JP4263950B2 - ゴルフクラブヘッド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、打球の飛距離を増大しうるのに役立つゴルフクラブヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、打球の飛距離を増大させるために、ゴルフクラブヘッドの反発係数を大きくする試みがなされている。反発係数を大きくするには、フェース部ないしその周辺部の剛性を小さくすることが有効である。これに関連し、例えば次の特許文献1ないし2が提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−170229号公報
【特許文献2】
特開2003−774号公報
【0004】
特許文献2の提案では、図12に略示するように、フェース面aを有するフェース部材bと、該フェース部材bと固着されるヘッド本体cとからなるゴルフクラブヘッドdを開示している。フェース部材bには、フェース面の上縁、下縁からヘッド後方に夫々のびるクラウン側延長部e1、ソール側の延長部e2が一体に設けられる。このようなヘッドdは、フェース部材bとヘッド本体cとの接合部(溶接部)をフェース面aの周縁からヘッド後方へと遠ざける。接合部(溶接部)は剛性が高くなりがちであるため、これをフェース面aの周縁からヘッド後方へと遠ざけることにより、ヘッドの反発係数の向上を図っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
発明者らは、上記提案を前提としつつもさらにコンピュータシミュレーション等を用いてヘッドの反発特性について種々実験を行った。その結果、フェース面aの周囲の剛性を小さくすることは反発性能の向上に有利に作用するのは前述の通りであるが、とりわけクラウン部のフェース面寄りの部分であるクラウン前縁部のトウ、ヒール方向の中間領域Cの剛性を小さくすることが反発性能の向上には特に有効であることを知見した。
【0006】
本発明は、以上のような実情に鑑み案出なされたもので、ヘッド本体にクラウン側延長部よりも厚さが小かつクラウン側延長部と固着されるクラウン主部を含ませる一方、前記クラウン側延長部のヘッド後方への長さを、トウ側部及びヒール側部で大きく中央部で小さくすることを基本として、クラウン前縁部の中央領域に、厚さが小さいクラウン主部が占める領域を増し、ひいては反発性能を向上しうるゴルフクラブヘッドを提供することを目的としている。
【0007】
本発明のうち請求項1記載の発明は、フェース面を有するフェース部材と、該フェース部材と固着されるヘッド本体とからなるゴルフクラブヘッドであって、
前記フェース部材は、ヘッド後方にのびクラウン前縁部を形成するクラウン側延長部と、ソール前縁部を形成するソール側延長部とを有し、
かつ前記ヘッド本体は、前記クラウン側延長部tc1よりも厚さtc2が小かつ該クラウン側延長部と突き合わせて固着されることによりクラウン部を形成するクラウン主部を含むとともに、
前記クラウン側延長部の厚さtc1と、前記クラウン主部の厚さtc2との比(tc2/tc1)を0.5〜0.9とし、
かつ前記クラウン側延長部は、ヘッド後方への長さがトウ側部及びヒール側部で大きく中央部で小さくする一方、
前記ヘッド本体は、前記ソール側延長部よりも厚さが大かつ該ソール側延長部と突き合わせて固着されることによりソール部を形成するソール主部を含むとともに、
前記ソール側延長部は、ヘッド後方への長さがトウ側部及びヒール側部で小さく中央部で大きいことを特徴とする。
【0008】
また請求項2記載の発明は、 前記中央部は、フェース幅FWの中心FCを中心として該幅FWの35〜55%としたことを特徴とする。
【0009】
また請求項3記載の発明は、ソール側延長部の中央部の長さは、7〜25 mm であることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、前記ソール側延長部の厚さts1と、前記ソール主部の厚さts2との比(ts1/ts2)が0.5以上かつ1.0よりも小であることを特徴とする。
【0011】
また請求項5記載の発明は、前記クラウン側延長部は、前記中央部の長さLccと、前記トウ側部の長さLct又はヒール側部の長さLchとの差が2mm以上であることを特徴としている
【0012】
また請求項6記載の発明は、前記ソール側延長部は、前記中央部の長さLscと、前記トウ側部の長さLst又はヒール側部の長さLshとの差が2mm以上であることを特徴としている
【0013】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1は本発明の実施形態に係るゴルフクラブヘッドの斜視図、図2は、その分解斜視図、図3はヘッドの縦断面図、図4(A)、(B)は、その部分拡大図、図5、図6はヘッドを分解した平面図及び底面図をそれぞれ示している。
【0014】
図において、ゴルフクラブヘッド(以下、単に「ヘッド」ということがある。)1は、ボールを打撃するフェース面Fを表面とするフェース部2と、ヘッド上面をなすクラウン部3と、ヘッド底面をなすソール部4(図1では見えない)と、前記クラウン部3とソール部4との間をのびヘッド側面を形成するサイド部5と、図示しないシャフトが装着されるネック部6とを具えたものが例示される。また本例のヘッド1は、金属材料からなりかつ内部を中空としたウッド型のものが例示される。
【0015】
また図2に示すように、本実施形態のヘッド1は、前記フェース面Fを有するフェース部材12と、このフェース部材12と本例では溶接により固着されて該ヘッド1を形成するヘッド本体13とからなり、2つのパーツを接合することにより構成される所謂2ピース構造のものが例示される。このような2ピース構造は、部品数ないし溶接箇所を減じて生産工程数を削減し、生産性を向上し得るほか、寸法や角度のバラツキなどを抑制するのにも役立つ。
【0016】
前記ヘッド本体13は、前記クラウン部3の主要部をなすクラウン主部14と、ソール部4の主要部をなすソール主部15と、前記クラウン主部14とソール主部15との間を継ぎかつヘッド周囲をなすサイド主部16と、前記ネック部6とを一体に具えるとともに、前面に前記フェース部材12が配される開口部Oを有するものが示される。
【0017】
前記クラウン主部14は、クラウン部3の主要部を構成しており、フェース面側の前端縁は後述するフェース部材12のクラウン側延長部9aの端縁形状に合わせて周形状に切り欠かれている。クラウン主部14の厚さtc2(図3ないし図4(A)に示す。)は、特に限定はされないが、大きすぎるとヘッド上部に大きな重量が配されるためヘッド重心が高くなる他、ヘッドの反発性を悪化させる不具合があり、逆に小さすぎると強度不足を招きヘッド耐久性を悪化させる傾向がある。このような観点より、クラウン主部14の厚さtc2は、好ましくは0.5〜1.5mm、より好ましくは0.5〜1.0mm、さらに好ましくは0.6〜0.8mmとするのが望ましい。
【0018】
またソール主部15は、ソール部4の主要部を構成しており、そのフェース側の前端縁は後述するフェース部材12のソール側延長部9bの端縁形状に合わせて同形状に切り欠かれている。またソール主部15の厚さts2(図3ないし図4(B)に示す。)も、特に限定はされないが、大きすぎるとむやみにヘッド重量を大とする傾向があり、逆に小さすると、強度不足を招きヘッド耐久性を悪化させる傾向がある。特にソール部4はスイング時に地面と接触する機会が多いため、ヘッドの変形などが生じやすくなる。このような観点より、ソール主部15の厚さts2は、好ましくは1.0〜2.5mm、より好ましくは1.3〜1.8mm、さらに好ましくは1.5〜1.8mmとするのが望ましい。
【0019】
本実施形態では、ソール主部13、クラウン主部14はいずれも実質的に一定の厚さで形成されたものが例示されるが、いずれか又は双方とも厚さが変化するものでも良い。厚さを変化させる場合、該変化を滑らかに行うのが特に好ましい。厚さを変化させた場合、前記厚さtc2、ts2などは、各部の厚さが有する面積を考慮して、該面積で重み付けして得ることができる。すなわち、クラウン主部14の平均厚さtc2aを例に挙げると、下記式で計算しうる。
tc2a=Σ(tc2i・Si)/ΣSi (i=1,2…)
ここで、tc2iはクラウン主部14の任意の領域iの実厚さ、Siは、前記領域iの面積とする。
【0020】
また、前記ネック部6は、円形のシャフト差込孔6aを有する筒状体を含み、ヘッド1を規定のライ角に傾ける際にはこのシャフト差込孔6aの軸中心線CLを基準とすることができる。
【0021】
ヘッド本体13は、例えばアルミニウム合金、チタン、チタン合金、ステンレスなどの各種の金属材料により形成することができる。本例ではα+β型チタン合金であるTi−6Al−4Vが採用される。またヘッド本体13は、好ましくはロストワックス精密鋳造法によって前記各部が一体成形されたものを例示している。これにより、各部の厚さを、鍛造成形などに比して比較的容易にかつ精度良く調節することができる。また、鋳造による一体成形は、ソール主部15に対してネック部6を精度良く成形でき、ライ角などのバラツキを減じるのに効果がある。ヘッド本体3は、他の種々の材料、加工法により製造されても勿論良く、さらには2以上のパーツに分けて成形されこれらを溶接等により接合したものを用いても良い。
【0022】
前記フェース部材12は、図4(A)に示すように、フェース面Fを形成する基部7と、この基部7の背面7Bからヘッド後方にのびる延長部9とを一体に具えて構成されている。基部7と延長部9とは、溶接等により接合されているのではなく、プレス等による曲げ加工、鋳造又は鍛造等によって予め一体に形成されたものである。本実施形態では、チタン合金を熱間鍛造することにより一体形成した鍛造品からなる。
【0023】
基部7は、フェース部2の主要部を含むものが望ましく、本例ではフェース部2の実質的全域を形成するものが例示される。基部7の厚さtf(図3に示す)は、特に限定はされないが、小さすぎると強度が不足して打球時の衝撃等により割れや凹みといった損傷ないし塑性変形が生じるおそれがあり、逆に大きすぎると、フェース部2の剛性が大となるため反発性能が悪化しやすい他、ヘッド重量が増大してしまう。このような観点より、基部7の厚さtfは、好ましくは1.8〜3.5mm、より好ましくは2.0〜3.0mm、さらに好ましくは2.0〜2.8mmとするのが望ましい。なお、基部7は、必ずしもフェース部2の全域を含む必要はなく、その一部を欠くものでも良い。
【0024】
延長部9は、クラウン部3のフェース面側の部分であるクラウン前縁部を形成するクラウン側延長部9aを含む。クラウン側延長部9aは、図2に示すように、例えばフェース面の上縁のトウ端Teからヒール端Thに亘ってトウヒール方向に延在しており、かつ基部7の背面7Bからヘッド後方に小長さでのびている。そして、本例ではクラウン側延長部9aと、ヘッド本体13の前記クラウン主部14とは、互いの端縁面を突き合わされて溶接され、これによりクラウン部3が形成されている。
【0025】
延長部9は、クラウン側延長部9aのほか、前記ソール主部15と固着されることによりソール部4の前縁部を形成するソール側延長部9bが含まれる。本例ではさらにサイド部5のトウ側部分の一部を形成するトウサイド側延長部9cと、サイド部5のヒール側部分の一部を形成するヒールサイド側延長部9dとを含むのが例示されている。このようなフェース部材12の延長部9は、図2に示すように、ネック部6を接合される部分を除いてフェース面の周縁にほぼ環状に形成されている。
【0026】
またクラウン側延長部9aの厚さtc1は、特に限定はされないが、小さすぎると強度が不足して打球時の衝撃等により該延長部9aに割れや凹みなどの損傷が生じやすくなり、逆に大きすぎてもクラウン前縁部の剛性が大となるため反発性能が悪化しやすい。このような観点より、クラウン側延長部9aの厚さtc1は、好ましくは0.5〜2.0mm、より好ましくは0.8〜1.5mm、さらに好ましくは1.0〜1.3mmとすることが望ましい。また同様の観点より、ソール側延長部9bの厚さts1は、好ましくは0.7〜2.0mm、より好ましくは0.9〜1.5mm、さらに好ましくは1.1〜1.5mmとすることが望ましい。
【0027】
またクラウン側延長部9aは、図2、図5に示すように、トウ側寄りのトウ側部9atと、ヒール側寄りのヒール側部9ahと、これらの間の中央部9acとに仮想区分したとき、ヘッド後方への長さLがトウ側部9at及びヒール側部9ahで大きく、中央部9acで小さく設定されている。本実施形態では、図5のように、クラウン側延長部9aは、平面視にてヘッド後方に向かって凹状のものが示される。
【0028】
他方、これとは逆にソール側延長部9bは、図6に示すように、そのトウ側部9btとヒール側部9bhと中央部9bcとに仮想区分したとき、ヘッド後方への長さLがトウ側部9bt及びヒール側部9bhで小さく中央部9bcで大きく設定されている。ソール側延長部9bは、平面視にてヘッド後方に向かって凸状のものが示される。
【0029】
このようなヘッド1は、図1に鎖線で示すように、フェース部材12とヘッド本体13との溶接部である接合位置jがフェース面2の周縁Eからヘッド後方へと遠ざかるため、該周縁E付近の剛性が溶接部によって高められるのを防止でき反発性能の低下を防止できる。また図5に示すように、打球時の反発性に大きな影響を与えるクラウン前縁部の中央領域Cでは、クラウン側延長部9aよりも厚さが小のクラウン主部14の占める領域を増すことができる。従って、クラウン前縁部の中央領域Cでの剛性を効果的に低下させることができるから、ヘッド1の反発性能を向上しうる。また打球時の反発性への寄与が比較的少ないクラウン前縁部のトウ側領域及びヒール側領域では、厚さが大きいクラウン側延長部9aの占める面積を増すことによって、必要な強度を付与することができ、ヘッドの耐久性を維持することができる。
【0030】
このように、本発明のヘッドでは、クラウン側延長部9aの厚さtc1と、クラウン主部14の厚さtc2との違いを前提とし、クラウン側延長部9bのヘッド後方への各長さLct、Lcc及びLchを規制することにより、強度の低下を防止しつつヘッドの反発性を高め得る。とりわけ、クラウン側延長部の厚さtc1と、クラウン主部の厚さtc2との比(tc2/tc1)を0.5以上かつ1.0よりも小、より好ましくは0.5以上かつ0.9以下、さらに好ましくは0.6〜0.9以下とし、本発明においては0.5〜0.9としている。これにより、反発性能と耐久性とをより一層バランス良く向上しうる。加えて、クラウン前縁部において、トウ及びヒール領域の重量が中央部に比して相対的に増すことによって、ヘッドの慣性モーメントが増加するため、打球の方向性をも安定させることができる。
【0031】
ここで、クラウン側延長部9aにおいて、中央部9acの長さLccは、特に限定されるものではないが、大きすぎると上述の反発性能の向上効果が十分に期待できず、逆に小さすぎてもクラウン前縁部の剛性が過度に低下してヘッドの耐久性を悪化させるおそれがある。好ましくは、中央部9acの最小の長さLccを5〜20mm、より好ましくは6〜15mmさらに好ましくは7〜12mmとするのが望ましい。さらには、この中央部9acの長さLccと、トウ側部9atの最大の長さLct又はヒール側部9ahの最大の長さLchとの各差(Lct−Lcc)、(Lch−Lcc)は、いずれも2mm以上、より好ましくは5mm以上、さらに好ましくは5〜10mmであることが望ましい。これによって、より確実にクラウン前縁部の中央領域での剛性の低下と、トウ及びヒール領域での補強効果とを発揮することができる。
【0032】
前記延長部9の長さLは、図7、図8に示すように、前記シャフト差込孔6aの軸中心線CLを垂直面VP1内に配しかつ規定のライ角βで傾けて水平面HPに静置した状態で、フェース面Fの周縁Eから前記垂直面VP1と直角方向にかつ水平面HPに沿って測定した長さとする。またフェース面の周縁Eは、その境界が明瞭な稜線によって囲まれるときには、該稜線として定める。しかしながら稜線が明瞭でないとき、図9(A)に示すようにヘッド重心Gとスイートスポット点SSとを結ぶ直線を含む多数の平面P1、P2…のヘッド断面(図9(B))において、フェース外面輪郭線Lfの曲率半径rがフェース面の中心から初めて200mmとなる位置Peを周縁として定義する。
【0033】
また前記中央部9acは、好ましくは図7に示すように、フェース幅FWの中心FCを中心として該幅FWの30%以上、より好ましくは35%以上、さらに好ましくは35〜55%とすることが望ましい。該幅が30%未満であると、クラウン前縁部の剛性を低下させる効果が相対的に不足し易く、逆に55%を超えると、ヘッドの耐久性が低下し易くなる。
【0034】
またソール部4においては、図6に示したように、打球時の反発性に大きな影響を与えるソール前縁部におけるトウ、ヒール方向の中央領域では、ソール主部15よりも厚さが小さいソール側延長部9bが占める領域を増すことができる。従って、この実施形態では、ソール前縁部においても該中央領域での剛性を効果的に低下させることができるから、ヘッド1の反発性能をより一層向上させることが可能である。また打球時の反発性への寄与が比較的少ないソール前縁部のトウ側領域及びヒール側領域では、厚さが大きいソール主部15が占める面積を増すことによって、必要な強度を確保することができ、ヘッドの耐久性を維持することができる。とりわけソール側延長部の厚さts1と、ソール主部の厚さts2との比(ts1/ts2)を、0.5以上かつ1.0よりも小、より好ましくは0.5以上かつ0.9以下、さらに好ましくは0.6以上かつ0.8以下とすることにより、さらに反発性能と耐久性とをバランス良く向上しうる。
【0035】
また、ソール側延長部9bにおいても、中央部9bcの長さLscは特に限定されるものではないが、小さすぎると上述の反発性能の向上効果が十分に期待できず、逆に大きすぎてもソール前縁部の剛性が過度に低下してヘッドの耐久性を悪化させるおそれがある。このましくは、中央部9bcの長さLscを7〜25mm、より好ましくは10〜20mmさらに好ましくは12〜17mmとするのが望ましい。さらには、この中央部9bcの最大の長さLscと、トウ側部9btの最小の長さLst又はヒール側部9bhの最小の長さLshとの各差(Lst−Lsc)、(Lsh−Lsc)は、いずれも2mm以上、より好ましくは 5mm以上、さらに好ましくは5〜10mmであることが望ましい。これによって、より確実にソール前縁部の中央領域での剛性の低下と、トウ及びヒール領域での補強効果とを発揮することができる。
【0036】
上記実施形態では、クラウン側延長部9a、ソール側延長部9bは、その後端縁の輪郭がほぼ段階的に長さLが変化するように形成されたものを示したが、図10、図11に示すように、前記長さLが滑らかに変化する態様も好ましく実施しうる。図10では、クラウン側延長部9aの後端縁を円弧状で輪郭付けており、また図11では、前記後端縁を滑らかなV字状としている。これらの形態では、クラウン前縁部の剛性が滑らかに変化することによって、フェース部材12とヘッド本体13との接合部への応力集中を防止し、ヘッドの耐久性においてさらに有利な結果が得られる。このような各延長部9a、9bの後端部は、鍛造等の加工を経た後、例えばNC加工機などを用いて精度良く機械加工仕上げを行うことが望ましい
【0037】
本発明は、例えばヘッド体積が300cm3 以上の中空かつ大型のウッド型ゴルフクラブヘッドに特に好適ではあるが、アイアン型、ユーティリティ型、パター型などの各形態にも適用することが可能である。
【0038】
【実施例】
本発明の効果を確認するために表1の仕様によりゴルフクラブヘッドを試作し、各種のテストを行った。実施例、比較例のヘッドの共通仕様は次の通りである。
ヘッド体積350cm3
ヘッド質量:200g
フェース部(基部)の厚さ:3.0mm均一
ロフト角:10゜
ライ角:56゜
フック角:2.5゜
ヘッド本体:Ti−6Alー4Vのロストワックス精密鋳造品
フェース部材:SP700(NKK社製のチタン合金でTi−4.5Al−3V−2Mo−2Fe)
テスト方法は、次の通りである。
【0039】
<耐久テスト>
各供試ヘッドにFRP製の同一のシャフトを装着し45インチのウッド型ゴルフクラブを試作するとともに、該クラブをスイングロボットに取り付け、ヘッドスピードが50m/sとなるように調節してゴルフボール(住友ゴム工業(株)製/MAXFLI HI−BRID)を各クラブ毎に3000球づつ打撃し、ヘッドの損傷具合を確認した。
【0040】
<反発性能>
U.S.G.A.の Procedure for Measureing the Velocity Ratio of a Club Head for Conformance to Rule 4-1e, Revision 2 (February 8, 1999) に準拠して行い、反発係数を算定した。数値が大きいほど良好である。
テストの結果などを表1に示す。
【0041】
【表1】
Figure 0004263950
【0042】
テストの結果、実施例のものは比較例に比べると、反発性能を向上していることが確認できる。また耐久性においても満足しうる結果が得られた。
【0043】
【発明の効果】
上述したように、請求項1記載の発明では、フェース部材にヘッド後方にのびクラウン前縁部を形成するクラウン側延長部を設けるとともに、ヘッド本体にクラウン側延長部よりも厚さが小かつクラウン側延長部と突き合わせて固着されるクラウン主部を含ませる一方、前記クラウン側延長部のヘッド後方への長さを、トウ側部及びヒール側部で大きく中央部で小さくしているため、クラウン前縁部のトウ、ヒール方向の中央領域では厚さの小さいクラウン主部が占める面積が増すこととなる。これにより、クラウン前縁部の中央領域の剛性を低下させ、ヘッドの反発性能を大として打球の飛距離を増大させるのに役立つ。また、クラウン前縁部のトウ及びヒール領域では厚さが相対的に大きいクラウン側延長部の占める面積が増すことにより、強度を補い耐久性を確保することができる。
またクラウン側延長部の厚さtc1とクラウン主部の厚さtc2との比(tc2/tc1)を0.5〜0.9とすることにより、段落0030のように、反発性能と耐久性とをより一層バランス良く向上しうる。
【0044】
さらに、請求項1記載の発明は、前記フェース部材に、ヘッド後方にのびソール前縁部を形成するソール側延長部を設けるとともに、ヘッド本体に、このソール側延長部よりも厚さが大かつ該ソール側延長部と固着されることによりソール部を形成するソール主部を含ませる一方、ソール側延長部のヘッド後方への長さが、中央部で大きくトウ側部及びヒール側部で小さく形成することから、ソール前縁部のトウ、ヒール方向の中央領域において、厚さの小さいソール側延長部の占める面積を増すこととなる。これにより、ソール前縁部の中央領域の剛性を低下させ、ヘッドの反発性能をさらに大きくでき、より一層打球の飛距離を増大させるのに役立つ。また、ソール前縁部のトウ及びヒール領域では厚さが相対的に大きいソール主部の占める面積が増すことにより、強度を補い耐久性を確保することができる。
【0045】
請求項記載の発明のように、ソール側延長部の厚さts1とクラウン主部の厚さts2との比(ts1/ts2)を一定範囲に規制する態様では、反発性能を向上しつつ強度、耐久性などについてもバランス良く維持させることが可能となる。
【0046】
また請求項5ないし6記載の発明のように、クラウン側延長部、ソール側延長において、中央部の長さと、前記トウ側部の長さ又はヒール側部の長さとの差を2mm以上とすることにより、前記効果をより確実なものとし、好適に半発性能を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すゴルフクラブヘッドの斜視図である。
【図2】その分解斜視図である。
【図3】ヘッドの断面図である。
【図4】(A)、(B)はそれぞれ図3の部分断面図である。
【図5】ヘッドを分解した平面図である。
【図6】ヘッドを分解した底面図である。
【図7】ヘッドの正面図である。
【図8】ヘッドの平面である。
【図9】(A)は、ヘッドの正面図、(B)はそのP1断面図である。
【図10】本発明の他の実施形態を示すヘッドを分解した平面図である。
【図11】本発明の他の実施形態を示すヘッドを分解した平面図である。
【図12】従来のヘッドを示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 ゴルフクラブヘッド
2 フェース部
3 クラウン部
4 ソール部
5 サイド部
6 ネック部
6a シャフト差込孔
9a クラウン側延長部
9at クラウン側延長部のトウ側部
9ac クラウン側延長部の中央部
9ah クラウン側延長部のヒール側部
9b ソール側延長部
9bt ソール側延長部のトウ側部
9bc ソール側延長部の中央部
9bh ソール側延長部のヒール側部
12 フェース部材
13 ヘッド本体
14 クラウン主部
15 ソール主部
CL シャフト差込孔の軸中心線
F フェース面

Claims (6)

  1. フェース面を有するフェース部材と、該フェース部材と固着されるヘッド本体とからなるゴルフクラブヘッドであって、
    前記フェース部材は、ヘッド後方にのびクラウン前縁部を形成するクラウン側延長部と、ソール前縁部を形成するソール側延長部とを有し、
    かつ前記ヘッド本体は、前記クラウン側延長部tc1よりも厚さtc2が小かつ該クラウン側延長部と突き合わせて固着されることによりクラウン部を形成するクラウン主部を含むとともに、
    前記クラウン側延長部の厚さtc1と、前記クラウン主部の厚さtc2との比(tc2/tc1)を0.5〜0.9とし、
    かつ前記クラウン側延長部は、ヘッド後方への長さがトウ側部及びヒール側部で大きく中央部で小さくする一方、
    前記ヘッド本体は、前記ソール側延長部よりも厚さが大かつ該ソール側延長部と突き合わせて固着されることによりソール部を形成するソール主部を含むとともに、
    前記ソール側延長部は、ヘッド後方への長さがトウ側部及びヒール側部で小さく中央部で大きいことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  2. 前記クラウン側延長部の前記中央部は、フェース幅FWの中心FCを中心として該幅FWの35〜55%としたことを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
  3. ソール側延長部の中央部の長さは、7〜25 mm であることを特徴とする請求項1又は2記載のゴルフクラブヘッド。
  4. 前記ソール側延長部の厚さts1と、前記ソール主部の厚さts2との比(ts1/ts2)が0.5以上かつ1.0よりも小であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のゴルフクラブヘッド。
  5. 前記クラウン側延長部は、前記中央部の長さLccと、前記トウ側部の長さLct又はヒール側部の長さLchとの差が2mm以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
  6. 前記ソール側延長部は、前記中央部の長さLscと、前記トウ側部の長さLst又はヒール側部の長さLshとの差が2mm以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
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