JPH1133661A - 歯車の転造方法および装置 - Google Patents

歯車の転造方法および装置

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JPH1133661A
JPH1133661A JP19743897A JP19743897A JPH1133661A JP H1133661 A JPH1133661 A JP H1133661A JP 19743897 A JP19743897 A JP 19743897A JP 19743897 A JP19743897 A JP 19743897A JP H1133661 A JPH1133661 A JP H1133661A
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rolled
rolling
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JP19743897A
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Toshinori Kawai
井 俊 紀 川
Fumitaka Nishimura
村 文 孝 西
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 歯車の転造に際して、歯車の角部に面取り部
を同時形成することができ、しかも工具の加工コストが
安価で、工具の損傷が少ない歯車の転造方法および装置
を提供する。 【解決手段】 歯部3aに歯幅方向の中央寄りの部位か
ら端面3bに向けて歯高を漸次低くした傾斜導入部Sを
備えた歯形工具3をその歯部3aに沿う方向に移動させ
て、歯部3aの傾斜導入部Sから順次歯車素材Wに噛み
合わせつつ歯形工具3を歯車素材Wに押圧し、歯形工具
3の歯部3aと歯車素材Wとの噛み合いが終了した時点
で、歯形工具3の歯部3aに沿う方向への移動を停止さ
せて歯車素材Wに歯形工具3を押圧すると共に、転造さ
れる歯車に噛み合う歯形を有する歯部5bを備えかつ転
造される歯車の面取り部に対向する位置に面取り用の傾
斜部5cを設けたバックアップローラ5を歯車素材Wに
押圧する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、自動車や
各種産業機械における動力伝達機構や変速装置などに用
いられる歯車の転造方法および装置に係わり、さらに詳
しくは、歯車の転造に際して、歯形工具の破損を抑える
と共に歯車の角部に面取り部を同時に形成することがで
きる歯車の転造方法および装置に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】特公平5−38667
号公報に記載されている歯部の底部両脇に面取形成部を
配設した歯車転造工具では、歯車の転造と面取りを同時
に行うことができるものの、歯車転造工具が面取形成部
を備えた複雑な形状となるために、歯車転造工具の製作
に際して、例えばワイヤカット法などの加工コストの安
価な加工法を適用することができないことから、工具の
製作費がかさむばかりでなく、転造に際して、歯車の歯
形成形と面取り部の成形とが同一工具によって行われる
ので転造工具にかかる負荷が大きく、摩耗などによる工
具の損傷が激しいという問題があった。
【0003】また、歯形部の底部両脇に面取形成部を配
設している都合上、歯車転造工具の歯部と歯車素材との
噛み合い初期の段階において、両者がいきなり接触する
ことから、このときの衝撃により歯車転造工具が破損す
る可能性がないとは言えないという問題を有しており、
これらの問題点を解決することが歯車の面取り加工、あ
るいは面取り部成形における従来の課題となっていた。
【0004】なお、上記公報には、歯車転造工具を歯部
と面取り部とに分割することにより工具の製作を容易な
ものにすることが記載されているが、歯部と面取り部と
の位相合せが困難であると共に、分割部にばりが発生す
る可能性がある。
【0005】
【発明の目的】本発明は、転造による歯形と面取り部の
同時成形における上記課題に着目してなされたものであ
って、歯車の転造と同時に歯車の角部に面取り部を形成
することができ、しかも工具の加工コストが安価で、工
具の損傷が少ない歯車の転造方法および装置を提供する
ことを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係わ
る歯車の転造方法は、歯車素材に歯形工具を押圧して歯
車を転造するに際し、歯形工具の歯部に歯幅方向の中央
寄りの部位から端面に向けて歯高を漸次低くした傾斜導
入部を設け、歯形工具をその歯部に沿う方向に移動させ
て、歯部の傾斜導入部から順次歯車素材に噛み合わせつ
つ歯形工具を歯車素材に押圧し、歯形工具の歯部と歯車
素材との噛み合いが終了した時点で、歯形工具の歯部に
沿う方向への移動を停止させて歯車素材に歯形工具を押
圧する動作のみを継続して行わせ、転造される歯車に噛
み合う歯形を備えた歯部を有しかつ転造される歯車の面
取り部に対向する位置に面取り用の傾斜部を備えたバッ
クアップローラを前記転造途中の歯車素材に押圧する構
成としたことを特徴としており、この歯車の転造方法の
構成を前述した従来の課題を解決するための手段として
いる。
【0007】本発明の請求項2に係わる歯車の転造方法
は、転造される歯車の歯幅を規制する拘束面を歯部の両
端部に備え、かつ当該拘束面と前記歯部の歯面との交部
に面取り用の傾斜部を設けたバックアップローラを用い
る構成とし、本発明の請求項3に係わる歯車の転造方法
は、冷間増肉成形した素材を歯車素材とした構成として
いる。
【0008】一方、本発明の請求項4に係わる発明は、
歯車素材を装着して回転するワーク軸と、歯形工具を装
着してワーク軸と同期回転しながらワーク軸に装着され
た歯車素材に対して前記歯形工具を押圧する工具軸を備
えた歯車の転造装置において、歯形工具の歯部に歯幅方
向の中央寄りの部位から端面に向けて歯高を漸次低くし
た傾斜導入部を設けると共に、工具軸を軸方向に移動可
能とし、転造される歯車に噛み合う歯形を備えた歯部を
有しかつ転造される歯車の面取り部に対向する位置に面
取り用の傾斜部を備えたバックアップローラを回転自在
に支持すると共に、当該バックアップローラを転造途中
の歯車素材に押圧するローラ軸を設けた構成としてお
り、この歯車の転造装置の構成を前述した従来の課題を
解決するための手段としたことを特徴としている。
【0009】本発明の請求項5に係わる歯車の転造装置
において、バックアップローラには、転造される歯車の
歯幅を規制する拘束面が歯部の両端部に形成されている
と共に、当該拘束面と前記歯部の歯面との交部に面取り
用の傾斜部が設けてある構成とし、本発明の請求項6に
係わる歯車の転造装置は、傾斜導入部の傾斜角を20〜
30゜に設定した構成としている。
【0010】この場合、歯数が100以上の歯車におい
て、切削加工による歯切に対して転造のような塑性加工
が有利となる成形時間は、1個あたり約30秒である。
【0011】そして、転造による歯の成形では、ワーク
への歯形の割り付け工程,荒加工工程および仕上加工工
程の3つの工程があり、各工程とも完了時間は10秒程
度が目標となる。
【0012】ここで、図5は傾斜導入部の傾斜角と成形
時間との関係を表すグラフであり、このグラフにおける
領域I〜VIIの各々の特徴を表1に示す。
【0013】
【表1】
【0014】表1から、領域IIIが成形の可否,成形
時間および歯形工具の寿命の各項目においていずれも優
れていることが判り、これにより、請求項6に係わる転
造装置では、傾斜導入部の傾斜角(歯先と傾斜導入部と
がなす角度θ:図4参照)を20〜30゜に設定してい
る。
【0015】また、歯形工具における傾斜導入部の端面
側位置(歯高が最も低い導入開始点P:図4参照)は、
ピッチ円の直径R±0.2×m(m:モジュール)とし
ている。これは、導入開始点Pがピッチ円の直径R+
0.2×mを越えると歯形工具の寿命の低下を招き、一
方、導入開始点Pがピッチ円の直径R−0.2×m未満
では成形時間が長くなってしまうからである。
【0016】
【発明の作用】本発明の請求項1に係わる歯車の転造方
法では、歯形工具による歯車歯部の成形初期段階におい
て、歯形工具をその歯部に沿う方向に移動させ、歯部の
傾斜導入部から順次歯車素材に噛み合わせつつ歯形工具
を歯車素材に押圧するようにしているので、歯形工具の
歯部と歯車素材とがいきなり接触することが阻止される
こととなり、すなわち、噛み合い初期の衝撃が和らげら
れることとなり、成形初期段階における歯形工具の破損
が回避されることとなる。
【0017】また、面取り用の傾斜部を設けたバックア
ップローラを、例えば歯形工具の反対側から転造途中の
歯車素材に押圧するようにしているので、歯車素材は、
歯形工具によって歯車形状に成形されながら、成形途中
の歯部に噛み合って回転するバックアップローラの形状
に沿って肉移動し、バックアップローラの傾斜部に当接
して歯幅方向の端部に面取り部が形成されることにな
り、したがって、損耗の激しい歯形工具には面取り用の
傾斜部を形成する必要がなくなり、形状が単純なものと
なるので、ワイヤカット法などの安価な加工法を採用す
ることにより、歯数が多い場合であっても歯形工具の製
作コストが比較的安価なものとなる。
【0018】この際、歯形工具は製品歯数と同じ歯数の
ものを用いるのが一般的であるのに対し、バックアップ
ローラについては、モジュール圧力角などの歯形が製品
と合致しさえすれば、製品歯数と同一である必要がない
ので、既存のものを共用することにより常備しておく数
量が少なくて済み、新たに製作するにしても歯数が少な
くて済むので、製作コストが安価なものとなる。また、
歯車の歯形成形は歯形工具によって行われ、バックアッ
プローラには歯形成形時の大きな押圧力がほとんどかか
らないことから、ローラの損耗が極めて軽微なものとな
り、耐用期間が長くなる。
【0019】本発明の請求項2に係わる転造方法では、
バックアップローラの具体的構造として、歯部の両端部
に、転造される歯車の歯幅を規制する拘束面を備え、こ
の拘束面と歯部の歯面との交部に面取り用の傾斜部を設
けたものを使用するようにしているので、バックアップ
ローラの強度が向上し、面取り用の傾斜部に無理な圧力
がかからないようになり、本発明の請求項3に係わる転
造方法では、冷間増肉成形した素材を歯車素材としてい
るので、歯車の成形が熱処理を必要とすることなく容易
になされることとなる。
【0020】一方、本発明の請求項4に係わる歯車の転
造装置は、上記した構成としているので、歯車の成形初
期段階における歯形工具の歯部と歯車素材との噛み合い
時の衝撃が和らげられることとなり、歯形工具の破損が
回避されることとなり、また、転造途中の歯車素材に対
して、面取り用の傾斜部を設けたバックアップローラ
を、例えば歯形工具の反対側から押圧するようにしてい
るので、歯車素材は、歯形工具によって歯車形状に成形
され、これと同時に、歯幅方向の端部には面取り部が形
成されることとなる。
【0021】本発明の請求項5に係わるに歯車の転造装
置は、上記した構成としていることから、バックアップ
ローラの強度が向上し、面取り用の傾斜部に無理な圧力
がかからないようになり、本発明の請求項6に係わるに
歯車の転造装置では、歯車の成形時間が最も有利なもの
となり、加えて、歯形工具の長寿命化が図られることと
なる。
【0022】
【発明の効果】本発明の請求項1に係わる歯車の転造方
法によれば、歯形工具による歯車歯部の成形初期段階に
おいて、歯形工具をその歯部に沿う方向に移動させ、歯
部の傾斜導入部から順次歯車素材に噛み合わせつつ歯形
工具を歯車素材に押圧するようにしているので、歯形工
具の歯部と歯車素材との噛み合い初期における衝撃を和
らげることができ、その結果、成形初期段階における歯
形工具の破損を防ぐことが可能であり、また、面取り用
の傾斜部を設けたバックアップローラを転造途中の歯車
素材に押圧するようにしているので、歯車の転造と同時
に歯車の角部に面取り部を形成することができ、しかも
面取り用の傾斜部をバックアップローラの側に設けてい
るので、損耗の激しい歯形工具の形状を単純なものとす
ることができ、歯数の多い歯形工具であっても安価に製
作することができるようになる。一方、バックアップロ
ーラは、歯形が転造しようとする製品と同じであれば、
製品歯数と同一である必要がないので共用が可能とな
り、新たに製作するにしても歯数が少なくて済むので製
作コストが安価なものとなる。さらに、歯車の歯形成形
は主に歯形工具によって行われることになるので、バッ
クアップローラの損傷を最小限のものとすることがで
き、工具寿命を長くすることができるという極めて優れ
た効果がもたらされる。
【0023】本発明の請求項2に係わる転造方法におい
ては、歯車の歯幅を規制する拘束面を歯部の両端部に備
え、この拘束面と歯部の歯面との交部に面取り用の傾斜
部を設けたバックアップローラを使用するようにしてい
るので、拘束面を歯形工具と一体に設けた場合に比し
て、バックアップローラの構造が合理的なものとなっ
て、強度が増し、面取り用の傾斜部に無理な圧力がかか
らないようにすることができ、ローラの損傷を防止する
ことができ、本発明の請求項3に係わる転造方法では、
冷間増肉成形した素材を歯車素材としているため、熱処
理を必要とせずに歯車を簡単に成形することが可能であ
るという極めて優れた効果がもたらされる。
【0024】一方、本発明の請求項4に係わる歯車の転
造装置は、上記した構成としたから、歯車の成形初期段
階における歯形工具の歯部と歯車素材との噛み合い時の
衝撃を和らげることができ、したがって、歯形工具の破
損を防止することが可能であり、加えて、転造途中の歯
車素材に対して、面取り用の傾斜部を設けたバックアッ
プローラを、例えば歯形工具の反対側から押圧するよう
にしているので、歯形工具の形状の単純化を実現したう
えで、歯車素材を歯車形状に成形するのと同時に、歯幅
方向の端部に面取り部を形成することが可能になるとい
う極めて優れた効果がもたらされる。
【0025】本発明の請求項5に係わる転造装置では、
バックアップローラに、転造される歯車の歯幅を規制す
る拘束面が歯部の両端部に形成され、この拘束面と歯部
の歯面との交部に面取り用の傾斜部が設けてあるので、
バックアップローラの強度を向上させることができ、工
具の耐用期間の延長を図ることができると共に、歯形工
具の構造を簡素化することが可能となり、本発明の請求
項6に係わる転造装置では、歯車の成形時間の短縮化お
よび歯形工具の長寿命化が実現できるという極めて優れ
た効果がもたらされる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて具体的に説明
する。
【0027】図1ないし図4は、本発明に係わる歯車の
転造方法の一実施例を説明するためのものであって、図
1は歯車の製造過程を順次示す工程図である。
【0028】歯車の転造に際し、図1(a)に示すよう
に、歯車素材Wが転造装置のワーク軸1に装着される。
【0029】一方、ワーク軸1に対して平行移動可能で
かつ軸方向に移動可能に配設された工具軸2には、歯車
形状をなす歯形工具3が取付けられ、ワーク軸1に同期
して回転するようになっている。
【0030】この場合、歯形工具3の歯部3aには、歯
幅方向の中央寄りの部位から端面3bに向けて歯高(歯
たけ)を漸次低くした傾斜導入部Sが設けてあり、図4
に示すように、傾斜導入部Sの傾斜角θを20〜30゜
に設定していると共に、傾斜導入部Sの端面3b側に位
置する歯高が最も低い導入開始点Pをピッチ円の直径R
±0.2×m(m:モジュール)としている。
【0031】そして、ワーク軸1に対して、工具軸2の
反対側に平行移動可能に配設されたローラ軸4には、バ
ックアップローラ5が回転自在に装着され、歯形工具3
によって成形された歯に噛み合うことにより回転するよ
うになっている。
【0032】なお、この実施例においては、歯車素材W
に転造加工を施すことによって歯数105の平歯車を成
形しようとするものであって、歯形工具3は、製品と同
一歯数105のものを用い、バックアップローラ5とし
ては、同一モジュール、同一圧力角の歯形を備えた歯数
50のものを使用した。
【0033】バックアップローラ5は、図2(a)ない
し(c)に示すように、歯車形状をなすローラ本体5a
の両側にフランジ状の拘束部6,6を一体的に備えてお
り、これによって拘束面6a,6aが形成され、転造に
際して歯車の歯幅が決定されるようになっている。そし
て、バックアップローラ5の歯部5bの歯面との交部に
は、約45°をなす傾斜部5cが形成されており、これ
によって、後述するように転造される歯車のエッジ部に
面取り部が形成されることになる。
【0034】図1(a)に示したように、歯車素材W,
歯形工具3およびバックアップローラ5をワーク軸1,
工具軸2およびローラ軸4に装着したのち、ワーク軸1
および工具軸2を同期回転させ、工具軸2を軸方向に所
定の送り速度(この実施例では送り速度が20〜50m
m/min)で移動させると共に、ワーク軸1に対して
前進させて、すなわち、歯形工具3をその歯部3aに沿
う方向に移動させて歯部3aの傾斜導入部Sから順次歯
車素材Wに噛み合わせつつ歯形工具3を歯車素材Wに押
圧し、図1(b)に示すように、歯形工具3の歯部3a
と歯車素材Wとの噛み合いが終了した時点で、歯形工具
3の歯部3aに沿う方向への移動を停止させ、歯車素材
Wに歯形工具3を押圧する動作のみを継続して行わせ
て、歯車素材Wの外周部に歯形を成形する。
【0035】そして、歯高が製品高さの3分の1ないし
2分の1程度まで形成された時点で、図1(c)に示す
ように、ローラ軸4をワーク軸1に対して所定位置まで
前進させると共に、歯形工具3をさらに前進させる。こ
れによって、歯車素材Wには、同期回転する歯形工具3
と、半ば成形された歯車素材Wの歯に噛み合って回転す
るバックアップローラ5の両者による押圧力が加わっ
て、歯形の成形が進み、歯車素材Wの外周に成形された
歯の先端エッジ部には、バックアップローラ5に設けた
傾斜部5cが当接することによって面取り部Bが形成さ
れる。
【0036】図3(a)ないし(c)は、このときの成
形過程、すなわち歯車素材Wの先端部における肉移動
(メタルフロー)を示す断面図であって、歯形工具3の
押圧によって、図3(a)に示すように、歯車素材Wの
歯底となる部分が後退する一方、歯車素材Wの歯先とな
る部分が中央部より隆起し、歯形工具3およびバックア
ップローラ5の歯底部分に当接して、図3(b)に示す
ように、歯幅方向に拡がって行く。
【0037】そして、中央部から歯幅方向に流れて行っ
た肉は、バックアップローラ5の傾斜部5c,5cに当
接すると、図3(c)に示すように、拘束面6a,6a
に沿って移動し、これによって歯車素材Wの歯幅方向の
エッジ部に面取り部Bが形成される。このとき、歯形成
形は主に歯形工具3によって行われ、バックアップロー
ラ5には過大な圧力が負荷されることはなく、工具寿命
が長いものとなる。
【0038】上記したように、この歯車の転造方法で
は、歯形工具3による歯車歯部の成形初期段階におい
て、歯形工具3の歯部3aと歯車素材Wとがいきなり接
触しないことから、噛み合い初期の衝撃が和らげられる
こととなり、成形初期段階における歯形工具3の破損が
回避されることとなる。
【0039】また、歯形工具3における傾斜導入部Sの
傾斜角θを20〜30゜に設定しているので、歯車の成
形時間が最も有利なものとなり、加えて、歯形工具3の
長寿命化が図られることとなる。
【0040】さらに、損耗の激しい歯形工具3には面取
り用の傾斜部を形成する必要がなくなって形状の単純化
が図られるので、ワイヤカット法などの安価な加工法を
採用することにより、歯数が多い場合であっても歯形工
具3の製作コストが安価なものとなる。
【0041】なお、上記歯車の転造において、冷間増肉
成形した素材を歯車素材Wとした場合には、歯車成形が
熱処理を必要とすることなく容易になされることとな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)および(c)は、本発明に係わ
る歯車の転造方法の一実施例による歯車の製造過程を順
次示す工程説明図である。
【図2】(a) 本発明に係わる歯車の転造方法におい
て使用するバックアップローラの形状を示す正面図であ
る。(b) 図2(a)に示したバックアップローラの
歯先部分を示す拡大縦断面図である。(c) 図2
(a)に示したバックアップローラの歯先部分を示す拡
大水平断面図である。
【図3】(a),(b)および(c)は、本発明に係わ
る歯車の転造方法における歯車素材の成形過程を示す断
面説明図である。
【図4】本発明に係わる歯車の転造方法において使用す
る歯形工具の傾斜導入部を詳細に説明する部分断面図で
ある。
【図5】本発明に係わる歯車の転造方法において使用す
る歯形工具の傾斜導入部の傾斜角と成形時間との関係を
表すグラフである。
【符号の説明】
B 面取り部 S 傾斜導入部 W 歯車素材 1 ワーク軸 2 工具軸 3 歯形工具 3a 歯部 3b 端面 4 ローラ軸 5 バックアップローラ 5b 歯部 5c 傾斜部 6a 拘束面 θ 傾斜導入部の傾斜角

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯車素材に歯形工具を押圧して歯車を転
    造するに際し、 歯形工具の歯部に歯幅方向の中央寄りの部位から端面に
    向けて歯高を漸次低くした傾斜導入部を設け、歯形工具
    をその歯部に沿う方向に移動させて、歯部の傾斜導入部
    から順次歯車素材に噛み合わせつつ歯形工具を歯車素材
    に押圧し、歯形工具の歯部と歯車素材との噛み合いが終
    了した時点で、歯形工具の歯部に沿う方向への移動を停
    止させて歯車素材に歯形工具を押圧する動作のみを継続
    して行わせ、 転造される歯車に噛み合う歯形を備えた歯部を有しかつ
    転造される歯車の面取り部に対向する位置に面取り用の
    傾斜部を備えたバックアップローラを前記転造途中の歯
    車素材に押圧することを特徴とする歯車の転造方法。
  2. 【請求項2】 転造される歯車の歯幅を規制する拘束面
    を歯部の両端部に備え、かつ当該拘束面と前記歯部の歯
    面との交部に面取り用の傾斜部を設けたバックアップロ
    ーラを用いる請求項1に記載の歯車の転造方法。
  3. 【請求項3】 冷間増肉成形した素材を歯車素材とした
    請求項1または2に記載の歯車の転造方法。
  4. 【請求項4】 歯車素材を装着して回転するワーク軸
    と、歯形工具を装着してワーク軸と同期回転しながらワ
    ーク軸に装着された歯車素材に対して前記歯形工具を押
    圧する工具軸を備えた歯車の転造装置において、 歯形工具の歯部に歯幅方向の中央寄りの部位から端面に
    向けて歯高を漸次低くした傾斜導入部を設けると共に、
    工具軸を軸方向に移動可能とし、 転造される歯車に噛み合う歯形を備えた歯部を有しかつ
    転造される歯車の面取り部に対向する位置に面取り用の
    傾斜部を備えたバックアップローラを回転自在に支持す
    ると共に、当該バックアップローラを転造途中の歯車素
    材に押圧するローラ軸を設けたことを特徴とする歯車の
    転造装置。
  5. 【請求項5】 バックアップローラには、転造される歯
    車の歯幅を規制する拘束面が歯部の両端部に形成されて
    いると共に、当該拘束面と前記歯部の歯面との交部に面
    取り用の傾斜部が設けてある請求項4に記載の歯車の転
    造装置。
  6. 【請求項6】 傾斜導入部の傾斜角を20〜30゜に設
    定した請求項4または5に記載の歯車の転造装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8784069B2 (en) 2007-12-28 2014-07-22 Whirlpool S.A. Method of detecting impact between cylinder and piston driven by a linear motor, detector of impact between a cylinder and piston driven by a linear motor, gas compressor, control system for a cylinder and a piston set driven by a linear motor gas compressor, control system for a cylinder and a piston set driven by a linear motor
US8944785B2 (en) 2007-12-28 2015-02-03 Whirlpool S.A. Piston and cylinder combination driven by linear motor with cylinder position recognition system and linear motor compressor, and an inductive sensor

Cited By (2)

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