JP4192356B2 - 方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、変圧器や発電機の鉄芯材料としての用途に供して好適な鉄損が極めて小さい方向性電磁鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
Siを含有し、 かつ結晶方位が(110)〔001〕方位や(100)〔001〕方位に配向した方向性電磁鋼板は、優れた軟磁気特性を有することから、商用周波数域での各種鉄芯材料として広く用いられている。かかる方向性電磁鋼板に要求される特性としては、一般に50Hzの周波数で 1.7Tに磁化させた時の損失であるW17/50(W/kg) で表わされる鉄損が低いことが重要である。
【0003】
鉄損を低減するためには、渦電流損を低下するのに有効な方法として、Siを含有させて電気抵抗を高める方法、 鋼板板厚を低減する方法および結晶粒径を低減する方法等があり、他方ヒステリシス損を低下するのに有効な方法として、結晶方位を揃える方法がある。
【0004】
このうち、Siを含有させて電気抵抗を高める方法は、Siを過度に含有させると飽和磁束密度の低下を招き鉄芯のサイズ拡大の原因となるので限界があり、 同様に鋼板板厚を低減する方法は、極端な製造コストの増大をもたらすことから限界があった。
また、結晶方位を揃える方法では、磁束密度B8 にして1.96Tや1.97Tの製品が得られているが、これ以上の改善の余地は小さい。
【0005】
さらに、 近年、 プラズマジェットやレーザー光を照射して鋼板表面に局所的に歪を導入したり、 鋼板表面に溝を形成する等の方法によって、人工的に磁区幅を細分化して鉄損を低減する技術が開発され、 大幅な鉄損低減効果が得られるようになった。 しかしながら、 この技術による鉄損低減効果にも限界があった。
【0006】
一方、これらとは別に、 特公昭52−24499 号公報に開示されているように、鋼板金属表面と非金属被膜との界面の粗度を低減したり、 特公平4−9041号公報、特公平5−87597 号公報および特公平6−37694 号公報に開示されているように、 金属表面に特定の結晶方位の結晶を残存させるいわゆる結晶方位強調処理を施すことによって、鉄損を低減する手法が提案されている。
しかしながら、これらの技術によって鉄損を低減するには、 鋼板に対して強い張力を付与することが不可欠で、 そのためには鋼板表面に張力被膜を存在させる必要があった。すなわち、 張力被膜が存在しない場合には、 鋼板表面が平滑なため、逆に磁区幅の拡大が促進され、 鉄損の大幅な劣化を招いていた。
【0007】
この問題を解決する手段として、 前述の特公昭52−24499 号公報では、鋼板表面を化学研磨や電解研磨によって鏡面化し、さらに鋼板表面に金属薄めっきを施して鋼板表面の酸化や絶縁被膜を塗布焼き付けた際の鋼板表面の劣化による磁性不良を抑制する方法を提案しているが、 金属めっきが張力を有する場合には絶縁被膜は焼き付け処理によって剥落し易く、 たとえ剥落を免れたとしても、 絶縁被膜は通常のりん酸塩系の非張力絶縁被膜であるため、さほどの鉄損低減効果は得られなかった。
他方、 金属めっきが張力効果を有しない場合には、 鉄損低減効果は極わずかであり、しかもこの場合、絶縁被膜としてりん酸塩系の張力絶縁被膜を被成しようとしても、 良好な被膜密着性が得られないため、 磁気特性の向上は望み難い。
従って、この技術は工業化されることはなかった。
【0008】
また、 特開昭62−103374号公報には、 研磨により平滑に仕上げた鋼板表面に、各種の酸化物、 ほう化物、 けい化物、 りん化物、硫化物と地鉄との混合極薄層ならびにその上に絶縁性塗布焼き付け層を形成する方法が開示されているが、 この方法は、鋼板と絶縁層との密着性には優れているものの、 鋼板の鏡面平滑化効果が地鉄との混合極薄層の存在によって消失することから、所期したほど良好な磁気特性改善効果が得られず、やはり工業化されるまでには至っていない。
【0009】
さらに、 特公平2−243770号公報には、 ゾル−ゲル法によってセラミックス被膜を被成する方法が開示されているが、 この方法は、鋼板との密着性が劣るため十分な張力付与効果を鋼板に及ぼすことができなかった。
【0010】
その他、特公昭56−4150号公報には、鋼板表面を化学研磨や電解研磨によって中心線平均粗さRaで 0.4μm 以下の平滑面とし、 さらにその上にセラミックス薄膜を形成する方法が開示されているが、 密着性のよいセラミックス薄膜の形成方法は化学蒸着、真空蒸着であるため、 設備的に大量生産が困難であり、また成膜速度が遅いこともあって、 工業生産に適合せず、 工業化されるに至ってない。
【0011】
また、 特開平3−47957 号, 同3−294465号, 同3−294466号, 同3−294467号, 同3−294468号, 同3−294469号および同3−294470号各公報には、 平滑化した地鉄表面またはその上の金属めっき面に、低圧プラズマ溶射法によって酸化物や珪化物の被膜を形成する方法が、特開平10−245667号公報には、プラズマ溶射法を用いて酸化物、窒化物または炭化物の張力被膜を形成する方法がそれぞれ開示されているが、後述するように、これらの方法では、工業的な成膜速度は確保できるものの、 液滴の付着による成膜であるため緻密な膜は形成不能で、しかも成膜された表面が粗く、摩擦により容易に剥落し、鋼板またはめっき面とプラズマ溶射酸化物、珪化物被膜との密着性が十分ではないため、所望の磁気特性が得られず、 また大規模な減圧設備を必要とすることもあって、工業化されるまでには至っていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、 最近の方向性電磁鋼板の鉄損低減技術の動向は、鋼板表面を仕上げ焼鈍中やその後の処理で平滑化したり、 結晶方位強調処理を施したのち、鋼板表面に張力被膜を被成することが必要不可欠であるが、 張力被膜は鋼表面に強い張力を付与するため、鋼板面と張力被膜との界面に強い剪断応力が作用し、容易に被膜が剥落することから、 結果的に張力付与が達成できず、磁気特性の改善効果は望めなかった。
そこで、 張力被膜の密着性確保のために種々の工夫がなされてきたが、 密着性が良好な場合には、 鋼板表面の磁気的な平滑化効果が消失して、やはり磁気特性の劣化を招くことから、 未だ、このような技術によって工業的に製品化されたものはない。
【0013】
また、気相による成膜は、真空雰囲気で行われるのが通例であり、成膜速度が遅いだけでなく、真空槽の設置が不可欠なことから、大規模な生産設備の工業化は困難であった。
さらに、鋼板表面に結晶方位強調処理を施す場合には、張力被膜の密着性は平滑化処理の場合よりも幾分緩和されるが、 それでも本来あるべき密着性には程遠く、 張力作用が鋼板に十分には伝達しないため、満足いくほどの鉄損の低減効果は得られなかった。
【0014】
この発明は、上記の問題を有利に解決するもので、鋼板表面に平滑化処理や結晶方位強調処理を施し、さらには張力被膜により鋼板に張力を付与して、 鉄損の大幅な低減を図る場合においても、 張力被膜の密着性を損なうことなく、 鋼板に十分な張力を作用させることができる方向性電磁鋼板の有利な製造方法を提案することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
以下、 この発明の開発経緯について鋭明する。
さて、発明者らは、前述した低圧プラズマ溶射材または通常のプラズマ溶射材の剥離原因について綿密な検討を行ったところ、
a)被覆物は緻密な単一層ではなく、溶射時の液滴に由来する粒状の被覆物が順次付着して粒間に空隙を有する構造を有している、
b)このため、被覆物空隙部分より被膜が破壊したり、または空隙を通じての鋼板表面の酸化により被膜が剥落したり、あるいは表面凹凸により上記の粒状被覆物の剥落が促進される
ことが解明された。
【0016】
個々の粒間に空隙ができるのは、鋼板表面で半溶融状態の液滴が叩きつけられ順次固着した扁平状の粒子が積み重なった構造になっているからであり、粒間ではいわゆるコールドジョイントが形成されることから、強度の低下を招き、また最表面には個々の粒に由来する凹凸を残存するものと考えられる。さらに、粒間の空隙を通じての鋼板表面の酸化により、粒子の剥落が加速されるものと考えられる。
この問題を解決するためには、気相状態で被覆物を蒸着すれば良いと考えられるけれども、従来知られている真空蒸着法や気相合成法では、大がかりな真空槽を必要とし、また蒸着速度が極めて小さいなどの欠点を有するために、工業化は極めて難しい。
【0017】
そこで、上記の知見に鑑み、種々の被膜形成方法について検討したところ、熱プラズマ蒸着法や熱プラズマフラッシュ蒸着法は、被覆物を一種の気相状態であるプラズマ状態で蒸着でき、雰囲気も大気圧やわずかな減圧雰囲気で繰業が可能である上、蒸着速度も大きく、しかも気孔率の小さな緻密な被覆層を形成することが可能であることから、上記の欠点を有利に克服できることが判明した。
【0018】
そこで、本発明者らは、さらに、この蒸着物を方向性電磁鋼板に適用する研究を行った結果、上記手段を厚み:0.27mm以下の鋼板に適用し、蒸着厚みを片面当たり 0.1μm 以上10μm 以下にすると共に、好ましくは蒸着前または後に磁区細分化処理を施すことにより、気孔率が10%以下と緻密でしかも表面が平滑な被覆層を形成でき、その結果、良好な被膜密着性が得られる共に大幅な鉄損低減が達成されることの知見を得た。
しかもこの際、蒸着時の電磁鋼素材温度を 200℃以上にしたり、蒸着後に鋼板に 200℃以上の温度での熱処理を施すことによって、密着性が一層向上すること、また蒸着素材として平均粒径が5μm 以下の微粉末を使用することによって、鋼板表面の凹凸が減少し、密着性のさらなる向上が期待できることの知見を得た。
この発明は、上記の知見に立脚するものである。
【0019】
すなわち、この発明の要旨構成は次のとおりである。
1.フォルステライトの生成を抑止するかまたは生成したフォルステライトを除去した板厚:0.27mm以下の方向性電磁鋼板の表面に、全圧が 0.1 atm以上でかつ酸素分圧P(O2)が0.1 atm未満の低酸化性雰囲気中での熱プラズマ蒸着により、片面当たりの平均厚みが0.1μm 以上10μm 以下の被覆層を形成することを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
【0021】
熱プラズマ蒸着時における電磁鋼素材の温度を 200℃以上とすることを特徴とする上記1記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
【0022】
熱プラズマ蒸着後、鋼板に対し 200℃以上の温度での熱処理を施すことを特徴とする上記1記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
【0023】
.蒸着素材として、平均粒径が5μm 以下の微粉末を使用することを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
【0024】
熱プラズマ蒸着前に、鋼板表面に、平滑化処理または結晶方位強調処理を施すことを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
【0025】
熱プラズマ蒸着の前または後に、磁区細分化処理を施すことを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
【0026】
熱プラズマ蒸着後、さらに張力被膜および/または絶縁被膜を被成することを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
【0027】
.低酸化性雰囲気が、窒素と水素の混合雰囲気であることを特徴とする上記1〜7のいずれかに記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を具体的に説明する。
フォルステライトの生成を抑止した、またはフォルステライトを除去した板厚0.27mm以下の鋼板を用いることは、大気圧近辺の比較的高圧で得られる熱プラズマ蒸着被覆層の緻密性と張力を活かして低鉄損を得るために重要である。
ここに、用いる方向性電磁鋼板としては、板厚が0.27mm以下のものに制限したが、この理由は、板厚が0.27mmを超えると、被覆物による張力付与効果が十分には発揮されないからである。
【0031】
また、雰囲気は、鋼板表面の酸化による密着性の劣化や鉄損の劣化を防ぐために、不活性ガスや還元性ガスなどの低酸化性雰囲気とする必要がある。具体的には、雰囲気中の酸素分圧P(O2)で 0.1 atm未満とすることが重要である。
かかる雰囲気ガスとしては、炭素を含まないものが好ましく、工業的には水素を含んだ窒素ガスが好適である。
さらに、圧力に関しては、0.1 atm未満とするのは工業的に困難であるため、下限を0.1atmとした。より好ましくは0.8 atm以上が推奨される。なお、上限は特に定めないが、大気圧かわずかな加圧雰囲気が低酸化雰囲気を維持する上で都合が良い。
【0032】
次に、熱プラズマ蒸着による被覆層の厚みが 0.1μm に満たないと十分な張力印加効果が期待できないだけでなく、鋼板表面を安定して被覆して絶縁、耐食することが困難となるので、下限を 0.1μm とした。一方、厚みが10μm を超えると占積率の低下に伴う鉄損の劣化、被膜の密着性劣化および表面の平滑性劣化を紹くので、上限を10μm とした。
【0033】
また、かかる熱プラズマ蒸着時に、電磁鋼素材の温度を 200℃以上としたり、蒸着後に鋼板を 200℃以上の温度に加熱することにより、蒸着膜の密着性を高めることができる。これはおそらく、鋼板と蒸着層間に僅少量存在している雰囲気中の不純物を、拡散によって鋼板中または蒸着層中に取り込む効果によるものと考えられる。
【0034】
さらに、蒸着出発素材としては、平均粒径が5μm 以下の粉末を用いることが望ましい。というのは、これにより、蒸着物を完全な気相状態として安定的に緻密かつ強固な被覆層として形成でき、得られた被覆層の気孔率が10%以下で、しかも表面粗さが中心線平均粗さRaで 0.5μm 未満の平滑な表面として、被覆物の剥落を効果的に防止することができるからである。
ここに、被覆層の成分については、特に定めないが、任意の酸化物を含むカルコゲナイド、珪化物、ほう化物、炭化物および窒化物等が有利に適合する。
【0035】
なお、熱プラズマ蒸着前に、鋼板表面に平滑化処理や結晶方位強調処理を施すことは低鉄損化のために有利である。
また、必要に応じて、蒸着後さらに張力被膜や絶縁被膜を被成することも可能である。
さらに、熱プラズマ蒸着の前または後に、磁区細分化処理を施すことが有利であり、これにより、被膜による張力付与効果がより一層有効に発揮される。
【0036】
【実施例】
実施例1
磁区細分化のために鋼板の幅方向に線状溝の形成を行ったのち2次再結晶させた板厚:0.22mmの方向性電磁鋼板のフォルステライト被膜を酸洗により除去し、 さらに硫酸とクロム酸混液により鋼板表面の平均粗度が0.10μm 程度となるまで平滑化処理を施した。
ついで、この鋼板を 300℃に加熱しながら、0.9 atmの(窒素75%+水素25%)の混合雰囲気中で、直流熱プラズマ蒸着法により、出発素材として平均粒径:2μmのAl2O3を片面当たり:5μm の被覆厚みになるように気相蒸着した。
なお、この雰囲気中における酸素分圧P(O2)は0.01 atm以下であった。また、得られた鋼板表面の被覆層の気孔率(理論密度に対するかさ密度から算出した)は4%、表面粗さRaは0.22μm であった。
【0037】
かくして得られた鋼板について、張力被膜の密着性(円筒に鋼板を巻きつけた時に被膜の剥離が認められない最小の円筒の径:最小曲げ剥離径で示す) および鋼板の磁気特性を調査したところ、最小曲げ剥離径=20 mm 、 B8 =l.902 T、鉄損W17/50 =0.59 W/kg であった。
【0038】
実施例2
焼鈍分離剤として MgOに PbCl2を 0.3wt%含有させた分離剤を用いて、フォルステライト被膜の形成を抑止しつつ、磁区細分化のために、鋼板の幅方向に適当な間隔を隔てて線状の微細粒を形成させながら2次再結晶させることにより、板厚:0.25mmの方向性電磁鋼板を作製した。
ついで、この鋼板を、1.05 atmのAr雰囲気中で高周波+直流ハイブリッド熱プラズマ蒸着法により、出発素材として平均粒径:1.6 μmのSiO2を片面当たりの被覆厚みが 0.8μmになるように気相蒸着した。
その後、鋼板表面に、60%のコロイダルシリカと40%のりん酸マグネシウムを主成分とする張力コーティング液を塗布し、800 ℃で焼き付けた。
なお、この雰囲気中における酸素分圧P(O2)は 0.012 atmであった。また、得られた鋼板表面の被覆層の気孔率は6%、表面粗さRaは0.35μm であった。
【0039】
かくして得られた鋼板について、 張力被膜の密着性および鋼板の磁気特性を調査したところ、最小曲げ剥離径=25 mm 、B8 =1.920 T 、鉄損W17/50 =0.63W/kgであった。
【0040】
比較例1
磁区細分化のために鋼板の幅方向に線状溝の形成を行ったのち2次再結晶させた板厚:0.22mmの方向性電磁鋼板のフォルステライト被膜を酸洗により除去し、さらに硫酸とクロム酸混液により鋼板表面の平均粗度が0.10μm 程度となるまで平滑化処理を施した。
ついで、この鋼板を 300℃に加熱しながら、0.9 atmの(窒素75%+水素25%)の混合雰囲気中で、通常のプラズマ溶射法により、出発素材として平均粒径:7μmのAl2O3を液滴状態となし、片面当たり:5μm の被覆厚みとなるように溶射固着した。
【0041】
かくして得られた鋼板について、 張力被膜の密着性および鋼板の磁気特性を調査したところ、最小曲げ剥離径=60 mm 、B8 =1.888 T 、鉄損W17/50 =0.77W/kgであった。
また、得られた鋼板表面の被覆層の気孔率は29%、表面粗さRaは 1.4μm であった。
【0042】
【発明の効果】
かくして、この発明によれば、張力被膜の密着性に優れ、鋼板に対し十分な張力を作用させることができ、従って従来に比べて鉄損が格段に低減した方向性電磁鋼板を、工業的な規模で安定して得ることができる。

Claims (8)

  1. フォルステライトの生成を抑止するかまたは生成したフォルステライトを除去した板厚:0.27mm以下の方向性電磁鋼板の表面に、全圧が0.1 atm以上でかつ酸素分圧P(O2)が0.1atm未満の低酸化性雰囲気中での熱プラズマ蒸着により、片面当たりの平均厚みが 0.1μm以上10μm 以下の被覆層を形成することを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
  2. 熱プラズマ蒸着時における電磁鋼素材の温度を 200℃以上とすることを特徴とする請求項1記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  3. 熱プラズマ蒸着後、鋼板に対し 200℃以上の温度での熱処理を施すことを特徴とする請求項1記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  4. 蒸着素材として、平均粒径が5μm 以下の微粉末を使用することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  5. 熱プラズマ蒸着前に、鋼板表面に、平滑化処理または結晶方位強調処理を施すことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  6. 熱プラズマ蒸着の前または後に、磁区細分化処理を施すことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  7. 熱プラズマ蒸着後、さらに張力被膜および/または絶縁被膜を被成することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  8. 低酸化性雰囲気が、窒素と水素の混合雰囲気であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
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