JP2002240710A - 鉄道車両の振動抑制装置 - Google Patents

鉄道車両の振動抑制装置

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JP2002240710A
JP2002240710A JP2001040196A JP2001040196A JP2002240710A JP 2002240710 A JP2002240710 A JP 2002240710A JP 2001040196 A JP2001040196 A JP 2001040196A JP 2001040196 A JP2001040196 A JP 2001040196A JP 2002240710 A JP2002240710 A JP 2002240710A
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damper
vibration
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acceleration
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JP2001040196A
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Kunimasa Okimatsu
邦正 沖松
Hiroshi Niimura
浩 新村
Yasuhiko Tanigawa
安彦 谷川
Tatsuya Oishi
達哉 大石
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Nippon Sharyo Ltd
Central Japan Railway Co
Original Assignee
Nippon Sharyo Ltd
Central Japan Railway Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】制御信号に対するダンパの作動の遅れを高速電
磁弁の切り換えるタイミングを変えることで補うように
した鉄道車両の振動抑制装置を提供する。 【解決手段】シリンダ3のヘッド側室4aからロッド側
室6aへチェック弁5aを介して連通するとともにロッ
ド側室6aから油タンク7への流路をオンロード時とア
ンロード時の2経路としたダンパを台車2と車体1間に
備える。そして、オンロード時において車体左右方向の
振動加速度を検知する加速度検知手段31の信号とダン
パのピストンロッド6の移動速度を検知するダンパ速度
検出手段44の信号に基づいてダンパ定数を選定し、こ
れが所定の値より小さい場合には、アンロードに切り換
えるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道車両の走行に
おいて発生する車体の横揺れを抑制し、乗り心地を向上
させるための振動抑制装置に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄道車両では、一般に台車と車体の間に
空気バネが設けられ、台車からの振動を緩和して乗り心
地を良くしているが、空気バネは振動を減衰させること
ができないので、振動が持続したり、外乱に対して共振
する問題がある。そこで、この空気ばねの横方向振動を
減衰させるために台車と車体間にダンパを設けている。
【0003】このダンパは、種々のものが使用されてい
るが、横方向振動の程度によって、制振度合いを変動可
能にしたいわゆるセミアクティブダンパが知られてお
り、例えば、特開平8−99634号や特開平9−30
1164号公報に記載されている。
【0004】これらに開示された振動抑制装置は、シリ
ンダのヘッド側室からロッド側室へチェック弁を介して
連通するとともにロッド側室から油タンクへの流路を複
数としてそれぞれの流路に絞りを設け、高速電磁弁を複
数設けて振動状態に適応したダンパ定数の流路に切り換
え、車体の横振れを抑制するようにしている。なお、ダ
ンパ定数は、ダンパのピストンロッドの移動速度と車体
の横方向加速度から求めた目標制御力に基づいて設定し
ている。
【0005】このダンパは、絞り流路を多数設けてダン
パ定数を変えることによって車体の多様な振動状態に対
応しているが、高速電磁弁を多数必要とし、油圧回路の
構成も複雑となり、ダンパの重量が大きいという難点が
ある。そこで、出願人は先に高速電磁弁の数を大幅に少
なくし、制御系も簡素にした鉄道車両の制振装置を開発
した(特開平2000−177586号公報)。
【0006】これは、ロッド側室から油タンクへの流路
をオンロード時とアンロード時の2経路とし、車体左右
方向の加速度を検知する加速度検知手段の信号とダンパ
のピストンロッドの伸縮を検知する伸縮センサの信号に
基づいてオンロードかアンロードかを判断して該流路を
高速電磁弁で切換えるようにしたもので、オンロード時
のダンパ定数は一般のパッシブダンパ定数の2〜3倍程
度に固定されている。
【0007】このダンパの構成は、図9に示すように、
シリンダ3のヘッド側室4aをピストン5に設けたチェ
ック弁5aを介してロッド側室6aと連通し、ヘッド側
室4aはチェック弁8を介して油タンク7に接続しロッ
ド側室6aはフェールセーフ弁14と高速電磁弁15を
介して油タンク7へ還流するように接続している。
【0008】そして、高速電磁弁15の前にオリフィス
17を有する流路13を油タンク7へ接続している。フ
ェールセーフ弁14のソレノイドSOL2は常時ONと
なっており、オンロードの信号が出された場合は、高速
電磁弁15のソレノイドSOL1がOFFになり、ロッ
ド側室6aのオイルは流路抵抗の大きいオリフィス17
を通り、アンロードの信号が出された場合はソレノイド
SOL1がONになり、オリフィスのない流路18を通
るようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種のダ
ンパは、ロッド側室から油タンクへ還流するオイルの流
路抵抗によって制振するようにしているので、ダンパ力
の発生は制御信号に対して位相遅れが生ずる。この位相
遅れは、作動油の圧縮性などにより発生するもので、ダ
ンパ定数が大きいほど、また、周波数が高いほど増大す
ることが発明者らの試験により確認されている。
【0010】上記、特開平2000−177586号公
報に示されるダンパは、オンロード時は固定された大き
なダンパ定数となっており、編成車両の最後尾車や曲線
走行時などダンパの制振能力に対して制振対象の持つエ
ネルギが大きい場合にはダンパ定数を変更する多段式の
ものに比べて制振効果が優れている。しかしながら、比
較的乗り心地の良い編成の中間車両では、振動レベルの
小さい区間において、必要制御力に対しダンパ発生力が
過剰となることがアンロードの切り換わり時に発生し易
く、ゴツゴツした乗り心地になることがある。また、ア
ンロードが完了するまでに時間がかかるため、アンロー
ドが必要なタイミングより完了するまでの時間は逆スカ
イフック状態になることがあり、制振性が損なわれる。
【0011】これを解消する手段として、高速電磁弁の
切り換えをPWM制御、即ち、目的とするダンパ定数
(実効値)をPWM制御のDUTY比(ONの時間とO
FFの時間の比)に変換し、単位時間におけるダンパ定
数を任意に調整することが考えられるが、運転時間の長
い鉄道車両では高速電磁弁の切換回数が極めて大きなも
のとなるので、高速電磁弁の耐久性が問題となり実用的
とはいえない。
【0012】そこで、本発明は、制御信号に対するダン
パ力の応答遅れを高速電磁弁の切り換えるタイミングを
変えることで補い、上記2段切り換え方式セミアクティ
ブダンパの問題点を解消した鉄道車両の振動抑制装置を
提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では次の手段を採った。即ち、請求項1の発
明では、シリンダのヘッド側室からロッド側室へチェッ
ク弁を介して連通するとともにロッド側室から油タンク
への流路をオンロード時とアンロード時の2経路とした
ダンパを台車と車体間に備えて、振動状態に適応して車
体の横振れを抑制する鉄道車両の振動抑制装置におい
て、オンロード時において車体左右方向の振動加速度を
検知する加速度検知手段の信号とダンパのピストンロッ
ドの移動速度を検知するダンパ速度検出手段の信号に基
づいて選定したダンパ定数が所定の値より小さい場合に
は、アンロードに切り換えるようにしたことを特徴とし
ている。
【0014】このダンパは、シリンダのヘッド側室が油
タンクと接続され、ロッド側室から油タンクへの流路を
オンロード時とアンロード時の2経路とし、その時の振
動状態によって、オンロード時であっても高速電磁弁を
アンロードに切り換え、ダンパの制御信号に対する作動
遅れを補うようにしたものである。なお、2経路の意味
は、オンロード時にロッド側室から油タンクへ還流する
流路が一つしかない(ダンパが破壊することを防止する
ために高圧時にリリーフ弁を介して油タンクへ圧油を逃
がす流路は除く)ことをいう。
【0015】オンロード時であってもアンロードに強制
的に切り換えるタイミングは、車体左右方向の振動加速
度を検知する加速度検知手段の信号とダンパのピストン
ロッドの移動速度を検知するダンパ速度検出手段の信号
に基づいて選定したダンパ定数の値が所定の値より小さ
い場合としている。この所定の値は、オンロード時の減
衰係数の20〜50%程度がよいことが実験およびシミ
ュレーションによって確認されているが、ダンパの応答
性、走行路線や設置される車両の位置(中間車、最後尾
車)などによって個別化して決めるのが望ましい。
【0016】なお、指令に対するダンパの位相遅れは振
動周波数の高い側で顕著に表れるので、請求項3に記載
のように、車体左右方向の振動加速度から求めた目標制
御力に、ハイパスフィルタを通した車体振動加速度成分
を加算するようにすれば、低周波で過剰にアンロードを
早めてしまうことが防止でき、かつ、高周波の指令成分
のみ位相を補償できるので、広い周波数範囲において制
振効果を発揮させることが期待できる。
【0017】請求項2の発明は、シリンダのヘッド側室
からロッド側室へチェック弁を介して連通するとともに
ロッド側室から油タンクへの流路をオンロード時とアン
ロード時の2経路としたダンパを台車と車体間に備え
て、振動状態に適応して車体の横振れを抑制する鉄道車
両の振動抑制装置において、オンロード時において車体
左右方向の振動加速度を検知する加速度検知手段の信号
により算出された目標ダンパ力の絶対値が、所定の値以
下であり、かつ、小さくなる側である場合に強制的にア
ンロードに切り換えるようにしたことを特徴としてい
る。
【0018】この発明は、請求項1の発明のように、ピ
ストンロッドの移動速度の検知を必要としないので、ダ
ンパの構成および制御を簡素にすることができる。な
お、オンロードかアンロードかの判断にはピストンロッ
ドの伸縮の情報を与えるようにすればよい。
【0019】加速度検知手段の信号により算出された目
標ダンパ力の絶対値が、小さくなる側であることの判定
は、例えば、1サイクル前の値と比較して判断するのが
簡便である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下本発明の振動抑制装置を図に
示す実施形態例に基づいて説明する。図1は、請求項1
の発明のセミアクティブダンパの制御系を表すブロック
図で、速度検出手段で検出したピストンロッドの移動速
度と加速度検出手段によって検出した車体の横方向加速
度に基づいてダンパ定数を定め、予め設定されたアンロ
ード早め処理基準と照合してアンロードにするかどうか
を決めている。なお、図1においてD補償は、制御指令
値(目標制御力)に加速度成分をあるゲインで加算・重
畳させるもので、ここでは高周波域のみに限定したもの
としている。
【0021】次に、ダンパの構成を図2に基づいて説明
する。このダンパは上記図9で説明した従来例と同様で
あり、符号は同一としている。即ち、シリンダ3のヘッ
ド側室4aは、ピストン5に設けたチェック弁5aを介
してロッド側室6aと連通され、ヘッド側室4aはチェ
ック弁8を介して油タンク7に接続され、ロッド側室6
aは流路19からフェールセーフ弁14と高速電磁弁1
5を介して流路20から油タンク7へ還流するように接
続されている。
【0022】なお、シリンダ3は、ピストンロッド6の
末端が台車2に、シリンダヘッド4は車体1に固定され
ている。ヘッド側室4aの断面積はピストンロッド6の
断面積の2倍に設定され、ピストンロッド6の伸長時と
圧縮時のストロークに対してシリンダ3から排出される
オイル量は同一となっている。
【0023】図9と相違する点は、ピストンロッド6の
移動速度を検出する速度検出手段を設けていることであ
る。なお、図9では図示されてないが、ダンパのピスト
ンロッドの伸縮を検知する伸縮センサが付設されてい
る。この速度検出手段は、ピストンロッド6の側面に、
軸方向に等間隔に磁性体ビット24を埋め込み、これに
係合して磁気センサ25を設けている。そして、磁気セ
ンサ25で磁性体ビット24をカウントし、所定時間内
のカウント値からピストンロッド6の移動速度を算出し
ている。
【0024】オンロードの信号が出された場合は、高速
電磁弁15のソレノイドSOL1がOFFの状態とな
り、ロッド側室6aのオイルは流路19を通ってフェー
ルセーフ弁14を介して(フェールセーフ弁14は通電
時はオリフィス16側へは閉鎖されている)流路13か
ら流路抵抗の大きいオリフィス17を通って流路20へ
還流する。また、アンロードの信号が出された場合は、
高速電磁弁15のソレノイドSOL1がONの状態とな
り、ロッド側室6aのオイルは流路19から高速電磁弁
15を通ってオリフィスのない流路18から流路20へ
と還流する。
【0025】また、無通電状態になった場合はフェール
セーフ弁14のソレノイドSOL2がOFFになるの
で、ロッド側室6aのオイルは流路19からフェールセ
ーフ弁14を通り、オリフィス16を経由して流路20
へと還流する。ロッド側室6aからの吐出流量が大きい
場合はリリーフ弁12が作動する。
【0026】次に高速電磁弁15の切換制御について図
3に基づいて説明する。高速電磁弁15の制御信号は、
車体の左右方向の加速度とピストンロッド6の移動速度
に基づいてダンパ定数を選定して行われる。このダンパ
定数の選定はダンパのピストンロッド側から油タンク7
への流路を複数設け通過する流路を選定する多段式のダ
ンパにおける場合のものと同様である。即ち、車体の左
右方向の加速度は、車体1に設けられたGセンサ31で
検出する。そして、出力された加速度信号をGアンプ3
2で増幅し、A/D変換器33でデジタル信号に変換し
てから、波形フィルタ処理部34で高周波成分のノイズ
および低周波成分のドリフトをカットし、補正部35で
この出力に重力加速度gを乗して実加速度とし、積分部
36でこの実加速度を積分して車体1の左右方向の速度
を算出し、制御部37でこれに所定の制御ゲインKAを
乗した結果を制御入力信号UOとして発生させダンパ定
数選定部38へ送る。
【0027】なお、制御部37には、A/D変換器33
でデジタル信号に変換したものをハイパスフィルタ46
を通して、補正部47で重力加速度gを乗して加算し
(高周波域D補償)ている。ダンパ定数は、ここではP
1〜P4としている。P1は最も小さい制振力で、P4
は最大の制振力としている。ダンパ定数P1〜P4の選
定は速度検出部で検出したピストン速度Ybtfと車体
の左右方向の加速度から求めた制御入力信号U0とから
図4のテーブルで選定される。
【0028】判定部39では、選定したポートからアン
ロード早め処理を行うかどうかを判定する。これは予め
その走行路線において、データを採り、アンロード化さ
せる最大ポート(以下IUNLと称する)を決めてお
く。
【0029】例えば、P4から直接P0へ切り換わるケ
ースの多いところでは、IUNL=3と設定し、P1か
らP0へ切り換わるところではIUNL=1とする。前
者のIUNL=3の場合は、選定したダンパ定数がP
3、P2、P1である場合にアンロード(P0)にする
信号がソレノイドドライバへ送られる。したがって、P
4である場合以外はアンロードにする信号が送られる。
後者の場合は、選定したポートがP1である場合にのみ
アンロード(P0)にする信号がソレノイドドライバへ
送られる。
【0030】一方、アンロード・オンロードの判定は、
制御入力信号UOの方向とダンパのピストン速度Ybt
fの方向とから、ダンパに減衰力を発生させるか否かを
判断する。制御部37は、車体4の横方向速度に抗する
方向の減衰力をダンパに発生させる指令を出すが、ダン
パはその性質上、ピストンの移動方向と同じ方向には減
衰力を発生できない。このため、制御入力信号UOの方
向(符号)とピストン速度YVbtfの方向(符号)が
等しい場合には、ダンパに減衰力を発生させない(アン
ロード)ようにソレノイドドライバ40に指令信号を送
る。
【0031】図5は、従来の多段式のダンパと本発明の
ダンパの乗り心地の比較を行ったシミュレーションであ
る。図5(a)の従来のものに比べ、(b)の本発明の
ものは、振動のピークである1.5〜2.3Hzにおい
て振動が改善され、全体的に乗り心地レベルがよくなっ
ていることが解る。
【0032】なお、上記実施形態例では、ダンパ定数は
P1〜P4の4段階のもので説明したが、幾つでもよ
い。また、請求項1の発明は、ダンパのピストンロッド
側から油タンク7への流路を複数のオリフィスでダンパ
係数によって通過する流路を選定する多段式のダンパに
も適用可能である。即ち、制御信号に対するダンパの作
動遅れは、当然多段式のダンパにも生じる問題であり、
アンロードの早め処理を行うことによって改善できる。
この場合、アンロードを選定するばかりでなく、遅れを
なくするために、例えば、P4からP2へ切り換えると
いった低減衰を早めることも可能であり、走行路線の状
況に応じてキメ細かく選定させることにより乗り心地を
大幅に改善できる。また、ハイパスフィルタを通した加
速度成分を加算する高周波域D補償も当然に、多段式の
ダンパに用いることができる。
【0033】次に、請求項2の発明の実施形態例につい
て図面に基づいて説明する。図6は、請求項2の発明の
セミアクティブダンパの制御系を表すブロック図で、伸
縮センサによって検知したピストンロッドの伸縮情報と
加速度検出手段によって検出した車体の横方向加速度に
基づいて、アンロードかオンロードを判定するとともに
予め設定されたアンロード早め処理基準と照合してアン
ロードにするかどうかを決めている。
【0034】ダンパの構成は上記図9で説明した従来例
と同じであり、説明は省略する。なお、ピストンロッド
の伸縮を検知する伸縮センサは、例えばシリンダヘッド
4と油タンク7間にバイパス流路を設け、この流路に設
けた小型チェック弁の開閉状態を近接センサによって検
知することによってダンパの伸縮状態を検知するように
している。また、このダンパに使用する高圧リリーフ弁
11の特性は図8に示すように、オンロード時のダンパ
力(F)がダンパ速度(V)によらず一定に発生するも
のであり、オンロード時の発生力を高圧リリーフ弁11
のクラッキング荷重調整機構により、任意に設定できる
ようになっている。
【0035】次に、高速電磁弁15の切換制御について
図7に基づいて説明する。高速電磁弁15の制御信号
は、車体の左右方向の加速度とピストンロッド6の伸縮
を検知して行われる。車体の左右方向の加速度は、上記
の場合と同様で、車体1に設けられたGセンサ31で検
出し、出力された加速度信号をGアンプ32で増幅し、
A/D変換器33でデジタル信号に変換してから、波形
フィルタ処理部34、補正部35、積分部36を通して
車体1の左右方向の速度を算出し、制御部37でこれに
所定の制御ゲインKAを乗した結果を制御入力信号UO
として発生させ判定部39へ送られる。
【0036】判定部39では、制御入力信号UOを所定
の値と比較し、所定の値より小さく、さらに、1サイク
ル前の制御入力信号UOに比べて小さい場合にはアンロ
ードの信号を送出する(アンロード早め処理)。この所
定の値は、高圧リリーフ弁11の特性(図8)を基に、
ダンパ力の20〜50%程度を選定している。
【0037】一方、アンロード・オンロードの判定は、
制御入力信号UOの方向とダンパのピストンの伸縮セン
サ50の信号を得て伸縮判断された伸縮判断部51から
の信号とから、ダンパに減衰力を発生させるか否かを判
断する。判定部39からソレノイドドライバ40への指
令および高速電磁弁15の作動によるダンパの作動は上
記と同じであるので説明は省略する。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、オンロード時において車体左右方向の振動加速
度を検知する加速度検知手段の信号とダンパのピストン
ロッドの移動速度を検知するダンパ速度検出手段の信号
に基づいて選定したダンパ定数が所定の値より小さい場
合には、アンロードに切り換えるようにしたので、制御
信号に対するダンパの作動遅れがなくなり、必要制御力
に対しダンパ発生力が過剰となることが防止され、ま
た、アンロードが必要なタイミングより完了するまでの
時間に逆スカイフック状態となることが避けられる。ま
た、アンロードの早め処理および高周波域D補償によ
り、低周波である場合には過剰な位相進みが発生するこ
ともなく、高周波側のみの位相遅れ補償ができる。
【0039】請求項2の発明によれば、オンロード時に
おいて車体左右方向の振動加速度を検知する加速度検知
手段の信号により算出された目標ダンパ力の絶対値が、
所定の値以下であり、かつ、小さくなる側である場合に
は、強制的にアンロードに切り換えるようにしたので、
請求項1の発明と同様の効果があり、さらに、ダンパの
ピストンロッドの移動速度の情報を必要としないので、
装置および制御が簡素になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の一実施形態としての鉄道車両
の制振装置のダンパの制御の概要の流れを示すブロック
図である。
【図2】同 ダンパの構成例を示す回路図である。
【図3】同 制振装置のダンパの制御装置を示すブロッ
ク図である。
【図4】同 ダンパ定数の選定テーブルである。
【図5】各周波数における振動状態を示すもので、
(a)は多段式のダンパの振動状態を示し、(b)は本
発明によるダンパの振動状態を示す図である。
【図6】請求項2の発明の一実施形態としての鉄道車両
の制振装置のダンパの制御の概要の流れを示すブロック
図である。
【図7】同 制振装置のダンパの制御装置を示すブロッ
ク図である。
【図8】同 高圧リリーフ弁11の特性を示す図であ
る。
【図9】従来のダンパの構成例を示す回路図である。
【符号の説明】
1…車体 2…台車 3…シリンダ 4…シリンダヘッド 4a…ヘッド側室 5…ピストン 5a…チェック弁 6…ピストンロッド 6a…ロッド側室 7…油タンク 8…チェック弁 10…ダンパ 11…高圧リリーフ弁 12…リリーフ弁 13…流路 14…フェイルセーフ弁 15…高速電磁弁 16、17…オリフィス 18、19、20…流路 21…フィルタ 24…磁性体ビット 25…磁気センサ 31…Gセンサ 32…Gアンプ 33…A/D変換器 34…波形フィルタ処理部 35…補正部 36…積分部 37…制御部 38…ダンパ定数選定部 39…判定部 40…ソレノイドドライバ 41…ソレノイド 44…速度検出部 46…波形フィルタ処理部 47…補正部 50…伸縮センサ 51…伸縮判断部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16F 15/027 F16F 9/32 S (72)発明者 新村 浩 愛知県名古屋市熱田区三本松町1番1号 日本車輌製造株式会社内 (72)発明者 谷川 安彦 愛知県名古屋市熱田区三本松町1番1号 日本車輌製造株式会社内 (72)発明者 大石 達哉 愛知県名古屋市中村区名駅1丁目1番4号 東海旅客鉄道株式会社内 Fターム(参考) 3J048 AA06 AB11 AC04 BE03 CB21 EA16 3J069 AA50 AA54 DD11 EE64

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダのヘッド側室からロッド側室へチ
    ェック弁を介して連通するとともにロッド側室から油タ
    ンクへの流路をオンロード時とアンロード時の2経路と
    したダンパを台車と車体間に備えて、振動状態に適応し
    て車体の横振れを抑制する鉄道車両の振動抑制装置にお
    いて、オンロード時において車体左右方向の振動加速度
    を検知する加速度検知手段の信号とダンパのピストンロ
    ッドの移動速度を検知するダンパ速度検出手段の信号に
    基づいて選定したダンパ定数が所定の値より小さい場合
    には、アンロードに切り換えるようにしたことを特徴と
    する鉄道車両の振動抑制装置。
  2. 【請求項2】シリンダのヘッド側室からロッド側室へチ
    ェック弁を介して連通するとともにロッド側室から油タ
    ンクへの流路をオンロード時とアンロード時の2経路と
    したダンパを台車と車体間に備えて、振動状態に適応し
    て車体の横振れを抑制する鉄道車両の振動抑制装置にお
    いて、オンロード時において車体左右方向の振動加速度
    を検知する加速度検知手段の信号により算出された目標
    ダンパ力の絶対値が、所定の値以下であり、かつ、小さ
    くなる側である場合に強制的にアンロードに切り換える
    ようにしたことを特徴とする鉄道車両の振動抑制装置。
  3. 【請求項3】車体左右方向の振動加速度を検知する加速
    度検知手段の信号から演算した目標制御力に、ハイパス
    フィルタを通した車体振動加速度成分を加算するように
    したことを特徴とする請求項1記載の鉄道車両の振動抑
    制装置。
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