JP2002178091A - ヘリカルギヤとデファレンシャル装置 - Google Patents
ヘリカルギヤとデファレンシャル装置Info
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Abstract
ー穴が存在しないヘリカルギヤを製造することができ
る、ヘリカルギヤ、およびそのヘリカルギヤの特定の性
質を専ら利用して大型化を抑制することができる、デフ
ァレンシャル装置を提供する。 【解決手段】ヘリカルギヤ1は、中心軸に対して傾斜し
た複数の歯を備えた歯形を成形する成形部を内周面に形
成したダイスの内部に、円柱状の歯形素材を押し込んで
素材の金属を流動させて歯形を成形する工程と、歯車素
材の端面をヘリカルギヤの中心軸に対して直交する平面
に形成する工程とより構成する。デファレンシャル装置
は、デフケースと、ピニオンギヤと、ピニオンギヤを介
して連結される車輪側に駆動力を伝達する一対のサイド
ギヤとより構成し、該装置におけるギヤとして前記のヘ
リカルギヤを使用する。
Description
ファレンシャル装置に関するものである。
ような油溝を刻設した形状のギヤが、例えば特開平7−
98051にあるように、自動車の差動装置などに利用
されている。このようなヘリカルギヤの製造工程を図6
で説明する。まず円柱状の歯車素材aを必要な長さに切
断しローレットb加工を施す。その後に周面にローレッ
ト加工bが施された歯車素材aに、ホブ加工、あるいは
シェーパー加工などにより切削してギヤ部の歯c切りを
行う。そして最後に円筒研磨機によって歯c面に残され
たローレットbの先端の研磨加工を行っている。
のヘリカルギヤにあっては、図7に示すように次のよう
な問題点がある。最初に円柱状の歯車素材aの中心線p
を設定する。その中心線pを利用して最初のローレット
b加工、次のホブ加工、そして最後の円筒研磨を行って
いる。そのために、歯車素材aの両端面eにはセンター
穴dを開設することが必要である。開設したセンター穴
dは、最終的に完成したヘリカルギヤの端面eに穴dと
して残ってしまう。そのために端面eの摺動面積がそれ
だけ不足することになる。摺動面積が不足すると、ヘリ
カルギヤ端面eの磨耗、カジリ、焼き付きなどが発生す
る原因となりやすく、端面eに荷重や摩擦が作用するヘ
リカルギヤでは、所定の摺動断面積を得るために大きな
面積を有するギヤが必要となる。端面eに設けたセンタ
ー穴dを消去する方法としては、歯切り加工後に歯車素
材の両端を切り落とす方法も考えられるが、当然工程が
増加してコストアップとなる。
解決するためになされたもので、加工工程を増加するこ
となく、加工用のセンター穴が存在しないヘリカルギヤ
を製造することができる、ヘリカルギヤを提供すること
を目的とする。また本発明は、ヘリカルギヤの特定の性
質を専ら利用して大型化を抑制することができるデファ
レンシャル装置を提供することを目的とする。
するために、本発明のヘリカルギヤとデファレンシャル
装置は、中心軸に対して傾斜した複数の歯を備えた歯形
を成形する成形部を内周面に形成したダイスの内部に、
円柱状の歯形素材を押し込んで素材の金属を流動させて
歯形を成形する工程と、歯車素材の端面をヘリカルギヤ
の中心軸に対して直交する平面に形成する工程とより構
成したことを特徴とする。
対して傾斜した複数の歯を備えた歯形を成形する成形部
を内周面に形成したダイスの内部に、円柱状の歯形素材
を押し込んで素材の金属を流動させて歯形を成形する工
程と、歯車素材の端面をヘリカルギヤの中心軸に対して
直交する平面に形成する工程と、歯形を形成した素材
を、2基のロールダイスの間に位置させて歯先の表面に
油溝を形成する工程と、その後に中心線レス研磨によっ
て油溝の表面の研磨を行う工程より構成したことを特徴
とする。
を専ら利用して構成したデファレンシャル装置は、エン
ジンの駆動力により回転するデフケースと、デフケース
の収納孔に摺動回転自在に収納されたピニオンギヤと、
ピニオンギヤを介して連結される車輪側に駆動力を伝達
する一対のサイドギヤとより構成したデファレンシャル
装置において、該装置におけるギヤとして、中心軸に対
して傾斜した複数の歯を備えた歯形を成形する成形部を
内周面に形成したダイスの内部に、円柱状の歯形素材を
押し込んで素材の金属を流動させて歯形を成形する工程
と、歯車素材の端面をヘリカルギヤの中心軸に対して直
交する平面に形成する工程とより構成したヘリカルギヤ
を使用して構成したことを特徴とする。
を専ら利用して構成したデファレンシャル装置は、エン
ジンの駆動力により回転するデフケースと、デフケース
の収納孔に摺動回転自在に収納されたピニオンギヤと、
ピニオンギヤを介して連結される車輪側に駆動力を伝達
する一対のサイドギヤとより構成したデファレンシャル
装置において、該装置におけるギヤとして、中心軸に対
して傾斜した複数の歯を備えた歯形を成形する成形部を
内周面に形成したダイスの内部に、円柱状の歯形素材を
押し込んで素材の金属を流動させて歯形を成形する工程
と、歯車素材の端面をヘリカルギヤの中心軸に対して直
交する平面に形成する工程と、歯形を形成した素材を、
2基のロールダイスの間に位置させて歯先の表面に油溝
を形成する工程と、その後に中心線レス研磨によって油
溝の表面の研磨を行う工程より形成したヘリカルギヤを
使用して構成したことを特徴とする。
のヘリカルギヤとデファレンシャル装置の実施例につい
て説明する。
線に対して斜めにねじれた歯2を、等間隔で複数数本形
成してある。これらの各歯2の歯先の幅は、歯すじの全
長にわたって同一である。
て図2によって説明する。この冷間鍛造装置3は、下型
31と上型32とより構成する。下型31は大口径の外
側リング311とその外側リング311の内面に配置し
た内側リング312とより構成する。そしてこの内側リ
ング312の内面にダイス313を配置して構成する。
これらの外側リング311、内側リング312、および
ダイス313の上にはワークガイド314を設置する。
ワークガイド314の中心には、ガイド穴315を形成
してある。ガイド穴315の内径は、円柱状の歯車素材
の外径とほぼ等しい。ダイス313の内面には押し出し
加工用の加工穴316を形成してある。そして、ワーク
ガイド314に開口したガイド穴315と、ダイス31
3の中心の加工穴316は、両者の軸芯が一致するよう
上下に重ねて配置してある。上下に重ねて配置した場合
に、周囲にストッパーを突設して位置を固定する。
ある。そして上型32の下面にはガイドパンチ321を
下向きに突設してあり、強大な圧力でガイドパンチ32
1を押し下げることができる。ガイドパンチ321の下
降の結果、下型31のワークガイド314のガイド穴3
15に挿入した円柱状の歯車素材を、ガイドパンチ32
1によって、ダイス313の加工穴316の内部に押し
込むことができる。
内径d1は、その上に設置したワークガイド314のガ
イド穴315の内径d2とほぼ同径の穴である。そして
加工穴316の内周面には、製造する対象であるヘリカ
ルギヤ1の歯形を成形する成形歯形が設けてある。各成
形歯形は、ダイス313の軸線に対して斜めにねじれた
形状をしており、これらの成形歯形の歯先が、ヘリカル
ギヤ1の歯2の歯底を形成する。また、各成形歯形の歯
底が、ヘリカルギヤ1の歯2の歯先を形成する。また、
2本の隣接する成形歯形の向かいあっている1組の歯面
が、ヘリカルギヤ1の1本の歯2の歯面を形成する。
まず円柱状の長尺の材料を所定の長さに切断し、焼鈍し
ボンデ処理などの前工程を行う。次にこの円柱状の歯車
素材を常温の状態で下型31のワークガイド314のガ
イド穴315内に挿入する。そして上型32を大きな圧
力の下で下降させて円柱状の歯車素材をダイス313の
加工穴316の内部に押し込む。すると円柱状歯車素材
の周囲には、ダイス313内面に設けた成形歯形の歯形
が押し付けられて塑性変形を起こし、歯面の間の溝内に
流入してヘリカルギヤ1の歯2の歯形が形成される。こ
のようにプレスによって歯2を形成するから、中心線を
出すためのセンター穴を設ける必要がない。歯型を形成
したヘリカルギヤ1は下からノックアウト316で押し
出し、あるいはノックアウトを使用せずに排出する。
直交する面として形成する。そのために歯形の成形の終
わったヘリカルギヤを正面旋盤のチャックで把持し、回
転を与える。一方、往復台はヘリカルギヤ1の主軸の中
心線と直角の案内面を持つ上ベッド上にある。この往復
台でバイトを往復移動させることによって、ヘリカルギ
ヤの中心軸に対して正確に直交する直交平面である端面
22を形成する。直交平面を形成することによって、ヘ
リカルギヤ1の端面22が支持部材と摺動する状況下で
ヘリカルギヤ1の回転時に摺動接触を端面22で均一に
受けることができる。そのために偏り磨耗、カジリ、焼
き付けの発生を防ぐことができる。
油溝を形成する。油溝として例えば多数の微小なピラミ
ッド型を突設させたローレット21を形成する。そのた
めに歯2の形成の終わったヘリカルギヤ1を、2個の転
造用のロールダイス4の間に位置させる。このロールダ
イス4の表面には、油溝としてのローレット21加工用
の微小な突起が多数突出して形成してある。直径の同一
である両側のロールダイス4を同方向へ同速度で回転さ
せ、互いに接近させる。その結果、レスト41上で水平
に支持したヘリカルギヤ1の歯面を塑性変形させて歯車
の表面にローレット21を形成することができる。この
工程でも、2個のロールダイス4の間で加工するから、
加工用のセンター穴は必要としない。
限らず、歯先に平行な油溝、歯先を横断する油溝、歯先
に独立した多数のくぼみを形成した油溝などを採用する
ことができる。
にはその先端を中心線レス研磨機によって研磨する。中
心線レス研磨機は、研磨砥石と、調整車、および支持台
によって構成する。研磨砥石は、対象とするヘリカルギ
ヤ1の種類によって交換できる。さらにヘリカルギヤ1
の種類によって最適に回転速度、および支持高さを選択
することができる構造である。中心線レス研磨機を使用
するから、加工の対象であるヘリカルギヤ1ではセンタ
ー穴を設けることなく、ピラミッド状のローレット21
の先端を正確な寸法だけ均一に削り取る加工を行うこと
ができる。
して構成するデファレンシャル装置について説明する。
まずヘリカルギヤを使用したデファレンシャル装置の全
体は、例えば特開平7−98051号公報に記載してあ
り、断面は図4(同公報の図1)に記載した通りであ
る。このデファレンシャル装置の各ギヤを、上記で説明
した冷間で鍛造したヘリカルギヤ1によって構成する。
すなわち、エンジンの駆動力により回転するデフケース
5の収納孔にヘリカルピニオンギヤ51を摺動回転自在
に収納する。そしてこのヘリカルピニオンギヤ51を介
して、一対のヘリカルサイドギヤ52を設置し、このヘ
リカルサイドギヤ52によって連結した車輪側に駆動力
を伝達する。各ヘリカルギヤ51、52の端面22は、
デフケース5の支持面に摺動接触するが、各ヘリカルギ
ヤ51、52の端面22にはセンター穴が開口していな
いから、デフケース5とヘリカルギヤ51、52の端面
22との間で十分な接触面積を得ることができる。
ルピニオンギヤ51からヘリカルサイドギヤ52を介し
て左右の後輪に分配され、後輪間に駆動抵抗差が生じる
とヘリカルピニオンギヤ51の回転によりエンジンの駆
動力は左右各側に差動分配される。トルクの伝達中、各
ヘリカルピニオンギヤ51の歯先とサイドギヤ52との
噛み合い反力により収納孔の周囲の壁面に押し付けられ
て摩擦抵抗が生じる。同時に、噛み合いのスラスト力に
よって、各ヘリカルギヤ51、52の端面22は、デフ
ケース5に押し付けられて摩擦抵抗が生じる。これらの
摩擦抵抗によっても各ギヤの回転が制動される。この場
合に本発明のデファレンシャル装置は、本発明のヘリカ
ルギヤ1を使用しているから、端面22にセンター穴が
存在せず、スラスト力を端面22の全面積で受けること
ができ、効率よく摩擦抵抗を発生させることができる。
ようになるから次のような効果を期待することができ
る。 <イ>センター穴を使用せずにヘリカルギヤを製造する
ことができる。したがって端面22の不足がなく、摺動
面積を全端面22積に取ることができ、耐久性を向上さ
せることができる。 <ロ>いったんセンター穴を開口し、歯車の形成後に端
面22を切断する方法に比較して、切断工程が不要であ
る。そのために経済的にヘリカルギヤを製造することが
できる。 <ハ>鍛造によって歯面を形成するから、切削による製
造のように歯面に荒れを生じることがなく、その後のシ
ェービング工程も不要である。 <ニ>刃先に潤滑溝を形成するような場合でも、切削の
ように次工程が必要にならず経済的である。 <ホ>また本発明のヘリカルギヤの特定の性質を専ら利
用して構成したデファレンシャル装置は、ヘリカルギヤ
の端面22にセンター穴が存在しないから、トルクが伝
達されたときにスラスト力を端面22の全面積で受ける
ことができ、効率よく摩擦抵抗を発生させることができ
る。 <ヘ>ヘリカルギヤの端面にセンター穴が存在しないた
めに利用できる端面の面積が増大する。そのためにヘリ
カルギヤを大型化する必要がなく、デファレンシャル装
置全体としての大型化を抑制することができる。
図。
の実施例の説明図。
ンシャル装置の実施例の説明図。
配置状態の説明図。
Claims (4)
- 【請求項1】中心軸に対して傾斜した複数の歯を備えた
歯形を成形する成形部を内周面に形成したダイスの内部
に、円柱状の歯形素材を押し込んで素材の金属を流動さ
せて歯形を成形する工程と、歯車素材の端面をヘリカル
ギヤの中心軸に対して直交する平面に形成する工程とよ
り形成した、 ヘリカルギヤ。 - 【請求項2】中心軸に対して傾斜した複数の歯を備えた
歯形を成形する成形部を内周面に形成したダイスの内部
に、円柱状の歯形素材を押し込んで素材の金属を流動さ
せて歯形を成形する工程と、歯車素材の端面をヘリカル
ギヤの中心軸に対して直交する平面に形成する工程と、 歯形を形成した素材を、2基のロールダイスの間に位置
させて歯先の表面に油溝を形成する工程と、 その後に中心線レス研磨によって油溝の表面の研磨を行
う工程より形成した、 ヘリカルギヤ。 - 【請求項3】エンジンの駆動力により回転するデフケー
スと、 デフケースの収納孔に摺動回転自在に収納されたピニオ
ンギヤと、 ピニオンギヤを介して連結される車輪側に駆動力を伝達
する一対のサイドギヤとより構成したデファレンシャル
装置において、 該装置におけるギヤとして、 中心軸に対して傾斜した複数の歯を備えた歯形を成形す
る成形部を内周面に形成したダイスの内部に、円柱状の
歯形素材を押し込んで素材の金属を流動させて歯形を成
形する工程と、歯車素材の端面をヘリカルギヤの中心軸
に対して直交する平面に形成する工程とより形成したヘ
リカルギヤを使用して構成した、 デファレンシャル装置。 - 【請求項4】エンジンの駆動力により回転するデフケー
スと、 デフケースの収納孔に摺動回転自在に収納されたピニオ
ンギヤと、 ピニオンギヤを介して連結される車輪側に駆動力を伝達
する一対のサイドギヤとより構成したデファレンシャル
装置において、 該装置におけるギヤとして、 中心軸に対して傾斜した複数の歯を備えた歯形を成形す
る成形部を内周面に形成したダイスの内部に、円柱状の
歯形素材を押し込んで素材の金属を流動させて歯形を成
形する工程と、歯車素材の端面をヘリカルギヤの中心軸
に対して直交する平面に形成する工程と、 歯形を形成した素材を、2基のロールダイスの間に位置
させて歯先の表面に油溝を形成する工程と、 その後に中心線レス研磨によって油溝の表面の研磨を行
う工程より形成したヘリカルギヤを使用して構成した、 デファレンシャル装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000375119A JP3700156B2 (ja) | 2000-12-08 | 2000-12-08 | ヘリカルギヤとデファレンシャル装置 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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JP3700156B2 JP3700156B2 (ja) | 2005-09-28 |
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-
2000
- 2000-12-08 JP JP2000375119A patent/JP3700156B2/ja not_active Expired - Fee Related
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