JP2002249517A - 多孔質重合体粒子、耐アルカリ性陰イオン交換体、その製造方法、イオンクロマトグラフィー用カラム、及び陰イオン測定方法 - Google Patents

多孔質重合体粒子、耐アルカリ性陰イオン交換体、その製造方法、イオンクロマトグラフィー用カラム、及び陰イオン測定方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 20mM以下の低濃度水酸化物系溶離液を用
いた濃度一定のイソクラテック条件でリン酸イオンの溶
出時間を20分以内に抑え、保持されにくいフッ化物イ
オンをウォーターディップから十分に分離し、塩化物イ
オンと亜硝酸イオンを十分に分離できる陰イオン交換
体、それを用いたサプレッサー式イオンクロマトグラフ
ィー用カラム及びそれを用いた陰イオン測定方法を提供
すること。 【解決手段】 第四級アンモニウム構造を含む含窒素複
素環基が、スペーサーを介して耐アルカリ性重合体基材
に結合した構造を有する多孔質重合体粒子、及びその多
孔質重合体粒子からなる耐アルカリ性陰イオン交換
体、、その製造方法、その陰イオン交換体を用いるイオ
ンクロマトグラフィー用カラム、及びそのカラムを用い
る陰イオンの測定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質重合体粒
子、耐アルカリ性陰イオン交換体、その製造方法、その
陰イオン交換体からなるサプレッサー式イオンクロマト
グラフィーカラム用充填剤、サプレッサー式イオンクロ
マトグラフィー用カラム及びそのカラムを用いる陰イオ
ン測定方法に関する。さらに具体的に言えば、濃度が一
定の水酸化物系溶離液を用いるイソクラティック(is
ocratic)条件で、フッ化物イオン、塩化物イオ
ン、亜硝酸イオン、臭化物イオン、硝酸イオン、硫酸イ
オン、リン酸イオン等の無機陰イオンを短時間で良好に
分離し分析できる多孔質重合体粒子、サプレッサー式イ
オンクロマト用耐アルカリ性陰イオン交換体、その製造
方法、その陰イオン交換体を用いるサプレッサー式イオ
ンクロマトグラフィー用カラム、及びそのカラムを用い
る陰イオンの測定方法、さらには亜塩素酸イオン、塩素
酸イオン、臭素酸イオン等のハロゲン酸化物イオンを他
の無機陰イオン(フッ化物イオン、塩化物イオン、亜硝
酸イオン、臭化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、リ
ン酸イオン等)と同時に短時間で良好に分離・分析する
測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水質の検査ないし分析、食品等の分析に
おいて、フッ化物イオン(F-)、塩化物イオン(C
-)、亜硝酸イオン(NO2 -)、臭化物イオン(B
-)、硝酸イオン(NO3 -)、硫酸イオン(S
4 2-)、リン酸イオン(PO4 3-)の7種類のイオンの
分析は重要であり、これらのイオンは「7種標準無機陰
イオン」と言われている。近年、この7種標準無機陰イ
オンを含む無機陰イオンの分析には、イオンクロマトグ
ラフィーが効率的かつ高精度・高感度な手段として利用
されている。
【0003】イオンクロマトグラフィーは、溶離液をイ
オン交換カラムに送液しながら、イオン種を含む試料を
該カラム内に注入し、カラムより保持時間差をもって分
離溶出されるイオン(種類、量)を電気伝導度検出器等
の高感度検出器により検出するものであり、このイオン
クロマトグラフィーにはサプレッサーを使う「サプレッ
サー法」とサプレッサーを使わない「ノンサプレッサー
法」とがある。サプレッサーは、液中の陽イオンを水素
イオンに置換する装置であり、図1に示すように、分離
カラムと検出器の間に接続して電気伝導度検出器でイオ
ンを検出する際のバックグラウンドを下げ、測定感度を
上げる働きを有する。
【0004】すなわち、「サプレッサー法」では、溶離
液として、炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムの混
液、ホウ酸バッファー、水酸化ナトリウム水溶液、水酸
化カリウム水溶液等を流し、分離カラムで試料イオンを
分離した後、サプレッサーを介して伝導度検出器でイオ
ンを検出する。検出器で測定される電気伝導度は、溶離
液自体の電気伝導度をバックグラウンドとし、試料中の
イオン種による寄与が重畳した信号として把握される
が、サプレッサーは、溶離液中の塩や塩基をより低い解
離度を有する酸等に転換することにより、バックグラウ
ンド電気伝導度を低減し、試料中のイオン種による信号
の測定感度を改善する。サプレッサー法は、ノンサプレ
ッサー法に比較して専用の装置を必要とするが、より高
感度が得られるため半導体業界などで用いる純水、薬品
などの管理には必要欠くべからざるものとなっている。
【0005】そしてこれまでサプレッサー法カラムに用
いられている主な陰イオン交換体としては、スチレン/
ジビニルベンゼン系基材をスルフォン化し陰イオン交換
性のラテックスを被覆したペリキュラー型イオン交換体
と、ポリビニルアルコール基材に陰イオン交換基を導入
した多孔性化学結合型イオン交換体が挙げられる。
【0006】しかし、ペリキュラー型イオン交換体は、
イオンの移動が充填剤表面のみに限られ充填剤の穴の中
まで入ることがないため、拡散が少ない、イオンと
基材の干渉がない、などの長所がある一方、構造上から
充填剤の利用表面積が限られ、カラム効率に限界がある
という欠点を有する。ペリキュラー型イオン交換体にお
いてカラム効率を上げるにはカラム長さを長くするか、
充填剤の粒径を小さくする必要がある。しかし、現在で
も250mmという長いカラムを用いており、カラム長
さをこれ以上長くすることは実用的でない。また、粒径
を小さくすることも考えられるが、高速液体クロマトグ
ラフィーで一般的に用いられる5μm程度の粒径でもそ
の構造上の制約から製造が非常に困難である。従って、
ペリキュラー型イオン交換体に現状の理論段数:600
0段/カラム以上の性能を求めることは容易ではなかっ
た。
【0007】一方、多孔性化学結合型イオン交換体は、
孔の中までイオンが移動してイオン交換するため、充填
剤の有効表面積に優れており、スチレン/ジビニルベン
ゼン系共重合体基剤のペリキュラー型イオン交換体より
高性能を達成できる可能性を有する。本発明者らは、先
にサプレッサー法による陰イオン分析のアルカリ条件下
でも十分な耐アルカリ性を有するポリビニルアルコール
基材由来の多孔性化学結合型イオン交換体及びその製造
法について提案した(特開2001‐40032号)。
この陰イオン交換体を充填したカラムを用いた分析で
は、高理論段数が得られること、炭酸ディップ(イオン
クロマトグラフィーにより陰イオンを分析する際には、
試料中に含まれる炭酸ガスも炭酸イオンとして検出され
てしまう。ここではその炭酸イオンピークを炭酸ディッ
プと呼ぶことにする。)の出現位置を調節可能なこと等
の優れた特性を得られる利点がある。
【0008】通常イオンクロマトグラフィーによる陰イ
オン分析においては、7種標準無機陰イオンをできる限
り短い分析時間でバランス良く分離させることが理想で
ある。しかし、フッ化物イオンは分離カラム中の陰イオ
ン交換体に保持されにくく、カラムを速やかに通過す
る。この結果、フッ化物イオンによる信号ピークとウォ
ーターディップ(試料の注入によって溶離液が希釈され
ることにより生じる負のピーク)の分離が不十分となり
定量精度が損なわれ易い。フッ化物イオンの保持を高め
るために溶出力の弱い溶離液を用いることも考えられる
が、この場合、2価以上の陰イオン(硫酸イオンとリン
酸イオン)の溶出時間が極めて長くなり分析時間の冗長
化を招く。特に溶離液がアルカリ性の場合にはこの問題
は著しい。このため、フッ化物イオンと2価以上の陰イ
オンを同時分析するには分析条件に工夫を施すことが必
要とされる。
【0009】そこで、溶離液組成の最適化により上記の
問題を回避する方法が検討されている。例えば、ノンサ
プレッサー法では弱酸性の移動相にホウ酸を添加し、こ
のホウ酸とフッ化物イオンとを選択的に反応させて陰イ
オン性の化合物を生成し、保持を高める方法が開示され
ている(特公平7-37972号公報)。またサプレッサー法
では炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムの混液を溶離
液に用いた場合、各々の組成比を変えることによりフッ
化物イオンの保持を高められることが知られている。さ
らに、サプレッサー法でホウ酸の塩化合物を溶離液に添
加する方法も開示されている(特開2000-180429号公
報)。この様に溶離液を複数の成分で構成可能な場合は
その組成を変えることにより対応可能である。
【0010】しかし、サプレッサー法の溶離液として用
いられる水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶
液等の水酸化物系溶離液は通常単一成分で使用されるた
め溶離液による問題は回避できず、このため、このよう
なアルカリ性溶離液を用いたサプレッサー法でフッ化物
イオンの保持向上及び2価以上の陰イオン(特に7種標
準無機陰イオンの中ではリン酸イオン)の溶出時間の短
縮を両立させるには、測定に特別な手法を用いる必要が
ある。従来行われている方法は2通りあり、一つは溶離
液に濃度勾配をつけるグラジエント分析法であり、他の
一つはカラムに充填するイオン交換体のイオン交換容量
を大きく設定し約40mMの高濃度溶離液を使用する方
法である。
【0011】しかし、第一の方法は、濃度勾配を付与す
るために濃度の異なる少なくとも2種の液を用意し、こ
れを2台のポンプを用いて吸液・混合する装置・操作を
必要とし、また、測定毎に溶離液濃度を元に戻すまでの
安定化時間が必要となるという欠点がある。また、第二
の方法は溶離液濃度が高いため、現在広く使用されてい
る連続再生型のイオン交換膜を用いたサプレッサー装置
では電気透析のために高電圧をかける必要があり、サプ
レッサー寿命を短くしてしまう欠点がある。
【0012】また、水酸化物系溶離液を使用したサプレ
ッサー法により水道水を分析する際には、上記フッ化物
イオンの保持向上とリン酸イオンの溶出時間の短縮を両
立させるだけでなく、塩化物イオンと亜硝酸イオンの十
分な分離も同時に達成する必要がある。これは水道水分
析においては塩化物イオン数十ppm存在下で数ppb
程度の亜硝酸イオンの分析を必要とするからである。水
酸化物系溶離液で使用されている従来のカラムでは塩化
物イオンと亜硝酸イオンの分離は不十分であるか、十分
であっても炭酸イオンが間に溶出してしまい、微量亜硝
酸イオンの分析を同時に達成することは困難であった。
【0013】本発明者は、先に、アクリレート及びメタ
クリレート系重合体にスペーサー分子を介して三級の複
素環アミンを導入して得られる陰イオン交換体の製造方
法とこれを充填したカラムについて提案した(特開2000
-221179号)。しかし、これは酸性の溶離液を使用する
ノンサプレッサー式イオンクロマトグラフィー用カラム
とその充填剤を製造する方法であり、アルカリ性の溶離
液を使用するサプレッサー式イオンクロマトグラフィー
用カラムとして陰イオンを測定するものではない。最近
では、高度浄水処理施設の増加に伴い、上水分析におい
て従来から行われていた無機陰イオンに加え、臭素酸イ
オン、亜塩素酸イオン、塩素酸イオン等のハロゲン酸化
物を分析する必要性が高まっている。
【0014】これらハロゲン酸化物イオン分析用のサプ
レッサー法カラムとして既にダイオネクス社(Dion
ex Corporation)からIonPac A
S9−HC、IonPac AS9−SC、IonPa
c AS12Aが発売されている。しかしこれらのカラ
ム充填剤はスチレン/ジビニルベンゼン系共重合体を基
材とするものであり、陰イオン交換基としては第四級ア
ルキルアミンが導入されたものである。
【0015】一方、ポリビニルアルコール系基材に陰イ
オン交換基を導入した多孔性化学結合型イオン交換体を
充填したサプレッサー法カラムでは、これまでに臭素酸
イオン、亜塩素酸イオン、塩素酸イオンと、フッ化物イ
オン、塩化物イオン、亜硝酸イオン、臭化物イオン、硝
酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオンの7種類の無機陰
イオンとを同時に分離・分析可能なものは知られていな
かった。本発明においては、分離の指標として分離度R
を以下の式より求める。これまで特に亜塩素酸イオンと
臭素酸イオンの分離度R及び塩素酸イオンと臭化物イオ
ンの分離度Rを同時に1.5以上にすることは困難であ
った。(一般に、分離度Rは1.5以上であることが望
ましいといわれている。)
【0016】
【数1】 ここで、w1とw2は各々のピーク幅を示し、その各々の
保持時間はt1とt2とする。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる状況に
鑑みてなされたものであり、水酸化物系溶離液を用いた
サプレッサー式イオンクロマトグラフィーにおいて、低
濃度(例えば、20mM以下)の溶離液を用い、グラジ
エント分析によることなく(すなわち、濃度一定のイソ
クラテック条件で)、リン酸イオンの溶出時間を十数分
〜数十分程度の短時間に抑え、保持されにくいフッ化物
イオンをウォーターディップから十分に分離し、かつ塩
化物イオンと亜硝酸イオンを十分に分離できるイオンク
ロマトグラフィーカラム用の陰イオン交換体、その製造
方法、その陰イオン交換体を用いたサプレッサー式イオ
ンクロマトグラフィーカラム用充填剤、イオンクロマト
グラフィー用カラム、及びそのカラムを用いた低コスト
で鋭敏な陰イオン測定方法、さらには、臭素酸イオン、
亜塩素酸イオン、塩素酸イオン等のハロゲン酸化物イオ
ンと、フッ化物イオン、塩化物イオン、亜硝酸イオン、
臭化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン
の7種標準無機陰イオンとを同時に分離・分析可能な測
定方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成すべく鋭意研究した結果、第四級アンモニウム構
造を含む含窒素複素環基が、スペーサーを介して耐アル
カリ性重合体基材に結合した構造を有する多孔質重合体
からなる耐アルカリ性陰イオン交換体を充填したカラム
を用いることにより、水酸化物系溶離液を用いたサプレ
ッサー式イオンクロマトグラフィーにおいて、グラジエ
ント分析によることなく、7種の標準無機陰イオンを良
好に分離できること、及び臭素酸イオン、亜塩素酸イオ
ン、塩素酸イオンと、フッ化物イオン、塩化物イオン、
亜硝酸イオン、臭化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオ
ン、リン酸イオンの7種類の無機陰イオンとを同時に分
離・分析可能なことを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0019】すなわち、本発明は多孔質重合体粒子、耐
アルカリ性陰イオン交換体、その製造方法、その陰イオ
ン交換体からなるサプレッサー式イオンクロマトグラフ
ィーカラム用充填剤、サプレッサー式イオンクロマトグ
ラフィー用カラム及びそのカラムを用いる陰イオン測定
方法に関する。
【0020】1.第四級アンモニウム構造を含む含窒素
複素環基が、スペーサーを介して耐アルカリ性重合体基
材に結合してなることを特徴とする多孔質重合体粒子。 2.第四級アンモニウム構造を含む含窒素複素環が、芳
香族または非芳香族複素環化合物から誘導される上記1
に記載の多孔質重合体粒子。 3.含窒素複素環化合物が、式(1)
【化5】 (式中、Rは炭素数1〜5の、水酸基またはハロゲン原
子で置換されていてもよいアルキル基もしくはアルコキ
シ基またはハロゲン原子を表し、mは0〜5の整数であ
る。mが2以上の場合、複数個のRは同一でも異なって
いてもよい。)で示されるピリジン化合物、式(2)
【化6】 (式中、Rは炭素数1〜5の、水酸基またはハロゲン原
子で置換されていてもよいアルキル基を表わし、R1
水酸基、または炭素数1〜5の、水酸基で置換されてい
てもよいアルキル基もしくはアルコキシ基を表し、nは
0〜2の整数である。)で示される1−アルキルピロリ
ジン化合物、式(3)
【化7】 (式中、Rは炭素数1〜5の、水酸基またはハロゲン原
子で置換されていてもよいアルキル基を表わし、R1
水酸基、または炭素数1〜5の、水酸基で置換されてい
てもよいアルキル基もしくはアルコキシ基を表し、nは
0〜2の整数である。)で示される1−アルキルピペリ
ジン、および式(4)
【化8】 (式中、R2およびR3は同一でも異なっていてもよく、
各々水素原子、炭素数1〜5の、水酸基またはハロゲン
原子で置換されていてもよいアルキル基である。但し、
2およびR3は同時に水素原子を表さない。)で示され
る1,4−ジアルキルピペラジン化合物からなる群より
選択される化合物である上記2に記載の多孔質重合体粒
子。 4.含窒素複素環化合物が、ピリジン、2−メチルピリ
ジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−
ヒドロキシ−4−メチルピリジン、2−ヒドロキシ−6
−メチルピリジン、2−ヒドロキシピリジン、3−ヒド
ロキシピリジン、4−ヒドロキシピリジン、1−メチル
ピロリジン、1−エチルピロリジン、1−メチルピペリ
ジン、1−エチルピペリジン、1−(2−ヒドロキシエ
チル)ピペリジン、1−(ヒドロキシメチル)ピペリジ
ン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、2−
(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルピロリジン、3
−ヒドロキシ−1−メチルピペリジン、4−ヒドロキシ
−1−メチルピペリジン、4−クロロ−1−メチルピペ
リジン、1−(2−クロロエチル)ピペリジン、1−
(2−クロロエチル)ピロリジン、1−メチルピペラジ
ン、1−エチルピペラジン、または1,4−ジメチルピ
ペラジンである上記3に記載の多孔質重合体粒子。 5.前記多孔質重合体粒子の基材がポリビニルアルコー
ル系共重合体及びスチレン/ジビニルベンゼン系共重合
体から選択され、基材とイオン交換基とを繋ぐスペーサ
ー分子がグリシジル基を含有する化合物であり、前記重
合体は、アルカリ条件下で開裂しない結合を介してスペ
ーサー分子と結合している上記1ないし4のいずれかに
記載の多孔質重合体粒子。 6.平均粒径が1〜30μmである上記1ないし5のい
ずれかに記載の多孔質重合粒子。 7.平均孔径が50〜300Åである上記1ないし6の
いずれかに記載の多孔質重合粒子。 8.上記1ないし7のいずれかに記載の多孔質重合粒子
からなる耐アルカリ性陰イオン交換体。 9.ポリビニルアルコール系共重合体及びスチレン/ジ
ビニルベンゼン系共重合体から選択される耐アルカリ性
重合体多孔質粒子に、グリシジル基を含有するスペーサ
ー分子をアルカリ条件下で開裂しない結合を介して結合
させ、上記グリシジル基と含窒素複素環基を反応させて
陰イオン交換基を導入することを特徴とする耐アルカリ
性陰イオン交換体の製造方法。 10.含窒素複素環化合物が、上記2または3に記載の
含窒素複素環基から選択される上記9に記載の耐アルカ
リ性陰イオン交換体の製造方法。 11.カルボン酸ビニルエステルとイソシアヌレート系
架橋性単量体との共重合体の一部をケン化して水酸基と
したポリビニルアルコール系共重合体に、分子内に2個
以上のグリシジル基を含有する化合物を反応させて前記
ポリビニルアルコール系共重合体の質量を100とした
時に反応後の質量が103〜140となるようにグリシ
ジル基含有基を導入し、これに含窒素複素環基を反応さ
せることを特徴とする上記10に記載の耐アルカリ性陰
イオン交換体の製造方法。 12.ポリビニルアルコール系重合体のケン化を該重合
体に0.5〜5meq/gの水酸基を生じさせるまで行
なう上記11に記載の耐アルカリ性陰イオン交換体の製
造方法。 13.上記8に記載の陰イオン交換体からなるサプレッ
サー式イオンクロマトグラフィーカラム用充填剤。 14.上記8に記載の陰イオン交換体を充填したサプレ
ッサー式イオンクロマトグラフィー用カラム。 15.上記14に記載のカラムをアルカリ性溶離液と組
み合わせて用いるサプレッサー式イオンクロマトグラフ
ィーによる陰イオン測定方法。 16.アルカリ性溶離液が水酸化物溶離液である上記1
5に記載の陰イオン測定方法。 17.アルカリ性溶離液として20mM以下のイソクラ
ティック条件で水酸化物系溶離液を用いる上記16に記
載の陰イオン測定方法。 18.ハロゲン酸化物イオンの測定に用いることを特徴
とする上記15ないし17のいずれかに記載の陰イオン
測定方法。 19.上記8に記載の陰イオン交換体を充填したカラム
をハロゲン酸化物イオンの測定に用いることを特徴とす
るノンサプレッサー式イオンクロマトグラフィーによる
陰イオン測定方法。 20.ハロゲン酸化物イオンが亜塩素酸イオン、塩素酸
イオン、および/または臭素酸イオンである上記18ま
たは19に記載の陰イオン測定方法。 21.ハロゲン酸化物イオンを、ふっ化物イオン、塩化
物イオン、亜硝酸イオン、臭化物イオン、硝酸イオン、
りん酸イオンおよび硫酸イオンからなる群から選ばれる
陰イオンと同時に測定することを特徴とする上記16な
いし20のいずれかに記載の陰イオン測定方法。 22.亜塩素酸イオンと臭素酸イオンの分離度及び塩素
酸イオンと臭化物イオンの分離度が1.5以上である上
記18ないし21のいずれかに記載の陰イオン測定方
法。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 (A)含窒素複素環基を含む化合物 第四級アンモニウム構造を含む含窒素複素環基の原料と
して、芳香族または非芳香族含窒素複素環化合物を使用
する。これらの化合物は陰イオン交換体として機能し得
る限り、環構成炭素上にさらに置換基を有していてもよ
い。芳香族含窒素複素環化合物としては下記(1)で示
される(置換)ピリジン化合物が挙げられる。
【0022】
【化9】 式(1)中、Rは炭素数1〜5の、水酸基またはハロゲ
ン原子で置換されていてもよいアルキル基もしくはアル
コキシ基またはハロゲン原子を表し、mは0〜5の整数
である。mが2以上の場合、複数個のRは同一でも異な
っていてもよい。また、非芳香族含窒素複素環化合物と
しては、下記式(2)で示される1−(置換)アルキル
ピロリジン化合物、式(3)で示される1−(置換)ア
ルキルピペリジン、および式(4)で示される1,4−
ジ(置換)アルキルピペラジン化合物が挙げられる。
【0023】
【化10】
【0024】式(2)中、Rは炭素数1〜5の、水酸基
またはハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基
を表わし、R1は水酸基、または炭素数1〜5の、水酸
基で置換されていてもよいアルキル基もしくはアルコキ
シ基を表し、nは0〜2の整数である。
【0025】
【化11】
【0026】式(3)中、Rは炭素数1〜5の、水酸基
またはハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基
を表わし、R1は水酸基、または炭素数1〜5の、水酸
基で置換されていてもよいアルキル基もしくはアルコキ
シ基を表し、pは0〜2の整数である。
【化12】
【0027】式(4)中、R2およびR3は同一でも異な
っていてもよく、各々水素原子、炭素数1〜5の、水酸
基またはハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル
基である。但し、R2およびR3は同時に水素原子を表さ
ない。
【0028】芳香族含窒素複素環化合物の具体例として
は、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジ
ン、4−メチルピリジン、2−ヒドロキシ−4−メチル
ピリジン、2−ヒドロキシ−6−メチルピリジン、2−
ヒドロキシピリジン、3−ヒドロキシピリジン、4−ヒ
ドロキシピリジン等が挙げられる。また、これらの非芳
香族含窒素複素環化合物の含窒素複素環には有機化学的
に許容できる酸素またはイオウを炭素の代わりに含むこ
とができる。例えば、式(5)、
【化13】 式(6)、
【化14】 式(7)、
【化15】 式(8)
【化16】 で表される化合物が挙げられる。(これらの式中、R、
1、n、pは前記の通り。)
【0029】非芳香族含窒素複素環化合物の具体例とし
ては、1−メチルピロリジン、1−エチルピロリジン、
1−メチルピペリジン、1−エチルピペリジン、1−
(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン、1−(ヒドロキ
シメチル)ピペリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)
ピロリジン、2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチ
ルピロリジン、3−ヒドロキシ−1−メチルピペリジ
ン、4−ヒドロキシ−1−メチルピペリジン、4−クロ
ロ−1−メチルピペリジン、1−(2−クロロエチル)
ピペリジン、1−(2−クロロエチル)ピロリジン、1
−メチルピペラジン、1−エチルピペラジン、1−メチ
ル−2−(ヒドロキシエチル)モルホリンまたは1,4
−ジメチルピペラジン等が挙げられる。
【0030】(B)陰イオン交換体及びその製造方法 上記イオン交換基の導入量は4〜200μeq/gが好
ましく、より好ましくは8〜50μeq/gである。上
記イオン交換基を導入して作製する充填剤の形態とし
て、耐アルカリ性の多孔性化学結合型イオン交換体及び
ペリキュラー型イオン交換体等が挙げられる。
【0031】(1)多孔性化学結合型イオン交換体 本発明で好適に用いられる多孔性化学結合型イオン交換
体は、耐アルカリ性重合体にスペーサーを介して上記含
窒素複素環化合物を結合させてイオン交換基としたもの
である。
【0032】多孔性化学結合型イオン交換体の基材とし
て用いる多孔質重合体は耐アルカリ性であれば特に限定
されない。このような重合体の例としては、ポリビニル
アルコール系共重合体及びスチレン/ジビニルベンゼン
系共重合体等が挙げられる。これらの耐アルカリ性多孔
質重合体に第三級複素環アミン化合物と結合可能な基を
有するスペーサ分子を結合し、これにさらに第三級複素
環アミン化合物を反応させて陰イオン交換基とする。
【0033】スペーサー分子は、基材表面とイオン交換
基との間に複数の原子、通常は3原子以上20以下の原
子を介在させるものであり、一方で耐アルカリ性多孔質
重合体と他方でイオン交換基と結合する。この結果、両
者間の距離を長くするスペーサーとして働き、イオンと
基材の干渉を抑えピークの拡散を抑制する機能を有す
る。スペーサー分子としては、第三級複素環アミン化合
物と結合するグリシジル基を含有する化合物が好まし
い。具体例として、エピクロルヒドリン、1,4−ブタ
ンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコール
ジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテ
ル等が挙げられる。
【0034】(2)多孔性化学結合型イオン交換体の製造
方法 スペーサー分子と耐アルカリ性多孔質重合体との結合は
陰イオン分析に用いるpH条件で開裂しないものであれ
ばよい。製造方法は特に限定されないが、例えば耐アル
カリ性多孔質重合体中にエステル結合を含有させ、これ
をケン化して水酸基とし、スペーサー分子として同一分
子内にグリシジル基を2個以上含有するジグリシジル化
合物を反応させる方法により製造することができる。一
例として、基材の水酸基に1,4−ブタンジオールジグ
リシジルエーテルをスペーサーとして介し1−メチルピ
ペリジンを導入した模式図を下記に示す。
【0035】
【化17】
【0036】より具体的に耐アルカリ性ポリビニルアル
コール系共重合体を例として説明すると、カルボン酸ビ
ニルエステルとイソシアヌレート環を有する架橋性単量
体との共重合体をケン化して共重合体のエステル基の一
部を水酸基に変換する。これにより、基体の親水性が高
まりイオンとの干渉が抑制され、かつ水酸基はスペーサ
ー分子との反応に必要な活性点となる。これに、1,4
−ブタンジオールジグリシジルエーテル等、同一分子内
にグリシジル基を2つ以上含有する化合物を反応させ
る。
【0037】三級の複素環アミンと反応させるグリシジ
ル基含有基を十分に導入するためには、水酸基が少なく
とも0.5meq/g以上、5meq/g以下、好まし
くは1.0〜3meq/g存在するようにケン化するの
がよい。水酸基が0.5meq/g未満の場合は必要な
グリシジル基含有基の導入が困難になり、5meq/g
を超えると基材の強度が低下し基材の粒径を小さくして
カラムの性能を向上させることが困難になるため好まし
くない。
【0038】水酸基の量は、水酸基を無水酢酸と反応さ
せて消費した無水水酸基の量または反応後の重量変化を
測定することにより求められる。この時、基材の官能基
も反応する場合は、該官能基を保護した後、前記の方法
により求められる。乾燥した基材1gが1mmolの無
水酢酸と反応した時の水酸基の量を1mmol/gとす
る。
【0039】なお、この方法で好適に用いられるカルボ
ン酸ビニルエステルは、重合可能なカルボン酸ビニルエ
ステル基を一つ以上有する化合物であり、例えば酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、吉草酸ビニ
ル、及びピバリン酸ビニル等が挙げられる。これらは単
独または二種以上組み合わせて用いられる。これらの中
でも、親水性があり重合及びケン化の容易な、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニルが好ましく用いられる。
【0040】イソシアヌレート系架橋単量体の好適な例
としては、下記一般式
【化18】
【0041】(式中、R4、R5及びR6は、それぞれ独
立して、−CH2CH=CH2、−CH2−C≡CHまた
は−CH2−C(CH3)=CH2を表わす)で示される
イソシアヌレート環を有する架橋性単量体が挙げられ
る。中でもR4、R5及びR6がすべて−CH2CH=CH
2であるトリアリルシアヌレートが、酢酸ビニルとの共
重合性がよくかつケン化に対しても安定性が高く架橋剤
として好ましい。
【0042】グリシジル化合物反応後の質量増はポリビ
ニルアルコール系共重合体の質量を100とした時に1
03〜140とする。質量増が103未満であると耐ア
ルカリ性が不十分となるため好ましくなく、また140
を超えると、粒子が軟らかくなったり、粒子同士の会合
が起きたりするため好ましくない。104〜135が好
ましく、105〜125がより好ましい。
【0043】上記方法により得られる陰イオン交換体は
多孔質粒子である。多孔質粒子の孔径は50〜300Å
であり、好ましくは50〜150Å、より好ましくは5
0〜100Åである。孔径が50Å未満だと、細孔内部
へのグリシジル基含有基の導入が難しくなるため好まし
くない。300Åを超えると粒子の強度が低下するため
好ましくない。孔径の制御は高速液体クロマトグラフィ
ーの充填剤について一般に行なわれている方法を用い
る。
【0044】孔径はJ.Chromedogr.,38
7(1987)65に記載されている逆サイズ排除クロ
マトグラフィーの手法またはBET(Brunauer
−Emmett−Teller)法などにより求めるこ
とができるが、本発明においては特に支障がない限り、
Angw.Chem.Int.Ed.Engl.,1
7.901〜908(1978)に記載の方法に準じて
平均孔径が測定される。
【0045】測定に際してはまず、被測定粒子をカラム
に充填してHPLC装置につなぎ、THFを溶離液とし
て、広範囲の分子量にわたる複数の標準ポリスチレンお
よびベンゼンの保持容量を各々測定する。その結果を、
Y軸に分子量M(対数目盛にすると見やすい)、X軸に
保持容量(mL)を目盛ったグラフにプロットする。こ
うして得られた各点をなめらかに結んだ曲線を較正曲線
と呼ぶ。較正曲線から常法により排除限界点(V1
1)を求め、これとベンゼンの測定点(V2,78)を
用いて、直線 X=(V1+V2)/2 をグラフに記入
する。この直線と較正曲線との交点(平均細孔点と呼ぶ
ことにする)のY座標Mmを読みとり、この値を上記引
用文献p.905の経験式(11)と同等の次式(X)
に代入することにより、平均細孔径φm[Å]を算出す
る。
【数2】
【0046】なお「平均細孔点」は、発明者らが定義し
たものである。全細孔容積を100%としたとき、最小
容積(ベンゼンがちょうどはまる大きさとする)からの
積算容積が50%になる点を意味する。この点の標準ポ
リスチレン相当分子量を、それがちょうどはまる細孔の
直径に換算するために、上式を用いるのである。
【0047】(3)ペリキュラー型イオン交換体 ペリキュラー型イオン交換体は、イオン交換基を導入し
たラテックスによりコア粒子表面を被覆してなる粒子で
ある。コア粒子としては、スルフォン化ポリスチレンが
挙げられる。
【0048】本発明の陰イオン交換体の粒径は、1〜3
0μmがよく、好ましくは2〜20μm、より好ましく
は多孔質化学結合型では2〜10μmである。ペリキュ
ラー型では樹脂の粒径は通常、5〜15μm程度であ
る。陰イオン交換体の粒径が30μmを超える場合は、
カラムの理論段数が低くなるため好ましくなく、粒径が
1μm未満の場合はカラム圧の上昇が大きく、充填が極
めて困難となる。本発明での粒径はコールターカウンタ
ー(Coulter Counter)で測定される。
【0049】(C)イオンクロマトグラフィー用カラム 本発明の陰イオン交換体の、イオンクロマトグラフィー
用カラムへの充填はスラリー法などの公知の充填方法に
準じて行われる。本発明に係るカラムは耐アルカリ性を
有し高感度のサプレッサー式イオンクロマトグラフィー
用カラムとして用いられる。
【0050】本発明による陰イオン交換体を用いたカラ
ムは、サプレッサー式イオンクロマトグラフィーで用い
られる溶離液(炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムの
混液、ホウ酸バッファー、水酸化ナトリウム水溶液、水
酸化カリウム水溶液等)に対して安定である。特にpH
9以上の、より好ましくはpH9〜13のアルカリ性溶
離液と組み合わせて用いるのに有用であり、さらに、陰
イオンとして水酸化物イオンを含む水酸化物系溶離液と
組み合わせて用いる場合に有用である。
【0051】(D)陰イオン測定方法 本発明の陰イオン測定方法は、従来のサプレッサー式の
イオンクロマトグラフィーに準じて行うことができる。
従来はグラジエント法または高濃度溶液を用いた方法に
頼らざるを得なかった水酸化物系溶離液を用いた場合で
も、濃度一定のイソクラティック条件で、かつ、20m
M以下の低濃度溶離液が使用可能であるため、特別な測
定装置や濃度調整が不要で、かつ、サプレッサーに高電
圧を印加する必要がないためトータルな測定コストを低
減することが可能となる。
【0052】このように、本発明の陰イオン交換体を用
いたサプレッサー式イオンクロマトグラフィー用カラム
を使用することにより、炭酸系の溶離液やホウ酸系の溶
離液のみならず水酸化物系の溶離液を用いても、溶離液
濃度を適当に選択することにより、主要な陰イオン(リ
ン酸イオン、フッ化物イオン、塩化物イオン、亜硝酸イ
オン、臭化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン等)を良
好に分離することができる。
【0053】また、本発明の陰イオン測定方法は、主要
な陰イオン(リン酸イオン、フッ化物イオン、塩化物イ
オン、亜硝酸イオン、臭化物イオン、硝酸イオン、硫酸
イオン等)と同時にハロゲン酸化物イオン(臭素酸イオ
ン、亜塩素酸イオン、塩素酸イオン等)も良好に分離す
ることができる。更に詳細に説明すると、上記イオンを
同時に分析した場合でも亜塩素酸イオンと臭素酸イオン
の分離度及び塩素酸イオンと臭化物イオンの分離度を
1.5以上で測定することができる。ハロゲン酸化物イ
オンを同時分析する際には、サプレッサーを使用しても
よいが、特に使用しなくても構わない。
【0054】本発明の陰イオン測定方法においてハロゲ
ン酸化物イオンの分析に使用可能な溶離液としては特に
限定は無く、炭酸バッファーはもちろん、サプレッサー
法においては水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の水
酸化物系溶離液も使用でき、ノンサプレッサー法におい
てはp−ヒドロキシ安息香酸、フタル酸等の有機酸を弱
酸性から中性付近のpHに調整した溶離液を使用するこ
とができる。
【0055】従って、例えば、大気、水質(河川水、水
道水、温泉水、湖沼、排水等)、土壌抽出液中の陰イオ
ン等の環境中の微量成分分析;食品、肥料等の分析;化
粧品原料等の陰イオン分析;塗料原料、塗料、表面処理
液の陰イオン分析;半導体分野での超純水、混酸、エア
ー、リードフレーム、ウエハーの分析;製薬分野での品
質管理;発電プラントの循環水、冷却水等の分析等にお
いて有用である。また高度浄水処理され、その副生成物
としてのハロゲン酸化物イオンを含有する水質の分析に
おいても有用である。
【0056】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例によりさら
に詳細に説明する。なお、これらは単なる例示であっ
て、本発明はこれらにより何ら制限されるものでない。
【0057】実施例1:イオン交換基を導入する基材樹
脂として以下の方法で製造したポリビニルアルコール系
重合体を用いた。酢酸ビニル100g、トリアリルイソ
シアヌレート180g、酢酸ブチル150g及び2,2
−アゾビスイソブチロニトリル10gよりなる均一混合
液と、少量のポリビニルアルコール及びリン酸ナトリウ
ムを溶解した水1400mLと還流冷却器を備えた5L
の三口フラスコに入れ10分撹拌した。次いで、窒素気
流下で撹拌しつつ、60℃で16時間重合を行い粒状重
合体を得た。該重合体をろ過、洗浄し、アセトン抽出し
た後乾燥した。
【0058】得られた重合体を1N水酸化ナトリウム
(NaOH)水溶液3Lとともに還流冷却器、窒素導入
管及び撹拌器を備えた5Lの三口フラスコに入れ、窒素
気流下で15℃,20時間撹拌して該重合体のケン化を
行った後、ろ過、水洗、更に乾燥した。ケン化によって
得られたポリビニルアルコール重合体の水酸基の密度は
2.1meq/gであった。これを基材として下記の手
順で陰イオン交換体とした。
【0059】上記乾燥重合体100g、1,4−ブタン
ジオールジグリシジルエーテル(以下、「1,4−BG
E」と略記する。)300g、ジメチルスルホキシド3
00mL、30重量%水酸化ナトリウム水溶液65mL
を窒素導入管、撹拌器を備えた1Lの三口フラスコに入
れ窒素気流下35℃で12時間撹拌して重合体基材にグ
リシジル基含有基を導入した。導入後の重合体をジメチ
ルスルホキシド、水で洗浄後、真空乾燥機で乾燥した。
乾燥後の重合体の重量は110gであり元の基材より1
0%増大した。
【0060】グリシジル基含有基導入重合体100g、
1−メチルピペリジン4g、水500mLを窒素導入
管、撹拌器を備えた1Lの三口メスフラスコに入れ、4
0℃1時間撹拌して三級の複素環アミンを導入し陰イオ
ン交換体を作製した。これに水洗浄を挟みながら、1N
塩酸、1N水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した。その後
1Nの水酸化ナトリウム水溶液中に入れ、60℃で5時
間処理した後、水洗、乾燥した。このようにして得られ
た陰イオン交換体は平均粒径5μm、イオン交換容量約
20μeq/gであった。
【0061】この陰イオン交換体を内径4.0mm、長
さ250mmのポリエーテルエーテルケトン樹脂(PE
EK)製のカラムに充填し、陰イオン交換カラムを調製
した。イオンクロマトグラフとしてサプレッサーを備え
たDX−320〔ダイオネクス社(Dionex Co
rporation)製〕を用い、カラム温度35℃、
溶離液として15mM水酸化ナトリウム水溶液を1.0m
L/minで流し、標準液として、F-2mg/L、C
-3mg/L、NO2 -5mg/L、Br-10mg/
L、NO3 -10mg/L、SO4 2-15mg/L、PO4
3-15mg/Lを含む水溶液を25μLイオンクロマト
グラフに注入した。得られたクロマトグラムを図2に示
す。
【0062】実施例2:基材として実施例1で調製した
ポリビニルアルコール系基材樹脂に実施例1と同じ処方
により、1,4−BGEを導入した。グリシジル基含有
基導入重合体100g、1−メチルピロリジン1g、水
500mLを窒素導入管、撹拌器を備えた1Lの三口メ
スフラスコに入れ、40℃1時間撹拌して三級の複素環
アミンを導入し陰イオン交換体を作製した。これに水洗
浄を挟みながら、1N塩酸、1N水酸化ナトリウム水溶
液で洗浄した。その後1Nの水酸化ナトリウム水溶液中
に入れ、60℃で5時間処理した後、水洗、乾燥した。
このようにして得られた陰イオン交換体は平均粒径5μ
m、イオン交換容量約20μeq/gであった。上記で
得られた陰イオン交換体を実施例1と同じカラムに充填
し、実施例1と同様の方法で測定した。
【0063】実施例3:基材として実施例1で調製した
ポリビニルアルコール系基材樹脂に実施例1と同じ処方
により、1,4−BGEを導入した。グリシジル基含有
基導入重合体100g、ピリジン10g、水500mL
を窒素導入管、撹拌器を備えた1Lの三口メスフラスコ
に入れ、40℃1時間撹拌して三級の複素環アミンを導
入し陰イオン交換体を作製した。これに水洗浄を挟みな
がら、1N塩酸、1N水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し
た。その後1Nの水酸化ナトリウム水溶液中に入れ、6
0℃で5時間処理した後、水洗、乾燥した。このように
して得られた陰イオン交換体は平均粒径5μm、イオン
交換容量約20μeq/gであった。上記で得られた陰
イオン交換体を実施例1と同じカラムに充填し、実施例
1と同様の方法で測定した。
【0064】比較例1:基材として実施例1で調製した
ポリビニルアルコール系基材樹脂に実施例1と同じ処方
により、1,4−BGEを導入した。グリシジル基含有
基導入重合体100g、トリメチルアミン1%水溶液7
5mL、水500mLを窒素導入管、撹拌器を備えた1
Lの三口メスフラスコに入れ、40℃1時間撹拌して脂
肪族三級アミンを導入し陰イオン交換体を作製した。こ
れに水洗浄を挟みながら、1N塩酸、1N水酸化ナトリ
ウム水溶液で洗浄した。その後1Nの水酸化ナトリウム
水溶液中に入れ、60℃で5時間処理した後、水洗、乾
燥した。このようにして得られた陰イオン交換体は平均
粒径5μm、イオン交換容量約20μeq/gであっ
た。上記で得られた陰イオン交換体を実施例1と同じカ
ラムに充填し、実施例1と同様の方法で測定した。
【0065】比較例2:基材として実施例1で調製した
ポリビニルアルコール系基材樹脂に実施例1と同じ処方
により、1,4−BGEを導入した。グリシジル基含有
基導入重合体100g、トリエチルアミン1%水溶液1
50mL、水500mLを窒素導入管、撹拌器を備えた
1Lの三口メスフラスコに入れ、40℃1時間撹拌して
脂肪族三級アミンを導入し陰イオン交換体を作製した。
これに水洗浄を挟みながら、1N塩酸、1N水酸化ナト
リウム水溶液で洗浄した。その後1Nの水酸化ナトリウ
ム水溶液中に入れ、60℃で5時間処理した後、水洗、
乾燥した。このようにして得られた陰イオン交換体は平
均粒径5μm、イオン交換容量約20μeq/gであっ
た。上記で得られた陰イオン交換体を実施例1と同じカ
ラムに充填し、実施例1と同様の方法で測定した。
【0066】実施例4:イオン交換基を導入する基材樹
脂として以下の方法で製造したスチレン/ジビニルベン
ゼン系のものを用いた。4−アセトキシスチレン105
g、m−ジビニルベンゼン70g、トルエン75g、
2,2−アゾビスイソブチロニトリル3.5gよりなる
均一混合液を、10%のポリビニルアルコールを溶解し
た水1250mLに懸濁させ、ホモジナイズした。次い
で、2Lセパラブルフラスコに移し、70℃で6時間重
合を行い粒状重合体を得た。該重合体をろ過、水及びア
セトンで洗浄し、風乾後、風力分級により分級し3〜6
μmの粒子を得た。上記乾燥重合体150gをメタノー
ル1500mLに懸濁し、50%メタノール溶液150
0mLにKOH150gを溶かした液を加え、50℃で
6時間撹拌し、ケン化した。これを水及びアセトンで洗
浄し、乾燥後、135gの重合体を回収した。
【0067】上記乾燥重合体100g、1,4−BGE
400g、ジメチルスルホキシド300mL、水65m
Lを窒素導入管、撹拌器を備えた2Lの三口フラスコに
入れ窒素気流下35℃で16時間撹拌して重合体基材に
グリシジル基含有基を導入した。導入後の重合体をジメ
チルスルホキシド、水で洗浄後、真空乾燥機で乾燥し
た。乾燥後の重合体の重量は105gであり元の基材よ
り5%増大した。
【0068】グリシジル基含有基導入重合体100g、
1−メチルピペリジン8g、水500mLを窒素導入
管、撹拌器を備えた1Lの三口メスフラスコに入れ、4
0℃4時間撹拌して三級の複素環アミンを導入し陰イオ
ン交換体を作製した。以下実施例1と同じ処方により洗
浄し、陰イオン交換体を得た。また上記で得られた陰イ
オン交換体を実施例1と同じカラムに充填し、実施例1
と同様の方法で測定した。
【0069】比較例3:水酸化物系溶離液用として現在
市販されているカラム(三級のアルカノールアミンを導
入したペリキュラー型イオン交換体)を用いて、実施例
1と同様の方法で測定した。
【0070】評価:実施例1〜4及び比較例1〜3につ
いて導入した三級アミンの種類、フッ化物イオンとウォ
ーターディップの保持時間の差、塩化物イオンと亜硝酸
イオンの分離度、リン酸イオンの保持時間を表1に示
す。フッ化物イオンとウォーターディップの保持時間差
は、各ピーク頂点を保持時間として差を求めた。また塩
化物イオンと亜硝酸イオンの分離度Rは、以下の式より
求めた。
【0071】
【数3】 ここで、t1とt2は各々の保持時間を示し、w1とw2
各々のピーク幅を示す。
【0072】
【表1】
【0073】比較例1に示した現在市販されているカラ
ムでは、リン酸イオン保持時間が30分以上と極端に冗
長であるにもかかわらずフッ化物イオンはウォーターデ
ィップに一部重なってしまい、塩化物イオンと亜硝酸イ
オンの分離も十分ではない。これに対し実施例1、2、
3に示した本発明の三級の複素環アミンを導入して作製
した陰イオン交換体を用いたサプレッサー式イオンクロ
マトグラフィー用カラムは、溶出しにくいリン酸イオン
の保持時間を14〜16分に設定した場合でも、フッ化
物イオンをウォーターディップから十分に分離でき、か
つ塩化物イオンと亜硝酸イオンも十分に分離可能である
ことがわかる。これは比較例2、3に示した非環状の三
級アミンを導入したものに比べても有意に改善されてい
ると言える。また実施例4から基材樹脂がポリビニルア
ルコール系に限定されずに、他の樹脂でも複素環アミン
の導入が有効であると言える。
【0074】実施例5:イオン交換基を導入する基材樹
脂として以下の方法で製造したポリビニルアルコール系
重合体を用いた。酢酸ビニル100g、トリアリルイソ
シアヌレート180g、酢酸ブチル150g及び2,2
−アゾビスイソブチロニトリル10gよりなる均一混合
液と、少量のポリビニルアルコール及びリン酸ナトリウ
ムを溶解した水1400mLと還流冷却器を備えた5L
の三口フラスコに入れ10分撹拌した。次いで、窒素気
流下で撹拌しつつ、60℃で16時間重合を行い粒状重
合体を得た。該重合体をろ過、洗浄し、アセトン抽出し
た後乾燥した。
【0075】得られた重合体を1N水酸化ナトリウム
(NaOH)水溶液3Lとともに還流冷却器、窒素導入
管及び撹拌器を備えた5Lの三口フラスコに入れ、窒素
気流下で15℃,20時間撹拌して該重合体のケン化を
行った後、ろ過、水洗、更に乾燥した。ケン化によって
得られたポリビニルアルコール重合体の水酸基の密度は
2.1meq/gであった。これを基材として下記の手
順で陰イオン交換体とした。
【0076】上記乾燥重合体100g、1,4−BGE
300g、ジメチルスルホキシド300mL、30重量
%水酸化ナトリウム水溶液65mLを窒素導入管、撹拌
器を備えた1Lの三口フラスコに入れ窒素気流下35℃
で12時間撹拌して重合体基材にグリシジル基含有基を
導入した。導入後の重合体をジメチルスルホキシド、水
で洗浄後、真空乾燥機で乾燥した。乾燥後の重合体の重
量は110gであり元の基材より10%増大した。
【0077】グリシジル基含有基導入重合体100g、
1−メチルピペリジン5g、水500mLを窒素導入
管、撹拌器を備えた1Lの三口メスフラスコに入れ、4
0℃で2時間撹拌して三級の複素環アミンを導入し陰イ
オン交換体を作製した。これに水洗浄を挟みながら、1
N塩酸、1N水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した。その
後1Nの水酸化ナトリウム水溶液中に入れ、100℃で
20時間処理した後、水洗、乾燥した。このようにして
得られた陰イオン交換体は平均粒径5μm、イオン交換
容量約30μeq/gであった。
【0078】この陰イオン交換体を内径4.0mm、長
さ250mmのポリエーテルエーテルケトン樹脂(PE
EK)製のカラムに充填し、陰イオン交換カラムを調製
した。イオンクロマトグラフとしてサプレッサーを備え
た761 CompactIC〔メトローム社(Met
rohm Ltd.)製〕を用い、カラム温度25℃、
溶離液として3mM炭酸ナトリウム水溶液を0.7mL
/minで流し、標準液として、F-2mg/L、Cl
2 -10mg/L、BrO3 -10mg/L、Cl-3m
g/L、NO2 -5mg/L、ClO3 -10mg/L、B
-10mg/L、NO3 -10mg/L、SO4 2-15m
g/L、PO4 3-15mg/Lを含む水溶液を20μL
イオンクロマトグラフに注入した。得られたクロマトグ
ラムを図3に示す。
【0079】実施例6:基材として実施例1で調製した
ポリビニルアルコール系基材樹脂に実施例1と同じ処方
により、1,4−BGEを導入した。グリシジル基含有
基導入重合体100g、1−メチルピロリジン1.5
g、水500mLを窒素導入管、撹拌器を備えた1Lの
三口メスフラスコに入れ、40℃2時間撹拌して三級の
複素環アミンを導入し陰イオン交換体を作製した。これ
に水洗浄を挟みながら、1N塩酸、1N水酸化ナトリウ
ム水溶液で洗浄した。その後1Nの水酸化ナトリウム水
溶液中に入れ、100℃で20時間処理した後、水洗、
乾燥した。このようにして得られた陰イオン交換体は平
均粒径5μm、イオン交換容量約30μeq/gであっ
た。上記で得られた陰イオン交換体を実施例5と同じカ
ラムに充填し、実施例1と同様の方法で測定した。
【0080】比較例4:基材として実施例1で調製した
ポリビニルアルコール系基材樹脂に実施例1と同じ処方
により、1,4−BGEを導入した。グリシジル基含有
基導入重合体100g、トリメチルアミン1%水溶液1
00mL、水500mLを窒素導入管、撹拌器を備えた
1Lの三口メスフラスコに入れ、40℃2時間撹拌して
脂肪族三級アミンを導入し陰イオン交換体を作製した。
これに水洗浄を挟みながら、1N塩酸、1N水酸化ナト
リウム水溶液で洗浄した。その後1Nの水酸化ナトリウ
ム水溶液中に入れ、100℃で20時間処理した後、水
洗、乾燥した。このようにして得られた陰イオン交換体
は平均粒径5μm、イオン交換容量約30μeq/gで
あった。上記で得られた陰イオン交換体を実施例5と同
じカラムに充填し、実施例1と同様の方法で測定した。
【0081】評価:実施例5、6及び比較例4について
導入した三級アミンの種類、亜塩素酸イオンと臭素酸イ
オンの分離度、塩素酸イオンと臭化物イオンの分離度、
硫酸イオンの保持時間を表2に示す。硫酸イオンの保持
時間を示したのは、保持時間が最も遅い硫酸イオンの溶
出位置を合わせることで3種カラムを適正に評価できて
いることを示すためである。また分離度Rは、以下の式
より求めた。
【0082】
【数4】 ここで、w1とw2は各々のピーク幅を示し、その各々の
保持時間はt1とt2とする。分離度Rは1.5以上であ
ることが望ましい。
【0083】
【表2】
【0084】比較例4に示した従来の第三級アルキルア
ミンを導入して作製した陰イオン交換体を用いたサプレ
ッサー式イオンクロマトグラフィー用カラムでは、塩素
酸イオンと臭化物イオンの分離度が1.5以下で不十分
であるのに対し、実施例5、6に示した本発明の第三級
の複素環アミンを導入して作製した陰イオン交換体を用
いたサプレッサー式イオンクロマトグラフィー用カラム
は、亜塩素酸イオンと臭素酸イオンの分離度及び塩素酸
イオンと臭化物イオンの分離度が共に1.5以上であり
十分に分離できたことがわかる。これは比較例4に示し
た非環状の三級アルキルアミンを導入したものに比べて
有意に改善されていると言える。
【0085】また実施例5で製造したカラムを用いた分
析のクロマトグラムを図3に示した。フッ化物イオンと
ウォーターディップ(試料中の水由来で最初に出現する
負のピーク)を十分に分離できており、炭酸ディップも
他のイオンピークと分離できており、ポリビニルアルコ
ール系基材由来の多孔性化学結合型陰イオン交換体の優
れた特性が反映されていることがわかる。本実施例では
溶離液として炭酸バッファーを用いたが、ハロゲン酸化
物イオンの分析に使用可能な溶離液はこれに限定されな
い。
【0086】
【発明の効果】本発明の陰イオン交換体を充填したサプ
レッサー式イオンクロマトグラフィー用カラムは、20
mM以下の低濃度水酸化物系溶離液を用いたイソクラテ
ック条件でリン酸イオンの溶出時間を20分以内に抑
え、保持されにくいフッ化物イオンをウォーターディッ
プから十分に分離し、塩化物イオンと亜硝酸イオンを十
分に分離できるため、上記溶離液を用いた分析において
測定時間の短縮と連続再生型のイオン交換膜サプレッサ
ーの寿命を長くさせることができる。
【0087】また本発明の陰イオン交換体を充填したイ
オンクロマトグラフィー用カラムは、臭素酸イオン、亜
塩素酸イオン、塩素酸イオン等のハロゲン酸化物イオン
を7種無機標準陰イオンと同時分析することもできる。
そのため、本発明は、環境、食品、農学、化粧品、塗
料、半導体、製薬、電力等の幅広い分野に有用であり、
水道水のように塩化物イオン数十ppm存在下での数p
pb亜硝酸イオンの分析や、高度浄水処理水のように副
生成物として生じたハロゲン酸化物イオンを含有する水
の分析等に特に有用である。
【0088】
【図面の簡単な説明】
【図1】 イオンクロマトグラフィーの基本構成を示す
模式図。
【図2】 実施例1で得られた本発明のイオン交換体を
充填して得られた分離カラムに7種標準イオンを含む試
験水溶液を注入して採取したクロマトグラム。
【図3】 実施例5で得られた本発明の測定方法により
ハロゲン酸化物イオンと7種標準無機陰イオンとを同時
分析したクロマトグラム。
【0089】
【符号の説明】
1 フッ化物イオンのピーク 2 亜塩素酸イオンのピーク 3 臭素酸イオンのピーク 4 塩化物イオンのピーク 5 亜硝酸イオンのピーク 6 塩素酸イオンのピーク 7 臭化物イオンのピーク 8 硝酸イオンのピーク 9 リン酸イオンのピーク 10 硫酸イオンのピーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 30/02 G01N 30/02 B E 30/26 30/26 A 30/48 30/48 G M P 30/88 30/88 H // C08L 25:08 C08L 25:08 29:04 29:04 Z (72)発明者 鈴木 廣志 神奈川県川崎市川崎区扇町5番1号 昭和 電工株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA22 AA29 AH19 FA10 FB02 FC12 FD04 4G066 AB06D AB07A AB10A AB10B AB12A AB12B AC14D AD15D CA41 DA07 EA01 4J100 AB02P AB16Q AD02P BC54H BC65H BC69H BC74H CA01 CA04 HA29 HA44 HA61 JA16

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第四級アンモニウム構造を含む含窒素複
    素環基が、スペーサーを介して耐アルカリ性重合体基材
    に結合してなることを特徴とする多孔質重合体粒子。
  2. 【請求項2】 第四級アンモニウム構造を含む含窒素複
    素環が、芳香族または非芳香族複素環化合物から誘導さ
    れるものである請求項1に記載の多孔質重合体粒子。
  3. 【請求項3】 含窒素複素環化合物が、式(1) 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜5の、水酸基またはハロゲン原
    子で置換されていてもよいアルキル基もしくはアルコキ
    シ基またはハロゲン原子を表し、mは0〜5の整数であ
    る。mが2以上の場合、複数個のRは同一でも異なって
    いてもよい。)で示されるピリジン化合物、式(2) 【化2】 (式中、Rは炭素数1〜5の、水酸基またはハロゲン原
    子で置換されていてもよいアルキル基を表わし、R1
    水酸基、または炭素数1〜5の、水酸基で置換されてい
    てもよいアルキル基もしくはアルコキシ基を表し、nは
    0〜2の整数である。)で示される1−アルキルピロリ
    ジン化合物、式(3) 【化3】 (式中、Rは炭素数1〜5の、水酸基またはハロゲン原
    子で置換されていてもよいアルキル基を表わし、R1
    水酸基、または炭素数1〜5の、水酸基で置換されてい
    てもよいアルキル基もしくはアルコキシ基を表し、pは
    0〜2の整数である。)で示される1−アルキルピペリ
    ジン、および式(4) 【化4】 (式中、R2およびR3は同一でも異なっていてもよく、
    各々水素原子、炭素数1〜5の、水酸基またはハロゲン
    原子で置換されていてもよいアルキル基である。但し、
    2およびR3は同時に水素原子を表さない。)で示され
    る1,4−ジアルキルピペラジン化合物からなる群より
    選択される化合物である請求項2に記載の多孔質重合体
    粒子。
  4. 【請求項4】 含窒素複素環化合物が、ピリジン、2−
    メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリ
    ジン、2−ヒドロキシ−4−メチルピリジン、2−ヒド
    ロキシ−6−メチルピリジン、2−ヒドロキシピリジ
    ン、3−ヒドロキシピリジン、4−ヒドロキシピリジ
    ン、1−メチルピロリジン、1−エチルピロリジン、1
    −メチルピペリジン、1−エチルピペリジン、1−(2
    −ヒドロキシエチル)ピペリジン、1−(ヒドロキシメ
    チル)ピペリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピロ
    リジン、2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルピ
    ロリジン、3−ヒドロキシ−1−メチルピペリジン、4
    −ヒドロキシ−1−メチルピペリジン、4−クロロ−1
    −メチルピペリジン、1−(2−クロロエチル)ピペリ
    ジン、1−(2−クロロエチル)ピロリジン、1−メチ
    ルピペラジン、1−エチルピペラジン、または1,4−
    ジメチルピペラジンである請求項3に記載の多孔質重合
    体粒子。
  5. 【請求項5】前記多孔質重合体粒子の基材がポリビニル
    アルコール系共重合体及びスチレン/ジビニルベンゼン
    系共重合体から選択され、基材とイオン交換基とを繋ぐ
    スペーサー分子がグリシジル基を含有する化合物であ
    り、前記重合体は、アルカリ条件下で開裂しない結合を
    介してスペーサー分子と結合している請求項1ないし4
    のいずれかに記載の多孔質重合体粒子。
  6. 【請求項6】 平均粒径が1〜30μmである請求項1
    ないし5のいずれかに記載の多孔質重合粒子。
  7. 【請求項7】 平均孔径が50〜300Åである請求項
    1ないし6のいずれかに記載の多孔質重合粒子。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載の多
    孔質重合粒子からなる耐アルカリ性陰イオン交換体。
  9. 【請求項9】 ポリビニルアルコール系共重合体及びス
    チレン/ジビニルベンゼン系共重合体から選択される耐
    アルカリ性重合体多孔質粒子に、グリシジル基を含有す
    るスペーサー分子をアルカリ条件下で開裂しない結合を
    介して結合させ、前記グリシジル基と含窒素複素環基を
    反応させて陰イオン交換基を導入することを特徴とする
    耐アルカリ性陰イオン交換体の製造方法。
  10. 【請求項10】 含窒素複素環化合物が、請求項2また
    は3に記載の含窒素複素環基から選択される請求項9に
    記載の耐アルカリ性陰イオン交換体の製造方法。
  11. 【請求項11】 カルボン酸ビニルエステルとイソシア
    ヌレート系架橋性単量体との共重合体の一部をケン化し
    て水酸基としたポリビニルアルコール系共重合体に、分
    子内に2個以上のグリシジル基を含有する化合物を反応
    させて前記ポリビニルアルコール系共重合体の質量を1
    00とした時に反応後の質量が103〜140となるよ
    うにグリシジル基含有基を導入し、これに含窒素複素環
    基を反応させることを特徴とする請求項10に記載の耐
    アルカリ性陰イオン交換体の製造方法。
  12. 【請求項12】 ポリビニルアルコール系重合体のケン
    化を該重合体に0.5〜5meq/gの水酸基を生じさ
    せるまで行なう請求項11に記載の耐アルカリ性陰イオ
    ン交換体の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項8に記載の陰イオン交換体から
    なるサプレッサー式イオンクロマトグラフィーカラム用
    充填剤。
  14. 【請求項14】 請求項8に記載の陰イオン交換体を充
    填したサプレッサー式イオンクロマトグラフィー用カラ
    ム。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載のカラムをアルカリ
    性溶離液と組み合わせて用いるサプレッサー式イオンク
    ロマトグラフィーによる陰イオン測定方法。
  16. 【請求項16】 アルカリ性溶離液が水酸化物溶離液で
    ある請求項15に記載の陰イオン測定方法。
  17. 【請求項17】 アルカリ性溶離液として20mM以下
    のイソクラティック条件で水酸化物系溶離液を用いる請
    求項16に記載の陰イオン測定方法。
  18. 【請求項18】ハロゲン酸化物イオンの測定に用いるこ
    とを特徴とする請求項15ないし17のいずれかに記載
    の陰イオン測定方法。
  19. 【請求項19】 請求項8に記載の陰イオン交換体を充
    填したカラムをハロゲン酸化物イオンの測定に用いるこ
    とを特徴とするノンサプレッサー式イオンクロマトグラ
    フィーによる陰イオン測定方法。
  20. 【請求項20】 ハロゲン酸化物イオンが亜塩素酸イオ
    ン、塩素酸イオン、および/または臭素酸イオンである
    請求項18または19に記載の陰イオン測定方法。
  21. 【請求項21】 ハロゲン酸化物イオンを、ふっ化物イ
    オン、塩化物イオン、亜硝酸イオン、臭化物イオン、硝
    酸イオン、りん酸イオンおよび硫酸イオンからなる群か
    ら選ばれる陰イオンと同時に測定することを特徴とする
    請求項15ないし20のいずれかに記載の陰イオン測定
    方法。
  22. 【請求項22】 亜塩素酸イオンと臭素酸イオンの分離
    度、及び塩素酸イオンと臭化物イオンの分離度が1.5
    以上である請求項18ないし21のいずれかに記載の陰
    イオン測定方法。
  23. 【請求項23】 ふっ化物イオンピークがウォーターデ
    ィップ位置と重ならないことを特徴とする請求項15な
    いし22のいずれかに記載の陰イオン測定方法。
  24. 【請求項24】 炭酸ディップが、陰イオンのピークと
    重ならないことを特徴とする請求項15ないし23のい
    ずれかに記載の陰イオン測定方法。
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