JP2001040032A - 耐アルカリ性高強度陰イオン交換体及びその製造方法 - Google Patents

耐アルカリ性高強度陰イオン交換体及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】高pHにおいて安定でありかつ高い強度を持
ち、卓越したカラム効率を達成できる、サプレッサー法
イオンクロマトグラフィーに最適な陰イオン交換体及び
その製造方法、サプレッサー法イオンクロマトグラフィ
ーで陰イオン分析する際に問題となる、炭酸ディップの
出現位置を調節した陰イオン交換体及びその製造方法の
提供。 【解決手段】カルボン酸ビニルエステルとイソシアヌレ
ート環を有する架橋性単量体との共重合体のエステル基
の一部を水酸基にケン化してなるポリビニルアルコール
系共重合体に、同一分子内にグリシジル基を2つ以上含
有する化号物を反応させ4〜35質量%のグリシジル基
含有基を導入し、さらに3級アミンを反応させ耐アルカ
リ性高強度陰イオン交換体を製造すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は陰イオン交換体の製
造に関し、特にサプレッサー法イオンクロマトグラフィ
ーに用いることのできる耐アルカリ性高強度でかつ炭酸
ディップの出現位置を調節可能な陰イオン交換体の製造
方法、その製造方法を用いた陰イオン交換体、それを用
いた陰イオンクロマトグラフィー用カラム、陰イオンの
分析方法及びそれを用いた電子材料の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、リン酸イオン、フッ化物イオン、
塩化物イオン、亜硝酸イオン、臭化物イオン、硝酸イオ
ン、硫酸イオン等の無機陰イオンの分析には、イオンク
ロマトグラフィーが効率的かつ高精度・高感度な手段と
して利用されている。イオンクロマトグラフィーは、溶
離液をイオン交換カラムに送液しながら、イオン種を含
む試料を該カラム内に注入し、カラムより保持時間差を
もって分離溶出されるイオン(種類、量)を電気伝導度
検出器等の高感度検出器により検出するものであり、こ
のイオンクロマトグラフィーにはサプレッサーを使う
「サプレッサー法」とサプレッサーを使わない「ノンサ
プレッサー法」とがある。サプレッサーは、検出器の
前、分離カラムの後に接続して、電気伝導度検出器でイ
オンを検出する際のバックグラウンドを下げ、測定感度
を上げる働きを持つ。
【0003】「サプレッサー法」においては、溶離液と
して、炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムの混液、p
H9〜10のホウ酸バッファー、水酸化ナトリウム水溶
液等を流し、分離カラムにおいて試料イオンを分離した
後、サプレッサーを介して伝導度検出器で検出する。こ
のサプレッサー法は、ノンサプレッサー法に比較して専
用の装置を必要とし経済性に劣るものの、より高感度が
得られるため半導体業界などで用いる純水、薬品などの
管理には必要欠くべからざるものとなっている。
【0004】このサプレッサー法に用いられる充填剤
(以下「陰イオン交換体」ともいう。)の要件として
は、比較的高pH(pH約9〜12)において安定であ
り、かつ目的とする陰イオンを良好に分離できることで
ある。具体的には、スルフォン化ポリスチレン基材に陰
イオン交換性のラテックスを被覆したいわゆるペリキュ
ラー型イオン交換体と、多孔性のポリマー、特にアクリ
レート基材に第4級アミノ基を化学結合した多孔性化学
結合型イオン交換体があり、中でも前者は耐アルカリ性
に優れ、最も多く使われている。後者において現在市販
されているものは、耐アルカリ性が充分でなく、主に酸
性の溶離液が用いられるノンサプレッサー法で多く利用
され、サプレッサー法での利用は少ないのが現状であ
る。
【0005】ペリキュラー型イオン交換体は、イオンの
移動が充填剤表面のみに限られ充填剤の穴の中まで入る
ことがないため、拡散が少ない、イオンと基材の干
渉がない、などの長所がある一方、構造上から充填剤の
利用表面積が限られ、カラム効率に限界があるという欠
点を有する。ペリキュラー型イオン交換体においてカラ
ム効率を上げるにはカラム長さを長くするか、充填剤の
粒径を小さくする必要がある。しかし、現在でも250
mmという長いカラムを用いており、カラム長さをこれ
以上長くすることは実用的でない。また、粒径を小さく
することも、高速液体クロマトグラフィーで一般的に用
いられる5μm程度の粒径でもその構造上の制約から製
造が非常に困難である。従って、ペリキュラー型イオン
交換体に現状の理論段数:6000段/カラム以上の性
能を求めることは容易ではなかった。
【0006】一方、多孔性化学結合型イオン交換体は、
孔の中までイオンが移動してイオン交換するため、充填
剤の有効表面積に優れており、より高性能を達成できる
可能性を有する。多孔性化学結合型イオン交換体の欠点
としては、対象イオンと基材との干渉によるピークの広
がりがあるが、特開昭62−79356号公報に示され
る基材にスペーサを導入した後、イオン交換基を導入す
る製造方法により低減することが可能である。しかし、
未だpH9〜12において耐アルカリ性が充分であり、
かつ粒径を小さくして高性能を得るのに必要な強度を有
する多孔性化学結合型のイオン交換体がないのが現状で
ある。
【0007】また、イオンクロマトグラフィーにより陰
イオンを分析する際には、試料中に含まれる炭酸ガスも
炭酸水素イオンとして検出されてしまうため、この影響
を最小限に抑えるために炭酸ナトリウムと炭酸水素ナト
リウムの混合水溶液が広く利用されていた。しかしpp
bレベル以下の微量成分を分析する際には、炭酸水素イ
オンがブロードなピークとして出現してしまい、分析対
象のイオンピークと重なり分離・定量が困難になる。こ
のピークは溶離液として用いる炭酸緩衝液の濃度によ
り、ベースラインに対し凹または凸に出現し、炭酸ディ
ップまたは炭酸システムピークと呼ばれている。(以下
「炭酸ディップ」という。)
【0008】これまでサプレッサー法カラムに用いられ
ている主な陰イオン交換体としては、上記のスルフォン
化ポリスチレン基材に陰イオン交換性のラテックスを被
覆したペリキュラー型イオン交換体と、ポリビニルアル
コール基材に陰イオン交換基を導入した多孔性化学結合
型イオン交換体の2種が挙げられる。この2種の交換体
は基材の親水性に差があるため、炭酸水素イオンの保持
能力の差も大きい。しかしどちらのイオン交換体を用い
たカラムでも、クロマトグラム上で炭酸ディップの出現
位置を制御する製造技術は確立されておらず、微量分析
時には問題を抱えていた。
【0009】またこれらを回避する方法として、疎水性
の高いスチレン系モノマーと親水性の高いアルコール系
モノマーの共重合体を製造し、各モノマーの配合比を調
節することにより炭酸ディップ出現位置を調節する製造
方法(特開平9−124729号公報)が開示されてい
るが、この方法で製造したイオン交換体では、硝酸イオ
ンピークが顕著にテーリングし形状が非常に悪い。ピー
ク形状は、得られたクロマトグラムピークの頂点から垂
線を引き、ピーク高さ10%のところの垂線からピーク
の左右の水平幅を求め、右の幅を左の幅で割った値(F
as)で評価されるが、通常のクロマトグラムピークは
ほぼ左右対称であるためFasが1.0付近であるのに
対し、このイオン交換体では5.0と非常にかけ離れた
値である。よってこのイオン交換体は、硝酸イオンの定
量性が実用的でなく、硝酸イオンより後ろに溶出するイ
オン種にも悪影響があるため、微量分析には適さないも
のであった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる状況
に鑑みてなされたものであり、高pHにおいて安定であ
りかつ高い強度を持ち、卓越したカラム効率を達成する
ことができる、サプレッサー法イオンクロマトグラフィ
ーに最適な陰イオン交換体、その製造方法、それを用い
たカラム、それを用いたサプレッサー法陰イオンクロマ
トグラフィーによる陰イオンの測定方法を提供するこ
と、更に基材製造時に親水性の異なるモノマー・架橋剤
の配合比を調節して炭酸ディップ位置を調節するのでは
なく、既存の陰イオン交換体を化学反応で改質すること
により、ピーク形状を悪化させることなく、炭酸ディッ
プの出現位置を他のイオンピークと重ならない位置に制
御した陰イオン交換体、その製造方法、それを用いたカ
ラム及びそれを用いた陰イオンクロマトグラムによる陰
イオン測定方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成すべく鋭意研究の結果、ポリビニルアルコール系
共重合体に、同一分子内にグリシジル基を2つ以上含有
する化合物を反応させて4〜35質量%のグリシジル基
含有基を導入し、これに第三級アミンを反応させること
により得られる交換体が、高強度を有しかつ特に優れた
耐アルカリ性を示すこと、更に陰イオン交換体をアルカ
リ性溶液中で処理することにより、炭酸ディップと他の
陰イオンピークとで保持時間の変化率に差が生じること
を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち本発明は次の事項に関する。 [1]カルボン酸ビニルエステルとイソシアヌレート系
架橋性単量体との共重合体のエステル基の一部をケン化
して水酸基としたポリビニルアルコール系共重合体に、
同一分子内にグリシジル基を2つ以上含有する化合物を
反応させ、該ポリビニルアルコール系共重合体の4〜3
5質量%のグリシジル基含有基を導入し、さらに3級ア
ミンを反応させることを特徴とする耐アルカリ性高強度
陰イオン交換体の製造方法。 [2]ケン化によるポリビニルアルコール系共重合体の
水酸基が0.5〜5meq/gであることを特徴とする
上記[1]に記載の耐アルカリ性高強度陰イオン交換体
の製造方法。 [3]アルカリ性溶液中で改変処理することを特徴とす
る上記[1]または[2]に記載の耐アルカリ性高強度
陰イオン交換体の製造方法。
【0013】[4]アルカリ性溶液として炭酸塩溶液を
使用することを特徴とする上記[3]に記載の耐アルカ
リ性高強度陰イオン交換体の製造方法。 [5]上記[1]ないし[4]に記載の陰イオン交換体
の製造方法により得られる耐アルカリ性高強度陰イオン
交換体。 [6]平均粒径が1〜30μmであることを特徴とする
上記[5]に記載の耐アルカリ性高強度陰イオン交換
体。
【0014】[7]平均孔径が50〜300Åの多孔質
重合体粒子であることを特徴とする上記[5]また
[6]に記載の耐アルカリ性高強度陰イオン交換体。 [8]上記[5]ないし[7]のいずれかに記載の耐ア
ルカリ性高強度陰イオン交換体を充填してなるサプレッ
サー式陰イオンクロマトグラフィー用カラム。 [9]pH9〜12の溶離液と、上記[8]に記載の陰
イオンクロマトグラフィー用カラムを用いることを特徴
とするサプレッサー式陰イオンクロマトグラフィーによ
る陰イオンの測定方法。
【0015】[10]pH9〜12の溶離液として、炭
酸バッファー、ホウ酸バッファー、水酸化ナトリウム水
溶液及び水酸化カリウム水溶液からなる群より選ばれる
1種以上を用いることを特徴とする上記[9]に記載の
サプレッサー式陰イオンクロマトグラフィーによる陰イ
オンの測定方法。 [11]さらに有機溶媒を50質量%以下の割合で添加
する上記[9]または[10]に記載のサプレッサー式
陰イオンクロマトグラフィーによる陰イオンの測定方
法。 [12]有機溶媒として、アセトン、アセトニトリルま
たはメタノールを用いることを特徴とする上記[11]
に記載のサプレッサー式陰イオンクロマトグラフィーに
よる陰イオンの測定方法。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態をさら
に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0017】本発明に係る耐アルカリ性高強度陰イオン
交換体の製造方法は、カルボン酸ビニルエステルとイソ
シアヌレート系架橋性単量体との共重合体のエステル基
の一部をケン化して水酸基にしたポリビニルアルコール
系共重合体を基材とし、その基材に同一分子内にグリシ
ジル基を2つ以上含有する化合物を反応させ、該ポリビ
ニルアルコール系共重合体に対し4〜35質量%増加す
るようにグリシジル基含有化合物を導入し、これに3級
アミンを反応させることを特徴とする。
【0018】本発明に使用できるイソシアヌレート系架
橋単量体の好適な例としては、下記一般式(I)
【0019】
【化1】
【0020】[ただし、R1、R2及びR3はそれぞれ独
立に−CH2CH=CH2、−CH2−C≡CH又は−C
2−C(CH3)=CH2を示す。]で表わされるイソ
シアヌレート環を有する架橋性単量体が挙げられ、なか
でもR1、R2及びR3がすべて−CH2CH=CH2であ
るトリアリルシアヌレートが、酢酸ビニルとの共重合性
がよくかつケン化に対しても安定性が高いので架橋剤と
して好ましい。
【0021】一般にポリビニルアルコール系共重合体の
製造方法としては、先ず全多孔性のポリビニルアルコー
ル粒子に架橋剤を反応する方法があり、たとえばアジピ
ン酸ジビニルに酢酸ブチルのようなポーラス化剤とラジ
カル重合開始剤を加えて水中で懸濁重合した後、メタノ
ール中で反応して水酸基を生成させ、ポリビニルアルコ
ール粒子を得る。その後、アセトンとジメチルスルホキ
シド液中でエピクロルヒドリンを反応して架橋すること
により所望の基材を得ることができる。
【0022】しかし、より高強度の基材を得る方法とし
ては、カルボン酸ビニルエステルとイソシアヌレート環
を有する架橋性単量体との共重合体をケン化することに
より共重合体のエステル基の一部を水酸基に変換する方
法(特公昭63−61619号公報)がある。本発明に
おいて、高強度かつ耐アルカリ性という特徴を有する陰
イオン交換体を得るためにカルボン酸ビニルエステルと
一般式(1)に記載のイソシアヌレート環を有する架橋
性単量体との共重合体をケン化することにより共重合体
のエステル基の一部を水酸基に変換する方法を用いる。
この方法において水酸基の役割は基材の親水性を高めイ
オンとの干渉を抑制し、かつ本発明の構成の一つである
グリシジル化合物と反応させるのに必要な活性点であ
る。
【0023】本発明においては、十分にグリシジル基含
有基を導入するため水酸基が少なくとも0.5meq/
g以上、5meq/g以下になるようにケン化するのが
よい。さらにケン化後の水酸基は、1.0〜3meq/
g存在することが好ましい。水酸基が0.5meq/g
未満の場合は必要なグリシジル基含有基の導入が困難に
なるため好ましくなく、5meq/gを超えてケン化す
ると基材の強度が低下するため基材の粒径を小さくして
カラムの性能を向上させることが困難になるため好まし
くない。
【0024】本発明においてカルボン酸ビニルエステル
とは、重合可能なカルボン酸ビニルエステル基を一つ以
上有する化合物をいい、例えば酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、酪酸ビニル、吉草酸ビニル、及びピバリン酸
ビニル等が挙げられ、これらを単独または二種以上組み
合わせて用いられる。これらの中でも特に、比較的親水
性があり重合およびケン化の容易な、酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニルが好ましく用いられる。
【0025】本発明において架橋性単量体よりなる共重
合体を得るには、懸濁重合、塊状重合あるいは乳化重合
等の通常の重合方法を用いることができる。
【0026】本発明においてポリビニルアルコール系共
重合体に導入されるグリシジル基含有基はいわゆるイオ
ン交換基を導入するためのスペーサの働きをするもので
あり、これにより基材とイオン交換基の距離を長くし、
イオンと基材の干渉が抑えられピークの拡散が抑制され
る機能を有する。
【0027】グリシジル基含有基を導入する試薬として
は、エピクロルヒドリン、1,4―ブタンジオールジグ
リシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエ
ーテル、グリセリンジグリシジルエーテルなどが挙げら
れるが、本発明の耐アルカリ性陰イオン交換体を得るに
は、1,4―ブタンジオールジグリシジルエーテル等、
同一分子内にグリシジル基を2つ以上含有する化合物を
反応させることが必要である。グリシジル化合物反応後
のグリシジル基含有基の導入量がポリビニルアルコール
系共重合体の4〜35質量%である。
【0028】グリシジル基含有基の導入量は8〜30質
量%が好ましく、12〜25質量%がより好ましい。導
入量が4質量%未満であると耐アルカリ性が不十分とな
るため好ましくなく、また35質量%を超えると、粒子
が軟らかくなったり、粒子同士の会合が起きたりするた
め好ましくない。
【0029】本発明において、グリシジル基含有基とし
ては、例えば式(2)
【0030】
【化2】
【0031】が挙げられる。
【0032】本発明においてグリシジル基含有基に反応
させる三級アミンとしては、トリメチルアミン、トリエ
チルアミン、トリブチルアミン、ジエチルエタノールア
ミン、N−エチルジエタノールアミンなど各種のものを
利用することができる。これらはそれぞれ反応性が異な
り、かつ分離されるイオンの選択性が異なるため、一般
的には反応性が良好であり、できるだけ多くのイオンを
短時間で溶出できるものを選択する。本発明において
は、トリメチルアミン、ジエチルエタノールアミン等が
好ましく用いられる。
【0033】本発明の陰イオン交換体は上記の製造方法
によって得ることができるが、それらの製造方法に限定
されるものではない。
【0034】また本発明に係る陰イオン交換体の製造方
法は、既存の陰イオン交換体をアルカリ性溶液中で反応
させ、担体中の第4級アンモニウム基をホフマン分解に
より3級アミンに変換、または3級アミンとして脱離さ
せること、もしくは基材の炭酸水素イオンとの親和性を
変化させることにより、イオン交換容量と基材の親水性
とを自在に調節し、炭酸ディップが他の陰イオンピーク
と重ならない位置に溶出するように制御することを特徴
とする。
【0035】本発明において使用できるアルカリ性溶液
としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸
化物、または炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭
酸水素カリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩単独または混
合溶液が挙げられる。
【0036】反応は通常0.1〜10Mのアルカリ性溶
液で、50〜120℃において、1〜40時間程度行う
が、アルカリ性溶液の濃度、反応温度、反応時間を通常
の範囲外に設定することも可能である。改質に用いられ
る陰イオン交換体としては特に限定はないが、本発明に
おいては上記の耐アルカリ性高強度陰イオン交換体を用
いる。
【0037】本発明において得られる陰イオン交換体の
粒径は、1〜30μmがよく、好ましくは2〜20μ
m、より好ましくは2〜10μmである。陰イオン交換
体の粒径が30μmを超える場合は、カラムの理論段数
が低くなるため好ましくなく、粒径が1μm未満の場合
はカラム圧の上昇が大きく、充填が極めて困難となるた
め好ましくない。
【0038】本発明により得られる陰イオン交換体は多
孔質重合体粒子であり、孔径の制御は高速液体クロマト
グラフィーの充填剤について一般に行われている方法を
用いる。多孔質重合体粒子の孔径は50〜300Åであ
り、好ましくは孔径50〜150Å、より好ましくは5
0〜100Åである。多孔質重合体粒子の孔径が50Å
未満だと、表面積が小さくグリシジル基含有基の導入が
難しくなるため好ましくなく、300Åを超えると粒子
の強度が低下するため好ましくない。
【0039】本発明において得られた陰イオン交換体の
カラムへの充填はスラリー法などの公知の充填方法に準
じて行われ、耐アルカリ性を有し高感度のサプレッサー
式陰イオンクロマトグラフィーカラムとされる。
【0040】本発明の陰イオン交換体を用いたカラム
は、サプレッサー式イオンクロマトグラフィーで用いら
れる溶離液に安定であり、特にアルカリ側のpH9〜1
2の炭酸バッファー、ホウ酸バッファー、水酸化ナトリ
ウム水溶液及び水酸化カリウム水溶液等からなる群より
選ばれる少なくとも1種以上を溶離液として用いた場合
にも安定である特徴を有する。
【0041】さらに本発明の陰イオン交換体を用いたカ
ラムは、上記溶離液に有機溶媒を50質量%以下の濃度
で添加して用いることもでき、疎水性の陰イオンの溶出
時間を早めたり、各イオンの分離バランスの調節等を容
易に行うことができる。
【0042】用いる有機溶媒としてはサプレッサー式イ
オンクロマトグラフィーの溶離液に一般に使用されてい
るものであれば特に限定はなく、アセトン、アセトニト
リル、メタノール、エタノール、イソプロパノ―ル、グ
リセリン、テトラヒドロフラン等があげられるが、それ
らの中でもアセトン、アセトニトリル、メタノール等が
好ましく用いられる。
【0043】本発明の陰イオン交換体を充填したカラム
は、イオン交換体の交換容量と溶離液濃度を適当に選択
することにより、リン酸イオン、フッ化物イオン、塩化
物イオン、亜硝酸イオン、臭化物イオン、硝酸イオン、
硫酸イオン等の主要な無機陰イオン;酢酸イオン、ギ酸
イオン、メタクリル酸イオン、シュウ酸イオン等の有機
酸イオンを良好に分離することができる。
【0044】本発明のサプレッサー式陰イオンクロマト
グラフィー用カラムは、大気(微量酸性ガス、酸性雨な
ど)、水質(河川水、水道水、温泉水、湖沼、排水な
ど)、土壌(土壌抽出液中の陰イオンなど)等の環境中
の微量成分分析;食パン中のBrO3イオン等の食品分
析;植物中のPO4イオン、肥料等の分析;化粧品原料
中の陰イオン分析;塗料原料、塗料、表面処理液中の陰
イオン分析;半導体分野での超純水、混酸、エアー、リ
ードフレーム、ウエハー等;製薬分野での品質管理;発
電プラントの循環水、冷却水等の分析などが挙げられ
る。
【0045】さらに、本発明のサプレッサー式陰イオン
クロマトグラフィー用カラムは、従来のものに比べて高
い理論段数を有するため、従来分離できなかった成分も
分離可能となるため、上記用途に限定されない。また高
感度分析が要求される電子材料製造工程において、クリ
ーンルーム内の酢酸、ギ酸等の有機酸汚染管理、半導体
洗浄液の含有成分分析、接着剤から溶出したメタクリル
酸等の分析などに簡単なアイソクラティック溶離液条件
においても利用可能である。
【0046】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。なお、これらは単なる例示であって、本発明は
これら実施例により何ら制限されるものではない。
【0047】(実施例1)酢酸ビニル100g、トリア
リルイソシアヌレート180g、酢酸ブチル150g及
び2,2−アゾビスイソブチロニトリル10gよりなる
均一混合液と、少量のポリビニルアルコール及びリン酸
ナトリウムを溶解した水1400mlと還流冷却器を備
えた5lの三口フラスコに入れ10分攪拌した。次い
で、窒素気流下で攪拌しつつ、60℃で16時間重合を
行い粒状重合体を得た。該重合体を濾過、洗浄し、アセ
トン抽出した後乾燥し、該重合体をカセイソーダ3lと
ともに還流冷却器、窒素導入管及び攪拌器を備えた5l
の三口フラスコに入れ、窒素気流下で15℃,20時間
攪拌して該重合体のケン化を行った後、濾過、水洗、更
に乾燥した。ケン化によって得られたポリビニルアルコ
ール重合体の水酸基の密度は2.1meq/gであっ
た。これを基材として下記の手順で陰イオン交換体とし
た。
【0048】上記乾燥重合体100g、1,4−ブタン
ジオールジグリシジルエーテル(以下「1,4−BG
E」という。)50g、ジメチルスルフォキシド100
0mlを窒素導入管、攪拌器を備えた2lの三口フラス
コに入れ窒素気流下35℃で16時間攪拌して重合体基
材にグリシジル基含有基を導入した。導入後の重合体を
ジメチルスルホオキシド、水で洗浄後、真空乾燥機で乾
燥した。乾燥後の重合体の質量は104gであり元の基
材より4%増大した。
【0049】グリシジル基含有基導入重合体100g、
トリエチルアミン1%水溶液60ml、水1000ml
を窒素導入管、攪拌器を備えた2lの三口メスフラスコ
に入れ、窒素気流下50℃で4時間攪拌することにより
アミノ基を導入し、陰イオン交換体を作成した。これを
水洗浄を挟みながら、メタノール、1N塩酸、1Nカセ
イソーダで洗浄した。その後0.5Mの炭酸ソーダ中に
入れ、60℃で5時間処理した後、水洗、乾燥した。こ
のようにして得られた陰イオン交換体は粒径5ミクロ
ン、イオン交換容量約50μeq/gであった。
【0050】上記方法により得られた陰イオン交換体を
内径4.6mm、長さ150mmのポリエーテルエーテ
ルケトン樹脂(PEEK)製のカラムに充填し、陰イオ
ン交換カラムを調製した。
【0051】イオンクロマトグラフとしてサプレッサー
を備えたMIC−20(メトローム社製)を用い、溶離
液として、3mM炭酸ナトリウムを1.0ml/min
で流し、標準液として、F-2mg/l、Cl-5mg/
l、NO2 -10mg/l、Br-10mg/l、NO3 -
10mg/l、PO4 3-10mg/l、SO4 2-10mg
/lを含む水溶液を30μlイオンクロマトグラフに注
入した。
【0052】得られたクロマトグラムを図1に示す。S
4 2-イオンのピークにより計算したこのカラムの理論
段数は12000段であった。これは、現在最も広く用
いられている市販のペリキュラー形イオン交換カラムに
比較して約2倍の高理論段数であった。
【0053】次に、本カラムの耐久性を見るため、上記
の溶離液を1.0mg/lで連続的に通液し、一定間隔
で上記の標準液を注入して、クロマトグラムを取り、カ
ラムの性能の変化を追った。500時間の通液によって
各イオンの保持時間の変動は2〜3%であり十分実用性
があった。
【0054】(実施例2)基材として実施例1で調製し
たポリビニルアルコール重合体100gを、1,4−B
GE100g、ジメチルスルフォキシド1000mlと
窒素導入管、攪拌器を備えた2lの三口フラスコに入れ
窒素気流下35℃で16時間攪拌して重合体基材にグリ
シジル基含有基を導入した。導入後の重合体をジメチル
スルホオキシド、水で洗浄後、真空乾燥機で乾燥した。
乾燥後の重合体の質量は108gで元の基材より8%増
大した。
【0055】実施例1と同じ処方により、上記のグリシ
ジル基含有基導入重合体100gをアミノ化し、得られ
た陰イオン交換体(イオン交換容量:50μeq/g)
を実施例1と同じカラムに充填した。得られた分離カラ
ムの理論段数は11500段(SO4 2-)であり、50
0時間の通液試験での各イオンの保持時間の変動はほと
んどなく、耐久性は良好であった。
【0056】(実施例3)1,4−BGEの量を450
gにした以外は、実施例1と同じ処方により陰イオン交
換体を調製し、それより陰イオン交換カラムを作成し
た。グリシジル基含有基導入による増量は35%であ
り、得られたカラムの理論段数は12000段(SO4
2-)で、500時間の溶離液通液試験での保持時間の変
動はほとんどなかった。
【0057】(実施例4)グリシジル基含有基導入の試
薬としてグリセリンジグリシジルエーテル(以下「GD
E」という。)300gを使用し6時間反応させた以外
は、実施例1と同じ処方により陰イオン交換体を調製
し、それより陰イオン交換カラムを作成した。グリシジ
ル基含有基導入による増量は25%であり、得られたカ
ラムの理論段数は10500段(SO4 2-)で、500
時間の溶離液通液試験での保持時間の変動はほとんどな
かった。
【0058】(比較例1)1,4−BGEの量を20g
にした以外は、実施例1と同じ処方により陰イオン交換
体を調製し、それより陰イオン交換カラムを作成した。
グリシジル基含有基導入による増量は2%であり、得ら
れたカラムの理論段数は12000段(SO4 2-)で、
500時間の溶離液通液試験での保持時間の変動は50
%でサプレッサー法陰イオンカラムとしての実用性がな
かった。
【0059】(比較例2)1,4−BGEの量を550
gにした以外は、実施例1と同じ処方により陰イオン交
換体を調製し、それより陰イオン交換カラムを作成し
た。グリシジル基含有基導入による増量は45%であっ
たが、得られた陰イオン交換体は粒子同士の会合が発生
し、充填された陰イオン交換カラムの理論段数は150
0段とサプレッサー法陰イオンカラムとしての実用性が
なかった。
【0060】(比較例3)グリシジル基含有基導入の試
薬として、エピクロルヒドリン(以下「EPCH」とい
う。)50gを使用した以外は、実施例1と同じ処方に
より陰イオン交換体を調製し、それより陰イオン交換カ
ラムを作成した。グリシジル基含有基導入による増量は
5%であり、得られた陰イオン交換カラムの理論段数
(SO4 2-)は12500段であった。しかし、このカ
ラムに溶離液500時間通液試験を実施したところ、各
イオンの保持時間変動は70%であり、サプレッサー法
陰イオンカラムとしての実用性がなかった。
【0061】(比較例4)グリシル基導入の試薬とし
て、EPCH200gを使用した以外は、実施例1と同
じ処方により陰イオン交換体を調製し、それより陰イオ
ン交換カラムを作成した。グリシジル基含有基導入によ
る増量は15%であり、得られた陰イオン交換カラムの
理論段数(SO4 2-)は12500段であった。しか
し、このカラムに溶離液500時間通液試験を実施した
ところ、各イオンの保持時間変動は70%であり、サプ
レッサー法陰イオンカラムとしての実用性がなかった。
【0062】実施例1〜4及び比較例1〜4について、
グリシジル基含有基導入試薬の種類、量、グリシジル基
含有基導入による増量%、カラムの理論段数及び溶離液
(3.5mM Na2CO3)500時間通液による各イ
オンの保持時間変動の結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】本発明の陰イオン交換体を用いた陰イオン
クロマトグラフィー用カラムは従来カラムの約2倍の理
論段数を示し、サプレッサー法陰イオンクロマトグラフ
ィーに用いられる溶離液通液に十分耐久性を有すること
がわかる。
【0065】(実施例5)陰イオン交換体の作製 基材として実施例1で調製したポリビニルアルコール重
合体100gを、1,4−BGE300g、ジメチルス
ルフォキシド1000mlと窒素導入管、攪拌器を備え
た2lの三口フラスコに入れ窒素気流下35℃で12時
間攪拌して重合体基材にグリシジル基含有基を導入し
た。導入後の重合体をジメチルスルホオキシド、水で洗
浄後、真空乾燥機で乾燥した。乾燥後の重合体の質量は
110gで元の基材より10%増大した。
【0066】実施例1と同じ処方により、上記のグリシ
ジル基含有基導入重合体100gをアミノ化し、陰イオ
ン交換体を作製した。
【0067】アルカリ処理 前記陰イオン交換体100g、1M炭酸ナトリウム10
00mlを、攪拌器を備えた2lの三口フラスコに入
れ、98℃で1〜6時間処理した後、水洗、乾燥させ、
炭酸ディップ出現位置の異なる各種陰イオン交換体に改
質した。
【0068】(実施例6)実施例5で作製した各陰イオ
ン交換体2.0gを0.5M塩化ナトリウム水溶液10
mlに分散させ、内径4.6mm、長さ250mmのポ
リエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)製カラムに
加圧充填し、陰イオン交換カラムを作製した。
【0069】上記陰イオン交換カラムをイオンクロマト
グラフに装着し、溶離液として1.8mM炭酸ナトリウ
ムと1.7mM炭酸水素ナトリウムの混合水溶液を、
1.0ml/分で通液した。
【0070】試料として、F-イオン2mg/l、Cl-
イオン3mg/l、NO2 -イオン5mg/l、Br-
オン10mg/l、NO3 -イオン10mg/l、PO4
3-イオン15mg/l、SO4 2-イオン15mg/lを
含む水溶液を20μl注入した。
【0071】得られた各カラムのクロマトグラムから各
種イオンの保持時間の比較を図2に示す。図2の通り、
アルカリ処理を行うことにより、各種陰イオンの保持時
間は早まるが炭酸ディップ出現位置は遅れることから、
アルカリ処理条件を調節することにより炭酸ディップ出
現位置を調節できことがわかる。
【0072】
【発明の効果】本発明の陰イオン交換体及びサプレッサ
ー法イオンクロマトグラフィー用カラムは、サプレッサ
ー法イオンクロマトグラフィーで用いられる溶離液に十
分な耐アルカリ性を有し、さらに陰イオン交換体が高強
度のため、粒径を細かくすることにより従来のイオンク
ロマトグラフィー用陰イオン交換カラムに比較して2倍
以上の高理論段数を達成することができる。
【0073】また本発明の陰イオン交換体の製造方法を
用いることにより、炭酸ディップ位置を自由に調節した
サプレッサー法イオンクロマトグラフィー用の陰イオン
分析カラムを製造できる。このカラムを使用することに
より、微量成分分析時に炭酸ディップの影響を回避でき
るため、目的イオン種の分離・定量を容易に行うことが
できる。よって本発明は、環境、食品、農学、化粧品、
塗料、半導体、製薬、電力等の幅広い分野に有用であ
る。
【0074】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた本発明のイオン交換体を内
径4.6mm、長さ150mmのPEEK製カラムに充
填して得られた分離カラムに標準液として、F-2mg
/l,Cl-5mg/l,NO2 -10mg/l,Br-
0mg/l,NO 3 -10mg/l,PO4 3-10mg/
l,SO4 2-10mg/lを含む水溶液を30μl注入
して採取したクロマトグラムである。
【図2】アルカリ処理時間と陰イオン保持時間・炭酸デ
ィップ出現位置の関係を示すクロマトグラムである。
【図3】実施例3で得られた本発明のカラムを用いて、
-イオン2μg/l,Cl-イオン3μg/l,NO2 -
イオン5μg/l,Br-イオン10μg/l,NO3 -
イオン10μg/l,PO4 3-イオン15μg/l,S
4 2-イオン15μg/lを含む水溶液を100μl注
入して採取したクロマトグラムである。
【符号の説明】
1 F-イオンのピーク 2 Cl-イオンのピーク 3 NO2 -イオンのピーク 4 Br-イオンのピーク 5 NO3 -イオンのピーク 6 PO4 3-イオンのピーク 7 SO4 2-イオンのピーク

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルボン酸ビニルエステルとイソシアヌレ
    ート系架橋性単量体との共重合体のエステル基の一部を
    ケン化して水酸基としたポリビニルアルコール系共重合
    体に、同一分子内にグリシジル基を2つ以上含有する化
    合物を反応させ、該ポリビニルアルコール系共重合体の
    4〜35質量%のグリシジル基含有基を導入し、さらに
    3級アミンを反応させることを特徴とする耐アルカリ性
    高強度陰イオン交換体の製造方法。
  2. 【請求項2】ケン化によるポリビニルアルコール系共重
    合体の水酸基が0.5〜5meq/gであることを特徴
    とする請求項1に記載の耐アルカリ性高強度陰イオン交
    換体の製造方法。
  3. 【請求項3】 アルカリ性溶液中で改変処理することを
    特徴とする請求項1または2に記載の耐アルカリ性高強
    度陰イオン交換体の製造方法。
  4. 【請求項4】 アルカリ性溶液として炭酸塩溶液を使用
    することを特徴とする請求項3に記載の耐アルカリ性高
    強度陰イオン交換体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4に記載の陰イオン交換
    体の製造方法により得られる耐アルカリ性高強度陰イオ
    ン交換体。
  6. 【請求項6】 平均粒径が1〜30μmであることを特
    徴とする請求項5に記載の耐アルカリ性高強度陰イオン
    交換体。
  7. 【請求項7】 平均孔径が50〜300Åの多孔質重合
    体粒子であることを特徴とする請求項5また6に記載の
    耐アルカリ性高強度陰イオン交換体。
  8. 【請求項8】 請求項5ないし7のいずれかに記載の耐
    アルカリ性高強度陰イオン交換体を充填してなるサプレ
    ッサー式陰イオンクロマトグラフィー用カラム。
  9. 【請求項9】 pH9〜12の溶離液と、請求項8に記
    載の陰イオンクロマトグラフィー用カラムを用いること
    を特徴とするサプレッサー式陰イオンクロマトグラフィ
    ーによる陰イオンの測定方法。
  10. 【請求項10】 pH9〜12の溶離液として、炭酸バ
    ッファー、ホウ酸バッファー、水酸化ナトリウム水溶液
    及び水酸化カリウム水溶液からなる群より選ばれる1種
    以上を用いることを特徴とする請求項9に記載のサプレ
    ッサー式陰イオンクロマトグラフィーによる陰イオンの
    測定方法。
  11. 【請求項11】 さらに有機溶媒を50質量%以下の割
    合で添加する請求項9または10に記載のサプレッサー
    式陰イオンクロマトグラフィーによる陰イオンの測定方
    法。
  12. 【請求項12】有機溶媒として、アセトン、アセトニト
    リルまたはメタノールを用いることを特徴とする請求項
    11に記載のサプレッサー式陰イオンクロマトグラフィ
    ーによる陰イオンの測定方法。
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