JP2002249462A - cis−ジシクロヘキシル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸ジメチルエステルの分離法 - Google Patents

cis−ジシクロヘキシル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸ジメチルエステルの分離法

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JP2002249462A
JP2002249462A JP2001044934A JP2001044934A JP2002249462A JP 2002249462 A JP2002249462 A JP 2002249462A JP 2001044934 A JP2001044934 A JP 2001044934A JP 2001044934 A JP2001044934 A JP 2001044934A JP 2002249462 A JP2002249462 A JP 2002249462A
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cis
dicyclohexyl
tetracarboxylic acid
methanol
tetracarboxylic
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JP2001044934A
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Akinori Shiotani
陽則 塩谷
Makoto Matsuo
信 松尾
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Ube Corp
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Ube Industries Ltd
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 cis−ジシクロヘキシル−3,3’,4,
4’−テトラカルボン酸ジメチルエステルの段階(半エ
ステル)で(1R、1’S、3R、3’S、4S、4’
R)−ジシクロヘキシル−3,3’,4,4’−テトラ
カルボン酸ジメチルエステルを分離する方法を提供す
る。 【解決手段】 ビフェニル−3,3’,4,4’−テト
ラカルボン酸テトラメチルを水素還元して得た生成物を
再結晶して、優先的にcis構造の異性体を分離し、得
られた三種の異性体混合物を加水分解して対応のテトラ
カルボン酸に変換し、次いで、これらを無水化してci
s構造のテトラカルボン酸ジ無水物とし、この異性体混
合物とメタノ−ルとを反応させてテトラカルボン酸ジメ
チルエステルに変換して、この半エステル段階で優先的
に(1R,1’S,3R,3’S,4S,4’R)−ジ
シクロヘキシル−3,3’,4,4’−テトラカルボン
酸ジメチルエステルのみを分離するcis−ジシクロヘ
キシル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸ジメチ
ルエステルの分離法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、cis−ジシク
ロヘキシル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸ジ
メチルエステルの分離法、詳しくは(1R、1’S、3
R、3’S、4S、4’R)−ジシクロヘキシル−3,
3’,4,4’−テトラカルボン酸ジメチルエステルの
分離法に関する。
【0002】
【従来の技術】テトラカルボン酸ジメチルエステル類は
耐熱性に優れたポリイミド樹脂の原料であるテトラカル
ボン酸ジ無水物の前駆体として有用な化合物であり、か
つ、これ自体を芳香族等ジアミン等のジアミンと直接重
合させることでポリイミド樹脂を合成できる。
【0003】ビフェニル−3,3’,4,4’−テトラ
カルボン酸テトラメチル(以下、BPTMと略記するこ
ともある。)を水素還元すると、生成物には6個の不斉
炭素が存在し、従って、2個の異性体が可能である。
BPTMの水素還元について、特開平7−215912
号、特開平8−325196号、特開平8−32520
1号などが報告されているが、これらの報告では、この
異性体について一切ふれていない。
【0004】例えば、特開平7−215912号公報に
はBPTMを水素還元した生成物を異性体の分離をせ
ず、ワックス状の混合物そのままを、加水分解し、テト
ラカルボン酸ジ無水物(DCDA)を得るために使用し
ている。しかし、この生成物はキャピラリ−ガスクロマ
トグラフィ−の分析結果では、少なくとも20本のピ−
クが観測される(図1)。つまり、特開平7−2159
12号公報には、DCDAの異性体の構造および異性体
分布について認識されてなくて、加水分解、無水化して
DCDAを合成している。このようなテトラカルボン酸
ジ無水物異性体混合物をテトラカルボン酸成分として使
用して得られるポリイミドは重合度が低く実用的ではな
い。
【0005】さらに、cis−DCTM(3種の異性体
混合物、HPLCでのみ分離でき、キャピラリ−ガスク
ロマトグラフィ−では単一ピ−ク)からスタ−トしてc
is−DCDAを合成しても、なおかつ、生成物のテト
ラカルボン酸ジ無水物の組成は一定しない。従って、公
知の方法によれば、得られる生成物の構造、異性体分布
は毎回変化するので、再現性よく同一物性のポリイミド
製品を得ることは不可能である。
【0006】我々は、これら異性体混合物から有用な異
性体を取得することを目的として、すでに、(1R,
1’S,3R,3’S,4S,4’R)−ジシクロヘキ
シル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸テトラメ
チル(cis−DCTM−xと略記)、(1R,1’
R,3R,3’R,4S,4’S)−ジシクロヘキシル
−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸テトラメチル
(cis−DCTM−yと略記)、および(1S,1’
S,3S,3’S,4R,4’R)−ジシクロヘキシル
−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸テトラメチル
(cis−DCTM−zと略記)について特許出願し
(特願2000−191050号)、これをもとに、1
R,1’S,3R,3’S,4S,4’R)−ジシクロ
ヘキシル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸ジ無
水物(cis−DCDA−xと略記)を単離し、特許出
願した(特願2000−209478号)。
【0007】これらの異性体はテトラメチルエステルを
注意深く分割することで得られた。テトラカルボン酸の
分離およびテトラカルボン酸ジ無水物の分離を試みた
が、異性体の比率を変化させることはできるが必ずしも
完全に分離することが困難であり、また異性体を効率よ
く分離することができなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明者らは、ci
s−ジシクロヘキシル−3,3’,4,4’−テトラカ
ルボン酸ジメチルエステルの段階(半エステル)で(1
R、1’S、3R、3’S、4S、4’R)−ジシクロ
ヘキシル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸ジメ
チルエステルを分離する方法について鋭意検討した。
【0009】
【発明を解決するための手段】この発明は、ビフェニル
−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸テトラメチル
を水素還元して得た生成物を再結晶して、優先的にci
s構造の異性体を分離し、得られた三種の異性体混合物
を加水分解して対応のテトラカルボン酸に変換し、次い
で、これらを無水化してcis構造のテトラカルボン酸
ジ無水物とし、この異性体混合物とメタノ−ルとを反応
させてテトラカルボン酸ジメチルエステルに変換して、
この半エステル段階で優先的に(1R,1’S,3R,
3’S,4S,4’R)−ジシクロヘキシル−3,
3’,4,4’−テトラカルボン酸ジメチルエステルの
みを分離するcis−ジシクロヘキシル−3,3’,
4,4’−テトラカルボン酸ジメチルエステルの分離法
に関する。
【0010】この発明において出発に用いるBPTMは
特公昭60−33379により容易に合成できる。これ
を水素還元して、異性体混合物から、cis−ジシクロ
ヘキシル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸テト
ラメチル(cis−DCTM、三種の異性体混合物)を
単離することはすでに開示した。
【0011】前記のBPTMを水素還元してDCTMと
して、異性体が生成する反応式を次に示す。
【化1】
【0012】前記の出発物質であるBPTMは、例えば
特公昭60‐33379号公報に記載されているよう
に、フタル酸ジメチルを酸素、パラジウム塩および1,
10−フェナントロリンまたはビピリジルの存在下にカ
ップリングさせてビフェニル化合物を製造する方法によ
って容易に合成することができる。
【0013】前記の水素還元は公知の方法が適用でき
て、溶媒としてはメタノ−ル、エタノ−ル、ブタノ−
ル、酢酸エチル、テトラヒドロフランなどの通常の有機
溶媒が使用できる。溶媒の使用量はBPTMが十分溶解
する量であれば特定されないが、通常、10gのBPT
Mに対して25〜100mLである。
【0014】前記水素還元には、触媒として0.1〜1
0重量%担持のRu/C(カ−ボン)、Rh/C、Pd
/C、あるいは、これらのアルミナ担持体、シリカ担持
体などを使用できる。触媒量は10gのBPTMに対し
て0.1〜0.5gで十分である。反応条件としては、
常圧でも進行するが、速度をあげるためには、加圧下に
行う方がよく、2〜100気圧、好ましくは10〜50
気圧で十分である。反応温度は50〜250℃、好まし
くは100〜200℃で行う。反応を完結するために1
〜10時間の反応を行う。反応は水素の吸収が終了する
まで行い、通常、100℃では5時間程度で終了する。
反応方法に限定されないが、水素を連続的に追加供給す
るとよい。
【0015】前記の反応液から濾過などの操作で触媒を
除いた後、溶媒を除去すると粘凋な固体が生成物として
残る。この生成混合物から、cis構造の異性体である
cis‐ジシクロヘキシル‐3,3’4,4’‐テトラ
カルボン酸テトラメチル(cis‐DCTM)は適当な
溶媒中にて再結晶で得られる。前記の再結晶に使用する
溶媒はメタノ−ル、エタノ−ル、ブタノ−ル、酢酸エチ
ル、テトラヒドロフランなどの通常の有機溶媒が使用で
きる。その使用量は、この生成物100g当たり200
〜1000mLである。
【0016】この再結晶の際に、cis異性体が優先的
に析出する。キャピラリ−クロマトグラフィ−(CG
C)では、単一ピ−クを示すが、高速液体クロマトグラ
フィ−(HPLC)ではChiralcelODカラム
またはChiralpak ASを用いて分析すると3
本のピ−クを示す。そこで、このcis異性体を通常の
優先晶出法により分割できる。この分離に使用する溶媒
はメタノ−ル、エタノ−ル、ブタノ−ル、酢酸エチル、
テトラヒドロフランなどを使用できる。
【0017】この発明における(1R,1’S,3R,
3’S,4S,4’R)‐ジシクロヘキシル‐3,3’
4,4’‐テトラカルボン酸テトラメチル(cis‐D
CTM‐x)の化学式を次に示す。
【0018】
【化2】
【0019】前記のcis構造の他の異性体である(1
R,1’R,3R,3’R,4S,4’S)‐ジシクロ
ヘキシル‐3,3’4,4’‐テトラカルボン酸テトラ
メチル(cis‐DCTM‐y)は、次の化学式で表わ
すことができる。
【0020】
【化3】
【0021】前記のcis構造の他の異性体である(1
S,1’S,3S,3’S,4R,4’R)‐ジシクロ
ヘキシル‐3,3’4,4’‐テトラカルボン酸テトラ
メチル(cis‐DCTM‐z)は、次の化学式で表わ
すことができる。
【0022】
【化4】
【0023】前記のテトラメチルエステル(三種の混合
物)の加水分解はアルカリまたは酸触媒の存在下に行
い、対応のテトラカルボン酸を得ることができる。さら
に、これらを無水化して、テトラカルボン酸ジ無水物と
することができる。この異性体混合物であるcis−テ
トラカルボン酸ジ無水物とメタノ−ルとを反応させて、
cis−ジシクロヘキシル−3,3’,4,4’−テト
ラカルボン酸ジメチルエステルに変換する。この半エス
テル段階では溶解度に大きな差があるため、(1R、
1’S、3R、3’S、4S、4’R)−ジシクロヘキ
シル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸ジメチル
エステルを分離することができる。
【0024】前記の異性体混合物であるcis−テトラ
カルボン酸ジ無水物をメタノ−ルと反応させる際に、メ
タノ−ルの使用量はcis−テトラカルボン酸ジ無水物
10g当たり300〜3000mL、特に700〜13
00mLが好ましい。メタノ−ルの使用量が余り少ない
と分離効率が悪くなり、多すぎると収率が低下する。反
応は室温〜100℃、好ましくは還流下に行う。オ−ト
クレ−ブを用いて加圧下に行うこともできる。反応時間
はジ無水物が溶解して系が均一になるまで行うことが好
ましく、1〜24時間程度、通常6時間程度である。そ
の後、均一溶液を室温に放置、または冷蔵庫で冷却する
と、(1R,1’S,3R,3’S,4S,4’R)−
ジシクロヘキシル−3,3’,4,4’−テトラカルボ
ン酸ジメチルエステルが優先的に結晶として析出する。
通常、97%以上、特に98%以上の純度であるが、さ
らに再結晶すれば純品を得ることができる。
【0025】半エステルの構造は一義的に決定できない
が、HNMRスペクトルより二個のメトキシカルボニ
ル基および二個のカルボキシル基の存在を確認した。さ
らに、これをテトラメチルエステル化すると(1R、
1’S、3R、3’S、4S、4’R)−ジシクロヘキ
シル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸テトラメ
チル(cis−DCTM−x)と同一であることを確認
した。
【0026】
【実施例】以下、実施例によってこの発明を具体的に説
明するが、この発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。以下の実施例において、高速液体クロマトグ
ラフィ−(HPLC)を用いてChiralcel O
DまたはChiralpak ASにて面積比により純
度を求めた。高速液体クロマトグラフィ−は島津製作所
社SCL−10A、カラム:Chiralpak AS
(ダイセル化学工業社)0.46cmφ、25cm、2
0℃、EtOH/n−hexane(10/90)、
0.5mL/minにて測定。HNMRスペクトル
(400MHz)は日本電子社 JEOL 400X、
DMSO−d溶液、25℃にて測定。
【0027】実施例1 500mL回転式オ−トクレ−ブに100gのBPT
M、2.5gの5%Rh/C、およびテトラヒドロフラ
ン200mLを仕込み、水素30kg/cmの定圧下
に100℃で、300rpmにて5.5時間、加熱して
BPTMを水素還元した(約5時間で水素の吸収が終
了)。反応液をNo5cのろ紙を用いて濾過した後、テ
トラヒドロフランを留去して101.8g(収率99
%)の粘凋な生成物を得た。これを400mLのメタノ
−ルに溶解させて晶析させて、cis構造の異性体であ
るcis−DCTM72gを得た。高速液体クロマトグ
ラフィ−より、cis−DCTM−x/cis−DCT
M−y/cis−DCTM−z=50/25/25であ
った。
【0028】300mL三つ口フラスコに攪拌機、還流
冷却器を取り付け、これに20gのcis−DCTM
(25.1mM)、n−ブタノ−ル100mLをとり、
加熱溶解させた。10%NaOH水溶液130g(32
7mM)を添加して、3時間還流した。その後、リ−ビ
ッヒ冷却器にとり換えて、水350mLを添加しなが
ら、n−ブタノ−ル、脱離したメタノ−ルおよび水を留
去した(計340mL)。一旦、ろ過し、ろ液は約10
0mLであった。この水溶液に濃塩酸30mLを添加し
て、pH1とすると白色沈殿が析出した。ろ過、水洗、
Clイオンを検出しなくなるまで洗浄した。100℃で
真空乾燥して、11.40gの加水分解生成物を得た
(収率66%)。
【0029】ここで得たcis−DCTA(三種の異性
体混合物)11gを丸底フラスコにとり、無水酢酸16
0mLとともに4時間還流して無水化した(均一な溶
液)。熱時ろ過して[ろ紙上に一部析出0.18gのc
is−DCDAのC成分(C)]、濾液を冷蔵庫で冷却
して析出した結晶をろ過し、100℃で真空乾燥して、
6.252gの無水化生成物であるcis−DCDAの
A成分(A)を得た(収率64%)。ろ液を11gまで
濃縮して冷蔵庫で冷却して析出した結晶をろ過し、10
0℃で真空乾燥して、0.81gの無水化生成物である
cis−DCDAのB成分(B)を得た。(A)、
(B)、および(C)をそれぞれ、メタノ−ル中で開環
して、さらにトリメチルシリルジアゾメタンを用いてテ
トラメチルエステルへ変換し、高速液体クロマトグラフ
ィ−にて分析した。cis−DCTM−xの含有率はそ
れぞれ、(A)では61%、(B)では15%、および
(C)では92%であった。cis−DCDAのA成分
のテトラメチルエステルのHPLCを図2に示した。
【0030】前記のcis−DCDAのA成分(cis
−DCTA含有率:61%、図1)を用いて、次のよう
にして半エステルを合成した。A成分3gをメタノ−ル
300mLとともにオイルバスで加熱、還流した。約
3.5時間後には均一溶液となった。7時間還流後、冷
蔵庫に一夜放置した。析出した結晶をろ過、冷メタノ−
ル2mLで洗浄、100℃で真空乾燥した。収量1.3
9g(HPLCより、cis−DCTM−x含量98
%)。ろ液および洗浄液を合一し、これを7gまで濃縮
し、冷蔵庫にて冷却した。析出した結晶をろ過、100
℃で真空乾燥した。収量0.28g(HPLCより、c
is−DCTM−x含有率97%)。x含有率98%の
結晶をさらに、メタノ−ルから再結晶して、x含有率1
00%の(1R、1’S、3R、3’S、4S、4’
R)−ジシクロヘキシル−3,3’,4,4’−テトラ
カルボン酸ジメチルエステルの結晶を得た。
【0031】実施例2 5%Rh/Cに代えて2.5gの10%Pd/Cを用い
て200℃、12時間の反応条件にした他は実施例1と
同様にしてBPTMを水素還元し、同様な処理により、
67gのcis−DCTM結晶(HPLC分析により、
cis−DCTM−x/cis−DCTM−y/cis
−DCTM−z=50/25/25であった。)を単離
し、以下、加水分解、無水化を経て、cis−DCDA
のA成分を得た(cis−DCTM−xとしての分析
値:含有率73%)。このA成分1.0gをメタノ−ル
120mLとともにオイルバスで加熱、還流した。約
4.5時間後には均一溶液となった。7時間還流後、冷
蔵庫に一夜放置した。析出した結晶をろ過、冷メタノ−
ル5mLで洗浄、100℃で真空乾燥した。収量0.4
93g(HPLCより、cis−DCTM−x含有率9
9%)。x含有率99%の結晶をさらに、メタノ−ルか
ら再結晶して、x含有率100%の(1R、1’S、3
R、3’S、4S、4’R)−ジシクロヘキシル−3,
3’,4,4’−テトラカルボン酸ジメチルエステルの
結晶を得た。
【0032】実施例3 100mL三つ口フラスコに攪拌機、還流冷却器を取り
付け、これに実施例1で単離取得したx含有率100%
の(1R、1’S、3R、3’S、4S、4’R)−ジ
シクロヘキシル−3,3’,4,4’−テトラカルボン
酸ジメチルエステルの結晶を0.800g(2.16m
M)、4、4’−ジアミノジフェニルエ−テル0.43
3g(2.16mM)、メタクレゾ−ル5.63gを添
加し、100℃、1時間攪拌後、200℃で6時間反応
して、粘調なポリイミド溶液を得た。内容物をメタノ−
ル200mLに投入し、クッキングミキサ−で粉砕し
た。ろ過、メタノ−ル洗浄、180℃で真空乾燥しポリ
イミド粉末を得た。このポリイミド粉末のm−クレゾ−
ルでの対数粘度(ηinh)は0.63dL/gであっ
た。
【0033】このポリイミド粉末をDMAcに溶解し
(約15%)、一旦ろ過した後、洗浄したガラス板上に
塗布した。このガラス板を80℃で1時間予熱した後、
200℃まで2時間かけて昇温し、200℃で1時間加
熱。このガラス板を水中に浸漬することによりポリイミ
ドフィルムを剥離し、強靭なフィルムを得た。
【0034】参考例1 標品のcis−DCDA−x0.50gをメタノ−ル6
0mLとともに7時間還流した。約6時間後には均一溶
液となった。これを冷蔵庫に一夜放置した。析出した半
エステルの板状結晶をろ過し、100℃で真空乾燥し
た。収量は0.440gであった。 C1826(370、40):計算値、C58.
4、H7.1;実測値、C58.1、H6.9;mp:
233−235℃、IR、ν(CO)、1732(エス
テル)、1705cm−1(カルボン酸)
【0035】NMRによる確認 前記のcis−DCDAメチル半エステルの板状結晶の
HNMRを図3に示した。12.22ppmのシグナ
ル(COOH)と3.56ppmのシグナル(COOM
e)のプロトン強度の比は0.31/1であった。CO
OHプロトンの強度は多少低めに出るので、実質的には
二個のCOOHと二個のCOOMeが存在することを示
した。HNMRでは、3、4および3’、4’位のど
の位置のカルボキシ基がメチルエステル化されたかは確
定できなかった。他のシクロヘキサン環のプロトンのシ
グナルは(1R、1’S、3R、3’S、4S、4’
R)−ジシクロヘキシル−3,3’,4,4’−テトラ
カルボン酸(cis−DCTA−x)のそれらとほぼ合
致した(表1)。
【0036】
【表1】
【0037】参考例2 標品のcis−DCDA−x0.99gをエタノ−ル5
0mLとともに8時間還流した。これを室温に3日放置
した。析出した板状結晶をろ過し、100℃で真空乾燥
した。収量0.86g C2030(398、45):計算値、C60.
3、H7.6;実測値、C59.9、H7.2;mp:
189.5−190.0℃、IR、ν(CO)、173
0(エステル)、1695cm−1(カルボン酸) 参考例2のcis−DCDAエチル半エステルのHN
MRを図4に示す。
【0038】
【発明の効果】この発明によれば、高い純度の1R、
1’S、3R、3’S、4S、4’R)−ジシクロヘキ
シル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸ジメチル
エステルを分離することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、BPTMを水素還元した生成物のキャ
ピラリ−ガスクロマトグラムである。
【図2】図2は、実施例1のcis−DCDAのA成分
のテトラメチルエステルのHPLCである。
【図3】図3は、cis−DCDAメチル半エステルの
HNMRである。
【図4】図4は、cis−DCDAエチル半エステルの
HNMRである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 69/753 C07C 69/753 D // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C07M 7:00 C07M 7:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビフェニル−3,3’,4,4’−テトラ
    カルボン酸テトラメチルを水素還元して得た生成物を再
    結晶して、優先的にcis構造の異性体を分離し、得ら
    れた三種の異性体混合物を加水分解して対応のテトラカ
    ルボン酸に変換し、次いで、これらを無水化してcis
    構造のテトラカルボン酸ジ無水物とし、この異性体混合
    物とメタノ−ルとを反応させてテトラカルボン酸ジメチ
    ルエステルに変換して、この半エステル段階で優先的に
    (1R,1’S,3R,3’S,4S,4’R)−ジシ
    クロヘキシル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸
    ジメチルエステルのみを分離するcis−ジシクロヘキ
    シル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸ジメチル
    エステルの分離法。
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