JP5250936B2 - ゴルフクラブヘッド - Google Patents

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本発明は、ゴルフボールを打撃するためのゴルフクラブヘッドに関し、フェース体と、このフェース体と接合されてフェース体を支持するヘッド本体とを備えたゴルフクラブヘッドに関する。
従来から、プロや上級者には、ステンレス製ヘッドと比較して打感の柔らかい軟鉄製ヘッドが好まれている。しかし、軟鉄は腐食(錆び)が発生しやすく、軟鉄製ヘッドの表面には、防蝕のためにニッケルクロムメッキが施されている。しかし、ニッケルクロムメッキを施したヘッドでは、表面が硬くなり打感が悪いので、より良い打感を求めるプロや上級者の中には、防触効果を犠牲にしてまでもフェース面のメッキを剥がして使用する者もいる。
このような問題点に対し、下記特許文献1では、ヘッド本体の少なくともフェース部を鋼材から形成し、少なくともフェース部にはメッキ処理を施さず、この鋼材に軟窒化処理を施したゴルフクラブヘッドが提案されている。下記特許文献1記載のゴルフクラブヘッドによれば、メッキ処理を施さなくとも防蝕効果を損なうことなく、ソフトな打感を実現している。
特許第2926702号公報
特許文献1記載のゴルフクラブヘッドは、打感をソフトにするために、ヘッド全体を軟鉄で一体化して形成している。そのため、特許文献1記載のゴルフクラブヘッドでは、ゴルフクラブヘッド全体の硬度が低くなっており、特にソール部などスウィングの際に地面と接触する部分に、傷がつき易いといった問題点があった。本願は、上記問題点を鑑みてなされた発明であり、表面に傷がつきにくく、かつ打感がソフトなゴルフクラブヘッドを提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明は、ゴルフボールを打撃するゴルフクラブヘッドであって、フェース体と、前記フェース体と接合されて前記フェース体を支持するヘッド本体とを備え、前記フェース体は、略板状のフェース部材と、前記フェース部材の少なくとも一部の領域を被覆して、表面の少なくとも一部がゴルフボールを打撃するためのフェース面をなす被覆層とを有し、前記フェース部材の硬度は、前記ヘッド本体の硬度に比べて低いことを特徴とするゴルフクラブヘッドを提供する。
なお、前記フェース体における、前記フェース体の前記フェース面と反対の側の表面の、前記フェース面の所定部位を通り前記フェース面と略垂直な方向の垂線との交点は、他の部材と接触していないことが好ましい。
また、前記フェース面の所定部位は、前記フェース面における前記ゴルフクラブヘッドの中心位置であることが好ましい。
また、前記フェース部材と前記ヘッド本体とは、いずれも鋼にて形成されており、前記フェース部材と前記ヘッド本体とが溶接接合されて、前記ヘッド本体が前記フェース体を支持することが好ましい。
また、前記ヘッド本体は、前記フェース部材の、前記フェース面に対応する表面と反対の側の表面の周縁部と溶接接合されていることが好ましい。
また、前記フェース部材は、前記フェース面に対応する表面を備える板状のフェース板部と、前記フェース板部の前記フェース面に対応する側と反対の側の、前記周縁部に対応する領域の内側部分に設けられた、前記フェース板部から突出した突出部とを備え、前記ヘッド本体は、前記フェース板部の前記周縁部に対応する表面、および、前記突出部の前記ソール部の側の表面と溶接接合されていることが好ましい。
前記フェース部材は、軟鉄を主成分とした部材であることが好ましく、前記被覆層は、メッキ層であることが好ましい。
また、前記フェース部材と前記ヘッド本体部との硬度差が、HRB規格で10以上であることが好ましい。
また、前記フェース体の、前記フェース部材の前記周縁部に対応する領域の厚さは、0.5mm以上であることが好ましい。さらに、ゴルフクラブヘッドを通常のアドレスポジションで地面に設置した状態において、前記フェース面のロフト角が15°以上であることが好ましい。
本発明によれば、表面に傷がつきにくく、かつ打感がソフトなゴルフクラブヘッドを得ることができる。
以下、本発明のゴルフクラブヘッドについて、添付の図面に示される好適実施例を基に、詳細に説明する。
図1は、本発明のゴルフクラブヘッドの一例である、アイアンゴルフクラブヘッド10(以降、クラブヘッド10とする)について説明する図であり、クラブヘッド10を、バックフェースの側から見た概略背面図である。
また、図2(a)および(b)は、クラブヘッド10について説明する図であり、図2(a)は、クラブヘッド10を図1に示すA−A’線で切断した概略断面図であり、図2(b)は、図2(a)に示すクラブヘッド10について、フェース体14とヘッド本体12とをそれぞれ別々に示した断面図である。
クラブヘッド10は、フェース体14とヘッド本体12とを有して構成されており、バックフェースの側に凹部30が設けられたゴルフクラブヘッドである。このフェース体14は、S10C軟鉄を主成分とするフェース部材16と、このフェース部材16の一部を除いた表面(後述する周縁部表面32および突出表面34を除いた表面)を被覆するメッキ層18とからなる。ヘッド本体12は、フェース部材16の表面よりも表面が硬い、例えばステンレスなどの鋼が主成分である。フェース部材16の表面の硬度は、ヘッド本体12の表面の硬度に比べて低く、フェース部材16の表面の硬度とヘッド本体12の表面の硬度との差は、HRB規格(JIS規格で規定されている、ロックウェル硬さのB規格)で10以上であることが好ましい。
フェース部材16は、ゴルフボールを打撃するためのフェース面に対応する表面を備える板状のフェース板部22と、ゴルフクラブヘッド10の少なくともソール部に対応する側に設けられた、板状のフェース板部22のフェース面20の側と反対の側から突出した突出部24とを備えている。上述のように、クラブヘッド10は、クラブヘッド10のバックフェース面26の側に、バックフェース面26の側からフェース面20の側に凹んだ凹部30を有している。突出部24は、この凹部30の周辺の凸状部の一部をなす。ヘッド本体部12は、バックフェース面26の側の、フェース板部22の周縁部表面32と、突出部24のソール部の側の突出表面34と溶接接合されている。
この突出部24を備えていることで、クラブヘッド10によってゴルフボールを打撃した際、このクラブヘッド10を備えるゴルフクラブを把持したゴルファが感じる打感が、比較的良好なものとなる。この突出部24がなく、ヘッド本体部12よりも軟らかい板状のフェース部材16のみによってフェース体が構成されている場合、すなわち、板状のフェース板部22の周縁部表面32がヘッド本体部12と溶接接合されている(太鼓の様な形態になっている)場合、ゴルフボールを打撃した際、このフェース部材16は大きく振動してしまう(振動の振幅が大きくなる)。クラブヘッド10は、この突出部24を備えていることで、フェース部材の剛性が必要以上に低くなることを抑え、ゴルフボールを打撃した際のフェース部材の振動を抑制(振幅の大きさを抑制)することで、ゴルファが感じる打感を比較的良好なものとしている。また、突出部24がソール部近傍にあることで、ゴルフクラブヘッド10の重心位置を比較的低い位置とし、打ち出したゴルフボールの飛翔特性を向上させるといった効果もある。
クラブヘッド10では、フェース体16のフェース面20と反対の側の表面にある交点36は、他の部材と接触もしていない。この交点36は、フェース体16のフェース面20と反対の側の表面の、フェース面20におけるクラブヘッド10の中心位置Gを通りフェース面20と略垂直な方向の垂線との交点である。すなわち、ゴルフクラブヘッド10において、フェース面20におけるクラブヘッド10の中心位置Gに対応する部分では、フェース面20の側からバックフェース面26の側まで、表面にメッキ層18が設けられたフェース部材16のみによって構成されている。
ここで、本実施形態において、フェース面20におけるクラブヘッド10の中心位置Gとは、特開2001−246023号公報に開示された方法により測定された、ゴルフクラブヘッドの重心位置を通りフェース面に垂直な軸と、フェース面との交点に対応する位置である。以下、フェース面20における中心位置を測定する方法について説明する。
このフェース面20における中心位置(ゴルフクラブヘッドの重心位置を通りフェース面に垂直な軸と、フェース面との交点に対応する位置)は、フェース面と当接してゴルフクラブヘッドを支持する支持部を上部に備えた、軸回りの慣性モーメント測定器によって求められる。慣性モーメント測定器は、この支持部がゴルフクラブヘッドを平衡に支持するフェース面上の位置を知ることで、ゴルフクラブヘッドの重心位置を通りフェース面に垂直な軸を知ることができるものである。すなわち、ゴルフクラブヘッドを、支持部に載せ、手を放しても落ちない平衡な位置(フェース面における位置)を探しだすことで、ゴルフクラブヘッドの重心位置を通りフェース面に垂直な軸と、フェース面との交点に対応する位置を探し出すものである。
なお、支持部は平面または3点以上で支持する形態であることが好ましい。また、支持部の面積は、15mm以下であることが好ましい。また、支持部の面積の下限はゴルフクラブヘッドが支えられる限り特に限定されるものではない。支持部の面積は、平面であれば平面部分の面積、3点以上で支持する形態であれば各点を結んだ図形の面積によって示される。このように、支持部の面積を上記の範囲に設定することによって、より正確に中心を求めることができる。本実施形態においては、このようにして測定して特定された、ゴルフクラブヘッドの重心位置を通りフェース面に垂直な軸と、フェース面との交点に対応する位置を、フェース面における中心位置という。
一般的に、ゴルフクラブヘッドは、ゴルフクラブヘッドのフェース面における中心位置と、フェース面におけるゴルフボールとの衝突位置(ボール打撃位置)とが、略一致またはごく近接するように設計されており、クラブヘッド10もまた同様である。フェース面20における中心位置Gに対応する部分において、フェース面20からバックフェース面26に至るまで、表面にメッキ層18が設けられたフェース部材16のみによって構成されているということは、フェース面23におけるボール打撃位置において、フェース面20からバックフェース面26に至るまで、表面にメッキ層18が設けられたフェース部材16のみによって構成されているということである。
このように、フェース部材16が軟鉄からなる単層部材であることで、ゴルフクラブヘッド10では、従来のゴルフクラブヘッドと比べて打感が良好であり、フェース部材の表面にメッキ処理を施したとしても、ソフトな打感を維持することができる。さらに、クラブヘッド10では、フェース部材16が軟鉄で形成されており、さらにソフトな打感を得ることができる。フェース部材を含むゴルフクラブヘッド全体を、ステンレスなどの比較的硬度の高い材料で形成した場合、このようなソフトな打感を得ることはできない。本発明のゴルフクラブヘッドでは、フェース部材を比較的軟らかい軟鉄で形成することによって、従来に比べてよりソフトな打感を得ることができる。
なお、板状のフェース板部22の周縁部表面32に対応する部分におけるフェース体14の厚さ、すなわち、フェース面20と略垂直な方向の、フェース面20から周縁部表面32までの距離は、0.5mm以上であることが好ましい。この厚さを0.5mm以上とすることで、ゴルフボールを打撃した際、良好な打感が得られる。なお、この厚さに上限はないが、一般的なゴルフクラブヘッドを設計する際は、例えば5mm以下としておけばよい。また、ゴルフクラブヘッドを通常のアドレスポジションで地面に設置した状態において、フェース面のロフト角が15°以上であることが好ましい。ロフト角を15°以上とすることで、ゴルフボールを打撃した際に、良好な打感が得られる。なお、このロフト角に上限はないが、一般的なゴルフクラブヘッドを設計する際は、例えば70°以下としておけばよい。
また、フェース部材16を硬度の低い(軟らかい)軟鉄で構成しつつ、ヘッド本体12を比較的硬度の高い(硬い)材料で構成している。ヘッド本体12の一部は、クラブヘッド10のソール部を成し、スウィングの際に地面と衝突する。ヘッド本体12の硬度を比較的高くすることで、地面と衝突した場合でもヘッド本体12の表面に傷がつき難くしている。軟鉄など比較的硬度の低い材料でゴルフクラブヘッド全体を形成した場合、ゴルフボールを繰り返し打撃するうちに、地面と衝突するソール部などに多数の傷がつく。本発明のゴルフクラブヘッドでは、ヘッド本体12を、比較的高い硬度の鋼で形成することによって、ゴルフクラブヘッド表面を傷つきにくくしている。
本発明のゴルフクラブヘッドは、キャビティバック型のゴルフクラブヘッドであってもよいし、バックフェース面に凹部を有さない、いわゆるマッスルバック型のゴルフクラブヘッドであってもよいし、また、例えば中空型のアイアンゴルフクラブヘッドであってもよい。
マッスルバック型のゴルフクラブヘッドであっても、比較的硬度が低い(比較的軟らかい)軟鉄を材料としたフェース部材が、比較的硬度が高い(比較的硬い)支持部に支持されていることで、打感がソフトで、かつ傷がつきにくいゴルフクラブヘッドを提供することができる。この場合も、フェース面におけるボール打撃位置において、フェース面からバックフェース面に至るまで、表面にメッキ層が設けられた、単層構造のフェース部材のみによって構成されていることが好ましい。
以下、本発明のゴルフクラブについての実験を実施した結果を、従来のゴルフクラブの例と比較して具体的に説明する。本実験例においては、まず、下記表1に示す複数のアイアンゴルフクラブヘッド(実験例1〜4)について、打感を評価項目として評価を行なった。表1には、打感の評価結果を示している。下記表1に示す打感については、ヘッドスピードが34〜50(m/秒)の範囲の、アマチュアゴルファとプロゴルファとの合計100人に、各実験例のゴルフクラブを用いて、各ゴルフクラブ毎に10球ずつ打撃してもらって得られた、各ゴルファからの回答を集計したものである。
Figure 0005250936
各ゴルファには、まず、全体(フェース部材およびヘッド本体)がS20C軟鉄からなるゴルフクラブヘッドであって、S20Cを材料とするフェース部材の表面がメッキ処理された、実験例1に示すゴルフクラブヘッドを用いてゴルフボールを打撃してもらった。そして、その後、実験例2〜実験例4のゴルフクラブヘッドをそれそれ用いてゴルフボールを打撃してもらった。そして、実験例2〜実験例4のゴルフクラブヘッドを用いてゴルフボールを打撃した場合それぞれの打感について、実験例1に示すゴルフヘッドを用いてゴルフボールを打撃した場合と比較した結果を回答してもらった。回答としては、「打感がより柔らかく感じた」、「打感の差を感じなかった」、「打感がより硬く感じた」の3種類のなかから、いずれかを選択してもらった。
実験例2に示すゴルフクラブヘッドは、全体(フェース部材およびヘッド本体)がS20C軟鉄からなるゴルフクラブヘッドであって、S20Cを材料とするフェース部材の表面が軟窒化処理されている。実験例2に示すゴルフクラブヘッドでは、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに対して、フェース部材の表面処理の方法が異なっているのみである。実験例1に示すゴルフクラブヘッドの場合、実験例1に示すゴルフクラブヘッドと比較して何らかの打感の変化を感じたゴルファは42人であり、その中で、「打感がより柔らかく感じた」と答えたゴルファは23人であり、「打感がより硬く感じた」と答えたゴルファは19人であった。実験例2に示すゴルフクラブヘッドは、表面を軟窒化処理しており、表面をメッキ処理した実験例1のゴルフクラブヘッドと比較して、表面の硬度は低くなっている。しかし、表1に示す評価結果から明らかなように、打感がより柔らかく感じた評価者の数は、打感がより硬く感じた評価者の数に比べて、僅か4人多いのみである。打感がより柔らかく感じた評価者は23人であり、これは、何らかの打感の変化を感じた評価者の55%未満である。表面の硬度を低下させたのみでは、打感が何らか変化したことは感じ取れても、打感が柔らかくなったか、打感が硬くなったか、明確に感じ取ることはできないといえる。
また、実験例3に示すゴルフクラブヘッドは、全体(フェース部材およびヘッド本体)がS20C軟鉄からなるゴルフクラブヘッドであって、S20Cを材料とするフェース部材の表面には何ら処理が施されていない。実験例3に示すゴルフクラブヘッドでも、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに対して、フェース部材の表面処理の方法が異なっている(表面処理が施されていない)のみである。実験例3に示すゴルフクラブヘッドの場合、実験例1と比較して何らかの打感の変化を感じたゴルファは40人であり、その中で、「打感がより柔らかく感じた」と答えたゴルファは25人であり、「打感がより硬く感じた」と答えたゴルファは15人であった。実験例3に示すゴルフクラブヘッドは、表面にメッキ処理も軟窒化処理も施しておらず、表面をメッキ処理した実験例1に示すゴルフクラブヘッドと比較して、表面の硬度は明らかに低くなっている。しかし、表1に示す評価結果から明らかなように、打感がより柔らかく感じた評価者の数は、打感がより硬く感じた評価者の数に比べて、10人多いのみである。打感がより柔らかく感じた評価者は25人であり、これは、何らかの打感の変化を感じた評価者の63%未満である。表面の硬度を低下させたのみでは、打感が何らか変化したことは感じ取れても、打感が柔らかくなったか、打感が硬くなったか、明確に感じ取ることはできないといえる。
これに対し、実験例4に示すゴルフクラブヘッドは、S10Cからなるフェース部材と、S20Cからなるヘッド本体とからなる。実験例4に示すゴルフクラブヘッドは、S10Cからなるフェース部材に、メッキ処理が施されている。実験例4に示すゴルフクラブヘッドは、フェース部材をなすS10C軟鉄のHRB規格硬度が75.1、ヘッド本体をなすS20C軟鉄のHRB規格硬度が85.4となっている。実験例4に示すゴルフクラブヘッドは、このように、フェース部材の硬度とヘッド本体部の硬度の差が、HRB規格で10以上となっている。
実験例4に示すゴルフクラブヘッドの場合、従来例と比較して何らかの打感の変化を感じたゴルファは39人であり、その中で、「打感がより柔らかく感じた」と答えたゴルファは32人であり、「打感がより硬く感じた」と答えたゴルファは7人であった。実験例4に示すゴルフクラブヘッドは、表面にメッキ処理を施しており、このメッキの硬さ自体は実験例1に示すゴルフクラブヘッドと同等である。実験例4に示すゴルフクラブヘッドは、表面の硬度は従来と同等である。しかし、フェース部材がS10Cで構成されており、フェース部材の硬さや曲げ剛性は、従来例のゴルフクラブヘッドと比較して明らかに低くなっている。表1に示す評価結果から明らかなように、打感がより柔らかく感じた評価者の数は、打感がより硬く感じた評価者の数に比べて、25人も多い。実験例3に示すゴルフクラブヘッドでは、打感がより柔らかく感じた評価者は35人であり、これは、何らかの打感の変化を感じた評価者の83%以上である。実験例2〜実験例4に示す評価結果から明らかなように、表面の硬度を低下させたのみでは、打感が柔らかくなったか打感が硬くなったか、明確に感じ取ることはできなくとも、フェース部材の素材自体を軟らかくすることで、打感が柔らかくなったと、明確に感じ取ることができる。
以上、本発明のゴルフクラブヘッドについて詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
本発明のゴルフクラブヘッドの一例について説明する図であり、アイアンゴルフクラブヘッドを、バックフェースの側から見た概略背面図である。 (a)および(b)は、図1に示すアイアンゴルフクラブヘッドについて説明する図であり、(a)は、アイアンゴルフクラブヘッドを図1に示すA−A’線で切断した概略断面図であり、図2(b)は、図1に示すアイアンゴルフクラブヘッドのフェース体とヘッド本体とをそれぞれ別々に示した概略断面図である。
符号の説明
10 アイアンゴルフクラブヘッド
12 ヘッド本体
14 フェース体
16 フェース部材
18 メッキ層
20 フェース面
22 フェース板部
24 突出部
26 バックフェース面
30 凹部
32 周縁部表面
34 突出表面
36 交点

Claims (8)

  1. ゴルフボールを打撃するゴルフクラブヘッドであって、
    フェース体と、
    前記フェース体と接合されて前記フェース体を支持するヘッド本体とを備え、
    前記フェース体は、
    略板状のフェース部材と、
    前記フェース部材の少なくとも一部の領域を被覆して、表面の少なくとも一部がゴルフボールを打撃するためのフェース面をなす被覆層とを有し、
    前記フェース部材の硬度は、前記ヘッド本体の硬度に比べて低く、
    前記フェース部材と前記ヘッド本体とは、いずれも鋼にて形成され、
    前記フェース部材は、前記フェース面に対応する表面を備える板状のフェース板部と、前記フェース板部の前記フェース面に対応する側と反対の側から突出した突出部とを備え、前記突出部は前記フェース板部の周縁部に対応する領域の内側部分、かつソール部近傍に設けられ、
    前記フェース部材と前記ヘッド本体とが溶接接合されて、前記ヘッド本体が前記フェース体を支持されており、
    前記ヘッド本体は、前記フェース部材の、前記フェース面に対応する表面と反対の側の表面の周縁部と溶接接合されており、さらに前記フェース板部の前記周縁部に対応する表面、および前記突出部の前記ソール部の側の表面と溶接接合されていることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  2. 前記フェース体における、前記フェース体の前記フェース面と反対の側の表面の、前記フェース面の所定部位を通り前記フェース面と略垂直な方向の垂線との交点は、他の部材と接触していないことを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
  3. 前記フェース面の所定部位は、前記フェース面における前記ゴルフクラブヘッドの中心位置であることを特徴とする請求項2に記載のゴルフクラブヘッド。
  4. 前記フェース部材は、軟鉄を主成分とした部材であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
  5. 前記被覆層は、メッキ層であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
  6. 前記フェース部材と前記ヘッド本体部との硬度差が、HRB規格で10以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
  7. 前記フェース体の、前記フェース部材の前記周縁部に対応する領域の厚さは、0.5mm以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
  8. ゴルフクラブヘッドを通常のアドレスポジションで地面に設置した状態において、前記フェース面のロフト角が15°以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
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