JPWO2018092890A1 - 鍛造方法、鍛造成型装置、及び鍛造曲がり歯歯車 - Google Patents

鍛造方法、鍛造成型装置、及び鍛造曲がり歯歯車 Download PDF

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Abstract

複雑な形状を有する金属製品であっても低荷重で金型の製品成型空間内に金属材料を完全に充満させて製品の最終形状又は半最終形状に塑性加工することができ、しかも加工に要するエネルギーを可及的低減にできるとともに設置後のメンテナンスなどの設備費用を低減化することができ、しかも高精度で高強度及び高靭性を備えた金属製品を成型且つ量産できる鍛造方法を提供する。第1の型枠に摺動自在に配置した第1のパンチと、第2の型枠に摺動自在に配置した第2のパンチとの間に金属材料を挟持させ、前記第1及び第2のパンチを前記第1及び第2の型枠により形成される金型の製品成型空間へ向けて進出させることで前記金属材料を前記製品成型空間内に充填させて成型する金属材料の鍛造方法であって、前記金型を半開き状態とし、前記第1及び第2のパンチの進出に伴って、同第1及び第2のパンチの進出速度よりも小さい速度で前記第1及び/又は第2の型枠を前記金型が全閉状態に至るまで閉塞動作させることとした。

Description

本発明は、金属材料の鍛造方法、及び鍛造成型装置、及び鍛造により成型した曲がり歯歯車に関する。
従来より、金属製品の強度や品質を向上する金属加工方法として、金型内で金属材料に圧力をかけつつ塑性流動させ、所望する金属製品の形状に塑性加工する鍛造方法が種々提案されている。
鍛造による金属製品は、金型内部に圧入された金属材料が金型表面と摺動摩擦により表面の金属組織の微細化が促されて高強度及び高靭性を備えることが知られている。
こうした金属製品の鍛造方法の一例として、開閉可能な一対の型枠と、同型枠の開閉方向に沿って駆動して型枠内に金属材料を圧入するパンチと、を備えた閉塞式の鍛造金型を用いた方法が提案されており(例えば、特許文献1参照。)、優れた強度及び靭性を備えた金属製品を成型できるとしている。
特開第2008−188617号公報
ところが、かかる従来の鍛造方法では、例えば歯車やシーブなど他の金属製品に比べて複雑な形状や肉薄形状、大径を有する金属製品(以下、単に複雑形状製品とも言う。)を、金属製品の最終形状、或いは軽度の仕上げ加工を施すことで最終形状とする半最終形状に鍛造成型すること(以下、精密鍛造とも言う。)は極めて困難であった。
これは、従来の鍛造方法では、所望とする金属製品の形状や大きさ、例えば複数の歯の形状や製品径の大きさ、型枠の摩擦抵抗などにより圧入した金属材料が金型の製品成型空間内の中途部で滞留してしまい、金属材料を製品成型空間の隅々まで充満させることができず充填箇所にばらつきがでてしまうためである。
それゆえ、こうした複雑形状製品を精密鍛造する場合、金属材料を製品成型空間内に完全充満すべく金属材料への加圧力を大きくするか、或いは金属材料の流動性を確保すべく高温条件下で行うことが考えられる。
しかしながら、材料への加圧力を大きくすることとすれば、その分大荷重設定の可能なプレスを有する鍛造成型装置を製造する必要が生じるばかりか金型への負荷が大きくなることで装置の物理的劣化を早め、装置のメンテナンスや可動エネルギーの消費量も膨大となり、設備費用を高価とする原因となっていた。
また、高温条件下で鍛造するにしても、加熱前に金属材料が有していた金属組織が変性して予め微細化されていた組織等が失われるおそれがあり、結果的に金属製品の強度や靭性を低下させ、やはり金型への加熱負荷が大きくなることで装置劣化を早める原因となっていた。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、複雑な形状を有する金属製品であっても低荷重で金型の製品成型空間内に金属材料を完全に充満させて製品の最終形状又は半最終形状に塑性加工することができ、しかも加工に要するエネルギーを可及的低減できるとともに、設置後のメンテナンスなどの設備費用を低減化することができ、しかも高精度で高強度及び高靭性を備えた金属製品を成型且つ量産できる鍛造方法を提供する。
また、本発明では、複雑な形状を有する金属製品であっても低荷重で金型の製品成型空間内に金属材料を完全に充満させて製品の最終形状又は半最終形状に塑性加工することができ、しかも加工に要するエネルギーを可及的低減にできるとともに設置後のメンテナンスなどの設備費用を低減化することができ、しかも高精度で高強度及び高靭性を備えた金属製品を成型且つ量産できる鍛造成形装置や、鍛造曲がり歯歯車についても提供する。
上記従来の課題を解決するために、本発明に係る鍛造方法では、(1)第1の型枠に摺動自在に配置した第1のパンチと、第2の型枠に摺動自在に配置した第2のパンチとの間に金属材料を挟持させ、前記第1及び第2のパンチを前記第1及び第2の型枠により形成される金型の製品成型空間へ向けて進出させることで前記金属材料を前記製品成型空間内に充填させて成型する金属材料の鍛造方法であって、前記金型を半開き状態とし、前記第1及び第2のパンチの進出に伴って、同第1及び第2のパンチの進出速度よりも小さい速度で前記第1及び/又は第2の型枠を前記金型が全閉状態に至るまで閉塞動作させることとした。
また、本発明に係る鍛造方法では、以下の点に特徴を有する。
(2)前記金型の閉塞方向と直交する方向への前記製品成型空間の最大径が、前記金属材料の最大径の2倍以上であること。
(3)前記金型が全閉状態に至ったタイミングと略同じタイミングで前記製品成型空間内への前記金属材料の充填を終えること。
(4)前記製品成型空間は前記金型の閉塞方向に狭窄する形状を有し、狭窄方向の型枠に配置したパンチを他方のパンチよりも早い速度で進出させること。
また、本発明に係る鍛造成型装置では、以下の点に特徴を有する。
(5)上下端部にそれぞれ金型を有する第1の型枠と第2の型枠を上下に配置すると共に、金型を上下に対峙することにより各金型間に製品成型空間を形成し、しかも、金型を挿貫して製品成型空間に向かって昇降自在なパンチからなるピストン機構を各型枠の略中央部に配置し、更には、各型枠の昇降スピードとパンチからなるピストン機構の昇降スピードとの間に前者が後者よりも遅くなる所定のスピード差を形成したこと。
(6)前記製品成型空間の金型対峙平面最大径は製品成型空間に介在する金属材料の平面最大径の2倍以上であること。
(7)前記第1及び第2の型枠が全閉に至るタイミングで製品成型空間への金属材料の充填が完了すること。
(8)相対的に近接離隔可能な第1及び第2の型枠を備え、両型枠より構成される金型の製品成型空間内で金属材料を所定形状に成型する鍛造成型装置において、前記第1の型枠に摺動自在に配置した第1のパンチと、前記第2の型枠に摺動自在に配置した第2のパンチと、制御部と、を備え、同制御部は、成型に先立って前記金型を半開き状態とする半開き実行手段と、前記第1及び第2のパンチを所定の速度で前記製品成型空間へ向けて進出動作させ、製品成型空間を貫通する状態で第1及び第2のパンチに挟持させた金属材料を加圧変形させつつ製品成型空間内に充填させるパンチ進出手段と、前記進出動作と並行して、前記第1及び/又は第2の型枠を前記所定速度よりも小さい速度で接近させて前記金型が全閉状態となるまで閉塞動作させる全閉実行手段と、を備えること。
(9)前記第1及び第2の型枠の少なくともいずれか一方には、製品成型空間内に圧入された金属材料を所定温度とするためのヒータユニットが備えられていること。
また、本発明に係るダイセットシステムでは、(10)プレス機の挟圧部に着脱自在に配置されるダイセットと、同ダイセットの制御を行う制御ユニットとを備えたダイセットシステムであって、前記ダイセットは、成型品形状の外表面の一部を象った一側型枠が配置される一側ダイセット分割体と、前記成型品形状の外表面の他部を象った他側型枠が配置される他側ダイセット分割体と、前記一側ダイセット分割体と他側ダイセット分割体との接近方向への相対的な変位に応じた変位検出信号を出力する変位検出手段と、前記一側型枠と他側型枠とで構成される金型の製品成型空間へ向けて前記プレス機の挟圧方向から進出する前記一側型枠に摺動自在に配置した一側パンチと、前記一側パンチの進出方向と対向する方向に対向位置から前記製品成型空間へ向けて進出する前記他側型枠に摺動自在に配置した他側パンチとの間で前記製品成型空間を貫く状態で挟持させた金属材料を、前記一側パンチと他側パンチとの進出動作により前記製品成型空間内に充填する金属材料圧入機構と、を備え、前記制御ユニットは、前記前記一側パンチと他側パンチとに対し油圧を供給して駆動させる油圧供給手段と、前記変位検出手段より受信した変位検出信号に基づいて、前記一側ダイセット分割体と他側ダイセット分割体との相対的な接近速度よりも速い速度で前記一側パンチと他側パンチとが駆動するよう前記油圧供給手段を制御する油圧制御手段と、を備えることに特徴を有する。
また、本発明に係る鍛造曲がり歯歯車では、(11)表層の実質的全域に亘って内部組織よりも微細な金属結晶組織を有し、前記内部組織には前記形状に沿った連続性を有する鍛流線が形成されていることに特徴を有する。
上記(1)、(5)、(8)の発明によれば、複雑な形状を有する金属製品であっても低荷重で金型の製品成型空間内に金属材料を完全に充満させて製品の最終形状又は半最終形状に塑性加工することができ、しかも加工に要するエネルギーを可及的低減にできるとともに設置後のメンテナンスなどの設備費用を低減化することができ、しかも高精度で高強度及び高靭性を備えた金属製品を容易に成型且つ量産できる。
また、上記(2)や(6)の発明によれば、比較的小径の材料径の金属材料で金型の製品成型空間内に金属材料を確実に充満させて大径で複雑な形状の金属製品を容易に成型することができる。
また、上記(3)や(7)の発明によれば、製品成型空間内の容量に合わせて最小限の金属材料で同製品成型空間を完全充満させて金属製品の最終形状へ容易に成型することができる。
また、上記(4)の発明によれば、製品成型空間において金属材料を狭窄径側から拡開径側に確実に充満させて高精度で高強度の非対称形の金属製品を容易に成型することができる。
また、上記(9)の発明によれば、予め或いは前記金型との接触により微細化された金属材料の金属結晶組織を維持できる温度域を実現し、第1及び第2のパンチに挟持させた金属材料の変形抵抗を減少させて金属材料の加工性を向上させつつ、より少ない加重で同金属材料を製品成型空間内に充填することができ、高精度で高強度の金属製品を容易に成型することができる。
また、上記(10)の発明によれば、複雑な形状を有する金属製品であっても低荷重で金型の製品成型空間内に金属材料を完全に充満させて製品の最終形状又は半最終形状に塑性加工することができ、しかも加工に要するエネルギーを可及的低減にできるとともに、設置後のメンテナンスなどの設備費用を低減化することができ、特に既存のプレス機を利用することも可能となり、しかも高精度で高強度及び高靭性を備えた金属製品を成型且つ量産できるダイセットシステムを提供することができる。
また、上記(11)の発明によれば、歯車の形状に切削する創成歯切り加工や表面硬化処理などの特別な加工処理を施すことなく高い面圧強度と高い靭性を備える曲がり歯歯車を提供することができる。
鍛造成型装置の構成を示す説明図である。 鍛造成型装置の電気的構成を示したブロック図である。 鍛造成型装置の油圧系統の構成を示したブロック図である。 実施例1に係る鍛造方法を示す模式図である。 実施例1に係る鍛造方法により鍛造した鍛造品の外観を示す説明図である。 実施例1における鍛造品の鍛流線を示す説明図である。 実施例2に係る鍛造方法を示す模式図である。 実施例2に係る鍛造方法により鍛造した鍛造品の外観を示す説明図である。 実施例3に係る鍛造方法により鍛造した鍛造品の外観を示す説明図である。 実施例4に係る鍛造方法により鍛造した鍛造品の外観を示す説明図である。 実施例5に係るダイセットシステムの構成を示した説明図である。 制御ユニットの構成を示したブロック図である。 ダイセットシステムの変形例を示した説明図である。
本発明は、第1の型枠に摺動自在に配置した第1のパンチと、第2の型枠に摺動自在に配置した第2のパンチとの間に金属材料を挟持させ、前記第1及び第2のパンチを前記第1及び第2の型枠により形成される金型の製品成型空間へ向けて進出させることで前記金属材料を前記製品成型空間内に充填させて成型する金属材料の鍛造方法であって、前記金型を半開き状態とし、前記第1及び第2のパンチの進出に伴って、同第1及び第2のパンチの進出速度よりも小さい速度で前記第1及び/又は第2の型枠を前記金型が全閉状態に至るまで閉塞動作させることを特徴とする金属材料の鍛造方法を提供するものである。
また概略的には、本実施形態に係る鍛造方法は、半開き状態の金型を徐々に閉塞すると共に、この閉塞速度よりも速い速度で第1及び第2の両パンチを製品成型空間内へ向けて進出させつつ金属材料を圧入することで、金属材料の塑性流動を助長する速度差を有する両型枠と両パンチとの相乗作用により比較的低荷重で金属材料を塑性加工することができ、高い面圧強度と高い靭性を備えつつ所望の最終形状又は最終形状に比較的近い半最終形状に鍛造できる方法であると言える。
ここで、金型の半開き状態とは、第1及び第2の型枠の端面同士が接触していない離隔状態であって、型枠の閉塞速度が第1及び第2のパンチの進出速度よりも小さいという速さ関係を維持した上で、型枠の閉塞開始と略同時に第1のパンチと第2のパンチとが進出を開始した際に、製品成型空間内への金属材料の十分な充填と型枠の閉塞とが略同時に終了可能な距離とした状態を言う。
すなわち、半開き状態における第1及び第2の型枠の対向面同士の離隔距離は、後述する第1及び第2のパンチの進出速度との関係や、第1のパンチと第2のパンチの間に挟持された金属材料の素材ごとの展性や延性などの性質、金属材料の形状や大きさにより適宜調節すべきである。なお以下の説明において、第1のパンチの進出速度は第1の型枠を基準としたパンチ先端部の移動速度であり、第2のパンチの進出速度は第2の型枠を基準としたパンチ先端部の移動速度を意味している。また、製品成型空間は、半開き鍛造である本願方法の性質上、必ずしも第1及び第2の型枠により密閉された空間を示すのは勿論、離隔している状態における型枠間の空間も意味するものである。
原料となる金属材料の素材は特に限定されることはなく、例えば鋳造性或いは鍛造性のものを用いることができる。
鍛造性の金属材料を採用すれば、金属材料内部の金属繊維組織の流れであるファイバーフローに由来する最終製品形状の外形に沿った鍛流線を製品に形成することができる。
すなわち、金属材料内部のファイバーフローを途中で切断することなく外力に対して繊維を切断しようとする方向に、同ファイバーフローを配列させた鍛流線を形成することができ、この鍛流線が金属製品にさらなる強度や靭性を付与することとなる。
また、金属材料は、鍛造装置に配置する前に金属組織の微細化結晶を保持できる温度帯に予め加熱してもよい。例えば、金属材料の組成等によってその温度は異なるものの、鉄鋼材料の場合には概ね700℃以上、例えば700〜900℃程度に加熱すれば良い。
このように予熱した金属材料を用いることで、冷却を伴いつつ塑性加工し、製品成型空間における金属材料の塑性流動性を向上させるとともに、金属結晶組織の微細化を促進させることができる。
この理は、特に後述するヒータユニットによる加熱温度帯に至るまで冷却しながら塑性加工を施すことで極めて顕著となる。
金属材料の形状は、第1のパンチと第2のパンチとの間で挟持されて両パンチによる加圧を受けうるものであれば特に限定されない。例えば、両パンチからの押圧力を均等に受ける角柱状や円柱状など棒状のものを採用することができ、長手方向において直径の変化が少ない略直線状のものがより好ましい。
また例えば、本件発明者が過去に提案した金属加工方法(特許第4564033号)により加工された金属材料を用いることも可能である。この方法は、一方向に伸延した金属体の伸延方向に沿って前記金属体を冷却する第1の冷却手段と第2の冷却手段とを設けるとともに、前記第1の冷却手段と前記第2の冷却手段との間に前記金属体を加熱する加熱手段を設けて、この加熱手段で前記金属体を加熱することにより前記金属体の変形抵抗を局部的に低下させて前記金属体を横断する低変形抵抗領域を形成し、この低変形抵抗領域を挟む前記金属体の一方の非低変形抵抗領域を、他方の非低変形抵抗領域に対して振動または回転させて相対的に位置を変動させることにより前記低変形抵抗領域を剪断変形させて前記金属体の金属組織を微細化する金属加工方法(以下、先行発明方法と称する。)であり、この場合、先行発明方法により微細化された金属材料(以下、先行発明材料と称する。)の金属結晶の粗大化を抑制しながらも、金属製品にさらなる高強度性及び高靭性を付与することができる。
すなわち、先行発明材料を本実施形態に係る鍛造方法に供することで、先行発明方法により形成された金属結晶の微細化組織を可及的保持しながらも、鍛造過程における金属材料の圧入や型枠との摩擦により“ひずみ”がさらに複雑化し、金属製品の表層だけでなく内部側においても金属結晶組織の微細化がさらに促されることとなる。
特に、本実施形態に係る鍛造方法は、低荷重で金属材料の塑性流動を生起させることで、室温や常温などの低温度条件下で鍛造できる方法であるため、微細化された結晶組織の粗大化を招くような高温条件下で成型することなく、むしろ微細化結晶の更なる微細化を促進させる最適温度条件下で鍛造成型できる。
この結果、従来の鍛造方法では加工困難とされた比較的高硬度の金属材料であっても、さらなる高強度や高靭性を有する金属製品を精密鍛造できる。例えば、歯車のような金属製品自体を小型化することができ、また、車のギアボックスのように強度や靭性が必要であるために従来は大型であった装置全体をコンパクト化することもできる。
成型する金属製品の形状は特に限定されるものではなく、従来の一般的な型枠鍛造で鍛造成型できる金属製品形状を採用することができる。しかしながら、本実施形態に係る鍛造成型方法において特筆すべき点としては、従来の鍛造成型方法では鍛造が困難とされた複雑な形状を有する金属製品を低荷重且つ低温度条件で高精度に鍛造することができる点が挙げられる。
特に、本実施形態に係る鍛造方法や鍛造成型装置では、鍛造過程において製品成型空間に充填され両型枠の表面と接触する金属材料の表面が摩擦の影響を受けて“ひずみ”が生じ、金属繊維組織の微細化が生起される。
従って、鍛造成型後の金属製品は、その表層の実質的全域に亘って内部組織よりも微細な金属結晶組織を有して高強度及び高靭性を備えることとなる。
ここで、表層の実質的全域とは、成型した製品の略全体を意味するものであり、製品に形成されたバリ部分が除去されたり、多少の手直しが施された製品であっても、製品の表層略全体に微細化組織が存在していれば、本発明の概念に含まれる。
以下、本実施例に係る鍛造成型装置及び鍛造方法、並びに鍛造曲がり歯歯車について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明では、まず本実施例の鍛造方法に用いる鍛造成型装置の基本的構成について説明し、次いで鍛造方法の説明を行い、その後各種試験及び結果等について言及する。また、本実施形態では各型枠が上下方向に移動して鍛造する装置を例として説明の便宜上敢えて限定的に説明するが、各型枠が左右方向に移動するものなど、型枠の閉塞・開放方向は特に限定されるものではない。また、型枠は一方が固定されていても良いし、双方が移動することで鍛造を行うものであっても良いのは言うまでもない。
図1は本実施形態に係る鍛造成型装置Aの構成を示す説明図である。図1に示すように、鍛造成型装置Aは、装置の基本構成となる装置本体1と、装置本体1の動きを制御する同装置本体1の上部に配置された制御部40とで構成される。
装置本体1は、床面Fに固定されて不動状態とした固定側本体部2と、同固定側本体部2の上方位置でメインシリンダ15L、15Rを介して連結し、固定側本体部2に相対的に近接離隔する昇降自在の可動側本体部3とで構成している。
メインシリンダ15L、15Rは油圧シリンダを採用しており、後述する油圧供給系統から供給される作動油の圧力により、メインロッド16L、16Rを所定のスピードで伸縮動作させる。また、メインシリンダ15L、15Rは、作動油の圧力規制を行うリリーフバルブ(図示せず)を備えた油圧回路を介して油圧供給がなされるよう構成しており、一定荷重での型枠の閉塞動作を可能としている。
固定側本体部2は床面Fに固定される側面視略凸状の下部ベース14と、同下部ベース14の凸部上面に配置した下部製品成形部12とで構成している。
下部ベース14は、装置本体1の基台となる部分であり、その上面略中央部には、下部パンチシリンダ30を配置するためのシリンダ配置孔14aが穿設されている。
下部製品成形部12は、下部型枠収容体12aと、下部型枠12bと、ヒータユニット50と、下部パンチシリンダ30とを備えている。また、下部製品成形部12には、下部ベース14のシリンダ配置孔14aに配置した下部パンチシリンダ30の下部パンチ31を進退可能とするための空間が設けられている。
下部型枠収容体12aは、下部製品成形部12において下部型枠12bを固定配置するための部材であり、下部ベース14と下部型枠収容体12aとの間にはヒータユニット50が介設されている。また、下部型枠収容体12aには、下部パンチシリンダ30を配置するためのシリンダ配置孔が形成されている。
下部型枠12bは、後述の上部型枠11bと共に金型を構成し、製品成型空間Sを形成するためのものであり、上部型枠11bと対向する面に所望する製品外形状に沿った型が形成されている。なお、以下の説明において型が形成されている面を下部成型面12cと称する。
また、下部型枠12bの略中央位置には、パンチ挿通孔18が穿設されている。このパンチ挿通孔18は、シリンダ配置孔14aに配置された下部パンチシリンダ30の下部パンチ31が製品成型空間Sへ向けて摺動しつつ進退するための孔である。
ヒータユニット50は、電力により発熱する発熱体(図示せず)を備えており、制御部40の制御に基づいて所定の温度に加熱可能に構成している。下部製品成形部12においてヒータユニット50は、下部ベース14と下部型枠収容体12aとの間や、下部型枠収容体12aの側面に配置されており、下部型枠収容体12aや下部型枠12bを介して、下部型枠12b自体や、金属材料K(型枠収容空間に圧入された金属材料Kを含む)を加熱可能としている。
下部パンチシリンダ30は、油圧シリンダを採用しており、後述する油圧供給系統から供給される作動油の圧力により、所定のスピードで下部パンチ31を伸縮動作させる。また、下部パンチシリンダ30は、作動油の圧力規制を行うリリーフバルブ(図示せず)を備えた油圧回路を介して油圧供給がなされるよう構成しており、一定の荷重で下部パンチ31の進出を可能としている。この下部パンチシリンダ30は、後述の上部パンチシリンダ20との間で金属材料Kを挟持しつつ、金属材料Kを圧縮して製品成型空間S内に圧入する役割を有している。
一方、可動側本体部3は、固定側本体部2と上下対称で略同様の構成を備えている。すなわち、可動側本体部3は、下部ベース14と対向させて配置した側面視において下方へ略凸状の上部ベース13と、同上部ベース13の凸部下面に配設した上部製品成形部11とで構成している。固定側本体部2と重複する説明は省略するが、上部ベース13の下面略中央部には、上部パンチシリンダ20を配置するためのシリンダ配置孔13aが穿設されている。
また、上部ベース13は、上部型枠収容体11aと、上部型枠11bと、ヒータユニット50と、上部パンチシリンダ20とを備えており、下部パンチシリンダ30との間で挟持した金属材料Kを圧縮しつつ、金属材料Kや上部型枠11bを所定の温度に保持しながら製品成型空間S内で製品の鍛造成型を可能に構成している。なお、図中に示す符号11cは上部型枠11bに形成された上部成型面であり、符号21は上部パンチシリンダ20の上部パンチであり、符号17は、上部パンチ21を摺動進出させるための上部型枠11bに形成されたパンチ挿通孔である。
このような構成により、本実施形態に係る鍛造成型装置Aでは、上部ベース13及び下部ベース14のそれぞれに一体的に設けられた上部製品成形部11と下部製品成形部12とが相対的に近接離隔することを可能とし、上部型枠11bと下部型枠12bとの間に金型の製品成型空間Sを形成している。
なお、上部型枠11bと下部型枠12bは、互いに対向して所望とする金属製品の形状を成型する製品成型空間Sを形成する金型として機能すればよく、それぞれが対向する面を境界とする対称形であっても良いし、非対称形であっても良い。本実施形態において上部成型面11cや下部成型面12cは、円錐台状の凹部として互いに対称形とした例を示している。
また、上部型枠11b及び下部型枠12bの両型枠には、製品成型空間S内で金属材料を塑性流動させやすくして完全充満させるべく、必要に応じてバリ形成空間を設けることとしてもよい。このバリ形成空間についても、鍛造製品を製造する上で必要な空間ならば、製品成型空間Sの一部と解することもできる。
また、上部製品成形部11と下部製品成形部12とは、少なくともいずれか一方がヒータユニット50を配設されることで金属材料Kを加熱可能に構成されていればよく、鍛造加工する金属材料Kの厚みや素材に応じて同金属材料Kを一定の温度帯に加熱することができればよい。
また、上部パンチシリンダ20や下部パンチシリンダ30は、金型の閉塞方向に沿う方向で上部パンチ21と下部パンチ31とを互いに対向させて進出させるように、上下ベース13、14のシリンダ配置孔13a、14aにそれぞれ配設されていれば良く、それぞれ上下ベース13、14とは別の位置、例えば固定側本体部2や可動側本体部3の外方に設けた支持フレーム等に設けることとしてもよい。
また、上部パンチ21の進出方向と下部パンチ31の進出方向は互いに対向する同一軸方向であればよく、これら2つのパンチの進出方向が必ずしも金型の閉塞方向と沿う方向である必要はない。
次に、鍛造成型装置Aの電気的な構成及び油圧系統の構成について図2及び図3を参照しながら説明する。図2は電気的構成を示したブロック図であり、図3は油圧系統の構成を示したブロック図である。
図2に示すように、制御部40は、CPU43と、ROM44と、RAM45とを備えている。ROM44はCPU43の処理において必要なプログラム等が格納されており、RAM45はそのプログラム等の実行に際し一時的な記憶領域として機能する。
例えばROM44の所定領域には、鍛造成型装置Aの稼動に必要な各種処理を実現するためのプログラムが格納されている。
このプログラムには、鍛造製品の成型に先立って金型を半開き状態とする半開き実行ステップや、第1及び第2のパンチを所定の速度で製品成型空間へ向けて進出動作させ、製品成型空間を貫通する状態で第1及び第2のパンチに挟持させた金属材料を加圧変形させつつ製品成型空間内に充填させるパンチ進出ステップや、進出動作と並行して、第1及び/又は第2の型枠を所定速度よりも小さい速度で接近させて金型が全閉状態となるまで閉塞動作させる全閉実行ステップなどが含まれる。
本実施形態に係る鍛造成型装置Aにおいては、CPU43が上述の半開き実行ステップや、パンチ進出ステップ、全閉実行ステップを実行することにより、それぞれ半開き実行手段や、パンチ進出手段、全閉実行手段として機能するよう構成している。
また、制御部40には所定の入力手段が接続されており、鍛造成型装置Aの使用者が所望する荷重や加熱温度を設定可能としている。
入力手段としては、例えばマウス41やキーボード42等とすることができる。これら入力手段より入力された情報は、前述のRAM45上の所定アドレスに格納され、CPU43が各種プログラムを実行する上で参照される。なお、制御部40には、これらの入力情報や、プログラムの進捗状況等を確認可能とするためにディスプレイ等の表示装置(図示せず)が備えられている。
また、制御部40には、ヒータユニット50と、油圧駆動制御部60とが接続されている。
制御部40は、ヒータユニット50に対し、温度制御信号を送信する。温度制御信号を受信したヒータユニット50は、同温度制御信号に応じた温度で発熱することにより、上部型枠11b及び下部型枠12bの加温や、金属材料Kの加温を行う。
また、制御部40は、油圧駆動制御部60に対し油圧制御信号を送出する。図3に示すように、油圧制御信号を受信した油圧駆動制御部60は、油圧制御信号に応じて油圧ポンプ61を駆動させ、同油圧ポンプ61によって生じた油圧は油圧回路部62を通じ、所定の圧力でメインシリンダ15L、15R、上部パンチシリンダ20、下部パンチシリンダ30等へ供給され、各油圧駆動部材が制御部40の制御により稼動することとなる。また、油圧駆動制御部60は、油圧回路部62に設けられている各種バルブ等を制御し、所定の速さや所定の荷重で各油圧動作機器を駆動させる。
特に、本実施形態においては、上部パンチシリンダ20および下部パンチシリンダ30へ油圧供給して、パンチとしての上部パンチ21や下部パンチ31を昇降自在とすることによりピストン機構を実現している。
次に、上述してきた構成を備える鍛造成型装置Aの動作について説明する。
鍛造成型装置Aを使用して所望の形状の鍛造製品を得るにあたっては、まず、前述のマウス41やキーボード42等の入力手段を介して、制御部40に稼働条件の設定を行う。
具体的には、上部パンチ21の進出速度Vuや、下部パンチ31の進出速度Vl、金型が全閉状態に至るまでの閉塞動作速度Vd、すなわち下部型枠12bに接近する上部型枠11bの動作速度等の設定を行う。
各速度の関係は、金型が全閉状態に至るまでの閉塞動作速度Vdよりも上部パンチ21や下部パンチ31の進出速度Vu、Vlが速くなるように(Vd<Vu、Vd<Vl)設定する。
なお、上部パンチ21の進出速度Vuと、下部パンチ31の進出速度Vlの関係は、所望とする金属製品の形状や大きさに応じて適宜選択することができる。特に、進出速度Vuと進出速度Vlは、製品成型空間S内で挟圧される金属材料Kが座屈しない範囲の速度設定とする。
また、各パンチ21,31の進出荷重や各型枠11b,12bの閉塞荷重は、本実施形態に係る鍛造方法による鍛造に十分な荷重であれば、それぞれ異なる値に設定することが可能である。
また、所望の温度条件下で鍛造を行う場合には、同様にして制御部40でヒータユニット50による上部型枠収容体11aや下部型枠収容体12a、金属材料K等の加熱温度設定を行う。
ヒータユニット50による金属材料Kの加熱温度は、金属材料Kがある程度塑性流動を示しつつも、予め又は金型表面との接触により生起した金属組織の微細化結晶を保持できる程度であればよい。加熱温度帯は、金型の耐熱温度以下であることが必要で、通常の鉄鋼系の金型材料の場合には500℃以下の加熱が望ましい。素材である金属材料Kの組成等により異なるものの概ね約300℃〜450℃、より好ましくは約380℃〜430℃程度に設定することができる。
次いで、鍛造成型装置Aに金属材料を配置する。具体的には、上側の上部製品成形部11と下側の下部製品成形部12とを離隔して金型を全開状態とし、上下のパンチ21,31をそれぞれの型枠11b,12bの内部側に没した状態とした上で、パンチ挿通孔17とパンチ挿通孔18とに架け渡した状態で金属材料Kを挿嵌する。
次に、使用者が制御部40に対して鍛造成型装置Aを稼動させる指示を行うことで、制御部40は半開き実行ステップを実行し半開き実行手段として機能する。すなわち、使用者により入力された各速度情報を基に、金型が半開き状態となる上部型枠11bと下部型枠12bの上下位置を割り出し、各パンチ21、31や各型枠11b,12bの開始位置の相対的な位置決めがなされる。なお、以下の説明において、半開き状態における上部型枠11bや下部型枠12b、各パンチ21、31の位置を鍛造開始位置と称する。
またこのとき金属材料Kは、その上部が上部型枠11bのパンチ挿通孔17内で、その下部が下部型枠12bのパンチ挿通孔18内で、上下面を上部パンチ21と下部パンチ31との先端面に接触させた状態で挟持される。
次に制御部40は、CPU43にてパンチ進出ステップを実行することによりパンチ進出手段として機能し、両パンチ21、31を鍛造開始位置から互いに接近するよう移動させる。
より具体的には、パンチ進出手段で上下の上部パンチ21及び下部パンチ31を設定速度で製品成型空間Sへ向けて進出動作させ、上部パンチ21及び下部パンチ31に挟持させた金属材料Kを圧縮させつつ製品成型空間S内に充填させる。
また、両パンチ21、31の進出動作に並行して、制御部40はCPU43にて全閉実行ステップを実行し、全閉実行手段として機能して上部型枠11bを両パンチの設定速度よりも小さい速度で下部型枠12bに接近させ金型が全閉状態となるまで閉塞動作させる。
なお、上部パンチ21、下部パンチ31、及び上部型枠11bの近接稼働開始のタイミングは、鍛造開始位置から設定したパンチの進出速度や金型の閉塞動作速度を保持して稼働する状態であれば、タイムラグがあってもよい。
ここで製品成型空間S内における金属の動きに着目すると、金属材料Kは、上部パンチ21及び下部パンチ31の進出に伴い軸方向上下から押圧されて製品成型空間Sで、両パンチ21、31の軸中心から半径方向外方に向かって塑性流動を始める。
流動し始めた金属材料Kは、徐々に閉塞動作する上下の上部成型面11cと下部成型面12cとの間で挟圧された状態となる。
また金属材料Kは、上部型枠11b及び下部型枠12bの接近に伴い、上部成型面11c及び下部成型面12cにより挟圧されて徐々に肉薄となると共に、上部成型面11cや下部成型面12cとの間で発生する摩擦抵抗に抗しつつさらに半径方向外方に向かって流動する。
また、上部パンチ21の進出速度Vu及び下部パンチ31の進出速度Vlが上部型枠11b及び下部型枠12bの閉塞動作速度Vdより速く設定されているため、上部パンチ21及び下部パンチ31の軸中心から半径方向外方へ向けて塑性流動状態の金属材料Kが製品成型空間S内に連続的に供給される。
連続的に供給される金属材料Kは、充填される金属材料Kの厚みをさらに増加させつつ金属材料Kをさらに同外方へ向けて塑性流動させる。
そして、最終的に上部型枠11bの閉塞端面11dと下部型枠12bの閉塞端面12dとが当接した状態、すなわち金型が完全に閉塞した状態(全閉状態)において金属材料Kが製品成型空間Sの隅々にまで至ることとなる。
このような加工が金属材料Kに対して施されることにより、塑性流動する金属材料Kには、成型面11c、12cと摺動摩擦により表面に“ひずみ”が生じて表層に微細化組織が生成される。
さらには、金属材料Kが鍛造性である場合には、成型後の鍛造製品において、金属材料Kの内部のファイバーフローを途中で切断することなく製品成型空間Sの形状に沿ったファイバーフローが形成される。
従って、鍛造金属製品は、最終形状等の外表面形状に沿った連続的な鍛流線を有するとともに、その表層の実質的全域に亘って内部組織よりも微細な金属結晶組織を有することとなる。
また、本実施形態に係る鍛造方法によれば、金型が全閉状態に至るまでの閉塞動作速度Vdよりも各パンチ21、31の進出速度Vu、Vlが速くなる速度差関係を設けることで、上部パンチ21及び下部パンチ31との進出動作による半径方向への金属材料Kの連続的な供給作用と、上部型枠11b及び下部型枠12bとの閉塞動作による軸方向及び半径方向への金属材料Kの充填作用とを相乗的に作用させ、低荷重及び低温度条件で製品成型空間S内に金属材料Kを完全充満させることができる。特に、加工に要するエネルギーを可及的低減にできるとともに、従来大型の鍛造設備が必要であった鍛造製品の製造が、小型の鍛造装置で足りることとなり、設置後のメンテナンスなどの設備費用を低減化することができる。
すなわち、複雑な形状を有する金属製品であっても低荷重で金型の製品成型空間内に金属材料を完全に充満させて製品の最終形状又は半最終形状に塑性加工することができ、鋼棒K1の径に比べてその最大径を約3〜5倍の径を有し、高精度で高強度及び高靭性を備えた金属製品を容易に成型且つ量産できる。
なお、金型の全閉状態における両パンチ21、31の最終的な進出位置は、上部型枠11bや下部型枠12bのパンチ挿通孔17内やパンチ挿通孔18内とし、金属材料Kの上端部や下端部を残した状態としてもよい。
次に、実際に鍛造金属製品を製造した例について、図面を参照しながら説明する。
〔1.製造例1〕
本製造例1では図4に示すように、上下非対称形の複雑形状製品として、パンチ軸の半径方向に沿って湾曲する歯形を有する曲がり歯傘歯車Dの鍛造製造を行った。なお、鍛造成型装置Aにおいて、縦200mm×鋼棒径20φの炭素鋼棒を金属材料とした。
本製造例1に係る曲がり歯歯車の湾曲した歯形に対応する型枠は、従来の鍛造方法では、金属材料との接触面積が大きくその分摩擦抵抗も多くなり、金属材料を充填することは困難であった。
本製造例1において、製品成型空間Sが金型の閉塞方向に狭窄する形状を有する上下非対称形の複雑形状製品の鍛造である故、狭窄方向の型枠に配置したパンチを他方のパンチよりも早い速度で進出させて行う。
すなわち、本製造例1に係る曲がり歯傘歯車を鍛造する場合の各速度の関係はVu>Vd>Vdとなる比とし、制御部40にて上部パンチ21の進出速度Vu(mm/sec)=100、下部パンチ31の進出速度Vl(mm/sec)=50、閉塞動作速度Vd(mm/sec)=20となるようにそれぞれ設定した。
また、上部パンチ21や下部パンチ31の荷重はそれぞれ50tonに、上部製品成形部11の荷重は600tonに設定した。
その結果、図5に示すように、直径約50〜100φで幅広とし、歯車の形状を完全な状態で備えた曲がり歯傘歯車Dを得た。製造例2と同様に、従来であれば上部型枠11bの荷重として3500〜4000ton程度必要であったところ、約8〜7分の1の荷重で製造することができた。しかも、炭素鋼棒の直径に比べて約2.5〜5倍の直径を有した曲がり歯傘歯車Dを製造でき、その表面には微細化結晶が、断面には鍛流線が確認された。
ここで本製造例1における製品成型空間S内での金属の流れについて補足すると、図4(b)に示すように、本製造例1では、歯車の歯形に対応する凹状とした上部成型面11cを有する上部パンチ21と、歯車の基部に対応するよう平面状とした下部成型面12cを有する下部パンチ31とにおいて、金型の閉塞方向に狭窄する形状となる上部パンチ21の進出速度Vuを下部パンチ31の進出速度Vlより速く進出するように設定している。
このような差速関係を設けることで、複雑形状に形成された上部型枠11b側の製品成型空間Sに対して金属材料Kを塑性流動させて優先的に充填供給する(図4(b)中、実線矢印で示す。)。
また、ピニオンのように上部型枠11bの歯車の歯形を成型する凹状の上部成型面11cの容積が大きい場合には、さらに上部パンチ21の進出速度Vuを下部パンチ31の進出速度Vlより速く進出するように設定する。
すなわち、各速度の関係をVu>>Vl>Vdとなる比とし、上部型枠11b側の製品成型空間Sへの金属材料Kの充填供給量を増加させる。
このように、金型の閉塞方向で最大径が狭窄する形状を有する上部型枠11b側の金属材料Kの供給量を増すことで、図4(b)に示すように、製品成型空間Sへ流入して形成された肉厚部K2のうち上部成型面11cに接触する面積を可及的拡大する。
同時に、上述の如く半径方向外方へ塑性流動する金属材料Kが複雑に入り組んだ歯形部分に、その摩擦抵抗に抗して優先的に充填される。
さらには、図4(c)に示すように、型枠上下からの押圧力も相俟って金属材料Kが半径方向外方へ上部成型面11cや下部成型面12cとの摩擦抵抗に抗して流動して製品成型空間Sの半径方向外周側まで充填される。
このように、曲がり歯傘歯車の如く複雑な歯形を確実に成型しつつ全体として製品の最終形状または半最終形状に精密鍛造することを可能としている。
また、非対称の複雑形状製品であっても、図6に示すように、その表層の実質的全域に内部組織よりも微細な金属結晶組織T1を、また内部組織には歯車形状に沿った連続性を有する鍛流線T2を形成することができる。
〔2.製造例2〕
本製造例2では、図7に示すように、縦200mm×鋼棒径20φの炭素鋼棒を金属材料とし、鍛造成型装置Aに供して上下対称形の複雑形状製品としてCVT(ベルト式無段変速機)のシーブの鍛造を行った。
各速度の関係はVu=Vd>Vdとなる比とし、制御部40にて上部パンチ21の進出速度Vu(mm/sec)=100、下部パンチ31の進出速度Vl(mm/sec)=100、閉塞動作速度Vd(mm/sec)=20となるようにそれぞれ設定した。
なお、上部パンチ21や下部パンチ31の荷重はそれぞれ50tonに、上部型枠11bの荷重は600tonに設定した。
その結果、図8に示すように、直径約50〜100φで幅広とし、最大厚み約5〜10mmで肉薄としたフランジ部B1を有したシーブBを得た。従来であれば上部型枠11bの荷重として2500〜3000ton程度必要であったところ、約6〜5分の1の荷重で製造することができた。しかも、炭素鋼棒の直径に比べて約2.5〜5倍の直径を有したシーブBを製造できた。また顕微鏡にて観察を行った結果、そのフランジ部B1表面には微細化結晶が、断面には鍛流線が確認された。
〔3.製造例3〕
次に、上下非対称形の複雑形状製品として、パンチ軸の半径方向に沿って直線的な歯形を有するすぐ歯傘歯車Cの鍛造製造を行った。なお、鍛造成型装置Aにおいて、金属材料や荷重設定は製造例1と同様とした。
製造過程は前述の製造例1と略同様であるため図示は省略するが、製品成型空間Sが金型の閉塞方向に狭窄する形状を有する上下非対称形の複雑形状製品の鍛造に際し、本製造例3では、狭窄方向の型枠に配置したパンチを他方のパンチよりも早い速度で進出させて行う。
すなわち、すぐ歯傘歯車Cを鍛造する場合の各速度の関係はVu>Vl>Vdとなる比とし、制御部40にて上部パンチ21の進出速度Vu(mm/sec)=100、下部パンチ31の進出速度Vl(mm/sec)=50、閉塞動作速度Vd(mm/sec)=10となるようにそれぞれ設定した。
その結果、図9に示すように、直径約50〜100φで幅広とし、歯車の形状を完全な状態で備えたすぐ歯傘歯車Cを得た。従来であれば上部型枠11bの荷重として3500〜4000ton程度必要であったところ、約8〜7分の1の荷重で製造することができた。しかも、炭素鋼棒の直径に比べて約2.5〜5倍の直径を有したすぐ歯傘歯車Cを製造でき、その表面には微細化結晶が、断面には鍛流線が確認された。
〔4.製造例4〕
次に、上下非対称形の複雑形状製品として、パンチ軸の半径方向に沿って湾曲する歯形を有し、狭窄形状側の体積が大きい曲がり歯ピニオンEの鍛造製造を行った。なお、鍛造成型装置Aにおいて、金属材料や荷重設定は製造例1と同様とした。
製造過程は前述の製造例1と略同様であるため図示は省略するが、曲がり歯ピニオンを鍛造する場合の各速度の関係はVu>>Vl>Vdとなる比とし、制御部40にて上部パンチ21の進出速度Vu(mm/sec)=100、下部パンチ31の進出速度Vl(mm/sec)=20、閉塞動作速度Vd(mm/sec)=10となるようにそれぞれ設定した。
その結果、図10に示すように、直径約30〜50φで歯車の形状を完全な状態で備えた曲がり歯ピニオンEを得た。実施例1や実施例3と同様に、従来であれば上部型枠11bの荷重として3500〜4000ton程度必要であったところ、約8〜7分の1の荷重で製造することができた。しかも、炭素鋼棒の直径に比べて約2.5〜5倍の直径を有した曲がり歯ピニオンEを製造でき、その表面には微細化結晶が、断面には鍛流線が確認された。
このように、鍛造成型装置Aを用いて上述した鍛造方法を実施することで、曲がり歯傘歯車Dや曲がり歯ピニオンE、複雑な歯形D1、E1を確実に成型しつつ全体として製品の最終形状に精密鍛造することを可能としている。また、鋼棒K1の径に比べてその最大径を約3〜5倍の径を有した歯車を形成することができた。
また、各金属製品には、その表層の実質的全域に内部組織よりも微細な金属結晶組織T1を、また内部組織には歯車形状に沿った連続性を有する鍛流線T2を形成することができた。
〔5.曲がり歯歯車の詳細検討試験〕
次に、前述の製造例にて製造した曲がり歯歯車に関し、より詳細な製造条件について検討すべく各種試験を行った。
具体的には、縦200mm×鋼棒径20φの炭素鋼の鋼棒を用いて、金型の閉塞動作速度Vd、第1パンチの進出速度Vu、及び第2パンチの進出速度Vlをそれぞれ違え、実施例1の曲がり歯傘歯車の鍛造を試みた。
第1型枠及び第2型枠、第1パンチ及び第2パンチと金属材料とのそれぞれの摩擦係数はμ=0.10とし、第1型枠の荷重を600ton、第1パンチ及び第2パンチの荷重を50tonに設定した。
金型の閉塞動作速度Vd、第1パンチの進出速度Vu、及び第2パンチの進出速度Vlを違え、試験区をA〜Eの5つに分けた。このうち、試験区A〜C、及び試験区Eには各速度に差速を設け、試験区Dを差速を設けない対象区とした。各試験区における速度設定を表1に示す。
Figure 2018092890
この結果、試験区A〜Cでは、鍛造成型過程において金型の全閉に至るまで鍛造を行うことができ、歯形を有する曲がり歯傘歯車を鍛造することができた。いずれの試験区においても、閉塞動作速度Vd、第1パンチの進出速度Vu、及び第2パンチの進出速度Vlの関係はVu≧Vl>Vdであった。
なかでも、各速度の関係をVu>Vl>Vdとした試験区B〜Cでは、試験区Aに比べて表面に光沢があり、特に各速度の差速幅が大きい試験区Cで極めて精巧な曲がり歯歯車を成型できた。
一方で、試験区D〜Eでは、鍛造成型過程において、初期段階では金型の閉塞動作や第1パンチ及び第2パンチの進出動作を確認したものの、中途段階で完全に停止し、金型は全閉に至らなかった。
この結果、試験区D〜Eによる曲がり歯傘歯車は、歯形がところどころ形成されておらず、また、半径方向外方の成型がされていない不完全な状態であった。
このような結果により、製品成型空間Sに金属材料を完全に充填させるには、すくなくとも第1パンチ及び第2パンチの進出速度Vu、Vlを、第1型枠及び第2型枠の近接速度、すなわち金型の閉塞動作速度Vdよりも速くすることが示された。
さらに曲がり歯歯車のように非対称形の金属製品の鍛造精度を向上させるには、複雑形状側の型枠に位置する第1パンチの進出速度Vuを第2パンチの進出速度Vlよりも速くすることが重要であることが示された。
次に、曲がり歯傘歯車の鍛造が可能であった試験区A〜Cの各試験区の速度設定において、金属材料の第1型枠及び第2型枠への摩擦係数に分け、金型を完全閉塞させるに必要な型枠への最低限の荷重(以下、必要最低荷重と称す。)を算出した。また差速のない対象区として、試験区Dについても同様に荷重を算出した。その結果を表2に示す。
Figure 2018092890
この結果、従来の鍛造方法の試験区Dでは、金属材料と型枠との摩擦係数の大小にかかわらず、必要最低荷重を試験区A〜Cの約4〜8倍として、大きい重量を示した。
一方、試験区Aでは、摩擦係数の大小にかかわらず、その必要最低荷重は試験区B〜Cに比べて大きい傾向にあった。
また、試験区Bでは、金属材料と型枠との摩擦係数が少なくなるにつれて必要最低荷重も低くなる傾向にあったが、摩擦係数が最も高いμ=0.15の型枠においては試験区Aと同じ重量を要した。
一方、試験区Cでは、摩擦係数の大小にかかわらず、必要最低荷重は400〜300tonとほぼ安定した領域にあり、試験区A〜Bに比べて低い重量を示した。
この結果、第1パンチ及び第2パンチの進出速度Vu、Vlと、金型の閉塞動作速度Vdに速度差を設けること、すなわち第1パンチの進出速度Vu、第2パンチの進出速度Vl>金型の閉塞動作速度Vdとすることで、金型を完全閉塞するのに十分な荷重を少なくできることが示された。
また、上述のような速度差を設けた場合においては、第1パンチ及び第2パンチの進出速度Vu、Vlと、金型の閉塞動作速度Vdとの差速幅が大きければ大きいほど、必要最低荷重は低くすることができることが示された。
また、曲がり歯歯車のような非対称形の複雑形状製品を鍛造するには、さらに第1パンチ及び第2パンチの進出速度の差速幅が大きい、すなわち閉塞方向においてその最大径が狭窄する形状を有し、狭窄方向の型枠に配置したパンチを他方のパンチよりも早い速度にするほど、少ない荷重設定で金型を閉塞動作することができることが示された。
〔6.実施例5〕
次に、本実施形態に係るダイセットシステムについて図11〜図13を参照しながら説明する。先に言及した本実施形態に係る鍛造成型装置は、金型部分を容易に交換可能としたダイセットもその概念に当然に含まれるものであるが、本実施例5では、このダイセットに加えて制御ユニットを伴ったダイセットシステムについて提案する。
図11は、本実施形態に係るダイセットシステムYの構成を示した説明図である。ダイセットシステムYは、一部図示を省略しつつ示すプレス機Pのスライド70とボルスタ71とよりなる挟圧部に配置されたダイセット部72と、同ダイセット部72の駆動制御を行う制御ユニット73とで構成している。
ダイセット部72は、一般のダイセットと同様、プレス機の挟圧部に着脱自在に配されるものであり、既存のプレス機に配されていた金型等を取り外すことで、ダイセット部72に容易に置き換えることが可能である。すなわち、一般的な鍛造成型用に使用されていた既存のプレス機を、本実施形態に係る鍛造成型方法が実施可能な鍛造成型装置として容易に流用できる。
ダイセット部72は、先に図1を用いて説明した鍛造成型装置Aと略同様の構成を有しており、一側又は他側ダイセット分割体としての上ダイセット分割体75と、他側又は一側ダイセット分割体としての下ダイセット分割体76と、上下ダイセット分割体75,76の隅部近傍に配されたガイド体77と、同ガイド体77に取付がされた後述の変位検出手段として機能する変位センサ78とを備えている。なお、以下の説明において、鍛造成型装置Aと略同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。また、以下の説明では便宜上、上ダイセット分割体75が一側ダイセット分割体に相当し、下ダイセット分割体76が他側ダイセット分割体に相当するものとして説明する。
上ダイセット分割体75は、スライド70に接して押圧力を受ける断面視で下方に略凸型の上部ベース75aを備えており、同上部ベース75aの略中央に配された凸部下面には上部製品成形部11を配設している。なお、符号50はヒータユニットであり、11aは上部型枠収容体、11bは成型品形状の外表面の一部又は他部(ここでは一部)を象った一側又は他側(ここでは一側)型枠として配置された上部型枠である。
下ダイセット分割体76は、ボルスタ71に接して押圧力を受ける断面視略凸型の下部ベース76aを備えており、同下部ベース76aの略中央部に配された凸部上面、すなわち、上部製品成形部11の対向位置には、上部型枠11bと対となって製品成型空間が形成されるよう、下部製品成形部12が配設されている。なお、符号50はヒータユニットであり、12aは下部型枠収容体、12bは成型品形状の外表面の他部又は一部(ここでは他部)を象った他側又は一側(ここでは他側)型枠として配置された下部型枠である。また、上ダイセット分割体75や下ダイセット分割体76のヒータユニット50は、制御ユニット73に電気的に接続されており、所定の温度に加熱可能に構成されている。
ガイド体77は、上部型枠11bと下部型枠12bとの上下突き合わせの位置決め手段として機能するものであり、下部ベース76aの隅部近傍より立設したガイドポスト80を、上部ベース75aの隅部に垂設したガイドブッシュ81へ挿入可能に構成している。
また、本実施形態においてガイド体77には、変位センサ78配設しており、上ダイセット分割体75と下ダイセット分割体76との相対的且つ経時的な変位を検出可能としている。この変位検出方法としては、例えば本実施形態では、ロータリーエンコーダを採用し、ダイセット部72が押圧力を受けた際のガイドポスト80のガイドブッシュ81内への挿入による変位を検知して、上ダイセット分割体75と下ダイセット分割体76との接近方向への相対的な変位を検出するようにしている。変位センサ78により検出された変位は変位検出信号として、後述の制御ユニット73へ送出される。
再度上下ダイセット分割体75,76に着目すると、鍛造成型装置Aの可動側本体部3と同様に上ダイセット分割体75には、上部型枠11bと下部型枠12bとで構成される金型の製品成型空間へ向けてプレス機Pの挟圧方向から進出する一側又は他側(ここでは一側)パンチとしての上部パンチ21が上部型枠11bに摺動自在に配置されている。
また同様に、下ダイセット分割体76にも、上部パンチ21の進出方向と対向する方向に対向位置から製品成型空間へ向けて進出する他側又は一側(ここでは他側)パンチとしての下部パンチ31が下部型枠12bに摺動自在に配置されている。
これら上部パンチ21及び下部パンチ31は、それぞれ上部パンチシリンダ20及び下部パンチシリンダ30によって進退可能に構成されている。
従って、鍛造成型装置Aと同様に製品成型時には、上部パンチ21と下部パンチ31との間で製品成型空間を貫く状態で挟持させた金属材料Kを、これら両パンチ21,31の進出動作により製品成型空間内に充填する金属材料圧入機構が実現されているのであるが、上部パンチシリンダ20や下部パンチシリンダ30への油圧供給は、上部油圧流路82や下部油圧流路83、油圧ホース84を通じ制御ユニット73を介して行うよう構成している点で構成を異にしている。
また、本実施形態に係るダイセットシステムYでは、ダイセット部72に加えて、ダイセット部72の制御を行うための制御ユニット73を備えている点で特徴的である。
図11におけるダイセットシステムYでは、下部ベース76a上の空きスペースに制御ユニット73を配置して構成している。
制御ユニット73は、図12のブロック図にて示すように、上部パンチ21の上部パンチシリンダ20と下部パンチ31の下部パンチシリンダ30とに対し油圧を供給して駆動させる油圧供給手段としての油圧供給部85と、この油圧供給部85やヒータユニット50の制御を行う制御部140とが備えられている。
制御部140は、鍛造成型装置Aにおける制御部40と同様にCPU43やROM44、RAM45を備えており、予め入力されたプログラムや設定値等に基づき、ヒータユニット50に対して温度制御信号を送出したり、油圧供給部85に対して油圧制御信号を送出することで、ヒータユニット50の温度制御や上部パンチ21及び下部パンチ31の駆動制御を可能としている。
また、制御ユニット73の制御部140には、各種入出力機器類が接続されている。マウス41やキーボード42は、制御部140に対してプログラムや設定値等を入力するための入力手段として機能するものである。これら入力手段は、図11に示す如く制御ユニット73が下部ベース76a上に配置される場合には、必要に応じて取り外し可能としていても良い。
また、ディスプレイ86は、制御部140からの出力を表示する装置であり、ユーザがプログラムや設定値の確認等に使用する。このディスプレイ86もまた、マウス41やキーボード42と同様に、成型作業時には取り外せるように構成しても良い。
また、制御部140には、上ダイセット分割体75と下ダイセット分割体76との接近方向への相対的な変位に応じた変位検出信号が前述の変位センサ78から入力される。制御部140は、予め記憶されているプログラムの実行により油圧制御手段として機能することで、入力された変位検出信号に基づいて、上ダイセット分割体75と下ダイセット分割体76との相対的な接近速度よりも速い速度で上部パンチ21と下部パンチ31とが駆動するよう、すなわち、前述した本実施形態に係る金属材料の鍛造方法が実現されるよう、油圧供給部85を制御するための油圧制御信号を発出する。
油圧供給部85は、前述の鍛造成型装置Aの油圧駆動制御部60や油圧ポンプ61、油圧回路部62と同様の構成を備えているが、例えばメインシリンダ15L,15Rのようなプレス機自体の油圧系統には接続されておらず、上部パンチシリンダ20や下部パンチシリンダ30を介して上部パンチ21や下部パンチ31の制御が行われるよう構成している。
また、油圧供給部85は、制御部140からの油圧制御信号により、上ダイセット分割体75と下ダイセット分割体76との相対的な接近速度よりも速い速度で上部パンチ21と下部パンチ31とを駆動させるため、プレス機からは独立した制御系により、本実施形態に係る金属材料の鍛造方法が実現されるよう構成している。
従って、本実施形態に係るダイセットシステムは、種々のプレス機において使用可能であり、例えば既存のプレス機を利用して本実施形態に係る金属材料の鍛造方法を行うことができ、汎用性に優れたシステムであると言える。
なお、上述したダイセットシステムYの例では、制御ユニット73を下部ベース76a上に配置して構成したが、制御ユニット73の配設位置は特に限定されるものではない。
例えば図13に示すダイセットシステムY1如く、プレス機Pから離隔した位置に制御ユニット73としての制御盤Qを設け、プレス機Pの挟圧部に配置されたダイセット部72との間で電気通信配線や油圧配管等を介して接続を行うようにしても良く、このような形態についても本実施形態に係るダイセットシステムの概念に含まれる。また、このような場合、制御部140への入力手段は、例えば制御盤Qに配設されたタッチパネル90とすることもできる。
このように、本発明に係る鍛造方法によれば、従来の鍛造方法に比べて複雑な形状を有する金属製品であっても低荷重で金型の製品成型空間内に金属材料を完全に充満させて製品の最終形状又は半最終形状に塑性加工することができ、しかも加工に要するエネルギーを可及的低減し、設置後のメンテナンスなどの設備費用を低減化することができ、しかも高精度で高強度及び高靭性を備えた金属製品を容易に成型且つ量産できる。
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
A 鍛造成型装置
11b 上部型枠(第1の型枠)
12b 下部型枠(第2の型枠)
21 上部パンチ(第1のパンチ)
31 下部パンチ(第2のパンチ)
Vu 第1のパンチの進出速度
Vl 第2のパンチの進出速度
Vd 金型の閉塞動作速度

Claims (11)

  1. 第1の型枠に摺動自在に配置した第1のパンチと、第2の型枠に摺動自在に配置した第2のパンチとの間に金属材料を挟持させ、前記第1及び第2のパンチを前記第1及び第2の型枠により形成される金型の製品成型空間へ向けて進出させることで前記金属材料を前記製品成型空間内に充填させて成型する金属材料の鍛造方法であって、
    前記金型を半開き状態とし、前記第1及び第2のパンチの進出に伴って、同第1及び第2のパンチの進出速度よりも小さい速度で前記第1及び/又は第2の型枠を前記金型が全閉状態に至るまで閉塞動作させることを特徴とする金属材料の鍛造方法。
  2. 前記金型の閉塞方向と直交する方向への前記製品成型空間の最大径が、前記金属材料の最大径の2倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の金属材料の鍛造方法。
  3. 前記金型が全閉状態に至ったタイミングと略同じタイミングで前記製品成型空間内への前記金属材料の充填を終えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の金属材料の鍛造方法。
  4. 前記製品成型空間は前記金型の閉塞方向に狭窄する形状を有し、狭窄方向の型枠に配置したパンチを他方のパンチよりも早い速度で進出させることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の金属材料の鍛造方法。
  5. 上下端部にそれぞれ金型を有する第1の型枠と第2の型枠を上下に配置すると共に、金型を上下に対峙することにより各金型間に製品成型空間を形成し、しかも、金型を挿貫して製品成型空間に向かって昇降自在なパンチからなるピストン機構を各型枠の略中央部に配置し、更には、各型枠の昇降スピードとパンチからなるピストン機構の昇降スピードとの間に前者が後者よりも遅くなる所定のスピード差を形成したことを特徴とする鍛造成型装置。
  6. 前記製品成型空間の金型対峙平面最大径は製品成型空間に介在する金属材料の平面最大径の2倍以上であることを特徴とする請求項5に記載の鍛造成型装置。
  7. 前記第1及び第2の型枠が全閉に至るタイミングで製品成型空間への金属材料の充填が完了することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の鍛造成型装置。
  8. 相対的に近接離隔可能な第1及び第2の型枠を備え、両型枠より構成される金型の製品成型空間内で金属材料を所定形状に成型する鍛造成型装置において、
    前記第1の型枠に摺動自在に配置した第1のパンチと、
    前記第2の型枠に摺動自在に配置した第2のパンチと、
    制御部と、を備え、
    同制御部は、
    成型に先立って前記金型を半開き状態とする半開き実行手段と、
    前記第1及び第2のパンチを所定の速度で前記製品成型空間へ向けて進出動作させ、製品成型空間を貫通する状態で第1及び第2のパンチに挟持させた金属材料を加圧変形させつつ製品成型空間内に充填させるパンチ進出手段と、
    前記進出動作と並行して、前記第1及び/又は第2の型枠を前記所定速度よりも小さい速度で接近させて前記金型が全閉状態となるまで閉塞動作させる全閉実行手段と、を備えることを特徴とする鍛造成型装置。
  9. 前記第1及び第2の型枠の少なくともいずれか一方には、製品成型空間内に圧入された金属材料を所定温度とするためのヒータユニットが備えられていることを特徴とする請求項5〜8いずれか1項に記載の鍛造成型装置。
  10. プレス機の挟圧部に着脱自在に配置されるダイセットと、同ダイセットの制御を行う制御ユニットとを備えたダイセットシステムであって、
    前記ダイセットは、
    成型品形状の外表面の一部を象った一側型枠が配置される一側ダイセット分割体と、
    前記成型品形状の外表面の他部を象った他側型枠が配置される他側ダイセット分割体と、
    前記一側ダイセット分割体と他側ダイセット分割体との接近方向への相対的な変位に応じた変位検出信号を出力する変位検出手段と、
    前記一側型枠と他側型枠とで構成される金型の製品成型空間へ向けて前記プレス機の挟圧方向から進出する前記一側型枠に摺動自在に配置した一側パンチと、前記一側パンチの進出方向と対向する方向に対向位置から前記製品成型空間へ向けて進出する前記他側型枠に摺動自在に配置した他側パンチとの間で前記製品成型空間を貫く状態で挟持させた金属材料を、前記一側パンチと他側パンチとの進出動作により前記製品成型空間内に充填する金属材料圧入機構と、を備え、
    前記制御ユニットは、
    前記一側パンチと他側パンチとに対し油圧を供給して駆動させる油圧供給手段と、
    前記変位検出手段より受信した変位検出信号に基づいて、前記一側ダイセット分割体と他側ダイセット分割体との相対的な接近速度よりも速い速度で前記一側パンチと他側パンチとが駆動するよう前記油圧供給手段を制御する油圧制御手段と、を備えることを特徴とするダイセットシステム。
  11. 表層の実質的全域に亘って内部組織よりも微細な金属結晶組織を有し、前記内部組織には前記形状に沿った連続性を有する鍛流線が形成されていることを特徴とする鍛造曲がり歯歯車。
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