JP2000204342A - 樹脂組成物及びそれを用いた接着方法 - Google Patents

樹脂組成物及びそれを用いた接着方法

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JP2000204342A
JP2000204342A JP11007141A JP714199A JP2000204342A JP 2000204342 A JP2000204342 A JP 2000204342A JP 11007141 A JP11007141 A JP 11007141A JP 714199 A JP714199 A JP 714199A JP 2000204342 A JP2000204342 A JP 2000204342A
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resin composition
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Takayuki Nakanishi
隆之 中西
Hitohide Sugiyama
仁英 杉山
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Tomoegawa Co Ltd
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Tomoegawa Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、特に耐熱性が要求されるコイル等
の巻線や積層板の製造、その他の電気、電子部品同士の
接着において、溶媒接着または熱接着のどちらでも容易
に接着可能な被膜を形成することができる樹脂組成物及
び、該樹脂組成物を用いた接着方法を提供することにあ
る。 【解決手段】 少なくとも、芳香環に結合したメチロー
ル基を1分子中に2個以上有するレゾール型化合物とア
ミド基の一部をメトキシメチル化した線状ポリアミド樹
脂を含有する樹脂組成物及び、該樹脂組成物を被着材A
表面に塗布乾燥し、該被着材Aの表面に樹脂被膜を形成
させる工程、および被着材Aの樹脂被膜面を加熱、また
は/および樹脂被膜を溶解可能な溶媒を塗布した後、被
着材Bに接着させる工程よりなる接着方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気または電子機器
等の部品の接着に使用する樹脂組成物に関し、特に耐熱
性と絶縁性が要求されるコイル用絶縁電線の接着あるい
はコイル支持部材との接着など高温環境下での接着力の
維持が必要な機器用部品の接着に好適な樹脂組成物、及
び該樹脂組成物を用いた接着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年電気、電子機器類の小型化高性能化
はめざましいものがあり、それに用いられる部品類も高
い性能が要求されている。特に樹脂材料に対しては高絶
縁性、高耐熱性が求められている。電線の分野では、導
体上に絶縁被膜を介して融着塗料を塗布焼き付けた自己
融着性マグネットワイヤが、溶媒処理または加熱処理に
より、融着被膜が容易に溶解、膨潤または溶融し、線間
相互を融着固化せしめうることから、比較的簡単にフラ
ットコイル、偏向ヨークコイル、ボイスコイル等の自己
支持型コイルを作ることが可能であり、複雑な形状のコ
イル巻線に広く利用されている。このコイルの製造方法
としては、自己融着性マグネットワイヤを溶媒で処理し
て溶解、膨潤させて接着する溶媒接着型と、自己融着性
マグネットワイヤの融着被膜を熱風等により加熱処理し
て溶融後接着する熱接着型がある。コイル巻線の際、自
己融着性マグネットワイヤを溶媒処理するか、加熱処理
するかは融着被膜の特性で決まる。融着塗料の主成分樹
脂に用いる樹脂としては従来からポリビニルブチラール
樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂等が知られてい
るが、接着特性、電気特性等を考慮して溶媒接着型ワイ
ヤ及び熱接着型ワイヤともポリアミド樹脂が比較的多用
されている。溶媒接着型ワイヤの製造は、融着被膜を形
成する樹脂の良溶媒で有れば溶媒の種類に制限はない
が、その取り扱い性を考慮してアルコール溶媒を使用し
たアルコール巻線型が良く用いられる。このアルコール
巻線型の融着被膜に用いる樹脂としてアルコール可溶性
のポリアミド樹脂が多用されている。アルコール可溶性
ポリアミド樹脂としては、6−10ナイロンと6または
6,6−ナイロン等の共重合体である、上市されている
商品名でウルトラミッド1C(BASF社製)、プラタ
ボンドMX1603(日本リルサン社製)、アミランC
M40(東レ社製)等が知られている。
【0003】一方、熱接着型ワイヤは、融着被膜に用い
る樹脂として、アルコール不溶性ポリアミド樹脂、上市
されている商品名で例えばグリルアミドELY60(エ
ムスジャパン社製)、ダイアミドL1801(ダイセル
社製)、プラタボンドM1426(日本リルサン社製)
等を用いることが可能である。しかしながら、これらの
脂肪族ポリアミド樹脂は熱可塑性であり、高融点の樹脂
を使用することによって、ある程度耐熱性の改善は可能
であるが、150℃以上の高温環境下では接着性の低下
によるコイルの歪みや融着面のズレの発生が避けられな
かった。そのため、耐熱性を向上させ、高温環境下での
接着性を改善するため、これらのポリアミド樹脂に熱硬
化樹脂、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂などを混
合し、巻線後に加熱硬化させる試みがなされている。し
かしながら、これらの熱硬化性樹脂は被膜とした場合に
可撓性が乏しく、多量の添加では巻線時に被膜がひび割
れする等の問題で添加量に制限があり、少量の添加では
充分な耐熱性が得られなかった。また、熱硬化性樹脂は
塗料を被着材上に塗布乾燥させる工程において加熱硬化
が起こり、熱接着型ではその後の加熱接着工程において
被膜の溶融流動性が不充分となり満足な接着強度が得ら
れない場合があった。一方、アルコール巻線型では硬化
が進むとアルコールへの再溶解性が悪くなり、その後の
溶媒接着時に充分な接着性が得られない問題が生じてい
た。
【0004】熱接着型ワイヤは、整列巻線性において溶
剤接着型ワイヤより優れており、寸法精度の良いコイル
を得ることができるため汎用性が高く、工程の自動化も
容易なため広範囲に使用されている。一方、溶剤接着型
ワイヤは、溶剤に可溶であれば高融点の樹脂でも用いる
ことが可能なため、耐熱性の要求される分野のコイルの
製造に適用されている。しかし前述のように、従来のコ
イルの製造においては、どちらの接着方法においても充
分な耐熱性を有し、接着強度の良好なコイル被覆塗料と
接着方法がなかった。したがって、どちらのプロセスに
も適用可能な高耐熱、高絶縁性で接着強度の強い被覆材
料と接着方法が求められていた。
【0005】また、積層板製造の分野では、金属箔の一
面に耐熱性絶縁樹脂溶液を塗布し、乾燥硬化せしめた耐
熱絶縁層つき金属箔を得、該金属箔の絶縁コート層を内
面にしてプリプレグを挟み込みこれを熱圧して一体積層
化する製造方法が従来から知られている。この積層板の
耐熱性を向上させるため、各種の耐熱性樹脂を用いた金
属張り板が使用されている。例えば、ポリイミド樹脂系
銅張り板、ポリスルフォン樹脂系銅張り板、フッ素樹脂
系銅張り板等がある。しかしながらこれらの耐熱基板
は、一体積層化に際して、高温をかけた状態での熱圧が
必要になるため特殊な高温プレスが必要となることや素
材が高価であること等から経済的に乏しい基板にならざ
るを得ないという問題がある。さらに金属板との密着性
が悪いため、特殊な処理銅箔を用いる必要があったり、
耐熱性樹脂をエポキシ樹脂等で変性する等の方法が用い
られたりしている。このように、種々の煩雑な手法が用
いられているが、充分実用特性の満足できる耐熱性積層
板は得られていない。したがって、できるだけ低温の熱
圧処理で充分な接着性が得られ、しかも、耐熱性を有す
る積層板の製造が可能な高耐熱性塗料と接着方法が求め
られていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の有する問題点を解決するためになされたものであ
り、特に耐熱性が要求されるコイル等の巻線や積層板の
製造、その他の電気、電子部品同士の接着において、溶
媒接着型または熱接着型のどちらでも容易に接着可能な
樹脂組成物及びそれを用いた接着方法を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の樹脂組成物は、
少なくとも、芳香環に結合したメチロール基を分子中に
2個以上有するレゾール型化合物と、アミド基の一部を
メトキシメチル化した線状ポリアミド樹脂とを含有する
樹脂組成物である。また、この樹脂組成物を用いた本発
明の接着方法は、第1の方法として本発明の樹脂組成物
を被着材A表面に塗布乾燥し、該被着材Aの表面に樹脂
被膜を形成させる工程、該樹脂被膜面を加熱する工程及
び、該加熱されている樹脂被膜面に被着材Bを重ね合わ
せて接着する工程よりなることを特徴とする接着方法で
ある。第2の方法として、本発明の樹脂組成物を被着材
A表面に塗布乾燥し、該被着材Aの表面に樹脂被膜を形
成させる工程、該樹脂被膜面に被着材Bを重ね合わせる
工程及び、前記樹脂被膜を加熱して被着材Aと被着材B
を接着する工程よりなることを特徴とする接着方法であ
る。第3の方法として、本発明の樹脂組成物を被着材A
表面に塗布乾燥し、該被着材Aの表面に樹脂被膜を形成
させる工程、該樹脂被膜表面に樹脂被膜を溶解可能な溶
媒を塗布する工程及び、前記樹脂被膜面に被着材Bを重
ね合わせて接着する工程よりなることを特徴とする接着
方法である。第4の方法として本発明の樹脂組成物を被
着材A表面に塗布乾燥し、該被着材Aの表面に樹脂被膜
を形成させる工程、該樹脂被膜表面に樹脂被膜を溶解可
能な溶媒を塗布する工程及び、前記樹脂被膜面に被着材
Bを重ね合わせた後、加熱して接着する工程よりなるこ
とを特徴とする接着方法である。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明
は、少なくとも、加熱硬化が可能な芳香環に結合したメ
チロール基を分子中に2個以上有するレゾール型化合物
と、自己融着性の良好なアミド基の一部をメトキシメチ
ル化した線状ポリアミド樹脂とを含有させることで、高
温での接着力低下が少なく自己融着性を有する耐熱性に
優れた樹脂組成物を提供する。本発明におけるレゾール
型化合物のメチロール基の数が2個未満の場合は自己架
橋性を有さず、本発明の目的にである耐熱性と優れた接
着性が満足されないという問題点を有する。また、本発
明の樹脂組成物におけるレゾール型化合物の割合は、レ
ゾール型化合物と線状ポリアミド樹脂を足した樹脂成分
を100重量部としたときに、好ましくは1〜70重量
部、さらに好ましくは5〜60重量部である。
【0009】本発明に用いられるレゾール型化合物と
は、少なくとも分子中にフェノール性水酸基と、芳香環
に結合したメチロール基を2個以上有する化合物であれ
ば特に限定されるものではない。具体的には、例えばフ
ェノール、クレゾール、ナフトール、レゾルシン、ヒド
ロキノン、ジフェノール、ビスフェノール等のフェノー
ル性水酸基を有する化合物とホルムアルデヒドをアルカ
リ触媒で反応させて得られる生成物である。かかる生成
物は、ベンゼン環にメチロール基を置換基として1〜3
個有する化合物や、該化合物が更に反応して得られる反
応生成物、つまりメチロール基とベンゼン環或いはメチ
ロール基同士の脱水反応により上記フェノール性水酸基
を有する化合物の分子がメチレン基或いはジメチレンエ
ーテル基を介して2分子以上結合した構造を有する化合
物の混合物であり、1分子中にメチロール基を2個以上
好ましくは3個以上有するものを主成分としたものであ
る。この場合、1分子中のメチロール基の数の上限は特
に限定されるものではないが、前記フェノール性水酸基
を有する化合物の分子単位(単量体)当り2〜4個が好
ましく、上記のように脱水反応により縮重合した化合物
(2分子以上が結合した化合物)の場合は、1分子のメ
チロール基の数がかなり多くなるが、架橋密度が高くな
ると塗膜の靭性が乏しくなることから、後述のように分
子量を小さくおさえることが好ましい。なお、本発明に
おいてはレゾール型化合物として、かかる分子中のメチ
ロール基が2個以上の化合物を主成分とするものであれ
ば混合物のままで用いることもでき、又、かかる混合物
からメチロール基を2個以上有する化合物を分離生成し
た特定の化合物を単独又は2種以上で用いてもよい。
【0010】上記の如きレゾール型化合物において、本
発明ではビスフェノールAとホルムアルデヒドの反応に
より得られたメチロール基を2個以上有する化合物の混
合物もしくはこれから分離された単独品が、良好な溶媒
溶解性と熱硬化性を有し、優れた耐熱性と接着性が得ら
れることから好ましい。かかる反応により得られる化合
物は、下記一般式(1)〜(2)で示される化合物及び
更にこれらが前述の如き脱水反応をした縮合重合体であ
る。そして、本発明においては反応条件を適宜コントロ
ールすることによりこれらの化合物の中で、ビスフェノ
ールA分子単位当りのメチロール基が2個以上、好まし
くは3個又は4個となる構造を有する化合物を主成分と
した混合物、もしくは該混合物から上記の如き化合物を
分離生成したものが適用される。
【0011】
【化1】
【0012】上記の構造を有する溶媒溶解性の良好なレ
ゾール型化合物は、熱接着型、溶剤接着型ともに好適に
用いることができる。また、加熱することにより自己架
橋し、靭性を有する架橋密度の高い硬化物が得られるた
め飛躍的に耐熱性が向上する。さらに反応性の高いフェ
ノール性水酸基、メチロール基が線状ポリアミド樹脂の
メトキシメチル基と縮合反応することにより、自己融着
性と耐熱性の両立を図ることが可能となることから特に
好ましいものである。
【0013】本発明におけるレゾール型化合物は、上記
の如き化合物もしくは混合物が適用されるが、その重量
平均分子量が300〜5000であることが好ましく、
特に500〜4000が好適である。ここでレゾール型
化合物の重量平均分子量が300より小さい場合は塗膜
の靭性が乏しくなり、重量平均分子量が5000より大
きい場合は十分な耐熱性が得られず本発明の目的が達成
されないおそれがある。なお、本発明においてレゾール
型化合物の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ
ィー法(GPC法)でポリスチレン標準物質を用いて検
量補正することにより、重量平均分子量のポリスチレン
換算値として算出することができる。
【0014】次に、本発明の樹脂組成物に用いられるア
ミド基の一部をメトキシメチル化した線状ポリアミド樹
脂は、接着力を向上させるために使用されるものであ
る。線状ポリアミド樹脂の種類は、6−ナイロン、12
−ナイロン、6,6−ナイロン等の一般的なものから、
それらが共重合されたものまで特に限定されるものでは
ないが、要求される耐熱性に応じて、樹脂の軟化点また
は融点をコントロールすることが好ましく、耐熱性を良
好にするためには、軟化点(環球法)が100℃以上の
ものを用いることが好ましい。更にメトキシメチル化率
は、アルコールに対する溶解力、融着工程における線状
ポリアミド樹脂同士の自己架橋および前記レゾール型化
合物との架橋反応に寄与することが可能であるため、か
かる樹脂のアミド結合の水素が好ましくは5〜90%、
さらに好ましくは10〜60%メトキシメチル化されて
いる必要がある。
【0015】100℃以上の軟化点をもち、メトキシメ
チル化率が30%程度の線状ポリアミド樹脂としては、
上市されている商品名で、例えばFINE RESIN
FR−101、FR−104、FR−105(鉛市社
製、軟化点120〜130℃)、ファインテックス P
A−200、PA−450(大日本インキ化学工業社
製)、トレジン F30K、MF−30、EF−30T
(帝国化学産業社製)が挙げられる。前記線状ポリアミ
ド樹脂はアルコールに可溶であるため、溶剤接着型、特
にアルコール接着型の方法を採用する場合には好ましく
使用される。
【0016】本発明の樹脂組成物は以上説明した如きレ
ゾール型化合物と、アミド基の一部がメトキシメチル化
された線状ポリアミド樹脂を少なくとも含有するもので
あり、これらの樹脂が混合された固体状、半固体状のも
のでも、適当な溶媒に溶解もしくは分散された塗料でも
よく、その形状は特に限定されるものではない。この
他、目的に応じて他の樹脂材料、あるいは無機化合物や
有機化合物の添加剤を樹脂組成物に添加することも可能
である。
【0017】本発明の接着方法は、まず少なくとも前記
の如きレゾール型化合物とアミド基の一部がメトキシメ
チル化された線状ポリアミド樹脂を溶媒に溶解した塗料
としての本発明の樹脂組成物を調製する。この際、塗布
に最適な粘度になるよう固形分を調整する。使用する溶
媒は樹脂組成物を溶解できるものであれば特に制限はな
いが、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルアセ
トアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド(DM
F)、m−クレゾール、ベンジルアルコール等の高沸点
溶媒を用いると塗料の継時安定性、脱溶媒後の被膜の表
面状態が良好となるため好ましい。レゾール型化合物及
び線状ポリアミド樹脂が共にアルコールに可溶の場合は
アルコール類を主体とした溶媒を用いて塗料化すること
が可能であり、生産上や後述する接着方法の点から好適
である。かかる塗料を被着材A表面に塗布した後、熱風
乾燥機等を使用して脱溶媒し、被着材A上に被膜を形成
する。樹脂被膜の厚さは目的の接着層の厚みに応じて調
整されるが、おおよそ5〜200μmの範囲である。こ
の場合、被膜を目的の厚みに均一に形成するためには、
2回以上の多数回の塗布を実施することも好ましい方法
である。脱溶媒後の被膜中の残留溶媒は被膜形成後の被
膜のブロッキング性を解消するためには極力少ないこと
が望ましく、通常は3重量%以下とされる。更に好まし
くは1重量%以下である。
【0018】次に、上記で形成した樹脂被膜において加
熱接着する場合には、本発明の第1の方法として、樹脂
被膜を加熱し、該加熱状態の樹脂被膜面に被着材Bを重
ね合わせる。また、第2の方法は先に樹脂被膜面に被着
材Bを重ね合わせた後、被着材A側または被着材B側か
ら、もしくは全体を加熱するものである。ここで、被着
材Bとして樹脂被膜を形成した被着体Aを用いる場合、
つまり被着材A同士を接着する場合には樹脂被膜側を内
側にして合わせるとより優れた接着強度が達成される。
加熱条件は必要に応じて接着面に一定の荷重をかけなが
ら加熱炉中で、所定温度、所定時間熟成し接着する。こ
こで温度としては、例えば樹脂の軟化点以上の温度が好
ましく、50〜300℃程度であり、また、時間として
は樹脂組成と被着材の材質により適宜設定されるもの
で、例えば、30秒以上であり、作業効率等を考慮すれ
ば長くても5時間程度までが好ましい。
【0019】また、溶剤接着の場合である第3及び第4
の方法においては、樹脂被膜にスプレー法あるいは浸漬
法等によって被膜を溶解できる溶媒を塗布した後、樹脂
被膜面に被着材Bを重ね合わせ、本発明の第3の接着方
法の場合は、そのまま常温で風乾して接着する。又、第
4の接着方法の場合は、被着材Bを重ね合わせた後、さ
らに熱風等により加熱して乾燥し接着する。これら第3
及び第4の方法においても被着材Bとして樹脂被膜を形
成した被着材Aを用いる場合、つまり被着材A同士を接
着する時は樹脂被膜面同士を合わせるとより優れた接着
強度が得られることから好ましい。また、アルコール可
溶性の樹脂被膜の場合には溶媒としてアルコール系溶
媒、例えばメタノール、エタノール等を用いて実施する
ことができる。
【0020】本発明の接着方法における被着材A及び被
着材Bは固体であればその材質、形状等は特に限定され
るものではなく、例えば、銅、鉄、アルミニウム、亜
鉛、チタン等の金属及びその化合物、ガラス、セラミッ
クス、シリコン化合物、ステンレス鋼等の無機材料、ポ
リイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
酢酸ビニル、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等のフィル
ム及び成型体、紙、合成紙、織布、不織布等の繊維系材
料等が挙げられ、これらの中で同一のもの同士でも、異
種のものとの接着でもよい。なお、被着材が導体である
場合には、本発明の樹脂組成物をそのまま被着材上に塗
布接着しても良いが、接着後のより優れた絶縁性を達成
するために、他の樹脂等の絶縁層を介して樹脂被膜を形
成させることも効果的である。この場合の絶縁層として
は、一般の油性エナメル塗料、ホルマール塗料、ポリエ
ステル塗料、ポリウレタン塗料、ポリイミド塗料、ポリ
エステルイミド塗料、ポリアミドイミド塗料等を用いる
ことができるが、耐熱性を要求される分野ではポリイミ
ド塗料やポリアミドイミド塗料を用いることが好まし
い。
【0021】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を説明する。
なお、実施例において部とは重量部を示す。 実施例1 重量平均分子量1800、1分子鎖中のメチロール基数
が2個以上のビスフェノールAを原料とするレゾール型
化合物(昭和高分子社製、商品名:CKM−908)5
0部と、アミド基のメトキシメチル化率が30%の線状
ポリアミド樹脂(鉛市社製、商品名:FR−101)5
0部に、メタノール/N,N−ジメチルホルムアミド=
1/1(重量比)の混合溶媒300部を加え、室温で溶
解し、本発明の樹脂組成物を得た。
【0022】実施例2 レゾール型化合物としてビスフェノールA100部と3
7%ホルマリン140部、25%苛性ソーダ水溶液50
部を用いて50℃で5時間反応させて合成した。反応終
了後、15%硫酸水溶液の滴下によりPH4に調整した
後、生成した硫酸ナトリウムを含む水層を分離除去し
た。これに水を加え、攪拌、水層分離を繰り返して精製
し、減圧乾燥により残留水分を取り除いてレゾール型化
合物とした。この化合物は重量平均分子量500(GP
C法による)、1分子中にメチロール基を2個以上有す
るレゾール型化合物であることが確認された。上記で得
られたレゾール型化合物50部とアミド基のメトキシメ
チル化率が30%の線状ポリアミド樹脂(鉛市社製、商
品名:FR−101)50部に、メタノール/N,N−
ジメチルホルムアミド=1/1(重量比)の混合溶媒3
00部を加え、室温で溶解し、本発明の樹脂組成物を得
た。
【0023】実施例3 実施例2で合成した重量平均分子量500、1分子中に
メチロール基を2個以上有するレゾール型化合物30部
とアミド基のメトキシメチル化率30%の線状ポリアミ
ド樹脂(鉛市社製、商品名:FR−101)70部に、
メタノール/N,N−ジメチルホルムアミド=1/1
(重量比)の混合溶媒300部を加え、室温で溶解し、
本発明の樹脂組成物を得た。
【0024】実施例4 実施例2で合成した重量平均分子量500、1分子中に
メチロール基を2個以上有するレゾール型化合物20部
とアミド基のメトキシメチル化率30%の線状ポリアミ
ド樹脂(鉛市社製、商品名:FR−101)80部に、
メタノール/N,N−ジメチルホルムアミド=1/1
(重量比)の混合溶媒300部を加え、室温で溶解し、
本発明の樹脂組成物を得た。
【0025】比較例1 実施例2で合成した重量平均分子量500、1分子中に
メチロール基を2個以上有するレゾール型化合物100
部に、メタノール/N,N−ジメチルホルムアミド=1
/1(重量比)の混合溶媒300部を加え、室温で溶解
し、比較用の樹脂組成物を得た。
【0026】比較例2 アミド基のメトキシメチル化率が30%の線状ポリアミ
ド樹脂(鉛市社製、商品名:FR−105)100部
に、メタノール/N,N−ジメチルホルムアミド=1/
1(重量比)の混合溶媒300部を加え、室温で溶解
し、比較用の樹脂組成物を得た。
【0027】比較例3 実施例2で合成した重量平均分子量500、1分子中に
メチロール基を2個以上有するレゾール型化合物50部
とアルコール可溶性熱可塑性ポリアミド共重合体(BA
SF社製、商品名:ウルトラミッド1C、アミド基のメ
トキシメチル化率0%の線状ポリアミド樹脂)50部
に、メタノール/N,N−ジメチルホルムアミド=1/
1(重量比)の混合溶媒300部を加え、室温で溶解
し、比較用の樹脂組成物を得た。
【0028】比較例4 重量平均分子量500、分子中にメチロール基を持たな
いノボラック型フェノール樹脂(昭和高分子社製、商品
名:BRG557)50部と、メトキシメチル化率30
%の線状ポリアミド樹脂(鉛市社製、商品名:FR−1
01)50部に、メタノール/N,N−ジメチルホルム
アミド=1/1(重量比)の混合溶媒300部を加え、
室温で溶解し、比較用の樹脂組成物を得た。
【0029】次に前記実施例及び比較例の樹脂組成物に
ついて接着試験をおこなった。 1.試験片の作成 1)試験片(1) 実施例1〜4、比較例1〜4の樹脂組成物をそれぞれ3
5μmの銅箔(被着材Aに相当)上に10μmの膜厚で
塗布し、200℃、1min.温風乾燥機中で溶媒量が
1重量%以下になるように脱溶媒し、銅箔に樹脂被膜を
形成させた。この樹脂被膜付き銅箔を5cm×1cmに
裁断し接着試験用のサンプルとした。
【0030】2)試験片(2) 4,4’−ジアミノジフェニルエーテルと無水トリメリ
ット酸から合成した極性溶媒可溶性芳香族ポリアミドイ
ミド樹脂100部にN−メチル−2−ピロリドン450
部を加えて溶解した。得られたポリアミドイミド塗料を
35μmの銅箔上に20μmの膜厚で塗布し、200
℃、2min.温風乾燥機中で溶媒量が1重量%以下に
なるように脱溶媒し、銅箔に被膜を形成させた。この被
膜を形成した銅箔(被着材Aに相当)のポリアミドイミ
ド被膜面に、実施例2の樹脂組成物を10μmの膜厚で
塗布し、200℃、1min.温風乾燥機中で溶媒量が
1重量%以下になるように脱溶媒し被膜を形成させた。
この樹脂被膜付き銅箔を5cm×1cmに裁断し接着試
験用のサンプルとした。
【0031】2.試験片の接着 1)熱接着法 前記で作成した各試験片同士で樹脂被膜側を内側として
重ね合わせ、卓上用テストプレス(神藤金属工業製)を
用いて10kg/cm2になるようにセットし、180
℃で30分プレスして接着した。 2)溶媒接着法 前記で作成した各試験片を表2に記載の溶媒に約1秒間
浸漬した後、該各試験片同士で樹脂被膜側を内側として
重ね合わせ、5kg/cm2になるように重りを乗せ
て、180℃の熱風乾燥機中に1時間放置して接着し
た。
【0032】3.接着強度の試験 テンシロンUCT−500型(オリエンテック社製)を
用いて、上記の接着したサンプルについて下記条件でT
剥離強度を測定した。かかる測定データ5回の平均値を
もとめ接着強度とした。 ヘッドスピード:5mm/min. 測定温度:25℃における接着強度をA、180℃にお
ける接着強度をBとした。 また、以下の計算式によ
り、180℃環境下における接着強度の保持率を求め
た。 接着強度保持率(%)=B÷A×100
【0033】上記のような試験によって得られた各実施
例及び比較例の評価結果は、表1及び表2に示す通りで
あった。
【表1】
【表2】
【0034】表1及び表2の結果より明らかな通り、本
発明の実施例1〜4の樹脂組成物では熱接着、溶媒接着
何れの方法においても常温での接着強度が充分得られ、
180℃の高温下でも接着強度の保持率が80%以上で
あり、良好な接着性を示した。更にアルコールによる溶
媒接着が可能であり、作業環境の改善に大きく貢献する
ことが可能である。これに対し、比較例2〜4の樹脂組
成物では常温での接着性は充分あるものの、180℃の
高温下での接着強度が低く、保持率も70%以下であり
不充分であった。また、比較例1の樹脂組成物は保持率
は高いものの、接着強度が不充分であり、実用上問題を
有するものであった。
【0035】
【発明の効果】このように、少なくともメチロール基を
有する芳香族系化合物または芳香族系樹脂と、アミド基
の一部をメトキシメチル化した線状ポリアミド樹脂とを
含有する樹脂組成物を用いると、良好な接着強度を有
し、高温環境下でも接着強度の低下が少ない優れた耐熱
性を有する接着層を形成することができる。また、被着
材に被覆したのち接着する接着方法を用いることによ
り、電気または電子機器等の部品の接着へ適用可能であ
り、機器の使用温度環境の拡大や信頼性の向上等の効果
を奏する。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、芳香環に結合したメチロー
    ル基を分子中に2個以上有するレゾール型化合物と、ア
    ミド基の一部をメトキシメチル化した線状ポリアミド樹
    脂とを含有する樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記レゾール型化合物が、ビスフェノー
    ルAとホルムアルデヒドの反応により得られたものであ
    ることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記レゾール型化合物、およびアミド基
    の一部をメトキシメチル化した線状ポリアミド樹脂がア
    ルコール可溶性であることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の樹脂組成物を被着材A表
    面に塗布乾燥し、該被着材Aの表面に樹脂被膜を形成さ
    せる工程、該樹脂被膜面を加熱する工程及び、該加熱さ
    れている樹脂皮膜面に被着材Bを重ね合わせて接着する
    工程よりなることを特徴とする接着方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の樹脂組成物を被着材A表
    面に塗布乾燥し、該被着材Aの表面に樹脂被膜を形成さ
    せる工程、該樹脂被膜面に被着材Bを重ね合わせる工程
    及び、前記樹脂皮膜を加熱して被着材Aと被着材Bを接
    着する工程よりなることを特徴とする接着方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の樹脂組成物を被着材A表
    面に塗布乾燥し、該被着材Aの表面に樹脂被膜を形成さ
    せる工程、該樹脂被膜表面に樹脂被膜を溶解可能な溶媒
    を塗布する工程及び、前記樹脂被膜面に被着材Bを重ね
    合わせて接着する工程よりなることを特徴とする接着方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の樹脂組成物を被着材A表
    面に塗布乾燥し、該被着材Aの表面に樹脂被膜を形成さ
    せる工程、該樹脂被膜表面に樹脂被膜を溶解可能な溶媒
    を塗布する工程及び、前記樹脂被膜面に被着材Bを重ね
    合わせた後、加熱して接着する工程よりなることを特徴
    とする接着方法。
  8. 【請求項8】 前記溶媒としてアルコール系溶媒を用い
    ることを特徴とする請求項6又は7に記載の接着方法。
  9. 【請求項9】 被着材Aが導体であり直接または他の絶
    縁物を介して樹脂被膜を形成させたことを特徴とする請
    求項4から8のいずれかに記載の接着方法。
  10. 【請求項10】 被着材Bが樹脂被膜を形成された被着
    材Aと同じであり、樹脂被膜面同士を重ね合わせて接着
    することを特徴とする請求項4から8のいずれかに記載
    の接着方法。
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