JP2002246361A - 液処理装置および液処理方法 - Google Patents

液処理装置および液処理方法

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JP2002246361A JP2001378543A JP2001378543A JP2002246361A JP 2002246361 A JP2002246361 A JP 2002246361A JP 2001378543 A JP2001378543 A JP 2001378543A JP 2001378543 A JP2001378543 A JP 2001378543A JP 2002246361 A JP2002246361 A JP 2002246361A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板の液処理を開始する際に、予めチャンバ
内を洗浄処理された状態とすることを可能とする液処理
装置と液処理方法を提供する。 【解決手段】 液処理装置の一実施形態である洗浄処理
装置は、複数のウエハWを所定間隔で保持可能なロータ
と、外側チャンバ71aと、処理位置と退避位置との間
でスライド自在に設けられた内側チャンバ71bと、内
側チャンバを退避位置において洗浄するクリーニング機
構90とを具備する。クリーニング機構90は、内側チ
ャンバ71bとの間に略筒状の洗浄処理室72を形成す
るように前記内側チャンバの内側に設けられた筒状体9
1と、洗浄処理室72の空間に所定の洗浄液を供給する
処理液吐出ノズル55と、洗浄処理室72に所定の乾燥
用ガスを供給するガス吐出ノズル93を有し、内側チャ
ンバ71bの洗浄、乾燥を可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハやL
CD基板等の各種基板に対して液処理や乾燥処理を施す
液処理装置と液処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、半導体デバイスの製造工程にお
いては、基板としての半導体ウエハを所定の薬液や純水
等によって洗浄することによって、ウエハからパーティ
クル、有機汚染物、金属不純物等のコンタミネーショ
ン、エッチング処理後のポリマー等を除去するウエハ洗
浄装置や、窒素(N)ガス等の不活性ガスや揮発性お
よび親水性の高いIPA蒸気等によってウエハから液滴
を取り除いてウエハを乾燥させるウエハ乾燥装置が使用
されている。
【0003】このような洗浄・乾燥装置としては、複数
枚のウエハをバッチ式に処理するものが知られており、
例えば、複数枚のウエハがその主面が略平行になるよう
にして収容された容器を洗浄・乾燥装置の所定位置に載
置し、搬送機構を用いてこの容器内に収容された複数の
ウエハを同時に取り出して、ウエハを保持するロータに
移し替え、チャンバ内においてロータに保持されたウエ
ハに所定の液処理と乾燥処理を施した後に、再び搬送機
構を用いて容器へウエハを搬送するという作業が行われ
る。
【0004】ここで洗浄から乾燥に至る工程について
は、薬液を用いた薬液処理の後にIPAを用いて薬液を
洗い流し、次いで純水を用いた水洗処理を行い、最後に
IPA蒸気やNガス乾燥処理を行うという処理工程が
一般的に用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
このような一連の処理工程において、IPAによって薬
液を洗い流す処理工程を省いて処理工程を短縮し、スル
ープットを向上させたいという要望や、IPAを使用し
ないようにすることで処理コストを低減させたいという
要望が大きくなっている。ところが、薬液処理の後には
チャンバの内壁等に薬液が付着しており、またチャンバ
底部にも薬液が完全には排出されずにある程度の量が残
留しているために、このような状態で薬液処理の後に水
洗処理を行うと、薬液が純水により希釈されることによ
って、例えば、強アルカリ性水溶液が生成する。この強
アルカリ性水溶液がチャンバ内にある程度長い時間存在
すると、ウエハがダメージを受けるおそれがある。
【0006】また、一般的に、液処理を行う処理空間を
形成するチャンバは液処理中には処理液が外部に飛散し
ないようにシール構造を有し、このシール部については
ゴム等のシール材が用いられることが一般的である。こ
のようなシール材は薬液等による劣化や経時的な劣化が
生ずるために突発的にまたは定期的に交換する必要が生
じるが、従来の液処理装置では、シール材を交換するた
めにチャンバ自体を取り外さなければならない等、作業
性やメンテナンス性は必ずしも良いものではなかった。
【0007】さらに、薬液処理や乾燥処理時において、
基板の主面のパーティクル付着量が少なく、薬液滴等の
痕跡が残り難いようにすることにより、基板の品質を高
く保持し、信頼性を高めることが求められているが、未
だ十分とは言えない。
【0008】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、処理液が混合されることによって基板に損
傷が生ずることを防止した液処理装置と液処理方法を提
供することを目的とする。また本発明は、異なる処理液
の混合を防止するために中間的に使用されていた処理液
を使用することなく液処理を行うことを可能とする液処
理装置を提供することを目的とする。さらに本発明は、
シール材の交換やメンテナンスを容易とする液処理装置
を提供することを目的とする。さらにまた本発明は、基
板の主面の清浄度を高く保持することができる液処理装
置と液処理装置を用いた液処理方法を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の第1発明の観点によれば、複数の基板に処
理液を供給して液処理を行う液処理装置であって、前記
複数の基板を所定間隔で保持可能なロータと、前記ロー
タを収容可能であり、処理位置と退避位置との間でスラ
イド自在に設けられたチャンバと、前記チャンバ内に収
容された基板に前記処理液を吐出する処理液吐出ノズル
と、前記チャンバを洗浄するクリーニング機構と、を具
備し、前記クリーニング機構は、前記退避位置において
前記チャンバの内部に位置し、前記チャンバとの間に洗
浄処理室を形成するように設けられた処理室形成用部材
と、前記洗浄処理室に洗浄液を吐出する洗浄液吐出ノズ
ルと、前記洗浄処理室に乾燥用ガスを吐出するガス吐出
ノズルと、を有することを特徴とする液処理装置、が提
供される。
【0010】本発明の第2の観点によれば、固定して設
けられた略筒状の外側チャンバと、前記外側チャンバの
内部に収容可能であって処理位置と退避位置との間でス
ライド自在に設けられた略筒状の内側チャンバと、前記
内側チャンバを前記退避位置において洗浄するクリーニ
ング機構と、を具備した液処理装置を用いて、複数の基
板を所定間隔で保持可能なロータに保持された基板に処
理液を供給して液処理を行う液処理方法であって、前記
処理位置において前記内側チャンバを用いて前記基板の
液処理を行う第1工程と、前記内側チャンバを退避させ
た後に前記外側チャンバを用いて前記基板の液処理を行
う第2工程と、前記クリーニング機構による前記内側チ
ャンバの洗浄処理を前記退避位置において所定のタイミ
ングで行う第3工程と、を有することを特徴とする液処
理方法、が提供される。
【0011】このような液処理装置と液処理方法によれ
ば、チャンバのクリーニング機構が設けられているため
に、複数の処理液を連続して用いる液処理を行う場合に
おいて、ある処理液に対してその前段で使用された処理
液が混入することが好ましくないときには、処理液を変
えて液処理を行う前にチャンバの洗浄を行うことができ
る。これにより処理液のコンタミネーションの発生が防
止され、処理液の特性を引き出して精度の高い液処理を
行うことが可能となり、ひいては基板の品質を高く保持
することが可能となる。
【0012】なお、チャンバとして内側チャンバと外側
チャンバとからなる二重構造を有するチャンバを用いた
場合には、一方のチャンバを用いて処理液による液処理
を行った後に、他方のチャンバを用いて別の処理液によ
る液処理を行うことができる。これによって処理液の混
合を防止することが可能であり、また、スループットを
向上させることができる。しかしながら、この場合に
は、あるバッチの基板について一連の処理が終了した後
に、次のバッチの基板について液処理を開始するにあた
って、最初に使用された一方のチャンバを清浄な状態に
戻しておかなければならないという新たな問題が生ず
る。本発明の液処理装置は、クリーニング機構を有して
いることから、このような二重構造を有するチャンバを
用いることによって生ずる新たな問題をも解決すること
が可能であり、スループットの向上のみならず、処理コ
ストの低減にも効果を奏する。
【0013】本発明の第3の観点によれば、基板に処理
液を供給して液処理を行う液処理装置であって、複数の
基板を所定間隔で略平行に保持するロータと、前記ロー
タを内部に収容可能であり、処理位置に固定して設けら
れた略筒状の外側チャンバと、前記ロータを内部に収容
可能であり、かつ、前記外側チャンバの内部に収容可能
な略筒状の内側チャンバと、前記内側チャンバの内部に
収容可能な筒状体と、前記ロータに保持された基板に処
理液を吐出する処理液吐出ノズルと、前記内側チャンバ
を洗浄する洗浄液を吐出する洗浄液吐出ノズルと、前記
内側チャンバを前記処理位置と退避位置と前記退避位置
よりも前記処理位置から離れているメンテナンス位置と
の間でスライド可能とする第1のスライド機構と、前記
筒状体を前記退避位置と前記メンテナンス位置との間で
スライド可能とする第2のスライド機構と、前記内側チ
ャンバと前記外側チャンバとの間をシールするように前
記外側チャンバの一端面に設けられた第1のシール機構
と、前記筒状体と前記内側チャンバとの間をシールする
ように前記内側チャンバの端面に設けられた第2のシー
ル機構と、を具備し、前記内側チャンバを前記処理位置
と前記メンテナンス位置との間でスライドさせて所定の
位置に保持し、また、前記筒状体を前記退避位置と前記
メンテナンス位置との間でスライドさせて所定の位置に
保持することにより前記第1のシール機構および前記第
2のシール機構に容易にアクセス可能となることを特徴
とする液処理装置、が提供される。
【0014】この液処理装置においては、チャンバのシ
ール機構に容易にアクセスすることができるために、チ
ャンバからの薬液等の漏れが生じた場合や定期的なメン
テナンスにおいて、シール機構の交換等の作業を容易に
行うことができ、これにより作業時間を短縮することが
可能となる。
【0015】本発明の第4の観点によれば、複数の基板
に処理液を供給して液処理を行う液処理装置であって、
複数の基板を所定間隔で保持可能なロータと、一方の端
面の外径が他端の端面の外径よりも長いテーパー状の胴
部を有し、かつ、前記端面を略垂直として底部に所定の
勾配をもって設けられたチャンバと、前記ロータに保持
された基板にガスまたは処理液を吐出するガス/処理液
吐出ノズルと、前記チャンバにおける長径側の端面に設
けられた排気および排液を行う排気/排液機構と、を具
備し、前記ロータは、基板の主処理面が前記長径側の端
面を向くように略垂直な状態で基板を保持して前記チャ
ンバに進入および退出可能となっていることを特徴とす
る液処理装置、が提供される。
【0016】本発明の第5の観点によれば、一方の端面
の外径が他方の端面の外径よりも長いテーパー状の胴部
を有し、かつ、前記端面は略垂直であって底部に所定の
勾配を有するチャンバと、前記チャンバに進入および退
出可能であって、複数の基板を略垂直な状態で水平方向
に所定間隔で保持可能なロータと、前記ロータに保持さ
れた基板が面内で回転するように前記ロータを回転させ
る回転機構と、前記ロータに保持された基板にガスまた
は処理液を吐出するガス/処理液吐出ノズルと、前記チ
ャンバにおける長径側の端面に設けられた排気および排
液を行う排気/排液機構と、を具備する液処理装置を用
いた基板の液処理方法であって、前記ロータに保持され
た全ての基板の主処理面が前記チャンバの長径側の端面
を向くように前記ロータを前記チャンバ内に配置させる
ことによって、前記基板の主処理面の汚れを低減させる
ことを特徴とする液処理方法、が提供される。
【0017】このような液処理装置と液処理方法によれ
ば、チャンバ内に吐出されるガスや処理液の流れが、基
板の裏面から主処理面側へ向かう方向となっていること
から、例えば、パーティクルが気流に沿って運ばれてき
た場合でもパーティクルは基板の表面に付着し難くな
り、こうして、基板の主処理面の清浄度が高く保持さ
れ、製品の信頼性を高めることが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明の実施の形態について具体的に説明する。本発明の
1つである液処理装置は、例えば、各種基板を被処理体
とする洗浄処理装置や乾燥処理装置等に適用できるが、
本実施形態においては、半導体ウエハ(ウエハ)の搬
送、洗浄、乾燥をバッチ式に一貫して行うように構成さ
れた洗浄処理装置を例として説明することとする。
【0019】図1は洗浄処理装置1の外観を示す斜視図
である。図1に示されるように、洗浄処理装置1は、複
数枚のウエハWを収容可能なフープ(Front Opening Un
ified Pod)Fを載置するためのフープステージ2a〜
2cが設けられたフープ搬入出部2と、ウエハWに対し
て洗浄処理を実施する洗浄処理ユニット3と、フープ搬
入出部2と洗浄処理ユニット3との間に設けられ、ウエ
ハWの搬送を行うウエハ搬送ユニット4と、洗浄処理の
ための薬液を貯蔵等する薬液貯蔵ユニット5から主に構
成されている。
【0020】また、洗浄処理装置1に設けられた各種の
電動駆動機構や電子制御装置のための電源ボックス6
と、洗浄処理装置1を構成する各ユニットの温度制御を
行うための温度制御ボックス7が洗浄処理ユニット3の
上部に設けられており、ウエハ搬送ユニット4の上部に
は、洗浄処理装置1に設けられた各種の表示パネルを制
御する表示ボックス9と、ウエハ搬送ユニット4に設け
られたウエハ搬送機構16の制御装置が収容された搬送
機構制御ボックス10が設けられている。また、薬液貯
蔵ユニット5の上部には各ボックスからの熱排気を集め
て排気する熱排気ボックス8が設けられている。
【0021】図2に洗浄処理装置1の概略平面図を、図
3に洗浄処理装置1の概略側面図を、図4に図3の概略
側面図において一部の駆動機構を駆動させた状態を示し
た概略側面図をそれぞれ示す。ここで図2〜図4におい
ては、フープ搬入出部2、洗浄処理ユニット3、ウエハ
搬送ユニット4、薬液貯蔵ユニット5のみを示し、洗浄
処理ユニット3、ウエハ搬送ユニット4、薬液貯蔵ユニ
ット5の上部に設けられた電源ボックス6その他各種の
ボックス部については図示していない。また、後述する
ように、洗浄処理ユニット3は搬送部3aと洗浄部3b
とに分けられるが、図3および図4においては、搬送部
3aの概略構造が示されている。
【0022】フープステージ2a〜2cに載置されるフ
ープFは、ウエハWを複数枚、例えば25枚を所定間隔
で主面が水平になるように収容することが可能となって
おり、フープFの一側面にはウエハWを搬入出するため
のウエハ搬入出口が設けられている。フープFはウエハ
搬入出口を開閉する蓋体11を有しており、この蓋体1
1は、後述する蓋体開閉機構15a〜15cによってフ
ープFに脱着可能となっている。
【0023】ウエハ搬送ユニット4とフープ搬入出部2
との間の境界壁12には窓部12a〜12cが設けられ
ており、フープFに形成されたウエハ搬入出口の外周部
が窓部12a〜12cを閉塞し、また、蓋体11が蓋体
開閉機構15a〜15cによって脱着可能な状態となる
ようにして、フープFはフープステージ2a〜2c上に
載置される(図4参照)。
【0024】境界壁12の内側(ウエハ搬送ユニット4
側)には、窓部12a〜12cのそれぞれの位置に、窓
部12a〜12cを開閉するシャッター13a〜13c
とシャッター13a〜13cを昇降させる昇降機構14
a〜14cからなる蓋体開閉機構15a〜15cが設け
られている。蓋体開閉機構15a〜15cは図示しない
吸着パッド等の蓋体把持手段を有しており、これにより
フープFの蓋体11をシャッター13a〜13cととも
に昇降させることができるようになっている。
【0025】フープFがフープステージ2a〜2cに載
置されていないときには、シャッター13a〜13cが
窓部12a〜12cを閉塞した状態にあるため、外部か
らウエハ搬送ユニット4へのパーティクル等の侵入が防
止される。一方、ウエハWをフープFから搬出し、また
はフープFへ搬入する際には、後述するウエハ搬送機構
16の搬送用ピック17a・17bがフープFにアクセ
スできるように、シャッター13a〜13cおよびフー
プFの蓋体11が蓋体開閉機構15a〜15cにより降
下され、窓部12a〜12cは開口した状態とされる。
【0026】ウエハ搬送ユニット4には、蓋体開閉機構
15a〜15cのそれぞれに隣接して、フープF内のウ
エハWの枚数を計測するためのウエハ検査機構110が
設けられている。このウエハ検査機構110は、例え
ば、赤外線レーザを用いた発信部と受信部を有する反射
式光センサ111を有している。モータ113を用いて
ガイド112に沿ってこの反射式センサ111をZ方向
(鉛直方向)にスキャンさせながら、ウエハWに向けて
赤外線レーザを発振しながらウエハWの端面からの反射
光を受信する。これによりフープFに収容されたウエハ
Wの枚数や収容状態、例えば、ウエハWが所定のピッチ
で略平行に1枚ずつ収容されているかどうか、2枚のウ
エハWが重なって収容されていないかどうか、ウエハW
が段差ずれして斜めに収容されていないかどうか、ウエ
ハWがフープF内の所定位置から飛び出していないかど
うか等を検査することができるようになっている。
【0027】なお、ウエハ搬送機構16にウエハ検査機
構110を取り付けて、ウエハ検査機構110をウエハ
搬送機構16とともに移動可能な構造とすれば、ウエハ
検査機構110は1カ所のみに設ければよい。また、例
えば、ウエハWの収容枚数を確認するセンサと、ウエハ
Wの収容状態を検査するセンサを別に設けることもでき
る。さらに、蓋体開閉機構15a〜15cにウエハ検査
機構110を取り付けてもよい。
【0028】ウエハ搬送ユニット4には、清浄な空気を
ウエハ搬送ユニット4内に送風するためのフィルターフ
ァンユニット(FFU)24aが天井部に設けられてい
る。このFFU24aからのダウンフローの一部は、窓
部12a〜12cが開口されている状態において、窓部
12a〜12cから外部に流れ出てフープステージ2a
〜2cに載置されたフープFに流入する。これによりフ
ープF内のウエハWに清浄な空気が供給されるため、ウ
エハWへのパーティクルの付着が防止される。なお、F
FU24aの下部に図示しないイオナイザを設けてウエ
ハWの除電を行うこともできる。
【0029】ウエハ搬送ユニット4にはウエハ搬送機構
16が設けられている。このウエハ搬送機構16は、X
方向に延在するガイドを具備するリニア駆動機構19
と、ウエハWを保持する搬送用ピック17a・17b
と、搬送用ピック17a・17bをそれぞれ保持する保
持部18a・18bと、搬送用ピック17a・17bお
よび保持部18a・18bがそれぞれ取り付けられたス
ライド機構20a・20bと、スライド機構20a・2
0bが取り付けられた回転自在なテーブル21と、テー
ブル21を回転させる回転機構22と、回転機構22か
ら上の部分を昇降させる昇降機構23と、を有してい
る。
【0030】ウエハ搬送機構16に2系統の搬送用ピッ
ク17a・17bを設けることによって、例えば、搬送
用ピック17aを未処理のウエハWを搬送するために用
い、搬送用ピック17bを洗浄処理済みのウエハWを搬
送するために用いることができる。この場合には、例え
ば、1系統の搬送アームのみが設けられている場合と比
較すると、未処理のウエハWに付着していたパーティク
ル等が搬送アームに付着してさらに処理済みのウエハW
に付着するといった事態が有効に防止される。また、2
系統の搬送アームを設けることによって、洗浄処理ユニ
ット3との間で処理済みのウエハWを受け取った直後に
次の未処理のウエハWを受け渡すことができる。
【0031】1個の搬送用ピック17aは1枚のウエハ
Wを搬送する。フープFに収容されている25枚のウエ
ハWを一度に搬送可能なように、25個の搬送用ピック
17aが略平行に所定間隔で保持部18aに保持されて
いる。同様に25個の搬送用ピック17bもまた略平行
に所定間隔で保持部18bに保持されている。
【0032】フープFまたは後述するロータ34と搬送
用ピック17a・17bとの間でウエハWの受け渡しを
行う際には、搬送用ピック17a・17bを所定距離ほ
ど上下させる必要があるが、この搬送用ピック17a・
17bの昇降動作は昇降機構23より行うことができ
る。なお、保持部18a・18bに別途搬送用ピック1
7a・17bを上下させる昇降機構を設けてもよい。
【0033】搬送用ピック17a・17bはスライド機
構20a・20bによって保持部18a・18bともに
搬送用ピック17a・17bの長さ方向にスライド可能
となっている。また、テーブル21は回転機構22によ
って水平面内で回転(図2に示すθ方向)可能に構成さ
れている。さらに搬送用ピック17a・17bの高さは
昇降機構23により調節可能であり、搬送用ピック17
a・17bは昇降機構23等とともにリニア駆動機構1
9によってX方向に移動可能である。これにより搬送用
ピック17a・17bは、フープステージ2a〜2cに
載置されたいずれのフープFおよびロータ34にもアク
セスでき、こうしてフープステージ2a〜2cに載置さ
れたフープFとロータ34との間でウエハWを水平状態
として搬送することができる。
【0034】例えば、搬送用ピック17aを未処理のウ
エハWを搬送するために用いて、フープステージ2bに
載置されたフープFから洗浄処理ユニット3に設けられ
たロータ34へ搬送する場合には、最初に搬送用ピック
17aがフープステージ2bに載置されたフープFにア
クセスできるようにリニア駆動機構19を駆動させて搬
送用ピック17aをX方向に移動させる。次いで昇降機
構23を駆動させて搬送用ピック17aの高さを調節し
た後にスライド機構20aを動作させて搬送用ピック1
7aおよび保持部18aをフープステージ2b側にスラ
イドさせる。搬送用ピック17aにウエハWを保持させ
て搬送用ピック17aおよび保持部18aを元の位置に
戻すことにより、フープFからウエハWが搬出される。
【0035】続いて、回転機構22を動作させてテーブ
ル21を180°回転させつつ、リニア駆動機構19を
駆動して搬送用ピック17aがロータ34にアクセスで
きる状態とする。搬送用ピック17aおよび保持部18
aをロータ34側にスライドさせてウエハWをロータ3
4に受け渡し(図4参照)、再び搬送用ピック17aお
よび保持部18aを元の位置に戻せば、ウエハWのロー
タ34への搬送が終了する。
【0036】このウエハ搬送機構16においては、搬送
用ピック17a・17bがテーブル21の回転中心に対
して点対称な位置に設けられているために、スライド機
構20a・20bが伸張していない状態でテーブル21
を回転させると、搬送用ピック17a・17bがウエハ
Wを保持した状態であっても、搬送用ピック17a・1
7bが回転時に通過する軌跡の範囲を狭くすることがで
きる。このように洗浄処理装置1ではウエハ搬送ユニッ
ト4が省スペース化されている。
【0037】ウエハ搬送ユニット4と洗浄処理ユニット
3とを仕切る境界壁25には、ウエハWの搬送のための
窓部25aが形成されており、この窓部25aは昇降機
構26bにより昇降自在となっているシャッター26a
によって開閉される。シャッター26aはウエハ搬送ユ
ニット4側に設けられているが、洗浄処理ユニット3側
に設けることもできる。ウエハ搬送ユニット4と洗浄処
理ユニット3との間でのウエハWの搬送はこの窓部25
aを介して行われる。
【0038】なお、シャッター26aによりウエハ搬送
ユニット4と洗浄処理ユニット3の雰囲気が分離できる
ようになっているために、例えば、洗浄処理ユニット3
において洗浄液が飛散したり、洗浄液の蒸気が拡散等し
た場合でも、ウエハ搬送ユニット4にまでその汚染が拡
大することが防止される。
【0039】洗浄処理ユニット3は搬送部3aと洗浄部
3bから構成されている。搬送部3aの天井部分にはフ
ィルターファンユニット(FFU)24bが設けられて
おり、ここから搬送部3a内にパーティクルを除去した
清浄な空気等が送風されるようになっている。なお、F
FU24bの下部に図示しないイオナイザを設けてウエ
ハWの除電を行うこともできる。
【0040】搬送部3aには、ロータ回転機構27と、
ロータ回転機構27の姿勢を制御する姿勢変換機構28
と、ロータ回転機構27および姿勢変換機構28を垂直
方向に移動させるZ軸リニア駆動機構29と、Z軸リニ
ア駆動機構29を水平方向に移動させるX軸リニア駆動
機構30と、姿勢変換機構28およびZ軸リニア駆動機
構29から発生するパーティクルがロータ回転機構27
側へ飛散してウエハWに付着等することを防止するため
のカバー45と、X軸リニア駆動機構30から発生する
パーティクルがロータ回転機構27側へ飛散してウエハ
Wに付着等することを防止するためのカバー46が設け
られている。
【0041】ロータ回転機構27は、ウエハWを所定間
隔で保持可能なロータ34と、ロータ34に保持された
ウエハWが面内回転するようにロータ34を回転させる
モータ(回転機構)31と、姿勢変換機構28との連結
部32と、ロータ34を後述する外側チャンバ71aに
挿入した際に外側チャンバ71aに形成されたロータ搬
入出口62cを閉塞する蓋体33と、連結部32と蓋体
33を貫通してロータ34とモータ31を連結している
回転軸50(後に示す図5・図7・図8参照)から構成
されている。
【0042】図5はロータ34の概略構造を示す斜視図
である。ロータ34は、所定の間隔をおいて配置された
一対の円盤35a・35bと、ウエハWを保持するため
の溝等が形成された係止部材36aと、係止部材36a
と同様に溝等が形成され開閉可能なホルダー36bと、
ホルダー36bの開閉の可不可を制御するロックピン3
6cと、を有する。
【0043】このホルダー36bの開閉を行うホルダー
開閉機構80は境界壁25に設けられており(図3およ
び図4参照)、ホルダー開閉機構80は、ロックピン押
圧シリンダ81と、ホルダー開閉シリンダ82と、を有
している。なお、境界壁25においてホルダー開閉機構
80が設けられている部分にはカバー40が設けられて
いるために、ウエハ搬送ユニット4と洗浄処理ユニット
3は隔離されている。
【0044】円盤35bの回転軸50への固定は、例え
ばネジ35cを用いて行われ、係止部材36aは円盤3
5a・35bの外側からネジ止め等することで円盤35
a・35b間に固定することができる。ロックピン36
cは、例えば、通常の状態では外側に突出した状態にあ
り、この状態ではホルダー36bの開閉動作を行うこと
ができない。一方、ホルダー開閉機構80がロータ34
にアクセスして、ロックピン押圧シリンダ81からの押
圧力によってロックピン36cがロータ34の内側に向
かって押し込まれた状態となっているときには、ホルダ
ー36bがホルダー開閉シリンダ82によって開閉自在
な状態となる。
【0045】ホルダー36bが開かれた状態において
は、ロータ34と搬送用ピック17a・17bとの間で
のウエハWの受け渡しが可能であり、一方、ホルダー3
6bが閉じた状態では、ロータ34内のウエハWはロー
タ34から外部に飛び出すことがない状態に保持され
る。
【0046】ホルダー開閉機構80は、ロータ34と搬
送用ピック17a・17bとの間でウエハWの受け渡し
が行われる位置において、ロックピン押圧シリンダ81
およびホルダー開閉シリンダ82がそれぞれロックピン
36cとホルダー36bにアクセスできるように、図3
に示した退避位置と図4に示した処理位置との間で回転
自在となっている。上述したホルダー36bの開閉動作
を行うことができるように、ロックピン押圧シリンダ8
1は処理位置においてロックピン36cをロータ34の
内部に押し込むことができる押圧機構を有しており、ホ
ルダー開閉シリンダ82は円盤35aの外側においてホ
ルダー36bにアクセスしてホルダー36bを開閉する
ように動作可能となっている。
【0047】上述したホルダー36b、ロックピン36
c、ホルダー開閉機構80の動作形態にしたがってホル
ダー36bを開閉する場合には、例えば、最初に退避位
置にあるホルダー開閉機構80を処理位置に移動させて
ロータ34にアクセスさせ、ロックピン押圧シリンダ8
1によってロックピン36cがロータ34の内部に押し
込まれた状態に保持する。この状態においてホルダー開
閉シリンダ82を動作させてホルダー36bを開く。こ
れによりウエハWの搬入出が可能となる。
【0048】ウエハWの搬入出作業が終了したら、ホル
ダー36bを閉じた状態とした後にロックピン押圧シリ
ンダ81の押圧力を解除して、ロックピン36cが円盤
35aから突出した状態、つまりホルダー36bにロッ
クが掛かった状態に戻し、さらにホルダー開閉機構80
を退避位置に戻す。
【0049】ロータ回転機構27の姿勢を制御する姿勢
変換機構28は、回転機構42と回転機構42に取り付
けられた回転軸41とを有しており、回転軸41はロー
タ回転機構27の連結部32に固定されている。回転機
構42によってロータ回転機構27全体を、図3または
図4に示すようにウエハWが水平状態で保持されるよう
な姿勢(縦姿勢)に保持することができ、また、後に図
6に示すようにウエハWが垂直状態で保持されるような
姿勢(横姿勢)に変換して保持することができるように
なっている。
【0050】Z軸リニア駆動機構29は、モータ43
と、モータ43の回転駆動力を姿勢変換機構28に伝え
る動力伝達部44と、ガイド47と、ガイド47を支持
する支持体48と、を有している。姿勢変換機構28は
ガイド47に沿って移動できるようにガイド47と嵌合
しており、モータ43を回転させるとこの回転駆動力が
動力伝達部44を介して姿勢変換機構28に伝えられ、
姿勢変換機構28がロータ回転機構27とともにガイド
47に沿ってZ方向(垂直方向)に所定距離移動するこ
とができるようになっている。
【0051】なお、Z軸リニア駆動機構29としてモー
タ43の回転変位を直線変位に変換する機構を示した
が、このような機構に限定されるものではなく、例え
ば、モータ43の代わりにエアーシリンダ等の直接に直
線変位を生ずる駆動機構を用いても構わない。
【0052】X軸リニア駆動機構30は、ガイド49
と、図示しないモータと、モータに連結されたボールネ
ジ39aと、ボールネジ39aに噛み合わされた噛み合
わせ部材39bと、ガイド49に嵌合して噛み合わせ部
材39bと支持体48とを連結する連結部材38と、を
有している。
【0053】モータを回転させることによってボールネ
ジ39aが動作し、ボールネジ39aの動作にしたがっ
て噛み合わせ部材39bはX方向に移動する。このとき
連結部材38が噛み合わせ部材39bと支持体48を連
結しているために、連結部材38と支持体48もまた噛
み合わせ部材39bとともにX方向に移動する。つま
り、噛み合わせ部材39bがX方向に移動する際には、
ロータ回転機構27と姿勢変換機構28とZ軸リニア駆
動機構29が同時にX方向に移動するようになってい
る。
【0054】図6は、姿勢変換機構28とZ軸リニア駆
動機構29とX軸リニア駆動機構30を用いて、ロータ
回転機構27を移動させるときの形態の一例を示す説明
図である。図6(a)はロータ回転機構27における連
結部32の移動軌跡を示したものであり、図6(b)〜
(e)はそれぞれ連結部32が図6(a)に示される位
置P1〜P4にあるときのロータ回転機構27の状態
(姿勢)を示している。以下、ウエハWを保持したロー
タ34をチャンバ70に挿入するために、連結部32が
位置P1から位置P4へ移動するようにロータ回転機構
27を移動させる場合を例について説明する。
【0055】連結部32が位置P1にあるときは、ロー
タ回転機構27はロータ34とウエハ搬送機構16との
間でウエハWの受け渡しを行うことができる位置にあ
り、このときにロータ回転機構27は縦姿勢の状態にあ
る。ウエハWがロータ34に収容された状態において、
最初にZ軸リニア駆動機構29を動作させて、ロータ回
転機構27および姿勢変換機構28を連結部32が位置
P2に移動するように上昇させる。位置P2において
は、姿勢変換機構28を動作させて、ウエハWが水平保
持から垂直保持の状態になるようにロータ回転機構27
全体を90°回転させ、ロータ回転機構27全体を横姿
勢の状態とする。
【0056】次に、再びZ軸リニア駆動機構29を動作
させて、ロータ回転機構27全体を横姿勢のままで連結
部32が位置P3に移動するように上昇させる。このよ
うに位置P2というロータ回転機構27を上昇させると
きの中間地点でロータ回転機構27の姿勢変換を行う
と、連結部32が位置P1や位置P3にあるときにロー
タ回転機構27を回転させる場合と比較して、ロータ回
転機構27の回転に必要な空間が狭くとも足りる。これ
により搬送部3aの占有容積を小さくすることが可能と
なる。
【0057】連結部32が位置P3に到達したら、次に
X軸リニア駆動機構30を動作させて連結部32の位置
を位置P4まで水平移動させる。連結部32が位置P4
にあるときには、ロータ34がチャンバ70に挿入され
て洗浄処理を行うことが可能となっている。このように
してロータ34をウエハ搬送機構16との受け渡し位置
から洗浄処理位置まで移動させることができる。
【0058】なお、連結部32が位置P4にあってロー
タ34がチャンバ70に挿入された状態は、後に示す図
7、図8に詳しく示している。また、ウエハWの洗浄処
理が終了した後には、連結部32が位置P4から位置P
1に移動するように、前述したロータ回転機構27の移
動経路を逆にたどることによって、ロータ34内のウエ
ハWをウエハ搬送機構16に受け渡し可能となる位置ま
で移動させることができることはいうまでもない。
【0059】次に洗浄部3bについて説明する。図2に
示すように、洗浄部3bには固定された外側チャンバ7
1aと水平方向にスライド自在な内側チャンバ71bと
からなる二重構造を有するチャンバ70が設けられてい
る。図7と図8は洗浄部3bに設けられたチャンバ70
にロータ34が挿入されている状態を示す断面図であ
る。ここで図7は内側チャンバ71bを外側チャンバ7
1aの外側に退避させた退避位置にある状態を、図8は
内側チャンバ71bを外側チャンバ71aに収容した処
理位置にある状態をそれぞれ示している。
【0060】外側チャンバ71aは、筒状体61aと、
筒状体61aの端面に設けられたリング部材62a・6
2bと、リング部材62a・62bの内周面に設けられ
たシール機構63a・63bと、水平方向に多数の洗浄
液吐出口54が形成され、筒状体61aに取り付けられ
た洗浄液吐出ノズル53と、洗浄液吐出ノズル53を収
容するノズルケース57と、外側チャンバ71aの下部
に設けられ、洗浄液を排出し、また排気をも行うことが
できる排気/排液管65aを有している。
【0061】内側チャンバ71bは、筒状体61bと、
筒状体61bの端面に設けられたリング部材66a・6
6bと、リング部材66a・66bの内周面にそれぞれ
2箇所ずつ設けられたシール機構67a・67bと、水
平方向に多数の洗浄液吐出口56が形成され、筒状体6
1bに取り付けられた洗浄液吐出ノズル55と、洗浄液
吐出ノズル55を収容したノズルケース58と、内側チ
ャンバ71bの下部に設けられ、洗浄液を排出するとと
もに排気を行うことができる排気/排液管65bを有し
ている。
【0062】図7および図8に示すように、洗浄部3b
には内側チャンバ71bを洗浄、乾燥するクリーニング
機構90が設けられている。クリーニング機構90は、
筒状体91と、筒状体91の一端面に取り付けられた円
盤92aと、筒状体91の別の端面に取り付けられたリ
ング部材92bと、筒状体91に取り付けられたガス吐
出ノズル93および排気管94と、を有し、円盤92a
には純水吐出ノズル73aと排気管73cが設けられて
いる。なお、後に示す図15および図16に示されるよ
うに、洗浄部3bには、内側チャンバ71bのスライド
機構120と、クリーニング機構90のスライド機構1
30が設けられている。
【0063】まず外側チャンバ71aについてより詳細
に説明する。図9はリング部材62b側から見た正面図
(但しリング部材62bは図示せず)である。外側チャ
ンバ71aの外形を形成する筒状体61aとリング部材
62a・62bは互いに固定されている。外側チャンバ
71a全体は筒状体61aを支持するようにして、フレ
ーム99a・99bを用いて所定位置に保持されてい
る。ここでフレーム99a・99bは、外側チャンバ7
1aの高さ位置と水平位置を微調整する位置調節機構9
8a・98bを具備しており、ロータ回転機構27の進
入・退出がスムーズに所定位置で行えるように調節可能
となっている。なお、フレーム99a・99bは、洗浄
部3bの外枠を構成する底板97a、天井板97bにそ
れぞれ固定されている。
【0064】リング部材62aにはロータ34が進入ま
たは退出するためのロータ搬入出口62cが形成されて
おり、このロータ搬入出口62cは図2に示すように蓋
体62dによって開閉自在となっている。ロータ搬入出
口62cは、ロータ34が外側チャンバ71aに進入し
た状態では、ロータ回転機構27に設けられた蓋体33
により閉塞され、蓋体33の外周面とロータ搬入出口6
2cとの間隙はシール機構63aによりシールされる。
こうしてチャンバ70から搬送部3aへの洗浄液の飛散
が防止される。
【0065】リング部材62aの外側下部には、ロータ
回転機構27を搬出する際に蓋体33やシール機構63
a等に付着していた洗浄液等がロータ搬入出口62cか
ら液漏れすることを防止するために、液受け62eが設
けられている。これにより洗浄部3bの床面の洗浄液に
よる汚れを防止して、洗浄部3bを清浄に保つことがで
きる。
【0066】図10はシール機構63a・63bの一例
を示した説明図である。シール機構63a・63bとし
ては、例えば、非シール時においては図10(a)に示
すように断面略M字型であるが、シール時には図10
(b)に示すように所定圧力の空気等を供給することに
よって中央の凹部が突出して山型となり、この頂点の部
分が図示しない蓋体33等に接触することでシール機能
が生ずるゴム製チューブ85を用いたものが好適に用い
られる。シール機構63a・63bはリング部材62a
・62bのそれぞれについて2箇所ずつ形成されてお
り、外側チャンバ71aのシール性をより確かなものと
している。
【0067】ゴム製チューブ85は、リング部材62a
・62bに形成された溝部86に嵌合されている。薬液
による劣化や経時劣化によってゴム製チューブ85が使
用不能となった場合には、ゴム製チューブ85のみを交
換することができる。なお、リング部材62a・62b
にゴム製チューブ85が嵌合された別のリング部材を取
り付け、ゴム製チューブ85と別のリング部材とを一括
して交換する構造としてもよい。このゴム製チューブ8
5の交換方法については後に詳細に説明する。
【0068】このようなガス圧を用いたシール機構63
a・63bを用いた場合には、ゴム製チューブ85に供
給するガス圧を大きくすることによって、外側チャンバ
71a内の処理圧力が高い場合であっても良好なシール
性を確保することが可能である。このようなシール機構
は、後述するシール機構67a・67bについても同様
に用いられる。空気圧を用いないゴム製シールリング等
を用いることもできるが、この場合にはシール性の強弱
を調節することはできないために、洗浄液の漏れ等が生
じないように、適宜注意を払うことが好ましい。
【0069】筒状体61aに設けられた洗浄液吐出ノズ
ル53には、薬液貯蔵ユニット5等の洗浄液供給源から
各種薬液や純水、IPAといった洗浄液や窒素(N
ガス等の乾燥ガスが供給されて、洗浄液吐出口54から
ロータ34に保持されたウエハWに向かってこれらの洗
浄液を吐出することができるようになっている。洗浄液
吐出ノズル53は、図7と図8では1本のみ示されてい
るが、複数本設けることも可能であり、また、必ずしも
筒状体61aの真上に設けなければならないものでもな
い。このことは洗浄液吐出ノズル55についても同様で
ある。
【0070】筒状体61aはリング部材62b側の外径
がリング部材62a側の外径よりも大きく設定された略
円錐状の形状を有している。また、筒状体61aはリン
グ部材62a側よりもリング部材62b側が低く位置す
るように勾配を設けて配置されている。このために洗浄
液吐出ノズル53からウエハWに向けて吐出された各種
の洗浄液は、自然に筒状体61aの底面をリング部材6
2a側からリング部材62b側に流れ、排気/排液管6
5aを通してドレイン(外部)に排出される。
【0071】排気/排液管65aからは排気も行うこと
ができるために、洗浄液吐出ノズル53からウエハWに
向けて吐出された窒素ガス等の乾燥ガスは、洗浄液吐出
ノズル53から排気/排液管65aの向きに流れやすく
なっている。
【0072】図11はこのような乾燥ガスの流れを模式
的に示した説明図である。外側チャンバ71aにロータ
34を挿入して所定位置に保持した際に、ウエハWの主
処理面(鏡面)84aが風下側であるリング部材62b
側内側を向き、ウエハWの裏面84bがリング部材62
a側を向くようにウエハWがロータ34に保持されてい
ると、気流はウエハWの主処理面84aに衝突し難くな
る。これによって、例えば、パーティクル等を含んだ気
流が流れてきた場合には、パーティクル等はウエハWの
主処理面84aには付着し難いために、主処理面84a
へのパーティクル等の付着が低減される。こうしてウエ
ハWの品質を高く維持し、製品への信頼性を高めること
が可能となる。
【0073】また、ウエハWの主処理面84aがリング
部材62b側を向き、ウエハWの裏面84bがリング部
材62a側を向くようにウエハWがロータ34に保持さ
れていると、外側チャンバ71a内を処理液が流れると
きに、この洗浄液が気流の影響等により液跳ねを起こし
ても、跳ねた洗浄液は洗浄液の流れの向きの影響を受け
てウエハWの主処理面84aに衝突し難くなる。これに
よりウエハWの主処理面84aに液滴が付着して液痕が
残るといった問題の発生を抑制することが可能となる。
【0074】次に、内側チャンバ71bとクリーニング
機構90について説明する。内側チャンバ71bを構成
する筒状体61bは、外側チャンバ71aの筒状体61
aとは異なり、リング部材66a側とリング部材66b
側とで同じ外径を有する円筒形状を有しており、水平に
設けられている。このために、筒状体61bの下部には
洗浄液の外部への排出を容易ならしめるために、筒状体
61bから突出し所定の勾配を有する溝部69が形成さ
れている。例えば、内側チャンバ71bが処理位置にあ
るときに、洗浄液吐出ノズル55からウエハWに向かっ
て吐出された洗浄液は溝部69を流れ、排気/排液管6
5bを通してドレインから排出される。
【0075】洗浄液吐出ノズル55には、薬液貯蔵ユニ
ット5等の洗浄液供給源から所定の薬液が供給されて、
洗浄液吐出口56からロータ34に保持されたウエハW
に向かって吐出することができるようになっている。ま
た、洗浄液吐出ノズル55からは、クリーニング機構9
0を用いて内側チャンバ71bを洗浄するために、純水
および窒素ガス等の乾燥ガスを吐出することができるよ
うになっている。
【0076】内側チャンバ71bが処理位置にある場合
には、図8に示されるように、リング部材66aと蓋体
33との間はシール機構67aによってシールされ、ま
たリング部材66bとリング部材62bとの間がシール
機構63bによってシールされ、かつ、リング部材66
bと円盤92aとの間がシール機構67bによってシー
ルされる。こうして、内側チャンバ71bが処理位置に
ある場合には、筒状体61b、リング部材66a・66
b、円盤92a、蓋体33によって処理室52が形成さ
れる。
【0077】一方、内側チャンバ71bが退避位置にあ
る状態では、リング部材66aとリング部材62bとの
間がシール機構63bによってシールされ、かつ、リン
グ部材66aと円盤92aとの間がシール機構67aに
よってシールされるようになっている。またロータ34
が外側チャンバ71a内に挿入されている場合には、蓋
体33とリング部材62aとの間がシール機構63aに
よってシールされている。このために内側チャンバ71
bが退避位置にあるときには、図7に示されるように、
筒状体61a、リング部材62a・62b、円盤92
a、内側チャンバ71bのリング部材66a、ロータ回
転機構27の蓋体33から処理室51が形成される。
【0078】内側チャンバ71bが退避位置にある状態
では、上述のように処理位置で処理室51が形成される
とともに、リング部材66aと円盤92aとの間がシー
ル機構67aによってシールされ、リング部材66bと
リング部材92bとの間がシール機構67bによってシ
ールされて、筒状体91の外周と筒状体61bの内周と
の間に狭い略筒状の洗浄処理室72が形成されるように
なっている。筒状体91の複数箇所に設けられたガス吐
出ノズル93からは洗浄処理室72に向かって窒素ガス
や空気等の乾燥ガスを噴射することが可能となってお
り、こうして、噴射された乾燥ガスは排気管94から排
気される。
【0079】したがって、内側チャンバ71bを処理位
置に移動させて、処理室52においてウエハWに所定の
薬液を供給した洗浄処理を行った後に、内側チャンバ7
1bを退避位置に移動させれば、外側チャンバ71aに
よって形成される処理室51においては引き続き、例え
ば、純水を用いた洗浄処理を行うことができる。
【0080】このときに、内側チャンバ71bを用いた
洗浄処理に使用した薬液に純水を加えた場合に生成する
希釈液が、例えば、強アルカリ性であっても、外側チャ
ンバ71aには薬液が付着していないことから、薬液が
付着しているウエハWやロータ34に純水が供給されて
も、生成する強アルカリ性希釈液の量は少なく、処理室
51内に留まる時間も短いことから、ウエハWは強アル
カリ性希釈液によるダメージを受け難い。これにより、
従来、薬液処理の後に行っていたIPA洗浄工程を省略
して、洗浄処理のスループットを向上させ、処理コスト
を低減することが可能となる。
【0081】なお、ウエハWの水洗処理が終了した後に
は引き続いて乾燥処理が行われるが、この乾燥処理が終
了した後には、外側チャンバ71aの内部もまた洗浄、
乾燥された状態となる。これにより次のバッチのウエハ
Wの洗浄処理において、内側チャンバ71bを用いた薬
液処理の後すぐに外側チャンバ71aを用いた水洗処理
を行うことができる。
【0082】このようにウエハWが純水によって洗浄さ
れ、また乾燥ガスによって乾燥される際に、円盤35a
において円盤92aと対向している面と、円盤35bに
おいて蓋体33と対向している面には、純水や乾燥ガス
が直接にはあたり難い。このために円盤92aに設けら
れた純水吐出ノズル73aから円盤35aを洗浄、乾燥
するために、また、蓋体33に設けられた純水吐出ノズ
ル73bから円盤35bを洗浄、乾燥するために、それ
ぞれ純水や乾燥ガスが吐出可能となっている。
【0083】なお、純水吐出ノズル73a・73bを用
いて、処理室51・52を所定のガス雰囲気とするため
に所定のガス、例えば、酸素(O)ガスや二酸化炭素
(CO)ガス等を吐出することも可能である。また、
処理室51・52に供給されたガスは、排気/排液管6
5a・65bのみならず、円盤92aに設けられた排気
管73cからも排気が可能である。
【0084】薬液処理が行われた後に退避位置にスライ
ドされた内側チャンバ71bについては、洗浄液吐出ノ
ズル55から洗浄処理室72に純水を吐出することによ
って自己洗浄を行う。洗浄処理室72は狭く、また、吐
出される純水が筒状体91から跳ね返ることから、少量
の純水を用いて効果的に内側チャンバ71bの洗浄を行
うことができる。洗浄液吐出ノズル55から純水を吐出
させることによって、洗浄液吐出ノズル55の内部の洗
浄をも同時に行うことができる。なお、筒状体91に純
水吐出ノズルを設けることも可能である。
【0085】こうして洗浄処理室72に吐出された純水
が排気/排液管65bから排出された後には、筒状体9
1に設けられたガス吐出ノズル93から窒素ガスや空気
等の乾燥ガスを洗浄処理室72に噴射する。こうして噴
射されたガスは排気管94および排気/排液管65bか
ら排気される。このとき洗浄液吐出ノズル55からも乾
燥ガスを噴射させることにより、洗浄液吐出ノズル55
内の乾燥処理を行うことができる。このようにして、内
側チャンバ71bの内部が清浄な状態とされることによ
り、内側チャンバ71bを次のウエハWの薬液処理に用
いることが可能となる。
【0086】このような内側チャンバ71bの洗浄、乾
燥を行う場合には、特にマランゴニ効果を利用すること
が好ましい。図12はマランゴニ効果を利用した内側チ
ャンバ71bの洗浄処理を行うクリーニング機構90の
構成の一形態を示す概略説明図である。図12において
は、内側チャンバ71bの筒状体61bとクリーニング
機構90の筒状体91は簡略化して示している。
【0087】図12に示すように、マランゴニ効果を利
用して内側チャンバ71bを洗浄する場合には、内側チ
ャンバ71bの上部に排気口144を設ける。また、洗
浄液吐出ノズル55へ薬液等を送液する送液管に切替バ
ルブ141a・141bが設けられ、この切替バルブ1
41a・141bを操作することにより、薬液もしくは
純水またはIPA蒸気を含む窒素ガスもしくは窒素ガス
を選択して洗浄処理室72へ送ることができるようにな
っている。IPA蒸気を含む窒素ガスは、例えば、IP
Aを貯留したタンク143へ窒素ガスをバブリングさせ
ることによって得ることができる。
【0088】溝部69から廃棄される排液は、切替バル
ブ142a〜142eを操作することによって、分別回
収、廃棄される。例えば、内側チャンバ71bによるウ
エハWの薬液処理中は、使用された薬液は切替バルブ1
42aを通して薬液を回収するタンク1に回収される。
切替バルブ142bを通してタンク2へ所定の薬液が回
収され、切替バルブ142cを通してタンク3へ所定の
薬液が回収される構成とすることにより、複数の種類の
薬液を使用してウエハWの処理を行う場合の薬液毎の回
収が可能となっている。
【0089】切替バルブ142dは、例えば、30dm
/分〜70dm/分で洗浄液を流すことができ、切
替バルブ142eは、例えば、5dm/分〜25dm
/分で洗浄液を流すことができるようになっている。
後述するように切替バルブ142dは内側チャンバ71
bの洗浄時に用いられる多量の純水を流す場合等に使用
され、切替バルブ142eは洗浄処理室72に貯留した
純水を一定流量で排出する際に使用される。
【0090】図13は、このような構成を有するクリー
ニング機構90を用いた内側チャンバ71bの洗浄方法
の一形態を示すフローチャートであり、図14は図13
に示すステップ2〜ステップ5における洗浄処理の形態
を模式的に示す説明図である。最初に内側チャンバ71
bを用いたウエハWの薬液処理の後に内側チャンバ71
bを退避位置へスライドさせて洗浄処理室72を形成す
る(ステップ1)。洗浄液吐出ノズル55から純水を吐
出させて、洗浄処理室72を形成している壁面に付着し
た薬液を洗い流す(ステップ2)。このステップ2の状
態は図14(a)に示されている。また、ステップ2で
は、排気口144は閉じた状態とされ、薬液を含む純水
は切替バルブ142dを通して廃棄される。
【0091】ドレインから排出される純水に薬液が殆ど
含まれないようになったら、切替バルブ142a〜14
2eを全て閉じた状態とし、かつ、排気口144を開口
して、洗浄処理室72内に純水を貯留する(ステップ
3)。このステップ3の状態は図14(b)に示されて
いる。このとき排気口144からは洗浄処理室72に純
水が貯留される体積に相当するだけのガスが抜ければよ
い。洗浄処理室72内に貯留する純水の量は、例えば、
洗浄液吐出ノズル55が貯留した純水に触れない程度と
することができる。
【0092】続いて、所定量のIPAを含んだ窒素ガス
を洗浄液吐出ノズル55から洗浄処理室72に吐出させ
ながら、洗浄処理室72内が一定の圧力となるように排
気口144からの排気を行い、かつ、切替バルブ142
eを通じて洗浄処理室72内に貯留された純水を排出す
る(ステップ4)。このステップ4の状態は図14
(c)に示されている。
【0093】ステップ4では、洗浄処理室72に供給さ
れたIPAが純水の表面近傍に多く溶け込む。そこで、
洗浄処理室72内の純水の水面が一定速度で降下するよ
うに、切替バルブ142eの開閉量を制御する。これに
よりIPAの多く溶け込んだ純水が洗浄処理室72を形
成する壁面を伝って降下する際に、マランゴニ効果が生
じる。このマランゴニ効果により、洗浄処理室72を形
成する壁面に純水の液滴が残ることなく均一に乾燥させ
ることができる。
【0094】洗浄処理室72から純水を排出した後に
は、排気口144を閉じて切替バルブ142dから排気
を行える状態とし、洗浄液吐出ノズル55から窒素ガス
のみを吐出させて洗浄処理室72を乾燥させる(ステッ
プ5)。このステップ5の状態は図14(d)に示され
ている。ステップ5では筒状体91に設けられたガス吐
出ノズル93(図7、図8参照)からも窒素ガスを吐出
させることも好ましい。なお図14(d)にはガス吐出
ノズル93は図示していないが、ガス吐出ノズル93か
らの窒素ガスの吐出形態を付記している。このような窒
素ガスによる乾燥処理は、洗浄処理室72を形成する壁
面は適度に湿った状態が保持されて完全には乾燥しない
ように行う。これによりパーティクルの発生を防止する
ことができる。
【0095】このような内側チャンバ71bの洗浄処理
は、ウエハWの1バッチ処理毎に行うことができる。ま
た、複数バッチ、例えば、5バッチ分のウエハWの処理
が終了した後に内側チャンバ71bの洗浄処理を1度行
うようにしてもよい。さらに、予め決められた一定時間
が経過したときに内側チャンバ71bの洗浄処理を行っ
てもよい。この場合にはウエハWの処理の進行状況を確
認してそのウエハWの処理に支障が生じないようにす
る。
【0096】さらにまた、洗浄処理装置1を使用しない
時間が一定時間経過した場合、例えば、メンテナンス等
のために洗浄処理装置1の稼働を長時間停止した場合に
は、内側チャンバ71bが完全に乾燥することによって
パーティクルが発生していると考えられるために、その
後に行う最初の1バッチの処理前に内側チャンバ71b
の洗浄処理を行うことも好ましい。これにより内側チャ
ンバ71b内に存在するパーティクル等を除去して清浄
な環境でウエハWの処理を行うことができる。
【0097】次に、洗浄部3bにおける内側チャンバ7
1bのスライド機構120とクリーニング機構90のス
ライド機構130について説明する。図15は、内側チ
ャンバ71bを処理位置に移動させ、かつ、クリーニン
グ機構90をメンテナンス位置に移動させた状態を示し
た平面図であり、図16は、内側チャンバ71bとクリ
ーニング機構90をともにメンテナンス位置に移動させ
た状態を示す平面図である。
【0098】なお、クリーニング機構90が内側チャン
バ71bの退避位置にある状態は図7および図8に示さ
れており、その位置は、外側チャンバ71aの位置を基
準として明確に把握されることから、クリーニング機構
90が内側チャンバ71bの退避位置にある状態を示す
平面図は示していない。また、図7および図8に示され
るように、ウエハWの洗浄処理を行う状態においては、
クリーニング機構90は内側チャンバ71bの退避位置
にあり、洗浄処理室72を形成することができる位置に
ある。このために内側チャンバ71bの退避位置がクリ
ーニング機構90にとっての「処理位置」ということが
できるが、本説明においては、便宜上、クリーニング機
構90が内側チャンバ71bの退避位置にあるときはク
リーニング機構も退避位置にあるものということとす
る。
【0099】クリーニング機構90の構成部材である筒
状体91の内部には、円盤92aとリング部材92bと
の間に架設されたフレーム95と、フレーム95に取り
付けられ、後述するガイド132を貫通させるための空
間を形成することができる貫通孔形成部材96a(円盤
92a側)・96b(リング部材92b側)が設けられ
ている。また、クリーニング機構90のスライド機構1
30は、境界壁25に固定して設けられた支柱131
と、2本のガイド132と、ガイド132間に架設して
設けられたストッパ133a・133bと、ガイド13
2と支柱131とを連結する連結部材134と、を有し
ている。支柱131と連結部材134とはネジ135等
を用いて固定されているために、クリーニング機構90
とガイド132および連結部材134とを一体的に支柱
131に取り付け、また、支柱131から取り外すこと
ができるようになっている。
【0100】2本のガイド132は固定されており、2
本のガイド132のそれぞれがフレーム95と貫通孔形
成部材96a・96bによって形成される空洞を貫通す
るようにして、クリーニング機構90は配置されてい
る。これによりクリーニング機構90は退避位置とメン
テナンス位置との間をスライドできるようになってい
る。
【0101】クリーニング機構90を退避位置へ移動さ
せる場合には、貫通孔形成部材96aがストッパ133
aに当接することにより筒状体91が位置決めされ、ま
た、図示しないストッパにより筒状体91が移動しない
ように保持される。
【0102】クリーニング機構90をメンテナンス位置
へ移動させる場合には、貫通孔形成部材96bがストッ
パ133bに当接することにより筒状体91が位置決め
されるようになっている。なお、クリーニング機構90
のメンテナンス位置における位置決めは、リング部材9
2bを連結部材134に当接させることによって行うこ
ともできる。
【0103】内側チャンバ71bのスライド機構120
は、ガイド121と、ガイド121に沿って移動可能な
移動体123と、移動体123と内側チャンバ71bの
リング部材66bとを連結する連結部材122と、移動
体123のスライド範囲を制限するストッパ124とを
有し、連結部材122はリング部材66bと脱着可能と
なっている。洗浄処理時には、ストッパ124が内側チ
ャンバ71bのスライド範囲を処理位置と退避位置との
間に制限するが、メンテナンス時にストッパ124を取
り外すことによって、内側チャンバ71bをメンテナン
ス位置にスライドさせることが可能となる。
【0104】スライド機構120とスライド機構130
を用いて、内側チャンバ71bとクリーニング機構90
の位置を適宜調節することによって、外側チャンバ71
aや内側チャンバ71bを取り外すことなく、シール機
構63a・63b・67a・67bにおけるゴム製チュ
ーブ85の交換を容易に行うことができる。
【0105】具体的には、内側チャンバ71bとクリー
ニング機構90の位置に関係なく、シール機構63aに
は搬送部3a側からロータ搬入出口62cを通してアク
セスできる。また図8または図15に示したように、内
側チャンバ71bが処理位置にある場合には、シール機
構67aには搬送部3a側からロータ搬入出口62cを
通してアクセスすることが可能である。これにより、例
えば、シール機構63aとシール機構67aのゴム製チ
ューブ85の交換を容易に行うことができる。
【0106】また、図15に示すように、内側チャンバ
71bを処理位置に保持し、クリーニング機構90をメ
ンテナンス位置に移動させることによって、内側チャン
バ71bのシール機構67bにアクセスして、シール機
構67bのゴム製チューブ85の交換を行うことができ
る。さらに図16に示すように、内側チャンバ71bを
メンテナンス位置に保持し、クリーニング機構90もま
たメンテナンス位置に移動させることによって、外側チ
ャンバ71aのシール機構63bにアクセスして、シー
ル機構63bのゴム製チューブ85の交換を容易に行う
ことができるようになっている。
【0107】なお、内側チャンバ71bを処理位置に移
動させた状態でクリーニング機構90を取り外した後
に、内側チャンバ71bをメンテナンス位置に移動させ
ることによって、内側チャンバ71bも取り外しが容易
である。こうして定期的なメンテナンス等において、容
易に洗浄部3bの細部にわたる清掃を行うことが可能と
なる。
【0108】次に、フープステージ2aに載置されたフ
ープFをフープF1とし、フープステージ2bに載置さ
れたフープFをフープF2として、これら2個のフープ
F1・F2に収容されたウエハWの洗浄処理を行う場合
を例に、その洗浄処理工程について説明する。まず、2
5枚のウエハWが所定の間隔で平行に収容されたフープ
F1・F2を、フープF1・F2においてウエハWの出
し入れを行うウエハ搬入出口が窓部12a・12bと対
面するように、それぞれフープステージ2a・2bに載
置する。
【0109】まずフープF1に収容されたウエハWを搬
出するために、窓部12aを開口させてフープF1の内
部とウエハ搬送ユニット4の内部が連通した状態とす
る。その後に、フープF1内のウエハWの枚数および収
容状態の検査をウエハ検査機構110を用いて行う。こ
こでウエハWの収容状態に異常が検出された場合にはフ
ープF1のウエハWについては処理を中断し、例えば、
フープF2に収容されたウエハWの搬出を行う。
【0110】フープF1内におけるウエハWの収容状態
に異常が検出されなかった場合には、フープF1に収容
された全てのウエハWをウエハ搬送機構16を動作させ
て搬送用ピック17aに移し替え、続いてリニア駆動機
構19および回転機構22を動作させて、搬送用ピック
17aがロータ34にアクセスできる状態とする。昇降
機構23により搬送用ピック17aの高さ位置を調節
し、窓部25aを開口させ、ホルダー開閉機構80を用
いてホルダー36bを開き、ウエハWを保持した搬送用
ピック17aをロータ34に挿入する。ホルダー36b
を閉じた後に搬送用ピック17aを引き戻すことにより
ウエハWはロータ34に移し替えられる。
【0111】ホルダー開閉機構80を退避させた後に、
ロータ34が外側チャンバ70aに挿入され、また、ロ
ータ搬入出口62cに蓋体33が位置するように、姿勢
変換機構28とZ軸リニア駆動機構29とX軸リニア駆
動機構30を駆動させてロータ回転機構27を移動させ
る。そして、シール機構63aを動作させてリング部材
62aと蓋体33との間をシールし、さらに内側チャン
バ71bを処理位置に移動させて処理室52を形成す
る。ロータ34をモータ31の駆動によって回転させ、
この状態で洗浄液吐出ノズル55から所定の薬液をウエ
ハWに供給して薬液処理を行う。
【0112】薬液処理の終了後は内側チャンバ71bを
退避位置に移動させ、内側チャンバ71bについてはク
リーニング機構90による洗浄、乾燥処理を行い、次バ
ッチのウエハWの処理のための準備を行う。一方、外側
チャンバ71aによって形成される処理室51にあるウ
エハWについては、ウエハWを回転させながら、洗浄液
吐出ノズル53から純水を吐出して水洗処理を行い、次
いで窒素ガスによる乾燥処理を行う。
【0113】このように洗浄処理ユニット3においてウ
エハWの処理が行われている間に、ウエハ搬送ユニット
4においては、ウエハWを保持していない状態となった
ウエハ搬送機構16を、搬送用ピック17aがフープス
テージ2bに載置されたフープF2にアクセスできるよ
うに移動させて、フープF1からウエハWを搬出した方
法と同様の方法を用いて搬送用ピック17aにフープF
2に収容されているウエハWを移し替える。続いてウエ
ハWを保持していない搬送用ピック17bが窓部25a
を介してロータ34にアクセスできるように、ウエハ搬
送機構16を移動させる。このとき、搬送用ピック17
aが未処理のウエハWを保持している。
【0114】洗浄処理ユニット3においてウエハWの洗
浄処理が終了した後に、ウエハWを保持したロータ回転
機構27をX軸リニア駆動機構30等を駆動させて、ウ
エハWを搬送用ピック17a・17bとロータ34との
間で受け渡し可能な位置へ移動させる。窓部25aを開
口させて、最初に搬送用ピック17bをロータ34にア
クセスさせて、ロータ34に保持されたウエハWを搬送
用ピック17bに移し替える。続いて搬送用ピック17
aがロータ34にアクセスできるように回転機構22を
動作させてテーブル21を180°回転させ、搬送用ピ
ック17aに保持された未処理のウエハWをロータ34
へ移し替える。
【0115】ロータ34に保持されたフープF2のウエ
ハWについては、前述したフープF1に収容されていた
ウエハWの洗浄処理と同様の工程により洗浄処理を施
す。その間に、ウエハ搬送機構16については、搬送用
ピック17bがフープF1にアクセスできるように移動
させ、洗浄処理の終了したウエハWをフープF1に移し
替える。その後に、ウエハ搬送機構16を搬送用ピック
17bがロータ34にアクセスできる状態としておく。
洗浄処理が終了したフープF2のウエハWは、洗浄処理
が終了したフープF1のウエハWをフープF1へ戻した
手順と同様の手順にってフープF2に収容される。こう
してフープF1・F2に収容されたウエハWについての
洗浄処理が終了する。
【0116】なお、例えば、フープステージ2cにウエ
ハWが収容されたフープF3がさらに配置されている場
合については、フープF1のウエハWの処理が終了した
後に、搬送用ピック17aにフープF3に収容されたウ
エハWを移し替え、洗浄処理が終了したフープF2のウ
エハWをロータ34から搬出した後に、搬送用ピック1
7aに保持されたウエハWをロータ34に移し替えるこ
とによって、連続してフープF3のウエハWの洗浄処理
を行うことができる。
【0117】以上、本発明の実施の形態について説明し
てきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるもので
はない。例えば、上記実施の形態では、クリーニング機
構90を構成する筒状体91にガス吐出ノズル93を設
けた例を示したが、筒状体91には洗浄処理室72に純
水を吐出する純水吐出ノズルを設けもよく、また、ガス
吐出ノズル93から純水もまた吐出可能な構成とするこ
とも好ましい。また、内側チャンバ71bの乾燥を促進
させるために、内側チャンバ71bを構成する筒状体6
1bにヒータを設けることも好ましい。
【0118】さらにクリーニング機構90の構成の変更
も可能である。図17はクリーニング機構90の別の実
施形態であるクリーニング機構90´の概略構造と動作
形態を示す説明図である。クリーニング機構90´は、
伸縮可能な筒状体(ベローズ)91´と、ベローズ91
´を保持するベローズ保持部材151とを有しており、
ベローズ保持部材151は内側チャンバ71bのリング
部材66bに固定されている。ベローズ保持部材151
には純水や窒素ガスを吐出可能な純水吐出ノズル152
が設けられており、円盤92aにも純水やガスを吐出す
る純水吐出ノズル153が設けられている。この純水吐
出ノズル153を保持する配管に円盤92を保持する役
割を持たせることができる。
【0119】図17(a)に示されるように、内側チャ
ンバ71bが処理位置にあるときには、ベローズ91´
は縮んだ状態となる。一方、図17(b)に示されるよ
うに、内側チャンバ71bが退避位置にあるときには、
ベローズ91´が延びることで洗浄処理室72´が形成
される。この洗浄処理室72´内に純水吐出ノズル15
2から純水やガスを吐出することにより内側チャンバ7
1bの洗浄処理を行うことができる。なお、前述したマ
ランゴニ効果を利用して内側チャンバ71bの洗浄処理
を行う場合には、洗浄処理室72´の排気を行う排気口
はベローズ保持部材151の上部に設ければよい。
【0120】このようなクリーニング機構90´におい
ては、内側チャンバ71bが処理位置にあるときに、ベ
ローズ91´とベローズ保持部材151との間で形成さ
れる空間は密閉されるために、内側チャンバ71bの洗
浄処理を行った後にベローズ91´に薬液や純水が付着
していた場合にも、これらの洗浄液が外部へ蒸発するこ
とを防止することができ、また、ベローズ91´からの
液だれを防止することもできる。
【0121】上記実施の形態においては、本発明を洗浄
処理装置に適用した場合について示したが、本発明は、
複数の処理液を連続して用いる液処理を行う場合におい
て、ある処理液による液処理に対してその前段階で使用
された処理液が混入することが好ましくないために、用
いる処理液を変える際にチャンバの洗浄を行っておく必
要がある液処理装置全般に用いることが可能である。例
えば、本発明の液処理装置は、所定の塗布液を塗布する
塗布処理やエッチング処理等に適用することも可能であ
る。
【0122】また、チャンバ70として二重構造を有す
る場合を例に説明したが、チャンバは1個でもよく、ま
た、三重構造であってもよい。1個のチャンバを用いる
場合には、薬液処理後にチャンバを洗浄している際には
基板に対しては続いて液処理を行うことができない場合
が多くなり、スループットの向上という効果は得られ難
いが、前段で使用された薬液と後段で使用される薬液と
の混合を防止するために、これらの薬液処理の中間にお
いて前段の薬液を洗い流すために用いられていた処理液
を使用する必要がなくなるために、処理コストを低減さ
せる効果を得ることが可能となる。さらに、基板として
は半導体ウエハを例に挙げたが、これに限らず、液晶表
示装置(LCD)用基板等、他の基板の処理にも適用す
ることができる。
【0123】
【発明の効果】上述の通り、本発明の液処理装置にはチ
ャンバのクリーニング機構が設けられているために、複
数の処理液を連続して用いる液処理を行う場合におい
て、ある処理液に対してその前段階で使用された処理液
が混入することが好ましくないときには、処理液を変え
る前にチャンバの洗浄を行うことが可能である。これに
より処理液のコンタミネーションの発生が防止され、処
理液の特性を引き出して精度の高い液処理を行うことが
可能となり、ひいては基板の品質を高く保持することが
可能となるという効果が得られる。また、例えば、所定
の薬液を用いた液処理の後に、その処理液を除去するた
めの予備的な処理液を供給する必要があった場合には、
チャンバを洗浄することができるために、予備的な処理
液による処理工程を省略して、次の所定の処理液による
液処理を行うことが可能となる。これにより予備的な処
理液に要する費用を削減し、また処理時間を短縮するこ
とも可能となり、処理コストが低減されるという効果が
得られる。特に、二重構造のチャンバを用いた場合に
は、一方のチャンバを用いて液処理を行った後に時間を
空けることなく別のチャンバを用いて液処理を行うこと
ができ、これによってスループットを向上させることが
できるために、処理コストの低減の効果をより大きく得
ることが可能となる。
【0124】また、本発明によれば、二重構造を有する
チャンバを用いた場合において、チャンバを取り外す必
要なくして、チャンバのシール機構に容易にアクセスで
きるために、チャンバから薬液等の漏れが生じた場合や
定期的なメンテナンスにおいて、シール機構の交換等の
作業を容易に行うことが可能となる。これにより作業時
間を短縮することが可能となり、作業コストやメンテナ
ンスコストが削減されるのみならず、チャンバ等の重量
物の脱着を行う頻度が減少するために、作業員の作業安
全性も高められるという効果が得られる。
【0125】さらに本発明によれば、チャンバ内に供給
されるガスや処理液の流れを、基板の裏面から主処理面
側へ向かう方向としており、これによって、例えば、パ
ーティクルが気流に沿って運ばれてきた場合でもパーテ
ィクルは基板の表面に付着し難くなり、こうして、基板
の主処理面の清浄度が高く保持されて製品の信頼性が高
められるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である洗浄処理装置を示す
斜視図。
【図2】図1に示した洗浄処理装置の平面図。
【図3】図1に示した洗浄処理装置の側面図。
【図4】図1に示した洗浄処理装置の別の側面図。
【図5】ロータの構造を示す説明図。
【図6】ロータ回転機構の移動形態を示す説明図。
【図7】ロータをチャンバに挿入した状態の一形態を示
す断面図。
【図8】ロータをチャンバに挿入した状態の別の形態を
示す断面図。
【図9】外側チャンバの保持状態を示す正面図。
【図10】シール機構の非シール時とシール時の状態を
示す説明図。
【図11】外側チャンバ内での気流の状態を示す説明
図。
【図12】クリーニング機構の構成の一形態を示す説明
図。
【図13】内側チャンバの洗浄方法の一形態を示すフロ
ーチャート。
【図14】内側チャンバの洗浄形態を模式的に示す説明
図。
【図15】洗浄部におけるチャンバとクリーニング機構
の位置関係の一形態を示す平面図。
【図16】洗浄部におけるチャンバとクリーニング機構
の位置関係の別の形態を示す平面図。
【図17】クリーニング機構の構成の別の形態を示す説
明図。
【符号の説明】
1;洗浄処理装置 2;フープ搬入出部 3;洗浄処理ユニット 4;ウエハ搬送ユニット 5;薬液貯蔵ユニット 6;電源ボックス 16;ウエハ搬送機構 27;ロータ回転機構 34;ロータ 63a・63b;シール機構 67a・67b;シール機構 71a;外側チャンバ 71b;内側チャンバ 90;クリーニング機構 91;筒状体 92a;円盤 92b;リング部材 93;ガス吐出ノズル 94;排気管 120;スライド機構(内側チャンバ用) 130;スライド機構(クリーニング機構用) F;フープ W;半導体ウエハ(基板)

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の基板に処理液を供給して液処理を
    行う液処理装置であって、 前記複数の基板を所定間隔で保持可能なロータと、 前記ロータを収容可能であり、処理位置と退避位置との
    間でスライド自在に設けられたチャンバと、 前記チャンバ内に収容された基板に前記処理液を吐出す
    る処理液吐出ノズルと、 前記チャンバを洗浄するクリーニング機構と、 を具備し、 前記クリーニング機構は、 前記退避位置において前記チャンバの内部に位置し、前
    記チャンバとの間に洗浄処理室を形成するように設けら
    れた処理室形成用部材と、 前記洗浄処理室に洗浄液を吐出する洗浄液吐出ノズル
    と、 前記洗浄処理室に乾燥用ガスを吐出するガス吐出ノズル
    と、 を有することを特徴とする液処理装置。
  2. 【請求項2】 前記ロータに保持された基板が面内回転
    するように前記ロータに連結して設けられた回転手段
    と、前記ロータおよび前記回転手段を処理位置と前記ロ
    ータにおいて基板の搬入出が行われる基板受渡位置との
    間で移動させる移動機構と、 をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の液
    処理装置。
  3. 【請求項3】 前記チャンバは、固定して設けられた略
    筒状の外側チャンバと、前記外側チャンバの内部に収容
    可能であって処理位置と退避位置との間でスライド自在
    に設けられた略筒状の内側チャンバとからなる二重構造
    を有し、 前記クリーニング機構は前記内側チャンバを前記退避位
    置において洗浄し、 前記処理室形成用部材は、前記内側チャンバの退避位置
    において前記内側チャンバの内壁との間に略筒状の洗浄
    処理室を形成する筒状体であることを特徴とする請求項
    1または請求項2に記載の液処理装置。
  4. 【請求項4】 前記外側チャンバの一方の端面において
    前記ロータが進入および退出可能であり、前記外側チャ
    ンバの他方の端面において前記内側チャンバが進入およ
    び退出可能であることを特徴とする請求項3に記載の液
    処理装置。
  5. 【請求項5】 前記ガス吐出ノズルは少なくとも前記筒
    状体に設けられていることを特徴とする請求項3または
    請求項4に記載の液処理装置。
  6. 【請求項6】 前記ガス吐出ノズルから吐出されるガス
    を排気する排気口は前記筒状体に設けられていることを
    特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項に記載
    の液処理装置。
  7. 【請求項7】 前記洗浄液吐出ノズルは前記ロータに保
    持された基板に処理液を吐出する別の処理液吐出ノズル
    として用いられることを特徴とする請求項1から請求項
    6のいずれか1項に記載の液処理装置。
  8. 【請求項8】 前記処理液吐出ノズルもまた前記チャン
    バを洗浄する洗浄液を吐出可能であることを特徴とする
    請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の液処理装
    置。
  9. 【請求項9】 固定して設けられた略筒状の外側チャン
    バと、 前記外側チャンバの内部に収容可能であって処理位置と
    退避位置との間でスライド自在に設けられた略筒状の内
    側チャンバと、 前記内側チャンバを前記退避位置において洗浄するクリ
    ーニング機構と、 を具備した液処理装置を用いて、 複数の基板を所定間隔で保持可能なロータに保持された
    基板に処理液を供給して液処理を行う液処理方法であっ
    て、 前記処理位置において前記内側チャンバを用いて前記基
    板の液処理を行う第1工程と、 前記内側チャンバを退避させた後に前記外側チャンバを
    用いて前記基板の液処理を行う第2工程と、 前記クリーニング機構による前記内側チャンバの洗浄処
    理を前記退避位置において所定のタイミングで行う第3
    工程と、 を有することを特徴とする液処理方法。
  10. 【請求項10】 前記第3工程は、 前記内側チャンバ内に筒状体を配置して洗浄処理室を形
    成する第1副工程と、 前記洗浄処理室に純水を供給して前記内側チャンバを洗
    浄する第2副工程と、 前記洗浄処理室をマランゴニ効果を利用して乾燥する第
    3副工程と、 を有することを特徴とする請求項9に記載の液処理方
    法。
  11. 【請求項11】 前記第3工程は、 前記内側チャンバ内に筒状体を配置して洗浄処理室を形
    成する第1副工程と、 前記洗浄処理室に純水を供給しながら、前記洗浄処理室
    から使用済み純水を一定量廃棄する第2副工程と、 前記洗浄処理室に純水を貯留する第3副工程と、 前記洗浄処理室に不活性ガスと水溶性溶剤を供給しなが
    ら、前記洗浄処理室に貯留された純水を外部へ一定流量
    で排出し、マランゴニ効果を利用して前記内側チャンバ
    の内壁を乾燥させる第4副工程と、 を有することを特徴とする請求項9に記載の液処理方
    法。
  12. 【請求項12】 前記第3工程を前記第2工程と並行し
    て行うことを特徴とする請求項9から請求項11のいず
    れか1項に記載の液処理方法。
  13. 【請求項13】 前記複数の基板のバッチ処理が所定回
    数行われた後に前記第3工程を行うことを特徴とする請
    求項9から請求項12のいずれか1項に記載の液処理方
    法。
  14. 【請求項14】 所定時間が経過した際に前記第3工程
    を定期的に行うことを特徴とする請求項9から請求項1
    2のいずれか1項に記載の液処理方法。
  15. 【請求項15】 前記基板の液処理が所定時間行われて
    いない場合において、前記基板の処理が開始または再開
    される直前に前記第3工程を行うことを特徴とする請求
    項9から請求項12のいずれか1項に記載の液処理方
    法。
  16. 【請求項16】 基板に処理液を供給して液処理を行う
    液処理装置であって、 複数の基板を所定間隔で略平行に保持するロータと、 前記ロータを内部に収容可能であり、処理位置に固定し
    て設けられた略筒状の外側チャンバと、 前記ロータを内部に収容可能であり、かつ、前記外側チ
    ャンバの内部に収容可能な略筒状の内側チャンバと、 前記内側チャンバの内部に収容可能な筒状体と、 前記ロータに保持された基板に処理液を吐出する処理液
    吐出ノズルと、 前記内側チャンバを洗浄する洗浄液を吐出する洗浄液吐
    出ノズルと、 前記内側チャンバを前記処理位置と退避位置と前記退避
    位置よりも前記処理位置から離れているメンテナンス位
    置との間でスライド可能とする第1のスライド機構と、 前記筒状体を前記退避位置と前記メンテナンス位置との
    間でスライド可能とする第2のスライド機構と、 前記内側チャンバと前記外側チャンバとの間をシールす
    るように前記外側チャンバの一端面に設けられた第1の
    シール機構と、 前記筒状体と前記内側チャンバとの間をシールするよう
    に前記内側チャンバの端面に設けられた第2のシール機
    構と、 を具備し、 前記内側チャンバを前記処理位置と前記メンテナンス位
    置との間でスライドさせて所定の位置に保持し、また、
    前記筒状体を前記退避位置と前記メンテナンス位置との
    間でスライドさせて所定の位置に保持することにより前
    記第1のシール機構および前記第2のシール機構に容易
    にアクセス可能となることを特徴とする液処理装置。
  17. 【請求項17】 前記第1および第2のシール機構は、
    空気圧により膨張してシール性が発現するゴム製チュー
    ブを具備したエアーシール機構であることを特徴とする
    請求項16に記載の液処理装置。
  18. 【請求項18】 複数の基板に処理液を供給して液処
    理を行う液処理装置であって、 複数の基板を所定間隔で保持可能なロータと、 一方の端面の外径が他端の端面の外径よりも長いテーパ
    ー状の胴部を有し、かつ、前記端面を略垂直として底部
    に所定の勾配をもって設けられたチャンバと、 前記ロータに保持された基板にガスまたは処理液を吐出
    するガス/処理液吐出ノズルと、 前記チャンバにおける長径側の端面に設けられた排気お
    よび排液を行う排気/排液機構と、 を具備し、 前記ロータは、基板の主処理面が前記長径側の端面を向
    くように略垂直な状態で基板を保持して前記チャンバに
    進入および退出可能となっていることを特徴とする液処
    理装置。
  19. 【請求項19】 一方の端面の外径が他方の端面の外径
    よりも長いテーパー状の胴部を有し、かつ、前記端面は
    略垂直であって底部に所定の勾配を有するチャンバと、 前記チャンバに進入および退出可能であって、複数の基
    板を略垂直な状態で水平方向に所定間隔で保持可能なロ
    ータと、 前記ロータに保持された基板が面内で回転するように前
    記ロータを回転させる回転機構と、 前記ロータに保持された基板にガスまたは処理液を吐出
    するガス/処理液吐出ノズルと、 前記チャンバにおける長径側の端面に設けられた排気お
    よび排液を行う排気/排液機構と、 を具備する液処理装置を用いた基板の液処理方法であっ
    て、 前記ロータに保持された全ての基板の主処理面が前記チ
    ャンバの長径側の端面を向くように前記ロータを前記チ
    ャンバ内に配置させることによって、前記基板の主処理
    面の汚れを低減させることを特徴とする液処理方法。
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