JP2002244000A - 海底光ケーブルの引留め装置 - Google Patents
海底光ケーブルの引留め装置Info
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Abstract
引留める。 【解決手段】 引留め装置の引留め部10はアンカーデ
ィスク11とウェッジ10Wで構成される。引留め面1
6であるアンカーディスク11とウェッジ10Wの内外
テーパー面で海底光ケーブルの抗張力線層3を構成する
鋼線(3a、3b・・・)や耐圧層2を構成する分割個
片(2a、2b、2c)等からなる抗張力体9を挟持し
て引き留める。引留め部10の内部硬度は抗張力体9よ
り低い。抗張力体と接触する引留め面の表面に凹凸形状
を付け、表面硬化処理を施して表面硬化層の硬度を抗張
力体の硬度より高くし、引留め面の凸部が抗張力体に食
い込み摩擦係数を増し、且つ引留め部10内部の塑性変
形により抗張力体9と引留め面16の接触面積を増加し
て確実にケーブルを引留める。
Description
線路とする海底光ケーブルの中継器等に使用される引留
め装置に係わる。
ルの構造としては、例えば図5に示すものが用いられて
いる。図5は海底光ケーブル50の構造を模式的な斜視
図で示している。海底光ケーブル50の中心部分はタイ
ト型の光ファイバユニット1で、複数本の光ファイバ心
線1aを撚り合わせた集合体を紫外線硬化型合成樹脂
(例えば、紫外線硬化ウレタン)、あるいは熱可塑性合
成樹脂によって固めたものである。なお、上記タイト型
に代わってルースチューブ型ユニットが使用されること
もある。
ら保護するための耐圧層で、断面が扇形の分割個片(2
a、2b、2c)を3個縦沿えして組み合わせて使用し
ている。3はケーブルに加わる引張力に十分対応できる
ように、主として鋼線で形成される抗張力線(3a、3
b、3c、・・・)を撚り合わせて構成した抗張力線層
で図では1層とされている。この抗張力線層3は1層ま
たは多層構造とされ、ケーブルの布設時の負荷に十分耐
える抗張力を付加し、かつ、障害に対してケーブルを保
護する。4は前記抗張力線層3の結束と気密を保ち、中
継器への給電路となる金属チューブ層で、通常、銅また
はアルミ等からなる金属テープを縦添え溶接して縮径
し、チューブ状に形成したものである。また、5及び6
は海水との絶縁及び機械的保護を目的とするポリエチレ
ン等で形成する絶縁シース層である。
を撚り巻きして耐圧層を形成した例で、光ファイバユニ
ット1の外周部にコンパウンドを充填しながら鋼線(3
a、3a・・・)を撚り巻きして、さらにその上に線径
の異なる鋼線(3b、3b、・・・)を撚り巻きして耐
圧層および抗張力線層としている。金属チューブ層4、
ポリエチレン等で形成する絶縁シース層5、6は図5と
同様である。なお、本図の光ファイバユニット1はルー
スチューブ型ユニットの例であって、ルースチューブ1
dの内部に光ファイバ1aとコンパウンド1cを収容し
ている。
大陸間、または大陸と島の間に布設されるため、伝送さ
れた信号を中継する中継器を介して長尺のケーブルが海
底に布設されるので、複数個所で長尺のケーブル同士の
接続を行う必要があるが、この種の海底光ケーブルは、
深海での布設・回収に充分耐えるように、抗張力線層3
を構成する少なくとも1種類の線径の抗張力線(3a、
3b・・・)と耐圧層2を構成する分割個片(2a、2
b、2c)からなる抗張力体9、または耐圧層と抗張力
線層を構成する少なくとも1種類の線径の鋼線(3a、
3b・・・)からなる抗張力体9を強固に固定して、ケ
ーブルを光学的、電気的、かつ機械的に接続する必要が
ある。
ケーブルの端末に取り付けられるケーブルカップリング
(CPL)内等に収容される。ケーブルカップリング内
は機械特性、ハンドリング等を考慮した小型とする必要
があるのでケーブル抗張力線の引留め装置も小型である
ことが要求される。
個片を的確に把持できる引留め装置として、例えば、図
7に断面図として示す構造等が一般に使用される。図7
(a)は、テーパーピン63圧入前の分解図として描か
れ、各部材は海底光ケーブル50の軸線を含む平面で切
った断面図として示されている。61は中心に円錐状の
内テーパー面が形成されているアンカーディスクであっ
て、円錐状の内テーパー面61aに右側からケーブル5
0が挿入される。実際にはアンカーディスク61の内テ
ーパー面61aにケーブル50の抗張力線(3a、3b
・・・)と分割個片(2a、2b、2c)等抗張力体9
を構成する部材を広げて配置し、円錐台状のテーパーピ
ン63をアンカーディスク61のテーパー面に沿って圧
入し、抗張力体9を挟持する。テーパーピン63はフラ
ンジ64を介して所定位置まで圧入され、クランプナッ
ト65により、その位置を固定される。なお、光ファイ
バユニット1はテーパーピン63の貫通孔63aやフラ
ンジ64の貫通孔64aを挿通してカップリング内部に
引き込まれる。
1の内テーパー面とテーパーピン63の外周面の外テー
パー面の2面を引留め面、表面に引留め面を形成する部
材を引留め部材と呼ぶことにすれば、図7の場合は、ア
ンカーディスク61の内テーパー面とテーパーピン63
の外周面の外テーパー面が引留め面であり、アンカーデ
ィスク61とテーパーピン63が引留め部材となる。
テーパー面にテーパーピン63を圧入して、抗張力体を
把持した状態を、引留め面の海底光ケーブルの軸線に垂
直な断面として示す。抗張力体には複数の外径の鋼線や
分割個片等、大きさの異なる部材が含まれるので、テー
パーピン63のテーパー外周面に例えば分割個片の内側
形状に等しい凹凸形状63b、63b、63bを形成
し、分割個片(2a、2b、2c)と抗張力線(3a、
3b)を均等に把持する。同様に、線径の異なる鋼線も
直径の差だけ溝を掘る等で対処できる。
としては、抗張力線と分割個片のそれぞれの抗張力に相
応したバランスのとれた把持力を発生させ、ケーブルに
加わる外力の許容限度を高めることが必要である。引留
め装置としては、海底光ケーブルが破断する切断張力と
同等の把持力を発揮することが期待される。ケーブルか
ら作用する張力は引留め面に平行に働く剪断力であり、
引留め装置を構成する部材の許容剪断応力より少ないこ
とが必要である。これは抗張力体と引留め部材の接触面
積を十分大きく取らねばならないことを意味する。ま
た、把持力を大とするために、この部分の摩擦係数の大
きいことも重要である。
せるために、上記したように、テーパーピン63の外周
面の引留め面を抗張力体の形状に合わせた溝を付ける等
の方策が採用されるが、テーパー面に精密に形状を付け
るのはコスト増になる上、ケーブルの設置作業時もテー
パー面の形状に沿って抗張力体をはめ込んで行くので、
練達の作業者を必要とし、作業時間も増加してしまう問
題がある。。
記のアンカーディスクとテーパーピンの引留め面で抗張
力体9を引留める際、予め、引留め面に砥粒等を塗布し
ておく砥粒塗布法が行われている。砥粒は、一般に、抗
張力体や引留め部材の硬度より大きな硬度を持つため、
テーパーピン圧入時に砥粒が抗張力体9と引留め面の両
者に同時に食い込んで、両者間の滑りを防止し、摩擦係
数の増加をもたらす。
より組立時の工数の増加をもたらし、コスト増の要因と
なる。また、砥粒等の塗布量のバラツキにより、摩擦力
に相違が生じ、ひいては把持力のバラツキが生じやすい
という問題がある。更に、砥粒が引留め面以外に剥げ落
ち、他の構成部分に付着し、予想外の損傷を生じる恐れ
もあり、海底光ケーブルの信頼性を損なう問題も懸念さ
れる。
て、均一な摩擦係数を確保すると共に、引留め面と抗張
力体の接触面積を増加させることを目的としている。
決するためになされたもので、少なくとも1本の光ファ
イバを挿通し、抗張力線層及び耐圧層を構成する抗張力
体を備えた海底光ケーブルの前記抗張力体を把持して引
き留める引留め装置であって、引留め面として円錐形の
内テーパー面が形成されているアンカーディスクと、引
留め面である外周面が円錐台状の外テーパー面とされ、
外テーパー面がアンカーディスクの内テーパー面に圧入
することができるウェッジとを備え、アンカーディスク
の内テーパー面に、海底光ケーブルの抗張力体の末端を
開いて配置した後、ウェッジをアンカーディスクの内テ
ーパー面に圧入して、ウェッジとアンカーディスクの両
引留め面により抗張力体を把持して引き留める海底光ケ
ーブルの引留め装置を提供する。また、海底光ケーブル
の抗張力線層を形成する抗張力体は、少なくとも1種類
の線径の複数本の鋼線で構成される。更に、海底光ケー
ブルの耐圧層を形成する抗張力体として、複数個の分割
個片で構成され、或いは、複数本の鋼線で構成されても
良い。
る外周面が円錐台状のアンカーディスクの内テーパー面
に圧入することができる外テーパー面とされ、内周面が
内テーパー面とされた中空の円錐台形状のテーパーコー
ンと、テーパーコーンの内周面の内テーパー面に沿って
取り付けられた外テーパー面を外周面とする円錐台状の
テーパーピンと、を備えてもよいことが提案されてい
る。
凸形状を形成し、且つ、表面硬化層を形成することが提
案され、海底光ケーブルの抗張力体の硬度に対し、引留
め面の表面硬化層の硬度が同等または大とされ、且つ、
表面硬化層を形成した引留め面を有する引留め部材の内
部硬度が抗張力体の硬度より小とすることが提案されて
いる。
の、少なくとも1面に凹凸の形状を形成し、且つ、表面
硬化層を形成しているので、硬度の高い引留め面の凸部
が抗張力体に食い込んで摩擦係数を高め把持力を増し、
更に圧入時の圧力で、比較的軟質な前記引留め面の内部
が海底光ケーブルの抗張力体の形状に倣って塑性変形
し、抗張力体との接触面積を増加させ、ケーブルの破断
張力に近い抗張力体の把持力を得ることができる。
装置が収納されるケーブル接続装置を図1を参照して説
明する。引留め装置を収容するケーブル接続装置として
は、ケーブルとケーブルの接続をするジョイントボック
スJB(joint box )、ケーブルと中継器の接続用のケー
ブルカップリングCPL(cable coupling)、ケーブルの
端末を一時放置するとき使用されるエンドボックスEB
(end box )等があるが、図1ではジョイントボックスに
適用した例を示している。また、本引留め装置に接続さ
れる海底光ケーブルは、1例として、図5に示した、抗
張力体9として複数の抗張力線(3a、3b、3c・・
・)と3個の分割個片(2a、2b、2c)を持つもの
である。
ックス30の概略構成を示した図である。この図1
(a)はジョイントボックス30の外観図、同図(b)
は同図(a)の破線の円内をケーブル軸線を含む面で切
断した断面図である。ジョイントボックス30は、光ケ
ーブル50a、50bを機械的、電気的、及び光学的に
接続するものであり、その外周は図1(a)に示すよう
に金属等からなるカバー36により覆われて保護されて
いる。光ケーブル50a、50bが引き込まれるジョイ
ントボックスの両端には、それぞれゴム製のブーツ4
0、40が取り付けられている。
造を示す。この図で33は光ケーブル50a、50bの
端部に対して加わる負荷を軽減するためのプロテクタ、
35は後述する引留め部の筐体に相当するアンカーディ
スク11を耐圧シリンダ38に取り付けるビス、37は
耐圧シリンダ38を電気的に絶縁するための絶縁体であ
る。
る光ファイバの接続部20を水圧や屈曲等の外力から保
護すると共に、接続する光ケーブル50a、50b相互
の張力の伝達や給電路の電気的な接続を行っている。こ
のため、耐圧シリンダ38は高強度の金属により形成さ
れ、その周囲が絶縁体37により覆われている。そし
て、この絶縁体37の外周囲に金属製のカバー36が取
り付けられることになる。
に接続するために、各光ケーブル50a、50bを引き
留める引留め部である。引留め部10はアンカーディス
ク11、テーパーピン13、フランジ14及びクランプ
ナット15により構成され、それぞれの光ケーブル50
a、50bの抗張力体9を引留め、各引留め部10、1
0のアンカーディスク11、11に加わる張力を耐圧シ
リンダ38を介して他方の光ケーブル50b、50aに
伝達するようになされている。
的、光学的な接続を行う接続部であり、光ファイバの光
学的な接続は、耐圧シリンダ38の内部で行われる。従
って、耐圧シリンダ38内に光ファイバを接続する際必
要な、光ファイバの余長を収納することのできるファイ
バ余長収納体39が設けられている。このファイバ余長
収納体39はファイバ余長により損失増加を起こさない
ように、また、長期信頼性を損なわないように、例えば
光ファイバの余長を巻き付けて収納するようにされてい
る。また、光ファイバ50a、50bの給電路の接続
は、上述したように金属により形成されている耐圧シリ
ンダ38の容器を介して行われる。
の構造を図2〜図3に示す。図2は引留め部の分解斜視
図で、一部を破断して内部の構造を示した部材がある。
また、図2に記入されたテーパーコーン12は図4の説
明時に後述する。図3(a)はケーブル軸線を通る平面
で破断した断面図、(b)は、同図(a)のAA線によ
るケーブル軸線に垂直な断面図である。これらの図に示
すように、引留め部10を構成するアンカーディスク1
1にはその中心に円錐状の内テーパー面11aが形成さ
れており、その頂点方向から海底光ケーブル50が引き
込まれている。アンカーディスク11は例えば炭素鋼程
度の硬度を有する金属によって形成されている。
図示しない専用の挿入装置等によりアンカーディスク1
1のテーパー面11aに圧入され、アンカーディスク1
1のテーパー面11aの内面に配置された抗張力線(3
a、3b、3c・・・)と分割個片(2a、2b、2
c)を引き留めるようになされている。テーパーピン1
3の外周面は、上記アンカーディスク11の内面部のテ
ーパー面とほぼ等しい傾きの円錐台状とされ、その材質
はアンカーディスク11と同等の金属(例えば炭素鋼)
とされている。また、テーパーピン13の中心部には、
アンカーディスク11内に引き込まれ、分離された光ケ
ーブル50の光ファイバユニット1を耐圧シリンダ38
内に引き込むための貫通孔13cが形成されている。
のテーパー面11aの所定位置まで圧入する際の圧力
を、フランジ14を介することによりテーパーピン13
の端部全面に均一に分散して印加している。また、上記
テーパーピン13と同様に、このフランジ14の中央部
にも光ファイバユニット1を耐圧シリンダ38内に引き
込むための貫通孔14cが形成されている。
をアンカーディスク11の所定位置まで圧入後に、テー
パーピン13を固定できるようになされている。このた
め、クランプナット15の内周部に雌ねじ15bが形成
されており、アンカーディスク11の外縁に形成され、
この雌ねじ15bに対応する雄ねじ11bに螺入して、
クランプナット15をアンカーディスク11に取付け、
テーパーピン13の位置を固定する。また、クランプナ
ット15の中央部にも光ファイバユニット1を耐圧シリ
ンダ38内に引き込むための貫通孔15cが形成されて
いる。
は、既に述べたように、アンカーディスク11の内テー
パー面11aに海底光ケーブル50から取り出した複数
の抗張力線(3a、3b・・・)と3個の分割個片(2
a、2b、2c)からなる抗張力体9が配置される(図
では省略してそれぞれ1〜2本が描かれている)。そし
てフランジ14を介してテーパーピン13をテーパー面
11aの所定位置まで圧入し、クランプナット15をア
ンカーディスク11に取付け、テーパーピン13をフラ
ンジ14と共に固定するようになされている。
図3の場合はアンカーディスク11の内テーパー面11
aとテーパーピン13の外周面の外テーパー面13aで
あって、この両引留め面の少なくとも1面に機械加工で
凹凸形状が形成されている。例えば、図3(b)に示す
ように、アンカーディスク11の内テーパー面11aに
設けるなら、テーパーピン13の外周面の外テーパー面
13aに対向するハッチング部分11cの範囲B部分で
よい。またテーパーピン13の外周面の外テーパー面1
3aならほぼ外テーパー面13aの全域程度となる。
形面、又は孔の内周面に係わらず、例えば、図3(c)
に示すようにテーパーネジを切ってもよいし、ネジのリ
ードは直接必要ないので、旋盤加工でネジ山と類似の断
面形状の線条をリング状に付けても良い。また、引留め
面が外周面なら、ローレット加工でアヤ目(11cの範
囲表示のような方向の異なる斜線が2重に重なった形
状)の凹凸を付けるのも容易であり、孔内周面の場合は
サンドブラスト類似の加工も能率的である。要は凸部が
先鋭で食いつきが良く、抗張力体9との摩擦抵抗の大き
くなる形状の凹凸を付ければよい。
例えば窒化処理等の表面硬化処理を施し、表面硬度を内
部硬度より高くしておく。ここで内部硬度は引留め面を
持つ引留め部材の素材硬度であり、表面硬化層から充分
内部の硬度である。引留め部材の内部と表面、抗張力体
間の硬度を適当に選ぶと、テーパーピン13の圧入によ
り、引留め面の表面の凹凸は抗張力体に食い込み、引留
め面の表面と抗張力体間の摩擦係数は上昇する。更に、
印加された圧入力により、引留め面内部が塑性変形を起
こし、抗張力体と引留め面間の接触面積が増大する。従
って、摩擦係数、接触面積の両者が増加するので把持力
は十分大きな値を取ることができる。
化処理を施した引留め面を持つ引留め部材(図3ではア
ンカーディスク11とテーパーピン13が該当する)の
表面から充分内側の硬度を内部硬度、表面硬化層の硬度
を表層硬度と呼べば、各部分の硬度の望ましい関係は次
のようになる。表面硬化処理が施された引留め面の表層
硬度をHh、引留め面の内部硬度をHn、抗張力体の硬
度をHtとすると、次の(1)式で示される 〔 Hh≧Ht>Hn ・・・・・・・(1) 〕 で有ることが望ましい。即ち、表層硬度は抗張力体の硬
度と同等又はそれより大きく、内部硬度は抗張力体の硬
度より小さくする。
面の鋭い凸部はたとえ硬度が抗張力体と同等であっても
平滑な表面を持つ抗張力体に食い込む。即ち摩擦係数は
上昇する。また、印加された圧入力により、一番硬度の
低い引留め面内部が塑性変形を起こし、抗張力体と引留
め面間の接触面積が増大する。この結果、引留め部にお
いて、前記したような海底光ケーブルの破断張力相当の
把持力を得ることができる。
テーパーピン13のみで構成されていたが、テーパーピ
ン13の外側にテーパーコーン12を沿わせて取り付
け、テーパーピン13とテーパーコーン12でウェッジ
を構成することもできる。図2及び図4を参照してテー
パーコーン12を使用した例を説明する。図4(a)は
ケーブル軸線を含む断面図、(b)はAA線によるケー
ブル軸線と垂直な断面図である。
テーパーピン13の外周面のテーパー面13aに取り付
けられ、外テーパー面13aにより、アンカーディスク
11の内テーパー面11aと共に、光ケーブル50の抗
張力体9を挟持して引き留めるようになされている。テ
ーパーコーン12の外周面のテーパー面12aはアンカ
ーディスク11のテーパー面11aとほぼ同様のテーパ
ーを有する円錐台状で、内部が中空の中空円錐台とさ
れ、その材質は引留め部10の他の金属部位と同等、或
いは硬度の低い金属(例えば炭素鋼)によって形成され
ている。内側の円錐面は、テーパーピン13の外周面の
テーパー面13bとほぼ同様なテーパー面とされてい
る。
スク11のテーパー面11aとテーパーコーン12の外
テーパー面12aが引留め面となり、前例と同じく、抗
張力体9はアンカーディスク11の内テーパー面11a
に配置される。この場合の引留め部材はアンカーディス
ク11とテーパーコーン12となる。テーパーピン13
のテーパー面13aに取り付けられたテーパーコーン1
2は、フランジ14を介してテーパーピン13がテーパ
ー面11aの所定位置まで圧入され、クランプナット1
5をアンカーディスク11に取付け、テーパーピン13
をフランジ14と共に固定される。テーパーコーン12
はテーパーピン13の圧入時の圧力と抗張力体9の反力
により塑性変形を起こし、図4(b)に示すように抗張
力体9との接触面積が増加する。なお、アンカーディス
ク11の硬度によっては図4(b)に示すようにテーパ
ーコーン12のみが塑性変形を起こすのではなく、アン
カーディスク11の内テーパー面11aもテーパーコー
ン12と同様塑性変形を生じる。
は、引留め面であるアンカーディスク11のテーパー面
11aとテーパーコーン12の外テーパー面12aの内
の1面、又は、両面であり、アンカーディスク11に凹
凸形状の形成と表面硬化処理を施す場合は、前記の図3
(b)(c)による説明と変わらない。テーパーコーン
12の外テーパー面12aに対しては、テーパーピン1
3と同様な考え方で凹凸形状の形成と表面硬化処理がな
される。
を構成する部材の各部位の硬度の関係は、やはり、前記
の式1(Hh≧Ht>Hn)が適用できる。但し、引留
め面の内部硬度(Hn)の対象となる引留め部材17は
アンカーディスク11とテーパーコーン12となり、引
留め面の表層硬度(Hh)はアンカーディスク11のテ
ーパー面11aとテーパーコーン12の外テーパー面1
2aの内のいずれか1面又は両面が該当する。
を形成するテーパーコーン12とを別部材とすることに
より、テーパーピン13を任意の硬度の素材で形成でき
る。テーパーピン13を硬度の大きい材質とすれば、テ
ーパーピン13をアンカーディスク11に圧入する際、
その強大な圧力により、テーパーピン13の中心まで塑
性変形を生じて、中心の貫通孔13cが変形し、挿通さ
れた光ファイバユニット1に力を及ぼし、その伝送特性
に悪影響を与える恐れを無くすことができる。
個片で耐圧層を形成した例で説明したが、扇形の分割個
片を使用せずに鋼線で耐圧層を形成したものや、複数の
線径の抗張力線で抗張力線層を構成したもの等の抗張力
体を持つ海底光ケーブルに対しても、同様の引留め効果
を生ずる。
ィスク11やテーパーコーン12、テーパーピン13等
の材質や形状はあくまでも一例であり、これに限定され
るものではない。また、本引留め構造は初めにも述べた
ようにケーブル接続装置の中のジョイントボックスのみ
でなく、ケーブルカップリング、エンドボックス等ケー
ブルの端末を引き留める必要のある装置に渡って適用可
能である。
造は海底光ケーブルの抗張力体を簡単なテーパー面同士
による引留め面で把持するにも係わらず、引留めに使用
される引留め面の表面硬度と内部硬度および抗張力体の
硬度の差を利用して、引留め面と海底光ケーブルの抗張
力体との摩擦係数と接触面積を増加させ、抗張力体全体
で海底光ケーブルの破断張力とほぼ等しい把持力が得ら
れる。
等の作業を省略できるので、作業時間の短縮も図れる
等、作業時のコストダウンの効果も大きい。
構造が適用されるジョイントボックスの概略の内部構造
を示す投影図である。
を引き留めた状態を、断面図として示した模式的な説明
図である。
引留め状況を説明するケーブル軸線を含む断面図とケー
ブル軸線に垂直に切断した断面図である。
光ケーブルの構成を示す斜視図である。
使用しない海底光ケーブルの構成例を示す斜視図であ
る。
持った海底光ケーブルの抗張力体の引留め方法を示した
断面図である。
バユニット、1a 光ファイバ心線、1b 中心抗張力
体、2 耐圧層、2a、2b、2c 分割個片、3 抗
張力線層、3a、3b・・・ 鋼線(抗張力線)、4
金属チューブ層、5、6 絶縁シース層、7、8 コン
パウンド、9 抗張力体 10 引留め部、10W ウェッジ(13のみ又は12
及び13)、11 アンカーディスク、11a 内テー
パー面、11b 雄ねじ、12 テーパーコーン、12
a 外テーパー面、12b 内テーパー面、13 テー
パーピン、 13a 外テーパー面、13c 貫通孔、
14 フランジ、14c 貫通孔、15クランプナッ
ト、15c 貫通孔、15b 雌ねじ、16 引留め
面、17 引留め部材(11、12、13の総称)、1
8 凹凸形状、19 表面硬化層、20 接続部、30
ジョイントボックス、33 プロテクタ、34 モー
ルド、35 ビス、36 カバー、37 絶縁体、38
耐圧シリンダ、39 ファイバ余長収納体、40 ブ
ーツ、61 アンカーディスク、61a 内テーパー
面、63 テーパーピン、63b凹凸形状、64 フラ
ンジ、65 クランプナット、63a、64a 貫通孔
Claims (7)
- 【請求項1】 少なくとも1本の光ファイバを挿通し、
抗張力線層及び耐圧層を構成する抗張力体を備えた海底
光ケーブルの前記抗張力体を把持して引き留める引留め
装置であって、 引留め面として円錐形の内テーパー面が形成されている
アンカーディスクと、 引留め面である外周面が円錐台状の外テーパー面とさ
れ、該外テーパー面が前記アンカーディスクの前記内テ
ーパー面に圧入することができるウェッジとを備え、 前記アンカーディスクの前記内テーパー面に、前記海底
光ケーブルの抗張力体の末端を開いて配置した後、前記
ウェッジを前記アンカーディスクの前記内テーパー面に
圧入して、前記ウェッジと前記アンカーディスクの前記
両引留め面により前記抗張力体を把持して引き留めるこ
とを特徴とする海底光ケーブルの引留め装置。 - 【請求項2】 前記抗張力線層を形成する前記抗張力体
は、少なくとも1種類の線径の複数本の鋼線であること
を特徴とする請求項1に記載の海底光ケーブルの引留め
装置。 - 【請求項3】 前記耐圧層を形成する前記抗張力体は、
複数個の分割個片であることを特徴とする請求項1に記
載の海底光ケーブルの引留め装置。 - 【請求項4】 前記耐圧層を形成する前記抗張力体は、
複数本の鋼線であることを特徴とする請求項1に記載の
海底光ケーブルの引留め装置。 - 【請求項5】 前記ウェッジは、 引留め面である外周面が円錐台状の前記アンカーディス
クの前記内テーパー面に圧入することができる外テーパ
ー面とされ、内周面が内テーパー面とされた中空の円錐
台形状のテーパーコーンと、 該テーパーコーンの前記内周面の前記内テーパー面に沿
って取り付けられた外テーパー面を外周面とする円錐台
状のテーパーピンと、を備えたことを特徴とする請求項
1に記載の海底光ケーブルの引留め装置。 - 【請求項6】 前記両引留め面の、少なくとも1面に
凹凸形状を形成し、且つ、表面硬化層を形成したことを
特徴とする請求項1および請求項5に記載の海底光ケー
ブルの引留め装置。 - 【請求項7】 前記海底光ケーブルの前記抗張力体の硬
度に対し、前記引留め面の前記表面硬化層の硬度が同等
または大とされ、且つ、前記表面硬化層を形成した前記
引留め面を有する引留め部材の内部硬度が前記抗張力体
の硬度より小とされることを特徴とする請求項1および
請求項6に記載の海底光ケーブルの引留め装置。
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---|---|---|---|
JP2001039706A JP4598284B2 (ja) | 2001-02-16 | 2001-02-16 | 海底光ケーブルの引留め装置 |
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JP2001039706A JP4598284B2 (ja) | 2001-02-16 | 2001-02-16 | 海底光ケーブルの引留め装置 |
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JP2002244000A true JP2002244000A (ja) | 2002-08-28 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112558251A (zh) * | 2020-12-29 | 2021-03-26 | 杭州富通通信技术股份有限公司 | 一种集束蝶形光缆 |
-
2001
- 2001-02-16 JP JP2001039706A patent/JP4598284B2/ja not_active Expired - Lifetime
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CN112558251A (zh) * | 2020-12-29 | 2021-03-26 | 杭州富通通信技术股份有限公司 | 一种集束蝶形光缆 |
CN112558251B (zh) * | 2020-12-29 | 2022-08-30 | 杭州富通通信技术股份有限公司 | 一种集束蝶形光缆 |
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