JP2002239040A

JP2002239040A - ゴルフクラブヘッド

Info

Publication number: JP2002239040A
Application number: JP2001043762A
Authority: JP
Inventors: Masaru Kono; 賢甲野
Original assignee: Sumitomo Rubber Industries Ltd
Current assignee: Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date: 2001-02-20
Filing date: 2001-02-20
Publication date: 2002-08-27

Abstract

(57)【要約】【課題】耐久性を維持しつつ反発性能を増大させる。【解決手段】ボールを打球するフェース部２を有する
ゴルフクラブヘッド１である。フェース部２は、スイー
トスポット点ＳＳとその近傍のフェース部の中心点Ｃと
を含み実質的に一定厚さｔ１の中央厚肉部２Ａと、この
中央厚肉部２Ａの外縁２Ａｅから前記厚さｔ１よりも小
厚さで連なる周辺薄肉部２Ｂとからなる。周辺薄肉部２
Ｂの内面に、中央厚肉部２Ａを囲む環状溝７を形成す
る。環状溝７の外溝縁７ｏからフェース部２の周縁Ｅま
での距離Ｓを１〜１０mmとする。フェース部の中心点Ｃ
からフェース部の周縁Ｅ上の任意の点までの直線Ｋの長
さＬａと、該直線Ｋ上におけるフェース部の中心点から
前記中央厚肉部の外縁までの長さＬｂとの比（Ｌｂ／Ｌ
ａ）を０．１〜０．５に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、フェース部の反発
性能を向上しうるゴルフクラブヘッドに関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ゴルフ
クラブヘッド、とりわけドライバーなどを含むウッド型
のゴルフクラブヘッドにあっては、より遠くに打球を飛
ばす飛距離性能が求められる。打球をより遠くまで効率
的に飛ばすためには、ヘッドの反発性能を向上させるこ
とが効果的であり、従来では、ボールを打球するフェー
ス部の剛性を下げることにより該フェース部を撓み易く
する技術が種々提案されている。

【０００３】例えば実公平２−２９９７３号は、図１０
（Ａ）に示す如く、ヘッド本体部ａの打球面部に断面略
コ字状のフェース面部ｂを設け、該フェース面部ｂの内
周角縁部ｃを薄肉にすることを提案している。また特開
平９−２９９５１９号公報では、図１０（Ｂ）に示す如
く、ウッド型ゴルフクラブヘッドにおいて、フェース壁
部ｄの内面に、該内面を囲むように横長楕円形の溝部ｆ
を設けることが開示されている。

【０００４】しかしながら、前者のものでは、フェース
面部の内周角縁部だけを薄肉化するものであるため、フ
ェース部の剛性低下を十分に図ることができず、かつ低
剛性化を図りすぎると、フェース面部ｂに破損が生じや
すい。また後者のものでは、フェース部の中央部の厚さ
が５mm以上に設定されるなど、反発性能の向上にはさら
なる改善の余地を残している。

【０００５】本発明は、以上のような問題点に鑑み案出
なされたもので、フェース部の耐久性の低下を防止しつ
つ反発性能を向上でき、飛距離の増大に役立つゴルフク
ラブヘッド、より好ましくはウッド型のゴルフクラブヘ
ッドを提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項１記
載の発明は、ボールを打球するフェース部を有するゴル
フクラブヘッドであって、前記フェース部は、ヘッド重
心からフェース面に対する法線がフェース面と交わるス
イートスポット点とその近傍のフェース部の中心点とを
含みかつ実質的に一定厚さｔ１の中央厚肉部と、この中
央厚肉部の外縁からフェース部の周縁側に前記厚さｔ１
よりも小厚さで連なる周辺薄肉部とからなり、かつこの
周辺薄肉部の内面に、前記中央厚肉部を囲む環状溝を形
成するとともに、この環状溝の外溝縁から前記フェース
部の周縁までの距離Ｓを１〜１０mmとし、しかも前記フ
ェース部の中心点からフェース部の周縁上の任意の点ま
での直線Ｋの長さＬａと、該直線Ｋ上におけるフェース
部の中心点から前記中央厚肉部の外縁までの長さＬｂと
の比（Ｌｂ／Ｌａ）を０よりも大かつ０．５以下とした
ことを特徴としている。

【０００７】また請求項２記載の発明は、前記周辺薄肉
部は、前記環状溝の外溝縁に連なりかつ一定の厚さｔ２
でフェース部の周縁側にのびる定厚部を有することを特
徴とする請求項１記載のゴルフクラブヘッドである。

【０００８】また請求項３記載の発明は、前記周縁薄肉
部は、前記中央厚肉部の外縁と前記環状溝との間に、フ
ェース部の周縁に向かって厚さが減少する漸減部を有す
ることを特徴とする請求項１又は２記載のゴルフクラブ
ヘッドである。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下本発明の実施の一形態を図面
に基づき説明する。図１は本発明の実施形態に係るゴル
フクラブヘッドの正面図、図２は、その縦断面図を例示
している。図において、ゴルフクラブヘッド（以下、単
に「ヘッド」ということがある。）１は、ボールを打撃
するフェース部２と、ヘッド上面をなすクラウン部３
と、ヘッド底面をなすソール部４と、前記クラウン部３
とソール部４との間をのびヘッド側面を形成するサイド
部５と、図示しないシャフトが装着される筒状のネック
部６とを具えたものが例示され、本例では金属材料から
なりかつ内部を中空としたウッド型のものが例示されて
いる。

【００１０】前記ヘッド１は、鍛造、鋳造、プレスフォ
ーミングなどにより形成され、高強度かつ低比重のチタ
ン合金を用いるのが望ましい。特にボールを打球するフ
ェース部２は、引張強度が大であるβ型チタン合金を用
いるのが望ましい。β型チタン合金としては、例えばＴ
ｉ−１５Ｖ−３Ｃｒ−３Ａｌ−３Ｓｎ、Ｔｉ−２２Ｖ−
４Ａｌ、Ｔｉ−１５Ｍｏ−５Ｚｒ−３Ａｌ、Ｔｉ−１０
Ｖ−２Ｆｅ−３Ａｌ、Ｔｉ−１３Ｖ−１１Ｃｒ−３Ａ
ｌ、Ｔｉ−８Ｍｏ−８Ｖ−２Ｆｅ−３Ａｌ、Ｔｉ−３Ａ
ｌ−８Ｖ−６Ｃｕ−４Ｍｏ−４Ｚｒ、Ｔｉ−１１．５Ｍ
ｏ−６Ｚｒ−４．５Ｓｎ、又はＴｉ−１５Ｍｏ−５Ｚｒ
等が挙げられ、加工性等の観点より前５者が好ましい。
なおβ型チタン合金は、鋳造には不向きであるため、フ
ェース部２を除いたヘッド本体部については鋳造容易な
α＋β型のチタン合金（本例ではＴｉ−６Ａｌ−４Ｖ）
で形成し、両部材を溶接等により接合して形成すること
が生産性の観点より望ましい。

【００１１】また、前記フェース部２は、一定厚さｔ１
の中央厚肉部２Ａと、この中央厚肉部２Ａの外側に形成
された周辺薄肉部２Ｂとから構成されている。前記中央
厚肉部２Ａは、ヘッド重心Ｇからフェース面Ｆに対する
法線Ｎがフェース面Ｆと交わるスイートスポット点ＳＳ
とその近傍のフェース部の中心点Ｃとを含む領域として
構成されている。

【００１２】フェース部の中心点Ｃは、図１、図３に示
すように、ヘッド１を規定のライ角β、ロフト角で水平
面に載置した基準状態において、フェース部２の周縁Ｅ
のトウ端を通る最もトウ側の垂直面（フック角の基準と
なる垂直面と直交し、以下同じとする。）ＶＰ１と同周
縁Ｅの最もヒール端を通るヒール側の垂直面ＶＰ２との
中間を通る中間垂直面ＶＣを定めるとともに、同周縁Ｅ
の最もクラウン部３側を通るクラウン側の水平面ＨＰ１
と最もソール部４側を通るソール側の水平面ＨＰ２との
中間を通る中間水平面ＨＣを定め、これらの中間垂直面
ＶＣ、中間水平面ＨＣの交線がフェース面Ｆと交わる点
をフェース部の中央点Ｃとする。

【００１３】また前記フェース部の周縁Ｅは、図４
（Ａ）に示す如く、前記スイートスポット点ＳＳを通る
フェース面Ｆに対する接線（図４（Ａ）では、Ａないし
Ｄの４本のみを例示）Ｒを引くとともに、この各接線Ｒ
に対して２０゜の角度でヘッド後方へと広がる傾斜線Ｕ
を引き、この傾斜線Ｕとヘッド表面とが交わる交点を連
続して求めて特定しうる。

【００１４】前記スイートスポット点ＳＳとフェース部
の中心点Ｃとは近接して設けられる。このように、スイ
ートスポット点ＳＳをフェース部の中心点Ｃに近づけて
設けることにより、フェース部２の固有振動数をより有
効に減じることができ、ヘッドの１反発性能をさらに向
上するのに役立つ。このような観点より、スイートスポ
ット点ＳＳとフェース部の中心点Ｃとの間の距離Ｆ（図
１に示す）は、例えば０〜５mm、より好ましくは０〜３
mm、さらに好ましくはスイートスポット点ＳＳとフェー
ス部の中心点Ｃとを実質的に一致させるのが特に望まし
い。またスイートスポット点ＳＳを中央厚肉部２Ａに含
ませることにより、打球の時に該スイートスポット点Ｓ
Ｓに作用する大きな衝撃力を確実に受け止めフェース部
２の割れ等を抑制しうる。

【００１５】また前記中央厚肉部２Ａは、本例ではその
厚さｔ１が２．０〜３．５mmの範囲で実質的一定に設定
される。この中央厚肉部２Ａの厚さｔ１が２．０mm未満
であると、反発性能は向上しうるが、フェース部２の強
度が低下し耐久性を損ねる傾向がある。また前記厚さｔ
１が３．５mmを超えると、不必要にフェース部２の剛性
を高めてしまい、反発性能の向上が全く期待できない。
このような観点より、中央厚肉部２Ａの厚さｔ１は、好
ましくは２．３〜３．３mm、より好ましくは２．５〜
３．０mm、さらに好ましくは２．７〜２．９mmで構成す
るのが望ましい。なお実質的に一定の厚さとは、厚さの
変化が±０．５mm程度を許容しうる。

【００１６】また中央厚肉部２Ａは、フェース部２の耐
久性を確保する領域でもあり、その厚さｔ１を一定とす
ることで打球時の応力集中が生じるのを防止している。
なおこの中央厚肉部２Ａの表面に、ゴルフ規則に基づく
寸法でフェースライン溝（図示省略）が形成されている
場合、前記厚さｔ１は、フェースライン溝以外の部分の
厚さとし、この部分で一定かつ前記範囲に保たれていれ
ば足りる。

【００１７】前記周縁薄肉部２Ｂは、図２に示すよう
に、中央厚肉部２Ａの外縁２Ａｅからフェース部２の周
縁Ｅ側、即ちクラウン部３、ソール部４、サイド部５に
前記厚さｔ１よりも小厚さで連なる。またこの周辺薄肉
部２Ｂの内面には、前記中央厚肉部２Ａを囲む環状溝７
が形成される。このような環状溝７を形成した周縁薄肉
部２Ｂは、フェース部２の剛性を効率的に低下させるこ
とができ、打球時にフェース部２を十分に撓ませるなど
ヘッド１の反発性能を向上し、いわゆるスプリング効果
を発揮しうる。その結果、打球の打ち出し初速を増し飛
距離を増大させる。

【００１８】本例の周辺薄肉部２Ｂは、前記環状溝７の
外溝縁７ｏに連なりかつ一定の厚さｔ２でフェース部２
の周縁Ｅ側にのびる定厚部９と、中央厚肉部２Ａの外縁
２Ａｅと環状溝７との間にフェース部２の周縁側に向か
って厚さが減少する漸減部１０とを形成したものを例示
している。このように、環状溝７の外、内に定厚部９と
漸減部１０を形成することにより、フェース部２の耐久
性と反発性能とをバランス良く向上する。

【００１９】前記定厚部９の厚さｔ２は、厚さｔ１より
も小であるが、例えば１．５〜２．２mm、より好ましく
は１．７〜２．１mm、さらに好ましくは１．８〜２．０
mmとすることが望ましい。一般にフェース部２の周縁Ｅ
側ほど、打球時に作用する応力は小さくなる。従って、
環状溝７の外側の定厚部９を上述のように薄肉化しても
強度的な影響は比較的少ないため、強度的に影響が小さ
い部分をより薄くして反発性能を更に向上できる。ただ
し、定厚部９の厚さが１．５mm未満であると、フェース
部２の耐久性が低下する傾向があり、逆に２．２mmを超
えてもフェース部２の剛性を高め、反発性能の向上効果
が得られ難い場合がある。とりわけ、この定厚部９の厚
さｔ２と前記中央厚肉部２Ａの厚さｔ１との比（ｔ２／
ｔ１）は、好ましくは０．５〜０．９、より好ましくは
０．６〜０．７として、フェース部２の反発性能と耐久
性能とをバランス良く向上するのが良い。

【００２０】また本例の漸減部１０は、中央厚肉部２Ａ
の外縁２Ａｅからフェース部２の周縁Ｅ側に向かって厚
さが滑らかに単調的減少するものを例示している。これ
により、中央厚肉部２Ａと環状溝７とのとの間で大きな
剛性段差が生じるのを防止し、打球時の応力集中による
耐久性悪化を効果的に防止しうる。またこの漸減部１０
において、本例では中央厚肉部２Ａの外縁２Ａｅと環状
溝７の外溝縁７ｏとを継ぐ直線Ｘに対して、漸減部１０
がフェース面Ｆ側に位置しているが、この漸減部１０の
内表面と前記直線Ｘとのなす絶対値の角度αを２０゜以
下、より好ましくは１０゜以下、さらに好ましくは５゜
以下とするのが望ましい。前記角度αが２０゜を超える
と、フェース部の周縁側に向かって厚さが急激に減少
し、耐久性を低下させやすい傾向がある。

【００２１】また漸減部１０において、厚さが漸減する
例としては、図５に示すように、厚さが階段状に減少す
るものでも良く、またこのような階段状に減少する部分
と、図２に示した滑らかに減少する部分とを混在させて
も良いなど、種々の態様を含め得る。さらに減厚部２Ｂ
は、図９に示すような態様にも構成できる。

【００２２】前記環状溝７は、本例では図６に拡大して
示すように、内外の溝壁７ａ、７ｂと、この溝壁７ａ、
７ｂ間を継ぐ溝底７ｃとを含み、溝壁７ａ、７ｂと溝底
７ｃとの間には円弧部を介在させ応力集中を防止するも
のとして形成される。環状溝７の開口部分の溝巾Ｗ１
は、例えば３〜８mm、好ましくは４〜７mm、さらに好ま
しくは５〜６mmとするのが望ましく、溝底巾Ｗ２は、例
えば０〜５mm、好ましくは１〜４mm、さらに好ましくは
２〜３mmとするのが望ましい。前記該溝巾Ｗ１又は溝底
巾Ｗ２が小さすぎると、環状溝７の溝容積が十分に確保
できず、逆に大きすぎるとフェース部２の耐久性を低下
させるおそれがある。

【００２３】また前記溝壁７ａ、７ｂのフェース面Ｆの
法線に対する傾斜角度θは、例えば外開きの角度として
例えば０〜６０゜程度、好ましくは３０〜５０゜、より
好ましくは４０〜４５゜となるように設定する。なお図
７（Ｄ）に示すように、溝巾が溝底から溝縁側に向かっ
て減少するものでは、アンダーカットとなり、環状溝７
の加工が困難になるほか、耐久性の低下が大きくなる。
また、前記角度θが大きすぎるとフェース部２の反発性
能の向上が効果的に実現できない傾向がある。

【００２４】また環状溝７の溝底７ｃとフェース面Ｆと
の間の最小厚さｔ３は、耐久性の悪化防止と反発性能の
向上という観点より、例えば１．０mm以上かつ１．５未
満、好ましくは１．１〜１．４mm、さらに好ましくは
１．２〜１．３mmとするのが望ましい。なお環状溝７
は、図７（Ａ）〜（Ｃ）に示すように、溝巾が溝底から
溝縁側に向かって同一ないし徐々に増加するように設定
されるものであれば、種々の形状で設定できる。

【００２５】また本発明のヘッド１は、環状溝７の外溝
縁７ｏから前記フェース部２の周縁Ｅまでの距離Ｓを１
〜１０mmとしている。該距離Ｓは、ヘッド１の前記基準
状態において、フェース部の周縁Ｅ、環状溝７の外溝縁
７ｏをフェース部の中央点Ｃを通る直線上に投影して測
定し、フェース面下に沿った長さとする。前記距離Ｓが
１mm未満になると、環状溝７がクラウン部３に達するた
め著しくフェース部２の耐久性を低下させる。逆に前記
距離Ｓが１０mmを超えても、フェース部２の反発性能を
十分に向上できない。より好ましくは前記距離Ｓを１〜
８mm、さらに好ましくは２〜５mmとするのが望ましい。
なおこの距離Ｓは、環状溝７の全周の位置にて満たすこ
とが必要である。

【００２６】また本発明では、図１に示すように、フェ
ース部の中心点Ｃからフェース部の周縁Ｅ上の任意の点
Ｐまでの直線Ｋのフェース面Ｆに沿った長さＬａと、該
直線Ｋ上におけるフェース部の中心点Ｃから前記中央厚
肉部の外縁２Ａｅ（フェース面上に投影される）までの
フェース面Ｆに沿った長さＬｂとの比（Ｌｂ／Ｌａ）を
０．１〜０．５としている。前記比（Ｌｂｉ／Ｌａｉ）
が０．１未満であると、中央厚肉部２Ａの領域が小さく
なるため、フェース部２は低剛性となりボールへの反発
力は向上する一方、強度が低下し、打球時の損傷が生じ
易く好ましくない。逆に前記比が０．５を超えるとフェ
ース部２の剛性が高くなりすぎ、反発性能が悪化する傾
向がある。このような観点より、特に好ましくは前記比
（Ｌｂｉ／Ｌａｉ）を０．１〜０．３、より好ましく
は０．１〜０．２とするのが望ましい。

【００２７】以上、本発明の実施形態について、ウッド
型のゴルフクラブヘッドを例に挙げ説明したが、本発明
はこのような形態に限定されるものではなく、中空部を
有するヘッドであれば、アイアン型やユーティリティ型
などについても適用することが可能である。

【００２８】

【実施例】以下、本発明をより具現化した実施例につい
て説明する。表１、２、図２に示すフェース部の基本仕
様にてウッド型のゴルフクラブヘッドをそれぞれ試作
し、反発性能、耐久性をテストした。なお各ヘッドとも
材料をＴｉ−６Ａｌ−４Ｖとしてロストワックス精密鋳
造によって製造し、ヘッド体積３００cm3 、ヘッド質量
１９０ｇ、ロフト角１０゜、ライ角５６゜フック角２゜
のドライバーとした。またクラウン部の厚さは約０．９
mm、ソール部の厚さは１．３mm、サイド部の厚さは１．
０mmとした。テスト方法は次の通りである。

【００２９】＜反発性能テスト＞反発性能テストは、
Ｕ．Ｓ．Ｇ．Ａ．の Procedure for Measureing the Ve
locity Ratio of a Club Head for Conformance to Rul
e 4-1e, Revision 2 (February 8, 1999) に基づき行っ
た。具体的にはタイトリスト社製のゴルフボール（ピナ
クルゴールド）をボール発射装置を用いて速度１６０フ
ィート（４８．７７ｍ／ｓ）でヘッドの１ｍ手前から発
射し、台座上に固着することなく載置されたヘッドのフ
ェース部のスイートスポットに衝突させる。ヘッドから
１３インチ（３３０．２mm）の位置及び２５インチ（６
３５mm）の位置にそれぞれ速度センサを設置し、２つの
センサー間で跳ね返ったボールの速度を測定し、以下の
式から反発係数ｅを算定した。数値が大きいほど、良好
である。（Ｖｏ／Ｖｉ）＝（ｅＭ−ｍ）／（Ｍ＋ｍ）ただし、Ｖｉはゴルフボールの入力速度（＝４８．７７
ｍ／ｓ）、Ｖｏはゴルフボールの跳ね返り速度、Ｍはヘ
ッドの質量、ｍはゴルフボールの平均質量である。

【００３０】＜耐久性テスト＞各供試ヘッドを治具等を
用いて固定するとともに、そのフェース部の中央に、住
友ゴム工業（株）製のゴルフボール（MAXFLI HI-BRID）
を速度５５ｍ／ｓでフェース面と直角に衝突するように
設定し、打球面が損傷するまでの衝突回数を測定した。
３００回の衝突でフェース部に割れが生じなければ実用
上満足のゆくレベルといえる。テストの結果などを表
１、表２に示す。

【００３１】

【表１】

【００３２】

【表２】

【００３３】テストの結果、実施例のものは、比較例と
比べて、耐久性を損ねることなく反発性能を向上してい
ることが確認できる。

【００３４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のゴルフク
ラブヘッドは、フェース部の耐久性を低下させることな
く打球時にフェース部を十分に撓ませるなどヘッド反発
性能を向上しうる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態を示すヘッドの正面図であ
る。

【図２】その拡大縦断面図である。

【図３】ヘッドの正面図である。

【図４】（Ａ）はヘッドの正面図、（Ｂ）はそのＡ−Ａ
断面図、（Ｃ）は（Ａ）のＢ−Ｂ断面図である。

【図５】本実施形態のヘッドにおけるフェース部の周縁
の拡大断面図である。

【図６】環状溝の拡大断面図である。

【図７】（Ａ）〜（Ｄ）は環状溝を説明する断面図であ
る。

【図８】本実施形態のヘッドにおけるフェース部の周縁
の拡大断面図である。

【図９】本実施形態のヘッドにおけるフェース部の周縁
の拡大断面図である。

【図１０】（Ａ）、（Ｂ）は、従来のヘッドを説明する
線図である。

【符号の説明】

１ゴルフクラブヘッド２フェース部２Ａ中央厚肉部２Ｂ周縁薄肉部３クラウン部４ソール部５サイド部６ネック部７環状溝７ｏ環状溝の外溝縁９定厚部１０減厚部Ｅフェース部の周縁ＳＳスイートスポット点Ｃフェース部の中心点

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ボールを打球するフェース部を有するゴル
フクラブヘッドであって、前記フェース部は、ヘッド重心からフェース面に対する
法線がフェース面と交わるスイートスポット点とその近
傍のフェース部の中心点とを含みかつ実質的に一定厚さ
ｔ１の中央厚肉部と、この中央厚肉部の外縁からフェース部の周縁側に前記厚
さｔ１よりも小厚さで連なる周辺薄肉部とからなり、かつこの周辺薄肉部の内面に、前記中央厚肉部を囲む環
状溝を形成するとともに、この環状溝の外溝縁から前記
フェース部の周縁までの距離Ｓを１〜１０mmとし、しかも前記フェース部の中心点からフェース部の周縁上
の任意の点までの直線Ｋの長さＬａと、該直線Ｋ上にお
けるフェース部の中心点から前記中央厚肉部の外縁まで
の長さＬｂとの比（Ｌｂ／Ｌａ）を０よりも大かつ０．
５以下としたことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項２】前記周辺薄肉部は、前記環状溝の外溝縁に
連なりかつ一定の厚さｔ２でフェース部の周縁側にのび
る定厚部を有することを特徴とする請求項１記載のゴル
フクラブヘッド。
【請求項３】前記周縁薄肉部は、前記中央厚肉部の外縁
と前記環状溝との間に、フェース部の周縁に向かって厚
さが減少する漸減部を有することを特徴とする請求項１
又は２記載のゴルフクラブヘッド。