JP3999493B2 - アイアン型ゴルフクラブヘッド - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、飛距離のバラツキを減じ安定した飛距離性能を得るのに役立つアイアン型ゴルフクラブヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
図6(A)及びそのA−A断面である(B)に示す如く、バックフェース部bにキャビティcを有し、しかもこのキャビティcにヘッド外周部へさらに凹ませたアンダーカット部d(図ではソール部側に凹ませたものを示す。)を形成したアイアン型のゴルフクラブヘッドでは、ヘッド重心Gが一般的なキャビティタイプのヘッドに比べてバックフェース部b側に位置する。従って、このようなヘッドは、ヘッド重心Gと、このヘッド重心Gから引いたフェース面fへの法線が該フェース面fと交わるスイートスポット点SSとの間の距離である重心深度Dが大となる傾向がある。重心深度Dの大きいヘッドは、スイートエリアが拡大する。
【0003】
また発明者らの種々の実験の結果、アンダーカット部dを有するヘッドのように重心深度Dが大になると、ウッド型ゴルフクラブヘッドに見られるように、スイートスポット点SSを外した位置で打球した際にギア効果が生じることも判ってきた。即ち、図7(A)に示すように、スイートスポット点SSよりもトウ側で打球した場合には、ヘッドは重心の周りを図において時計回りに回転するとともに、ボールBにはこれと逆向きの力が加わるため、目標飛球線Lよりもやや右方向に打ち出された後、反時計方向のいわゆるフックスピンにより緩やかに目標飛球線Lの方向に戻ることができる。また、同図(B)に示すように、スイートスポット点SSよりもヒール側で打球した場合には、ヘッドは重心の周りを図において反時計回りに回転するとともに、ボールBにはこれと逆向きの力が加わるため、目標飛球線Lよりもやや左方向に打ち出された後、時計方向のいわゆるスライススピンによって緩やかに目標飛球線Lの方向に戻ることができる。このように、横方向のギア効果は、ミスショット時において打球の左右のバラツキを減じる点で好ましいものとなる。
【0004】
ところで、アイアン型ゴルフクラブは、グリーンを直接狙うクラブであるため、何度打っても常に同じ飛距離が得られるという打球の飛距離安定性能が最も重視される。しかしながら、上述のギア効果が縦方向に現れると、ボールのバックスピン量が変化し、それが打球の高低差等に現れ、最終的には飛距離のバラツキとして生じ得る。例えば図8(A)に示すように、スイートスポット点SSよりも上側でボールBを打球した場合には、ヘッドは重心の周りを図において反時計回りに回転するとともに、打球にはこれと逆向きの力が加わるため、一般に高い打ち出し角度でかつバックスピン量が低減し飛距離が増加し易い。他方、同図(B)に示すように、スイートスポット点SSよりも下側で打球した場合には、ヘッドは重心の周りを図において時計回りに回転するとともに、打球にはこれと逆向きの力が加わるため低い打ち出し角でかつバックスピン量が増大し、吹け上がりにより飛距離が低下し易い。
【0005】
このように、アンダーカット部dを設けたヘッドにおいて、飛距離のバラツキを減じるためには、上述の縦方向のギア効果を抑えることが必要となってくる。ギア効果を減じるために、重心深度Dを小さくすれば良いが、それではスイートエリアが縮小されかつ横方向のギア効果が失われてしまうため好ましくない。
【0006】
本発明は、このように重心深度を大としたアイアン型ゴルフクラブヘッドに固有の問題点に鑑み案出なされたもので、ヘッドの水平軸周りの慣性モーメントを大きく設定することを基本として、横方向のギア効果を維持しつつ縦方向のギア効果を低減することにより、飛距離のバラツキを減じ安定した飛距離を得るのに役立つアイアン型ゴルフクラブヘッドを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、バックフェース部に、フェース面に向かって凹むキャビティを具えたアイアン型ゴルフクラブヘッドであって、
ヘッド本体部は、キャビティを囲む内壁部のフェース面側に、ヘッド外周部に向けて凹む座繰り状のアンダーカット部が設けられるとともに、
規定のライ角、ロフト角で水平面に載置した基準状態において、ヘッド重心と、このヘッド重心から引いたフェース面への法線が該フェース面と交わるスイートスポット点との間の距離である重心深度Dが4.0〜6.0mm、
かつ前記スイートスポット点の前記水平面からの高さであるスイートスポット高さHが18.0〜21.5mm、
しかも前記ヘッド重心を通りかつフェース面と平行な水平軸の周りのヘッドの慣性モーメントIaが700〜1000(g・ cm 2 )であることを特徴としている。
【0008】
さらに請求項1に係る発明は、 前記慣性モーメントIa(g・ cm 2 )とヘッド質量m(g)との比(Ia/m)を2.8〜3.80( cm 2 )とするとともに、
ヘッド重心Gを通る垂直軸周りの慣性モーメントIbは、2500〜3300g・ cm 2 かつこの慣性モーメントIb(g・ cm 2 )、ヘッド質量m(g)において、比(Ib/m)は10〜14( cm 2 )としたことを特徴とする。
【0009】
また請求項2記載の発明は、フェース巾Wを77〜83 mm 、フェース溝のトウ側端におけるトウ側のフェース高さh1を55〜62 mm 、ヒール側のフェース高さh2を32〜43 mm 、フェース面の前記中心線において、フェース高さh3が42〜48 mm 、しかも前記トウ側のソール巾SW1を22〜25 mm 、前記ヒール側のソール巾SW2を16〜21 mm に設定されたことを特徴とする
【0010】
また請求項3記載の発明は、反発係数が0.755〜0.830であることを特徴とする。
【0011】
なお本明細書において、前記反発係数は「U.S.G.A.の Procedure for Measureing the Velocity Ratio of a Club Head for Conformance to Rule 4-1e, Revision 2 (February 8, 1999) に基づき測定するものとする。具体的にはゴルフボールをボール発射装置を用いて発射し、台座上に固着することなく載置されたヘッドのフェース部のスイートスポットに衝突させ、ゴルフボールの衝突直前の入射速度Viと跳ね返り速度Voとを測定する。そして、ゴルフボールの入射速度をVi、跳ね返り速度をVo、ヘッド質量をMH 、ゴルフボールの平均質量をMB とした場合に、次式により反発係数eを算定した。
(Vo/Vi)=(e・MH −MB )/(MH +MB )
なおゴルフボールの発射口からフェース部までの距離は55インチとし、ボールがヘッドのスイートスポットの位置から5mm以上離れない位置でかつフェース面に対して直角に衝突させる。またゴルフボールはタイトリスト社製のピナクルゴールドを使用し、ボール初速は160フィート±0.5フィート(48.768±0.1524m/s)に設定する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明のアイアン型ゴルフクラブヘッドの一実施形態を示す正面図、図2はそのA−A線断面図、図3は図1の背面図をそれぞれ示している。なお図1〜3では、ヘッドを規定のライ角α、ロフト角βで水平面に載置した基準状態を示す。図において、本実施形態のアイアン形ゴルフクラブヘッド(以下、単に「ヘッド」ということがある。)1は、ボールを打撃するフェース面Fを有する板状のフェース部材2と、該フェース部材2を前面に配するヘッド本体部3とから構成されたものを例示し、そのバックフェース部Bにはフェース面Fに向かって凹むキャビティCが形成されている。
【0013】
前記ヘッド本体部3は、本実施形態では例えばステンレス鋼(例えばSUS630)といった比較的比重が大の金属材料から形成され、ヘッド上部をなすトップ部3aと、ヘッド下部をなすソール部3bと、ヘッドの先端側でこれらの間を継ぐトウ部3cと、ヘッドのヒール側でトップ部3aとソール部3bとを継ぐネック部3dと、このネック部から上方にのび図示しないシャフトが差し込まれるシャフト取付部3eとを具えている。なお基準状態では、このシャフト取付部3eの軸中心縁CLを前記ライ角αに設定している。またヘッド本体部3は、本例ではトップ部3a、トウ部3c、ソール部3b及びネック部3dで囲まれ前後に貫通した開口部を具え、その前の周縁には、図2に示すように、前記フェース部材2の外周端面2aに向き合う内向き面7と、フェース部材2の背面2bを支持する支え面9とからなる段差状をなすフェース支持部10が形成されている。
【0014】
前記フェース部材2は、ヘッド本体部3とは異なる材料により形成され、本例ではヘッド本体部3よりも比重が小の金属材料、例えばチタン合金(Ti−6Al−4V)により形成され、ヘッド本体部3の前記フェース取付部10に例えばかしめ、接着、ロウ付け、可能のとき溶接などの手段により固着される。このようにフェース部材2をヘッド本体部3よりも比重が小の金属材料で形成したときには、ヘッド重量をフェース面Fの周辺ないし後方により多く配分することができる。より好ましくは、フェース部材2には比強度の高い材料を用いることでフェース部材の質量を45〜55g程度に設定するのが望ましい。なおフェース部材2には、ボールとの摩擦力を高めるフェースライン溝などが適宜凹設されることがある。
【0015】
前記フェース部材2の厚さtは、特に限定されるものではないが、大きすぎると、反発性能が低下し全体的に飛距離が低下する傾向があり、逆に小さすぎても耐久性が悪化するなど好ましくない。このような観点より、フェース部材2の厚さtは、好ましくは2.0〜3.0mm、より好ましくは2.3〜2.8mmとすることが望ましい。
【0016】
また本例のヘッド1は、バックフェース部Bにフェース面F側に凹むキャビティCを形成したいわゆるキャビティアイアンとして構成される。特に好ましくは、図2に示すように、このキャビティCを囲むヘッド本体部3の内壁部11に、ヘッド外周部に向けて凹むアンダーカット部Uを設けるのが良い。このアンダーカット部Uは、内壁部11のフェース面側に設けられることにより、いわゆる座繰り状の溝として形成されたものを示す。ち、ヘッド本体部3は、キャビティCを囲む内壁部11のフェース面側に、ヘッド外周部に向けて凹む座繰り状のアンダーカット部Uを具えることとなる。またアンダーカット部Uは、その部分の重量を例えばキャビティCの内壁部11のさらに後方へと移行させることが可能となる。具体的にはヘッド重心Gと、このヘッド重心Gから引いたフェース面Fへの法線が該フェース面Fと交わるスイートスポット点SSとの間の前記法線と平行な距離である重心深度Dを4.0mm以上、4.0〜6.0mmとしている。さらに好ましくは4.5〜5.5mmとするのが望ましい。このような重心深度Dの値は、従来のヘッドに比べて大となる。
【0017】
従って、ヘッド1の重心をより後方に位置させることができる。なおアンダーカット部Uは、図1〜3に示したように、ソール部3b側だけに形成される場合の他、図4(A)、(B)に示す如く、トウ部3cやトップ部3aに向けて凹むものでも良く、さらには図4(C)の如く、キャビティCの内壁部11に環状で連続的に形成しうるなど種々の態様で用いることができる。
【0018】
このように重心深度Dを設定することにより、アイアン型のヘッドであるにも拘わらず前述のギア効果を生じさせることが可能になる。従って、打点位置がスイートスポットSSに対して左右にずれた場合、前述の横方向のギア効果が生じ打球の方向性を安定させるのに役立つ。なお前記重心深度Dが4.0mm未満であると、従来と同様にギア効果による打球の方向安定性を高める効果が得られ難くなる。
【0019】
逆に重心深度Dが6.0mmを超えると、低重心を確保するのが難しくなり、ボールをスイートスポット点SSで打撃するのが困難となる。このような重心深度Dは、本例のようにフェース部材2に低比重の金属材料を用いるとともに、ヘッド本体部3に高比重の金属材料を用いかつキャビティ部Cに形成されるアンダーカット部Uの大きさ等を変化させること等により調節できる。
【0020】
また本実施形態のヘッド1は、前記スイートスポット点SSの前記水平面HPからの高さであるスイートスポット高さHが21.5mm以下に設定される。スイートスポット点SSの高さが21.5mmよりも大になると、スイートスポット点SSが高くなり、ボールを該スイートスポット点SSで打球するのが困難となり打球の飛距離が安定し得ない。また、スイートスポット高さHが小さすぎても、ボールを該スイートスポット点SSで打球し難くなる。このような観点より、前記スイートスポット高さHは、18.0〜21.5 mm としている。さらに好ましくは19.0〜21.0mmとすることが望ましい。
【0021】
ところで、本実施形態のヘッド1は、上述のように重心深度Dが非常に大きく設定されるため、アイアン型であっても縦方向および横方向にギア効果が生じ易い。横方向のギア効果は打球の方向安定性を高める上で好ましいが、縦方向のギア効果は打球の飛距離にバラツキを招くため好ましくない。そこで、本実施形態のヘッド1は、図1に示すように、ヘッド重心Gを通りかつフェース面Fと平行な水平軸Haの周りのヘッドの慣性モーメント(以下、この方向の慣性モーメントを便宜上、上下の慣性モーメントと呼ぶ。)Iaを500g ・cm2 以上に設定し、縦方向に回転し難くすることによって、横方向のギア効果を損ねることなく縦方向のギア効果を低減させ得る。
【0022】
発明者らの種々の実験の結果、上下の慣性モーメントIaが500g・cm2 未満であると、上述の深い重心深度Dのヘッドでは縦方向のギア効果を十分に抑えることができず、ミスショット時の飛距離のバラツキが生じやすい傾向がある。他方、前記上下の慣性モーメントIaが大きすぎると、ヘッド重心Gが高くなる傾向があり、スイートスポット高さHなどを前記規制範囲に設定することが困難となる。このような観点より、前記上下の慣性モーメントIaは、500〜1000g・cm2本発明においては700〜1000g・ cm 2 に設定している。
【0023】
なお上下の慣性モーメントIa(g・cm2 )、ヘッド質量m(g)において、比(Ia/m)は2.8〜3.8(cm2 とする。より好ましくは3.0〜3.3(cm2 )程度とするのが良い。前記比(Ia/m)が、2.8(cm2 )未満の場合、ヘッド質量に見合った上下の慣性モーメントIaが得られず、縦方向のギア効果を抑制する効果が十分でなく、逆に比(Ia/m)が3.80(cm2 )を超えると、上下の慣性モーメントIaが著しく大きくなると同時に、スイートスポット高さHが21.5mmよりも大となる傾向が強いため、スイートスポット点SSで打撃するのが困難で、結果として飛距離の低下を招き易い傾向がある。
【0024】
なおヘッド重心Gを通る垂直軸周りの慣性モーメント(以下、この方向の慣性モーメントを便宜上、左右の慣性モーメントと呼ぶ。)Ibは、特に限定されるものではないが、2500〜3300g・ cm 2 とする。より好ましくは2800〜3100g・cm2 とするのが望ましい。左右の慣性モーメントIbが2500g・cm2 未満であると、ヘッドの向きが過度に変わりやすく、逆に3300g・cm2 を超えると横方向のギア効果による打球の方向安定性が得られない傾向がある。なお左右の慣性モーメントIb(g・cm2 )、ヘッド質量m(g)において、比(Ib/m)は10〜14(cm2 とする。より好ましくは11〜13(cm2 )程度とするのが良い。
【0025】
またヘッド1は、反発係数が0.755〜0.830、より好ましくは0.770〜0.820の範囲に設定されるのが望ましい。反発係数をこのような値に設定するためには、例えば、フェース部材2の中央部の厚さt1を2.5〜3.0mm程度とし、前記ヘッド本体部3の支え面9に当接する部分を含む周縁部の厚さt2をt1よりも小かつ2.0〜2.5mm程度とするのが効果的である。なお周縁部の巾は、例えば外周端面2aから3〜10mm程度が好適である。これにより、フェース部の固有振動数を低減してゴルフボールのそれに近づけることができる。従って、打球時のエネルギーロスを低減させることにより、結果としてヘッドの反発係数を向上せしめる。
【0026】
なお反発係数が0.755未満であると、飛距離が全体的に低下しやすくなる傾向があり、逆に0.830よりも大になると、打球の飛距離が増す点では好ましいが、ヘッド各部の薄肉化が必要となるため耐久性を損ね易い。
【0027】
また本実施形態のヘッドは、アイアン形ゴルフクラブヘッドの番手は特に限定されない。従って、例えばアイアン形ゴルフクラブセットの場合、全てのヘッドに本発明を適用しても良いし、また少なくとも1本のクラブのヘッドに適用することもできる。好ましくは、ロフト角βが15〜48度程度、クラブ長さが40〜35インチ程度のゴルフクラブに装着されるヘッドに適用するのが望ましい。とりわけ、ロフト角の小さいクラブほど、本来の飛距離が大きいために、ミスショット時のばらつきも大きくなる。よって、ロフト角βが16〜27度程度、クラブ長さが40〜37.5インチ程度の低番手のヘッドに適用するのが特に望ましい。
【0028】
次にこのような重心設計をなし得たヘッドの具体的な構成の一例を図5、図6に示す。フェース部材2はTi−6Al−4V、ヘッド本体部3はSUS630を用いている。また図5に示すように、フェース巾Wを77〜83mm程度、より好ましくは80〜82mm程度に設定する。またトウ側のフェース高さh1を55〜62mm、ヒール側のフェース高さh2を32〜43mm程度に設定する。トウ側のフェース高さh1、ヒール側のフェース高さh2は、夫々、実質的な打撃エリアのトウ側端、ヒール側端で測定され、この位置としては、例えばフェース溝(スコアライン)のトウ側端、ヒール側端が望ましい。
【0029】
またトウ側のソール巾SW1を22〜25mm程度、ヒール側のソール巾SW2を16〜21mm程度に設定している。トウ側のソール巾SW1、ヒール側のソール巾SW2は、前記フェース高さh1、h2を測定した位置におけるソール巾とする。
【0030】
またフェース面の前記実質的な打撃エリアの水平方向の巾Wの中心を通る中心線において、フェース高さh3が42〜48mm、より好ましくは43〜46mm程度に設定される。なおフェース高さはいずれも垂直方向に測定する。
【0031】
またアンダーカット部Uは、例えばキャビティCの内壁部11に沿う長さL(図3に示す)が25mm以上、より好ましくは30mm以上、さらに好ましくは35mm以上とすることが望ましく、かつその深さd(図3に示す)が3〜10mm程度であることが望ましい。またアンダーカット部の厚さT(フェース面と垂直な方向の厚さであって図2に示す)は、3〜10mm、より好ましくは5〜8mm程度に設定する。この例のヘッドでは、重心深度Dが5.6mm、スイートスポット高さHが20.0mm、慣性モーメントIaが約800g ・cm2 として設定し得た。
【0032】
【実施例】
以下、本発明をより具現化した実施例について説明する。
フェース部材をチタン合金(Ti−6Al−4V)とし、ヘッド本体部にステンレス鋼(SUS630)を用いて図1〜3の基本構造を有するアイアン型ゴルフクラブヘッド(ロフト角25度の5番アイアン)を表1の仕様に基づいて試作し反発係数を測定した。また各ヘッドに同一のシャフトを装着してアイアン形ゴルフクラブを試作するとともに、ゴルフラボ社製のスイングロボットに取り付け、ヘッドスピードを34.5m/sでゴルフボール(住友ゴム工業(株)製「HI−BRID」)を各クラブとも5球づつ打撃し、打ち出しされたボールのバックスピン量、打ち出し角度、トータル飛距離(キャリー+ラン)を測定し平均値で評価した。
【0033】
なお飛距離の安定性を評価するために、打点位置を、ソール部の下端面から13mm、18mm及び23mmの3カ所で行い測定を行った(18mmのときを基準とし他の位置での値は相対値を示す。)。また横方向のギア効果も確認するため、スイートスポット点から水平方向に±10mmの位置でも打撃を行い、左右の飛距離の最大のばらつき量も測定した。
テストの結果を表1、表2に示す。
【0034】
【表1】
Figure 0003999493
【0035】
【表2】
Figure 0003999493
【0036】
テストの結果、実施例のものは、比較例に比べて、上下方向の打点のバラツキに対する飛距離のバラツキが小さく、飛距離安定性に優れていることが確認できる。また重心深度が大きいため横方向のギア効果が得られ、ミスショット時の方向性のバラツキも小さく抑えられていることが確認できた。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のアイアン形ゴルフクラブヘッドは、その重心深度、スイートスポット高さ、水平軸周りの慣性モーメントなどを一定範囲に限定したことにより、横方向のギア効果を維持しつつ縦方向のギア効果を低減することにより、飛距離のバラツキを減じ安定した飛距離性能を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す正規状態のヘッドの正面図である。
【図2】そのA−A線断面図である。
【図3】図1の背面図である。
【図4】(A)〜(C)は本発明の他の実施形態を示す背面図である。
【図5】(A)はヘッドの正面図、(B)はその底面図である。
【図6】(A)、(B)は従来のヘッドの正面図及びその断面図である。
【図7】(A)、(B)は横方向のギア効果を説明する線図である。
【図8】(A)、(B)は縦方向のギア効果を説明する線図である。
【符号の説明】
1 ゴルフクラブヘッド
2 フェース部材
3 ヘッド本体部
3a トップ部
3b ソール部
3c トウ部
3d ネック部
3e シャフト取付部
D 重心深度
H スイートスポット高さ

Claims (3)

  1. バックフェース部に、フェース面に向かって凹むキャビティを具えたアイアン型ゴルフクラブヘッドであって、
    ヘッド本体部は、キャビティを囲む内壁部のフェース面側に、ヘッド外周部に向けて凹む座繰り状のアンダーカット部が設けられるとともに、
    規定のライ角、ロフト角で水平面に載置した基準状態において、ヘッド重心と、このヘッド重心から引いたフェース面への法線が該フェース面と交わるスイートスポット点との間の距離である重心深度Dが4.0〜6.0mm、
    かつ前記スイートスポット点の前記水平面からの高さであるスイートスポット高さHが18.0〜21.5mm、
    しかも前記ヘッド重心を通りかつフェース面と平行な水平軸の周りのヘッドの慣性モーメントIaが700〜1000(g・cm2 )であり、
    前記慣性モーメントIa(g・ cm 2 )とヘッド質量m(g)との比(Ia/m)を2.8〜3.80( cm 2 )とするとともに、
    ヘッド重心Gを通る垂直軸周りの慣性モーメントIbは、2500〜3300g・ cm 2 かつこの慣性モーメントIb(g・ cm 2 )、ヘッド質量m(g)において、比(Ib/m)は10〜14( cm 2 )とした
    ことを特徴とするアイアン型ゴルフクラブヘッド。
  2. フェース巾Wを77〜83 mm 、フェース溝のトウ側端におけるトウ側のフェース高さh1を55〜62 mm 、ヒール側のフェース高さh2を32〜43 mm 、フェース面の前記中心線において、フェース高さh3が42〜48 mm 、しかも前記トウ側のソール巾SW1を22〜25 mm 、前記ヒール側のソール巾SW2を16〜21 mm に設定されたことを特徴とする請求項1又は2記載のアイアン形ゴルフクラブヘッド
  3. 反発係数が0.755〜0.830であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアイアン型ゴルフクラブヘッド。
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