JP2002235956A - 下水利用熱源設備 - Google Patents

下水利用熱源設備

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JP2002235956A
JP2002235956A JP2001033457A JP2001033457A JP2002235956A JP 2002235956 A JP2002235956 A JP 2002235956A JP 2001033457 A JP2001033457 A JP 2001033457A JP 2001033457 A JP2001033457 A JP 2001033457A JP 2002235956 A JP2002235956 A JP 2002235956A
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heat
heat transfer
sewage
pipe
sewer
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JP2001033457A
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Masahisa Fukahori
賢久 深堀
Yukihiro Yano
幸博 矢野
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Kubota Corp
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Kubota Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メンテナンス面、耐用性の面、設備施工性の
面、種々の施設条件に対する対応性の面で優れながら、
運転性能面でも優れ、また、コスト面でも有利な下水利
用熱源設備を提供する。 【解決手段】 一端から導入した熱媒Lを他端から送出
する複数の伝熱管3を、下水路2の底部壁外面に伝熱材
cを介して接触させた状態、又は、下水路2の底部壁外
面に直接接触させた状態、又は、下水路2の底部壁に埋
め込んだ状態で、下水路2の底部壁に沿わせて下水路施
設方向に並列に延設し、これら並列伝熱管3の下水路下
流側の端部に対して熱媒給送管11Bからの送給熱媒L
を分配する分配ヘッダ8、及び、これら並列伝熱管3の
下水路上流側の端部から送出される熱媒Lを集合させて
熱媒返送管11Aに送出する集合ヘッダ12を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は下水利用の熱源設備
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、下水を利用した熱源設備としては
次の(イ)〜(ハ)の形式のものが知られている。
【0003】(イ)図8に示す如く、埋設下水管や下水
開渠などの下水路2から下水WをポンプPにより汲み出
し、その汲み出した下水Wを熱交換器Xで熱媒Lと熱交
換させる形式(例えば、特開平8−21673号公報参
照)。
【0004】(ロ)図9や図10に示す如く、熱媒Lを
管内通過させる伝熱管Y(すなわち、熱交換器)を下水
W中に浸漬させる状態で下水路2やその途中の下水升2
Mなどに設置する形式。
【0005】(ハ)図11に示す如く、ヒートパイプZ
の蒸発部aを埋設下水管2の外面に接触させ、かつ、ヒ
ートパイプZの凝縮部bを融雪対象箇所Tに位置させる
状態にヒートパイプZを設置し、これにより、下水Wの
保有熱をヒートパイプZにより融雪対象箇所Tに汲み上
げて融雪を行う形式(例えば、特開平6−136714
号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記(イ),
(ロ)の従来形式では、下水W中の混在物が熱交換器X
の内部流路に付着堆積したり浸漬伝熱管Yに引っ掛かり
易く、これに対するメンテナンスや何らかの防御対策が
必要になる、また、種々の腐食性成分を含む下水Wが熱
交換器Xの内部や浸漬伝熱管Yに直接に接触するため、
熱交換器Xや浸漬伝熱管Yの劣化が早いといった問題が
あった。
【0007】一方、上記(ハ)の従来形式では、ヒート
パイプZにはその設置姿勢が蒸発部aを下にした縦姿勢
に限られる、蒸発部aがパイプZの端部位置に限られ
る、実用的な熱運搬効率を得るのにパイプZの最大長が
限られるといった制約があるため、例えば、下水管2の
施設方向における大きな範囲から下水熱を採取しようと
すると、多数のヒートパイプZを各々縦姿勢で下水管施
設方向に並べて設置することが必要になる等して設備施
工が難しくなる場合が多く、対象下水管2の施設条件に
よっては設備の設置そのものが無理な場合も多い問題が
あった。
【0008】これらの実情に鑑み、本発明の主たる課題
は、下水と熱媒との熱交換に合理的な熱交換構成を採る
ことにより、上記の如き問題を効果的に解消する点にあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】〔1〕請求項1に係る発
明は下水利用熱源設備に係り、その特徴は、一端から導
入した熱媒を他端から送出する複数の伝熱管を、下水路
の底部壁の外面に伝熱材を介して接触させた状態、又
は、下水路の底部壁の外面に直接に接触させた状態、又
は、下水路の底部壁に埋め込んだ状態で、その下水路の
底部壁に沿わせて下水路施設方向に並列に延設し、これ
ら並列伝熱管の下水路下流側の端部に対して熱媒給送管
からの送給熱媒を分配する分配ヘッダ、及び、これら並
列伝熱管の下水路上流側の端部から送出される熱媒を集
合させて熱媒返送管に送出する集合ヘッダを設けてある
点にある。
【0010】つまり、この構成では、熱媒を上記並列伝
熱管の管内通過過程で伝熱管の管壁と下水路の底部壁と
を介して、また、伝熱管を下水路の底部壁外面に伝熱材
を介して接触させる場合では、伝熱管の管壁と伝熱材と
下水路の底部壁とを介して、下水路内の下水と熱交換さ
せる。
【0011】すなわち、この構成であれば、先述
(イ),(ロ)の従来形式の如く下水中の混在物が熱交
換器の内部流路に付着堆積したり浸漬伝熱管に引っ掛か
るといったことがないことから、メンテナンスの負担を
低減できるとともに、下水中混在物の付着堆積や引っ掛
かりに対する特別な防御対策も不要になり、また、種々
の腐食性成分を含む下水と伝熱管との直接接触による伝
熱管の劣化促進もないことから、高い耐用性も得ること
ができる。
【0012】また、一端から導入した熱媒を他端から送
出するだけの上記伝熱管については、ヒートパイプの如
き種々の制限(先述した設置姿勢の制限など)がないこ
とから、設置施工が容易で、その分、設備コストも安価
になり、対象下水路の施設条件によって設備の設置その
ものが制限されるといったことも少なくなる。
【0013】そしてさらに、下水路は極めて特殊な場合
を除き、一般には下流側ほど低位となる勾配が設けられ
ることから、上記の如く並列伝熱管を下水路の底部壁に
沿わせて下水路施設方向に延設する構成であれば、それ
ら並列伝熱管にも下水路上流側ほど高位となる配管勾配
が付き、このことと、それら並列伝熱管に熱媒を上記の
如く下水路下流側から下水路上流側向きに通過させるこ
ととが相俟って、熱媒通過障害やそれによる熱交換不良
の原因となる並列伝熱管での空気溜り(熱媒中に含まれ
る空気泡の管内滞留蓄積)を効果的に防止でき、これに
より、良好な熱媒運転を安定的に維持することができ、
また、下水と熱媒との熱交換効率も高く安定的に維持す
ることができる。
【0014】しかも、下水温度よりも低温の熱媒を並列
伝熱管に送給して下水の保有温熱を熱媒に回収する場合
では、上記の如き勾配が付いた並列伝熱管の管内におい
て下水保有温熱により暖められた熱媒に生じる上昇ドラ
フト力で下水路上流側向きの熱媒管内通過が促進され、
これにより、それら並列伝熱管に熱媒を通過させるのに
要するポンプ動力も効果的に低減できて、設備の運転経
費も安価にすることができる。
【0015】これらのことから、請求項1に係る発明に
よれば、全体として、先述した(イ)〜(ハ)の従来形
式に比べメンテナンス面、耐用性の面、設備施工性の
面、種々の施設条件に対する対応性の面で優れながら、
良好な熱媒運転を安定的に維持できるとともに下水と熱
媒との熱交換効率を高く安定的に維持できて運転性能面
でも優れ、さらにコスト面でも有利な下水利用熱源設備
にすることができる。
【0016】なお、下水路の底部壁に沿わせて下水路施
設方向に延設する伝熱管を一本だけにして、上記分配ヘ
ッダや集合ヘッダを省略する構成も考えられるが、この
場合、複数の伝熱管を並列に延設するのと同等の伝熱面
積を得ようとすると、その伝熱管に極めて大きな幅寸法
のものが必要になって、その製作、管強度の確保、施工
現場への運搬、設置施工などが難しくなり、この点で、
複数の伝熱管を並列に延設する上記構成の方が有利であ
る。
【0017】請求項1に係る発明の実施において、対象
の下水路は、複数の伝熱管を底部壁の外面に伝熱材を介
して接触させた状態、又は、底部壁の外面に直接に接触
させた状態、又は、底部壁に埋め込んだ状態で、その底
部壁に沿わせて下水路施設方向に並列に延設できるもの
であれば、下水管により形成するもの、あるいは、下水
暗渠や下水開渠により形成するものなど、どのような形
成構造のものであってもよい。
【0018】また、伝熱管を下水路の底部壁外面に伝熱
材を介して接触させた状態で延設する場合、その介装伝
熱材にはコンクリート、礫、土など種々のもの適用で
き、下水路の基礎とするコンクリート、あるいは、下水
路の設置床を形成する礫や土を介装伝熱材として利用す
るようにしてもよい。
【0019】請求項1に係る発明で言う下水とは、一般
下水に限られるものではなく、工場排水やトンネルから
の湧き水排水などであってもよい。
【0020】また、請求項1に係る発明は、下水温度よ
りも低温の熱媒を並列伝熱管に送給して下水の保有温熱
を熱媒に回収する形態での実施に限らず、下水温度より
も高温の熱媒を並列伝熱管に送給して、その熱媒の担う
不要熱を下水に放熱する形態で実施してもよい。
【0021】〔2〕請求項2に係る発明は、請求項1に
係る発明の実施に好適な実施形態を特定するものであ
り、その特徴は、前記分配ヘッダを下水路施設方向にお
いて前記並列伝熱管の下水路下流側の端部の近傍に配置
し、前記集合ヘッダを下水路施設方向において前記並列
伝熱管の下水路上流側の端部の近傍に配置し、前記熱媒
給送管からの送給熱媒を前記分配ヘッダに送る渡り給送
管を、前記下水路の周囲地中に埋設した状態で前記集合
ヘッダの配置位置から前記分配ヘッダの配置位置へ延設
して前記分配ヘッダに接続してある点にある。
【0022】つまり、この構成によれば、下水路の周囲
地中に埋設した上記渡り給送管を補助的な伝熱管に利用
して、その渡り給送管の管内通過過程で熱媒を並列伝熱
管への給送に先立ち下水路の周囲土壌(すなわち、下水
からの熱的影響を受ける土壌)と対地熱交換させること
ができ、これにより、下水の保有温熱を熱媒に回収する
設備目的では全体としての熱媒への回収熱量を、また、
熱媒の担う不要熱を下水に放熱する設備目的では全体と
しての熱媒からの放熱量を効果的に増大させることがで
きて、設備性能の一層の向上が可能になる。
【0023】また、分配ヘッダを下水路施設方向におい
て並列伝熱管の下水路下流側の端部の近傍に配置し、か
つ、集合ヘッダを下水路施設方向において並列伝熱管の
下水路上流側の端部の近傍に配置する振り分け配置形態
を採ることにより、分配ヘッダから並列伝熱管の下水路
下流側の端部にわたらせる複数の分配側分岐管の配管長
さ、及び、集合ヘッダから並列伝熱管の下水路上流側の
端部にわたらせる複数の集合側分岐管の配管長さを夫
々、極力短くすることができ、これにより、例えば、並
列伝熱管の施設方向における1箇所に分岐ヘッダと集合
ヘッダとを集合配置するなどに比べ、設備の配管構成を
簡略化して設備施工の一層の容易化及び設備コストの一
層の低減も可能になる。
【0024】〔3〕請求項3に係る発明は、請求項1又
は2に係る発明の実施に好適な実施形態を特定するもの
であり、その特徴は、前記分配ヘッダから前記並列伝熱
管の下水路下流側の端部にわたらせる複数の分配側分岐
管の夫々、及び、前記集合ヘッダから前記並列伝熱管の
下水路上流側の端部にわたらせる複数の集合側分岐管の
夫々に遮断弁を設けてある点にある。
【0025】つまり、この構成によれば、何らかの原因
で並列伝熱管のうちの1本の伝熱管が損傷してその損傷
部で熱媒の漏れが生じたとしても、その損傷伝熱管に対
する分配側分岐管の遮断弁及び集合側分岐管の遮断弁を
閉弁をすることにより、その熱媒の漏れを止めた状態で
他の並列伝熱管を用いての熱媒と下水との熱交換を継続
することができ、この点、伝熱管損傷に対する対応性の
面で一層優れた設備になる。
【0026】なお、複数の分配側分岐管の夫々に介装す
る遮断弁ないし複数の集合側分岐管の夫々に介装する遮
断弁の少なくとも一方に、流量調整機能のある弁を使用
するすれば、それら弁による熱媒流量の調整により並列
伝熱管における伝熱管どうしの熱媒流量バランス(換言
すれば、各伝熱管に対する熱媒分配比)を下水との熱交
換上で最適なバランス状態に調整するといったことも可
能になる。
【0027】〔4〕請求項4に係る発明は、請求項1〜
3のいずれか1項に係る発明の実施に好適な実施形態を
特定するものであり、その特徴は、前記下水路を下水管
により形成するとともに、その下水管を載置するコンク
リート基礎を下水管施設方向に延設する構成において、
前記並列伝熱管を前記コンクリート基礎中に埋め込んだ
状態で下水管施設方向に延設して、そのコンクリート基
礎を構成するコンクリート材を前記伝熱材にしてある点
にある。
【0028】つまり、この構成によれば、一般にコンク
リート材は熱伝導率が土に比べ高いことから、例えば並
列伝熱管を保護するための土を並列伝熱管と下水管との
間に介在させて、その土を介し熱媒と下水とを熱交換さ
せるに比べ、熱媒と下水との熱交換効率を高く確保する
ことができ、また、コンリート基礎が有する大きな強度
をもって並列伝熱管の保護もより確実なものにすること
ができる。
【0029】
【発明の実施の形態】図1は下水利用の融雪設備を示
し、1は降雪地域における道路や駐車場などの路面下に
設置した融雪用熱交換器、2はそれら融雪対象箇所Tで
ある道路や駐車場近くの地中Gに埋設された下水管(下
水路)である。
【0030】3は、同図1〜図3に示す如く、埋設下水
管2の底部壁外面に近接させた地中埋設状態で下水管2
の底部壁に沿わせて下水管施設方向に並列に延設した対
下水熱交換用の複数本のステンレス製伝熱管であり、こ
れら伝熱管3は、下水管2を載置するコンクリート基礎
4中に埋め込んだ状態(換言すれば、そのコンクリート
基礎4を構成するコンクリート材cを伝熱材として並列
伝熱管3と下水管2の底部壁外面との間に介在させた状
態)で、そのコンクリート基礎4とともに下水管施設方
向に延設してある。
【0031】なお、この伝熱管施設で下水管2の底部壁
に沿わせて下水管施設方向に延設する並列伝熱管3に
は、下水管2と同等の配管勾配、すなわち、下水管上流
側ほど高位なる配管勾配が設けられる。
【0032】下水管施設方向において並列伝熱管3の下
水管下流側の端部の近傍には、その地表部に開閉蓋5a
付きの分配側バルブボックス5を設け、この分配側バル
ブボックス5には、後述の渡り給送管6を通じて供給さ
れる熱媒L(例えばブライン)を複数の分配側分岐管7
を通じて並列伝熱管3の下水管下流側の端部に分配する
分配ヘッダ8を内装するとともに、それら分配側の分岐
管7の夫々に介装した分配側遮断弁Viを内装してあ
る。
【0033】また同様に、下水管施設方向において並列
伝熱管3の下水管上流側の端部の近傍には、その地表部
に開閉蓋9a付きの集合側バルブボックス9を設け、こ
の集合側バルブボックス9には、並列伝熱管3の下水管
上流側の端部から送出される熱媒Lを複数の集合側分岐
管10を通じ集合させて熱媒返送管11Aに送出する集
合ヘッダ12を内装するとともに、それら集合側の分岐
管10の夫々に介装した集合側遮断弁Voを内装してあ
る。
【0034】そして、集合側バルブボックス9と分配側
バルブボックス5との間には、熱媒給送管11Bからの
送給熱媒Lを分配ヘッダ8に送る上記渡り給送管6をわ
たらせてあり、この渡り給送管6は、下水管2の周囲地
中Gに埋設した状態で集合側バルブボックス9から分配
側バルブボックス5へ延設して分配ヘッダ8に接続して
ある。
【0035】熱媒返送管11A及び熱媒給送管11B
は、並列伝熱管3と前記の融雪用熱交換器1との間で熱
媒Lを循環させる循環路11を形成するものであり、こ
の循環路11中に介装した循環ポンプ13の運転によ
り、融雪用熱交換器1を通過した熱媒Lを熱媒給送管1
1B、渡り給送管6、分配ヘッダ8、分配側分岐管7を
通じて並列伝熱管3の下水管下流側の端部に供給し、こ
れに伴い、並列伝熱管3の下水管上流側の端部から送出
される熱媒Lを集合側分岐管10、集合ヘッダ12、熱
媒返送管11Aを通じて融雪用熱交換器1に返送する。
【0036】つまり、この融雪設備では、熱媒Lを並列
伝熱管3の管内通過過程で伝熱管3の管壁、伝熱材とし
てのコンクリート基礎4のコンクリート材c、下水管2
の底部壁を介し下水管2中の下水Wと熱交換させて、下
水Wの保有温熱を熱媒Lに回収し、この熱回収により昇
温した熱媒Lを融雪用熱交換器1に送って放熱させるこ
とで、融雪対象箇所の融雪を行なう。
【0037】また、上記の如く渡り給送管6を下水管2
の周囲地中Gに埋設した状態で集合側バルブボックス9
から分配側バルブボックス5にわたらせることにより、
この渡り給送管6を補助的な伝熱管に利用して、その渡
り給送管6の管内通過過程で熱媒Lを並列伝熱管3への
給送に先立ち下水路2の周囲土壌(すなわち、下水Wか
らの放熱を受ける土壌)と対地熱交換させ、これによ
り、全体としての熱媒Lへの回収熱量を効果的に増大さ
せる。
【0038】そしてまた、下水管2の底部壁に沿わせて
下水管施設方向に延設する並列伝熱管3に対し、その並
列伝熱管3の下水管下流側の端部から下水管上流側向き
に熱媒Lを通過させる形態を採ることにより、下水管上
流側ほど高位となる並列伝熱管3の前述の如き配管勾配
との相乗作用をもって、熱媒通過障害やそれによる熱交
換不良の原因となる並列伝熱管3での空気溜りを効果的
に防止するようにしてある。
【0039】なお、何らかの原因で並列伝熱管3のうち
の1本の伝熱管3が損傷してその損傷部で熱媒Lの漏れ
が生じた場合には、その損傷伝熱管3に対する分配側の
遮断弁Vi及び集合側の遮断弁Voを閉弁して、その損
傷伝熱管3の入口側及び出口側の両方を遮断し、これに
より、熱媒Lの漏れを止めた状態で他の並列伝熱管3を
用いての熱媒Lと下水Wとの熱交換を継続する。また、
これら分配側の遮断弁Vi及び集合側の遮断弁Voには
流量調整機能のある弁を使用してあり、これら弁Vi,
Voによる熱媒流量の調整により並列伝熱管3における
伝熱管3どうしの熱媒流量バランスを調整する。
【0040】Vmは渡り給送管6に介装した元遮断弁で
あり、この元遮断弁Vmは集合側遮断弁Voとともに集
合側バルブボックス9に内装してある。
【0041】〔別実施形態〕上述の実施形態では、下水
Wの保有温熱を熱媒Lに回収する例を示したが、本発明
は、不要熱を担う熱媒Lを並列伝熱管3に通過させて、
その管内通過過程で熱媒Lを下水Wに対し放熱させる放
熱目的にも適用できる。
【0042】前述の実施形態では、回収温熱の最終消費
装置である融雪用熱交換器1と並列伝熱管3との間で熱
媒Lを直接に循環させる例を示したが、図4に示す如
く、熱源側熱交換器20、負荷側熱交換器21、圧縮機
23、膨張弁24、並びに、四方弁25を主要構成装置
としてヒートポンプ回路(冷凍回路)を形成したヒート
ポンプ装置HPを設け、このヒートポンプ装置HPにお
いて蒸発器ないし凝縮器として機能させる熱源側熱交換
器20と並列伝熱管3との間でブラインや水などの熱媒
Lを循環させる設備構成にしてもよい。
【0043】つまり、この図4に示す設備では、熱源側
熱交換器20を蒸発器として機能させながら負荷側熱交
換器21を凝縮器として機能させて負荷側熱交換器21
で温熱を発生させる温熱発生運転と、逆に熱源側熱交換
器20を凝縮器として機能させながら負荷側熱交換器2
1を蒸発器として機能させて負荷側熱交換器21で冷熱
を発生させる冷熱発生運転とを、四方弁25による冷媒
Rの経路切り換えにより択一的に実施する。すなわち、
温熱発生運転(特に冬季)では、下水Wの保有温熱を熱
媒Lに回収する形態で、その熱回収した熱媒Lを吸熱源
とするヒートポンプ装置HPの運転により負荷側熱交換
器21で種々の用途に供する温熱を発生させ、一方、冷
熱発生運転(特に夏季)では、熱媒Lの担う排熱を下水
Wに放熱させる形態で、その放熱した熱媒Lを放熱源と
するヒートポンプ装置HPの運転により負荷側熱交換器
21で種々の用途に供する冷熱を発生させる。
【0044】また図5に示す如く、並列伝熱管3、負荷
側熱交換器21、圧縮機23、膨張弁24、並びに、四
方弁25を主要構成装置としてヒートポンプ回路(冷凍
回路)を形成するヒートポンプ装置HP′を構成し、こ
のヒートポンプ装置HP′において蒸発器ないし凝縮器
として機能させる並列伝熱管3に熱媒としてヒートポン
プ装置HP′の冷媒Rを直接に通過させる設備構成にし
てもよい。
【0045】つまり、この図5に示す設備では、並列伝
熱管3を蒸発器として機能させながら負荷側熱交換器2
1を凝縮器として機能させて負荷側熱交換器21で温熱
を発生させる温熱発生運転と、逆に並列伝熱管3を凝縮
器として機能させながら負荷側熱交換器21を蒸発器と
して機能させて負荷側熱交換器21で冷熱を発生させる
冷熱発生運転とを、四方弁25による冷媒Rの経路切り
換えにより択一的に実施する。すなわち、温熱発生運転
(特に冬季)では、下水Wを直接の吸熱源とするヒート
ポンプ装置HP′の運転により、下水Wの保有温熱を回
収しながら負荷側熱交換器21で種々の用途に供する温
熱を発生させ、一方、冷熱発生運転(特に夏季)では、
下水Wを直接の放熱源とするヒートポンプ装置HP′の
運転により、下水Wに放熱しながら負荷側熱交換器21
で種々の用途に供する冷熱を発生させる。
【0046】なお、図4,図5に示すヒートポンプ設備
では、下水Wの保有温熱を回収する温熱発生運転と、下
水Wに放熱する冷熱発生運転との切り換え実施を可能に
したが、これに代え、温熱発生運転と冷熱発生運転との
いずれか一方のみの実施が可能なヒートポンプ設備にし
てもよい。
【0047】並列伝熱管3に通過させる熱媒Lは、必ず
しも循環熱媒に限られるものではなく、並列伝熱管3に
対し一過的に通過させる熱媒であってもよい。
【0048】並列伝熱管3の施設対象とする下水路は、
下水管2により形成するものに限らず、下水暗渠や下水
開渠などにより形成するものであってもよく、また、並
列伝熱管3を下水路の底部壁に沿わせて下水路施設方向
に延設するのに、前述の実施形態の如く、並列伝熱管3
を下水路2(下水管)の底部壁外面に伝熱材cを介して
接触させた状態で下水路2の底部壁に沿わせて下水路施
設方向に延設するに代え、図6に示す如く、並列伝熱管
3を下水路2′(下水暗渠または下水開渠)の底部壁外
面に直接に接触させた状態で下水路2′の底部壁に沿わ
せて下水路施設方向に延設したり、あるいはまた、図7
に示す如く、並列伝熱管3を下水路2″(下水暗渠また
は下水開渠)の底部壁に埋め込んだ状態で下水路2″の
底部壁に沿わせて下水路施設方向に延設するようにして
もよい。
【0049】伝熱管3には金属製のものや樹脂製のもの
など種々の材質のものを適用でき、また、伝熱管3の断
面形状も円形に限らず矩形や楕円形などであってもよ
く、場合によっては、伝熱フィンを外周面に設けた伝熱
管を採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】融雪設備を示す斜視図
【図2】伝熱管の施設状態を示す断面図
【図3】伝熱管の施設状態を示す平面図
【図4】別実施形態を示すヒートポンプ設備の構成図
【図5】他の別実施形態を示すヒートポンプ設備の構成
【図6】他の別実施形態を示す伝熱管施設状態の斜視図
【図7】他の別実施形態を示す伝熱管施設状態の斜視図
【図8】従来の設備構成を示す図
【図9】従来の設備構成を示す図
【図10】従来の設備構成を示す図
【図11】従来の設備構成を示す図
【符号の説明】
2 下水路,下水管 3 伝熱管 4 コンクリート基礎 6 渡り給送管 7 分配側分岐管 8 分配ヘッダ 10 集合側分岐管 11A 熱媒返送管 11B 熱媒給送管 12 集合ヘッダ c 伝熱材,コンクリート材 G 地中 L 熱媒 Vi,Vo 遮断弁

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端から導入した熱媒を他端から送出す
    る複数の伝熱管を、下水路の底部壁の外面に伝熱材を介
    して接触させた状態、又は、下水路の底部壁の外面に直
    接に接触させた状態、又は、下水路の底部壁に埋め込ん
    だ状態で、その下水路の底部壁に沿わせて下水路施設方
    向に並列に延設し、 これら並列伝熱管の下水路下流側の端部に対して熱媒給
    送管からの送給熱媒を分配する分配ヘッダ、及び、これ
    ら並列伝熱管の下水路上流側の端部から送出される熱媒
    を集合させて熱媒返送管に送出する集合ヘッダを設けて
    ある下水利用熱源設備。
  2. 【請求項2】 前記分配ヘッダを下水路施設方向におい
    て前記並列伝熱管の下水路下流側の端部の近傍に配置
    し、 前記集合ヘッダを下水路施設方向において前記並列伝熱
    管の下水路上流側の端部の近傍に配置し、 前記熱媒給送管からの送給熱媒を前記分配ヘッダに送る
    渡り給送管を、前記下水路の周囲地中に埋設した状態で
    前記集合ヘッダの配置位置から前記分配ヘッダの配置位
    置へ延設して前記分配ヘッダに接続してある請求項1記
    載の下水利用熱源設備。
  3. 【請求項3】 前記分配ヘッダから前記並列伝熱管の下
    水路下流側の端部にわたらせる複数の分配側分岐管の夫
    々、及び、前記集合ヘッダから前記並列伝熱管の下水路
    上流側の端部にわたらせる複数の集合側分岐管の夫々に
    遮断弁を設けてある請求項1又は2記載の下水利用熱源
    設備。
  4. 【請求項4】 前記下水路を下水管により形成するとと
    もに、その下水管を載置するコンクリート基礎を下水管
    施設方向に延設する構成において、 前記並列伝熱管を前記コンクリート基礎中に埋め込んだ
    状態で下水管施設方向に延設して、そのコンクリート基
    礎を構成するコンクリート材を前記伝熱材にしてある請
    求項1〜3のいずれか1項に記載の下水利用熱源設備。
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