JP3155682U - 変速機用歯車 - Google Patents

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満彦 下村
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Abstract

【課題】外周のヘリカル歯と内側のドッグクラッチ歯とを熱間鍛造及び冷間鍛造によって一体化成形し、浸炭前工程において機械加工によるヘリカル歯切り加工を必要としない変速機用歯車を提供する。【解決手段】内側から外周側へコーン5、フランジ8、小径のドッグクラッチ歯2、沈み溝4及びヘリカル歯1が、夫々同軸状に熱間鍛造及び冷間鍛造によって一体成形され、前記フランジは前記コーンに外接して同心円状に設けられるとともに、前記コーンが前記フランジ面から軸方向に突設する。さらに、前記ヘリカル歯と前記ドッグクラッチ歯との間に、前記沈み溝が前記ヘリカル歯の歯端面より沈むように設ける。前記ドッグクラッチ歯は前記沈み溝の内周壁に形成し、歯根元を前記沈み溝の底面に立設するとともにチャンファを設け、かつ、前記ヘリカル歯は歯筋をストレート状に形成するか、クラウニング状に形成して、変速機用歯車を構成する。【選択図】図2

Description

この考案は、主として自動車のトランスミッションに使用される変速機用の歯車に関する。詳しくは手動変速機用の歯車であって、外周のヘリカル歯と内側のドッグクラッチ歯が熱間鍛造及び冷間鍛造によって一体化形成された変速機用歯車に関するものである。本出願考案の最大の特徴は、手動変速機へ多段変速歯車を組み込む際にコンパクト化設計を実現させるため、ドッグクラッチ歯の歯根元が軸方向に対してヘリカル歯の歯端面より沈むように鍛造成形された変速機用の複合歯車である。そして、ヘリカル歯は歯筋の中央部の歯厚が両端部より大きいクラウニング処理が施され、かつ、歯底面、歯面及び歯先面と歯端面との交差部の各稜線部に鍛造成形された面取り部が形成された変速機用歯車に関するものである。ここで、ヘリカル歯は、歯底面、歯面及び歯先面と歯端面との交差部の各稜線部において平面又は/及び湾曲面を有する面取り(以下フルR面取り)を有する。即ち、ヘリカル歯におけるフルR面取り部とは平面、湾曲面、或いは平面と湾曲面とを組み合わせた面取り部が含まれ、かつ、歯底面、歯面及び歯先面の如何なる部位にも段差を生じない。その他、最近ではエンジンの高出力化に伴う手動変速機への入力トルクの増加とともに、変速操作性の向上といった相対する要求を実現するために、限られたスペースの中でダブルコーンシンクロ又はトリプルコーンシンクロの機構が採用されており、これらのコーン先端部に鍛造による切欠き溝、或いは、ドッグクラッチ歯の端面部に欠け溝又は窓溝を形成した手動変速機用歯車に関する。
外周のヘリカル歯と内側のドッグクラッチ歯を一体化した、従来の変速機用歯車を製造する工程を図17及び図18を参照しながら説明する。先ず、図17に示す方法は、内側のドッグクラッチ歯の歯根元が外周のヘリカル歯の歯端面より軸方向上方に突き出る例である。工程(1)に示すようにビレット状の素材から熱間鍛造によって段付きの鍛造素材が成形され、工程(2)の旋盤によって歯車の近似寸法に加工される。この鍛造素材は、プロフィールの全周に亘って取り代を有する。次に工程(3)に示すように、外周のヘリカル歯1と内側のドッグクラッチ歯2が機械加工によって形成される。上段の(a)に、内側のドッグクラッチ歯の歯根元が軸方向に対して外周のヘリカル歯の歯端面より上方に突き出た複合の歯車ブロック(以下沈み無しヘリカルモノブロック)の斜視図を示し、下段の(b)にその断面図を示す。通常、ドッグクラッチ歯2の歯根元側は全周囲に亘って逃げ27が設けられる。次に工程(4)に移り、歯車表面の硬度を上げるために浸炭熱処理を施した後、軸孔3及びコーン5が研削仕上げされ変速機用歯車が完成する。一方、内側のドッグクラッチ歯の歯根元が軸方向に対して外周のヘリカル歯の歯端面より沈んだ複合の歯車ブロック(以下沈みヘリカルモノブロック)の製造工程を図18に示し、上段の(A)の歯車は内側のドッグクラッチ歯と外周のヘリカル歯とを夫々機械加工によって歯切り形成した後合体した複合歯車である。下段の(B)の歯車は内側の鍛造成形されたドッグクラッチ歯と外周の機械加工によって歯切り形成したヘリカル歯とを一体化した複合歯車である。先ず、上段(A)の工程(1)に示すように、ビレット状の素材から熱間鍛造によって上段(a)のドッグクラッチ歯用の鍛造素材が成形され、かつ、下段(b)のヘリカル歯用の鍛造素材が近似形状に成形され、次に、工程(2)の旋削によって夫々更に近似寸法に加工される。次に工程(3)に示すように、夫々歯切り加工が施され、上段の(a)はドッグクラッチ歯単体であり、下段の(b)はヘリカル歯単体である。次に、工程(4)において、内側のドッグクラッチ歯単体と外周のヘリカル歯単体とを電子ビーム溶接のよって一体化、或いはスプライン圧入の場合は各々浸炭熱処理後に夫々を圧入して一体化する。最後に工程(5)に示すように、歯車表面の硬度を上げるために浸炭熱処理を施した後、軸孔3及びコーン5が研削仕上げされ変速機用歯車が完成する。他の方法として、下段(B)の工程(1)に示すように、熱間鍛造した段付きの鍛造素材の内側に、軸方向に対して外周上面より沈むようにドッグクラッチ歯が熱間鍛造によって荒成形される。次に工程(2)に示すように、内側のドッグクラッチ歯が冷間鍛造によって仕上げ形成され、この歯根元が軸方向に対して外周上面より沈むようにオフセット鍛造された歯車ブロック(以下沈みモノブロック)が完成する。次いで、工程(3)において外周ヘリカル歯を荒旋削する。この工程を経て工程(4)において、外周ヘリカル歯にホブ加工、歯端面の面取り加工及びシェービング加工もしくは浸炭熱処理を施した後、歯面研削を施し外周面にヘリカル歯が仕上げ形成される。上段の(a)にその斜視図を示し、下段の(b)にその断面図を示す。次の工程(5)において、浸炭熱処理を施すことによって歯車表面の硬度を上げ、その後で軸孔3及びコーン5が研削仕上げされて変速機用歯車が完成する。このようにして内側に熱間鍛造及び冷間鍛造により成形されたドッグクラッチ歯に、外周に機械加工を施したヘリカル歯を一体化した変速機用歯車が完成する。この変速機用の歯車においては、熱間鍛造素材の外周を旋削により歯切りした後ホブによる歯切り加工を行い、更に、ホブ加工時に生じるバリを除去する工程を経てシェービング加工もしくは浸炭後歯面研削により歯面の仕上げ加工を行う。従って、熱間鍛造によって鍛造によって歯の表層部に形成された鍛流線(以下ファイバフロー)と称する繊維組織が機械加工によって切断されることになり、歯車の強度が低下する。また、熱間鍛造によって形成された素材に機械加工を施す場合カッターマークが残る。特に、ヘリカル歯の機械加工を施す場合について図19を参照しながら説明する。同図(a)の歯形を拡大した断面図に示すように、歯先面11における旋削された部位G1、この部位に続くセミトップの面取り部R1、この部位に続くインボリュートの歯面12におけるシェービング加工された部位G2、そしてこの部位に続く歯底面13におけるホブ加工された部位G3等、歯形の部位によって加工方法が異なる。そのため、これらの加工部位の境界には夫々の異なる加工方法による段差が生じる。その他、同図(b)に示すように、歯底面13におけるホブ加工の機械加工面Mは送りマークとなって凸凹が発生し、特に鋭角側歯端面14は強度低下の要因となる。以上の様に、旋削、ホブ加工、シェービング又は歯研加工等の異なる加工方法による境界の部位には加工方法から生じる段差が生じるので、これを避けるために特殊なプロチュバランス形状のホブカッターを使用して歯切り加工を施す方法もあるがコスト高になる。
これらの変速機用歯車に関し、本件出願人(以下出願人)は沈み無しヘリカルモノブロックに関する次のような提案をしており、本出願考案は内側のドッグクラッチ歯が外周のヘリカル歯の上端面より沈んでいない歯車製品であり、ドッグクラッチ歯とヘリカル歯とを隣り合わせに隙間なく連続して一体的に鍛造成形して得られた歯車製品である。(例えば、特許文献1参照)。一方、沈みモノブロックに関する次のような提案をしている。即ち、内側のドッグクラッチ歯の歯根元が軸方向に対して外周のフランジ部の上端面より沈んだ形状となる(例えば、特許文献2参照)。その他に、出願人は外周のヘリカル歯と内側のドッグクラッチ歯を一体的に鍛造成形する方法に関する次のような提案をしている。即ち、ヘリカル歯が含まれていても、その成形、脱型、或いは径の異なる歯車の並び順によって従来不可能だった多段歯車の成形を可能とすると共に、精度の高い多段歯車を形成する技術であって、その構成は、隣接する歯車同士の境界を分割面に持ち、周面に歯形成用歯型を有し、中心にマンドレルを突き通し可能に備えたキャビティ内へ同心円状の素材を押し込む押し込み操作と、マンドレルの突き通し操作とによって素材の周囲に歯を成形する鍛造方法である。(例えば、特許文献3参照)。
特開平5―187521号公報 特開2002−227969号公報 特開平7―112234号公報
以上の通りであって、特許文献に代表されるように、従来の変速機用歯車には次のような問題点がある。
熱間鍛造後ホブ又はギヤシェーパ加工、シェービング、研磨等によって歯切り加工を施すので、熱間鍛造によって形成されたファイバフローと称する繊維組織が切断されることになり、歯車の強度が低下する。また、加工部位には加工方法による段差が生じ、或いは凸凹のある送りマークとなって発生し歯車強度上致命的になる。特に、歯元部付近にシェービング加工による段差を生じるので歯車の強度上悪影響を及ぼし、このことを回避する方法が無いわけではないが特殊なホブカッターを必要としてコスト高を招くことになる。そして、シェービング加工する等の歯切り加工のために工程が煩雑化して生産効率が悪くなり、また、更に、ホブ加工後歯両端面のバリ取りを必要とする。また、シェーパーによるヘリカル歯の加工は非能率である。そして、歯切り加工のために高価な専用設備を必要とし、機械加工を施すことによる製造コストアップをもたらす。また、熱間鍛造によって概略歯形に一体化成形された後、冷間鍛造によって仕上げ成形された歯車にシェービング加工を施す場合、大幅なコストアップをもたらす。
出願人は内側にドッグクラッチ歯を備える沈みモノブロックを熱間鍛造及び冷間鍛造によって形成する固有の技術を持っている。一方、出願人は内側にドッグクラッチ歯及び外周にヘリカル歯を備える沈み無しヘリカルモノブロックを熱間鍛造及び冷間鍛造によって形成する固有の技術を持っている。そこで、出願人は沈みモノブロックを成形する技術と沈み無しヘリカルモノブロックを成形する技術を足し算することによって熱間鍛造及び冷間鍛造による沈みヘリカルモノブロック歯車を成形することを試行錯誤したが、外周のヘリカル歯の歯端面部に欠肉が生じるという致命的な欠陥が生じた。
そこで、本出願考案は以上のような課題に着目してなされたもので、ヘリカル歯とドッグクラッチ歯を熱間鍛造によって一体成形した後、冷間しごき及び冷間コイニング成形による冷間鍛造によって歯形の仕上げ或いは精度出しをすることを基本とする。出願人が育てた沈みモノブロックを鍛造形成する技術及び、同じく出願人が育てた沈み無しヘリカルモノブロックを鍛造形成する技術の双方を結合することによって、本件出願の考案者は沈みヘリカルモノブロックの複合歯車を鍛造形成する技術を完成させたのである。本出願考案は、外周のヘリカル歯と内側のドッグクラッチ歯とを熱間鍛造及び冷間鍛造によって一体化成形し、機械加工による歯切り加工を必要としない変速機用歯車を提供することを目的としている。特に、沈みモノブロックを鍛造成形する技術と沈み無しヘリカルモノブロックを鍛造成形する技術を足し算する技術に工夫を加え、外周のヘリカル歯の歯端面部に欠肉を有しない沈みヘリカルモノブロックの変速機用歯車を鍛造成形することよって提供することにある。また、本出願考案の目的は、歯形部の機械加工を無くすことによって鍛造成形によるファイバフローと称する繊維組織を残して歯車の強度を向上させることを併せ持つ変速機用歯車を提供することにある。しかも、ヘリカル歯については噛合い時の片当たりを防止するために歯筋にクラウニング成形を施すとともに、歯車強度を向上させるために歯先、歯面及び歯底における全ての稜線をフルR面取りした変速機用歯車を提供することにある。その他、ドッグクラッチ歯については、ヘリカル歯より沈ませることによって軸方向のコンパクト化を実現し、かつ、歯先、歯面及び歯根元においてチャンファ部に角が存在しないようにR面取り部を施すことによって、変速機のシフトフィーリング性を良好にした変速機用歯車を提供することにある。また、エンジンの高出力化に伴う手動変速機への入力トルクの増加と、変速操作性の向上という、相反する要求を満足させるために、コーン部のダブル或いはトリプル化設計に対応すべく切欠き溝、欠け溝或いは窓溝を熱間鍛造及び冷間鍛造にて形成することにある。
近年では鍛造技術の進歩によって様ざまな形状の歯車を鍛造によって成形し、機械加工を省くことが可能となってきた。そこで、本出願考案者等は、熱間鍛造によって形成されたファイバフローをそのまま生かし、かつ、冷間鍛造による歯形の精度出しに着目し、冷間鍛造後の歯切り加工を省く歯車を試作したところ歯車の耐久性に優れるという知見を得た。更に本出願考案者等は、歯車の歯底面、歯面及び歯先面と歯車の軸方向の端面との交差部の各稜線部に、鍛造成形によって面取り部を形成するという本出願考案の技術的思想に着眼し、更に研究開発を重ねた結果、従来におけるホブ加工によって生じたバリを除去するための機械加工を施す必要がないため、強度低下を防止して、加工コストを低減するという目的を達成する本出願考案に到達した。本出願考案の変速機用歯車はかかる知見を基に具現化したもので、請求項1の考案は、内側から外周側へコーン、フランジ、小径のドッグクラッチ歯、沈み溝及びヘリカル歯が、夫々同軸状に熱間鍛造及び冷間鍛造によって一体成形され、前記フランジは前記コーンに外接して同心円状に設けられるとともに、前記コーンが前記フランジ面から軸方向に突設され、かつ、前記ヘリカル歯と前記ドッグクラッチ歯との間に、前記沈み溝が前記ヘリカル歯の歯端面より沈むように設けられ、前記ドッグクラッチ歯は前記沈み溝の内周壁に形成されるとともに、歯根元を前記沈み溝の底面に立設するとともにチャンファを設け、かつ、前記ヘリカル歯は歯筋がストレート状に形成され、或いはクラウニング状に形成されるとともに、歯先、歯面又は歯底と歯端面との夫々交叉部の各稜線部に、直線状又は/及び曲線状の面取り部を備えることを特徴とする変速機用歯車である。請求項2の考案は、前記請求項1の特徴に加えて、前記ヘリカル歯及び前記ドッグクラッチ歯が冷間しごき及び冷間コイニング成形され、かつ、前記ヘリカル歯の歯面又は歯底と歯端面との夫々交叉部の各稜線部の面取り部が冷間コイニング成形されることを特徴とする変速機用歯車である。請求項3の考案は、前記請求項1の特徴に加えて、前記ヘリカル歯の断面プロフィールは、前記歯先、前記歯面及び前記歯底を結ぶ線が段差を有することなく連続的に繋がることを特徴とする変速機用歯車である。請求項4の考案は、前記請求項1の特徴に加えて、前記コーン先端面に複数の切欠き溝を設け、これらの切欠き溝は熱間鍛造及び冷間鍛造によって成形されることを特徴とする変速機用歯車である。請求項5の考案は、前記請求項1の特徴に加えて、前記ドッグクラッチ歯の周列に複数の欠け溝を設け、これらの欠け溝は熱間鍛造及び冷間鍛造によって成形されることを特徴とする変速機用歯車である。請求項6の考案は、前記請求項1の特徴に加えて、前記フランジ面にほぼ矩形状に複数の窓溝を設け、これらの窓溝は熱間鍛造及び冷間鍛造によって成形されることを特徴とする変速機用歯車である。請求項7の考案は、前記請求項1、4、5叉は6の特徴に加えて、前記ヘリカル歯の内側にこのヘリカル歯側へ凹む複数の波状溝を周設し、これらの波状溝は熱間鍛造及び冷間鍛造によって成形されることを特徴とする変速機用歯車である。請求項8の考案は、前記請求項4、5叉は6の特徴に加えて、前記切欠き溝、前記欠け溝又は前記窓溝の稜線部に直線状又は/及び曲線状の面取り部を備えることを特徴とする変速機用歯車である。
本出願考案によれば、外周のヘリカル歯と内側のドッグクラッチ歯を熱間鍛造及び冷間鍛造によって一体化成形することが可能となるため、以下の作用効果を奏するものである。ヘリカル歯とドッグクラッチ歯とを熱間鍛造及び冷間鍛造によって一体化成形し、その後で歯元部に機械加工を施さないので、生じたファイバフローが切断されることがなく歯車の強度を向上させることができ、かつ、歯切り加工が不要なので材料歩留まりが向上するとともに製造コストを低廉に抑えることができる。個々の歯については、先ずヘリカル歯の場合は、熱間鍛造によってニアネットシェイプ歯形を成形した後、冷間しごき及び冷間コイニング成形による冷間鍛造によって歯形の精度出しをすることを基本とする。従って、歯面、歯先面、歯底面又は歯端面が交差して形成される全ての稜線部位は冷間鍛造のままで、角のないフルR面取り部が施され、強度低下を防止でき、特に、歯底面の稜線部においても、冷間鍛造のままのフルR面取り部が施されるので、段差を生じることなく応力集中を回避する効果がある。この時、フルR面取り部の歯内部においてファイバフローが密に形成されたままなので歯車の曲げ強度が高い。また、ホブ加工による歯切り後或いは旋削による歯幅寸法加工後のバリ取りの工数が不要となり、加工コストを低減できるという効果を奏する。フルR面取り部の曲率半径について歯先部は小さく、歯底部は大きくするというようにR面取り部の大きさを自由に選択でき、強度上最適な曲率半径のR面取り部を実現可能である。一方、ドッグクラッチ歯についても、熱間鍛造によってニアネットシェイプ歯形を成形した後、冷間コイニング成形によって歯形の精度出しをすることを基本とするので、機械加工の場合のように歯根元の逃げ27(図17参照)を必要とせずドッグクラッチ歯の全長を短くでき、かつ、歯根元が沈み溝と連続しているので歯根元から折損する恐れがない。そして、歯切り加工を必要としないので、加工バリが発生しない。また、歯先のチャンファ面における各稜線の曲率半径は最小で0.3mm程度の丸みが形成されるので、内部のファイバフローが切断されないことと相俟って、チャンファ面の各稜線の丸みによってスムーズなシフト操作性が得られる。更に、このドッグクラッチ歯が型成形によるため、歯面が左右対称正確に形成されシフト操作性が向上する。また、型成形によるため、センターがずれたチャンファ、片チャンファ等の各種形状のチャンファ形状を得ることができ、これらの形状の差異によって、運転する人の任意の要求に応じたスムーズなシフト操作性やギヤ抜け防止を実現することができる。ドッグクラッチ歯の隣同士の歯の高さを変えることも可能であり、同様に、これらの形状の差異によって、好みのシフト操作性を実現することができる。更に重要なことは、内側のドッグクラッチ歯の歯根元が軸方向に対して外周の前記ヘリカル歯の歯端面より沈み込むように形成されるので全体の歯車の軸長が短小化される。即ち、外周のヘリカル歯と内側のドッグクラッチ歯との間に同軸状に凹んだ溝を形成し、この溝にドッグクラッチ歯を沈むように形成したので、このことがギヤボックスのコンパクト化に寄与する。次に、ヘリカル歯の歯筋がクラウニング状に形成されるので、このことによって、歯車同士の噛合い時の片当たりを防止することができる。一般に、歯切り加工又はシェービング加工又は歯面研削加工によってクラウニングが形成される。本出願考案の型成形によるクラウニングの形成は、型の摩耗が殆ど無視できるレベルなので、クラウニング量に変化はなく品質が安定する。また、鍛造型によって容易に歯筋の左右の捩れ角やクラウニング量を変えることもでき、ギヤノイズが低く、かつ、歯面形状精度の高いヘリカル歯を得ることができる。
本出願考案の実施例を示すもので、変速機用歯車の製造過程を示す工程図である。 同上、外周にヘリカル歯と内側にドッグクラッチ歯を有する変速機用歯車の一例を示す斜視図である。 同上、変速機用歯車の製造に係る好ましい実施形態を示す説明図である。 同上、変速機用歯車の製造に係るヘリカル歯におけるクラウニング成形を施すための実施形態を示す説明図である。 同上、クラウニング付きヘリカル歯を示す歯筋の拡大図である。 同上、ヘリカル歯における歯端面部位における面取り部の状態を示す説明図である。 同上、ヘリカル歯におけるフルR面取り部の状態を示す説明図である。 同上、ヘリカル歯における稜線部の段差を模式的に示した斜視図である。 同上、ドッグクラッチ歯におけるチャンファ形状を示す側面図である。 同上、鍛造におけるファイバフローの分布を示す説明図である。 同上、実施例2におけるヘリカル歯の面取り部形状の一部断面図である。 同上、実施例3におけるコーン部に形成した切欠き溝を示す斜視図である。 同上、実施例4におけるドッグクラッチ歯に形成した欠け溝を示す斜視図である。 同上、実施例5におけるドッグクラッチ歯の内側に形成した窓溝を示す斜視図である。 同上、実施例6におけるヘリカル歯内側の波状溝を示す斜視図である。 同上、実施例7におけるドッグクラッチ歯の種々のチャンファ形状の拡大図である。 従来例による変速機用歯車の製造過程を示す工程図である。 同上、変速機用歯車の他の製造過程を示す工程図である。 同上、ヘリカル歯における機械加工の状態を示す加工部位の拡大図である。
本出願考案の実施の形態を、添付図面に例示した本出願考案の実施例に基づいて以下に具体的に説明する。
本実施例について、図1〜図10を参照しながら説明する。図1は、本実施例における変速機用歯車の製造過程を示す工程図である。図2(a)は変速機用歯車の一例を示す全体斜視図であり、同図(b)は一部断面図を示す。図3は、変速機用歯車の製造に係る好ましい実施形態を示す説明図である。図4(a)は、同上、変速機用歯車の製造に係るヘリカル歯におけるクラウニング成形を施すための実施形態を示す説明図である。図5は、クラウニング付きヘリカル歯を示す拡大図である。図6は、ヘリカル歯における歯端面部位における面取り部の状態を示す説明図である。図7は、ヘリカル歯におけるフルR面取り部の状態を示す説明図である。図8は、ヘリカル歯における稜線部の段差を模式的に示した斜視図である。図9は、ドッグクラッチ歯におけるチャンファ形状を示す側面図である。図10は、鍛造におけるファイバフローのマクロ組織を示す説明図である。
本実施例の変速機用歯車の製造プロセスを、図1の工程図に基づき説明する。先ず、工程(1)に示すように、変速機用歯車に適した円柱素材を所定の軸長に例えばビレットシャーによって切断した素材W1を得る。この場合、素材の材質として変速機用歯車に適した鋼材、例えば、SC鋼、SCR鋼、SCM鋼、SNC鋼、SNCM鋼等を使用することができる。次に、工程(2)に示すように、素材W1を例えば1150℃に加熱して熱間鍛造を施すことによって下側に出っ張った凸部W21を有する円盤状の素材W2を得る。次に、工程(3)に示すように、素材W2上段の大径部D1の部位に熱間鍛造を施して軸方向に対して捩じれた荒ヘリカル歯10が荒形成され、同時に下段の小径部D2の部位にコーン50を形成するとともに外周の荒ヘリカル歯10と内周のコーン50との間に同心円状に荒沈み溝40が形成される。その他、コーン50の内周に断面円形に凹んだ内径部W31が形成され、荒ヘリカル歯10の形成によって上面外周に円板状にはみ出し鍔状のバリW32を有する素材W3が得られる。次に、工程(4)に示すように、同じく熱間鍛造によってコーン50の外周に凹んだ沈み溝4を仕上げ形成し、同時にこの底面に歯根元が立設する荒ドッグクラッチ歯20が形成された素材W4を得る。次に、工程(5)に示すように、素材W4の上面のバリW32を旋削し除去するとともに、内径部W31の中バリを打ち抜いて荒軸孔30が貫通した素材W5を得る。次に工程(6)において、素材W5に焼きならしの熱処理、ショットブラスト処理及び潤滑剤を塗布するボンデライト処理を施して素材W6を得る。次いで工程(7)において、外周の荒ヘリカル歯10は冷間しごき及び冷間コイニング成形によって歯面がストレートに仕上げ形成され、かつ、歯端面の稜線部にR面取りが施される。一方、内周の荒ドッグクラッチ歯20はコイニング成形によって歯面がストレートに形成され、かつ、歯先にチャンファが形成された素材W7を得る。次の工程(8)において、外側の荒ヘリカル歯に冷間しごき及び冷間コイニング成形による冷間鍛造によって歯面にクラウニングが施され、かつ、歯端面の稜線部にR面取りが施されてヘリカル歯1が完成する。最後に工程(9)において、工程(7)でストレートに成形された荒ドッグクラッチ歯に冷間鍛造によってチャンファから歯根元に向かって細くなる逆テーパ状に加工が施されてドッグクラッチ歯2が完成する。以上の工程をまとめると、工程(2)、(3)、(4)及び(5)は熱間鍛造であり、工程(7)、(8)及び(9)は冷間しごき及び冷間コイニング成形による冷間鍛造である。なお、前述した工程(3)及び工程(4)の歯形成の詳細については図3を参照しながら更に後述する。また、ヘリカル歯1の歯は歯筋方向に中膨らみのクラウニングが形成され、この詳細については前述した工程(7)を経て工程(8)について図4、5を参照しながら後述する。そして、ヘリカル歯1の各方向歯面の稜線部位はR面取り部が施されており、この詳細については図6、7及び8を参照しながら後述する。一方、ドッグクラッチ歯2のチャンファ形状の詳細については図9を参照しながら更に後述する。
工程(8)及び(9)において、最終仕上げ加工を施された変速機用歯車Wの詳細形状を図2に示す。同図(a)はシングルコーン型の変速機用歯車Wの斜視図を示し、外周のヘリカル歯1が軸方向に対して捩じれて形成され、この内周に軸方向に対して逆テーパの歯を有するドッグクラッチ歯2が形成される。これらの歯の間には窪んだ沈み溝4が同心円状に形成され、ドッグクラッチ歯2の歯根元24は沈み溝4の底面まで形成される。ドッグクラッチ歯2の内周側には円錐台状のコーン5が同軸状に突設され、この内周は上下に軸孔3が貫通する。なお、このコーン5の円錐台状の周面は冷間鍛造後旋削、熱処理、次いで研削仕上げが施され摩擦面として仕上げられる。図(a)の矢見A−Aによる一部断面を同図(b)に示し、ドッグクラッチ歯2の歯根元24が沈み溝4の底面まで沈み直立して形成されている。即ち、ヘリカル歯1と同心円状に配設された内側のドッグクラッチ歯2は軸方向に対してヘリカル歯1の歯端面14より沈んで形成される。コーン5の根元は全周に亘って逃げ溝(図示なし)を設ける場合もある。以上のように、外周のヘリカル歯1と沈み溝4と内側のドッグクラッチ歯2及びこの内周側のコーン5が夫々同軸上に熱間鍛造及び冷間鍛造によって一体成形されるとともに、コーン5はドッグクラッチ歯2のチャンファ23より上方に突設され、かつ、沈み溝4はヘリカル歯1とドッグクラッチ歯2との間にヘリカル歯1の歯端面14より沈むように同心円状に設けられる。ここで、コーン5の外周面は円錐面の他円筒面の場合もある。また、ヘリカル歯1及びドッグクラッチ歯2の夫々において、歯車の各部位の名称を次の通り定義する。先ず、ヘリカル歯1は、歯筋方向に歯先面11、その左右に歯面12、12、これらを立ち上げる歯底面13及び歯筋方向上下の歯端面14、14及び歯元16から構成される。次に、ドッグクラッチ歯2は、歯筋方向に歯先面21、その左右に歯面22、22、先端が尖ったチャンファ23、沈み溝4の歯根元24、フランジ8の外周面に位置する歯元底25及び歯底面26から構成される。これらの定義は他の実施例についても同様である。
ここで、工程(3)及び(4)における歯形成の詳細について図3を参照しながら説明する。左側図(A)は素材W2を金型にセットして熱間鍛造によりヘリカル歯を成形する工程(3)を示す。図(A)右半分の図(a)に上パンチP1とこの内側において単独で上下するマンドレルP2を示し、右半分の図(b)に素材W2を示し、左半分の図(c)にダイQ1とこの内周にダイQ2を示す。上パンチP1、マンドレルP2は下方の窪んだダイQ1、ダイQ2の真上に位置する。ダイQ1の上段にヘリカル歯を形成する歯型T1を備え、素材W2をダイQ1とダイQ2の組型にセットし、上方から上パンチP1を下降させて素材W2を圧潰する。ここで、歯型T1の軸方向に対する捩れ角は例えば30度以下が望ましい。この際、素材W2の外径部D1がヘリカル歯形成用の歯型T1に押し込まれて荒ヘリカル歯10が成形される過程で、素材W2がダイQ1内で圧潰されることによって、ヘリカル歯の空間体積が径方向へ押し出されるのと同時に斜め上方に盛り上がり、余った部分がバリW32となる。この工程(3)において、荒ヘリカル歯10の内側に同心円状に荒沈み溝40が窪んだ状態で形成され、素材W3を得る。この荒沈み溝40は、素材W4において外周の荒ヘリカル歯10と内周の荒ドッグクラッチ歯20との間に同軸状に窪んで形成される。この荒ヘリカル歯10を形成する荒成形の過程で、荒沈み溝40の深さ及びこの荒沈み溝40の溝開き角度41の最適な組合せによって荒ヘリカル歯10の歯端面における欠肉を最小化することができる。
図3の右側図(B)は素材W3から素材W4へ熱間鍛造により荒ドッグクラッチ歯20を成形する工程(4)を示す。右半分の図(a)、(b)、(c)に示すように、ダイQ2に荒ドッグクラッチ歯20を形成する歯型T2を備え、上パンチP1を下降させて素材W3が圧潰され、小径部D2に荒ドッグクラッチ歯20が成形され、左図(c)の素材W4を得る。荒ヘリカル歯10がストレ−トの場合はダイQ1の外へ抜き出すことができるが、本考案の捩じれたヘリカル10の歯の部分はダイQ1に対して相対的な回転を必要とするため真上へ抜き出すことができない。ここで、ダイQ1と内側のダイQ2の下方にエジェクタP5を出没可能に備え、この外周に上記のヘリカルの歯型T1とリードを同じくするヘリカルガイドT3を有する。本実施例では、ダイQ1の下方からエジェクタP5を回転させ、かつ、スクリュー運動をさせながら昇降するようにし、成形された荒ヘリカル歯10を強制的に回転させると効率良く取り出すことができる。この工程(4)において、荒コーン50の外周に対応する部分に、ドッグクラッチ歯形成用歯型T2を有したダイに対して相対的に押し込むといった熱間鍛造手段によって荒ドッグクラッチ歯20を形成することができるとともに、沈み溝4が同心円状に凹んで形成される。かつ、軸方向に平行な荒ドッグクラッチ歯20の歯根元24は沈み溝4の底面に形成され、荒ドッグクラッチ歯20の歯根元24は沈み溝4の底面に対して直立する。この荒ドッグクラッチ歯20を荒成形する過程で、沈み溝4の深さ及びこの溝の開き角度42の最適な組合せによって粗ヘリカル10における歯端面の欠肉を無くすことができる。この場合、沈み溝4の深さを前述した工程(3)における粗沈み溝40の深さより大きくし、かつ、沈み溝4の溝開き角度42を工程(3)における角度より小さくすることによって、熱間鍛造の際にファイバフローが荒ヘリカル歯10の歯端面まで流れ、歯端面の欠肉を無くすことができる。以上の通り、工程(3)における荒ヘリカル歯10の形成、及び工程(4)における荒ドッグクラッチ歯20を形成する過程で、金型において沈み溝の深さと溝の開き角度との最適なバランスを設定することによって、熱間鍛造の際のファイバフローの発生を改善し欠肉のない沈みヘリカルモノブロックの複合歯車を得ることができた。
次に、工程(7)について詳細を説明する。端面バリW32を旋削除去し、更に焼きならし、ショットブラスト処理及び潤滑剤を塗布するボンデライト処理を施した素材W6からスタートする。この素材W6の状態では荒ヘリカル歯は熱間鍛造により荒成形されており、一方、荒ドッグクラッチ歯も熱間鍛造により荒成形されている。この素材W6において、荒ヘリカル歯の歯厚は仕上げ歯厚より片肉で0.1〜0.2mm程度大きく、かつ、金型案内部の歯厚は素材W6における荒ヘリカル歯10が自由に出入り可能な歯厚である。一方、荒ドッグクラッチ歯は仕上げ金型より片肉で0.05〜0.3mm程度細く、体積が概ね同一となるように高さが大きく設定されている。この素材W6から、外側の荒ヘリカル歯のストレート歯面及び下側の歯端面部のR面取りが冷間しごき及び冷間コイニング成形による冷間鍛造によって仕上げられる。一方、内側の荒ドッグクラッチ歯20のチャンファ及びストレートの歯面が冷間コイニング成形による冷間鍛造によって仕上げられる。この際、素材W6の荒ヘリカル歯10を歯型T1の案内部に挿入するとともに、荒ドッグクラッチ歯20を歯型T2に挿入する。次に、上パンチP3を下降させて素材W6を夫々の歯型に押し込んで、荒ヘリカル歯10を冷間しごき及び冷間コイニング成形し、荒ドッグクラッチ歯20を冷間コイニング成形する。ドッグクラッチ歯型は例えばスプリングによって、昇降回転自由にフローティングされており、成形が進むとヘリカル歯型のリードに沿って回転しながら下降する。これらの一連の動作によって、荒ヘリカル歯10は歯筋がストレートに成形され、下側歯端面にR面取りを形成する。一方、荒ドッグクラッチ歯20はチャンファとストレートの歯面が形成される。次に、成形が完了するとパンチが上昇後退し、素材W7は荒ヘリカル歯10と同一のリードを有するエジェクタP5を回転しながら上昇し、素材W7を型から取り出す。このように、一工程でヘリカル歯のストレート成形、歯端面の面取り及びドッグクラッチ歯のチャンファとストレート成形を行う。即ち、荒ヘリカル歯10は冷間しごき及び冷間コイニング成形によって歯面がストレートに形成され、かつ、歯面の下端部にR面取りが形成される。一方、荒ドッグクラッチ歯20はコイニング成形によって歯面がストレートに形成され、かつ、歯先にチャンファが形成される。
図1の工程(3)において外周に荒ヘリカル歯10が形成され、工程(7)の素材W7を経て、工程(8)において冷間鍛造によって歯筋に沿って中央が膨らむようにクラウニング成形が施され、以下にこれらの詳細について図4を参照しながら説明する。素材W7は、荒ヘリカル歯10が冷間鍛造により荒成形された状態であり、歯面はストレートである。ヘリカル歯型T1の断面を図4(d)に示し、素材W7の荒ヘリカル歯10の歯厚はしごき成形ランド部T15の歯厚より0.05から0.1mm程度大きく、案内部T14の歯厚は工程(7)で成形された素材W7の歯厚が自由に出入り可能に大きな歯厚とする。素材W7を使用して工程(8)の成形をするに際し、先ず、素材W7の荒ヘリカル歯10を図4(d)の案内部T14に挿入する。図4(a)に示す上パンチP3、マンドレルP4を下降させ、素材W7の荒ヘリカル歯10をしごき成形ランド部T15を通過させ、歯面をしごき成形させながらダイQ3内に押し込む。成形が進行して歯端面部が型底T16に当たると、湾曲部T17が転写されて素材W7にR面取りとして転写される。しごき成形された歯面には金型の歯面に施されたクラウン形成部T18によって、歯筋方向の歯幅T19の中央部に2〜10μmのクラウニング量が素材W7のスプリングバックによる弾性変形によって転写される。更にクラウニングを効果的にするために、図4(a)に示すように歯幅T19の中央部が最大の応力分布σとなるように、マンドレルP4及びダイQ3と素材W7との段差設定において、ヘリカル歯の上下歯端面間に隙間Cを設けることによって、リブ部が集中して強く当たるように設定する。この一連の動作によって荒ヘリカル歯10の歯面にクラウニングを施し、下側歯端面の稜線部にR面取りBRを施す。成形が完了すると、図4(b)に示すように、上パンチP3、マンドレルP4が上昇後退し素材W7への加圧力が解放されて収縮して、ヘリカル歯1を有する素材W8が完成する。素材W8は、ヘリカル歯T1と同じリードのヘリカルガイドT5によって回転されながら上昇し、歯形を損傷することなくしかも精度を保ちながら取り出すことができる。このように、一工程で歯面にクラウニングを施すとともに、歯端面の稜線部にR面取りを施すことができる。なお、クラウニング歯の歯型T1の詳細は金型の断面として図4(c)に示し、以下のとおりである。クラウニング形成用の歯型T10は、窪んだ歯先面T11とこの両側の歯面T12、T12及びこれらの両外周に歯底面T13、T13を有する。中央の色塗りで示す歯先面T11の歯筋と直交する歯厚は、軸方向上下方向中心部T11cから軸方向両端の端部T11a、T11bに向かって次第に小さくなるように太鼓状に膨らんだクラウニングが形成されている。まとめると、工程(7)、(8)においては、外周の荒ヘリカル歯10に冷間しごき成形及び冷間コイニング成形による冷間鍛造を施し、内側の荒ドッグクラッチ歯20に冷間コイニング成形による冷間鍛造を施す。即ち、歯仕上げダイスの当接面部において冷間しごき成形及び冷間コイニング成形を施すことによって摩擦力を発生させながら、素材を軸方向及び半径方向に圧縮して成形するので、仕上げダイスの歯型による加圧力が平準化されてヘリカル歯1及びドッグクラッチ歯2へと歯形の仕上げをすることができる。図5に示すようにクラウニングを形成した歯は歯先面11、この両側に歯面12、12が、これらの下方両側に歯底面13、13、歯筋の両端部に歯端面14、14を有する。歯先面11の両側には、歯筋に沿って太鼓状に膨らみ、歯筋方向の中心部11cが端部11a、11bよっても大きく形成されている。即ち、ヘリカル歯1の歯筋方向に太鼓状に膨らんだクラウニングが形成されている。
本実施例で形成されたヘリカル歯は、図6(a)に示すように、歯筋にクラウニングを施した歯先面11、歯面12、12及び歯底面13、13と歯端面14と交差する全ての稜線部に、角のない一定の曲率半径のR面取り部112、121、131が形成される。更に、歯面12、12と前記歯先面11との間の両側稜線部に、同様にR面取り部111、111が形成される。このように稜線の全てに角のない一定の曲率半径のフルR面取り部が施される。これらのフルR面取り部は、冷間鍛造金型によって形成されるので曲率半径の大きさに自由度を持たせることができ、図6(b)に示すように、例えば歯先面11の面取り部B1の曲率半径は小さく、歯底面13の面取り部B4部は大きく、これらの間の途中の稜線部の面取り部B2及びB3は徐々に大きい曲率半径になる様に型設計可能である。このように、稜線部におけるフルR面取り部の曲率半径の大きさを連続的に変化させることは、冷間鍛造金型だからこそ強度的に最適な形状に型設計をすることができる。鍛造後に機械加工を施す従来方法の場合は面取り部において、フルR面取り部の曲率半径を部位によって最適の大きさにコントロールすることは困難である。また、これらのフルR面取り部の形状については図7に示すように、冷間鍛造金型によって歯先面、歯面、歯底面のいかなる部位においても段差を無くすことができる。図7(a)に歯端面14から見た歯面12、歯先面11及び歯底面13の一部拡大図を示す。これらの中、図7(b)の歯底面13の部分拡大断面図に示すように、歯面12の部位C1から歯底面13にかけて段差を有することなく連続して曲線が繋がる。また、図7(c)の歯先面11と歯面12との境界C3は角のないR形状を有し、歯面12の部位C4に向かって曲線が連続して繋がる。このように、フルR面取り部のすべての部位のR形状が連続的に繋がるので、図7(d)に示すように隣同士の噛合う歯面12、12同士が連続的に滑らかな接触を繰り返すことになる。一方、これらの稜線部の段差を図8に誇張して示すと、歯先面11と歯面12との境界の段差L1及び段差L2そして、歯面12と歯底13との境界の段差L3、L4が現れるが、本実施例のヘリカル歯では、冷間鍛造金型によって角のないR面取り部が施されるので、実際はこのような段差が明確には現れない。
次に、ドッグクラッチ歯2のチャンファ形状について説明する。図1の工程(4)において、荒ドッグクラッチ歯20を歯車軸線に平行な荒成形の歯として熱間鍛造によって形成する。次に、図1の工程(7)において冷間コイニング成形を施す。図9(a)に斜視図として示すように、ドッグクラッチ歯の歯切り加工を必要としないため、全長を歯根元の破線部Gの部分だけ短尺化できる。次に、図9(b)に示すとおり軸線に平行な歯先面21の両側に歯面22、22が形成され、歯先面21の先端が傾斜して尖った歯先チャンファ23、23が形成される。更に、工程(9)において、図9(c)に示すとおり、歯根元が狭まり先端に向かって拡がる逆テーパの歯面22が形成される。このようにして、工程(7)の冷間鍛造によりストレートに成形された荒ドッグクラッチ歯20を経て、逆テーパ状のドッグクラッチ歯2が形成される。なお、チャンファの稜線はフルR面取り部が形成され、同図(d)に示すように稜線L11、L12、L13及びL14の部位には角のないR面取り部が形成される。
本実施例による変速機用歯車Wは以上のように構成され、次に作用について説明する。
歯形の形成は熱間鍛造及び冷間しごき及び冷間コイニングによる冷間鍛造によるので、歯形に沿ってファイバフローと称する繊維組織の流れが連続して形成される。曲げ疲労強度にとって最も重要な歯元部に、鍛造成形後機械加工を施さないので、ファイバフローが切断されることもなく耐久力に優れた歯車を得ることができる。このファイバフローの形成について図10を参照しながら説明する。熱間鍛造及び冷間鍛造によって形成されたヘリカル歯或いはドッグクラッチ歯の内部に、ファイバフローと称する金属マクロ組織が繊維組織状に形成される。図(a)は熱間鍛造における歯形内部におけるファイバフローの分布を模式的に示す。繊維組織の流れであるファイバフローFが熱間鍛造された歯形に沿って歯底から外に向けて多層に形成される。一方、図(b)では比較のため平坦な鍛造素材をホブ加工によって歯切りした状態を模式的に示し、歯形の歯底近傍において機械加工面MによってファイバフローFが切断されている。本実施例によれば、歯形が鍛造成形のままなので、ファイバフローFが切断されるようなことがなく歯元の曲げに対して優れた歯車が得られる。換言すれば、鍛造後の機械加工工程を省略することができるので生産性が高く、かつ、ファイバフローFの切断がないので機械強度の高い歯車が得られる。従来は、ヘリカル歯においては、歯先面11は旋盤加工によって、歯面12はシェ−ビング加工によって、歯面12と歯底面13との境界はボブ加工が夫々施される。しかしながら、本実施例のヘリカル歯は冷間鍛造成形のままなので、ファイバフローFが切断されるようなことがない。
本実施例では、沈みヘリカルモノブロック歯車として、ドッグクラッチ歯2が歯根元24が沈み溝4の底面まで形成され、チャンファ23がヘリカル歯1の歯端面14より低く沈むように形成されるので、変速機用歯車の軸方向の全長を短小化でき、トランスミッションのギヤボックスをコンパクトにすることができる。即ち、ドッグクラッチ歯2の歯根元24を沈み溝4の底面まで形成すれば変速機用歯車の有効長を稼げ、変速機用歯車全長を15mmから20mm程度縮小することが可能となる。
一般にヘリカル歯は、ホブによる歯切り加工を施し、その後のシェービング加工を施すことによってクラウニングが形成され、この場合、シェービングカッターの再研削毎にクラウニング量が若干変化する。図1に示したように、荒歯を有する中間素材W3が熱間鍛造によって形成され、中間素材W7を経てクラウニングを有するヘリカル歯が冷間しごき及び冷間コイニング成形されるので、高精度のクラウニングを施したヘリカルギヤを形成することができる。この冷間しごき成形及び冷間コイニング成形では、中間素材W7を仕上げダイQ1の当接面部で摩擦力を発生させながら、軸方向及び半径方向に圧縮して成形するので、仕上げダイQ1の成型歯による加圧力を歯幅の中央部が高くなるように設定することにより、図5に示す歯筋方向の中心部11cの歯厚が端部11a、11bよりも厚くなるようにクラウニングが形成される。このヘリカル歯にクラウニングを施すことによって歯幅端部の片当たりを防ぎ、歯当たりが歯幅中央にくる。以上、本実施例の冷間鍛造型によるヘリカル歯のクラウニング形成は、型の摩耗量が殆ど無視できるレベルなので、クラウニング量の変化が無く品質が安定し、歯車同士の噛合い時の片当たりを防止する効果がある。同時に、必要に応じて冷間鍛造金型によって歯筋の左右の捩れ角及びクラウニング量を変えることもできる。
また、本実施例のヘリカル歯1は、図6(a)に示す歯面12、歯先面11、歯底面13又は歯端面14がお互いに交差して形成される全ての稜線部位は冷間鍛造のままで、角のないフルR面取り部111、112、121、131が形成されている。そして、本実施例のヘリカル歯は、歯面、歯先、歯底又は歯端面が交差する部位に形成される全ての稜線は冷間鍛造のままのフルR面取り部が施されているので、段差が生じず歯車強度を高く保持することができる。この場合、図6(b)に示すように、例えば歯先面11の面取り部B1の曲率半径は小さく、歯底面13の面取り部B4部は大きく、これらの途中の稜線部の面取り部B2及びB3は徐々に大きい曲率半径になる様に型設計することが可能である。それ故、特に、歯底面13の稜線部に大きい曲率半径を有するフルR面取り部を形成することにより、最も曲げ応力のかかる歯元16における強度に優れたヘリカル歯を得ることができる。従って、従来のようにホブ加工による歯切り後のバリ取りの工数が不要であり、加工コストを低減するという効果を奏する。その他、旋削等によって歯幅を確保する場合に発生するバリ取りが不要となる。また、従来のホブ、シェービング加工を施す場合は歯元部に段差が生じ易いので、特殊なプロチュバランス形状のホブカッターによる歯切り施す必要がありコスト高になり、かつ、歯元部におけるホブカッターによるカッター送りマークは歯車の強度を低下させる致命的な問題を有するが、歯切りを必要としない本実施例の冷間鍛造によるこの場合はこのような問題がない。更に、本実施例のヘリカル歯については、歯端部における片当たりを避けるために冷間鍛造によって歯筋方向にクラウニングが形成されており、従来のようにカッター再研削によるクラウニング量の変動を心配する必要がない。また、冷間鍛造によってクラウニングを形成するので、歯筋の左右でクラウニング量を変えるような特殊仕様にも対応できる。なお、本実施ではヘリカル歯を歯筋方向にクラウニング状に形成することを説明したが、この他に歯筋方向にストレート状に形成することでもよく、他の実施例についても同様である。
一方、本実施例によればドッグクラッチ歯2はストレート又は逆テーパ状に形成され、かつ、歯の先端部に傾斜したチャンファが形成されるので、以下の作用効果を奏するものである。逆テーパ状のドッグクラッチ歯を冷間鍛造によって成形することによって、歯のファイバフローが切断されることがなく、歯車の強度が向上するとともに、機械加工による製造コストの上昇を回避し、変速機用歯車の製造コストを低廉にできる。また、ドッグクラッチ歯2とヘリカル歯1との同心性を確保することが容易で、高い精度の変速機用歯車を製造することができる。この時、図9に示す歯面21の歯幅に対して先端のチャンファ23、23が交わる中央線の位置精度が良好なので運転者にとって手動変速機におけるシフト操作性に優れる。そして、歯の先端部にチャンファを有するドッグクラッチ歯を鍛造によって成形し、かつ、歯面に精度の高い逆テーパ面を形成できることと相俟って、歯面の滑らかさから歯形同士の嵌め合いが良好となりシフト操作性に優れ、シフトフィーリングの良好な変速機用歯車を得ることができる。シフトチェンジの際歯車のひっかかり感及びゴリゴリ感が生ずることなくスムーズなシフト操作性が得られる。加えて、本実施例のクラッチ用のドッグクラッチ歯の歯面は逆テーパを有するので、歯車同士が噛み合ったら外れ難いという形状効果を奏する。更に、歯先面21と両側の歯面22、22及び先端のチャンファ23、23が夫々交差する稜線部が鍛造によって小さい曲率半径を有する形状に成形されるので、このことによって歯形同士の嵌め合いが滑らかとなる。
本出願考案の実施例2について、図11を参照しながら説明する。本図では、ヘリカル歯におけるフルR面取り部形状の一部断面を示す。ヘリカル歯の稜線部位におけるフルR面取り部について、実施例1では断面が曲線を有するフルR面取り部についてのべたが、ここでは直線を含む面取り形状について説明する。本実施例の実施例1との相違点は、フルR面取り部において直線を含むところにある。以下実施例1と相違する箇所について主に説明する。図11(c)では実施例1で説明した断面が曲線の場合を参考までに示す。図11(a)は、歯先面11と歯面12との境界の面取り部の一部断面を示し、歯筋方向に段差L5、L6を生じる平面からなる面取り部E1が冷間鍛造によって形成される。図11(b)は、歯先面11と歯面12との境界の面取り部を細分した他の面取り部形状を示し、右方の歯先面11から左方の歯面12側へ曲線からなるR面取り部R2、直線からなる面取り部E2及び曲線からなる面取り部R1が連続して繋がる。そして、直線面取り部E2の左右に夫々段差L8、L9及びこれらの外周に段差L7、L10が形成される。図11(a)は、断面が直線を有する場合は、断面が直線の面取り部が冷間鍛造によって形成されるので機械加工の場合に比較してファイバフローが切断されることがないので強度にすぐれ、また、曲線面取り部の場合に比較して金型の製作が容易である。一方、図11(b)は、断面が曲線の場合は、強度と金型製作の点で直線の図11(a)と曲線の図11(c)の中間的な特性を有する。これらのヘリカル歯における面取り部は、図11(a)、(b)のように断面が直線を含むフルR面取り部となる。
図2に示した実施例1の歯車はコーン摩擦面を一つ備えたシングルコーン型の変速機用歯車であり、同期容量が小さい同期噛合機構の歯車である。一方、スムーズなシフト操作性の要求が高まるに伴い、変速位置毎にコーン摩擦面が二つのダブルコーン型の同期噛合機構の歯車や、コーン摩擦面が三つのトリプルルコーン型の同期噛合機構の歯車が採用され、何れも同期容量が大きくなる。以下、実施例3、4及び5において、ダブル又はトリプルルコーン型の同期噛合機構用の歯車について説明する。
本出願考案の実施例3について、図12を参照しながら説明する。本図では、コーンの先端に複数の溝を有する。本実施例の実施例1との相違点は、本歯車本体のコーン5先端溝と他の歯車のセンターコーンの爪を確実に結合して同期回転させるために、コーン部に切欠きを設けるところにある。以下実施例1と相違する箇所について主に説明する。図12(a)はトリプルコーン型の変速機用歯車Wの全体図を示し、外周のヘリカル歯1が軸方向に対して捩じれて形成され、この内周に軸方向に逆テーパの歯面を有するドッグクラッチ歯2が形成される。これら歯の間には同心円状の沈み溝4がヘリカル歯1の上面から軸方向に凹んで形成され、ドッグクラッチ歯2の歯根元24は沈み溝4の底面に形成される。ドッグクラッチ歯2の内周には円錐台状のコーン5が同軸上に突設され、この内周は軸孔3が貫通する。このコーン5の先端面51の肉厚断面を貫通する複数の切欠き溝61を備える。このコーン5の円錐面は冷間鍛造の後、旋削及び研削加工が施され摩擦面として仕上げられる。コーン5の先端面51に設ける複数箇所の切欠き溝61は熱間鍛造及び冷間鍛造によって成形され、後で機械加工が施されることはない。本図12(a)には示していないが、切欠き溝61の稜線部全てに平面又は/及び湾曲面を有する面取りを施す。図12(b)には、異なる形態の切欠き溝を一部拡大して示す。このコーン5‘の先端面51’に複数の切欠き溝61‘を備え、これらの切欠き溝61‘は先端面51’の肉厚断面を貫通せず、行き止まりにしたものである。また、切欠き溝61‘の稜線部全てについて、溝加工と同時に鍛造による直線状又は/及び曲線状の面取り611’が形成される。
本出願考案の実施例4について、ダブル又はトリプルコーン型の変速機用歯車Wの全体図を示す図13(a)を参照しながら説明する。本図では、ドッグクラッチ歯に複数の欠け溝を有する。本実施例の実施例1との相違点は、本歯車本体のコーン5先端溝へと他の歯車のセンターコーンの爪を確実に結合して同期回転させるために、ドッグクラッチ歯の一部に溝を設けるところにある。以下実施例1と相違する箇所について主に説明する。外周のヘリカル歯1が軸方向に対して捩じれて形成され、この内側に軸方向に平行なドッグクラッチ歯2が形成される。このドッグクラッチ歯2の内周側には円錐台状又は円筒状のコーン5が同軸上に突設され、この内周は軸孔3が貫通する。内側のドッグクラッチ歯2において、円周歯列の例えばドッグクラッチ歯2の三歯分に相当する分を切り欠いて欠け溝62を形成する。この欠け溝62は熱間鍛造及び冷間鍛造によって成形され、後で機械加工が施されることはない。図13(b)では、欠け溝62の詳細を示し、溝の稜線部には全て平面又は/及び湾曲面を有する面取り621が施されている。
本出願考案の実施例5について、ダブルコーン型の変速機用歯車Wの全体図を示す図14(a)を参照しながら説明する。本図では、ドッグクラッチ歯の内周側に底付きの窓溝を設ける。本実施例の実施例1との相違点は、本歯車本体のコーン5先端溝へと他の歯車のセンターコーンの爪を確実に結合して同期回転させるために、コーン部の近傍に窓溝を設けるところにある。以下実施例1と相違する箇所について主に説明する。外周のヘリカル歯1が軸方向に対して捩じれて形成され、この内周側に逆テーパの歯面を有するドッグクラッチ歯2が形成される。このドッグクラッチ歯2の内周側には円錐台状ではなく円筒状のコーン5が同軸上に突設され、この内周は軸孔3が貫通する。内側のドッグクラッチ歯2とコーン5との間に平坦な同心円状のフランジ8を設け、この面にほぼ矩形に刳り抜いた窓溝63を備える。この窓溝63は熱間鍛造及び冷間鍛造によって成形され、後で機械加工が施されることはない。以上のように、ドッグクラッチ歯2とコーン5との間に同心円状にフランジ8が設けられ、このフランジ面にほぼ矩形状の窓溝63が形成される。図14(b)では、窓溝63の詳細を示し、溝の稜線部には全て平面又は/及び湾曲面を有する面取り631が施されている。
本出願考案の実施例6について、図15を参照しながら説明する。本実施例では、ヘリカル歯1の内側に全周に亘って波形状に溝を設ける。本実施例の実施例1との相違点は、ヘリカル歯の内側に小さく凹んだ波状溝を設けるところにある。以下実施例1と相違する箇所について主に説明する。外周のヘリカル歯1が軸方向に対して捩じれて形成され、この内周に軸方向に逆テーパの歯面を有するドッグクラッチ歯2が形成される。ここで、ヘリカル歯1の夫々の内側において、歯形の凸形状に対応する様に歯形に向かって小さく凹んだ波状溝7が形成される。この波状溝7は、熱間鍛造及び冷間鍛造によってヘリカル歯の内側で全周に亘って波形状に形成される。これらの波状溝7は冷間鍛造によって成形されたままで、後で機械加工が施されることはない。
ヘリカル歯の内側に波状溝7が形成されることによって歯形肉厚のアンバランスが解消され、ヘリカル歯の歯形の部位によって肉厚が平均化される。この歯形の等肉効果によって、冷間鍛造の際上からの圧力が径方向にメタルを均等に押し出す力として伝達され、歯形部位において鍛造の不完全部が生じることが解消される。同時に歯形のプロフィールに沿って歯形内部でほぼ等間隔のファイバフローが形成され、歯車の内部強度が向上する。以上、考案者等が育てた沈みモノブロックの成形技術に沈み無しヘリカルモノブロックの成形技術を結合させ、かつ、ヘリカル歯の内側に波状溝7による波形を形成することを付加することによって、沈みヘリカルモノブロック型の変速機用歯車が完成した。なお、この波状溝7は、図12に示す切欠き溝61を有するコーン歯車、図13に示す欠け溝62を有するコーン歯車、或いは図14に示す窓溝63を有するコーン歯車に、夫々設けることもできる。
以上の実施例では、三種類のコーン歯車について説明した。即ち、図2及び図15はコーン摩擦面が一箇所のシングルコーン型を示し、図12はコーン摩擦面が三つのトリプルコーン型を示し、図13はコーン摩擦面が二又は三のダブルコーン型を示し、更に14はコーン摩擦面が二つのダブルコーン型を示した。これらのマルチコーン化によってコーン部の総面積が大になるに伴ってシンクロ容量が増大する。換言すれば変速機用歯車のマルチコーン化によってシフト操作力とシフト操作時間との力積が小さくなり、この結果変速操作力の軽減が図られてシフトフィーリング性が向上する。高性能エンジンになるほどシフト操作性に対するニーズが高く、軽くかつ素早く操作できるために、同期時間を短縮可能な大きなシンクロ容量が求められる。以上のように、コーンのマルチ化によってコーン部の表面積が大きくなるので、シンクロ容量が大きくなる。シングルコーンからダブルコーン、更にトリプルコーン化によって、大きなシンクロ容量が得られ、同期時間が短縮されるので、エンジンの高速化、高出力化のニーズに対応できるようになる。
以上説明したマルチコーン化を実現するために、図12、図13及び図14の変速機用歯車に示したように、シングルコーンの変速機用歯車に切欠き溝61、欠け溝62或いは窓溝63の部位が付加される。これらの溝は、何れも熱間鍛造及び冷間鍛造によって形成され、その後でエンドミル加工等の機械加工によって冷間鍛造面が削り取られるようなことがない。従って、これらの溝の表面は冷間鍛造の儘であり、全ての稜線部は最小で曲率半径0.3mm程度の丸みが形成されており、内部のファイバフローが切断されることなく耐久性を保持することができる。これらの切欠き溝61、欠け溝62或いは窓溝63には、センターコーンに設けた爪(図示なし)がガタツキを持った儘で嵌り、常時係合している。変速機用歯車にこれらの溝を付加することによって変速機用歯車のマルチコーン化が実現した。以下、三種類の溝形状毎にそれらの作用効果について説明する。先ず、図12に示す実施例3の切欠き溝61は、歯車本体に一箇所、センターコーンの内外周に2箇所の摩擦面を有し、トリプルコーンタイプの変速機用歯車に備える溝である。コーン5の先端に通常三箇所の切欠き溝61を有し、これらの溝にセンターコーンの爪が嵌合し、切欠き溝61は歯車本体との回転方向の動きを固定させる機能を有する。従来切欠き溝61はエンドミル等の機械加工によって窪んだ溝が形成されたので、加工工程が複雑で多大の切削工数がかかるとともにその際のバリ処理のためコストがかかった。この実施例3では切欠き溝61、61‘は熱間及び冷間の鍛造によって溝が形成されるので、溝の内周面は鍛造の儘で切削加工をしないのでバリ処理を必要としない。しかも鍛造成形によるので、図12(a)のようにコーン肉厚断面を貫通する溝にすることも容易であり、或いは、図12(b)のように貫通させずコーン肉厚の途中で行き止まりの溝にすることもできるので溝設計の自由度が高くなる。また、鍛造成形によるので溝の稜線部全てについて溝加工と同時に面取りを施すことができる。このように、実施例3の鍛造成形による切欠き溝61、61‘によると、3〜5速等用の歯車として小径化が可能であり、トランスミッションのコンパクト化を実現できる。また、本切欠き溝61によるとコーン部に溝を設けるのでドッグクラッチ歯を欠歯にする必要もなく、ドッグクラッチ歯の強度を保持できる。次に、図13に示す実施例4のトリプルコーンタイプの変速機用歯車に備える欠け溝62溝の作用効果について述べる。本欠け溝62の機能は基本的には前述した図12の切欠き溝61と同様であるが、センターコーン先端の爪を下部に設けてドッグクラッチ歯2の歯列を欠歯した欠け溝62に嵌合させる。この欠け溝62はフランジ8の肉厚の途中で行き止まりの溝である。このような溝形状の場合、機械加工は行き止まりなので加工が困難であるが、この実施例4の欠け溝62によると熱間及び冷間の鍛造によるので溝の形成が容易であり、溝の内周面は鍛造の儘で切削加工をする必要もなくバリ処理を必要としない。また、鍛造成形によるので溝の稜線部全てについて溝加工と同時に面取りを施すことができる。最後に、図14に示す実施例5のダブルコーンタイプの変速機用歯車に備える窓溝63溝の作用効果について述べる。本窓溝63の機能は基本的には前述した図12に示す切欠き溝61と同様であるが、センターコーンの爪をフランジ8の面に設けた窓溝63に嵌合させる。この窓溝63はフランジ8の深さの途中で行き止まりの孔溝である。このような孔溝形状の場合、機械加工は行き止まりなので加工が困難であるが、この実施例5の欠け溝62は鍛造により形成されるので溝の形成が容易であり、溝の内周面は鍛造の儘で切削加工をする必要もなくバリ処理を必要としない。また、鍛造によって溝を形成するので行き止まりの溝成形が可能であり、かつ、溝の全稜線部に面取りを施すことができる。図14では溝の形状を矩形状に示すが、鍛造のパンチの形状を変えるだけで長丸状、丸状、三日月状も可能であり、設計の自由度が高くなる。この窓溝63によるとフランジ部に溝を設けるのでドッグクラッチ歯が欠歯にする必要もなく、ドッグクラッチ歯の強度を保持できる。
以上、変速機用歯車のマルチコーン化による性能改善について定性、或いは定量的にまとめると以下の表1のようになる。
Figure 0003155682
表の横列に変速機用歯車におけるコーン形状を本明細書の図番とともに示し、縦行に変速機用歯車の性能を示し、エンジン性能は車の高速性及び出力特性に分けた。そして、表中に示した記号◎、○又は△は、順に性能が非常に良い、良いそして、普通であることを表す。更に、各性能について記号◎、○又は△を定量的に10点満点で示した。シフトフィーリング性能は、トリプルコーンが最も良く、次いでダブルコーン、シングルコーンの順となる。エンジンンの高速性能、高出力性能に伴いシフトフィーリング性能は、トリプルコーンが最も良く、次いでダブルコーン、シングルコーンの順となる。
本出願考案の実施例7について、図16を参照しながら説明する。本図は、ドッグクラッチ歯における種々のチャンファ形状の拡大図である。本実施例の実施例1との相違点は、ドッグクラッチ歯のチャンファ形状に工夫を加えてシフトフィーリング性を改善したところにある。以下実施例1と相違する箇所について主に説明する。ドッグクラッチ歯は熱間鍛造及び冷間鍛造型によって歯形が成形される。鍛造型によってドッグクラッチ歯を種々の異形状に成形することができ、以下に歯の正面から見た投影図として示す。同図(a1)に示すように、歯先部が対称ではなく歯先の頂点が片側にずれたズレチャンファを形成することができる。また、同図(a2)に示すように歯根元側を細くした形状とし、他に同図(a3)に示すように片側のみ面取りした片チャンファ等の異形状のものも実現できる。また、図(a4)に示すように歯面に逆テーパ面と歯根元側を細くしたストレートの歯面を有する形状も実現できる。
これらの形状の差異によって、滑らかなシフト操作性を実現することができる。その他、ドッグクラッチ歯は鍛造型によって形成されるので歯先の形状を同図(b1)の尖った形状又は同図(b2)の球面にすることも容易である。また、同図(c)に示すように、隣同士のドッグクラッチ歯の高さを夫々歯丈H1、H2の様に変えることも可能である。本図(c)の場合、同期側と被同期側との嵌め合いの際、高い歯丈H1の部位において嵌め合いの案内をし、次いで低い歯丈H2へ移行して嵌め合うのでシフトフィーリング性が良好となる。次に、これらのドッグクラッチ歯の作用について述べる。ニアネットシェイプの歯形が熱間鍛造によって一体成形された後、冷間コイニング成形によって歯形の精度出しをすることを基本とするので後の歯切り加工を必要としない。そのため、歯根元部位の逃げを必要とせず、ドッグクラッチ歯の全長を短くでき、かつ、歯根元が底付きであるため歯根元から折損する恐れがない。かつ、歯切り加工を必要としないため、加工バリが発生しない。また、チャンファ面における各稜線は最小で曲率半径0.3mmの丸みが形成されるので、内部のファイバフローが切断されることなく歯車の強度を向上させることがきる。また、先端部の丸みによって切削品と比較して滑らかなチャンファ形状が得られ、良好なシフトフィーリング性が実現する。そして、ドッグクラッチ歯が鍛造による型成形のため、基本的にはチャンファ面が左右対称に正確に形成されるのでシフトフィーリング性が向上する。その他、ドッグクラッチ歯が鍛造による型成形のため、必要に応じて異形に設計でき、或いは歯先のチャンファ面を平面又は球面にできる等ドッグクラッチ歯設計の自由度が高い等の効果を奏する。
本出願考案の変速機用歯車は、熱間鍛造の後冷間しごき及び冷間コイニング成形によって歯形が仕上げ形成されるので、ホブ、シェービング等の機械加工によって鍛造面が削り取られるようなことがなく、内部のファイバフローをそのまま保持して歯車の耐久性を向上させることができる。また、歯車の歯底面、歯面及び歯先面と歯車の軸方向の端面との交差部の各稜線部に、鍛造による段差のないフルR面取り部を形成したので歯車強度の低下を防止しするとともに、従来におけるホブ加工によって生じたバリを除去するための機械加工を施す必要がないため、加工コストを低減する用途にも適用できる。従って、本出願考案の歯車は自動車のトランスミッションの用途に限らず工作機械、荷役建設機械、ロボット等各種の機械装置の用途に適用できる。
D1 大径部、D2 小径部
BR R面取り
F ファイバフロー、M 機械加工面
P1、P3 上パンチ、P2、P4 マンドレル、P5 エジェクタ
Q1、Q2、Q3、Q4 ダイ
T1、T2 歯型、T5 ヘリカルガイド
T10 仕上げ歯型、T11 歯先面、T12 歯面、T13 歯底面、T14 案内部
T15 しごきランド部、T16 歯底、T17 湾曲部、T18 クラウン形成部
T11c 中心部、T11a、T11b 端部
W 変速機用歯車
W1、W2、W3、W4、W5、W6、W7、W8 素材
W21 凸部、W31 内径部、W32 端面バリ、W33 中バリ
σ 応力分布
1 ヘリカル歯、10 荒ヘリカル歯
11 歯先面、11c 中心部、11a、11b 端部
111 、112、121、131 R面取り部
12 歯面、13 歯底面、14 歯端面、15 クラウニング、16 歯元
2 ドッグクラッチ歯、20 荒ドッグクラッチ歯
21 歯先面、22 歯面、23 チャンファ、24 歯根元、25 歯元底
26 歯底面、27 逃げ
3、3‘ 軸孔、30 荒軸孔
4 沈み溝、40 荒沈み溝、41、42 溝開き角度
5、5‘ コーン、50 荒コーン、51、51’ 先端面
61、61‘ 切欠き溝、611’ 面取り
62 欠け溝、621 面取り、
63 窓溝、631 面取り
7 波状溝
8 フランジ

Claims (8)

  1. 内側から外周側へコーン、フランジ、小径のドッグクラッチ歯、沈み溝及びヘリカル歯が、夫々同軸状に熱間鍛造及び冷間鍛造によって一体成形され、
    前記フランジは前記コーンに外接して同心円状に設けられるとともに、
    前記コーンが前記フランジ面から軸方向に突設され、
    かつ、前記ヘリカル歯と前記ドッグクラッチ歯との間に、
    前記沈み溝が前記ヘリカル歯の歯端面より沈むように設けられ、
    前記ドッグクラッチ歯は前記沈み溝の内周壁に形成されるとともに、
    歯根元を前記沈み溝の底面に立設するとともにチャンファを設け、
    かつ、前記ヘリカル歯は歯筋がストレート状に形成され、或いはクラウニング状に形成されるとともに、
    歯先、歯面又は歯底と歯端面との夫々交叉部の各稜線部に、直線状又は/及び曲線状の面取り部を備えることを特徴とする変速機用歯車。
  2. 前記ヘリカル歯及び前記ドッグクラッチ歯が冷間しごき及び冷間コイニング成形され、
    かつ、前記ヘリカル歯の歯面又は歯底と歯端面との夫々交叉部の各稜線部の面取り部が冷間コイニング成形されることを特徴とする請求項1記載の変速機用歯車。
  3. 前記ヘリカル歯の断面プロフィールは、前記歯先、前記歯面及び前記歯底を結ぶ線が段差を有することなく連続的に繋がることを特徴とする請求項1記載の変速機用歯車。
  4. 前記コーン先端面に複数の切欠き溝を設け、
    これらの切欠き溝は熱間鍛造及び冷間鍛造によって成形されることを特徴とする請求項1記載の変速機用歯車。
  5. 前記ドッグクラッチ歯の周列に複数の欠け溝を設け、
    これらの欠け溝は熱間鍛造及び冷間鍛造によって成形されることを特徴とする請求項1記載の変速機用歯車。
  6. 前記フランジ面にほぼ矩形状に複数の窓溝を設け、
    これらの窓溝は熱間鍛造及び冷間鍛造によって成形されることを特徴とする請求項1記載の変速機用歯車。
  7. 前記ヘリカル歯の内側にこのヘリカル歯側へ凹む複数の波状溝を周設し、
    これらの波状溝は熱間鍛造及び冷間鍛造によって成形されることを特徴とする請求項1、4、5叉は6記載の変速機用歯車。
  8. 前記切欠き溝、前記欠け溝又は前記窓溝の稜線部に直線状又は/及び曲線状の面取り部を備えることを特徴とする請求項4、5叉は6記載の変速機用歯車。
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