JP2007296184A - アイアンヘッド - Google Patents

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久松  吾郎
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Abstract

【課題】打ち易く、オフセット打撃した場合でも球筋が安定し、十分な飛距離を得ることの可能なアイアンヘッドを提供する。
【解決手段】ヘッドは、フェース11aを有するヘッド本体11と、ヘッド本体11をシャフト9に装着するためのホーゼル12とを備えている。ヘッドの上下方向の重心回り慣性モーメントと、ヘッド質量とが、Iud≧6.35M−920(Iud(gcm):上下方向の重心回り慣性モーメント、M(g):ヘッドの質量)の関係を満たしている。また、ヘッド10の重心深度が、G≦―0.042M+13.8(G(mm):重心深度、M(g):ヘッドの質量)の関係を満たしている。更には、ヘッド10のスイートスポットの高さが15mm以上21mm以下に設定されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、アイアンヘッドに関する。
一般に、ゴルファーは、約150ヤード(約137m)以上のボールの飛距離を見込む場合、ロングアイアン又はフェアウェイウッドを使用する。また、フェアウェイウッドはロングアイアンよりも打ち易いクラブとされているが、特に上級者は、球筋が安定するという理由から、フェアウェイウッドよりもロングアイアンを好んで使用する。以下に、フェアウェイウッドの方が打ち易い理由、及びロングアイアンを使用すれば球筋が安定する理由について説明する。
<フェアウェイウッドが打ち易い理由>
スイートスポットから外れた位置でボールをオフセット打撃すると、その際に生じる撃力によって、ヘッドが重心回りに回転する。そして、ヘッドの回転により、エネルギーロスが生じることによって、十分な飛距離が得られなくなる。この場合、ヘッドの回転し易さは、ヘッドの重心回りの慣性モーメントIに応じて決定される。重心回り慣性モーメントIと、オフセット打撃したときのヘッドの角速度ωとの関係式(1)を以下に示す。
(dω/dt)=hF…(1)
は重心回り慣性モーメント、ωは角速度、tは時間、hはスイートスポットから打点までのオフセット距離、Fは撃力を表す。
図1は、ボール2をスイートスポットSSから離れた位置でオフセット打撃したときのヘッド1を模式的に示している。図1に示すように、撃力Fの値を一定とした場合、オフセット打撃によるエネルギーロスを低減させるには、ヘッド1の角速度ωをできるだけ小さくする必要がある。そして、ヘッド1の角速度ωを小さくするには、スイートスポットSSからのオフセット距離hを極力小さく抑えるか、あるいは、重心回り慣性モーメントIが極力大きくなるようにヘッド1の形状を設計すればよい。
重心回り慣性モーメントIは、ヘッド1の重心を通る複数の回転軸に対して各別に存在するが、ここでは、ヘッド1のフェース3に沿って水平方向(図1の紙面に垂直な方向)に延びる回転軸の回転モーメントを、上下方向の重心回り慣性モーメントIudとして着目する。この回転軸回りにヘッド1が回転すると、フェース3が上方又は下方に傾くため、所望のロフト角で打球することができず、十分な飛距離が得られなくなる。
図2は、既存のゴルフクラブのヘッド質量と重心回り慣性モーメントIudとの関係を示す散布図である。ヘッド質量について、195g付近はドライバー、205〜230g付近はフェアウェイウッド、250g付近はロングアイアン(2,3,4番)、270g付近はミドルアイアン(5,6,7番)、290g付近はショートアイアン(8,9番,ウェッジ)である。
図2に示すように、重心回り慣性モーメントIudの大きさは、ドライバー>フェアウェイウッド>ショートアイアン>ミドルアイアン>ロングアイアンの順に減少し、フェアウェイウッドとロングアイアンとの差が最も大きくなっている。ロングアイアンは、他のゴルフクラブと比べて重心回り慣性モーメントIudが最も小さいため、オフセット距離hが大きくなると、ヘッド1が重心回りに大きく回転して、所望のロフト角で打球することができなくなる。このような理由から、フェアウェイウッドは、ロングアイアンよりも打ち易いクラブとされている。
<ロングアイアンを使用すれば球筋が安定する理由>
また、オフセット距離hが大きくなると、ヘッド1の重心回りの回転量(回転速度)も増大するため、ギア効果による影響も大きくなる。そのため、ボール2のスピン量(回転速度)も増大する。そのときのヘッド1の回転速度をVとし、ボールの回転速度をVとすると、V=Vcosθの関係式が成立する。また、ヘッド1の重心Gからボール2の打撃位置Pまでの距離をLとすると、V=L×ωの関係式が成立し、重心GからスイートスポットSSまでの距離を重心深度Gとすると、Lcosθ=Gの関係式が成立する。これら3つの関係式から、以下に示す関係式(2)が導き出される。
a=ω×G…(2)
図3は、既存のゴルフクラブのヘッド質量と重心深度との関係を示す散布図である。図3より、ロングアイアンでは、ヘッドの重心深度が約5mmである一方、フェアウェイウッドでは、ヘッドの重心深度が約25mmである。このように、フェアウェイウッドの場合、ヘッドの重心深度は、ロングアイアンの場合の約5倍の大きさであるため、角速度ωの値を一定とした場合、ボール2の回転速度Vは、フェアウェイウッドで打球したときの方がロングアイアンの場合よりも大きくなる。これにより、スイートスポットSSで打撃したときとオフセット打撃したときとにおけるボール2のスピン量の差は、フェアウェイウッドを使用したときの方がロングアイアンを使用したときよりも大きくなる。このような理由から、ロングアイアンを使用すれば、フェアウェイウッドを使用する場合よりも球筋が安定する。
以上のことから、ヘッドの性能を向上させるには、重心回り慣性モーメントIudを増大させると共に、重心深度を小さくすることが重要である。しかしながら、重心回り慣性モーメントIud及び重心深度に関する上記要件を満たしても、スイートスポットSSの高さを適正な範囲に設定しなければ、アイアンクラブとして十分に機能しない。図4は、既存のゴルフクラブのヘッド質量とスイートスポットSSの高さ(SS高さ)との関係を示す散布図である。ボールの直径はルール上42.6mmであるため、地面を叩くことなくボールをスイートスポットで打撃するには、ボールの直径の半分以下(21.3mm以下)にスイートスポットSSの高さを設定する必要がある。
そこで、重心回り慣性モーメントIudを大きくするため、ヘッドのフェース高さを高くし、かつ該フェースの上端と下端とにそれぞれ重量体を取り付けたアイアンヘッドが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、重心回り慣性モーメントIudを大きくするため、フェースの裏面とホーゼルの上端とにそれぞれ重量体を取り付けたアイアンヘッドも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−153008 特開昭61−50574
ところが、特許文献1のアイアンヘッドでは、重量体の材料として高価なタングステンカッパーが使用されている。また、重量体をフェースに取り付けるための作業が煩雑であるといった問題もある。このため、材料コストの上昇や組み付け工数の増加などを招き、安価なアイアンヘッドを提供することができない。また、重量体の取り付け位置がフェースの裏面であるといった構造上の理由から、ヘッドの重心深度が大きくならざるを得ない。更には、ヘッドがソールされたときの接地面(以下、ヘッドの基準面と称す)からスイートスポットまでの距離、即ち、スイートスポット高さが高くなるといった欠点もある。また、特許文献2には、重心回り慣性モーメント、重心深度、及びスイートスポット高さについて、何ら開示されていない。

本発明の目的は、打ち易く、オフセット打撃した場合でも球筋が安定し、十分な飛距離を得ることの可能なアイアンヘッドを提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ヘッドをシャフトに装着するためのホーゼルの上端には、前記ホーゼル、及びフェースを有するヘッド本体よりも比重の高い材料からなる重量体が装着され、

(i)ヘッドの上下方向の重心回り慣性モーメントと、ヘッドの質量とが、
ud≧6.35M−920(Iud(gcm):上下方向の重心回り慣性モーメント、M(g):ヘッドの質量)の関係を満たし、
(ii)ヘッドの重心深度が、
≦―0.042M+13.8(G(mm):重心深度、M(g):ヘッドの質量)の関係を満たし、
(iii)ヘッドのスイートスポットの高さが15mm以上21mm以下であることを要旨とする。
一般に、上下方向の重心回り慣性モーメントが小さくなると、オフセット打撃時においてヘッドが回転し易くなるため、所望のロフト角度で打球することができなくなる。また、ヘッドの重心深度が大きくなると、オフセット距離によってボールの回転量が大きく変動するため、球筋が安定しなくなる。更には、スイートスポット高さが適正な範囲に設定されないと、アイアンクラブとして機能しなくなる。その点、本発明によれば、(i)〜(iii)の3つの条件を同時に満たすことにより、上下方向の重心回り慣性モーメントの増大を図り、かつ重心深度を小さくすると共に、スイートスポット高さを適正な範囲に設定することができる。これにより、打ち易く、オフセット打撃した場合でも球筋が安定し、十分な飛距離が得られるアイアンヘッドを提供することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、ヘッドのフェース高さは21mm以上35mm以下に設定され、ヘッドがソールされたときの基準面から重量体の上端までの距離は60mm以上90mm以下に設定され、ヘッドのソール厚さは25mm以下に設定されていることを要旨とする。
同構成によれば、フェース高さを低く抑えると共に、ホーゼルの上端に重量体を装着することによって、ヘッドの上端と下端とにそれぞれ荷重を集中させ、上下方向の重心回り慣性モーメントを増大させることができる。これにより、オフセット打撃時においてもヘッドの回転を極力抑制することができる。また、ソール厚さを低く抑えることによって、ヘッドの重心深度を小さく抑えることもできる。これにより、オフセット打撃時においてもギア効果による影響を極力抑えることができる。よって、スイートスポットで打球したときとオフセット打撃したときとで比較した場合、ボールのスピン量の差が小さくなり、球筋が安定する。
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の発明において、重量体は、タングステン合金からなることを要旨とする。
同構成によれば、タングステン合金は比重が高く、比較的安価な金属材料であることから、材料コストの上昇を回避することができ、アイアンヘッドの製造コストを抑制することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の発明において、ヘッド本体は、中実構造をなしていることを要旨とする。
同構成によれば、ヘッド本体の剛性がより一層高くなるため、打球時のフィーリングをより一層向上させることができる。
本発明によれば、打ち易く、オフセット打撃した場合でも球筋が安定し、十分な飛距離を得ることの可能なアイアンヘッドを提供することができる。
本発明のアイアンヘッド(以下、ヘッドと称す)を具体化した一実施形態について図5〜図11を参照して説明する。
ヘッド10の上下方向の重心回り慣性モーメントIudが関係式(1)を満たしている。
ud≧6.35M−920(Iud(gcm):上下方向の重心回り慣性モーメント、M(g):ヘッドの質量)…(1)
また、ヘッド10の重心深度Gが関係式(2)を満たしている。
≦―0.042M+13.8(G(mm):重心深度、M(g):ヘッドの質量)…(2)
更に、ヘッド10のスイートスポット高さが15mm以上21mm以下である。
図5及び図6に示すように、ヘッド10は、フェース11aを有するヘッド本体11と、ヘッド本体11をシャフト9に装着するためのホーゼル12とを備えている。
ヘッド本体11は、全体的に下膨れ形状をなしている。ヘッド本体11は、金属材料からなり、中実構造をなしている。また、ホーゼル12は、ヘッド本体11のヒール13から斜め上方に延びている。図7に示すように、ホーゼル12には、シャフト穴12bが形成され、そのシャフト穴12bには、シャフト9の先端が挿入されて、固定される。ヘッド本体11及びホーゼル12は、鍛造あるいは鋳造等の方法を用いて一体形成されている。ヘッド本体11及びホーゼル12を形成する金属材料としては、例えば、強度及び加工性に優れるという観点から、スチール(炭素鋼)、ステンレス鋼、チタン、チタン合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金等が挙げられ、その中でも、安価で、かつ入手し易いという観点から、スチールを用いることが好ましい。
本実施形態では、ヘッド10の重心回り慣性モーメントIudが関係式(1)を満たすべく、ソール14付近とホーゼル12の上端付近とにそれぞれ荷重が集中するように、ヘッド本体11の形状が設計されている。そこで、まず、ソール14付近に荷重を集中させるという観点から、ヘッド本体11の高さ(以下、フェース高さと称す)H1は、21mm以上35mm以下の範囲に設定されることが好ましい。なお、フェース高さH1とは、ヘッド10の基準面Tからヘッド本体11の最高点までの距離を指す。このフェース高さH1が21mm未満であると、ヘッド本体11の表面積を十分に確保することができず、ボールを打球する際に支障をきたす虞がある。一方、フェース高さH1が35mmよりも大きいと、ソール14付近に荷重を集中させることができず、スイートスポット高さが高くなり、オフセット打撃の確率が高くなる。また、フェース高さH1を高くし、かつスイートスポット高さを小さくするには、フェース11a部分の肉厚を薄くする必要があり、その結果、ヘッド本体11の剛性が損なわれてしまう。
一方、ホーゼル12の上端付近に荷重を集中させるという観点から、ホーゼル12の上端には、円筒状の重量体15が装着されている。この重量体15は、ヘッド本体11及びホーゼル12よりも比重の高い金属材料から形成されている。重量体15を形成する金属材料としては、例えば、銅、白金、タングステン等が挙げられるが、その中でも、比重が高く、比較的安価で、かつ入手し易いことから、タングステン合金(比重12)を用いることが好ましい。重量体15は、ホーゼル12の上端部に形成された縮径部12aに外装されて、固着されている。この場合、重量体15は、例えば、ねじ締め、かしめ、溶接、ろう付け等の方法を用いて、ホーゼル12の縮径部12aに固着されている。また、重量体15の外径は、ホーゼル12の外径と同じ寸法に設定されている。このため、重量体15の外周面は、ホーゼル12の外周面に対して略面一に配置されている。
重心回り慣性モーメントIudの大きさは、ヘッド10の回転中心(ヘッド10の重心)から荷重点までの距離の二乗に比例する。このため、重心回り慣性モーメントIudを大きくするには、ヘッド10の重心から離間した位置に荷重点を設定することが効果的である。この理由から、ヘッド10の基準面Tから重量体15の上端までの距離H2は、60mm以上90mm以下の範囲に設定されることが好ましい。この距離H2が60mm未満であると、重心回り慣性モーメントIudの十分な値を得ることができず、オフセット打撃したときに球筋が安定しない。一方、距離H2が90mmよりも大きいと、シャフト9のしなり性能が損なわれるため、スイングに支障をきたす虞がある。
次に、ヘッド10の重心深度Gが関係式(2)を満たすべく、図6に示すヘッド10のソール厚さDは、25mm以下に設定されることが好ましい。なお、ソール厚さDとは、図6に示すように、フェース11aからヘッド10の最後部11bまでの距離を指す。ソール厚さDが25mmよりも大きいと、オフセット打撃したときにギア効果が大きくなり、その結果、オフセット距離によってボールのスピン量(回転速度)が大きく変動し、球筋が安定しなくなる。
更に、ボール2を確実に打つという観点から、図5に示すスイートスポット高さH3は、15mm以上21mm以下の範囲に設定されている。なお、スイートスポット高さH3とは、図5に示すように、ヘッド10の基準面TからスイートスポットSSまでの距離を指す。スイートスポット高さH3が15mm未満であると、スイートスポットSSで打球することが困難になり、十分な飛距離を得ることができなくなる。一方、スイートスポット高さH3が21mmよりも大きいと、スイング時において地面を叩く可能性が高くなる。
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)ヘッド10では、(i)上下方向の重心回り慣性モーメントIudと、ヘッド質量Mとが、Iud≧6.35M−920の関係を満たし、(ii)重心深度Gが、G≦―0.042M+13.8の関係を満たし、(iii)スイートスポット高さが15mm以上21mm以下である。これら(i)〜(iii)の3つの条件を同時に満たすことにより、上下方向の重心回り慣性モーメントIudの増大を図り、かつ重心深度Gを小さくすると共に、スイートスポット高さを適正な範囲に設定することができる。これにより、打ち易く、オフセット打撃した場合でも球筋が安定し、十分な飛距離が得られるアイアンヘッドを提供することができる。
(2)ホーゼル12の上端には、円筒状の重量体15が装着されている。また、フェース高さH1は21mm以上35mm以下に設定され、ヘッド10の基準面Tから重量体15の上端までの距離H2は60mm以上90mm以下に設定されている。この場合、ソール14付近とホーゼル12の上端付近とにそれぞれ荷重を集中させることができ、従来のアイアンヘッドと比較して、上下方向の重心回り慣性モーメントIudを増大させることができる。これにより、オフセット打撃時においてもヘッド10の回転を極力抑制することができる。また、ソール厚さDを25mm以下に設定することによって、ヘッド10の重心深度Gを小さく抑えることもできる。これにより、ギア効果による影響を極力抑えることができ、スイートスポットで打球したときとオフセット打撃したときとで比較した場合、ボールのスピン量の差が小さくなる。よって、打ち易く、オフセット打撃した場合でも球筋が安定し、十分な飛距離が得られるアイアンヘッドを提供することができる。
(3)重量体15は、タングステン合金(比重12)からなる。タングステン合金は、比重が高く、比較的安価で、かつ入手し易い金属材料である。このため、材料コストの上昇を回避することができ、アイアンヘッドの製造コストを抑制することができる。
(4)重量体15は、ホーゼル12の上端部に外装されて、固着されている。この場合、シャフト9からヘッド10及び重量体15を取り外した後、ホーゼル12から重量体15を取り外して別の重量体に付け替えたり、また、重量体15を番手の異なる別のアイアンクラブに装着したりすることもできる。また、重量体をヘッド本体に取り付けた従来のアイアンヘッドと比べて、重量体の形状やその取り付け方法等が簡便であるため、アイアンヘッドの製造コストをより一層抑制することもできる。
(5)重量体15の外径は、ホーゼル12の外径と同じ寸法に設定されている。このため、重量体15の外周面は、ホーゼル12の外周面に対して略面一に配置されている。このようにすれば、別部品である重量体15をヘッド10に付加することによって、ヘッド10の外観品質が損なわれたり、アイアンクラブの取り扱い性が損なわれたりすることもない。
(6)ヘッド本体11は、全体的に下膨れ形状をなしている。この場合、ヘッド10の形状を大幅に変更することなく、スイートスポット高さH3を低く設定したり、ソール14付近に荷重を集中させたりすることができる。また、ヘッド本体11の剛性を高くすることもでき、打球時のフィーリングを向上させることもできる。
(7)ヘッド本体11は、金属材料からなり、中実構造をなしている。この場合、ヘッド本体11の剛性をより一層高くすることができ、打球時のフィーリングをより一層向上させることができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例A及び比較例1〜6)
実施例Aでは、本発明を具体化した3番アイアンのヘッドを作製した。具体的には、ヘッド質量を241gとし、ロフト角を21度とし、ライ角を59度とした。また、フェース高さを33.6mmとし、ヘッドの基準面から重量体の上端までの距離を79.8mmとし、ソール厚さを18.7mmとした。また、スイートスポットにおけるフェース高さを30.5mmとし、ヘッドの基準面から重量体の重心までの距離を67.7mmとした。こうして得られた3番アイアンのヘッドについて、上下方向の重心回り慣性モーメント(Iud)、スイートスポット高さ(SS高さ)、重心深度をそれぞれ測定した。比較例1〜6では、市販の3番アイアンのヘッドについて、重心回り慣性モーメント(Iud)、SS高さ、重心深度をそれぞれ測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2007296184
表1の結果より、比較例1〜6では、重心回り慣性モーメント(Iud)の値が570gcm未満であったのに対し、実施例Aでは、重心回り慣性モーメント(Iud)の値が752gcmであった。従って、実施例Aのヘッドの場合、比較例1〜6のヘッドと比較して、重心回り慣性モーメント(Iud)の値が約30%以上も増加するという結果が得られた。
(実施例B及び比較例7〜12)
実施例Bでは、本発明を具体化した6番アイアンのヘッドを作製した。具体的には、ヘッド質量を261gとし、ロフト角を27度とし、ライ角を60.5度とした。また、フェース高さを33.5mmとし、ヘッドの基準面から重量体の上端までの距離を80.8mmとし、ソール厚さを19.7mmとした。また、スイートスポットにおけるフェース高さを30.5mmとし、ヘッドの基準面から重量体の重心までの距離を68.6mmとした。こうして得られた6番アイアンのヘッドについて、上下方向の重心回り慣性モーメント(Iud)、SS高さ、重心深度をそれぞれ測定した。比較例7〜12では、市販の6番アイアンのヘッドについて、重心回り慣性モーメント(Iud)、SS高さ、重心深度をそれぞれ測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2007296184
表2の結果より、比較例7〜12では、重心回り慣性モーメント(Iud)の値が645gcm未満であったのに対し、実施例Bでは、重心回り慣性モーメント(Iud)の値が816gcmであった。従って、実施例Bのヘッドの場合、比較例7〜12のヘッドと比較して、重心回り慣性モーメント(Iud)の値が約25%以上も増加するという結果が得られた。

図8は、ヘッド質量Mと重心回り慣性モーメントIudとの関係を示す散布図である。実施例Aの実測値を白抜き四角でプロットし、実施例Bの実測値を白抜き三角でプロットし、市販のアイアンクラブに適用されるヘッド(比較例1〜12を含む)の実測値を黒い菱形でそれぞれプロットした。図8中の直線は、Iud=6.35M−920を表す。図8のグラフより、実施例A,Bの場合、いずれも重心回り慣性モーメントIudが、Iud≧6.35M−920の関係を満たしていることが確認された。一方、比較例1〜12を含む市販のゴルフクラブについて多くの場合、Iud≧6.35M−920の関係を満たさないことが確認された。
図9は、ヘッド質量Mと重心深度Gとの関係を示す散布図である。実施例Aの実測値を白抜き四角でプロットし、実施例Bの実測値を白抜き三角でプロットし、市販のアイアンクラブに適用されるヘッド(比較例1〜12を含む)の実測値を黒い菱形でそれぞれプロットした。図9中の直線は、G=―0.042M+13.8を表す。図9のグラフより、実施例A,Bの場合、いずれも重心深度Gが、G≦―0.042M+13.8の関係を満たしていることが確認された。一方、比較例1〜12を含む市販のゴルフクラブについて多くの場合、G≦―0.042M+13.8の関係を満たさないことが確認された。
次に、コンピュータによるシミュレーション解析によって、実施例A及び比較例1〜6のアイアンヘッドを用いたときのボールの弾道を求めた。なお、本シミュレーション解析には、市販の表計算ソフト(エクセル)を使用した。初期条件を設定するに際し、3番アイアンの場合、ヘッド質量を241gとし、ボールの反発係数を0.8とし、ボールに対するヘッドの滑り係数を0.85とし、ヘッドスピードを39m/sとし、インパクトロフト角を21度とし、ブロー角を2度とした。ここで、ブロー角とは、ボールを打撃する瞬間のヘッドの進入角度を意味する。そして、ボールの弾道に関する評価項目として、ボール初速、飛び出し角、ボールスピン量、キャリー、ラン、トータル距離、最大高さなどをそれぞれ求めた。また、オフセット距離が−5mmの場合、−10mmの場合及び−15mmの場合について、上記のシミュレーション解析を行った。尚、オフセット距離が−5mmとは、スイートスポットから下方に5mm離れた位置でオフセット打撃したことを意味する。その結果を表3に示す。
Figure 2007296184
表3の結果より、実施例Aでは、比較例1〜6と比較して、ボール初速、飛び出し角が大きくなり、ボールスピン量が減少するという結果が得られた。また、ランは余り変化しないが、最大高さは高くなり、キャリー、トータル飛距離はいずれも伸びるという結果が得られた。また、これらの結果は、オフセット距離が大きくなるほど顕著になることも確認された。実施例B及び比較例7〜12(6番アイアン)についても、上記のシミュレーション解析を行った。そして、実施例A及び比較例1〜6(3番アイアン)の場合と同様の結果が得られた。
上記の効果を更に詳しく分析するため、重心回り慣性モーメントIudのみを変化させた場合のシミュレーション解析を行った。本シミュレーションでは、3番アイアンのヘッドを想定して初期条件を設定した。なお、重心深度を、市販の3番アイアンヘッドの平均値である4.5mmとした。そして、オフセット距離が−5mmの場合と、−10mmの場合とについて、重心回り慣性モーメントIudを400gcmから800gcmへと50gcm間隔で増加させたときのトータル距離の変化をそれぞれ求めた。その結果を図10のグラフに示す。
図10のグラフでは、横軸を重心回り慣性モーメントIudとし、縦軸をトータル飛距離とした。また、オフセット距離が−5mmの場合の計算値を黒い菱形でプロットし、オフセット距離が−10mmの場合の計算値を黒い三角でプロットした。図10に示すように、いずれの場合も、重心回り慣性モーメントIudが大きくなると、トータル距離が伸びるという結果が得られた。また、この結果は、オフセット距離が大きくなるほど顕著になることも確認された。6番アイアンのヘッドについても、上記のシミュレーション解析を行った。そして、3番アイアンのヘッドの場合と同様の結果が得られた。
また、重心深度のみを変化させた場合のシミュレーション解析も行った。本シミュレーションでも、上記の場合と同様に、3番アイアンのヘッドを想定して初期条件を設定した。なお、重心回り慣性モーメントIudを750gcmに固定した。そして、オフセット距離が−5mmの場合と、−10mmの場合とについて、重心深度を−8mmから8mmへと1mm間隔で増加させたときのトータル距離の変化をそれぞれ求めた。その結果を図11のグラフに示す。
図11のグラフでは、横軸を重心深度とし、縦軸をトータル飛距離とした。また、オフセット距離が−5mmの場合の計算値を黒い菱形でプロットし、オフセット距離が−10mmの場合の計算値を黒い三角でプロットした。図11に示すように、いずれの場合も、重心深度が大きくなると、トータル距離が短くなるという結果が得られた。また、この結果は、オフセット距離が大きくなるほど顕著になることも確認された。6番アイアンのヘッドについても、上記のシミュレーション解析を行った。そして、3番アイアンのヘッドの場合と同様の結果が得られた。
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・本実施形態において、ヘッド10は、3番アイアン、6番アイアン以外のロングアイアン、ミドルアイアン、又はショートアイアンなどに適用することができる。
・本実施形態において、ヘッド10は、ストレートネックのアイアンクラブ以外にも、グースネックのアイアンクラブに適用することができる。
ボールをスイートスポットから離れた位置でオフセット打撃したときのヘッドの状態を示す模式図。 既存のゴルフクラブのヘッド質量と上下方向の重心回り慣性モーメントとの関係を示す散布図。 既存のゴルフクラブのヘッド質量と重心深度との関係を示す散布図。 既存のゴルフクラブのヘッド質量とスイートスポット高さとの関係を示す散布図。 本実施形態のヘッドの正面図。 ヘッドの側面図。 ヘッドのホーゼル付近の部分断面図。 ヘッド質量と上下方向の重心回り慣性モーメントとの関係を示す散布図。 ヘッド質量と重心深度との関係を示す散布図。 シミュレーション解析により得られたヘッドの重心回り慣性モーメントとトータル飛距離との関係を示すグラフ。 シミュレーション解析により得られたヘッドの重心深度とトータル飛距離との関係を示すグラフ。
符号の説明
9…シャフト、10…ヘッド、11…ヘッド本体、11a…フェース、12…ホーゼル、15…重量体。

Claims (4)

  1. ヘッドをシャフトに装着するためのホーゼルの上端には、前記ホーゼル、及びフェースを有するヘッド本体よりも比重の高い材料からなる重量体が装着され、
    前記ヘッドの上下方向の重心回り慣性モーメントと、前記ヘッドの質量とが、
    ud≧6.35M−920(Iud(gcm):上下方向の重心回り慣性モーメント、M(g):ヘッドの質量)の関係を満たし、
    前記ヘッドの重心深度が、
    ≦―0.042M+13.8(G(mm):重心深度、M(g):ヘッドの質量)の関係を満たし、
    前記ヘッドのスイートスポットの高さが15mm以上21mm以下であることを特徴とするアイアンヘッド。
  2. 請求項1記載のアイアンヘッドにおいて、
    前記ヘッドのフェース高さは21mm以上35mm以下に設定され、前記ヘッドがソールされたときの基準面から前記重量体の上端までの距離は60mm以上90mm以下に設定され、前記ヘッドのソール厚さは25mm以下に設定されていることを特徴とするアイアンヘッド。
  3. 請求項2記載のアイアンヘッドにおいて、
    前記重量体は、タングステン合金からなることを特徴とするアイアンヘッド。
  4. 請求項2又は3に記載のアイアンヘッドにおいて、
    前記ヘッド本体は、中実構造をなしていることを特徴とするアイアンヘッド。
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