JP2002249150A - 樹脂キャップ - Google Patents

樹脂キャップ

Info

Publication number
JP2002249150A
JP2002249150A JP2001044902A JP2001044902A JP2002249150A JP 2002249150 A JP2002249150 A JP 2002249150A JP 2001044902 A JP2001044902 A JP 2001044902A JP 2001044902 A JP2001044902 A JP 2001044902A JP 2002249150 A JP2002249150 A JP 2002249150A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cap
resin
density polyethylene
resin cap
polyethylene resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001044902A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomonori Goto
友紀 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tosoh Corp filed Critical Tosoh Corp
Priority to JP2001044902A priority Critical patent/JP2002249150A/ja
Publication of JP2002249150A publication Critical patent/JP2002249150A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Closures For Containers (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Packging For Living Organisms, Food Or Medicinal Products That Are Sensitive To Environmental Conditiond (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】香味阻害性の極めて低く、容器内容物の長期保
存性に優れる樹脂キャップをを提供する。 【解決手段】メルトフローレートが0.5〜10g/1
0min、密度が0.945〜0.965g/cm3、
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー測定にお
ける単分散性(重量平均分子量/数平均分子量)が1.
5〜4.5である高密度ポリエチレン系樹脂よりなる樹
脂キャップを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キャップとして用
いたとき、容器内容物への香味阻害性の極めて低い樹脂
キャップに関するものである。詳しくは、樹脂キャップ
からの内容物香味へ影響を及ぼす低分子量の含有量が極
めて少量であるという特性を有する樹脂キャップに関す
るものである。
【0002】このような特性により、本発明の樹脂キャ
ップは、容器内容物の本来の風味を長期的に保持でき有
用である。
【0003】
【従来の技術】一般的に、樹脂キャップの材料は、ポリ
プロピレン系樹脂であり、キャップ内天面に特公平6−
88608号公報で提案されているようなキャップライ
ナーを施された構造の樹脂キャップが好適に用いられて
いたが、近年、キャップライナーレス化のワンピースキ
ャップが好適に使用されている。
【0004】そのワンピースキャップ材料としては、ポ
リプロピレン系樹脂、もしくは高密度ポリエチレン系樹
脂が好適に用いられている。しかし、ポリプロピレン系
樹脂製キャップは、表面スリップ性の悪さから、キャッ
プ開栓トルクの調整のため多量のスリップ剤が必要とな
り、スリップ剤の溶出もしくは臭気からくる内容物への
香味阻害が問題となる。一方、高密度ポリエチレン系樹
脂製キャップは、低分子量成分の溶出もしくは臭気から
くる内容物への香味阻害が懸念されていた。
【0005】現在、樹脂キャップの香味阻害の問題を抱
えており、樹脂キャップからの溶出もしくは臭気の影響
が少ない樹脂キャップが要望されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高密
度ポリエチレン系樹脂からなる香味阻害性の極めて低い
樹脂キャップを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らが鋭
意検討した結果、単分散性(重量平均分子量/数平均分
子量)が特定範囲内である高密度ポリエチレン系樹脂を
樹脂キャップに用いることにより、香味阻害性が極めて
低いことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、メルトフローレート
(JIS K7210−76;190℃−2.16kg
荷重)が0.5〜10g/10min、密度(JIS
K6760−81)が0.945〜0.965g/cm
3、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー測定
における単分散性(重量平均分子量/数平均分子量)が
1.5〜4.5である高密度ポリエチレン系樹脂からな
ることを特徴とする樹脂キャップである。
【0009】本発明に用いられる高密度ポリエチレン系
樹脂は、メルトフローレート(JIS K7210−7
6;190℃−2.16kg荷重)が0.5〜10g/
10min、密度(JIS K6760−81)が0.
945〜0.965g/cm3、ゲル・パーミエイショ
ン・クロマトグラフィー測定における単分散性(重量平
均分子量/数平均分子量)が1.5〜4.5である。
【0010】本発明に用いられる高密度ポリエチレン系
樹脂は、メルトフローレート(JIS K7210−7
6;190℃−2.16kg荷重、以下MFRという)
が0.5〜10g/10minであり、好ましくは1〜
8g/10minである。MFRが0.5g/10mi
n未満ではコンプレッションモールド成形等のキャップ
成形時に押出負荷がかかりすぎ、成形性が不良となり、
10g/10minを越えると耐ストレスクラッキング
性及び耐衝撃性が低くなり、キャップの長期耐久性もし
くは耐衝撃性が劣る。
【0011】本発明に用いられる高密度ポリエチレン系
樹脂は、密度(JIS K6760−81)は、0.9
45〜0.965g/cm3であり、好ましくは0.9
50〜0.965g/cm3である。密度が0.945
g/cm3未満では剛性が低すぎ樹脂キャップの変形が
大きく不具合が生じ、0.965g/cm3を越えると
耐ストレスクラッキング性が低くなり、キャップの長期
耐久性が劣る。
【0012】本発明に用いられる高密度ポリエチレン系
樹脂は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)との比で表される単分散性(Mw/Mn)が1.5
〜4.5であり、好ましくは2.0〜4.0である。単
分散性が1.5未満では、分子量分布が狭すぎることか
らくる流動性不良により、キャップ成形性が不良で、し
かも耐ストレスクラッキング性が低くなり、キャップの
長期耐久性が劣り、4.5を越えると低分子量成分の含
有量が多く、香味阻害を起こす。
【0013】また、本発明に用いられる高密度ポリエチ
レン系樹脂は、50℃におけるn−ヘプタン抽出量が
0.1重量%以下であることが好ましい。n−ヘプタン
抽出量は、香味阻害成分となる低分子量成分の含有量の
指標となり、値が低い程好ましい。
【0014】本発明に用いられる高密度ポリエチレン系
樹脂は、公知の製造方法を用いて製造できるが、一般的
にチタン、ジルコニウム等の遷移金属化合物、マグネシ
ウム化合物及び有機アルミニウム化合物からなるチーグ
ラー型触媒、クロム系を主体とするフィリップス型触
媒、ジルコニウム、ハフニウム、チタン等の遷移金属に
少なくとも一つのシクロペンタジエニル基又は置換シク
ロペンタジエニル基を有するメタロセン型触媒を重合用
触媒として用い、エチレン又はエチレンと炭素数3〜2
0のα−オレフィンを所望の密度となる割合にして共重
合することにより、好適に製造することができる。
【0015】その中でも特に組成が均一で目標の単分散
性が得やすいことからメタロセン型触媒により製造した
高密度ポリエチレン系樹脂がより好ましい。メタロセン
型触媒を構成する化合物として、例えば、ビス(シクロ
ペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビス(シク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス
(シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ビ
ス(インデニル)チタニウムジクロライド、ビス(イン
デニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(インデニ
ル)ハフニウムジクロライド、エチレンビス(インデニ
ル)チタニウムジクロライド、エチレンビス(インデニ
ル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(インデ
ニル)ハフニウムジクロライド等の遷移金属化合物、ト
リメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ
イソプロピルアルミニウム等の有機金属化合物が挙げら
れ、また遷移金属化合物と反応して安定アニオンとなる
イオン化合物としてリチウムテトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウム
テトラキスペンタフルオロフェニル)ボレートが挙げら
れる。
【0016】重合方法としては、スラリー重合、気相重
合、溶液重合等で、1段または2段以上の多段重合され
たもので、特に50℃におけるn−ヘプタン抽出量が
0.1wt%以下の高密度ポリエチレン系樹脂を得やす
いことからスラリー重合が好ましい。
【0017】ここで、エチレンとの共重合に用いられる
α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブ
テン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブ
テン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1
−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセ
ン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセ
ン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタ
デセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイ
コセンなどを挙げることができ、1種類以上のα−オレ
フィンを共重合することができる。
【0018】本発明の高密度ポリエチレンは、前記の重
合体を単独又は2種類以上をブレンドして用いることが
できる。
【0019】本発明の樹脂キャップは、前記の高密度ポ
リエチレン系樹脂から構成されている。本発明の樹脂キ
ャップ用の材料である高密度ポリエチレン系樹脂には、
必要に応じて熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、耐
熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、有機
過酸化物、界面活性剤、防曇剤、流滴剤、造核剤、顔
料、染料、シリカ、タルク、マイカ、カーボン、炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウム、金属ステアレート、木
粉、コルク粉末、セルロースパウダー等の無機あるいは
有機の添加剤、充填剤を本発明の目的を損なわない範囲
で添加しても良い。特に熱劣化を防止するためフェノー
ル系、ヒンダードフェノール系、リン系及びイオウ系等
の耐熱安定剤、組成物の粘度を調整するためジアルキル
パーオキサイド系及びジアシルパーオキサイド系等の有
機過酸化物、触媒の活性を失活させるためカルシウムス
テアレート、ジンクステアレート等の金属ステアレー
ト、樹脂キャップ着色のため酸化チタン、フタロシアニ
ンブルー等の顔料が好適に用いられる。
【0020】これらの添加剤、充填剤を添加する場合
は、公知な種々の方法、例えば、ヘンシェルミキサー、
V−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレン
ダー等で混合後、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、
バンバリーミキサー等で溶融混練し、造粒あるいは粉砕
する方法、事前に溶融混練せずにドライブレンド品又は
オートフィーダーによるブレンド方法等を用い、直接混
練りする方法で樹脂キャップ用組成物を得る。
【0021】本発明の樹脂キャップは、高密度ポリエチ
レン系樹脂あるいは前記の樹脂キャップ用組成物を、例
えば、コンプレッションモールド法(樹脂キャップ材用
組成物を押出機で溶融押出し、一定量(約3g)をホッ
トカットして、キャップ金型内に落下させた。すぐさ
ま、押型で加圧冷却させ、キャップ形状に整え、樹脂キ
ャップを作製する方法)、または射出成形法に供するこ
とにより得られる。
【0022】本発明の樹脂キャップは、MFR、密度及
び単分散性を特定範囲に限定した高密度ポリエチレン系
樹脂を用いることにより、従来の樹脂キャップにはな
い、香味阻害性の極めて低いという特徴を持つ。
【0023】このような特徴により本発明の樹脂キャッ
プを次に記載の内容物を充填した包装容器用のキャップ
として用いることにより、清涼飲料(炭酸飲料、果汁飲
料、スポーツ飲料等)、アルコール飲料、コーヒー飲
料、茶飲料、ミネラルウォーター、ドレッシング、焼き
肉等用タレ、調味用ソース、マヨネーズ、サラダ油、ゴ
マ油等の食料及び飲料の長期保存性に優れ、有用であ
り、その中でも香味阻害に非常に敏感な飲料、特にミネ
ラルウォーターやウーロン茶、緑茶、麦茶、紅茶、その
他ブレンド茶のような茶系の飲料用包装容器キャップに
用いることが、特に効果的である。
【0024】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、これら
の実施例に制約されるものではない。
【0025】実施例及び比較例で用いた高密度ポリエチ
レン系樹脂の製造方法を以下に示す。 <高密度ポリエチレン系樹脂の製造方法−1>下記の触
媒により、1段スラリー重合法にて製造を行った。
【0026】10lのシュレンク管に、シリカ(ダビソ
ン948、200℃、5時間減圧焼成)250g、トル
エン5lおよび(p−N,N−ジメチルアルミノフェニ
ル)トリメトキシシラン100g(450mmol)を
加え、110℃で16時間攪拌した。反応終了後、トル
エンで4回洗浄した。得られたシラン化合物で修飾した
シリカ中の炭素含量は4.3wt%であった。このシラ
ン化合物で修飾したシリカ95gをエーテル2.5lに
懸濁させ、塩化水素ガスを室温で30分間吹き込んだ
後、ヘキサンにて洗浄し、減圧乾燥させた。これをさら
に塩化メチレン3lに懸濁させた後、リチウムテトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)ボレート30g(44m
mol)の塩化メチレン(2l)溶液を加え、室温で3
時間攪拌した。塩化メチレンで3回洗浄した後、真空乾
燥し、固体触媒成分を得た。得られた固体触媒成分中の
炭素含量は11.1wt%であった。
【0027】次に高密度ポリエチレン系樹脂の重合は、
内容積370lの攪拌機を備えた重合器を十分窒素置換
した後、ヘキサン150kg/hrで連続的に供給し、
その中にトリイソブチルアルミニウム(46mmol/
h)、エチレンビスインデニルジルコニウムジクロライ
ド(0.09mmol/h)及び上記のように合成した
固体触媒成分(1.7g/h)を連続的に添加して、内
温を85℃、内圧30kg/cm2Gに調整した。その
後、エチレンを25kg/hr、水素を5〜26Nl/
hr、1−ブテンを0〜0.35kg/hr、上記の固
体触媒を5g/hr、トリブチルアルミニウムをヘキサ
ン中のAl濃度が30mgAl/kgヘキサンとなるよ
うに連続的に供給して重合を行った。そして、重合器を
冷却し、エチレン重合体スラリー又はエチレン・1−ブ
テン共重合体スラリーを濾過した後に減圧下で乾燥し、
エチレン重合体又は、エチレン・1−ブテン共重合体の
パウダーを得た。
【0028】更にこのパウダーを50mmφ単軸押出機
(プラコー(株)製)で造粒し、高密度ポリエチレン系
樹脂を得た。
【0029】上記製造方法により下記の高密度ポリエチ
レン系樹脂が得られた。
【0030】HDPE−1(製造条件;エチレン量25
kg/hr、水素量11Nl/hr、1−ブテン量0.
1kg/hr、樹脂特性;MFR2.0g/10mi
n、密度0.953g/cm3(エチレン・1−ブテン
共重合体)) HDPE−2(製造条件;エチレン量25kg/hr、
水素量18Nl/hr、1−ブテン量0kg/hr、樹
脂特性;MFR4.1g/10min、密度0.964
g/cm3(エチレン重合体)) HDPE−3(製造条件;エチレン量25kg/hr、
水素量22Nl/hr、1−ブテン量0.2kg/h
r、樹脂特性;MFR7.5g/10min、密度0.
954g/cm3(エチレン・1−ブテン共重合体)) HDPE−4(製造条件;エチレン量25kg/hr、
水素量26Nl/hr、1−ブテン量0.35kg/h
r、樹脂特性; MFR15.3g/10min、密度
0.954g/cm3(エチレン・1−ブテン共重合
体)) HDPE−5(製造条件;エチレン量25kg/hr、
水素量5Nl/hr、1−ブテン量0.1kg/hr、
樹脂特性; MFR0.3g/10min、密度0.9
53g/cm3(エチレン・1−ブテン共重合体)) <高密度ポリエチレン系樹脂の製造方法−2>下記の触
媒により、1段スラリー重合法にて製造を行った。
【0031】触媒の調整方法として、攪拌装置を備えた
1lガラスフラスコに金属マグネシウム粉末7.0g
(0.29mol)及びチタンテトラブトキシド49g
(0.14mol)を入れ、ヨウ素0.35gを溶解し
たn−ブタノール45g(0.60mol)を90℃で
2時間かけて加え、更に発生する水素ガスを排除しなが
ら窒素シール下、140℃で2時間攪拌した。これを1
10℃とした後に、テトラエトキシシラン18g(0.
086mol)とテトラメトキシシラン13g(0.0
86mol)を加え、更に140℃で2時間攪拌した。
【0032】次いで、ヘキサン490mlを加えて、M
g−Ti溶液を得た。このMg−Ti溶液97g(Mg
として0.058mol相当)を別途用意した500m
lガラスフラスコに入れ、45℃でジエチルアルミニウ
ムクロライド0.07molとi−ブチルアルミニウム
ジクロライド0.023molを含むヘキサン溶液69
mlを加え、更に1時間攪拌した。そして、i−ブチル
アルミニウムジクロライド0.17molを含むヘキサ
ン溶液63mlを加え、70℃で1時間攪拌を行いヘキ
サンに懸濁した触媒成分を得た。
【0033】次に高密度ポリエチレン系樹脂の重合は、
内容積370lの攪拌機を備えた重合器を十分窒素置換
した後、ヘキサン150kg/hrで連続的に供給し、
内温を85℃、内圧30kg/cm2Gに調整した。そ
の後、エチレンを45kg/hr、水素を180Nl/
hr、1−ブテンを1.1kg/hr、上記の触媒成分
を1.5g/hr、トリ−i−ブチルアルミニウムをヘ
キサン中のAl濃度が40mgAl/kgヘキサンとな
るように連続的に供給して重合を行った。そして、重合
器を冷却し、エチレン・1−ブテン共重合体スラリーを
濾過した後に減圧下で乾燥し、エチレン・1−ブテン共
重合体のパウダーを得た。
【0034】更にこのパウダーを50mmφ単軸押出機
(プラコー(株)製)で造粒し、高密度ポリエチレン系
樹脂を得た。
【0035】上記製造方法により下記の高密度ポリエチ
レン系樹脂が得られた。
【0036】HDPE−6(樹脂特性;MFR2.1g
/10min、密度0.953g/cm3(エチレン・
1−ブテン共重合体)) <Mw/Mn(単分散性)の測定>ゲル・パーミエイシ
ョン・クロマトグラフィー(日本ミリポア社製、装置名
「ALC/GPC150C」(カラム:東ソー株式会社
製、商品名「GMHHR−H(S)」3本、溶媒:1,
2,4−トリクロルベンゼン、温度:140℃、流量
1.0ml/分、注入濃度1mg/1ml、注入量30
0μl)を用いて測定した。なお、東ソー株式会社製標
準ポリスチレンを用いて、ユニバーサルキャリブレーシ
ョン法によりカラム溶出体積は校正した。
【0037】<50℃におけるn−ヘプタン抽出量>2
00メッシュパスの粉砕試料約10gを精秤し、400
mlのn−ヘプタンを加えて50℃で2時間抽出を行
い、抽出液からn−ヘプタンを蒸発させて、乾燥固化さ
せて得た抽出物の重量の初期重量に対する割合を求める
ことにより算出した。
【0038】実施例及び比較例におけるキャップ成形方
法、評価方法を以下に示す。
【0039】<樹脂キャップ成形方法>樹脂キャップの
成形は、一般的にキャップ成形に用いられるコンプレッ
ションモールド法により行った。具体的には、L/D=
25mm、65mmφの田辺プラスチックス機械株式会
社製単軸押出機を用い、樹脂キャップ用材料を樹脂温度
210℃、スクリュ回転数100rpm、約50kg/
hrの吐出量で溶融混練させ、ダイヘッド部に開けられ
た15mmφの穴から1本のストランドを出す。ダイヘ
ッド部より出てきたストランドをそのまま3gとなるよ
うにカッターを用い、ホットカットする。ホットカット
した溶融ペレットを28mmφ樹脂キャップ用の成形金
型の中心に落下させ、すぐさま圧力3kg/cm2で加
圧冷却し、樹脂キャップ形状に整え、樹脂キャップを作
製した。 <キャップ成形性評価>樹脂キャップ成形方法に基づき
作製された樹脂キャップ1000個が正確な形状のキャ
ップになる成功率を測定する。
【0040】<香味試験>500ml用28mm口径P
ET製ボトルに80℃の蒸留水を500ml充填し、作
製した樹脂キャップを用い、キャップ巻き締めを15k
g−cmのトルクで行った。その後、キャップの天面か
ら90℃の熱水を1分間シャワーし、十分に常温に冷却
して評価用ボトルを得た。
【0041】評価用ボトルを横に寝かせ、40℃で2週
間保管した後の蒸留水を人間の嗅覚、味覚の官能試験に
より、充填前の蒸留水との香味の変化を観た。香味変化
が感じられなかったものには○、若干の変化が感じられ
たものには△、明らかな変化が感じられたものには×と
表示し、試験を行った。尚、5人による官能試験で行っ
た。
【0042】そして、その総合評価として、香味阻害が
認められなかったものに対しては、◎(全員が○の場
合)、○(×がなく、△が2人以下で、他が○の場
合)、香味阻害が認められたものに対しては、△(×が
なく、△が3人以上で他が○の場合)及び×(1人でも
×がある場合)と表示した。
【0043】<キャップ開栓トルク評価>評価用ボトル
を5℃で1週間保管した後、すぐさま、キャップ開栓ト
ルク測定器(シンポ工業株式会社製TNK−60B)に
より、評価用ボトルに巻き締められたキャップの開栓ト
ルクの測定を行った。尚、キャップの開栓トルクの測定
値は、10本の評価ボトルを用い、その平均値である。
【0044】また、キャップ開栓トルクの適正値は、8
〜12kg−cmである。
【0045】<キャップ衝撃試験>23℃で、評価用ボ
トルのキャップ天面側を下方に向け、高さ50cmから
表面が平滑な鉄板に垂直落下させ、キャップの割れを確
認した。試験数を20サンプルとし、割れ等の破損があ
った個数を確認した。
【0046】実施例1 前述の製造方法にて得られた高密度ポリエチレン系樹脂
HDPE−1を99重量%及び酸化チタン(石原産業製
タイペークCR−60)が0.93重量%、酸化防止剤
(旭電化製AO−50RG)0.02重量%、ステアリ
ン酸カルシウム(日本油脂製)0.05重量%を、タン
ブラーブレンダーで15分混合後、50mmφ単軸押出
機(プラコー(株)製)にて樹脂温度210℃で溶融混
練、造粒し、樹脂キャップ用材料を得た。その材料を用
い、キャップ成形性評価、香味評価、キャップ開栓トル
ク評価及びキャップ衝撃試験を行い、試験結果を表1に
示す。
【0047】実施例2 実施例1において、HDPE−1を高密度ポリエチレン
系樹脂HDPE−2に変更し、実施例1の要領で樹脂キ
ャップ用材料を得た。試験結果を表1に示す。
【0048】実施例3 実施例1において、HDPE−1を高密度ポリエチレン
系樹脂HDPE−3に変更し、実施例1の要領で樹脂キ
ャップ用材料を得た。試験結果を表1に示す。
【0049】比較例1 実施例1において、HDPE−1を高密度ポリエチレン
系樹脂HDPE−4に変更し、実施例1の要領で樹脂キ
ャップ用材料を得た。試験結果を表1に示す。
【0050】比較例2 実施例1において、HDPE−1を高密度ポリエチレン
系樹脂HDPE−5に変更し、実施例1の要領で樹脂キ
ャップ用材料を得た。試験結果を表1に示すが、キャッ
プ成形時に押出負荷が大きく、コンプレッションモール
ド時のホットカットペレットの落下位置が安定せず、キ
ャップ成形が十分に行えなかった。
【0051】比較例3 実施例1において、HDPE−1を高密度ポリエチレン
系樹脂HDPE−6に変更し、実施例1の要領で樹脂キ
ャップ用材料を得た。試験結果を表1に示す。
【0052】比較例4 実施例1において、HDPE−1をポリプロピレン系樹
脂PP−1(チッソ株式会社製チッソポリプロK101
4、メルトフローレート(JIS K7210−76;
230℃−2.16kg)3.5g/10min)に変
更し、実施例1の要領で樹脂キャップ用材料を得た。試
験結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【発明の効果】本発明の樹脂キャップは、従来公知の樹
脂キャップと比べ、香味阻害性の極めて低く、容器内容
物の長期保存性に優れるという特徴を持ち有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E035 AA03 AB10 BA04 CA02 3E084 AB01 BA08 CC04 DC04 EC04 KA20 4F071 AA16 AA81 AA82 AA88 AF05 AF05Y AH05 BA01 BB03 BC04 4J100 AA02P AA03Q AA04Q AA07Q AA09Q AA15Q AA16Q AA17Q AA19Q AA21Q CA01 CA04 DA04 DA15 DA40 DA43 JA59

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メルトフローレート(JIS K7210
    −76;190℃−2.16kg荷重)が0.5〜10
    g/10min、密度(JIS K6760−81)が
    0.945〜0.965g/cm3、ゲル・パーミエイ
    ション・クロマトグラフィー測定における単分散性(重
    量平均分子量/数平均分子量)が1.5〜4.5である
    高密度ポリエチレン系樹脂よりなることを特徴とする樹
    脂キャップ。
  2. 【請求項2】50℃におけるn−ヘプタン抽出量が0.
    1重量%以下である請求項1に記載の高密度ポリエチレ
    ン系樹脂よりなることを特徴とする樹脂キャップ。
  3. 【請求項3】ミネラルウォーター又は茶系飲料用包装容
    器キャップであることを特徴とする請求項1又は2のい
    ずれかに記載の樹脂キャップ。
  4. 【請求項4】コンプレッションモールド法によりキャッ
    プ成形されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載の樹脂キャップ。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂キャ
    ップを備えることを特徴とする包装容器。
JP2001044902A 2001-02-21 2001-02-21 樹脂キャップ Pending JP2002249150A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001044902A JP2002249150A (ja) 2001-02-21 2001-02-21 樹脂キャップ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001044902A JP2002249150A (ja) 2001-02-21 2001-02-21 樹脂キャップ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002249150A true JP2002249150A (ja) 2002-09-03

Family

ID=18906810

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001044902A Pending JP2002249150A (ja) 2001-02-21 2001-02-21 樹脂キャップ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002249150A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008525275A (ja) * 2004-12-22 2008-07-17 トータル・ペトロケミカルズ・リサーチ・フエリユイ キャップおよび密閉具
WO2009020121A1 (ja) * 2007-08-09 2009-02-12 Tosoh Corporation エチレン系重合体およびそれよりなるフィルム
JP2012092254A (ja) * 2010-10-28 2012-05-17 Japan Polyethylene Corp 容器蓋用ポリエチレン樹脂組成物
KR20130033362A (ko) 2010-04-06 2013-04-03 닛폰포리에치렌가부시키가이샤 용기 덮개용 폴리에틸렌계 수지 성형 재료
JP2016509122A (ja) * 2013-03-14 2016-03-24 ノヴァ ケミカルズ(アンテルナショナル)ソシエテ アノニム リビングヒンジとしての使用のためのポリエチレン組成物

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1180258A (ja) * 1997-09-03 1999-03-26 Tosoh Corp 高純度薬品容器用ポリエチレン樹脂、組成物及びそれよりなる高純度薬品容器
JPH11263358A (ja) * 1998-03-18 1999-09-28 Gifu Plast Ind Co Ltd 密閉容器のための蓋体
JP2000086722A (ja) * 1998-09-16 2000-03-28 Asahi Chem Ind Co Ltd 射出延伸ブロー成形用高密度ポリエチレン樹脂
JP2000168824A (ja) * 1998-12-10 2000-06-20 Tosoh Corp キャップライナー材用樹脂組成物及びキャップ

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1180258A (ja) * 1997-09-03 1999-03-26 Tosoh Corp 高純度薬品容器用ポリエチレン樹脂、組成物及びそれよりなる高純度薬品容器
JPH11263358A (ja) * 1998-03-18 1999-09-28 Gifu Plast Ind Co Ltd 密閉容器のための蓋体
JP2000086722A (ja) * 1998-09-16 2000-03-28 Asahi Chem Ind Co Ltd 射出延伸ブロー成形用高密度ポリエチレン樹脂
JP2000168824A (ja) * 1998-12-10 2000-06-20 Tosoh Corp キャップライナー材用樹脂組成物及びキャップ

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008525275A (ja) * 2004-12-22 2008-07-17 トータル・ペトロケミカルズ・リサーチ・フエリユイ キャップおよび密閉具
JP4714223B2 (ja) * 2004-12-22 2011-06-29 トータル・ペトロケミカルズ・リサーチ・フエリユイ キャップおよび密閉具
WO2009020121A1 (ja) * 2007-08-09 2009-02-12 Tosoh Corporation エチレン系重合体およびそれよりなるフィルム
JP2009040894A (ja) * 2007-08-09 2009-02-26 Tosoh Corp エチレン系重合体およびそれよりなるフィルム
KR20130033362A (ko) 2010-04-06 2013-04-03 닛폰포리에치렌가부시키가이샤 용기 덮개용 폴리에틸렌계 수지 성형 재료
JP2012092254A (ja) * 2010-10-28 2012-05-17 Japan Polyethylene Corp 容器蓋用ポリエチレン樹脂組成物
JP2016509122A (ja) * 2013-03-14 2016-03-24 ノヴァ ケミカルズ(アンテルナショナル)ソシエテ アノニム リビングヒンジとしての使用のためのポリエチレン組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5835439B2 (ja) 容器蓋用ポリエチレン系樹脂成形材料
TWI409296B (zh) 聚乙烯系樹脂製模材料
US9187627B2 (en) Polyethylene having faster crystallization rate and improved environmental stress cracking resistance
WO2004031293A1 (en) Polyethylene compositions for rotational molding
EP1829907A2 (en) Propylene/ethylene block copolymer, blushing-resistant transparent polypropylene resin for molding, elastomer for molding, and molded article obtained therefrom
JPH0124411B2 (ja)
CN106543547A (zh) 一种易加工食品级小中空吹塑用改性高密度聚乙烯树脂及其制备方法
JP2002249150A (ja) 樹脂キャップ
JP4923330B2 (ja) キャップライナー材用組成物及びキャップ
JP2004123995A (ja) 容器蓋用ポリエチレン系樹脂およびそれからなる容器蓋
JP2011111579A (ja) ボトルキャップ用ポリエチレン樹脂組成物
JP2005307002A (ja) 樹脂キャップ
EP3216829B1 (en) Polyethylene resin composition and molded product produced from same
JP4815629B2 (ja) キャップライナー材用組成物及びキャップ並びに包装容器
JP2001180704A (ja) 樹脂キャップ及び包装容器
JPH11349753A (ja) キャップライナー材用組成物及びキャップ
JP6167930B2 (ja) 容器蓋用ポリエチレン系樹脂成形材料
JP2003312625A (ja) 高密度ポリエチレン系樹脂製食品容器
KR100417068B1 (ko) 고투명성 사출 성형 수지 조성물 및 이를 이용한사출성형물의 제조방법
JP2006131712A (ja) 樹脂キャップ
JP2001181455A (ja) 中空成形用樹脂組成物および中空成形容器
JP2000168824A (ja) キャップライナー材用樹脂組成物及びキャップ
JP2023149991A (ja) ポリオレフィン系樹脂成形材料及び非炭酸飲料用petボトルキャップ
CN103627063A (zh) 一种乙烯聚合物组合物和乙烯聚合物材料以及瓶盖
JPH04159345A (ja) 無機質充填ポリオレフィン系樹脂組成物及びその用途

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080116

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100714

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100818

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110301

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110726