JP4232408B2 - 方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、方向性電磁鋼板の製造方法に関して、特に鋼板の表面に極めて張力付与効果の大きな被膜を形成し、鉄損特性の向上を図ろうとするものである。
【0002】
【従来の技術】
電磁鋼板は、無方向性電磁鋼板と方向性電磁鋼板の2つに大別され、無方向性電磁鋼板は主として回転機等の鉄心材料に、方向性電磁鋼板は主として変圧器その他の電気機器の鉄心材料として使用され、いずれもエネルギーロスを少なくするため、低鉄損の材料が求められている。
【0003】
方向性電磁鋼板の鉄損低減には、板厚を低減する、Si含有量を増す、或いは結晶方位の配向性を高める等の方法があるが、それに加えて鋼板に張力を付与することが有効である。鋼板への張力の付与方法としては、鋼板より熱膨張係数の小さい材質からなる被膜を設けることが一般的である。すなわち、最終的に結晶方位を揃える2次再結晶と鋼板の純化とを兼ねる最終仕上焼鈍工程にて、鋼板表面の酸化物と鋼板表面に塗布した焼鈍分離剤とが反応してフォルステライトを主成分とする被膜が形成されるが、この被膜は鋼板に与える張力が大きく、鉄損低減に効果がある。さらに、張力効果を増すために、フォルステライト被膜の上に、上塗りの低熱膨張性のコーティングを施して製品とすることも、一般に行われている。
【0004】
ところが、近年、鋼板表面を磁気的に平滑化する手法が開発され、仕上焼鈍工程で意図的にフォルステライト被膜の形成を抑制したり、形成されたフォルステライト被膜を除去した後、その表面を平滑に仕上げることが、鉄損の減少に有効であることが明らかとなってきている。例えば、特公昭52-24499号公報には、仕上焼鈍後、酸洗により表面生成物を除去し、次いで化学研磨または電解研磨により鏡面状態に仕上げる方法が開示されている。また、特開平5-43943号公報には、フォルステライト被膜を除去後、1000〜1200℃のH中でサーマルエッチングする方法が開示されている。このような表面処理によって鉄損が減少するのは、磁化過程において、鋼板表面近傍の磁壁移動の妨げとなる、ピニングサイトが減少するためである。
【0005】
なお、ヒステリシス損失を減少させる磁気的に平滑な表面とは、一般にRa(算術平均粗さ)で表現される、いわゆる表面粗さのみで示されるものでなく、特公平4-72920号公報に記載された、表面生成物を除去した後にハロゲン化水溶液中で電解する、結晶方位強調処理にて得られるものも知られている。
【0006】
また、電磁鋼板の表面には、絶縁性の被膜が必要であるため、絶縁コーティングが施されるのが通例であり、現在、フォルステライト被膜を有する方向性電磁鋼板に適用される、張力付加型の絶縁コーティングとしては、Alやアルカリ土類金属のリン酸塩とコロイダルシリカ、無水クロム酸またはクロム酸塩を主成分とした処理液を、鋼板に塗布して焼付けることによって、形成されているものが多い。張力付加型の絶縁コーティングは、鋼板より熱膨張係数の小さいコロイダルシリカに代表される無機質被膜を高温で形成することより、地鉄と絶縁コーティングとの熱膨張差を利用して、常温において張力を鋼板に付与している。この方法で形成される絶縁被膜は鋼板に対して張力を付与する効果が大きく、鉄損低減に有効である。例えば、特公昭53-28375号公報あるいは特公昭56-52117号公報などに、その形成法が示されている。
【0007】
しかしながら、鋼板に対する張力付加の大きい被膜ほど、下地との密着力が強くなければ被膜が剥落してしまうため、上記張力付与型コーティングは、フォルステライト系の最終仕上焼鈍被膜が鋼板表面に存在する場合には問題ないが、鏡面化等の表面平滑化処理を行うような、最終仕上焼鈍後にフォルステライト被膜がない場合には、被膜を付着させることができなかった。このために、表面を磁気的に平滑化し鉄損を低減する技術と張力付与型コーティングによる鉄損低減技術とを両立させることは困難であった。
【0008】
従来、フォルステライト被膜のない表面、さらには調整された平滑な表面に張力付加型コーティングを被成する方法として、いくつかの方法が提案されている。例えば、特公昭52-24499号公報には金属めっき後に、そして特開平6-184762号公報にはSiO2薄膜を形成させた後に、それぞれ張力付加コーティング溶液を塗布して焼付ける方法が、示されている。また、特公昭56−4150号公報には、セラミックス薄膜を蒸着、スパッタリング、または溶射などによって形成させる方法が、そして特公昭63-54767号公報には窒化物や炭化物のセラミックス被膜をイオンプレーティングまたはイオンプランテーションによって形成する方法が、それぞれ示されている。さらに、特開平2-243770号公報には、いわゆるゾル−ゲル法によって、高張力付与型のセラミックス被膜を鋼板表面に直接形成する方法が開示されている。
【0009】
これらの方法は、平滑化された表面を有する鋼板に張力を付与する方法として開発されたものではあるが、いくつかの問題点を有し、実用化されるに至っていない。
すなわち、金属薄めっきを下地とし、その上にコーティング処理する方法では、均一なめっき面の平滑さ故に、被膜の密着性が十分でなく、SiO2薄膜を形成させる方法は張力付与効果に劣るなど、鉄損の改善効果は十分ではなかった。また、窒化物や炭化物等、あるいはその組合せからなるセラミックス被膜はいずれもその熱膨張係数が地鉄と比較してかなり低いため、熱膨張係数差による張力効果は大さいが、それゆえ曲げ加工時の地鉄と被膜との密着性に問題があった。
【0010】
さらに蒸着、スパッタリング、溶射、イオンプレーティング、イオンプランテーションによるセラミックス被膜の形成は高コストである上、大面積を大量処理する際の均一性確保が困難であったり、ゾル−ゲル法では従来と同様の塗布、焼付けによる被膜形成が可能であるものの、0.5μm以上の厚さの健全な被膜の形成がきわめて困難なため、大きな張力付与効果をもたらすには至らず、所期する鉄損善効果が得られなかった。
【0011】
特開昭63-57781号公報には、珪酸塩系被膜を設けた後、クロム酸やリン酸を主体とする絶縁被膜を形成する手法が開示されている。密着性は改善されるが、珪酸塩被膜、クロム酸−リン酸被膜ともに鋼板に対する張力付与効果がなく、被膜張力による鉄損値低減の効果は全く得られない。
【0012】
一方、特開昭61-201732号公報に開示されている化学気相蒸着法は、制約の多い真空槽を必要とすることなく、大面積に均一なセラミックス膜を形成することが可能な有力な手法である。すなわち、高温反応ゆえにセラミックスと鋼板との密着性も良好であり、上記スパッタリング、溶射、イオンプレーティング、イオンプランテーションなどの物理蒸着と比較して、被生成物の鋼板表面への衝突が弱いためか、平滑化された表面で達成されている極めて低いヒステリシス損失を損なうことなく、セラミックス膜を被成することが可能である。特に、ヤング率が高く、熱膨張係数の小さな窒化物や炭化物を、鋼板表面に被成するのに適している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,セラミックス膜被成後、さらに張力付与型の絶縁コーティングを施したり、付与張力の増加を目的とする焼鈍を実施した場合に、被膜が変色や変質を生じて、密着性が劣化したり、張力効果が減少する、すなわち被膜の熱安定性が阻害される結果、鉄損値が劣化することがあった。これは、化学気相蒸着法に限らず前述の物理蒸着法にも当てはまる問題である。
【0014】
そこで、この発明は、化学気相蒸着法によって被膜を被成した後に、さらに該被膜上への張力付与型コーティングの焼き付けや付与張力の増加を目的とする焼鈍等の熱処理を行った場合にあっても、優れた熱安定性が上記被膜において維持される、低鉄損方向性電磁鋼板の製造方法について提案することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、化学気相蒸着処理中に被膜の窒化物や炭化物等の生成と同時に形成される酸化物の存在や、化学気相蒸着処理に引き続き成される熱処理時に被膜が鋼板より感受する熱膨張係数差に起因した応力変化に着目し、化学気相蒸着法によって被成した被膜の熱安定性を向上する手段について鋭意究明したところ、この発明を完成するに到った。
【0016】
すなわち、この発明の要旨構成は、以下の通りである。
(1)ォルステライト被膜の形成を抑制した、もしくはフォルステライト被膜を除去した最終仕上焼鈍済の方向性電磁鋼板の表面に、900℃以上での化学気相蒸着処理によって連続的にTiの窒化物、炭化物または炭窒化物の被膜を形成し、しかるのち絶縁コーティングを施す方向性電磁鋼板の製造方法において前記化学気相蒸着処理における雰囲気の酸化性PH20/PH2を0.03以下、かつ水素濃度を5vol%以上とすることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
【0017】
(2)上記(1)において、化学気相蒸着処理に引き続いて鋼板に熱処理を施すに当たり、該熱処理の温度を化学気相蒸着処理の雰囲気温度より50℃以上低くすることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を導くに到った実験結果について詳細に説明する。
C:0.06mass%、Si:3mass%、およびMn:0.04mass%を含有する、最終板厚0.23mmに圧延された冷延鋼板を、脱炭、一次再結晶焼鈍した後、MgOを主体とし塩化アンチモンを添加した焼鈍分離剤を塗布し、二次再結晶過程と純化過程を含む最終仕上焼鈍を施し、フォルステライト膜のない鏡面の方向性電磁鋼板を得た。
【0019】
その後、1040℃でTiCl4ガス、H2ガスおよびN2ガスを主体とする雰囲気中で化学気相蒸着処理を行い、1.0μmのTiN膜を、鋼板表面に形成した。次いで、リン酸塩とコロイダルシリカとを主成分とするコーティング液を塗布し、850℃で絶縁被膜を被成した。
【0020】
かくして得られた製品について、その鉄損特性と化学気相蒸着処理における雰囲気の酸化性、すなわち水蒸気分圧PH20とH2ガス分圧PH2との比PH2O/PH2との関係を調査した。その調査結果を、比PH2O/PH2を横軸とし、また絶縁コーティング前後の鉄損変化を縦軸として、図1に示す。図1において、縦軸が正となるのは鉄損値が増加した場合であり、PH2O/PH2が0.03より大きな条件において、磁気特性が劣化したことを示している。
【0021】
なお、磁性が劣化した鋼板では、化学気相蒸着後の被膜が金色よりやや黒みがかっていて、その後の絶縁コーティングの焼き付け処理にてさらに被膜は黒変した。これは、蒸着時の雰囲気酸化性PH2O/PH2が0.03より大きくなると、TiNの他にTiO2が混在して形成され、絶縁コーティング焼き付け等の熱処理時に、熱膨張係数などの両者物性の違いに起因して、被膜が不均一になって自身の膜質を劣化させ、その結果鉄損値の増加を引き起したと考えられる。
【0022】
ここで、特開昭62-70520号公報には、セラミックス膜を蒸着後に非酸化性雰囲気中で熱処理を行う方法が開示されているが、その目的は鋼中の炭素や窒素の表面拡散の促進であり、この発明の耐熱処理性向上のための酸化物形成抑止とは趣旨が異なる。さらに、例えば一旦形成されたTiO2等の酸化物は、TiNやTiCと同時に混合形成されるようであり、水素を含む非酸化性雰囲気で焼鈍処理を行っても容易に分解でない。従って、この発明のように、蒸着時に酸化物の形成を抑止することが肝要である。
【0023】
また、Si浸透処理に関して、特開平6−212397号公報には、酸素濃度および水蒸気濃度を規定する手法が開示されているが、その目的は処理中の鋼板の表面酸化および粒界酸化の防止であり、この発明とは根本的に異なる。すなわち、Si浸透処理における鋼板表面での反応はSiC14+5Fe→Fe3Si+2FeC12であり、これはSiとFeとの置換反応と見なせ水素を必要としない。
【0024】
これに対して、この発明の例えばTiNの成膜反応では、反応式 TiC14+1/2N2+2H2→TiN+4HClからもわかるように、水素が還元剤の役割を果たしており、水蒸気濃度とともに水素濃度の制御がきわめて重要であり、5vol%以上必要である。すなわち、5vol%未満の場合は、TiNおよびTiC膜ともに健全な生成が実現できなかった。TiCの生成反応式は、炭素源として例えばメタンガスを使用する場合、TiC14+CH4→TiC+4 HClとなり、水素は反応式には現れてこないが、TiC14の分解還元剤として重要な役割を担っていると推定される。
【0025】
次に、発明者らは、化学気相蒸着処理における雰囲気温度および引き続き行われる熱処理温度について着目した。すなわち、図1に結果を示した実験と同じ、鏡面の方向性電磁鋼板を用いて、種々の温度でTiN被膜を化学気相蒸着した後、100%N2ガス中での3時間の熱処理を種々の温度で行った。その結果、H2ガス50vol%および露点−30℃の雰囲気の酸化性PH2O/PH2を0.03の条件下にて、被膜の形成を行ったにもかかわらず、一部の条件で磁性劣化を招き、TiN膜が部分的に剥落していた。以上の実験結果を、図2に、TiN被膜形成時の雰囲気温度を横軸として、その後に実施した熱処理温度を縦軸として、熱処理前後の鉄損値を比較し、劣化しなかった条件を○印、やや劣化した条件を△印、大幅に劣化した条件を×印で表した。この図2より、化学気相蒸着処理の雰囲気温度を、その後の熱処理温度より50℃以上高く設定していない場合に、磁性劣化を生じることがわかった。
【0026】
この要因については、以下のように考えている。
さて、張力付与被膜による作用は、熱膨張係数が小さな物質として窒化物や炭化物等を選んで鋼板上に被成し、この被膜と鋼板との熱膨張係数差に基づいた熱残留応力を利用して、実際に方向性電磁鋼板が使用される室温付近で磁気特性に有利な引張応力を鋼板に加え、鉄損値の大幅な低減を達成している。このとき、被膜自身には圧縮応力がかかっているのは言うまでもない。
【0027】
ここで、化学気相蒸着処理後に施される熱処理中の鋼板および被膜の体積変化に着目すると、仮に熱処理温度より低い温度で被膜が形成されていた場合、熱処理中、鋼板は大いに熱膨張し、低熱膨張のセラミックスによる被膜が逆に鋼板より引張応力を受けることとなる。窒化物や炭化物に代表されるセラミックスは、ほとんど弾性変形しないため、引張応力に対しては脆弱である。従って、低温蒸着された被膜は、その後の熱処理中に、高温かつ引張応力下で劣化し、クラック等の欠陥を生じたりして膜自身が剥落し、それに起因して磁性劣化を招いたのではないか、と推定される。
【0028】
一方、熱処理温度より高い温度で蒸着された場合、熱処理中でも被膜には、依然として圧縮応力がかかっている。この圧縮応力下では、セラミックスの高温における耐久性が向上することが知られており、上記の実験結果をよく説明できる。すなわち、化学気相蒸着処理と引き続きなされる熱処理との温度差が50℃以上あれば、被膜の高温での耐久性がより向上するため、被膜密着性の劣化や磁性劣化が回避されるものと考えられる。
【0029】
なお、化学気相蒸着処理に引き続きなされる熱処理としては、絶縁コーティングの焼き付け処理や、被膜の張力向上を所期した焼鈍、せん断やトランス組立時の塑性加工を除去する歪取焼鈍等が挙げられる。ここで、張力向上焼鈍としては、750〜950℃程度で1min〜3h程度施すことにより、酸化物を主体とする絶縁コーティングの張力付与効果が向上する。また、歪取り焼鈍としては780〜900℃で5min〜3hで上記の磁性劣化要因となる各種歪を除去できるため、これを施すことが好ましい。
【0030】
ここで、化学気相蒸着法としては、TiC14等の金属塩化物ガスと、もう一方の原料ガスとして、窒化物ならばN2, NH3, (CH3)3N, (CH3)2NHガスなど、炭化物ならばCH4, CO, C2H4, C3H6, C3H8, C2H6, i-C5H12などを混合した雰囲気中にて、鋼板を加熱することにより、セラミックスの被膜を得る。もちろん、両者を混合して炭窒化物としても何ら問題はないし、酸化物や硼化物等も公知の方法で実施可能である。その他、バランスガスとしてArガスなどが使用される。
【0031】
また、金属源として、有機金属ガスを用いる、いわゆるMO−CVD法やプラズマやレーザー、光誘起などを併用し、より低温化を指向したCVD手法も近年盛んになりつつあるが、この発明の場合、後続の熱処理温度にもよるが、試料あるいは化学気相蒸着槽全体を加熱する熱CVD法がより適していると思われる。ただし、蒸着速度向上等を目的として、上記手法を併用するのは、この発明の範囲内であれば、何ら差し支えない。
【0032】
かくして得られる被膜物質としては、Ti,Zr,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Co,Ni,Al,BおよびSiなどの窒化物、炭化物または炭窒化物等であり、その2種以上を積層しても構わない。
【0033】
被膜の厚みについては、0.01μm以上5μm以下の範囲が適合し、0.01μmに満たない場合は、十分な張力付与効果や被膜密着性が得られず、5μmを越えると膜自身の密着性や電磁鋼板の占有率において不利となる。
【0034】
この発明に従って化学気相蒸着処理を適用する仕上焼鈍後の鋼板表面としては、単にフォルステライト被膜の形成を抑制した、もしくはフォルステライト被膜を除去しただけの地鉄面でも有効ではあるが、さらに表面に平滑化処理を施した方が、鉄損値の低下により効果的である。例えば、サーマルエッチングや化学研磨等により表面粗さを極力小さくし、鏡面状態に仕上げた表面やハロゲン化物水溶液中での電解による結晶方位強調処理で得られるグレイニング様面等が挙げられる。
【0035】
また、打ち抜き性等の加工性を重視して最終仕上焼鈍に使用する焼鈍分離剤の主成分を替えたり、添加物を加えることにより、最終仕上焼鈍被膜の形成を抑止した、方向性電磁鋼板も好適である。
【0036】
さらに、化学気相蒸着した窒化物、炭化物または炭窒化物の被膜上に被成する絶縁被膜としては、方向性電磁鋼板に使用される無機質コートが利用可能である。特に、張力付与効果を有するコーティングは、超低鉄損化を達成するために表面を平滑化した方向性電磁鋼板と組合せると、極めて有効である。張力付与型コーティングとしては、熱膨張係数を低下させるシリカを含むコーティングが推奨され、従来、フォルステライト被膜を有する方向性電磁鋼板に用いられている、リン酸塩−コロイダルシリカークロム酸系のコーティング等が、その効果およびコスト、均一処理性などの点から、適している。また、絶縁被膜の厚みとしては、張力付与効果や占積率、被膜密着性等の点から、0.3μm以上10μm以下の範囲が好ましい。
【0037】
また、張力コーティングとしては、上記以外にも、特開平6-65754号公報、特開平6-65755号公報および特開平6-299366号公報などで提案されている、ホウ酸−アルミナ等の酸化物系被膜を適用することも可能である。
【0038】
以下、この発明の電磁鋼板について、まず成分組成から順に説明する。
この発明で使用される鋼板の成分としては、Siを1.5〜7.0mass%含有することが望ましい。すなわち、Siは製品の電気抵抗を高め鉄損を低減するのに有効な成分であるが、Siは7.0mass%を超えると硬度が高くなり、製造や加工が困難になりがちである。一方、1.5%未満であると、最終仕上焼鈍中に変態を生じて安定した2次再結晶組織が得られない。
【0039】
また、インヒビター元素として、Alを初期鋼中に0.006mass%以上含有することにより、結晶配向性をより一層向上することができる。上限は0.06mass%程度であり、これを越えると再び結晶配向の劣化が生じる。
【0040】
Nも同様の効果があり、上限はふくれ欠陥の発生から100ppm程度とすることが好ましい。一方、下限は特に規定しないが、20ppm以下に工業的に低下させるのは経済的に困難である。
【0041】
また、1次再結晶焼鈍後に増窒素処理を行うことも可能である。この増窒化処理を行わない場合には、初期鋼中にSe+Sで0.01mass%以上0.06mass%以下を含有することが好適であり、加えてMn化合物として析出させるために0.02〜0.2mass%程度のMnを含有させることが好ましい。それぞれ、少なすぎると2次再結晶を生じるための析出物が過小となり、また多すぎると熱延前の固溶が困難となる。増窒化処理を行う場合でも、Mnは、鋼の延性改善などの目的で適宜添加可能である。
【0042】
さらに、鋼中には、上記の元素の他に、公知の方向性電磁鋼板の製造に適するインヒビター成分として、B,Bi,Sb,Mo,Te,Sn,P,Ge,As,Nb,Cr,Ti,Cu,Pb,ZnおよびInなどが知られていて、これらの元素を単独、または複合で含有させることができる。また、インヒビターを使用しない方法による方向性電磁鋼板に対しても、この発明の適用が可能である。
【0043】
一方、C,S,Nなどの不純物はいずれも、磁気特性上有害な作用があり、特に鉄損を劣化させるため、それぞれC:0.003mass%以下、S:0.002mass%以下およびN:0.002mass%以下とすることが好ましい。
【0044】
次に、この発明の電磁鋼板の製造方法について、詳しく説明する。
上記した所定成分に調整された鋼スラブは、通常スラブ加熱に供された後、熱間圧延により熱延コイルとされるが、この鋼スラブの加熱温度については1300℃以上の高温度とする場合と、1250℃以下の低温度とする場合のいずれでも良い。また、近年、スラブ加熱を行わず連続鋳造後、直接熱間圧延を行う方法が開発されているが、この方法で熱間圧延される場合にも適用できる。
【0045】
熱間圧延後の鋼板は必要に応じて熱延板焼鈍を施し、1回の冷間圧廷もしくは中間焼鈍を挟む複数回の圧延によって最終冷間圧延板とされる。これらの圧延については、動的時効を狙ったいわゆる温間圧延や、静的時効を狙ったパス間時効を施したものであっても良い。
【0046】
最終冷間圧延後の鋼板は、脱炭焼鈍を兼ねる1次再結晶焼鈍に供され、最終仕上焼鈍により2次再結晶処理をされ、方向性磁気を得る。通常、1次再結晶焼鈍後に焼鈍分離剤を塗布し、最終仕上焼鈍の際にフォルステライト被膜を形成させるが、このフォルステライト被膜を酸洗や研磨等により除去するか、もしくは焼鈍分離剤の組成を調整して、鋼板表面上のフォルステライト被膜の生成を抑制し、実質的に金属外観を有する状態とする。
【0047】
そして、この鋼板表面に前述した化学気相蒸着処理を行うが、その際、雰囲気の酸化性PH20/PH2を0.03以下、かつ水素濃度を5vol%以上とすることが肝要である。
まず、雰囲気の酸化性PH20/PH2を0.03以下とするのは、先に図1に示したように、0.03未満になると磁気特性が急激に劣化するためである。
次に、雰囲気の水素濃度を5vol%以上とするのは、水素濃度が5vol%未満になると、化学気相蒸着処理における成膜が阻害されるからである。
【0048】
さらに、化学気相蒸着処理に引き続いて熱処理を行う場合は、該熱処理の温度を化学気相蒸着処理の雰囲気温度より50℃以上低くする必要がある。なぜなら、先に図2に示したように、化学気相蒸着処理の雰囲気温度が熱処理温度より50℃以上高くない場合には、磁性劣化を生じるためである。
【0049】
このようにして得られた鋼板に、更なる鉄損低減を目的として、レーザーあるいはプラズマ炎等を照射して磁区の細分化を行うことは、絶縁コーティングの密着性にはなんら問題ない。また、この発明の方向性電磁鋼板の製造工程の任意の段階において、磁区細分化のために、鋼板表面にエッチングや歯形ロールで一定間隔の溝を形成することも、一層の鉄損低減をはかる手段として有効である。
【0050】
【実施例】
実施例1
C:0.05mass%、Si:3.3mass%、Al:0.006mass%、N:20massppm、Sn:0.20 mass%、Mn:0.03 mass%およびS:0.02 mass%を含有する、最終板厚0.23mmに圧延された冷延コイルに、磁区細分化のために5mm間隔で、圧延方向に延びる複数の溝をエッチングにて形成してから、脱炭を兼ねた一次再結晶焼鈍を施した後、MgOを主成分とし塩化鉛を含む焼鈍分離剤を塗布し、フォルステライト被膜のない平滑な表面を有する、最終仕上焼鈍済のコイルを作製した。得られた鋼板に対し、化学気相蒸着処理槽内において、表1に示す組成のTiC14,H2およびCH4の混合ガスからなる雰気にて、TiCを片面当たり1μm厚で形成した。
ここで、TiC14濃度はH2ガスをキャリアガスとしTiC14液中をバブリングさせることで調整した。化学気相蒸着処理槽内の露点は、試料取付のため大気解放後、密閉してから反応ガス導入開始とともに低下した。その時々で雰囲気の酸化性PH20/PH2(H2とH20の分圧比)を測定しつつ、TiC膜を形成させた。化学気相蒸着処理の雰囲気温度についても900〜1150℃まで変化させた。
その後、硼酸とベーマイトとを主成分とする絶縁コーティング液(酸化物換算モル比B2O3/A12O3=0.5)をロールコーターにて塗布し、800℃で120秒間焼き付けた。さらに、張力付与のために、900℃で1時間の焼鈍を行った後、大気中での歪取り焼鈍を行った。
【0051】
表1に、化学気相蒸着処理条件と、900℃1時間の張力向上焼鈍前後の鉄損値W17 50と、被膜の外観変化とをまとめて示す。表1から明らかなように、試料1,5および6は、この発明に適合する化学気相蒸着によるTiC膜の形成条件によるものであり、優れた外観と被膜密着性および鉄損値を示している。これらに対し、雰囲気酸化性PH20/PH2が0.03より大きい条件による試料2〜4は、TiC膜の膜質が変化したためか変色し、磁気特性も劣化した。一方、水素濃度が5vol%未満の試料7は、TiC層を形成することができず、良好な絶縁コーティングの密着性が得られなかった。
【0052】
また、請求項2の要件について考慮すると、化学気相蒸着処理に続く張力向上焼鈍時の温度である900℃より50℃以上高い雰囲気温度で被膜を形成していない試料1および4は、試料5および6と比べて、耐高温焼鈍性に劣っていて、被膜が一部剥落したりした。従って、試料1は化学気相蒸着処理後の絶縁コーティング焼付けに対しては適合するが、その後の張力向上焼鈍には適合していない。
【0053】
【表1】
Figure 0004232408
【0054】
実施例2
C:0.06mass%、Si:3.2mass%、Al:0.02 mass%、N:70massppmを含有する、最終板厚0.23mmに圧延された冷延板を、脱炭を兼ねた一次再結晶焼鈍に供した後、酸洗によりSiO2被膜を除去後、焼鈍分離剤としてアルミナを用いることにより、フォルステライト被膜のない平滑な表面を有する最終仕上焼鈍板を得た。得られた鋼板に対し、TiC14,H2およびN2の混合ガスからなる雰囲気中にて、TiNを片面当たり0.7μm厚で形成した。TiC14は気化器で150℃に加熱することでガス化させ、H2およびN2ガスと種々の混合比率でミキシングし、それぞれの分圧を調整した。化学気相蒸着処理槽内の露点と水素分圧とから雰囲気の酸化性PH20/PH2(H2とH20の分圧比)を測定した。化学気相蒸着処理の雰囲気温度は800〜1080℃まで変化させた。
【0055】
その後、第一リン酸Mgに重クロム酸Kを15重量部加えた水溶液に、30mass%コロイダルシリカを30重量部混合したものを、ロールコーターで塗布し、850℃で1分間焼き付け、絶縁被膜を形成させた。
【0056】
表2に、TiN化学気相蒸着条件と、絶縁被膜形成後の鉄損値W17 50と、被膜の外観変化とをまとめて示した。表2から明らかなように、試料4および5は、この発明に適合する化学気相蒸着によるTiN膜の形成条件によるものであり、優れた外観と被膜密着性および鉄損値を示している。これらに対し、雰囲気酸化性PH20/PH2が0.03より大きい条件による試料1および3は、元々金色に近かったTiN膜が黒褐色に変化し、磁気特性も劣化した。また、水素濃度が5vol%未満の試料2は、TiN膜を形成することができなかった。
【0057】
さらに、化学気相蒸着処理に続く被膜焼付温度である850℃より50℃以上高い雰囲気温度で被膜を形成していない試料3は、耐高温焼鈍性に劣るため、リン酸とコロイダルシリカからなる絶縁コーティングごと剥落した。
【0058】
【表2】
Figure 0004232408
【0059】
【発明の効果】
この発明により、無機鉱物質被膜のない平滑な方向性電磁鋼板の表面に、張力付与効果が大きく、かつ熱安定性に極めて優れる被膜を化学気相蒸着処理にて被成することができるため、極めて鉄損値の低い方向性電磁鋼板の製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 化学気相蒸着処理における雰囲気酸化性と得られた鋼板の鉄損との関係を示す図である.
【図2】 化学気相蒸着処理における雰囲気温度とその後の熱処理温度との関係を示す図である。

Claims (2)

  1. ォルステライト被膜の形成を抑制した、もしくはフォルステライト被膜を除去した最終仕上焼鈍済の方向性電磁鋼板の表面に、900℃以上での化学気相蒸着処理によって連続的にTiの窒化物、炭化物または炭窒化物の被膜を形成し、しかるのち絶縁コーティングを施す方向性電磁鋼板の製造方法において前記化学気相蒸着処理における雰囲気の酸化性PH20/PH2を0.03以下、かつ水素濃度を5vol%以上とすることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
  2. 請求項1において、化学気相蒸着処理に引き続いて鋼板に熱処理を施すに当たり、該熱処理の温度を化学気相蒸着処理の雰囲気温度より50℃以上低くすることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
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