JP2002239669A - 転造ダイス及び転造品の製造方法並びにその転造品を用いた小形モータ及びその製造方法 - Google Patents
転造ダイス及び転造品の製造方法並びにその転造品を用いた小形モータ及びその製造方法Info
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Abstract
を製造する場合に、転造加工法を用いて噛合構造の成形
加工と粗面化処理とを共に行うことにより、製造コスト
を低減することができるとともに生産性を高めることの
できる新規の製造方法を提供する。 【解決手段】 喰付部111,121の後方に形成され
た平行部112,122には、平行部の前端から所定長
さ(1転造ピッチ以上の長さ)の平滑な前加工領域11
2a,122aが形成され、その後方に、粗面加工領域
部112br、122brを含む後加工領域112b,
122bが形成されている。
Description
品、転造品の製造方法、この転造品を用いた小形モータ
及びその製造方法に関する。
を有する部品の噛合構造の表面を粗面化する技術が知ら
れている。例えば、ネジの表面を粗面化することによっ
て緩みにくくしたねじ転造品が知られている。また、特
許第2636958号公報に記載されているように、歯
面を粗面化することによって耐逆転性を確保するように
したウォーム歯車も知られている。
粗面化部分を備えたネジや歯車を製造する場合には、ネ
ジや歯車を形成した後に、ショットブラスト等の粗面化
処理を部品に施すようにしているため、手間がかかり製
造コストが増大するという問題点がある。特に、高い耐
磨耗性や形状精度が要求される分野においては、ネジや
歯車の表面を粗面化した後に粗面の耐久性を高めるため
に表面硬化処理を行わなければならない場合もあり、こ
の場合にはさらに製造コストが増大する。
であり、その課題は、ねじや歯車等のような噛合構造を
有する部品を製造する場合に、転造加工法を用いて噛合
構造の成形加工と粗面化処理とを共に行うことにより、
製造コストを低減することができるとともに生産性を高
めることのできる新規の製造方法を提供することにあ
る。
に本発明の転造ダイスは、噛合構造を有する転造品を成
形するための、原形材が導入される喰付部を前側に備え
るとともに前記噛合構造の形状を決定する主加工部を前
記喰付部の後側に備えたダイス面を有する転造ダイスに
おいて、前記ダイス面には、前記主加工部の前端に対し
て所定距離後方へ離れた開始位置から後方へ向けて前記
噛合構造の表面を粗面化するための粗面形成部が形成さ
れていることを特徴とする。
を設けることにより、噛合構造を成形するとともにその
表面を粗面化することができるので、製造コストを低減
できると同時に生産性を高めることができる。
る転造品の成形を行う場合、原形材はダイス面の喰付部
に沿って塑性加工を受けながら主加工部に移行し、ここ
でほぼ完全な噛合構造が成形される。この主加工部は一
般にダイスの平行部と呼ばれる部分に相当する。このと
き、通常、主加工部の前端近傍には大きな加工応力が加
わるので当該部分のダイス面は磨耗し易い。本発明の転
造ダイスにおいては、大きな加工応力が加わる主加工部
の前端近傍を避けて、主加工部の前端から所定距離後方
へ離れた位置を開始位置とし、そこから後方へ向けて粗
面形成部が形成されているので、粗面形成部の磨滅を防
止することができる。したがって、転造ダイスの耐久性
が向上し、成形加工状態を長時間維持することができる
ので、製造コストをさらに低減することができる。
工部の前端に対して1転造ピッチ以上後方へ離れている
ことが好ましい。ダイス面に加わる加工応力は主加工部
の前端から後方へ向かうに従って漸減していくので、粗
面形成部の開始位置は主加工部の前端よりも後方に位置
していさえすれば上記効果を奏することができるが、特
に、開始位置が主加工部の前端に対して1転造ピッチ以
上後方へ離れていることにより、原形材が全周に亘り主
加工部によって成形された後に粗面形成部による成形を
受けることになるので、粗面形成部の磨滅をさらに低減
することができる。
工部の前端に対して複数の転造ピッチに相当する距離若
しくはそれ以上後方へ離れていることが好ましい。この
場合には、主加工部の前端と粗面形成部の開始位置との
間には複数の転造ピッチ以上の間隔があることとなるの
で、粗面形成部が磨耗して充分な粗面化を行うことがで
きなくなった時点で、ダイス面を修正加工して粗面形成
部を主加工部の前端側に1転造ピッチ分延長形成して
も、なお粗面形成部の開始位置は主加工部の前端から1
転造ピッチ以上離れていることとなるから、粗面形成部
の新たな延長部分によりさらに転造品の加工を行ってい
くことができる。したがって、実質的に転造ダイスを長
寿命化することができる。
前記ダイス面に衝突させて形成したものであることが好
ましい。粗面形成部は、予め概略形成したダイス面に砥
粒を衝突させること(例えばショットブラスト法)によ
って容易かつ確実に形成することができる。
を粗面化するように、前記粗面形成部が前記ダイス面の
前記開始位置より後方の領域内の幅方向に限定された領
域に形成されていることが好ましい。転造ダイスのダイ
ス面の開始位置より後方の領域内の幅方向に限定された
領域に粗面形成部が形成されていることにより、転造品
の噛合構造のうち必要な部分にのみ粗面化処理を施すこ
とができるとともに、粗面形成部が磨耗した場合、上記
開始位置より後方の領域内の粗面形成部ではなかった場
所に新たに粗面形成部を設ける修正加工を施すことによ
って、転造ダイスの実質的な長寿命化を図ることができ
る。ここで、上記の幅方向とは、ダイス面の前側から後
側に向かう加工方向と直交する方向(平ダイスの場合に
は加工方向と直交する直線方向、通し(歩み)丸ダイス
の場合には加工方向(軸線方向)と直交する周回方向
(ダイスの回転方向)を言う。
に、複数の前記粗面形成部が相互に離隔した位置に限定
して形成されていることが好ましい。複数の粗面形成部
が相互に離隔した位置に限定して形成されていることに
よって、これらの複数の粗面形成部の一部のみを用いる
ことによって噛合構造の粗面化が可能になるとともに、
用いる粗面形成部を変えて加工を行うことによってダイ
スを実質的に長寿命化することが可能になる。
材に対して噛合構造を成形する工程を有する転造品の製
造方法において、前記原形材に対して転造加工を施して
前記噛合構造を成形する初期転造ステップと、前記初期
転造ステップ後にさらに前記噛合構造を維持しながら前
記噛合構造の表面を粗面化する粗面形成ステップとを有
することを特徴とする。
おいて、前記原形材に対して複数回の転造成形サイクル
を繰り返し施すことが好ましい。ここで、転造成形サイ
クルとは原形材の全周に成形加工を施すサイクルを言
い、転造ダイスによって加工を行う場合には1転造ピッ
チのダイス面によって受ける加工に相当するサイクルを
言う。
前記粗面形成ステップとを一体的なダイス面にて連続し
て行うことが好ましい。
造品の転造加工を行った後に、前記ダイス面のうち、前
記粗面形成ステップを行うための粗面形成面部を、前記
初期転造ステップを行うための初期転造面部内に向けて
延在させる修正加工を施し、その後さらに別の前記転造
品の転造加工を行うことが好ましい。
おいて前記噛合構造の一部表面にのみ粗面化処理を施す
ことが好ましい。
造品の転造加工を行った後に、前記ダイス面のうち、前
記粗面形成ステップを行うための限定された粗面形成面
部の形成領域を拡大させる修正加工を施し、その後さら
に別の前記転造品の転造加工を行うことが好ましい。
は、小形モータの出力をヘリカルギア又はウォームホイ
ールとウォームで伝達する減速機付き小形モータにおい
て、転造ダイスによってウォーム表面に粗面が形成され
たことを特徴とする。
ムホイールを2段減速とすることができる。
の製造方法は、小形モータの出力をヘリカルギア又はウ
ォームホイールとウォームで伝達する減速機付き小形モ
ータの製造方法において、ウォーム表面の粗面を転造ダ
イスによる転造によって形成することを特徴とする。こ
こで、ウォーム表面に対する転造加工には、上記の転造
ダイスを用い、また、上記の転造品の製造方法を適用す
ることができる。
に係る転造ダイス及び転造品の製造方法の実施形態につ
いて詳細に説明する。
の転造ダイス(平ダイス)10の構造を示す。図1
(a)は転造ダイス10を構成する一方の平ダイス11
の加工方向Sに見た断面図及び平面図を示し、図1
(b)は転造ダイス10の他方の平ダイス12の加工方
向Sに見た断面図及び平面図を示す。
1a,12aを備え、これらのダイス面11aと12a
とを対向配置させた状態で、相互にダイス面11a,1
2aとほぼ平行に往復動させて原形材20Aを転造加工
する。ここで、原形材20Aは、後述するねじ転造品2
0のネジ部23に相当する部分が円筒状に形成されてな
るものである。
するためのやや加工方向Sに対して傾斜した方向に伸び
る成形条溝が全面的に形成されている。また、ダイス面
11a,12aには、それぞれ加工方向Sに向けて傾斜
した喰付部111,121と、加工方向Sにほぼ平行な
平行部112,122とが順次形成されている。さら
に、ダイス面12aには平行部122の加工方向Sの先
に傾斜した逃げ部123が設けられている。平行部11
2,122は最終的なネジ形状を決定する成形作用面で
ある。
方向Sの前側に前加工領域112aが設けられ、この前
加工領域112aの後方には後加工領域212bが設け
られている。この後加工領域212bには、幅方向Wに
それぞれ限定的に、すなわち幅方向Wの両側に形成され
た2つの粗面加工領域部112br,112brが設け
られている。
方向Sの前側に前加工領域122aが設けられ、この前
加工領域122aの後方には、後加工領域122bが設
けられている。この後加工領域112bには、幅方向W
両側にそれぞれ限定的に形成された2つの粗面加工領域
部122br,122brが設けられている。
は、上記平行部122の粗面加工領域部122brから
引き続いて形成された2つの粗面加工領域部123r,
123rが設けられている。
部112,122の前端から後加工領域112bの前端
までとなっており、その長さは、転造ピッチ(転造する
ネジ山の1ピッチをダイス面の加工方向Sに測った長
さ、すなわち、ネジ山一周分を一度成形するのに必要な
ダイス面の加工方向Sの長さ)で1〜10ピッチに形成
されることが好ましい。前加工領域112a,122a
の長さを1転造ピッチ以上にするのは、前工領域におい
て1転造ピッチでネジ山の全周が一度成形されるので、
粗面加工領域部112br、122brに加わる加工応
力が低減され、粗面加工領域112br,122brの
粗面の耐久性を高めることができるからである。
方向Sに見た長さは、予め2転造ピッチ以上、好ましく
は3転造ピッチ以上に設定しておくことにより、粗面加
工領域部112br,122brが磨耗してきたとき、
粗面加工領域部112br,122brを前加工領域1
12a,122a内に(すなわち前方へ向けて)延長さ
せるように修正加工することによって、粗面加工能力を
維持することが可能になる。したがって、このような修
正加工を施すことによって転造ダイスの寿命を実質的に
延ばすことができる。この場合、修正加工後において
も、粗面化されていない前加工領域の加工方向Sに見た
長さが1転造ピッチ以上残されていることが好ましい。
この理由は先に述べたものと同じである。
成されたネジ山には、後加工領域の粗面加工領域部11
2br、122br、123rにおいて粗面化が施され
る。粗面加工領域部の表面粗さは、後述するねじ転造品
20の粗面ネジ部23bの表面粗さとほぼ対応した表面
粗さに形成される。具体的には、Ry=1.0〜100
μmの範囲内に形成される。特に、緩み止め用にねじ部
に設けられるもの、或いは摩擦抵抗を制御するために歯
車の歯面に形成されるものとしては、Ry=10〜30
μmであることが好ましい。ここで、粗面加工領域部の
幅Wrは転造品の粗面形成範囲に対応して形成され、本
実施形態では後述するねじ転造品20の粗面ネジ部23
bの長さと等しく形成される。
部が磨耗した場合に、粗面加工領域部を幅方向Wに広げ
るようにダイスを修正加工することによって、実質的に
ダイス寿命を延ばすことも可能である。この場合、新た
に形成した粗面加工領域部の幅方向の位置に合わせて、
原形材の位置(ダイスに対する幅方向の相対位置)を調
整することにより、ねじ転造品に実質的に同様の粗面ネ
ジ部を形成することができる。
域部112br,122brを幅方向に離隔させて2つ
ずつ形成し、そのうちの一つだけで図1(b)に一点鎖
線で示す原形材20Aに後述する粗面ネジ部23bを成
形することができるように構成してある。その結果、平
ダイス11,12に対する原形材20Aの適用姿勢を幅
方向に見て逆にすることによって、或いは、平ダイス1
1,12を互いに逆に交換して用いる(例えば可動側と
固定側とを逆にする)ことによって、もう一方の粗面形
成領域部で粗面化されたネジ部を同様に成形することが
できる。したがって、転造ダイスの寿命を実質的に2倍
近くに引き伸ばすことができる。
を双方の平ダイス11,12に共に形成しているが、い
ずれか一方の平ダイスのダイス面にのみ粗面形成領域部
を設けて成形することもできる。
形態の転造ダイスを用いて製造されるねじ転造品の構造
について説明する。図2(a)に示すねじ転造品20は
鋼材等からなるタッピングネジであり、頭部21と、頭
部21の直下に形成された円筒部22と、円筒部22の
さらに下に伸びるネジ部23とから構成される。ネジ部
23には雄ネジが形成されている。ネジ部23には、先
端側の平滑なねじ山表面を有する平滑ネジ部23aと、
頭部21側の粗面化されたねじ山表面を有する粗面ネジ
部23bとが設けられている。粗面ネジ部23bの表面
には表面粗さRy=0.8〜100μm、好ましくは1
0〜30μmの粗面が形成されている。
ッシャ24を通した状態で金属や合成樹脂等からなる板
材25の貫通孔25aにねじ込み、貫通孔25aの内面
をタッピングしながら締め付けた様子を示すものであ
る。ねじ転造品20の上記粗面ネジ部23bの形成領域
が、ちょうど板材25の貫通孔25aの内面(タッピン
グされた雌ネジ部)とほぼぴったりと一致するようにな
っている。すなわち、上記粗面ネジ部23bの上端はほ
ぼ板材25の上面位置にあり、粗面ネジ部23bの下端
はほぼ板材25の下面位置にある。このように形成する
ことによって、ねじ転造品20のネジ部23を貫通孔2
5にねじ込み、貫通孔25をタッピングしたとき、先端
の平滑ネジ面23aによって貫通孔25内に雌ネジが形
成され、この形成された雌ネジに粗面ネジ部23bが螺
合することによって、大きな緩めトルクを得ることがで
き、振動等によるねじ転造品20の緩みを防止すること
ができる。
成されている場合には、先端側のネジ表面の粗面が貫通
孔25の内面を削ってしまうので、図2(b)に示す締
付完了状態で緩めトルクが低下し、ネジ表面を粗面化し
たことによる緩み防止効果が充分に得られないので、上
述のようにネジ部23の頭部21側に部分的に粗面ねじ
部23bを形成することが好ましい。
ねじ転造品20のネジ部23の長さよりも厚く形成され
たものである。この板材16に形成された穴(或いは貫
通孔でもよい。)26aにねじ転造品20をねじ込んだ
場合でも、締結完了状態で粗面ネジ部23bが穴26a
の開口縁側の部分に螺合し、改善された緩み防止効果が
得られる。
第1実施形態の転造ダイスによる転造加工によって成形
し、以下のようにして粗面ねじ部23bの効果を確認し
た。まず、ネジ径4mm、長さ8mmのネジ部23を成
形し、頭部21の首下3mmの範囲(すなわちワッシャ
24の厚さと板材25の厚さとの和に等しい長さ範囲)
にのみ表面粗さRy=20μmの上記粗面ネジ部23b
を形成したもの(実施例1)と、粗面ネジ部23bを全
く形成しないもの(比較例1)とによって、それぞれ厚
さ0.8mmの鋼板からなる上記板材25をタッピング
し、同じ締付トルクで図2(b)に示す締結状態とし
た。そして、締付後に同じ振動付加量(60Hzで50
時間)となるように振動をそれぞれ加え、それぞれにつ
いて緩めトルクを測定比較した。その結果、実施例1は
比較例1に対して緩めトルクが約3割増大した。
23を成形し、頭部21の首下3mmの範囲にのみ表面
粗さRy=20μmの上記粗面ネジ部23bを形成した
もの(実施例2)と、粗面ネジ部23bを全く形成しな
いもの(比較例2)とによって、それぞれ厚さ8mmの
ABS樹脂からなる上記板材26をタッピングし、同じ
締付トルクで図2(b)に示す締結状態とした。そし
て、締付後に同じ振動付加量(60Hzで50時間)と
なるように振動をそれぞれ加え、それぞれについて緩め
トルクを測定比較した。その結果、実施例2は比較例2
よりも約2割緩めトルクが増大した。
径3mm、ネジ部長さ8mmのネジ部23を有し、上記
と同様の3mm長さの粗面ネジ部を有するもの(実施例
3)と有しないもの(比較例3)のそれぞれのネジ部2
3に接着剤を塗布し、ナットに螺合させ、同じ締付トル
クで締付け、接着剤を硬化させた。その後に、上記と同
様の振動を加え、緩めトルクを測定した。その結果、実
施例3の緩めトルクは比較例3よりも約10%向上して
いた。また、実施例3においては、緩めトルクの再現性
が良好で、緩めトルクのばらつき範囲が比較例3の50
%弱となった。
加工を行うための別の転造ダイスの構成例である第2実
施形態について図3を参照して説明する。この実施形態
の転造ダイス30はいわゆる丸ダイスであり、図示例
は、通し転造或いは歩み転造(スルーフィードタイプの
転造)を行うためのダイス構造を示したものである。
ように、円筒状の外周面からなるダイス面31aを備え
た丸ダイス31を有する。このダイス面31aにはねじ
山を形成するための条溝が形成され、丸ダイス31の軸
線方向(加工方向S)に見て、喰付部311、平行部3
12、逃げ部313が順次に形成されている。平行部3
12には、ネジ加工用の条溝のみが形成された前加工領
域312aと、条溝の表面が粗面化されてなる後加工領
域312bとが設けられている。また、逃げ部313に
おいても条溝の表面が粗面化されている。本実施形態で
は、後加工領域312bと逃げ部313の全てが粗面形
成領域部となっている。
この丸ダイス31と同様に形成された丸ダイス32とを
同じ回転方向に回転させ、それらの間に軸線方向(加工
方向S)に向けて丸棒状の原形材35を通すことによっ
て、ダイスとは逆方向に回転する原形材35の外周面に
雄ねじが成形される。
平行部312には、平行部312の前端から所定距離
(すなわち前加工領域312aの加工方向Sに見た長さ
分の距離)離れた位置を開始位置として、当該開始位置
から加工方向Sの後方へ向けて粗面形成領域部が形成さ
れているので、第1実施形態と同様に粗面形成領域部の
磨耗が低減され、ダイスの長寿命化を図ることができ
る。
ピッチ以上とすることが好ましいことは第1実施形態と
同様であり、2転造ピッチ以上とすることがさらに望ま
しい点も同様である。
の丸ダイスにのみ形成しても構わない。また、粗面形成
領域部を、ダイスの幅方向W(平ダイス11,12の幅
方向Wに相当するダイス面31aの周回方向)に見て限
定した領域に形成することにより、ねじ転造品の軸線方
向の限定した領域を選択的に粗面化することができる。
したがって、この実施形態においても、第1実施形態と
同様に、複数の粗面形成領域部を相互に離隔させて形成
することもできる。さらに、第1実施形態と同様に、粗
面形成領域部の周回方向(幅方向W)の形成範囲を広げ
る修正加工によって、ダイス寿命を延ばすこともでき
る。
て上記ねじ転造品以外の転造品の例としての歯車転造品
について説明する。この歯車転造品はウォーム40であ
る。図4(a)に示すように、このウォーム40の外周
には螺旋状に伸びる歯形が形成されてなるウォーム歯形
成部41が設けられ、このウォーム歯形成部41の中央
には、歯形の表面が粗面化されてなる粗面形成領域41
aが設けられている。この粗面形成領域41aは、ウォ
ーム歯形成部41内の限定された一部(領域)として形
成されている。また、ウォーム40の中心には軸孔40
aが形成されている。
施形態又は第2実施形態の転造ダイスを用いて歯形及び
粗面を成形することができる。このウォーム40は、例
えば、図4(b)に示す減速機付き小形モータ(ギアー
ドモータ組立体)におけるモータ51のモータ軸61を
軸孔40aに圧入固定した状態で用いることができる。
この減速機付き小形モータは、例えば、自動車の窓ガラ
スの開閉駆動用に用いることができるものである。ここ
で、モータ軸61にはナール加工を施し、ウォーム40
に対する圧入固定をより強固なものとしている。モータ
51はネジを介してギアケース52に固定され、そのモ
ータ軸61は、ギアケース52内において軸受53によ
り回転自在に軸支されている。ウォーム40のウォーム
歯形成部41は、ギアケース52内にて回転自在に取り
付けられたヘリカルギア62に噛合している。
ータ51から出力された駆動トルクがモータ軸61から
ウォーム40に伝達され、減速機部においてウォーム4
0からヘリカルギア62に伝達され、出力軸62aから
外部に取り出される。ここで、ウォーム40におけるウ
ォーム歯形成部41の表面を粗面化することによって、
ウォーム歯形成部41と出力歯車53との摩擦係数を適
切なものとすることができるので、耐逆転性(出力側か
らの逆動作によって入力側を動かす場合に必要な逆転ト
ルクを維持し、逆転を防止できる噛合特性)を向上させ
ることができる。
構造を示す。この減速機付き小形モータにおいては、上
記と同様のウォーム40、モータ51、ギアケース5
2、軸受53、モータ軸61を備えているが、ウォーム
40のウォーム歯形成部41が第1ヘリカルギア63に
噛合し、この第1ヘリカルギア63がさらに第2ヘリカ
ルギア64に噛合し、この第2ヘリカルギア64の出力
軸64aから回転が取り出されるといった、2段の減速
機構が構成されている点で、上記の図4に示す1段の減
速機構とは異なる。
方法は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、
本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加
え得ることは勿論である。例えば、転造ダイスとして
は、プラネタリ型ダイスなどの他形式の転造ダイス、丸
ダイスを用いたインフィードタイプの転造ダイスなど、
上記各実施形態以外の種々の形式の転造ダイスを用いる
こともできる。
噛合構造を成形するとともにその表面を粗面化すること
ができるので、製造コストを低減できると同時に生産性
を高めることができる。
を示す断面図及び平面図(a)並びに(b)である。
(a)及びねじ転造品の使用例を示す部分断面図(b)
である。
部分断面図(a)及び転造加工時の様子を示す説明図
(b)である。
の概略形状を示す概略断面図(a)及び歯車転造品の使
用例(減速機付き小形モータ)を示す断面図(b)であ
る。
図である。
Claims (15)
- 【請求項1】 噛合構造を有する転造品を成形するため
の、原形材が導入される喰付部を前側に備えるとともに
前記噛合構造の形状を決定する主加工部を前記喰付部の
後側に備えたダイス面を有する転造ダイスにおいて、 前記ダイス面には、前記主加工部の前端に対して所定距
離後方へ離れた開始位置から後方へ向けて前記噛合構造
の表面を粗面化するための粗面形成部が形成されている
ことを特徴とする転造ダイス。 - 【請求項2】 前記開始位置が前記主加工部の前端に対
して1転造ピッチ以上後方へ離れていることを特徴とす
る請求項1に記載の転造ダイス。 - 【請求項3】 前記開始位置が前記主加工部の前端に対
して複数の転造ピッチに相当する距離若しくはそれ以上
後方へ離れていることを特徴とする請求項1に記載の転
造ダイス。 - 【請求項4】 前記粗面形成部が砥粒を前記ダイス面に
衝突させて形成したものであることを特徴とする請求項
1乃至請求項3のいずれか1項に記載の転造ダイス。 - 【請求項5】 前記噛合構造の一部のみを粗面化するよ
うに、前記粗面形成部が前記ダイス面の前記開始位置よ
り後方の領域内の幅方向に限定された領域に形成されて
いることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか
1項に記載の転造ダイス。 - 【請求項6】 前記ダイス面の幅方向に、複数の前記粗
面形成部が相互に離隔した位置に限定して形成されてい
ることを特徴とする請求項5に記載の転造ダイス。 - 【請求項7】 原形材に対して噛合構造を成形する工程
を有する転造品の製造方法において、 原形材に対して転造加工を施して前記噛合構造を成形す
る初期転造ステップと、前記初期転造ステップ後にさら
に前記噛合構造を維持しながら前記噛合構造の表面を粗
面化する粗面形成ステップとを有することを特徴とする
転造品の製造方法。 - 【請求項8】 前記初期転造ステップにおいて、前記原
形材に対して複数回の転造成形サイクルを繰り返し施す
ことを特徴とする請求項7に記載の転造品の製造方法。 - 【請求項9】 前記初期転造ステップと前記粗面形成ス
テップとを一体的なダイス面にて連続して行うことを特
徴とする請求項7又は請求項8に記載の転造品の製造方
法。 - 【請求項10】 前記ダイス面にて前記転造品の転造加
工を行った後に、前記ダイス面のうち、前記粗面形成ス
テップを行うための粗面形成面部を、前記初期転造ステ
ップを行うための初期転造面部内に向けて延在させる修
正加工を施し、その後さらに別の前記転造品の転造加工
を行うことを特徴とする請求項9に記載の転造品の製造
方法。 - 【請求項11】 前記粗面形成ステップにおいて前記噛
合構造の一部表面にのみ粗面化処理を施すことを特徴と
する請求項9に記載の転造品の製造方法。 - 【請求項12】 前記ダイス面にて前記転造品の転造加
工を行った後に、前記ダイス面のうち、前記粗面形成ス
テップを行うための限定された粗面形成面部の形成領域
を拡大させる修正加工を施し、その後さらに別の前記転
造品の転造加工を行うことを特徴とする請求項11に記
載の転造品の製造方法。 - 【請求項13】 小形モータの出力をヘリカルギア又は
ウォームホイールとウォームで伝達するウォーム減速機
付き小形モータにおいて、 転造ダイスによってウォーム表面に粗面が形成されたこ
とを特徴とするウォーム減速機付き小形モータ。 - 【請求項14】 ヘリカルギア又はウォームホイールを
2段減速とする請求項13に記載の小形モータ。 - 【請求項15】 小形モータの出力をヘリカルギア又は
ウォームホイールとウォームで伝達するウォーム減速機
付き小形モータの製造方法において、 ウォーム表面の粗面を転造ダイスによる転造によって形
成する減速機付き小形モータの製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2001033340A JP2002239669A (ja) | 2001-02-09 | 2001-02-09 | 転造ダイス及び転造品の製造方法並びにその転造品を用いた小形モータ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2001033340A JP2002239669A (ja) | 2001-02-09 | 2001-02-09 | 転造ダイス及び転造品の製造方法並びにその転造品を用いた小形モータ及びその製造方法 |
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ID=18897104
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- 2001-02-09 JP JP2001033340A patent/JP2002239669A/ja active Pending
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