコール可溶共重合ポリア
ミド樹脂ウルトラミッド1C100重量部に対しエピコ
ート1007 30重量部、プロックイソシアネート樹
脂 ミリオネートMS−50(日本ポリウレタン製)2
0重量部およびクレゾール/キシロール=1/1の混同
溶剤700重量部を攪拌機、温度計および冷却管を取り
つけた三つロフラスコに入れ、マントルヒーターにて8
0℃に温度を維持し3時間攪拌して完全に溶解して不揮
発分17.6%の熱硬化型自己融着エナメルワニスを得
た。
【0030】ボイスコイル試料の作成方法について説明
する。
【0031】(1)付け巻き法 図1は、ボイスコイル巻線装置を示す。なお、この方法
は、実施例1〜4および比較例1〜4に適用した。導体
径0.150mmの銅線にポリアミドイミドエナメル線
用塗料を仕上がり外径が0.166mmとなるように、
塗布焼き付けし、2種仕上がりのポリアミドイミドエナ
メル銅線(2AIW0.15)(以下、単に「エナメル
線」という。)1を使用した。
【0032】また、厚さ0.07mm、幅16.0m
m、長さ61.3mmの短冊状のカプトンフィルムを用
意する。このフィルムを巻線機7の巻き治具8に装着
し、フィルムの未巻線部にテープを貼り固定してボビン
2を形成する。
【0033】図1に示すボイスコイル巻線装置の供給ボ
ビン3から供給されるエナメル線1にテンション装置4
のテンションローラ4aによって張力を付与しつつエナ
メル線1をワニス槽5に通し、エナメル線1にワニス
(実施例1〜4および比較例1〜4の接着剤)をフェル
ト6により塗布し、乾燥用ドライヤー9で乾燥しながら
ボビン2に整列に2層巻線する。エナメル線1の端末を
切断後、治具毎常温で30分間乾燥させ、その後60℃
の恒温槽に10分間入れ、溶剤を揮散させる。
【0034】これを220℃の恒温槽に30分間入れ、
熱硬化させ、直流抵抗5.0Ωのボイスコイルを作成し
た。
【0035】(2)自己融着線法 この自己融着線法は、比較例5,6に適用した。導体径
0.150mmの銅線にポリアミドイミドエナメル線用
塗料を仕上がり外径が0.166mmとなるように塗布
焼き付けし、2種仕上がりのポリアミドイミドエナメル
銅線(2AIW0.15)を得る。この上層に比較例
5,6の自己融着ワニスを各々塗布焼付し、仕上がり外
径0.180mmの自己融着線を得た。
【0036】また、厚さ0.07mm、幅16.0m
m、長さ61.3mmの短冊状のカプトンフィルムを用
意する。このフィルムに比較例5,6の自己融着ワニス
を塗布し、120℃の恒温槽で10分間乾燥し、皮膜厚
さ3μmの接着補強したフィルムを得る。これを巻き治
具8に装着し、未巻線部にテープを貼り固定してボビン
2を形成する。
【0037】次に、自己融着線1を図1に示すボイスコ
イル巻線装置にて、ワニス槽5にメタノールを入れ、メ
タノールをフェルト6により塗布しながらボビン2に整
列に2層巻線する。自己融着線1の端末を切断後、治具
毎常温で30分間乾燥させた後、200℃の恒温槽に3
0分間入れ熱処理を行い直流抵抗5.0Ωのボイスコイ
ルを作成した。
【0038】次に、試験方法について説明する。
【0039】(1)ボイスコイルの外観 完成したボイスコイルに線のほつれ、接着剤から発生し
た泡、膨れ、異物の付着がないか目視にて確認した。
【0040】(2)接着力試験 上記付け巻き法および自己融着線法で作製したボイスコ
イルの線同士の接着力を、引っ張り試験機にて測定し
た。また、線とボビンの接着性に関しては、線の下層部
とボビンを引き剥がして接着の状態を確認し、良否を判
定した。
【0041】(3)ボイスコイル耐入力試験 図2は、耐入力試験機を示す。上記各方法で作成したボ
ビン直径19.5mmのボイスコイル10を、同図に示
す耐入力試験機のスピーカ11のフェライト磁石部12
に装着する。コイル10の両端末の電線の皮膜を剥離
し、DCパワーサプライ14のプラス側に巻き始め端末
を、マイナス側に巻き終わり端末を結線する。両端末に
直流抵抗計15の端子を接続する。印加電圧が直流であ
ることから、コイル10は電圧印加時にフェライト磁石
部12から飛び跳ねる。この防止としてガラス板13を
装着しボイスコイル10を固定する。温度はデジタル温
度計16により測定した。この様に設定した試料の室温
下でのコイルの直流抵抗を測定する。
【0042】図3は、電圧の印加方法を示す。電圧の印
加は、同図に示すように、ステップアップ法により行っ
た。これは初期電圧6Vを3分間印加し、2V昇圧−3
分間を連続してステップアップして短絡した際の電圧を
確認する方法である。短絡直後にコイルの直流抵抗を測
定し、電圧印加前との直流抵抗の比から上昇温度を推定
した。
【0043】同様にコイル部に熱電対を装着し、コイル
の中央部の温度を実測した。コイルの短絡に当たって
は、電線の絶縁層が劣化し絶縁性を失うことによるもの
および電線を固着している接着剤または自己融着線の融
着層の熱軟化による電線のせり上がりによるもの、並び
に電線とボビン補強接着剤が熱により軟化しせり上がり
により発生する等のパターンがあり、この確認を行っ
た。(せり上がりを「ズルケ」と称する。)また、短絡
したコイルの表面の発泡状態を始めとした外観異常に関
しても確認した。
【0044】表1は、実施例1〜4および比較例1〜6
の試験結果を示す。
【表1】 表1から明らかなように、実施例1〜4の接着剤は、耐
熱温度が479℃以上を有することが分かる。従って、
400℃の温度を超えるスピーカー用ボイスコイルの容
易かつ比較的安価な製造が可能である。特に現在問題と
なっている車載用をはじめとしたオーディオ機器への適
用には大きく寄与するものと考える。また、本接着剤は
ボイスコイル以外の電気部品のみならず、耐熱性を必要
とする各種用途への応用も可能であり、工業的に極めて
有用である。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
熱硬化型耐熱接着剤はビスマレイミド・トリアジン樹脂
を沸点100℃以下の溶剤に溶解したものであるので、
安価で、瞬間的に400℃に達するボイスコイル部の発
熱に耐えることができる。また、ボイスコイルを製造す
る場合に、エナメル線に塗布した熱硬化型耐熱接着剤の
溶剤を短時間の熱風で容易に蒸発させることができるの
で、エナメル線のスプリングバックを防止することがで
き、ボイルコイルを効率的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ボイスコイル巻線装置の構成を示す図である。
【図2】耐入力試験機の構成を示す図である。
【図3】電圧の印加方法を示す図である。
【符号の説明】
1 エナメル線又は自己融着線 2 ボビン 3 供給ボビン 4 テンション装置 4a テンションローラ 5 ワニス槽 6 フェルト 7 巻線機 8 巻き治具 9 ドライヤー 10 ボイスコイル 11 スピーカ 12 フェライト磁石部 13 ガラス板 14 パワーサプライ 15 直流抵抗計 16 デジタル温度計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 糸永 貞美 茨城県日立市川尻町4丁目10番1号 日立 電線株式会社豊浦工場内 Fターム(参考) 4J040 EC042 EC062 EC082 EC092 EC102 EC332 EE062 EH021 EH031 JB02 LA08 MA02 NA19 PA30

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビスマレイミド・トリアジン樹脂を沸点1
    00℃以下の溶剤に溶解したことを特徴とする熱硬化型
    耐熱接着剤。
  2. 【請求項2】ビスマレイミド・トリアジン樹脂100重
    量部に対しフェノキシ樹脂あるいはエポキシ樹脂を30
    重量部以下添加し、沸点100℃以下の溶剤に溶解した
    ことを特徴とする熱硬化型耐熱接着剤。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載の熱硬化型耐熱接着
    剤が塗布されたポリアミドイミド線(AIW)、ポリエ
    ステルイミド線(EIW)等のエナメル線がアルミニウ
    ム、ポリイミドフィルム等を素材としたボビンに巻線さ
    れ、熱硬化処理がなされてなること特徴とする超耐熱ボ
    イスコイル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102751068A (zh) * 2012-07-26 2012-10-24 无锡晶晟汽车电子有限公司 汽车esp电磁线圈
CN106782919A (zh) * 2017-01-18 2017-05-31 四川大学 漆包线及其制造方法

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