JPH10102222A - 深絞り性の優れた直接1回掛けほうろう用冷延鋼板およびその製造方法 - Google Patents
深絞り性の優れた直接1回掛けほうろう用冷延鋼板およびその製造方法Info
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- JPH10102222A JPH10102222A JP25946796A JP25946796A JPH10102222A JP H10102222 A JPH10102222 A JP H10102222A JP 25946796 A JP25946796 A JP 25946796A JP 25946796 A JP25946796 A JP 25946796A JP H10102222 A JPH10102222 A JP H10102222A
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Abstract
工性特に深絞り性、および、ほうろう特性即ち密着性、
耐爪飛び性、耐黒点性に優れている。 【解決手段】 C:0.003wt.% 以下、Si:0〜0.05wt.%、M
n: 0.20〜0.40wt.%、P:0.005 〜0.025wt.% 、S:0.005
〜0.030wt.% 、Sol.Al:0〜0.01wt.%、Cu:0.02 〜0.05w
t.%、N:0.050wt.% 以下、Cr:O量の0.5 〜1.3 、必要に
応じB:0.0010〜0.0050wt.%、残り: 実質的にFeからなる
成分組成を有し、熱間圧延の仕上温度:860〜900 ℃、冷
間圧延の圧下率:70%以上、焼鈍時の加熱温度5℃/sec以
上の条件で製造される。
Description
の優れた直接1回掛けほうろう用冷延鋼板およびその製
造方法に関するものである。
台等に広く利用されているが、これを浴槽、鍋類、洗面
台などの材料として使用される場合には、ほうろう用鋼
板に対して優れた深絞り性が要求されている。従来、こ
のような用途に対しては、Ti添加鋼板やB添加アルミ
キルド鋼板などが使用されているが、これらの鋼板は、
直接1回掛けが適用できるほうろう条件が非常に狭く、
ほうろうメーカーでの管理が難しいために、直接1回掛
け用にはほとんど適用されていない。
う密着性の確保のために、酸洗減量値およびNi付着量
を、ある一定値以上にする必要があるが、酸洗減量値お
よびNi付着量が多すぎると、泡、黒点などのほうろう
欠陥が発生しやすくなる問題が生ずる。
洗・(湯洗)・水洗・Ni-dipの工程において、水洗槽か
ら持ち込まれる水により、操業が進むに従って、Ni-dip
液のpH値が増大する傾向にある。その結果、Niが鋼板に
板状に付着しやすくなり、ほうろう焼成中に、ほうろう
層と鋼板との界面に凹凸ができにくくなるため、ほうろ
う層の密着性低下を招く。
泡が、ほうろう層中に抜けにくく、泡がほうろう層の表
面にまで達する結果、泡欠陥や黒点欠陥が発生しやすく
なる。これらのほうろう欠陥は、ほうろう焼成時の露点
などに大きく影響されるために、これらの因子に対し
て、鈍感なほうろう用鋼板が要求されている。
の合理化および耐熱衝撃性などの観点から、ほうろうの
直接1回掛けが指向されている。これらのことから、加
工性に優れ、しかも直接1回掛けが可能なほうろう用鋼
板が強く要求されている。
ほうろう用鋼板としては、従来、製鋼段階で鋼中の炭素
および窒素を極力低減し、そして、未脱酸で製造した鋼
(以下、高酸素鋼という)が広く使用されている。しか
しながら、上述した高酸素鋼の場合には、鋼中に固溶炭
素および固溶窒素が存在するために、加工性および耐時
効性が劣っており、上記要求される性能を十分に満足さ
せることはできない。
て、例えば、特開昭63-277742 号公報には、Ti,Nb
等を添加した鋼板が開示されている。しかしながら、上
述した、鋼中にTi,Nb等を添加した鋼板は、加工性
は向上するが、特に露点が高くなったときに、黒点や泡
欠陥が発生しやすくなる結果、これを直接1回掛け用に
適用することができない。また、特開昭63-277742 号公
報に開示されている鋼板においては、酸素量が比較的少
ないために、過酷な条件では、爪とび欠陥が発生する可
能性がある。
を解決し、加工性特に深絞り性およびほうろう直接1回
掛け特性を兼ね備えた、深絞り性の優れた直接1回掛け
ほうろう用冷延鋼板およびその製造方法を提供すること
にある。
観点から、深絞り性の優れた直接1回掛けほうろう用冷
延鋼板を開発すべく鋭意研究を重ねた。その結果、直接
1回掛け特性を損ねることなく高酸素鋼の加工性を向上
させるためには、適量のクロムの添加が有効であること
を見出した。即ち、適量のクロムは、鋼中のマンガンお
よび酸素と結合して、加工性特に深絞り性を向上させる
作用を有している。
く、耐時効性を改善するためには、更に適量のボロンの
添加が有効であることを見出した。ボロンは、鋼中の炭
素および窒素と結合して、耐時効性を改善する作用を有
している。
に応じ適量のボロンを含有する成分組成のスラブを、特
定の仕上温度で熱間圧延し、特定の圧下率で冷間圧延
し、そして、特定の加熱速度で焼鈍すれば、深絞り性を
より向上し得ることを知見した。
ものであって、請求項1および2に記載の発明の、直接
1回掛けほうろう用冷延鋼板は、 炭素(C) : 0.0030 wt.%以下、 珪素(Si) : 0〜0.05wt.% (無添加の場合を含む) 、 マンガン(Mn): 0.20 〜0.40 wt.% 、 燐(P) : 0.005〜0.025wt.% 、 硫黄(S) : 0.005〜0.030wt.% 、 可溶性アルミニウム(Sol.Al):0 〜0.010 wt.%( 無添加
の場合を含む) 、 酸素(O) : 0.0450 〜0.1000 wt.% 、 銅(Cu) : 0.020〜0.050 wt.%、 窒素(N) : 0.0050 wt.%以下、 クロム(Cr) :酸素(O) 量の0.5 〜1.3 、 必要に応じて、ボロン(B): 0.0010 〜0.0050 wt.% 、お
よび、 残り :実質的に鉄(Fe)、 からなることに特徴を有するものである。
2記載の化学成分組成を有し、そして、熱間圧延の仕上
温度:860〜900℃、冷間圧延の圧下率:70%以
上、焼鈍時の加熱速度:5℃/sec 以上の圧延および焼
鈍条件で製造されたことに特徴を有するものである。
1回掛けほうろう用冷延鋼板の製造方法は、上記化学成
分組成を有するスラブを、860〜900℃の仕上温度
で熱間圧延し、これを巻き取って熱延鋼板を調製し、次
いで、前記熱延鋼板を、70%以上の圧下率で冷間圧延
して冷延鋼板を調製し、前記冷延鋼板を5℃/sec 以上
の加熱速度で焼鈍することに特徴を有するものである。
化学成分組成を、上述した範囲内に限定した理由につい
て、以下に述べる。 (1) 炭素(C) および窒素(N) :炭素および窒素は、本発
明が主眼とするMnとCrとの複合酸化物による好ましい集
合組織の形成を妨げて、鋼板の加工性を劣化させる。更
に、炭素および窒素の量が多すぎると耐時効性が劣化
し、更に、炭素量が多すぎると耐黒点性が劣化する。従
って、炭素および窒素の含有量はできる限り少ない方が
望ましく、この発明においては、炭素含有量は0.0030 w
t.% 以下に限定し、窒素含有量は0.0050wt.%以下(好ま
しくは0.0030 wt.% 以下)に限定した。 (2) 珪素(Si):珪素は、鋼を溶製する際、鋼中の酸素量
を調整するために、必要に応じて添加する。しかしなが
ら、鋼板の表面性状の向上のためには、珪素量は少ない
方がよく、珪素量が0.05wt.%を超えると、Siスケールに
関連した表面欠陥が発生しやすくなる。従って、珪素含
有量は、 0〜0.05wt.% (無添加の場合を含む) の範囲内
に限定すべきである。 (3) 可溶性アルミニウム(Sol.Al):アルミニウムは、
鋼を溶製する際、鋼中の酸素量を制御するために、必要
に応じて添加する。しかしながら、可溶性アルミニウム
の含有量が0.010 wt.%を超えて多くなると、Sol.Alが鋼
中の窒素と結びついて微細なAlN となり、鋼板の加工性
を著しく劣化させる。従って、可溶性アルミニウムの含
有量は、0 〜0.010 wt.%( 無添加の場合を含む) の範囲
内に限定すべきである。 (4) マンガン(Mn):マンガンは、鋼中の酸素と結合して
MnO となり、ほうろう焼成時に進入した水素のトラップ
サイトとして作用し、耐爪飛び性を向上させ、また、マ
ンガンの一部は、クロムと複合酸化物を作って、深絞り
性に好ましい集合組織を形成する作用を有している。し
かしながら、マンガン含有量が 0.20 wt.%未満では、上
述した作用に所望の効果が得られない。一方、マンガン
含有量が0.40 wt.% を超えると、鋼板の加工性を劣化さ
せる。従って、マンガン含有量は、0.20〜0.40wt.%の範
囲内に限定すべきである。 (5) クロム(Cr):クロムは、本発明における最も重要な
元素であり、加工性および耐爪飛び性を向上させる作用
を有している。更に、クロムは、鋼中のマンガンおよび
酸素と結合して深絞り性の向上に寄与する。従って、ク
ロムは、鋼中の酸素量に応じてその量を調整する必要が
ある。クロム含有量が、鋼中の酸素量の0.5 倍未満で
は、上述した作用に所望の効果が得られない。一方、ク
ロム含有量が、鋼中の酸素量の1.3 倍を超えると、逆に
固溶Cr量が増加し、鋼板の加工性を劣化させる。従っ
て、クロム含有量は、鋼中の酸素量の0.5 〜1.3 倍の範
囲内に限定すべきである。 (6) 酸素(O) :酸素は、鋼中のマンガンおよび鉄と結合
して酸化物を形成し、ほうろう焼成時に進入した水素の
トラップサイトとして作用し、耐爪飛び性を向上させる
作用を有している。また、酸素の一部は、鋼中のクロム
およびマンガンと結合して酸化物を作り、深絞り性の向
上に寄与する。しかしながら、酸素含有量が 0.0450 w
t.%未満では、上述した作用に所望の効果が得られな
い。一方、酸素含有量が0.1000 wt.% を超えると、鋼板
の加工性を劣化させる。従って、酸素含有量は、0.0450
〜0.1000wt.%の範囲内に限定すべきである。なお、加工
性の観点から酸素の好ましい含有量は、0.0450〜0.0700
wt.%の範囲内である。
した場合には、ほうろう前処理の酸洗時における酸洗減
量値が大になるので、以下に述べるように、鋼中の燐、
硫黄および銅の含有量を調整し、密着性、耐黒点および
泡性を確保することが必要である。 (7) 燐(P) :燐は、酸洗減量値を大きく左右し、ほうろ
うの密着性に影響を与える。即ち、燐含有量が 0.005w
t.%未満では、酸洗速度が遅すぎ、通常の酸洗条件では
十分な酸洗減量値が得られない。一方燐含有量が0.025w
t.% を超えると、酸洗減量値が大きくなり過ぎ、焼成中
の露点が高いときなど、泡や黒点欠陥が生じやすくな
る。従って、燐含有量は 0.005〜0.025wt.% の範囲内に
限定すべきである。 (8) 硫黄(S) :硫黄は、酸洗減量値を増大させる作用を
有しており、ほうろうの密着性に影響を与える。しかし
ながら、硫黄含有量が 0.005 wt.% 未満では、上述した
作用に所望の効果が得られない。一方、硫黄含有量が0.
030wt.% を超えると、加工性が劣化する。従って、硫黄
含有量は 0.005〜0.030wt.% の範囲内に限定すべきであ
る。 (9) 銅(Cu):銅は、ほうろう焼成時にほうろう層と鋼板
の界面との凹凸を増大させ、ほうろう密着性を向上させ
る作用を有している。しかしながら、銅含有量が 0.020
wt.%未満では、通常のほうろう条件で良好な密着性を生
じさせることができない。一方、銅は、ほうろう前処理
時の酸洗速度を小さくする作用を有しているので、銅含
有量が0.050 wt.%を超えると、酸洗減量値が小さくなり
過ぎ、通常のほうろう条件では、良好な密着性を得るこ
とができない。従って、銅含有量は 0.020〜0.050wt.%
の範囲内に限定すべきである。なお、極めて良好な密着
性を得るための好ましい銅含有量は、 0.025〜0.040wt.
% の範囲内である。 (10)ボロン(B) :ボロンは、鋼中の窒素と結合して、鋼
板の耐時効性を向上させる作用を有している。従って、
必要に応じ鋼中に付加的に含有させる。しかしながら、
ボロン含有量が0.0010wt.%未満では、その殆どが酸化物
となるために、上述した効果が得られない。一方、ボロ
ン含有量が0.0050wt.%を超えると、鋼板の加工性を劣化
させる。従って、ボロンを添加する場合には、その含有
量を0.0010〜0.0050 wt.%の範囲内に限定すべきであ
る。
のニッケル(Ni)、0.01wt.%以下の錫(Sn)および0.01wt.%
以下のヒ素(As)が含有されていても、本発明の効果を損
ねることはない。なお、本発明におけるクロムの効果を
顕著にならしめるために、Nb, Ta, W およびMoは、意図
的には添加しない。
化学成分組成を有し、且つ、以下に述べるように、熱間
圧延の仕上温度:860〜900℃、冷間圧延の圧下
率:70%以上、焼鈍時の加熱速度:5℃/sec 以上の
圧延および焼鈍条件で製造されることをが好ましい。こ
れによって、鋼板の加工性を、より向上させることはで
きる。
る。上述した本発明の範囲内の化学成分組成を有する鋼
のスラブを調製する。このようなスラブの調製に当た
り、これを鋼塊法で行うと、リム層とコア部との間に粗
大な介在物が存在しやすくなり、ほうろう加工後に、ふ
くれ欠陥が発生しやすくなる。従って、連続鋳造法によ
ってスラブを鋳造することが好ましい。
して熱間圧延するか、または、前記スラブを加熱するこ
となく直接熱間圧延して、熱延鋼帯を調製する。ただ
し、鋼中に本発明の範囲内の量のボロンが含有されてい
る場合には、加熱によるBNの固溶を抑制するために、
加熱温度を1200℃以下とすることが好ましい。鋳造
後のスラブは、室温まで冷却する必要はなく、BNが析
出した後、加熱を行ってもよい。
900℃の範囲内とすることが好ましい。860℃以上
即ち Ar3変態点以上の温度で仕上圧延を行うことによ
り、熱延鋼帯のフェライト粒が微細化して、鋼帯の加工
性が向上する。一方、仕上圧延温度が900℃を超える
と、フェライト粒が成長し、逆に鋼帯の加工性が劣化す
る問題が生ずる。
常法によって巻き取られるが、このときの巻取り温度
は、加工性および熱間圧延後の酸洗性の観点から、60
0〜700℃の範囲内とすることが好ましい。なお、熱
間圧延における粗圧延を省略し、連続鋳造された薄スラ
ブを直接仕上圧延しても、本発明の効果が損なわれるこ
とはない。上述のようにして得られた熱延鋼帯を、酸洗
した後、冷間圧延する。冷間圧延時の圧下率は、加工性
の観点から70%以上とすることが好ましい。
る。冷延鋼帯の焼鈍法は、特に規定されるものではな
く、公知の箱焼鈍法(タイトコイル焼鈍法)、オープン
コイル焼鈍法、連続焼鈍法の何れの方法で行ってもよ
い。ただし、特に優れた深絞り性が要求される用途に関
しては、5℃/秒以上の加熱速度により、800℃以上
の温度で焼鈍することが好ましい。その理由は明確では
ないが、加熱速度が5℃/秒未満で遅いと、酸化物の近
傍に濃化した固溶Cおよび固溶Nが拡散し、結晶粒の成
長を妨げるためであると推定される。また、焼鈍温度が
高い方がフェライト粒の成長が促進され、加工性が良好
になる。焼鈍された後の鋼帯は、そのまま製品とするこ
とができるが、必要に応じて、2.0 %以下の伸長率で調
質圧延してもよい。
対比しながら説明する。
成分組成を有する本発明鋼、および、表2に示す、化学
成分組成の少なくとも1つが本発明の範囲外である比較
鋼を溶製し、連続鋳造法によってスラブに調製した。上
記本発明鋼および比較鋼のスラブを、1200℃の温度に加
熱した後、890 ℃の仕上温度で熱間圧延し、620 ℃の温
度でコイルに巻き取って、厚さ2.8mm の熱延鋼帯を調製
した。
75%の圧下率で冷間圧延し、0.7mmの厚さの冷延鋼帯を
調製した。得られた冷延鋼帯を、7℃/secの加熱速度に
より、850 ℃の温度で連続焼鈍した後、1.0 %の調質圧
延を施した。かくして、表1に示す本発明のほうろう用
冷延鋼板(以下、本発明鋼板という)No. 1〜20およ
び表2に示す比較用のほうろう用冷延鋼板(以下、比較
用鋼板という)No. 1〜11を調製した。
り、JIS 5号試験片を圧延方向から採取し、その引張試
験を行った。また、上記本発明鋼板および比較用鋼板の
各々より、圧延方向、圧延方向と45度の方向および圧
延直角方向から、JIS 5号試験片を採取し、そのランク
フォード値(平均r値)を測定した。なお、平均r値
は、下記式により算出した値である。
向と45度のr値+圧延直角方向のr値)/4 次に、上記各試験片に対し、下記条件に従って、直接1
回ほうろう掛けを行い、ほうろう特性即ち密着性、耐爪
飛び性および耐黒点性を調べた。なお、密着性試験は、
良好な密着性が得にくい、硫酸酸洗時間が短く且つNi-d
ip時間が短い条件で行った。耐爪飛び性試験は、爪飛び
が発生しやすい、硫酸酸洗時間が短く且つNi-dip時間が
短く、焼成時の露点が高い条件で行った。そして、耐黒
点性試験は、黒点が発生しやすい、硫酸酸洗時間が短く
且つNi-dip時間が長く、焼成時の露点が高い条件で行っ
た。 (1) 密着性試験 a.ほうろう掛け条件 前処理:脱脂→硫酸酸洗( 15% H2SO4・70℃×15min)→
Ni-dip(NiSO4 ・7H2O:13g/l 、pH:3.5 、70℃×3mi
n) 施釉 :日本フエロー製 1553C釉薬、目標:両面に各
100 μm 焼成 : 830℃×2min 、 b.試験条件 上記ほうろう掛け条件で直接1回ほうろう掛けを施した
10枚の試験片(100 ×100mm)に対し、そのほうろう密
着性をPEI法によって測定した。 (2) 耐爪飛び性試験 a.ほうろう掛け条件 前処理:脱脂→硫酸酸洗( 15% H2SO4・70℃×2min)→
Ni-dip(NiSO4 ・7H2O:13g/l 、pH:3.5 、70℃×2mi
n) 施釉 :日本フエロー製 1553C釉薬、目標:両面に各
100 μm 焼成 : 830℃×2min (加湿雰囲気、DP:30℃) b.試験条件 上記ほうろう掛け条件で直接1回ほうろう掛けを施した
10枚の試験片(100 ×100mm)についてその爪飛び発生
状態を観察し、各試験片の表裏に1つでも爪飛びが認め
られたものを爪飛び発生として、その発生割合を調べ爪
飛び発生率とした。
Ni-dip(NiSO4 ・7H2O:13g/l 、pH:3.5 、70℃×10mi
n) 施釉 :日本フエロー製 1553C釉薬、目標:両面に各
100 μm 焼成 : 830℃×2min (加湿雰囲気、DP:30℃) b.試験条件 上記ほうろう掛け条件で直接1回ほうろう掛けを施した
10枚の試験片(100 ×100mm)についてその黒点発生状
態を観察し、各試験片の表裏に実用上不良となる程度の
泡、黒点が1つでも認められたものを黒点発生としてそ
の発生割合を調べ黒点発生率とした。
の機械的性質、即ち、YS(降伏強度)、TS(引張温
度)、El(伸び)、rm(平均r値)およびAI(歪
み時効指数)を調べた。
的性質即ちYS、TS、El、rmおよび上記によって
評価したほうろう特性即ち密着性、黒点発生率および爪
飛び発生率を示す。
に、鋼中のC量が本発明の範囲を超えて多い比較用鋼板
No. 1は、加工性、耐時効性および耐黒点性が劣ってい
た。Mn量が本発明の範囲を超えて多い比較用鋼板No. 2
は、加工性が劣っていた。P量が本発明の範囲を超えて
多い比較用鋼板No. 3は、加工性および耐黒点性が劣っ
ていた。S量が本発明の範囲を超えて多い比較用鋼板N
o. 4は、加工性が劣っていた。N量が本発明の範囲を
超えて多い比較用鋼板No. 5は、加工性および耐時効性
が劣っていた。
鋼板No. 6は、爪飛びが発生し耐爪飛び性が悪かった。
Cu量が本発明の範囲を外れて多い比較用鋼板No. 7
は、密着性が劣化した。Cr量が本発明の範囲を外れて
少ない比較用鋼板No. 8および本発明の範囲を超えて多
い比較用鋼板No. 9は、深絞り性が悪かった。B量が本
発明の範囲を超えて多い比較用鋼板No. 10は、加工性
が悪かった。そして、鋼中にTiが添加されている比較
用鋼板No. 11は、耐黒点性が悪かった。
何れも加工性およびほうろう性に優れており、特に、B
が添加された本発明鋼板No. 17〜20は、加工性が劣
化することなく、耐時効性が改善されていた。
する鋼に、クロムを酸素量の0.2〜1.6の範囲内で
添加した鋼を溶製し、連続鋳造法によってスラブに調製
した。上記スラブを、1180℃の温度に加熱した後、890
℃の仕上温度で熱間圧延し、620 ℃の温度でコイルに巻
き取って、厚さ2.8mm の熱延鋼帯を調製した。
75%の圧下率で冷間圧延し、0.7mmの厚さの冷延鋼帯を
調製した。得られた冷延鋼帯を、5℃/secの加熱速度に
より、850 ℃の温度で連続焼鈍した後、1.0 %の調質圧
延を施して、ほうろう用冷延鋼板を調製した。
方向、圧延方向と45度の方向および圧延直角方向か
ら、JIS 5号試験片を採取し、ランクフォード値(平均
r値)を測定した。なお、平均r値の算出式は、前述し
た通りである。
の関係を示すグラフである。図1から明らかなように、
クロム含有量が酸素含有量の0.5 〜1.3 の範囲内の試験
片の平均r値は高く、深絞り性が改善された。
する鋼に、ボロンを0.008 wt.%以下の量で添加した鋼を
溶製し、連続鋳造法によってスラブに調製した。上記ス
ラブを、1180℃の温度に加熱した後、880 ℃の仕上温度
で熱間圧延し、635 ℃の温度でコイルに巻き取って、厚
さ3.2mm の熱延鋼帯を調製した。
75%の圧下率で冷間圧延し、0.8mmの厚さの冷延鋼帯を
調製した。次いで、得られた冷延鋼帯を、7℃/secの加
熱速度により、850 ℃の温度で連続焼鈍した後、1.0 %
の調質圧延を施して、ほうろう用冷延鋼板を調製した。
S 5号試験片を採取し、引張り試験および時効試験を行
って、伸び値(El値)および歪み時効指数(AI値)
を求めた。時効試験は、8%予ひずみ後、100℃の温
度で1時間の時効処理を施した後の下降伏点の上昇量を
AI(Aging Index)として求めた。
よびAI値との関係を示すグラフである。図2におい
て、○印はEl値を示し、◇印はAI値を示す。図2か
ら明らかなように、ボロン含有量が 0.0010 〜0.0050 w
t.% の範囲内の試験片は、El値が高く且つAI値が適
切であり、加工性を損なうことなく、耐時効性が改善さ
れた。
の化学成分組成を有する鋼を溶製し、連続鋳造法によっ
てスラブに調製した。このスラブを1190℃の温度に加熱
し、表6に示す各種の仕上温度で熱間圧延し、635 ℃の
温度でコイルに巻き取って、厚さ3.2mm の熱延鋼帯を調
製した。得られた熱延鋼帯を酸洗した後、表6に示す各
種の圧下率で冷間圧延した。次いで、得られた冷延鋼帯
を、表6に示す各種の加熱速度で連続焼鈍した後、1.2
%の調質圧延を施した。このようにして得られた本発明
鋼板No. 21〜40の各々より、JIS 5号試験片を採取
し、そのランクフォード値(平均r値)を測定した。表
6にその測定結果を併せて示す。
る仕上温度、冷間圧延における圧下率、および、焼鈍時
の加熱速度が、何れも請求項3に記載した本発明の範囲
内の本発明鋼板No. 24,25,26,34,35,3
6は、特に高い平均r値が得られた。
加工性特に深絞り性と、ほうろう直接1回掛け特性を兼
ね備えた、深絞り性の優れた直接1回掛けほうろう用冷
延鋼板が得られる、工業上優れた効果がもたらされる。
る。
すグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】炭素(C) : 0.0030 wt.%以下、 珪素(Si) : 0〜0.05wt.% (無添加の場合を含む) 、 マンガン(Mn): 0.20 〜0.40 wt.% 、 燐(P) : 0.005〜0.025wt.% 、 硫黄(S) : 0.005〜0.030wt.% 、 可溶性アルミニウム(Sol.Al):0 〜0.010 wt.%( 無添加
の場合を含む) 、 酸素(O) : 0.0450 〜0.1000 wt.% 、 銅(Cu) : 0.020〜0.050 wt.%、 窒素(N) : 0.0050 wt.%以下、 クロム(Cr) :酸素(O) 量の0.5 〜1.3 、 および、 残り :実質的に鉄(Fe)、 からなることを特徴とする、深絞り性の優れた直接1回
掛けほうろう用冷延鋼板。 - 【請求項2】炭素(C) : 0.0030 wt.%以下、 珪素(Si) : 0〜0.05wt.% (無添加の場合を含む) 、 マンガン(Mn): 0.20 〜0.40 wt.% 、 燐(P) : 0.005〜0.025wt.% 、 硫黄(S) : 0.005〜0.030wt.% 、 可溶性アルミニウム(Sol.Al):0 〜0.010 wt.%( 無添加
の場合を含む) 、 酸素(O) : 0.0450 〜0.1000 wt.% 、 銅(Cu) : 0.020〜0.050 wt.%、 窒素(N) : 0.0050 wt.%以下、 クロム(Cr) :酸素(O) 量の0.5 〜1.3 、 ボロン(B) : 0.0010 〜0.0050 wt.% 、 および、 残り :実質的に鉄(Fe)、 からなることを特徴とする、深絞り性の優れた直接1回
掛けほうろう用冷延鋼板。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の化学成分組成を
有し、そして、熱間圧延の仕上温度:860〜900
℃、冷間圧延の圧下率:70%以上、焼鈍時の加熱速
度:5℃/sec 以上の圧延および焼鈍条件で製造された
ことを特徴とする、深絞り性の優れた直接1回掛けほう
ろう用冷延鋼板。 - 【請求項4】 請求項1または2記載の化学成分組成を
有するスラブを調製し、前記スラブを、860〜900
℃の範囲内の仕上温度で熱間圧延して、熱延鋼板を調製
し、次いで、前記熱延鋼板を、70%以上の圧下率で冷
間圧延して冷延鋼板を調製し、次いで、前記冷延鋼板を
5℃/sec 以上の加熱速度で焼鈍することを特徴とす
る、深絞り性の優れた直接1回掛けほうろう用冷延鋼板
の製造方法。
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CN104775069A (zh) * | 2015-04-21 | 2015-07-15 | 宝山钢铁股份有限公司 | 一种用于直接施釉的搪瓷用钢板及其制造方法 |
CN108342654A (zh) * | 2018-05-17 | 2018-07-31 | 柳州钢铁股份有限公司 | 屈服强度230MPa以上的冷轧搪瓷钢的制造方法 |
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