JP2002235118A - 歪取焼鈍後の磁気特性および被膜密着性に優れた電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
歪取焼鈍後の磁気特性および被膜密着性に優れた電磁鋼板の製造方法Info
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Abstract
た電磁鋼板の製造方法の提供。 【解決手段】金属結合基を有する有機金属化合物を含有
する塗液を鋼板上に塗布し焼付けを行う焼付け処理中
に、鋼板温度が200℃以上800℃以下、酸素分圧P
O2≧2×10-5atmの雰囲気とする酸化処理を行うこ
とを特徴とする歪取焼鈍後の磁気特性および被膜密着性
に優れた電磁鋼板の製造方法。
Description
機、モーターの鉄心に利用される電磁鋼板に関し、特に
歪取焼鈍後の磁気特性、および被膜密着性に優れた電磁
鋼板の製造方法に関する。
鉄心材料として広く用いられている。省エネルギーの観
点から、近年、このような電気機器のエネルギー損失を
小さくすることが強く求められるようになってきた。そ
のため、優れた磁気特性( 鉄損) を有する電磁鋼板の二
一ズが高まっている。
Siを含有させて電気抵抗を高める方法、鋼板板厚を低
減する方法、磁化方向に磁化容易軸が近づくように結晶
方位を制御する方法、鋼板に張カを与える方法がよく知
られている。
圧延が困難となるので限界がある。板厚を低減する方法
も極端な製造コストの増大をもたらすので限界がある。
また、結晶方位を制御する方法は、磁化方向に対し、結
晶方位のばらつきが3°以内の製品がすでに得られてお
り、これ以上の改善の余地は少なくなっている。鋼板に
張力を与える方法は、例えば、現在市販されている多く
の方向性電磁鋼板には、張カ付与型のコーテイングが被
成されており、さらなる張力向上による鉄損改善は望め
ない。
公報に開示されているように、鋼板金属表面と非金属被
膜との界面の粗度を低減したり、特公平4−9041号
公報、特公平5−87597号公報および特公平6−3
7694号公報に開示されているように、金属表面に特
定の結晶方位の結晶を特に残存させるところの結晶方位
強調処理を施して鉄損を改善する手法が提案され、鉄損
が大幅に改善することが示された。しかし、これらの技
術によって鉄損を低減するためには、鋼板に対し強い張
力を与えることが不可欠であり、そのためには鋼板表面
に張力被膜を存在させることが必要であった。すなわ
ち、張力被膜が存在しない場合には、鋼板表面が平滑な
ため、逆に磁区幅の拡大が促進される結果となり、鉄損
が大幅に増大する。
52−24499号公報には、鋼板表面を化学研磨や電
解研磨によって鏡面化し、さらに鋼板表面に金属薄メッ
キを施し鋼板表面の酸化や、さらに絶縁被膜を塗布焼付
けた際の鋼板表面の劣化による磁気特性劣化を抑制する
方法が提案されているが、金属メッキが張力を有する場
合には絶縁被膜は焼き付け処理によって剥離しやすく、
剥離を免れた場合であっても、歪取焼鈍によってメッキ
層が鋼板内に拡散して効果を失うという欠点があった。
磨により平滑に仕上げた鋼板表面にCVD,PVD法に
より各種酸化物、ほう化物、珪化物、りん化物、硫化物
と地鉄との混合極薄層を形成しその上に絶縁性塗布焼き
付け層を具備する電磁鋼板が開示されている。しかし、
この製造方法においては、鋼板と絶縁層との密着性に優
れているが、鋼板の鏡面平滑化効果が地鉄との混合極薄
層の存在によって消去され、所望の磁気特性が得られ
ず、工業化されるに至らなかった。
面を化学研磨や電解研磨によって平均粗さRa;0.4
μm以下の平滑面とし、さらにその上にセラミックス薄
膜を施す方法が開示されている。しかし密着性のよいセ
ラミックス被膜の形成方法として、化学蒸着、真空蒸着
が必要で、成膜速度が遅く、工業生産には適合せず、工
業化には至っていない。
4465号公報、特許第294466号公報、特許第2
94467号公報、特許第294468号公報、特許第
294469号公報、特許第294470号公報には、
平滑化した地鉄表面に、もしくはその金属メッキ面に低
圧プラズマ溶射法によって酸化物や珪化物を被成する方
法が開示されているが、この方法によっては工業的な成
膜速度は確保できるものの、液滴の付着による成膜であ
り、緻密な膜の形成は不可能で、成膜された表面も粗く
摩擦により容易に剥離し、また大規模な減圧設備が必要
となるため工業化には至っていない。
は、ゾルゲル法によってセラミックス被膜を形成する方
法が開示されているが、有効な張力を与えられる膜厚を
一度に塗布すると被膜の割れや剥離につながることか
ら、複数回の塗布処理が必要であり、工業的には実施さ
れていない。
ゾルゲル法によりゲル膜を形成した後に絶縁被膜を形成
する方法が開示されているが、ゾルゲル膜上には均一な
被膜が被成できず、部分的な絶縁不良を生じる問題があ
った。また、特開平5−226134号公報には同じく
ゾルゲル法の改良特許が示されているが、剥離に関する
問題は根本的には解決されていない。
の電磁鋼板の低鉄損技術の動向は鋼板表面を仕上げ焼鈍
工程中やその後の処理で平滑化したり、結晶方位強調処
理を施した後、鋼板表面に張カ被膜を被成することが必
要不可欠であるが、張力被膜は鋼板面に強い張カを及ぼ
すため鋼板面と張カ被膜との界面に強いせん断応カが作
用し必然的に被膜を剥離させる結果、張カ付与も達成で
きず、磁気特性も劣化するという問題がある。
断などによる加工歪を除去する目的で800℃1時間程
度の歪取り焼鈍が施される場合が多い。歪取り焼鈍後の
密着性の確保は、製品板での密着性の確保よりさらに困
難であり、従来技術では、絶縁被膜が付与された製品で
密着性がある程度確保された場合でも、歪取り焼鈍後の
密着性は劣悪となり、実用から程遠いレベルであった。
これに対し、張力被膜の密着性確保のための種々の工夫
がなされてきたが、密着性が良好な場合には、鋼板表面
の磁気的な平滑効果が消失する矛盾があり、やはり磁気
特性の劣化をもたらす結果となり、いまだに、このよう
な技術のなかで工業的に製品化されたものはない。
合には張力被膜の密着性は平滑化処理の場合より、この
矛盾は多少緩和されるが、それでも本来あるべき密着性
には程遠く、十分な磁気特性が得られていない。
緯について説明する。発明者らは、上記技術について検
討した結果、鋼板上に(1)金属結合基を有する有機金
属化合物を含有する塗液を塗布し、(2)かつ、焼付け
ガス雰囲気を特定の酸素分圧の雰囲気として焼付けの一
部あるいは全部を行うことにより、歪取焼鈍後の磁気特
性および被膜密着性に極めて優れた電磁鋼板が得られる
ことを知見した。
機金属化合物を含有する塗液を鋼板上に塗布し焼付けを
行う焼付け処理中に、鋼板温度が200℃以上800℃
以下、酸素分圧PO2≧2×10-5atmの雰囲気とする
酸化処理を行うことを特徴とする電磁鋼板の製造方法を
提供し、歪取焼鈍後の磁気特性および被膜密着性に優れ
た電磁鋼板の製造方法を提供する。また、前記金属結合
基を有する有機金属化合物がシランカップリング剤であ
る製造方法、さらに、前記焼付け処理後に、焼成後に張
力被膜となる物質を含む物質を鋼板に塗布し、さらに焼
付けて張力被膜を形成する製造方法を提供する。
法は、金属結合基を有する有機金属化合物を鋼板上に塗
布し、特定酸素雰囲気で焼付ける工程を有することを1
つの特徴とする。
(Fe)とM−O−Fe型の結合を生じる官能基であっ
て、金属結合基の例示には、アルコキシル基、その加水
分解基、アセトキシ基等のアシル基、メトキシカルボニ
ル基等の低級アルコキシカルボニル基およびクロル基等
のハロゲン基からなる群より選択される1種または2種
以上が挙げられる。金属Mは該有機金属化合物に含まれ
る金属元素であってAl、Fe、Si、TiおよびZr
等の金属元素からなる群より選択される1種または2種
以上が挙げられる。後述のように安定した結合とするた
めには商品としてシランカップリング剤あるいは、その
オリゴマーとして市販されてもいる金属MがSiである
有機金属化合物を用いることが好ましい。
ては、上述の金属結合基を持つ有機金属化合物であれ
ば、特に限定されないが、ビニルトリクロルシラン、ア
ミノアルキルトリアルコキシシラン、γ- メタクリロキ
シアルキルアルコキシシラン、グリシドキシアルキルト
リアルコキシシラン、メルカプトアルキルトリアルコキ
シシラン等のシランカップリング剤、これらと同じ基を
有し、かつハロゲン基とチタンを有するチタネートカッ
プリング剤、トリアルコールアミンチタネート等が挙げ
られる。これらの一種を用いてもよいし、二種以上を用
いてもよい。
結合基を有する有機金属化合物を含む液体のいずれもが
適合し、該化合物をアルコールやトルエンなど公知の有
機溶媒や水で希釈したものが塗布性などの点において有
利である。また、この塗液に、耐食性や絶縁性を向上さ
せるための助剤として、クロム酸、ホウ酸など塗液に溶
解可能な酸化物や、リン酸アルミニウム、リン酸マグネ
シウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウムなどの金属
のリン酸塩、重クロム酸マグネシウム、重クロム酸カリ
ウム塩などの金属のクロム酸塩、ホウ酸アルミニウム、
ホウ酸マグネシウム、ホウ酸リチウムなどのホウ酸塩、
あるいはポリビニルアルコール等の有機高分子化合物等
を適宜添加することができる。
の方法が適用できる。化合物はアルコール、酢酸エチル
やトルエンなど適当な有機溶媒や水で希釈して、塗布
性、均一性を向上させることができる。被膜密着性の観
点から塗布量は乾燥または焼付け後(張力皮膜の焼付け
は含まない)に片面あたり0.1g/m2 から10.0
g/m2 に調整することが望ましい。酸化処理を含む焼
付け処理被膜の乾燥または焼付け後の層の厚さは、1.
0μm未満が好ましい。
ては、鋼板温度が200℃以上800℃以下であって、
かつ、特定の酸素分圧雰囲気中にて行う「酸化処理」を
焼付け処理の一部あるいは全部にて行うものである。本
酸化処理により被膜の密着性、 特に歪取焼鈍後の密着性
が極めて向上するが、これは焼付け処理中(酸化処理を
含む焼付けや張力皮膜の焼付けも含む)あるいは歪取焼
鈍中に被膜−地鉄界面に極めて均一な地鉄と塗液中の金
属元素との複合酸化物、特にFe2 SiO4 が生成する
ためである。本発明の「酸化処理」での鋼板温度が20
0℃未満では、密着性向上の効果が小さい、あるいは、
効果を得るために極めて長時間の焼付けが必要となり、
現実的ではなく、800℃を超えると、地鉄の酸化量が
大きくなり、密着性が劣る。また、地鉄と塗液中の金属
元素との複合酸化物、特にFe2 SiO4 も生成しない
ことから、本発明の「酸化処理」の鋼板温度は200℃
以上800℃以下とする、好ましくは250℃以上60
0℃以下とする。
をロールコーターで塗布した後、昇温過程において鋼板
温度が室温から200℃となるまでを大気中にて行い、
200℃から400℃までを0.1atm酸素−0.9
atm窒素の雰囲気とし「酸化処理」を行い、400℃
以上900℃までを1atm窒素、900℃にて30秒
の均熱処理を1atm窒素雰囲気にて行った後、900
℃から室温までの冷却過程を1atm窒素にて行う。こ
のような「酸化処理」を含む焼付け処理を施すことによ
り、焼付け後(張力皮膜の焼付けも含む)あるいは歪取
焼鈍後の鋼板表面および絶縁被膜の間に、極めて均一な
厚みを有する地鉄と塗液中の金属元素との複合酸化物、
特にFe2 SiO4 が形成され、磁気特性をほとんど劣
化させることなく、被膜の密着性、とくに歪取焼鈍後の
被膜密着性を著しく向上させることができる。
は、PO2≧2×10-5atmとすることが必要で、2×
10-5atm未満では、地鉄と塗液中の金属元素との複
合酸化物、特にFe2 SiO4 の生成がほとんどなく、
密着性向上の効果が小さい、あるいは、効果を得るため
に極めて長時間の焼付けが必要となり、現実的ではな
い。また、上限は特に限定しないが、大気圧を大きく越
える酸素分圧では、効果が飽和するにもかかわらず、製
造コストが極めて大きいものとなるので、好ましくは1
5atm以下、より好ましくは3atm以下が望まし
い。
分の雰囲気は特に限定しないが、窒素、アルゴンまたは
これらの混合雰囲気、またはPO2<2×10-5atmの
酸素雰囲気等の非酸化性雰囲気あるいは、水素または含
水素混合ガス等の還元性雰囲気とするのが好ましい。鋼
板温度が800℃を超える部分で酸化性雰囲気とするこ
とは地鉄と塗液中の金属元素との複合酸化物の生成を妨
げ密着性を劣化させる傾向にあるので、できるだけ酸素
分圧を小さくすることが望ましい。焼付け時の昇温中、
鋼板温度が200℃未満では、 塗布した状態の地鉄や被
膜の酸化はほとんど起こらないため200℃未満の雰囲
気は特に限定しない。本発明の酸化処理は焼付け処理の
一部で行ってもよく、全体で行ってもよい。一部で行う
ときは数回にわたって行うこともできるが、好ましくは
焼付けの昇温過程の間に本発明の酸化処理を行う。焼付
け到達鋼板温度は、200℃以上であれば、任意の温度
を設定できるが、200℃以下では被膜に吸湿性があ
り、1100℃以上では被膜密着性が若干劣化するので
200℃以上1100℃未満とすることが望ましい。
化被膜の上にさらに、張カ被膜を形成することもでき
る。張力被膜を形成するための原料は、特に限定されな
いが、従来公知の原材料をそれぞれの特性を生かして用
いることができる。以下に例示する原料をそのまま、ま
たは原料の溶液、分散液として用いることができる。例
えば、金属酸化物、金属酸化物の水和物、金属水酸化
物、シュウ酸塩、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、あるいはこ
れらの複合体など、焼付け後にセラミックスとなる粒子
を含むものである。また、セラミックスの材質は特に限
定されないが、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化チタ
ン、コーディエライト、ムライト、スピネル、酸化ジル
コニウムなどが好適に用いられる。これらは、無機溶
液、有機溶液、無機有機複合溶液として用いられること
が多い。さらに焼付け後にガラス質となる、リン酸マグ
ネシウム−クロム酸−コロイダルシリカを主成分とする
液、リン酸アルミニウム−クロム酸−コロイダルシリカ
を主成分とする液も好適である。また、酸化アルミニウ
ム−酸化ほう素複合被膜またはほう酸アルミニウム質被
膜が得られるアルミナゾルとほう酸とを含む微粒子分散
液等も好適である。
なる上記の物質を含む水スラリーもしくは水溶液を鋼板
に塗布して焼き付ける。このときの焼付け鋼板温度は4
00℃未満では張力効果がなく、1100℃以上では密
着性が劣化するので、400℃以上1100℃未満が望
ましい。張力被膜の焼付け時の雰囲気は特に限定され
ず、大気中等、酸化性雰囲気、窒素、アルゴン等の非酸
化性雰囲気、水素等の還元性雰囲気を用いることができ
る。張力被膜の厚みは1.0−5.0μmが好ましい。
ては、公知の任意の電磁鋼板、いわゆる一方向性電磁鋼
板、二方向性電磁鋼板、無方向性電磁鋼板を用いること
ができる。本発明の効果が最も大きいのは、フォルステ
ライトの生成を抑止した一方向性電磁鋼板を用いる場合
である。フォルステライトの生成を抑止した一方向性電
磁鋼板は焼鈍分離剤にアルミナを主剤とする分離剤やM
gOに塩化物を配合したものなどを用いる公知の方法で
作成できるが、可能な限り表面は平滑な性状が好まし
い。また、出発素材として、地鉄が一部に露出していれ
ばフォルステライトが少量残存するものや、残存したフ
ォルステライトを酸洗や研磨等によって除去したものも
用いることができる。この段階までに溝を形成する手法
などで磁区細分化処理を施した鋼板は低鉄損化のために
好適に用いられる。また、溝形成によらず、歪や微細粒
形成など任意の磁区細分化手段の併用が可能である。さ
らに、引き続き、酸洗、化学研磨、電解研磨などにより
平滑化、より好ましくは平均粗さRa0.4μm以下と
して鉄損低減を行うことや、ハロゲン化合物の水溶液中
で電解を行う結晶方位強調処理により磁気特性の向上を
行うことも可能である。
し、2次再結晶焼鈍した板厚0.22mmの一方向性電
磁鋼板のフォルステライト被膜を酸洗により除去し、さ
らに硫酸とクロム酸混液による電解研磨により鋼板表面
の平均粗度が0.10μm程度となるまで平滑化処理を
ほどこした。この鋼板に金属結合基を有する有機金属化
合物としてエトキシ基を有するアミノプロピルトリエト
キシシランを有する水溶液をロールコーターにて塗布し
て、室温から400℃までを0.2atm酸素−0.8
atm窒素の雰囲気で「酸化処理」を施し、つづいて、
400℃から700℃まで1atm窒素雰囲気で昇温
し、700℃にて10秒1atm窒素中にて均熱処理し
た後、1atm窒素雰囲気中にて室温まで冷却して焼付
け、片面あたり1g/m2 の被膜を被成した。さらに、
リン酸マグネシウム−クロム酸−コロイダルシリカより
成る水溶液を塗布し、800℃にて焼付けて張力被膜を
被成した。得られた成品の800℃×1hrの歪取焼鈍
後の磁気特性は鉄損W17/50=0.65W/ kg、被膜剥
離曲げ径は10mmΦであった。歪取焼鈍後の成品のX
線回析による分析の結果、Fe 2 SiO4 が認められ
た。
ブを熱間圧延、冷間圧延、連続焼鈍し、板厚0.5mm
の無方向性電磁鋼板を得た後に、金属結合基を有する有
機金属化合物としてエトキシ基を有するアミノプロピル
トリエトキシシラン20質量%、ほう酸を1質量%、ク
ロム酸を5質量%、コロイダルシリカを5質量%を有す
る水溶液をコーターにて塗布し、室温から昇温していき
200℃から350℃までを0.001atm酸素−
0.8atmアルゴンを有する雰囲気中にて昇温し、3
0秒の均熱の後同一雰囲気中にて冷却する焼付け処理を
施した。得られた成品の750℃×2hrの歪取焼鈍後
の磁気特性は鉄損W15/50 =2.9W/ kg、被膜剥離
曲げ径は20mmΦであった。歪取焼鈍後の成品のX線
回析による分析の結果、Fe2 SiO4 が認められた。
布し、2次再結晶焼鈍した板厚0.22mmの一方向性
電磁鋼板のフォルステライト被膜を酸洗により除去し、
さらに硫酸とクロム酸混液による電解研磨により鋼板表
面の平均粗度が0.10μm程度となるまで平滑化処理
をほどこした。この鋼板に金属結合基を有する有機金属
化合物としてエトキシ基を有するアミノプロピルトリエ
トキシシランを有する水溶液をロールコーターにて塗布
して、室温から700℃まで1atm窒素雰囲気で昇温
し、700℃にて10秒間1atm窒素雰囲気中にて均
熱処理した後、1atm窒素雰囲気中にて室温まで冷却
して焼付け、片面あたり1 g/m2 の被膜を被成した。
さらに、リン酸マグネシウム−クロム酸−コロイダルシ
リカより成る水溶液を塗布し、800℃にて焼付けて張
カ被膜を被成した。得られた成品の800℃×1hrの
歪取焼鈍後の磁気特性は鉄損W17/50=0.82W/ kg
で被膜剥離曲げ径は70mmΦであった。歪取焼鈍後の
成品のX線回析による分析の結果、Fe 2 SiO4 の存
在は認められなかった。
ブを熱間圧延、冷間圧延、連続焼鈍し、板厚0.5mm
の無方向性電磁鋼板を得た後に、金属結合基を有する有
機金属化合物としてエトキシ基を有するアミノプロピル
トリエトキシシラン20質量%、ほう酸を1質量%、ク
ロム酸を5質量%、コロイダルシリカを5質量%を有す
る水溶液をコーターにて塗布し、室温から350℃まで
0.8atmアルゴン雰囲気中にて昇温し、同一雰囲気
中にて冷却する焼付け処理をほどこした。得られた成品
の750℃×2hrの歪取焼鈍後の磁気特性は鉄損W
15/50 =3.5W/ kg、被膜剥離曲げ径は50mmφ
であった。歪取焼鈍後の成品のX線回析による分析の結
果、Fe2 SiO4 の存在は認められなかった。
aClを添加した分離剤を塗布し、2次再結晶焼鈍した
フォルステライトの生成を抑止した板厚0.22mmの
一方向性電磁鋼板に表1記載の化合物のトルエン希釈液
をロールコーターにて塗布して、表1記載の焼付け処理
をほどこして、片面あたり1g/m2 の被膜を被成し
た。さらに、リン酸マグネシウム−クロム酸−コロイダ
ルシリカより成る水溶液を塗布し、850℃にて焼付け
た。800℃×1hrの歪取焼鈍後の得られた成品の磁
気特性および被膜剥離曲げ径を表1に示した。また、歪
取焼鈍後の成品のX線回折による分析を行いFe2 Si
O4 の有無を調べた結果をあわせて表1に示す。
々の径に曲げ、被膜剥離が生じなかった最小の径(直
径)を測定した。 2)磁気特性:方向性電磁鋼板は、50Hzの周波数
で、最大1.7Tに磁化したときの鉄損W17/50 にて、
無方向性電磁鋼板は、50Hzの周波数で、最大1.5
Tに磁化したときの鉄損W15/50 にて評価した。
を有する有機金属化合物を含有する塗液を塗布し、
(2) かつ、焼付けガス雰囲気を特定の酸素分圧の雰囲
気として焼付けの一部あるいは全部を行うことにより、
簡易な工程で、歪取焼鈍後の磁気特性および被膜密着性
に極めて優れた電磁鋼板を製造することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】金属結合基を有する有機金属化合物を含有
する塗液を鋼板上に塗布し焼付けを行う焼付け処理中
に、鋼板温度が200℃以上800℃以下、酸素分圧P
O2≧2×10-5atmの雰囲気とする酸化処理を行うこ
とを特徴とする歪取焼鈍後の磁気特性および被膜密着性
に優れた電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項2】前記金属結合基を有する有機金属化合物が
シランカップリング剤であることを特徴とする請求項1
に記載の歪取焼鈍後の磁気特性および被膜密着性に優れ
た電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項3】前記焼付け処理後に、焼成後に張力被膜と
なる物質を含む物質を鋼板に塗布し、さらに焼付けて、
張力被膜を形成することを特徴とする請求項1または2
に記載の歪取焼鈍後の磁気特性および被膜密着性に優れ
た電磁鋼板の製造方法。
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JPH1046350A (ja) * | 1996-07-30 | 1998-02-17 | Kawasaki Steel Corp | 耐食性に優れた歪取り焼鈍が可能なクロム化合物を含まない絶縁被膜を電磁鋼板の表面に形成する方法 |
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2001
- 2001-02-05 JP JP2001028227A patent/JP4635347B2/ja not_active Expired - Fee Related
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