JP2003042216A - 油圧ダンパ - Google Patents

油圧ダンパ

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JP2003042216A
JP2003042216A JP2001232601A JP2001232601A JP2003042216A JP 2003042216 A JP2003042216 A JP 2003042216A JP 2001232601 A JP2001232601 A JP 2001232601A JP 2001232601 A JP2001232601 A JP 2001232601A JP 2003042216 A JP2003042216 A JP 2003042216A
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orifice
piston
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port
stroke
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JP2001232601A
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Tatsuya Ganmi
龍也 願海
Kazuaki Shibahara
和晶 柴原
Masaaki Uchiyama
正明 内山
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Tokico Ltd
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Tokico Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄道車両用左右動ダンパにおいて、簡単な構
造で効果的に車体の横揺れを吸収、抑制して乗り心地を
向上させる。 【解決手段】 油液を封入したシリンダ9内に、ピスト
ンロッド13を連結したピストン12を嵌装する。鉄道車両
が直線軌道走行中は、ピストン12が中立位置付近の領域
、´にあり、第2、第3オリフィス24,32または41,43
(流路面積中)によって標準の減衰力を発生して、適度に
車体の振動を抑制する。曲線軌道走行中は、ピストン12
が領域または´までストロークして、第1オリフィ
ス29または40(流路面積大)によって小さな減衰力を発生
して振動を吸収する。さらに、ピストン12が領域,4
または´,´までストロークした場合は、第3オリフ
ィス32または43(流路面積小)、さらに、第4オリフィス3
3または44(流路面積最小)によって、振動を抑制して、
ストローク端のストッパへの衝突を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄道車両の台車と車体
との間に装着して左右動ダンパとして使用される油圧ダ
ンパに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば図4に示すように、鉄道車両1にお
いては、車輪2が装着された台車3に対して、車体4をま
くらばね5等によって左右方向に弾性的に支持し、台車3
と車体4との間を左右動ダンパ6によって連結して、軌道
(図示せず)の振れに追従する台車3の左右方向の揺れを
まくらばね5および左右動ダンパ6によって吸収すること
により、車体の横揺れを抑制して乗り心地を向上させて
いる。なお、図4中、符号7は軸ばねを示す。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般的に、左右動ダン
パは、図5に示すように、ピストン速度に依存する一定
の減衰力特性を有しているため、車両の乗り心地を向上
させるためには、減衰力特性を最適に選定する必要があ
る。ここで、車体変位を抑えるために減衰力を大きく設
定すると、台車の振れを充分に吸収することができず、
乗り心地が悪化する。一方、減衰力を小さく設定する
と、横揺れの振幅が大きくなり、また、ストローク端の
ストッパへの衝突によって乗り心地が悪化する。このた
め、最適な減衰力を選定することは困難である。
【0004】また、空気圧シリンダ等のアクチュエータ
および左右動センサ等を用いて車体の左右振動をアクテ
ィブに制御する技術も開発されているが、この場合、装
置が複雑化するため、コスト、メンテナンスの面で多く
の車両に適用することは困難である。
【0005】そこで、本出願人は、振動の吸収およびス
トローク端のストッパへの衝突の問題を解消すべく、ピ
ストンロッドのストロークに応じて減衰力特性を切換え
ることによって、乗り心地を向上させるようにした左右
動ダンパを開発してきた(例えば特開2000-283210号公報
参照)。
【0006】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
であり、簡単な構造で効果的に車体の横揺れを吸収して
乗り心地を向上させることができる油圧ダンパを提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に係る発明は、油液が封入されたシリン
ダと、該シリンダ内に摺動可能に嵌装されたピストン
と、一端が前記ピストンに連結され、他端が前記シリン
ダの外部へ延出されたピストンロッドとを備え、前記シ
リンダ内の前記ピストンのストロークによって生じる油
液の流れを制御して減衰力を発生させる油圧ダンパにお
いて、前記ピストンのストロークに応じて、中立位置付
近の領域では、標準の減衰力を発生し、前記中立位置付
近から更にストロークした領域では、前記標準の減衰力
より小さな減衰力を発生し、更にストロークした領域で
は、前記標準の減衰力より大きな減衰力を発生すること
を特徴とする。このように構成したことにより、ピスト
ンの中立位置付近の領域でのストロークに対しては、標
準の減衰力を発生させて振動を抑制し、更にストローク
した領域でのストロークに対しては、小さな減衰力を発
生させて振動を吸収し、更にストロークした領域では、
大きな減衰力を発生させて過度の振動を抑制する。請求
項2の発明に係る油圧ダンパは、上記請求項1の構成にお
いて、前記ピストンが前記中立位置から伸び側および縮
み側のいずれにストロークした場合にも、同様の特性の
減衰力を発生することを特徴とする。このように構成し
たことにより、1つの油圧ダンパによって伸び側および
縮み側両方の振動を減衰することができる。また、請求
項3の発明に係る油圧ダンパは、上記請求項1の構成にお
いて、前記ピストンが前記中立位置へ戻る方向にストロ
ークする場合には、前記標準の減衰力より小さい減衰力
を発生することを特徴とする。このように構成したこと
により、ピストンをストローク位置から中立位置へ迅速
に復帰させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図1に示すように、本実施
形態に係る油圧ダンパ8は、シリンダ9の外側に外筒10を
設けた二重筒構造であり、シリンダ9と外筒10との間に
環状のリザーバ11が形成されている。シリンダ9内に
は、ピストン12が摺動可能に嵌装され、このピストン12
によってシリンダ9内がシリンダ室9a,9bの2室に画成さ
れている。ピストン12には、ピストンロッド13の一端が
連結され、ピストンロッド13の他端は、シリンダ9およ
び外筒10の端部に設けられたガイドシール14に挿通され
て外部へ延出されている。シリンダ9内には油液が封入
され、リザーバ11内には油液およびガスが封入されてい
る。
【0009】ピストン12には、シリンダ室9a,9b間を連
通させる伸び側油路15および縮み側油路16が設けられて
いる。伸び側油路15には、シリンダ室9aの油液をシリン
ダ室9bへリリーフする伸び側高圧リリーフ弁17が設けら
れている。また、縮み側油路16には、シリンダ室9bの油
液をシリンダ室9aへリリーフする縮み側高圧リリーフ弁
18が設けられている。
【0010】シリンダ9の底部には、リザーバ11からシ
リンダ室9bへの油液の流通のみを許容する逆止弁19およ
びシリンダ室9bの油液をリザーバ11へリリーフするリリ
ーフ弁20が設けられている。また、シリンダ9のガイド
シール14側の端部には、リザーバ11からシリンダ室9aへ
の油液の流通のみを許容する逆止弁21およびシリンダ室
9aの油液をリザーバ11へリリーフするリリーフ弁22が設
けられている。
【0011】シリンダ9の側壁には、シリンダ9の軸方向
中央からガイドシール14側の端部へ向かって、伸び側の
第1オリフィス出口ポート23、第2オリフィスポート24、
第1オリフィス入口ポート25および低圧リリーフポート2
6、第3オリフィスポート27、第4オリフィスポート28が
順次配置されている。そして、ピストン12が図1に示す
中立位置にあるとき、ピストン12によって第1オリフィ
ス出口ポート23が閉鎖され、ピストン12がシリンダ9の
ガイドシール14側の端部(ピストンロッド13の伸び側)へ
向かって移動すると、先ず、第2オリフィスポート24を
閉じると共に第1オリフィス出口ポート23を開き、次い
で、第1オリフィス入口ポート25および低圧リリーフポ
ート26を閉じ、その後、第3オリフィスポート27を閉じ
るようになっている。
【0012】第1オリフィス出口ポート23と第1オリフィ
ス入口ポート25とは、第1オリフィス29を介して互いに
連通されている。第2オリフィスポート24は、第2オリフ
ィス30を介してリザーバ11に連通されている。低圧リリ
ーフポート26には、シリンダ室9aの油液をリザーバ11へ
リリーフする低圧リリーフ弁31が設けられている。第3
オリフィスポート27は、第3オリフィス32を介してリザ
ーバ11に接続されている。第4オリフィスポート28は、
第4オリフィス33を介してリザーバ11に連通されてい
る。
【0013】ここで、伸び側の第1オリフィス29、第2オ
リフィス30、第3オリフィス32および第4オリフィス33
は、この順で流路面積が小さく設定されている。また、
低圧リリーフ弁31、高圧リリーフ弁17およびリリーフ弁
22は、この順でリリーフ圧が大きく設定されている。
【0014】また、シリンダ9の側壁には、シリンダ9の
軸方向中央から底部へ向かって、縮み側の第1オリフィ
ス出口ポート34、第2オリフィスポート35、第1オリフィ
ス入口ポート36および低圧リリーフポート37、第3オリ
フィスポート38、第4オリフィスポート39が順次配置さ
れている。そして、ピストン12が図1に示す中立位置に
あるとき、ピストン12によって第1オリフィス出口ポー
ト34が閉鎖され、ピストン12がシリンダ9の底部(ピスト
ンロッド13の縮み側)へ向かって移動すると、先ず、第2
オリフィスポート35を閉じると共に第1オリフィス出口
ポート34を開き、次いで、第1オリフィス入口ポート36
および低圧リリーフポート37を閉じ、その後、第3オリ
フィスポート38を閉じるようになっている。
【0015】縮み側の第1オリフィス出口ポート34と第1
オリフィス入口ポート36とは、第1オリフィス40を介し
て互いに連通されている。第2オリフィスポート35は、
第2オリフィス41を介してリザーバ11に連通されてい
る。低圧リリーフポート37には、シリンダ室9bの油液を
リザーバ11へリリーフする低圧リリーフ弁42が設けられ
ている。第3オリフィスポート38は、第3オリフィス43を
介してリザーバ11に接続されている。第4オリフィスポ
ート39は、第4オリフィス44を介してリザーバ11に連通
されている。
【0016】ここで、縮み側の第1オリフィス40、第2オ
リフィス41、第3オリフィス43および第4オリフィス44
は、この順で流路面積が小さく設定されている。また、
低圧リリーフ弁42、高圧リリーフ弁18およびリリーフ弁
20は、この順でリリーフ圧が大きく設定されている。
【0017】以上のように構成した本実施形態の作用に
ついて次に説明する。油圧ダンパ8は、図4に示すものと
同様、横方向に弾性的に支持された台車と車体との間に
連結されて、これらの間の左右動によるピストンロッド
13の伸縮に対して減衰力を作用させる。
【0018】ピストン12が図1に示す中立位置からピス
トンロッド13の伸び側にストロークする場合、ピストン
12が伸び側の第2オリフィスポート24を閉鎖するまでの
領域においては、ピストン12によって、第1オリフィ
ス出口ポート23が閉鎖されているので、シリンダ室9aの
油液が主に第2オリフィスポート24の第2オリフィス30お
よび第3オリフィスポート27の第3オリフィス32を通って
リザーバ11へ流れ、標準の減衰力B(図2参照)が発生す
る。なお、ピストンロッド13の伸び行程時には、リザー
バ11から逆止弁19を介してシリンダ室9bへ油液が流れ、
ピストンロッド13がシリンダ9内から退出した分、リザ
ーバ11内のガスが膨張する。
【0019】ピストン12がさらにストロークして、第2
オリフィスポート24を閉鎖した後、第1オリフィス入口
ポート25および第1リリーフポート26を閉鎖するまでの
領域においては、第1オリフィス出口ポート23が開か
れるので、シリンダ室9aの油液が第2オリフィスポート2
4に代って第1オリフィス入口ポート25および第1オリフ
ィス出口ポート23を通ってシリンダ室9bへ流れ、第2オ
リフィス30よりも流路面積の大きい第1オリフィス29に
よって、標準の減衰力Bよりも小さな減衰力A(図2参照)
が発生する。なお、領域およびでは、ピストン速度
の高速域においては、シリンダ室9aの油液は、低圧リリ
ーフポート26の低圧リリーフ弁31によってリザーバ11へ
リリーフされる。
【0020】ピストン12がさらにストロークして、第1
オリフィス入口ポート25および第1リリーフポート26を
閉鎖した後、第3オリフィスポート27を閉鎖するまでの
領域においては、シリンダ室9aの油液が主に、第3オ
リフィスポート27を通ってリザーバ11へ流れ、流路面積
の小さい第3オリフィス32によって、標準の減衰力Bより
も大きな減衰力C(図2参照)が発生する。また、ピストン
速度の高速域においては、シリンダ室9aの油液は、ピス
トン12の伸び側油路15の高圧リリーフ弁17によってシリ
ンダ室9bへリリーフされる。
【0021】ピストン12がストローク端付近までストロ
ークして、第3オリフィスポート27を閉鎖した後の領域
においては、シリンダ室9aの油液が第4オリフィスポ
ート28を通ってリザーバ11へ流れ、最も流路面積の小さ
い第4オリフィス33によって、最大の減衰力D(図2参照)
が発生して、ストローク端のストッパ(図示せず)への衝
突を防止する。なお、油路の詰まり等の原因でシリンダ
室9aの圧力が過度に上昇した場合には、リリーフ弁22が
開いて、シリンダ室9aの油液をリザーバ11へリリーフす
る。
【0022】また、ピストン12が図1に示す中立位置か
らピストンロッド13の縮み側にストロークする場合、ピ
ストン12が縮み側の第2オリフィスポート35を閉鎖する
までの領域´においては、ピストン12によって、第1
オリフィス出口ポート34が閉鎖されているので、シリン
ダ室9bの油液が主に第2オリフィスポート35の第2オリフ
ィス41および第3オリフィスポート38の第3オリフィス43
を通ってリザーバ11へ流れ、標準の減衰力B(図2参照)が
発生する。なお、ピストンロッド13の縮み行程時には、
リザーバ11から逆止弁21を介してシリンダ室9aへ油液が
流れ、ピストンロッド13がシリンダ9内に侵入した分、
リザーバ11内のガスが圧縮される。
【0023】ピストン12がさらにストロークして、第2
オリフィスポート35を閉鎖した後、第1オリフィス入口
ポート36および第1リリーフポート37を閉鎖するまでの
領域´においては、第1オリフィス出口ポート34が開
かれるので、シリンダ室9bの油液が第2オリフィスポー
ト35に代って第1オリフィス入口ポート36および第1オリ
フィス出口ポート34を通ってシリンダ室9aへ流れ、第2
オリフィス41よりも流路面積の大きい第1オリフィス40
によって、標準の減衰力Bよりも小さな減衰力A(図2参
照)が発生する。なお、領域´および´では、ピス
トン速度の高速域においては、シリンダ室9bの油液は、
低圧リリーフポート37の低圧リリーフ弁42によってリザ
ーバ11へリリーフされる。
【0024】ピストン12がさらにストロークして、第1
オリフィス入口ポート36および第1リリーフポート37を
閉鎖した後、第3オリフィスポート38を閉鎖するまでの
領域´においては、シリンダ室9の油液が主に、第3オ
リフィスポート38を通ってリザーバ11へ流れ、流路面積
の小さい第3オリフィス43によって、標準の減衰力Bより
も大きな減衰力C(図2参照)が発生する。また、ピストン
速度の高速域においては、シリンダ室9bの油液は、ピス
トン12の縮み側油路16の高圧リリーフ弁18によってシリ
ンダ室9aへリリーフされる。
【0025】ピストン12がストローク端付近までストロ
ークして、第3オリフィスポート38を閉鎖した後の領域
´においては、シリンダ室9bの油液が第4オリフィス
ポート39を通ってリザーバ11へ流れ、最も流路面積の小
さい第4オリフィス44によって、最大の減衰力D(図2参
照)が発生して、ストローク端のストッパ(図示せず)へ
の衝突を防止する。なお、油路の詰まり等の原因でシリ
ンダ室9bの圧力が過度に上昇した場合には、リリーフ弁
20が開いて、シリンダ室9bの油液をリザーバ11へリリー
フする。
【0026】ピストン12が伸び側の領域から図1に示
す中立位置へ向かって縮み方向へストロークする場合、
ピストン12がオリフィスポート27を塞いでいる位置から
第1オリフィス入口ポート25が開くまでの間は、オリフ
ィスポート24,35,38,39が開いた状態なので、オリフィ
ス30,41,43,44によって減衰力Bよりもやや小さい減衰力
B´が発生する。このとき、ピストン速度の高速域にお
いては、低圧リリーフポート37の低圧リリーフ弁42と、
低圧リリーフポート26の低圧リリーフ弁31によってリザ
ーバ11へリリーフされる。低圧リリーフ弁42の設定圧
は、低圧リリーフ弁31の設定圧より低いため、リリーフ
圧力は、低圧リリーフ弁42によって決定する。これによ
って、´、´と同じ低圧リリーフ特性を有する。
【0027】次に、ピストン12が第1オリフィス入口ポ
ート25を開いている位置から第1オリフィス出口ポート2
3を塞ぐまでの間は、オリフィスポート35,38,39および
第1オリフィス出口ポート23が開いた状態なので、オリ
フィス41,43,44および29により減衰力Aよりやや小さい
減衰力A´が発生する。このとき、ピストン速度の高速
域においては、低圧リリーフポート37の低圧リリーフ弁
42によってリザーバ11へリリーフされる。
【0028】また、ピストン12が縮み側の領域´から
図1に示す中立位置へ向かって伸び方向へストロークす
る場合は、ピストン12がオリフィスポート38を塞いでい
る位置から第1オリフィス入り口ポート36が開くまでの
間は、オリフィスポート35,24,27,28が開いた状態なの
で、オリフィス41,30,32,33により減衰力Bよりもやや小
さい減衰力B´が発生する。このとき、ピストン速度の
高速域においては、低圧リリーフポート26の低圧リリー
フ弁31と低圧リリーフポート37の低圧リリーフ弁42によ
ってリザーバ11へリリーフされる。低圧リリーフ弁31の
設定圧力は、低圧リリーフ弁42の設定圧力より高いた
め、リリーフ圧力は、低圧リリーフ弁42によって決定
し、、の領域での設定リリーフ圧よりも小さな値の
減衰力を発生する。
【0029】次に、ピストン12が第1オリフィス入口ポ
ート36を開いている位置から第1オリフィス出口ポート3
4を塞ぐまでのまでの間は、オリフィスポート24,27,28
および第1オリフィス出口ポート34が開いた状態なの
で、オリフィス30,32,33および40により、減衰力Aより
もやや小さい減衰力A´が発生する。このとき、ピスト
ン速度の高速域においては、低圧リリーフポート26の低
圧リリーフ弁31によってリザーバ11へリリーフされる。
図3に、ピストン12のストローク領域と減衰力との関係
を示す。なお、これらの減衰力特性の設定は、ピストン
12の厚さおよび各ポートの位置により、設定の変更が可
能である。
【0030】油圧ダンパ8の減衰力特性を図2および図3
に示すようにしたことにより、鉄道車両が、比較的横揺
れ振動の小さい直線軌道上を走行中の場合には、ピスト
ン12のストロークは領域または´となり、標準の減
衰力Bが作用して、振動を適度に抑制する。比較的振動
が大きくなりやすい曲線軌道上を走行中の場合には、ピ
ストン12のストロークは、旋回方向に応じて、領域ま
たは´となり、小さい減衰力Aが作用して、振動を充
分に吸収する。車体の変位がさらに大きくなり、ピスト
ン12のストロークが領域または´になると、大きな
減衰力Cが作用して、過度の振動を抑制する。さらに、
ピストン12がストローク端付近の領域または´まで
変位すると、最大の減衰力Dが作用して、ストッパへの
衝突を防止する。また、変位した車体が中立位置に復帰
する際には、最も小さい減衰力Aが作用するので、車体
を円滑に中立位置に復帰させることができる。このよう
にして、車体の横揺れ振動を効果的に吸収、抑制するこ
とにより、乗り心地を向上させることができる。
【0031】本発明に係る油圧ダンパ8によれば、簡単
な構造で上述の作用、効果を奏することができ、また、
センサ、コントローラ等の付属装置が不要であるため、
容易に従来の油圧ダンパと置き換えることができるの
で、必要コストを最小限に抑えることができる。
【0032】なお、上記実施形態では、1つの油圧ダン
パ8によって、伸び側および縮み側のストロークに対し
て、領域ないしおよび領域´ないし´におい
て、それぞれ同様の減衰力A,B,C,Dを発生するようにし
ているが、この他、伸び側または縮み側の一方のストロ
ークに対して、各領域において減衰力A,B,C,Dを発生す
るようにした2つの油圧ダンパを異なる向きに並列に配
置することによっても、同様の減衰力特性を得ることが
できる。
【0033】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の発明に
係る油圧ダンパによれば、ピストンの中立位置付近の領
域でのストロークに対しては、標準の減衰力を発生させ
て振動を抑制し、更にストロークした領域でのストロー
クに対しては、小さな減衰力を発生させて振動を吸収
し、更にストロークした領域では、大きな減衰力を発生
させて過度の振動を抑制するので、鉄道車両の左右動ダ
ンパとして使用することにより、車体の横揺れを効果的
に吸収、抑制することができ、乗り心地を向上させるこ
とができる。請求項2の発明に係る油圧ダンパによれ
ば、さらに、1つの油圧ダンパによって伸び側および縮
み側両方の振動を減衰することができる。また、請求項
3の発明に係る油圧ダンパによれば、さらに、車体を円
滑に中立位置へ復帰させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る油圧ダンパを概略的
に示す縦断面図である。
【図2】図1の装置のピストンの各ストローク領域にお
ける減衰力特性を示す図である。
【図3】図1の装置のピストンのストローク領域と減衰
力との関係を示す図である。
【図4】鉄道車両の概略構成を示す図である。
【図5】従来の鉄道車両用左右動ダンパの減衰力特性を
示す図である。
【符号の説明】
8 油圧ダンパ 9 シリンダ 13 ピストンロッド
フロントページの続き (72)発明者 内山 正明 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番3 号 トキコ株式会社内 Fターム(参考) 3J069 AA54 CC10 EE05 EE10 EE19

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油液が封入されたシリンダと、該シリン
    ダ内に摺動可能に嵌装されたピストンと、一端が前記ピ
    ストンに連結され、他端が前記シリンダの外部へ延出さ
    れたピストンロッドとを備え、前記シリンダ内の前記ピ
    ストンのストロークによって生じる油液の流れを制御し
    て減衰力を発生させる油圧ダンパにおいて、 前記ピストンのストロークに応じて、中立位置付近の領
    域では、標準の減衰力を発生し、前記中立位置付近から
    更にストロークした領域では、前記標準の減衰力より小
    さな減衰力を発生し、更にストロークした領域では、前
    記標準の減衰力より大きな減衰力を発生することを特徴
    とする油圧ダンパ。
  2. 【請求項2】 前記ピストンが前記中立位置から伸び側
    および縮み側のいずれにストロークした場合にも、同様
    の特性の減衰力を発生することを特徴とする請求項1に
    記載の油圧ダンパ。
  3. 【請求項3】 前記ピストンが前記中立位置へ戻る方向
    にストロークする場合には、前記標準の減衰力より小さ
    い減衰力を発生することを特徴とする請求項1または2に
    記載の油圧ダンパ。
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