JPH11132277A - ダンパ - Google Patents

ダンパ

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JPH11132277A
JPH11132277A JP31136597A JP31136597A JPH11132277A JP H11132277 A JPH11132277 A JP H11132277A JP 31136597 A JP31136597 A JP 31136597A JP 31136597 A JP31136597 A JP 31136597A JP H11132277 A JPH11132277 A JP H11132277A
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damping force
cylinder
oil passage
piston
oil
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JP31136597A
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Akinori Kurusu
明法 来栖
Masaaki Uchiyama
正明 内山
Hiroyuki Ota
博之 太田
Takao Obara
隆夫 小原
Hiroshi Murata
広志 村田
Takeshi Nakamura
健 中村
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Tokico Ltd
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Tokico Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダンパにおいて、ピストンロッドのストロー
ク端付近で、減衰力を段階的に増大させる。 【解決手段】 油液を封入したシリンダ9内に、ピスト
ンロッド12を連結したピストン11を摺動可能に嵌装す
る。シリンダ9の両端部付近の側壁に開口する油路23,
28およびオリフィス24,25,29,30を介してシリンダ室
9a,9bを減衰力調整機構33に接続する。ピストンロッド
12のストロークにともなうピストン11の移動によって生
じる油液の流動を減衰力調整機構33によって制御して減
衰力を発生させる。ピストンロッド12が、そのストロー
ク端付近まで移動したとき、ピストン11によって油路23
およびオリフィス24,25または油路28およびオリフィス
29,30が順次閉鎖されることにより、ピストンロッド12
のストロークにともなう油液の流動抵抗が増大して減衰
力が段階的に増大する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道車両等の車両
の制振装置に用いられるダンパに関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄道車両の横ゆれ制振装置の一例につい
て図6を参照して説明する。図6に示すように、鉄道車
両1は、車輪2が装着された台車3に、車体4が左右方
向に弾性的に浮動支持されており、台車3と車体4との
間に減衰力可変ダンパ5が設けられている。図6中、6
は軌道を構成するレールである。そして、軌道の曲率お
よび振れ等に対して、横加速度センサ(図示せず)によ
って検出した車体4の横加速度等に基づいて、コントロ
ーラ(図示せず)によって減衰力可変ダンパ5の減衰力
を適宜制御(いわゆるセミアクティブダンパ制御)する
ことにより、車体4の横ゆれを抑制して乗り心地を向上
させるようにしている。
【0003】上記セミアクティブダンパ制御を行う場
合、減衰力可変ダンパ5として、減衰力特性を伸び側と
縮み側とで大小異なる種類の組合せ(例えば、伸び側お
よび縮み側がそれぞれハードおよびソフトまたはソフト
およびハードの組合せ)を選択できるようにした、いわ
ゆる減衰力反転型可変ダンパを利用することにより、車
両の走行状態に応じて迅速に適切な減衰力を得ることが
でき、制振効果を高めることができることが知られてい
る。
【0004】鉄道車両1が曲線軌道上を通過する場合、
車体4は、超過遠心加速度aによって曲線軌道の外側へ
向かって変位する。一般的な例では、台車3と車体4と
の左右方向の変位は、樹脂性のストッパ等(図示せず)
によって約±25mmに規制されており、超過遠心加速度が
0.08G 程度になると、車体4は台車3に対して曲線軌道
の外側へ約20mm変位する。この状態では、曲線軌道の外
側に約5mmの範囲内で横ゆれ制振制御を行うことにな
る。このとき、曲線軌道のレール6が、内側に約5mmの
制御範囲を越えて大きく振れていると(振れの方向を矢
印bで示す)、車体4がストッパに衝突して、車輪2が
レール6に大きな横圧を作用させ、また、その反作用で
車体4に急激な横ゆれが発生する虞がある。
【0005】そこで、車体4がストッパに当接する減衰
力可変ダンパ5のストローク端付近では、コントローラ
によって減衰力可変ダンパ5の減衰力をハード側に切り
換えて、車体4のストッパとの衝突を防止および緩衝す
るようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の横ゆれ制振装置では、次のような問題がある。減衰
力可変ダンパ5の減衰力がソフト側に設定されている場
合に、レール6が急激に大きく振られて、コントローラ
によるハード側への切換制御に遅れが生じた場合、ある
いは、減衰力可変ダンパ5の減衰力調整弁がフェイルに
よってソフト側に固着した場合等においては、減衰力可
変ダンパ5のストローク端付近で充分大きな減衰力を発
生させることができず、車体4のストッパへの衝突を充
分に防止および緩衝することができない。
【0007】特に、前述の減衰力反転型可変ダンパを用
いた場合には、伸び側または縮み側の一方の減衰力がソ
フト側となるため、コントローラによるハード側への切
換遅れおよびフェイル時に充分な減衰力が得られないこ
とが問題となる。
【0008】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
であり、ストローク端部付近で、確実に充分な減衰力を
得ることができるようにしたダンパを提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、油液が封入されたシリンダ
と、該シリンダ内に摺動可能に嵌装されて前記シリンダ
内を2つのシリンダ室に画成するピストンと、一端が前
記ピストンに連結され他端が前記シリンダの外部へ延出
されたピストンロッドと、前記シリンダ室に接続された
油路と、該油路の油液の流動を制御して減衰力を発生さ
せる減衰弁とを備えたダンパであって、前記油路は、前
記シリンダの側壁に軸方向に沿って配置された複数の油
孔を介して前記シリンダ室に連通されており、前記ピス
トンロッドがそのストローク端付近までストロークした
とき、前記ピストンによって前記複数の油孔が順次閉鎖
されるようになっていることを特徴とする。
【0010】このように構成したことにより、ピストン
ロッドのストロークにともなうピストンの移動によって
油路に生じる油液の流動を減衰弁によって制御して減衰
力を発生させる。ピストンロッドがストローク端付近ま
で移動すると、ピストンによってシリンダの側壁に設け
られた複数の油孔が順次閉鎖されるので、ピストンのス
トロークにともなう油路の油液の流動が順次絞られて減
衰力が段階的に大きくなる。
【0011】また、請求項2の発明は、上記請求項1の
構成において、減衰弁は、減衰力を調整可能な減衰力調
整手段を有していることを特徴とする。
【0012】このように構成したことにより、減衰力調
整手段によって適宜減衰力を調整することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の第1実施形態について、
図1ないし図4を参照して説明する。図1に示すよう
に、第1実施形態の減衰力可変ダンパ7は、有底円筒状
の外筒8内にシリンダ9を挿入したに二重筒構造になっ
ており、シリンダ9と外筒8との間にリザーバ10が形成
されている。シリンダ9内には、ピストン11が摺動可能
に嵌装されており、このピストン11によってシリンダ9
内がシリンダ室9a,9bの2室に画成されている。ピスト
ン11には、ピストンロッド12の一端が連結されており、
ピストンロッド12の他端はシリンダ9および外筒8の端
部に装着されたガイドシール13に挿通されて外部へ延出
されている。そして、シリンダ9内には油液が封入さ
れ、リザーバ10内には油液およびガスが封入されてい
る。
【0014】ピストン11には、シリンダ室9a内の圧力が
所定圧力に達したとき、シリンダ室9aからシリンダ室9b
へ油液を逃がすリリーフ弁14およびシリンダ室9b内の圧
力が所定圧力に達したとき、シリンダ室9bからシリンダ
室9aへ油液を逃がすリリーフ弁15が設けられている。シ
リンダ9の底部のベースバルブ16には、シリンダ室9bと
リザーバ10との間を連通させる油路17およびこの油路17
のリザーバ10側からシリンダ室9b側への油液の流通のみ
を許容する逆止弁18が設けられている。また、ガイドシ
ール13には、シリンダ室9aとリザーバ10との間を連通さ
せる油路19およびこの油路19のリザーバ10側からシリン
ダ室9a側への油液の流通のみを許容する逆止弁20が設け
られている。
【0015】シリンダ9のガイドシール13側の外周部に
は、略円筒状の通路部材21が嵌合されており、シリンダ
9と通路部材21との間に環状油路22が形成されている。
環状油路22は、シリンダ9のガイドシール13付近の側壁
に設けられた油路23(油孔)およびオリフィス24,25
(油孔)によってシリンダ室9aに連通されている。油路
23およびオリフィス24,25は、シリンダ9の軸方向に沿
って中央部側からガイドシール13側へ向かってこの順に
配置されており、ピストンロッド12が伸び側のストロー
ク端付近までストロークしたとき、ピストン11によって
順次閉鎖されるようになっている。
【0016】また、シリンダ9のベースバルブ16側の外
周部には、略円筒状の通路部材26が嵌合されており、シ
リンダ9と通路部材26との間に環状油路27が形成されて
いる。環状油路27は、シリンダのベースバルブ16付近の
側壁に設けられた油路28(油孔)およびオリフィス29,
30(油孔)によってシリンダ室9bに連通されている。油
路28およびオリフィス29,30は、シリンダ9の軸方向に
沿って中央部側からベースバルブ16側へ向かってこの順
に配置されており、ピストンロッド12が縮み側のストロ
ーク端付近までストロークしたとき、ピストン11によっ
て順次閉鎖されるようになっている。
【0017】通路部材21,26の環状油路22,27には、そ
れぞれ接続管31,32の一端が接続されており、接続管3
1,32の他端は、外筒8の側面部に取付けられた減衰力
調整機構33(減衰力調整手段を有する減衰弁)に接続さ
れている。接続管31には、環状油路22側から減衰力調整
機構33側への油液の流通のみを許容する逆止弁34が設け
られている。また、減衰力調整機構33は、外筒8の側壁
に設けられた油路35によってリザーバ10に接続されてい
る。
【0018】減衰力調整機構33には、接続管31,32およ
び油路35にそれぞれ連通する油路36,37,38が設けられ
ている。油路36,37間は、伸び側減衰弁39(パイロット
型圧力制御弁)、伸び側固定オリフィス40および伸び側
可変オリフィス41を介して連通されている。また、油路
37,38間は、縮み側減衰弁42(パイロット型圧力制御
弁)、縮み側固定オリフィス43および縮み側可変オリフ
ィス44を介して連通されている。
【0019】そして、伸び側可変オリフィス41の流路面
積を変化させることにより、油路36,37間の流路面積を
直接調整すると同時に、パイロット圧力を変化させて伸
び側減衰弁39の開弁圧力を調整できるようになってい
る。また、縮み側可変オリフィス44の流路面積を変化さ
せることにより、油路37,38間の流路面積を直接調整す
ると同時に、パイロット圧力を変化させて縮み側減衰弁
42の開弁圧力を調整できるようになっている。
【0020】図2および図3に概略的に示すように、減
衰力可変ダンパ7は、図6に示す従来のものと同様、鉄
道車両1の横ゆれ制振装置の台車3と車体4との間に装
着される。なお、図2および図3においては、図6に示
すのものと同様の部分には同一の番号を付している。
【0021】以上のように構成した第1実施形態の作用
について次に説明する。
【0022】ピストンロッド12の伸び行程時には、ピス
トン11の移動にともない、ガイドシール13に設けられた
油路19の逆止弁20が閉じてシリンダ室9a側の油液が加圧
されて、油路23(オリフィス24,25)および環状油路22
を通り、逆止弁34を開いて接続管31を流れ、さらに、油
路36、伸び側固定オリフィス40、伸び側可変オリフィス
41、油路37、接続管32、環状油路27および油路28(オリ
フィス29,30)を通ってシリンダ室9bへ流れる。このと
き、シリンダ室9a側の圧力が伸び側減衰弁39の開弁圧力
に達すると、伸び側減衰弁39が開いて油液が油路36から
油路37へ伸び側減衰弁39を介して流れる。一方、ピスト
ン11の移動にともなうシリンダ室9bの容積増加分の油液
がベースバルブ16に設けられた油路17の逆止弁18を開い
てリザーバ10からシリンダ室9bへ流れる。
【0023】したがって、伸び行程時には、ピストン速
度が低く伸び側減衰弁39の開弁前には、伸び側可変オリ
フィス41の流路面積に応じてオリフィス特性(減衰力が
ピストン速度の2乗にほぼ比例する)の減衰力が発生
し、ピストン速度が高くなり、シリンダ室9a側の圧力が
上昇して伸び側減衰弁39が開くと、その開度に応じてバ
ルブ特性(減衰力がピストン速度にほぼ比例する)の減
衰力が発生する。そして、伸び側可変オリフィス41の流
路面積を変化させることにより、オリフィス特性を直接
調整すると同時に、これによってパイロット圧力を変化
させて伸び側減衰弁39の開弁圧力、すなわち、バルブ特
性を調整することができる。
【0024】また、ピストンロッド12の縮み行程時に
は、ピストン11の移動にともない、ベースバルブ16に設
けられた油路17の逆止弁18が閉じてシリンダ室9b側の油
液が加圧されて、油路28(オリフィス29,30)、環状油
路27、接続管32、油路37、縮み側固定オリフィス43、縮
み側可変オリフィス44、油路38および油路35を通ってリ
ザーバ10へ流れる。このとき、シリンダ室9b側の圧力が
縮み側減衰弁42の開弁圧力に達すると、縮み側減衰弁42
が開いて油液が油路37から油路38へ縮み側減衰弁42を介
して流れる。なお、接続管31の逆止弁34が閉じることに
より、伸び側可変オリフィス41の流路面積にかかわら
ず、油液が油路37からシリンダ室9a側へ流れることはな
いので、シリンダ室9aには、その容積増加分の油液がリ
ザーバ10からガイドシール13に設けられた油路19の逆止
弁20を開いて流入する。
【0025】したがって、縮み行程時には、ピストン速
度が低く縮み側減衰弁42の開弁前には、縮み側可変オリ
フィス44の流路面積に応じてオリフィス特性の減衰力が
発生し、ピストン速度が高くなり、シリンダ9側の圧力
が上昇して縮み側減衰弁42が開くと、その開度に応じて
バルブ特性の減衰力が発生する。そして、縮み側可変オ
リフィス44の流路面積を変化させることにより、オリフ
ィス特性を直接調整すると同時に、これによってパイロ
ット圧力を変化させて縮み側減衰弁42の開弁圧力、すな
わち、バルブ特性を調整することができる。
【0026】次に、減衰力可変ダンパ7のピストンロッ
ド12のストローク端付近における減衰力増大機能につい
て図2ないし図4を参照して説明する。
【0027】図2に示すように、横ゆれ制振装置に減衰
力可変ダンパ7を装着した鉄道車両1が右カーブの曲線
軌道上を通過する場合、車体4は、超過遠心加速度a1
よって曲線軌道の外側へ向かって変位する。このとき、
曲線軌道のレール6が内側へ大きく振れており(振れの
方向を矢印b1で示す)、車体4がさらに外側へ変位し
て、減衰力可変ダンパ7のピストンロッド12が、その伸
び側のストローク端付近の所定位置まで伸長すると、ピ
ストン11がシリンダ9の側壁の油路23の開口部を閉鎖す
る。
【0028】これにより、シリンダ室9aから減衰力調整
機構33へ流れる油液は、オリフィス24,25によって絞ら
れることになり、減衰力が増大する。さらに、ピストン
ロッド12が伸び側へストロークすると、ピストン11によ
ってオリフィス24,25が順次閉鎖されて、減衰力がさら
に増大する。なお、油路23およびオリフィス24,25の閉
鎖によってシリンダ室9a内の圧力が上昇して所定圧力に
達すると、ピストン11に設けられたリリーフ弁14が開い
てシリンダ室9a内の油液をシリンダ室9bへリリーフして
圧力の過度の上昇を防止する。
【0029】また、図3示すように、減衰力可変ダンパ
7を装着した鉄道車両1が左カーブの曲線軌道上を通過
する場合、車体4は、超過遠心加速度a2によって曲線軌
道の外側へ向かって変位する。このとき、曲線軌道のレ
ール6が内側へ大きく振れており(振れの方向を矢印b2
で示す)、車体4がさらに外側へ変位して、減衰力可変
ダンパ7のピストンロッド12が、その縮み側のストロー
ク端付近の所定位置まで短縮すると、ピストン11がシリ
ンダ9の側壁の油路28の開口部を閉鎖する。
【0030】これにより、シリンダ室9bから減衰力調整
機構33へ流れる油液は、オリフィス29,30によって絞ら
れることになり、減衰力が増大する。さらに、ピストン
ロッド12が縮み側へストロークすると、ピストン11によ
ってオリフィス29,30が順次閉鎖されて、減衰力がさら
に増大する。なお、油路28およびオリフィス29,30の閉
鎖によってシリンダ室9b内の圧力が上昇して所定圧力に
達すると、ピストン11に設けられたリリーフ弁15が開い
てシリンダ室9b内の油液をシリンダ室9aへリリーフして
圧力の過度の上昇を防止する。
【0031】ピストンロッド12が一定速度でストローク
したときのストロークと減衰力との関係を図4に示す。
ピストンロッド12が伸び側または縮み側のストローク端
付近までストロークすると、ピストン11によって、先ず
油路23または油路28が閉鎖されて、減衰力が増大し、さ
らに、ピストンロッド12がストローク端側へストローク
すると、次いでオリフィス24,25またはオリフィス29,
30が順次閉鎖されて、減衰力が段階的に増大する。
【0032】このように、減衰力調整機構33の状態にか
かわらず、ピストンロッド12の伸び側および縮み側のス
トローク端付近で充分大きな減衰力を発生させることが
できるので、減衰力調整機構33の減衰力特性がソフト側
に設定されている場合にレール6が急激に大きく振られ
て、コントローラによるハード側への切換制御に遅れが
生じた場合、あるいは、伸び側および縮み側可変オリフ
ィス41,44がフェイルによってソフト側に固着した場合
等においても、ピストンロッド12のストローク端付近で
充分大きな減衰力を発生させることができ、車体4のス
トッパへの衝突を確実に防止および緩衝することができ
る。その結果、車輪2がレール6に大きな横圧を作用さ
せ、また、その反作用で車体4に急激な横ゆれが発生す
るのを防止することができるので、レール6の損傷を低
減することができ、また、乗り心地を向上させることが
できる。
【0033】この場合、簡単な機械的構造によってピス
トンロッドのストローク端付近において確実に減衰力を
増大させることができ、電気的なセンサおよび制御手段
等を必要としないので、信頼性が高く、かつ、製造コス
トも高価になることがない。なお、ピストンロッドのス
トローク端付近における減衰力の増大特性は、ピストン
によって閉鎖される油路およびオリフィスの形状、数、
配置およびピストン形状等によって様々に設定すること
ができる。
【0034】次に本発明の第2実施形態について図5を
参照して説明する。なお、第2実施形態は、図1に示す
第1実施形態に対して、減衰力調整機構33の代わりに比
例減衰弁を設けこと以外は概して同様の構造であるか
ら、以下、図1のものと同様の部分には同一の番号を付
して異なる部分についてのみ詳細に説明する。
【0035】図5に示すように、第2実施形態のダンパ
45は、シリンダ9の油路23およびオリフィス24,25の外
周部にバルブ部材46が嵌合されて、シリンダ9とバルブ
部材46との間に油路23およびオリフィス24,25に連通す
る環状油路47が形成されている。バルブ部材46には、環
状油路47とリザーバ10とを連通させる油路48およびこの
油路48の油液の流動を制御して減衰力を発生させる伸び
側比例減衰弁49(減衰弁)が設けられている。伸び側比
例減衰弁49は、油路48の環状油路47側からリザーバ10側
への一方への油液の流通を許容するとともに、環状油路
47側の圧力がその流量にほぼ比例するような特性を有す
るものである。
【0036】また、シリンダ9の油路28およびオリフィ
ス29,30の外周部にバルブ部材50が嵌合されて、シリン
ダ9とバルブ部材50との間に油路28およびオリフィス2
9,30に連通する環状油路51が形成されている。バルブ
部材50には、環状油路51とリザーバ10とを連通させる油
路52およびこの油路51の油液の流動を制御して減衰力を
発生させる縮み側比例減衰弁53(減衰弁)が設けられて
いる。縮み側比例減衰弁53は、油路52の環状油路51側か
らリザーバ10側への一方への油液の流通を許容するとと
もに、環状油路51側の圧力がその流量にほぼ比例するよ
うな特性を有するものである。
【0037】このように構成したことにより、ピストン
ロッド12の伸び行程時には、上記第1実施形態のものと
同様に逆止弁20が閉じてシリンダ室9a内の油液が加圧さ
れ、この油液が油路23(オリフィス24,25)、環状油路
47および油路48を通ってリザーバ10へ流れて、伸び側比
例減衰弁49によって減衰力が発生する。このとき、環状
油路47すなわちシリンダ室9aの圧力が伸び側比例減衰弁
49を流れる油液の流用にほぼ比例するので、ピストン速
度にほぼ比例したバルブ特性の減衰力を得ることができ
る。一方、シリンダ室9bの容積増加分の油液が逆止弁18
を開いてリザーバ10からシリンダ室9bへ流れる。
【0038】また、ピストンロッド12の縮み行程時に
は、上記第1実施形態のものと同様に逆止弁18が閉じて
シリンダ室9b内の油液が加圧され、この油液が油路28
(オリフィス29,30)、環状油路51および油路52を通っ
てリザーバ10へ流れて、縮み側比例減衰弁53によって減
衰力が発生する。このとき、環状油路52すなわちシリン
ダ室9bの圧力が縮み側比例減衰弁53を流れる油液の流用
にほぼ比例するので、ピストン速度にほぼ比例したバル
ブ特性の減衰力を得ることができる。一方、シリンダ室
9aの容積増加分の油液が逆止弁20を開いてリザーバ10か
らシリンダ室9aへ流れる。
【0039】そして、ピストンロッド12が伸び側または
縮み側のストローク端付近までストロークすると、上記
第1実施形態と同様、ピストン11が油路23およびオリフ
ィス24,25または油路28オリフィス29,30を順次閉鎖す
ることにより、シリンダ室9aまたは9bからリザーバ10へ
の油液の流れが順次絞られて、減衰力が段階的に増大す
る。これにより、ピストンロッド12のストローク端付近
において、上記第1実施形態と同様の作用および効果を
奏することができる。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1に係るダ
ンパは、減衰弁を有する油路をシリンダの側壁に軸方向
に沿って配置された複数の油孔を介してシリンダ室に連
通させたことにより、ピストンロッドがストローク端付
近まで移動すると、ピストンによってシリンダの側壁に
設けられた複数の油孔が順次閉鎖されて、ピストンのス
トロークにともなう油路の油液の流動が順次絞られて減
衰力が段階的に大きくなるので、車両制振装置に装着し
た場合、車体のストッパへの衝突を確実に防止および緩
衝することができる。
【0041】また、請求項2に係るダンパは、上記請求
項1の構成において、減衰弁に減衰力調整手段を設けた
ので、減衰力調整手段によって適宜減衰力を調整するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る減衰力可変ダンパ
の縦断面図である。
【図2】図1の装置の油圧回路図およびそれを装着した
車両制振装置を有する鉄道車両の右カーブの軌道上を走
行中の状態を示す概略図である。
【図3】図1の装置の油圧回路図およびそれを装着した
車両制振装置を有する鉄道車両の左カーブの軌道上を走
行中の状態を示す概略図である。
【図4】図1の装置のピストンロッドが一定速度でスト
ロークした場合の減衰力特性を示す図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るダンパの縦断面図
である。
【図6】減衰力可変ダンパを装着した車両制振装置を備
えた鉄道車両の右カーブの軌道上を走行中の状態を示す
概略図である。
【符号の説明】
7 減衰力可変ダンパ(ダンパ) 9 シリンダ 9a,9b シリンダ室 11 ピストン 12 ピストンロッド 22,27 環状油路(油路) 23,28 油路(油孔) 24,25,29,30 オリフィス(油孔) 33 減衰力調整機構(減衰力調整手段を有する減衰弁) 45 ダンパ 47,51 環状油路(油路) 49 伸び側比例減衰弁(減衰弁) 53 縮み側比例減衰弁(減衰弁)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小原 隆夫 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番3 号 トキコ株式会社内 (72)発明者 村田 広志 神奈川県綾瀬市小園1116番地 トキコ株式 会社相模工場内 (72)発明者 中村 健 神奈川県綾瀬市小園1116番地 トキコ株式 会社相模工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油液が封入されたシリンダと、該シリン
    ダ内に摺動可能に嵌装されて前記シリンダ内を2つのシ
    リンダ室に画成するピストンと、一端が前記ピストンに
    連結され他端が前記シリンダの外部へ延出されたピスト
    ンロッドと、前記シリンダ室に接続された油路と、該油
    路の油液の流動を制御して減衰力を発生させる減衰弁と
    を備えたダンパであって、 前記油路は、前記シリンダの側壁に軸方向に沿って配置
    された複数の油孔を介して前記シリンダ室に連通されて
    おり、前記ピストンロッドがそのストローク端付近まで
    ストロークしたとき、前記ピストンによって前記複数の
    油孔が順次閉鎖されるようになっていることを特徴とす
    るダンパ。
  2. 【請求項2】 前記減衰弁は、減衰力を調整可能な減衰
    力調整手段を有していることを特徴とする請求項1に記
    載のダンパ。
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