JP2006229910A - ボイスコイル用超耐熱ボビン材の製造方法 - Google Patents

ボイスコイル用超耐熱ボビン材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】300〜350°Cの高温条件にも耐え得る高耐熱性ボイスコイル用ボビン材の製造方法を提供する。
【解決手段】アルコール可溶性ポリアミド樹脂にビスフェノール型エポキシ樹脂とアルコキシシラン変性エポキシ樹脂とをクレゾールとキシレンの混合溶液に溶解し接着ワニスを調合し、この接着ワニスをボイスコイル用ボビン基材上に塗布含浸した後、アルコール系溶剤で膨潤または溶解可能な半硬化状の接着層に形成させる。

Description

本発明は、車載用等の音響機器に使用される高出力スピーカーのボイスコイル用ボビン材の製造方法に関するもので、特に250〜350Wの高出力に耐え得るボイスコイル用超耐熱ボビン材の製造方法に関するものである。
車載用等の音響機器用高出力スピーカーのボイスコイルは熱的負荷が大きく、ボイスコイル自体の熱的強度の向上が常に求められている。スピーカー用ボイスコイルの熱的強度向上に対する材料開発は、スピーカーの主要部となる磁気回路関係特にマグネットの材質、或いは振動系の振動板の材質、或いは駆動系のボイスコイルの線輪を形成するマグネットワイヤの絶縁材料等の開発に重点がおかれていて、これらに対しては多くの新規材料が開発、採用されてきた。しかし、ボイスコイル用のボビン材に関しては、マグネットワイヤを巻回しコイルを支持固定する重要部材であるにも拘わらず、従前からの素材が使用され今日に到っている。
近時、ボイスコイル巻線工法の簡便化を図るため、ボイスコイル用ボビンにはボビン材に半硬化状の接着層を設けたものが用いられるようになっている。ボビン材の半硬化状接着層の材質はボビン材に巻線される自己融着性マグネットワイヤの接着皮膜と相関がある。自己融着性マグネットワイヤの絶縁皮膜の材質はポリウレタン皮膜、ポリエステル皮膜、ポリエステルイミド皮膜、ポリアミドイミド皮膜更にポリエステルイミド皮膜と耐熱性の向上が図られ、これに伴い自己融着性マグネットワイヤの接着層の材質もポリビニルブチラールやポリアミドの溶剤接着型の熱可塑タイプからポリアミド−エポキシの2成分系の溶剤接着型熱硬化タイプ更にポリアミド−エポキシ−マレイミドの3成分系の溶剤接着型熱硬化タイプと耐熱性の向上が図られながら今日に到っている。
前述のように、ボイスコイル用ボビン材の接着層の材質にはボビン材に巻回される自己融着性マグネットワイヤの接着皮膜と同質の材料が使用されてきている。しかし、従来のボイスコイル用ボビン材では音響業界で求められている小型でかつ高出力のスピーカーに要求される耐熱特性を完全に満たすことができないという問題があった。現在の音響業界で求められている小型高出力スピーカーの最大出力は300〜350Wであり、ボイスコイルに加わる熱的負荷も大きく、瞬間的には400〜450°Cの高温に曝されることにもなる。このような過酷な使用環境下にあっても熱破壊を起こすことのないボイスコイル用ボビン材の開発が切実に求められていた。
特公平4−44878号 国際特許公開番号 WO00/44806号
アルコール溶剤で膨潤または溶解可能な従来のボイスコイル用ボビン材の接着皮膜の材質は、上述のようにポリアミド−エポキシ系の2成分組成またはポリアミド−エポキシ−マレイミド系の3成分組成物のものが耐熱性に優れるものであった。しかし、これら接着皮膜の主材であるポリアミド樹脂は脂肪族系であるため、240°C以上の耐熱性を求めることは困難であった。
そこで、本発明者は、上述のボイスコイル用ボビン材の接着ワニス組成について鋭意検討を加えた結果、接着ワニスの構成分子にシリカ微粉体を分散させることが耐熱性向上に有効であることを見出した。しかし、この手段も、単にシリカ微粉体を接着ワニスに分散混合させたのみではチクソトロピック性を呈し、ワニスの流動性が阻害され、厚さの均一な接着層を形成させることができないという欠点があった。この欠点を改良するため、さらに検討を加えた結果、エポキシ樹脂に加水分解性のアルコキシシラン基を導入することにより、シリカ微粉体をゾルゲル反応でワニス内に均一に分散させてなるシリカハイブリッド構造の接着層をボビン基材上に形成できることを見出した。シリカハイブリッド構造の接着層は、高い耐熱性と低い熱膨張性とボビン基材に対する優れた密着性と高い凝集力を有していることが判明した。これにより、ボビン材上に自己融着性マグネットワイヤコイルを強固に接着固定することができ、ボイスコイル用ボビン材が高温に曝されても電気信号を歪なく正確に機械振動に変換し、振動板を振動させることのできる耐熱性に優れるボイスコイル用ボビン材の製造が可能となった。
上記課題を解決するため、本発明のボイスコイル用超耐熱性ボビン材の製造方法は、アルコール可溶性ポリアミド樹脂にビスフェノール型エポキシ樹脂とアルコキシシラン変性エポキシ樹脂とをクレゾールとキシレンの混合溶剤に溶解して接着ワニスを調合し、該接着ワニスをガラスクロス、ポリイミドフィルム、アルミ箔或いはポリイミド不織布等のボイスコイル用ボビン基材上に塗布含浸した後、アルコール系溶剤で膨潤若しくは溶解可能な半硬化状の接着層に形成せしめることを構成上の特徴とする。
ボイスコイルの構造は、永久磁石を中心とした磁気回路とコーン振動板を中心とした振動系から成立っており、ポールピースとプレートで囲まれた磁気空隙にボイスコイルが懸垂されてあり、このボイスコイル先端にコーン振動板が付いていて、ボイスコイルの駆動力により振動板が上下に動く構造となっている。
ボイスコイルに電気信号の音声電流が流れると、ボイスコイルは「フレミングの左手の法則」に従ってボイスコイルに流れる電流の強弱に比例し上下に振動し、空気を動かし音声が再現される。しかし、ボイスコイルの電気−音声変換効率は5%程度と低く、残りの95%は熱となり消耗される。このため、小型高出力スピーカーのような場合には、温度上昇も厳しく400〜450°Cの高温にもなる。この結果、ボイスコイル用ボビン材とコイル線輪を固定している接着層が炭化して熱破壊を生じ、コイル線輪がボイスコイル用ボビン材から脱落するという事故にもなる。
ボイスコイル用ボビン材とコイル線輪を固定している接着層界面の熱的破壊は、先ず初期にボイスコイル用ボビン材と接着しているコイル線輪の第1層の線間で接着破壊を生じ、次いでコイル線輪の第1層と第2層間の界面で接着破壊が発生する。この接着破壊の主たる原因は、(1)ボイスコイル用ボビン材とコイル線輪の熱膨張の差で両者の接着界面で機械歪が生ずる。(2)ボイスコイルに外部の磁力とコイル振動が相乗的に作用し、ボイスコイル用ボビン材とコイル線輪の接着界面に機械的なずれを生じさせるためである。このような現象は熱的破壊が進行するに従って接着層の保持力を失わせ、最後にはボイスコイルがボビン材から脱落し、場合によっては発火し振動板を焼失させる事故をも生じさせる。ボイスコイルが高温に曝されても、ボイスコイル用ボビン材とコイル線輪を接着固定している接着層が熱劣化することなく接着強度を保持し、スピーカーの機能を発揮させるためには、ボイスコイル用ボビン材の接着層を構成する材料の耐熱性を向上させ、熱劣化による接着力の低下を防止することが必要である。
このための改善手段として、本発明者はボイスコイル用ボビン材とコイル線輪の接着層の有機−無機複合化を見出した。接着層の有機−無機複合化を簡便に実施するための手段として、アルコール可溶性ポリアミド−エポキシ系2成分組成にアルコキシシラン変性エポキシ樹脂を添加し3成分組成とした接着ワニスを調合し、次にこの接着ワニスをボイスコイルボビン基材上に塗布含浸させ半硬化状の接着層を形成し、この半硬化状の接着層の上に自己融着性マグネットワイヤをアルコール溶剤を塗布しながら巻線しコイル線輪を形成し、次にこれを180〜200°Cの加熱硬化炉で30〜40分間加熱し硬化させる。この加熱硬化工程を経ることで、アルコキシシラン変性エポキシ樹脂のアルコキシシラン基が脱アルコール反応を起し、ポリアミド−エポキシ−エポキシシリカハイブリッド構造の接着層がボイスコイル用ボビン基材の上に形成され、耐熱性に優れるボイスコイル用ボビンが製造される。
本発明の製造方法に係るアルコキシシラン変性エポキシ樹脂、アルコール可溶性ポリアミド樹脂およびビスフェノール型エポキシ樹脂の3成分組成の接着ワニスによれば、この接着ワニスをボイスコイル用ボビン材の原反に塗布乾燥して形成させた接着層には半硬化状態においても造膜機能がある。従って、コイル線輪を巻線する際に受ける案内滑車のV溝面の接触摩擦にも耐えることができ、更にアルコール溶剤で膨潤溶解した後の接着皮膜は耐熱性にも非常に優れる。これは、接着ワニスの主成分であるポリアミド樹脂の分子末端にカルボキシル基およびアミノ基を有していて、このカルボキシル基およびアミノ基がエポキシ樹脂の両末端のエポキシ基と反応し、アルコール溶解性が向上することによるためである。また、アルコキシシラン変性エポキシ樹脂のシリコン原子に付加しているメトキシ基が、ポリアミド樹脂と反応し形成されたエポキシ樹脂の水酸基と反応し、3成分組成が相互に架橋し、最終工程の熱処理を経て、有機−無機シリカハイブリッド構造の接着層が形成されることによる。この結果、耐熱性の高いボイスコイル用ボビン材が製造される。
本発明のボイスコイル用超耐熱性ボビン材の製造方法に用いられるアルコキシシラン変性エポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート#1001、エポキシ当量475g/当量)とポリテトラメトキシシランをジブチル錫ジラウレートを触媒として添加反応させて得られたアルコキシシラン変性エポキシ樹脂が使用できる。使用可能な例としては、コンポセランE103、E201(荒川化学工業(株))がある。また、接着層の主成分であるアルコール可溶性ポリアミド樹脂には、カプロラクタムとヘキサメチレンジアミン−アジピン酸およびP・P’−ジアミノジシクロヘキシルタン−アジピン酸の3成分から成る共重合ポリアミド樹脂で両末端にアミノ基、カルボキシル基を有する脂肪族系のポリアミド樹脂があり、これはメタノール、エタノールに可溶である。具体例として、BASF社Ultaramid−1cがこれに相当する。また、硬化成分として添加するエポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂でエポキシ当量が260〜1,340、軟化点が60〜90°Cで常温で固形であれば使用可能で、具体例としてはShell社のEpon#1001、#1004、#1007がある。また、ボイスコイル用ボビン基材は音の伝播速度が速く、内部損失が小さく、耐熱性の高い材料が求められ、一般にはガラスクロス、アラミド系不織布、ポリイミドフィルム、アルミ箔あるいはクラフト紙が使用される。
ボイスコイルは、アルコール溶剤で膨潤または溶解する接着層を設けたボビン材とアルコール溶剤で再活性化する接着層を設けた自己融着性マグネットワイヤを有する。ボイスコイルの製造は、短冊形に切断した接着層を有するボビン材上に自己融着性マグネットワイヤを2、4あるいは6層の偶数層に整列に層巻きし、層巻きされた自己融着性マグネットワイヤの各層間を相互に接着させ、巻線後、巻き冶具とともにこのコイル線輪を加熱処理し、冷却後、巻き冶具をコイル線輪から抜き取ることにより、ボビン材とコイル線輪が強固に接着一体化したボイスコイルが完成される。
本発明のボイスコイル用超耐熱性ボビン材の製造方法により製造したボイスコイルは、ボビン材に塗布される接着ワニスがエポキシ架橋ポリアミド樹脂とアルコキシシラン変性エポキシ樹脂とでハイブリッド化されていているので、この接着ワニスが分子間架橋成分としてボイスコイルボビン材とコイル線輪を強固に接着させる。しかも耐熱性に優れ、400〜450°Cの温度にも耐え、250〜350Wの高出力スピーカー用途のボイスコイル用ボビン材としての使用が可能となった。
アルコール可溶性ポリアミド樹脂にビスフェノール型エポキシ樹脂とアルコキシシラン変性エポキシ樹脂とをクレゾールとキシレンの混合溶剤に溶解して接着ワニスを調合し、この接着ワニスをガラスクロス、ポリイミドフィルム、アルミ箔或いはポリイミド不織布等のボイスコイル用ボビン基材上に塗布含浸した後、アルコール系溶剤で膨潤若しくは溶解可能な半硬化状の接着層に形成させるボイスコイル用ボビン材の製造方法により、耐熱性に優れるボイスコイル用ボビン材が製造される。
以下に実施例を示し、本発明をより詳細に説明する。
1.アルコキシシラン変性エポキシ樹脂の製造
攪拌機、冷却管、温度計を備えた5リットルの4つ口フラスコに、ビスフェノール型エポキシ樹脂(エピコート#1001、エポキシ当量375g/当量)850gとジメチルホルムアミド850gを入れ、90°Cに加温し溶解した。更に、ポリテトラメトキシシラン419.4gと触媒のジブチル錫ジラウレート2gを加え、90°Cの温度で5時間脱メタノール反応させてアルコキシシラン変性エポキシ樹脂溶液を得た。
2.ポリアミド樹脂−エポキシ樹脂混合溶液の製造
攪拌機、冷却管、温度計を備えた5リットルの4つ口フラスコに、クレゾール1,230gとキシロール1,230gを入れ攪拌混合し、これにポリアミド樹脂(BASF社Ultramid−1c)360gとエポキシ樹脂(エピコート#1007、エポキシ当量1,400g/当量)180gを添加し、50°Cの温度に加温し3時間攪拌し完全に溶解させた。溶解後30°C以下に冷却し、これにイミダゾール系硬化剤をエポキシ樹脂量に対し3.6g(2PHR)加え樹脂溶液を得た。
3.接着ワニスの調合
前記2で製造した樹脂溶液100部に対し前記1で製造したアルコキシシラン変性エポキシ樹脂溶液を下記表1の比率で配合し、5種類の接着ワニスを調合した。
Figure 2006229910
4.塗膜の生成および密着性の評価
(1)表1の配合組成の各接着ワニスをそれぞれ銅箔(厚さ75μm)に塗膜厚さが100μmとなるようにバーコーターで塗布し、280°Cの乾燥炉で12秒間加熱乾燥し溶剤を蒸発させ塗膜を形成した。
(2)上記(1)で塗膜を形成させた実施例A、B、C、Dおよび比較例の5点の試験片を各々2枚、塗膜面を内側に貼り合せ、乾燥炉で200°C、30分間加熱し硬化させた。
(3)上記(2)で硬化させた実施例A、B、C、Dおよび比較例の5点の各2枚の貼り合せ試料を乾燥炉で初期温度を250°Cに設定し30分間加熱し、順次段階的に温度を上げながら30分間ずつ加熱し、各温度毎に貼り合せ試料の密着力を確認し、密着力が明確に低下する温度を調べた。結果を表2に示す。密着力が明らかに低下した場合を×印、そうでない場合を○印で表した。
Figure 2006229910
表2の結果から明らかなように、ポリアミド樹脂−エポキシ樹脂混合溶液100部に対しアルコキシシラン変性エポキシ樹脂を1.8部以上加えると耐熱密着性が改善され、7.2〜10.8部添加することにより耐熱密着性は大幅に向上することが判明した。
5.ボイスコイルの耐入力試験
(1)供試自己融着性マグネットワイヤ
導体径0.23mmの銅線の外周にポリエステルイミド−ヒダントイン系絶縁皮膜を皮膜厚さ14μm、ポリアミド−エポキシ系融着皮膜を皮膜厚さ9μmに設けた仕上外径0.276mmの自己融着性マグネットワイヤ(1HYMW)を使用した。
(2)供試ボイスコイル用ボビン材
それぞれ厚さが75μmのポリイミドフィルム(カプトンフィルム)、アルミ箔フィルム、ポリイミド含浸ガラスクロスフィルムの3種類のボイスコイル用ボビン基材を用意し、これら基材に前記表1に記載の実施例Cおよび比較例の接着ワニスを塗膜厚さ15μmとなるようそれぞれ塗布し、半硬化状に加熱乾燥させ接着層を形成させた。この半硬化状接着層の形成された各ボイスコイル用ボビン材を寸法94.1mm×30.0mmの短冊状に切り出し試料とした。
(3)ボイスコイルの製造
前記(1)の自己融着性マグネットワイヤと前記(2)のボイスコイル用ボビン材を使用し、コイル径29.97mm、コイル抵抗3.4Ωのボイスコイルを製造した。
(4)ボイスコイルの耐入力試験
前記(3)で製造したボイスコイルに規定値の直流電圧を30秒間印加、その後1Vずつ段階的に昇圧し、ボイスコイルが破壊したときの電圧と破壊直前のボイスコイルの抵抗値を測定し、この電圧と抵抗値から耐え得る最大電力を算出した。また、ボイスコイルが破壊したときのボイスコイルの温度を測定した。ボイスコイルの耐入力試験の結果を表3に示す。
表3のボイスコイルの耐入力試験測定結果にみられる如く、ボイスコイル用ボビン材に塗布する接着ワニスをポリアミド樹脂−エポキシ樹脂混合溶液とアルコキシシラン変性エポキシ樹脂溶液とで複合化したことにより、実施例Cの試料は比較例の試料に比べ耐熱特性が大幅に向上していることが分かる。実施例Cは、ボビン基材にポリイミドフィルムを用いたものでは比較例に比し16°C、ボビン基材にアルミ箔を用いたものでは比較例に比し57°Cまたボビン基材にポリイミド含浸ガラスクロスを用いたものでは比較例に比し27°Cの耐熱性向上が認められ、有機−無機ハイブリッド化した接着層が耐熱性向上に大いに寄与することが明らかである。
ボイスコイル用ボビン材の接着ワニスの構成分子にシリカ微粉体をゾルゲル反応で接着ワニス内に均一に分散させ、ボイスコイル用ボビン材の接着層をシリカハイブリッド構造に形成させることにより、高い耐熱性と低い熱膨張性と高い密着性を有する接着ワニスの形成が可能となり、ボイスコイル用超耐熱性ボビン材の製造が容易となる。
Figure 2006229910

Claims (1)

  1. アルコール可溶性ポリアミド樹脂にビスフェノール型エポキシ樹脂と下記の構造式で示されるアルコキシシラン変性エポキシ樹脂とをクレゾールとキシレンの混合溶剤に溶解して接着ワニスを調合し、該接着ワニスをガラスクロス、ポリイミドフィルム、アルミ箔或いはポリイミド不織布等のボイスコイル用ボビン基材上に塗布含浸した後、アルコール系溶剤で膨潤若しくは溶解可能な半硬化状の接着層に形成せしめることを特徴とするボイスコイル用超耐熱性ボビン材の製造方法。
    Figure 2006229910
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107828057A (zh) * 2017-11-13 2018-03-23 唐山三友硅业有限责任公司 Led封装用硅氧烷改性环氧树脂制备方法及其应用

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