JP2006253555A6 - 被膜密着性に優れた超低鉄損方向性電磁鋼板 - Google Patents

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Abstract

【課題】曲げ加工を行った状態で歪取焼鈍を施し、その後この曲げ加工部に応力が加わるような場合であっても、絶縁被膜の剥離が生じない、被膜密着性に優れた超低鉄損方向性電磁鋼板を提供する。
【解決手段】フォルステライト被膜を有しない鋼板表面に、金属窒化物、金属炭化物または金属炭窒化物からなるセラミックス被膜を形成した方向性電磁鋼板において、該セラミックス被膜中に 0.001〜1mass%の塩素を含有させる。
【選択図】なし

Description

本発明は、被膜密着性に優れた超低鉄損方向性電磁鋼板に関し、特にその表面に形成するセラミックス被膜の密着性を向上させることにより、鉄損特性の有利な改善を図ろうとするものである。
方向性電磁鋼板は、主として変圧器その他の電気機器の鉄心材料として使用されるもので、電力の損失を少なくするために、より低鉄損の材料が求められている。
方向性電磁鋼板の鉄損を低減するには、板厚を薄くする、Si含有量を増す、結晶方位の配向性を高める等の方法があるが、それに加えて鋼板に張力を付与することも有効な方法である。
鋼板への張力付与方法としては、鋼板より熱膨張係数の小さい材質からなる被膜を表面に形成することが一般的である。すなわち、結晶方位を揃える2次再結晶と鋼板の純化とを兼ねる最終仕上焼鈍工程にて、鋼板表面の酸化物と鋼板表面に塗布した焼鈍分離剤とが反応してフォルステライトを主成分とする被膜が形成されるが、この被膜は鋼板に張力を与え、鉄損低減に効果がある。さらに、張力効果を増すために、フォルステライト被膜の上に、上塗りの低熱膨張性のコーティングを施して製品とすることも一般的に行われている。
ところが、近年、鋼板表面を磁気的に平滑化する手法が開発され、仕上焼鈍工程で意図的にフォルステライト被膜の形成を阻止したり、形成されたフォルステライト被膜を除去した後、その表面を平滑に仕上げることが、鉄損の低減に有効であることが明らかとなってきた。
例えば、特許文献1には、仕上焼鈍後、酸洗により表面生成物を除去したのち、化学研磨または電解研磨により鋼板表面を鏡面状態に仕上げる方法が開示されている。
また、特許文献2には、フォルステライト被膜を除去後、1000〜1200℃のH2中でサーマルエッチングを行う方法が開示されている。
このような表面処理によって鉄損が減少するのは、磁化過程において、鋼板表面近傍の磁壁移動の妨げとなるピン留め作用のある凹凸が減少するためである。
なお、ヒステリシス損失を減少させる磁気的に平滑な表面とは、一般にRa(算術平均粗さ)で表現される、いわゆる表面粗さで示されるものだけでなく、例えば特許文献3に記載されたような、表面生成物を除去した後にハロゲン化物水溶液中で電解するような、いわゆる結晶方位強調処理にて得られるものも知られている。
また、電磁鋼板の表面には、絶縁性の被膜が必要であるため、絶縁コーティングが施されるのが通例であり、現在、フォルステライト被膜を有する方向性電磁鋼板に適用されている張力付加型の絶縁コーティングとしては、Alやアルカリ土類金属のリン酸塩とコロイド状シリカ、無水クロム酸またはクロム酸塩を主成分とした処理液を、鋼板に塗布し、焼付けることによって形成されるものが多い。張力付加型の絶縁コーティングは、鋼板より熱膨張係数の小さいコロイド状シリカに代表される無機質被膜を高温で形成することより、地鉄と絶縁コーティングとの熱膨張差を利用して、常温において鋼板に張力を付与するものである。
上記の方法で形成される絶縁被膜は、鋼板に対する張力付与効果が大きく、鉄損低減に有効である。例えば、特許文献4や特許文献5などに、その代表的な形成方法が開示されている。
しかしながら、鋼板に対する張力付加効果が大きい被膜ほど、下地との密着力が強くないと被膜が剥落してしまう。上記したような張力付与型コーティングは、フォルステライト系の最終仕上焼鈍被膜が鋼板表面に存在する場合には問題はないが、鏡面化等の表面平滑化処理を行い、最終仕上焼鈍後にフォルステライト被膜が存在しない場合には、被膜を好適に付着させることができなかった。
このために、表面を磁気的に平滑化して鉄損を低減する技術と張力付与型コーティングによる鉄損低減技術とを両立させることは困難であった。
従来、フォルステライト被膜のない表面、さらには平滑化された表面に、張力付加型コーティングを形成する方法として、いくつかの方法が提案されている。例えば、特許文献6には金属めっき後に、また特許文献7にはSiO2薄膜を形成させた後に、それぞれ張力付加コーティング溶液を塗布して焼付ける方法が開示されている。さらに、特許文献8には、セラミックス薄膜を蒸着、スパッタリングまたは溶射などによって形成させる方法が、そして特許文献9には、窒化物や炭化物の被膜をイオンプレーティングまたはイオンプランテーションによって形成する方法が、それぞれ開示されている。さらに、特許文献10には、いわゆるゾル−ゲル法によって、高張力付与型の酸化物被膜を鋼板表面に直接形成する方法が開示されている。
これらの方法は、平滑化された表面を有する鋼板に張力を付与する方法として開発されたものではあるが、幾つかの問題点を残しているため、まだ実用化されるまでには至っていない。
すなわち、金属薄めっきを下地とし、その上にコーティング処理を施す方法は、均一なめっき面の平滑さ故に、被膜の密着性が十分でなく、SiO2薄膜を形成させる方法は張力付与効果に劣るなど、鉄損の改善効果が十分ではなかった。また、窒化物や炭化物あるいはそれらの組合せからなる被膜はいずれも、その熱膨張係数が地鉄と比較してかなり低いため、熱膨張係数差による張力付与効果は大きいものの、それ故に曲げ加工時の地鉄と被膜との密着性に問題が生じることが多かった。
一方、特許文献11に開示されている化学気相蒸着法(CVD法)は、制約の多い真空槽を必要とすることなく、大面積に均一なセラミックス被膜を形成することが可能な有力な手法である。すなわち、高温反応ゆえにセラミックス被膜と鋼板との密着性も良好であり、上記スパッタリング、溶射、イオンプレーティング、イオンプランテーションなどの物理気相蒸着法(PVD法)と比較して、被生成物の鋼板表面への衝突が弱いためか、平滑化された表面で達成されている極めて低いヒステリシス損失を損なうことなしに、セラミックス被膜の形成が可能である。特に、この方法は、ヤング率が大きく、熱膨張係数の小さい窒化物や炭化物を鋼板表面に形成するのに適している。
さらに、特許文献12には、かようなCVD法によるセラミックス被膜の形成に際し、鋼板の地鉄表層部、地鉄と被膜の界面およびセラミックス被膜中における塩素(Cl)成分を極力低減することによって、被膜外観、耐食性および磁気特性の経時劣化を防止する方法が提案されている。
特公昭52−24499号公報 特開平5−43943号公報 特公平4−72920号公報 特公昭53−28375号公報 特公昭56−52117号公報 特公昭52−24499号公報 特開平6−184762号公報 特公昭56−4150号公報 特公昭63−54767号公報 特開平2−243770号公報 特開昭61−201732号公報 特開2004−197154号公報
しかしながら、上記したようなCVD法を利用してセラミックス被膜を形成した方向性電磁鋼板であっても、特に巻鉄心変圧器の加工時に見られるような、曲げ加工を行った状態で歪取焼鈍を施し、その後この曲げ加工部に応力が加わるような場合には、被膜密着性が劣化し、絶縁被膜が剥離し易くなることが判明した。
本発明は、上記の問題を有利に解決するもので、曲げ加工を行った状態で歪取焼鈍を施し、その後この曲げ加工部に応力が加わるような場合であっても、絶縁被膜の剥離が生じない、被膜密着性に優れた超低鉄損方向性電磁鋼板を提案することを目的とする。
さて、発明者らは、CVD法やPVD法によって形成した被膜の歪取焼鈍等の熱処理後の密着性を改善すべく、鋭意究明を進めた。
その結果、雰囲気温度、雰囲気ガス混合比および鋼板温度を変化させてTiN被膜を形成した場合、同一膜厚のあっても歪取焼鈍後の絶縁コーティングの密着性に違いが生じることが明らかになった。
そこで、その原因について調査したところ、TiN被膜中に微量含有されている塩素濃度によって、密着性に差が生じていることが判明した。
すなわち、被膜密着性に関しては、TiN被膜中にある程度の塩素を含有させた方が、むしろ良好な結果が得られることが判明した。
本発明は上記の知見に立脚するものである。
すなわち、本発明は、フォルステライト被膜を有しない鋼板表面に、金属窒化物、金属炭化物または金属炭窒化物からなるセラミックス被膜を形成した方向性電磁鋼板であって、該セラミックス被膜中に 0.001〜1mass%の塩素を含有することを特徴とする方向性電磁鋼板である
本発明によれば、フォルステライト被膜のない平滑な鋼板表面に形成したセラミックス被膜の歪取焼鈍後における密着性を格段に向上させることができ、ひいては鉄損特性に優れた方向性電磁鋼板を安定して得ることができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明で対象とする方向性電磁鋼板としては従来公知のものいずれもが適合するが、特に好適な成分組成を掲げると次のとおりである。なお、成分に関する「%」表示は特に断らない限り質量%を意味するものとする。
本発明では、Siを1.5〜7.0%の範囲で含有することが望ましい。すなわち、Siは、製品の電気抵抗を高め鉄損を低減するのに有効な成分であるが、含有量が7.0%を超えると硬度が高くなって製造や加工が困難となる。一方、1.5%に満たないと、最終仕上焼鈍中に変態を生じて安定した2次再結晶組織が得られない。
また、鋼中には、上記の元素の他に、公知の方向性電磁鋼板の製造に適するインヒビター成分として、B,Bi,Sb,Mo,Te,Sn,P,Ge,As,Nb,Cr,Ti,Cu,Pb,ZnおよびIn等を単独または複合して含有させることができる。さらに、かようなインヒビターを使用しない方法によって製造される方向性電磁鋼板に対しても、本発明の適用は可能である。
一方、C,S,Se,N等は不純物として磁気特性上有害な元素であり、特に鉄損を劣化させるため、最終製品とする際には、それぞれC:0.003%以下、SおよびSe:0.002%以下、N:0.002%以下とすることか好ましい。
また、上記の成分組成に調整した方向性電磁鋼板は、仕上焼鈍後、表面にフォルステライト被膜がない状態としておく必要がある。
そのための方法としては、従来法により形成されたフォルステライト被膜を酸洗や研磨等により除去する方法、または焼鈍分離剤の組成を調整して、鋼板表面上のフォルステライト被膜の生成を抑制し、もしくは容易に剥落するように形成させた後、洗浄・除去するといった方法により、実質的に金属外観を有する状態とする方法を適用することができる。
さらに、表面に平滑化処理を施すことが、鉄損値の低減により有効である。例えば、酸洗、サーマルエッチングや化学研磨等により表面粗さを極力小さくし、鏡面状態に仕上げた表面や、ハロゲン化物水溶液中での電解による結晶方位強調処理で得られるグレイニング様面等が挙げられる。
なお、フォルステライト被膜がない状態とは、フォルステライトが離散的、もしくは島状等部分的に微量存在しているような、実質的に被膜を形成していない場合も含まれる。
続いて、CVD法やPVD法によって、TiやSi等の金属の窒化物、炭化物または炭窒化物からなる被膜を形成する。
CVD法としては、TiC14等の金属塩化物ガスと、もう一方の原料ガスとして、窒化物ならば N2,NH3,(CH3)3N,(CH3)2NHガスなど、また炭化物ならばCH4, CO, C2H4, C3H6, C3H8, C2H6, i-C5H12などを混合した雰囲気中にて、鋼板を加熱することにより、セラミックス被膜を得る。勿論、両者を混合して炭窒化物としても何ら問題はない。その他、バランスガスとしてArガスなどが使用される。
また、金属源として有機金属ガスを用いる、いわゆるMO−CVD法やプラズマやレーザー、光誘起などを採用してもよい。
PVD法としては、例えばホローカソード法やマグネトロンスパッタリング法、マルチアーク放電法等が適用できる。これらの方法では、金属源は蒸発用のターゲットから供給され、一方窒素や炭素はガスを利用することができる。
これらの方法により得られる被膜物質は、Ti,Zr,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Co,Ni,Al,BおよびSiなどの窒化物、炭化物、炭窒化物であり、これら2種以上を積層しても構わない。また、酸化物が混入しても構わない。
かようなセラミックス被膜の厚みについては、0.01μm以上 5μm以下程度とするのが好適である。被膜厚が0.01μmに満たないと十分な張力付与効果および被膜密着性が得られず、一方5μmを超えるとかえって被膜密着性が劣化し、また電磁鋼板の占有率の面でも不利となる。
さて、本発明では、上記のようにして形成した、金属窒化物、金属炭化物または金属炭窒化物からなるセラミックス被膜中に、0.001〜1mass%の塩素を含有させることによって、歪取焼鈍後の被膜密着性を向上させる。塩素含有量が0.001%よりも少ないと歪取焼鈍後の密着性が劣化し、一方1%よりも多くなると耐食性が損なわれて絶縁性の長期信頼性が低下する。より好ましくは0.005〜1%の範囲である。
被膜中に適量の塩素を含有させる方法としては、CVDにおいては被膜原料の一方である塩化物と、もう一方の窒素含有ガスまたは炭素含有ガスとの量のバランスを調整する方法等が、またPVDにおいては蒸着時の雰囲気に微量の塩素含有ガスを導入する方法等がある。
なお、このように塩素を含有させることによって歪取焼鈍後の被膜密着性が向上する機構については、まだ明確に解明されたわけではないが、歪取焼鈍中の被膜の変形能が改善されるためではないかと推測している。
さらに、上記したセラミックス被膜の上に絶縁被膜を形成する場合、かような絶縁被膜としては、方向性電磁鋼板に使用される無機質コートが利用可能である。特に、張力付与効果を有するコーティングは、超低鉄損化を達成するために表面を平滑化した方向性電磁鋼板と組合せると、極めて有効である。
張力付与型コーティングとしては、熱膨張係数を低下させるシリカを含むコーティングが推奨される。例えば、従来からフォルステライト被膜を有する方向性電磁鋼板に用いられている、リン酸塩−コロイド状シリカ−クロム酸系のコーティング等が、その効果およびコスト、均一処理性などの点で好適である。
かような絶縁被膜の厚みは、張力付与効果、占積率、被膜密着性等を考慮すると、0.3μm以上 10μm以下程度とするのが好適である。
なお、張力コーティングとしては、上記のもの以外にも、特開平6−65754号公報や特開平6−65755号公報、特開平6−299366号公報などに提案されている、ホウ酸−アルミナ等の酸化物系被膜を適用することも可能である。
上記のようにして得られた鋼板に、更なる鉄損低減を目的として、レーザーあるいはプラズマ炎等を照射して磁区の細分化を行っても、絶縁コーティングの密着性にはなんら問題はない。また、本発明の方向性電磁鋼板の製造工程の任意の段階において、磁区細分化のために、鋼板表面にエッチングやプレス等で一定間隔の溝を形成することも、一層の鉄損低減を図る手段として有効である。
実施例1
3%のSiを含有する厚さ:0.23mmの方向性電磁鋼板を用意し、その表面に形成されたフォルステライト被膜を機械研磨により除去したのち、電解エッチングによる表面平滑化処理を行った。ついで、TiCl4,H2,N4の混合ガスからなる雰囲気中で鋼板を加熱するCVD法により、厚さ:1.2μmのTiN被膜を鋼板両面に形成した。この際、各ガスの混合比と濃度および鋼板温度を種々に変化させることより、形成されたTiN被膜中に残留するCl濃度を変化させた。また、得られた鋼板の一部は、真空中において920℃で熱処理することにより、Clを揮発除去して、ほとんどClを含まない被膜とした。
ついで、得られた鋼板の表面に、コロイド状シリカ、リン酸マグネシウム、クロム酸からなるコーティング液を塗布し、810℃で焼付けることにより、シリカ−リン酸塩系の張力コーティングを形成した。
その後、得られた鋼板を直径:20mmのステンレス鋼製丸棒に巻き付ける90°曲げを行った状態で、窒素雰囲気中において820℃で3時間の歪取焼鈍を行った。
かくして得られたセラミックス被膜付き方向性電磁鋼板の被膜密着性、耐食性および鉄損特性について調べた結果を表1に示す。また、表1には、セラミックス被膜中の塩素量について調べた結果も併せて示す。
各特性の評価方法は次のとおりである。
被膜密着性
上記のように90°曲げ状態で歪取焼鈍を行ったのち、この鋼板を直径:20mmの丸棒に沿ってさらに180°曲げとした場合および平坦に伸ばした場合ににおける絶縁被膜の剥離状態で評価した。剥離が全く生じない場合は○、180°曲げまたは平坦化のいずれかに片面でも剥離が生じた場合は△、それ以上の剥離が見られた場合は×とした。
耐食性
歪取焼鈍後の鋼板を、温度:40℃、相対湿度:98%雰囲気に10日間曝露して耐食性を評価した。10日曝露の後、錆および変色がない場合を○、錆はないが変色が見られる場合を△、錆が発生したものを×とした。
鉄損特性
周波数:50Hz、励磁力:1.7Tにおける鉄損W17/50 で評価した。
塩素濃度
被膜付きの鋼板を硫酸で溶解し、濾過して得た残滓をアルカリ溶融し、温水抽出したものを吸光光度法で分析して測定した。
Figure 2006253555
同表から明らかなように、本発明に従い、セラミックス被膜中に適量の塩素を含有させた場合には、良好な被膜密着性と耐食性および鉄損特性が共に得られている。
実施例2
実施例1と同様にして、表面平滑化処理を行った3%のSiを含有する厚さ:0.23mmの方向性電磁鋼板の表面に、CVD法により表2に示す各種の窒化物、炭化物からなるセラミックス被膜を鋼板両面に形成した。ついで、実施例1と同様な処理を施してセラミックス被膜付き方向性電磁鋼板を製造した。
かくして得られたセラミックス被膜付き方向性電磁鋼板の被膜密着性、耐食性および鉄損特性ならびにセラミックス被膜中における塩素量について調べた結果を表2に示す。
Figure 2006253555
同表に示したとおり、本発明の範囲で塩素を含有する各種被膜を形成した場合にも、良好な被膜密着性と耐食性および鉄損特性が得られることが確認された。

Claims (1)

  1. フォルステライト被膜を有しない鋼板表面に、金属窒化物、金属炭化物または金属炭窒化物からなるセラミックス被膜を形成した方向性電磁鋼板であって、該セラミックス被膜中に 0.001〜1mass%の塩素を含有することを特徴とする方向性電磁鋼板。
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