JPH05132778A - 金属窒化物被膜の形成方法 - Google Patents
金属窒化物被膜の形成方法Info
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- JPH05132778A JPH05132778A JP29558691A JP29558691A JPH05132778A JP H05132778 A JPH05132778 A JP H05132778A JP 29558691 A JP29558691 A JP 29558691A JP 29558691 A JP29558691 A JP 29558691A JP H05132778 A JPH05132778 A JP H05132778A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】残留ハロゲン量が少なく、膜特性の優れた金属
窒化物被膜を高い成膜速度で形成することが可能な方法
を提供しようとするものである。 【構成】直流プラズマCVD法により真空チャンバ1内
で基材13表面に金属窒化物被膜を形成する方法におい
て、原料ガスとしてハロゲン化金属ガス、アンモニアガ
スおよび水素ガスを用い、前記基材13に印加する直流
バイアス電圧を−100V〜−1200、前記基材13
の温度を400℃以上、前記チャンバ1内の圧力を0.
1〜10torrにして成膜すること特徴としている。
窒化物被膜を高い成膜速度で形成することが可能な方法
を提供しようとするものである。 【構成】直流プラズマCVD法により真空チャンバ1内
で基材13表面に金属窒化物被膜を形成する方法におい
て、原料ガスとしてハロゲン化金属ガス、アンモニアガ
スおよび水素ガスを用い、前記基材13に印加する直流
バイアス電圧を−100V〜−1200、前記基材13
の温度を400℃以上、前記チャンバ1内の圧力を0.
1〜10torrにして成膜すること特徴としている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属窒化物被膜の形成
方法に関する。
方法に関する。
【0002】
【従来の技術および課題】各種の低温プラズマを用いた
被膜形成法、例えばイオンプレーティング法などのPV
D法は、高温で被膜形成を行う熱CVD法に比較して5
50℃以下の低温で金属窒化物被膜等のセラッミク被膜
を形成することが可能である。しかしながら、PVD法
では立体形状基材に対する被膜の付き回り性が低いとい
う問題があった。特に、大型複雑立体形状基材では前記
付き回り性の低下が顕著となるため、実質的にPVD法
を適用することは困難であった。
被膜形成法、例えばイオンプレーティング法などのPV
D法は、高温で被膜形成を行う熱CVD法に比較して5
50℃以下の低温で金属窒化物被膜等のセラッミク被膜
を形成することが可能である。しかしながら、PVD法
では立体形状基材に対する被膜の付き回り性が低いとい
う問題があった。特に、大型複雑立体形状基材では前記
付き回り性の低下が顕著となるため、実質的にPVD法
を適用することは困難であった。
【0003】このようなことから、CVD法の良好な付
き回り性とPVD法の低温での被膜形成という両者の長
所を兼ね備えたプラズマCVD法が開発されつつある。
特に、直流プラズマCVD法は、プラズマの発生法が容
易で大型立体基材の表面全体にプラズマをほぼ均一に発
生でき、しかもプラズマ自体で前記基材を均一に加熱さ
せることも可能である。
き回り性とPVD法の低温での被膜形成という両者の長
所を兼ね備えたプラズマCVD法が開発されつつある。
特に、直流プラズマCVD法は、プラズマの発生法が容
易で大型立体基材の表面全体にプラズマをほぼ均一に発
生でき、しかもプラズマ自体で前記基材を均一に加熱さ
せることも可能である。
【0004】ところで、プラズマCVD法により金属窒
化物被膜を形成するには、従来よりハロゲン化金属ガ
ス、窒素ガスおよび水素ガスを原料ガスとして用いるこ
とが行われている。しかしながら、ハロゲン化金属ガス
を原料ガスの一成分として用いると、形成された被膜中
にハロゲンが不純物として残留し、その残留量が多くな
ると膜質、特に耐食性を著しく低下させるという問題が
ある。また、窒素源として窒素ガスを用いて成膜する
と、ハロゲン化金属ガスとの反応性が低いために、成膜
速度を高める目的からプラズマへの供給電圧を大きく必
要がある。しかしながら、成膜時において、基材に印加
する直流電圧値を高くするほど、被膜中に残留するハロ
ゲン量が増大し、形成された金属窒化物被膜の耐食性等
が低下するという問題がある。
化物被膜を形成するには、従来よりハロゲン化金属ガ
ス、窒素ガスおよび水素ガスを原料ガスとして用いるこ
とが行われている。しかしながら、ハロゲン化金属ガス
を原料ガスの一成分として用いると、形成された被膜中
にハロゲンが不純物として残留し、その残留量が多くな
ると膜質、特に耐食性を著しく低下させるという問題が
ある。また、窒素源として窒素ガスを用いて成膜する
と、ハロゲン化金属ガスとの反応性が低いために、成膜
速度を高める目的からプラズマへの供給電圧を大きく必
要がある。しかしながら、成膜時において、基材に印加
する直流電圧値を高くするほど、被膜中に残留するハロ
ゲン量が増大し、形成された金属窒化物被膜の耐食性等
が低下するという問題がある。
【0005】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたもので、残留ハロゲン量が少なく、膜特性
の優れた金属窒化物被膜を高い成膜速度で形成すること
が可能な方法を提供しようとするものである。
めになされたもので、残留ハロゲン量が少なく、膜特性
の優れた金属窒化物被膜を高い成膜速度で形成すること
が可能な方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、直流プラズマ
CVD法により真空チャンバ内で基材表面に金属窒化物
被膜を形成する方法において、
CVD法により真空チャンバ内で基材表面に金属窒化物
被膜を形成する方法において、
【0007】原料ガスとしてハロゲン化金属ガス、アン
モニアガスおよび水素ガスを用い、前記基材に印加する
直流バイアス電圧を−100V〜−1200V、前記基
材温度を400℃以上、前記チャンバ内の圧力を0.1
〜10torrとした条件にて成膜することを特徴とす
る金属窒化物被膜の形成方法である。前記ハロゲン化金
属ガスガスとしては、例えばTiCl4 、MoCl2 、
WCl6 、WF6 等を用いることができる。
モニアガスおよび水素ガスを用い、前記基材に印加する
直流バイアス電圧を−100V〜−1200V、前記基
材温度を400℃以上、前記チャンバ内の圧力を0.1
〜10torrとした条件にて成膜することを特徴とす
る金属窒化物被膜の形成方法である。前記ハロゲン化金
属ガスガスとしては、例えばTiCl4 、MoCl2 、
WCl6 、WF6 等を用いることができる。
【0008】前記成膜時における基材に印加する直流バ
イアス電圧、基材温度およびチャンバ内の圧力を限定し
たのは、次のような理由によるものである。前記直流バ
イアス電圧を−100V未満にすると、成膜速度が低下
する。前記直流バイアス電圧が−1200Vを越え、前
記チャンバ内の圧力が0.1〜10torrの範囲を逸
脱するとプラズマ空間において均一気相反応が起こり易
くなり、微粉末が発生して膜質の低下を招いたり、原料
ガスの供給ノズルの目詰まりを引き起こす。前記基材温
度を400℃未満にすると、ハロゲン等の不純物が多量
に残留して緻密性等に欠ける金属窒化物被膜が成膜され
る。特に、前記直流バイアス電圧は−600〜−120
0Vの範囲することがより好ましい。
イアス電圧、基材温度およびチャンバ内の圧力を限定し
たのは、次のような理由によるものである。前記直流バ
イアス電圧を−100V未満にすると、成膜速度が低下
する。前記直流バイアス電圧が−1200Vを越え、前
記チャンバ内の圧力が0.1〜10torrの範囲を逸
脱するとプラズマ空間において均一気相反応が起こり易
くなり、微粉末が発生して膜質の低下を招いたり、原料
ガスの供給ノズルの目詰まりを引き起こす。前記基材温
度を400℃未満にすると、ハロゲン等の不純物が多量
に残留して緻密性等に欠ける金属窒化物被膜が成膜され
る。特に、前記直流バイアス電圧は−600〜−120
0Vの範囲することがより好ましい。
【0009】
【作用】本発明者らは、以下に説明する知見によりSK
H51やSUS304などからなる基材表面に残留ハロ
ゲン量が少なく、膜特性の優れた金属窒化物被膜を高い
成膜速度で形成し得る方法を見出した。
H51やSUS304などからなる基材表面に残留ハロ
ゲン量が少なく、膜特性の優れた金属窒化物被膜を高い
成膜速度で形成し得る方法を見出した。
【0010】すなわち、本発明者らは窒素源として窒素
ガスの代わりにアンモニアガスを用いて直流プラズマ法
で金属窒化物被膜を形成すると、窒素ガスを用いた場合
に比べて低いプラズマ印加電圧で残留ハロゲン量が少な
く、膜特性も良好な金属窒化物被膜を形成することが可
能であることを究明した。しかしながら、アンモニアガ
スは窒素ガスに比べて反応性が高いために、条件設定を
誤るとかえって膜質(例えば緻密性等)が悪化するとい
う問題を招くことがわかった。
ガスの代わりにアンモニアガスを用いて直流プラズマ法
で金属窒化物被膜を形成すると、窒素ガスを用いた場合
に比べて低いプラズマ印加電圧で残留ハロゲン量が少な
く、膜特性も良好な金属窒化物被膜を形成することが可
能であることを究明した。しかしながら、アンモニアガ
スは窒素ガスに比べて反応性が高いために、条件設定を
誤るとかえって膜質(例えば緻密性等)が悪化するとい
う問題を招くことがわかった。
【0011】このようなことから、本発明者らは原料ガ
スとしてハロゲン化金属ガス、アンモニアガスおよび水
素ガスを用いて直流プラズマCVD法により真空チャン
バ内で基材表面に金属窒化物被膜を形成するに際し、前
記基材に印加する直流バイアス電圧、前記基材温度、前
記チャンバ内の圧力をそれぞれ−100V〜−1200
V、400℃以上、0.1〜10torrに設定して成
膜することによって、前記アンモニアガスの高い反応性
をコントロールできると共に、前記アンモニアガスの高
い反応性を生かして基材表面に残留ハロゲン量が少な
く、膜特性(結晶性、緻密性等)の優れた金属窒化物被
膜を高い成膜速度で形成し得る方法を見い出した。
スとしてハロゲン化金属ガス、アンモニアガスおよび水
素ガスを用いて直流プラズマCVD法により真空チャン
バ内で基材表面に金属窒化物被膜を形成するに際し、前
記基材に印加する直流バイアス電圧、前記基材温度、前
記チャンバ内の圧力をそれぞれ−100V〜−1200
V、400℃以上、0.1〜10torrに設定して成
膜することによって、前記アンモニアガスの高い反応性
をコントロールできると共に、前記アンモニアガスの高
い反応性を生かして基材表面に残留ハロゲン量が少な
く、膜特性(結晶性、緻密性等)の優れた金属窒化物被
膜を高い成膜速度で形成し得る方法を見い出した。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1を参照して詳細
に説明する。
に説明する。
【0013】図1は、本実施例で使用した直流プラズマ
CVD装置を示す概略図である。図中の1は、真空チャ
ンバである。このチャンバ1の中央下部には、回転式の
平板状電極2が設置されている。前記電極2には、ヒー
タ3が内蔵され、前記電極2上に載置される基材の温度
を制御できるようになっている。前記電極2には、直流
電源4が接続されている。前記チャンバ1の底部には、
排気管5が設けられており、かつ該排気管5の他端には
真空ポンプ6が連結されている。また、前記排気管5に
は前記チャンバ1内の圧力を調整するための圧力調整バ
ルブ7が介装されている。
CVD装置を示す概略図である。図中の1は、真空チャ
ンバである。このチャンバ1の中央下部には、回転式の
平板状電極2が設置されている。前記電極2には、ヒー
タ3が内蔵され、前記電極2上に載置される基材の温度
を制御できるようになっている。前記電極2には、直流
電源4が接続されている。前記チャンバ1の底部には、
排気管5が設けられており、かつ該排気管5の他端には
真空ポンプ6が連結されている。また、前記排気管5に
は前記チャンバ1内の圧力を調整するための圧力調整バ
ルブ7が介装されている。
【0014】前記電極2の上方のチャンバ1内には、2
本のガス供給ノズル8a、8bがそれぞれ配置され、か
つ前記各ガス供給ノズル8a、8bの他端は前記チャン
バ1上壁を貫通して外部に延出されている。前記一方の
ガス供給ノズル8aには、TiCl4 ガスを導入するた
めのガス導入管9aとH2ガスを導入するためのガス分
岐管10aが連結されている。前記他方のガス供給ノズ
ル8bには、H2 ガスを導入するためのガス分岐管10
bとNH3 ガスを導入するためのガス導入管9bが連結
されている。なお、前記ガス分岐管10a、10bは後
端で互いにガス導入管9cに連結されている。前記各ガ
ス導入管9a、9b、ガス分岐管10a、10bには、
バルブ11a〜11dがそれぞれ介装されている。前記
バルブ11a〜11dの後端側の前記ガス導入管9a〜
9cには、マスフローコントローラ12a〜12cがそ
れぞれ介装されている。 実施例 前述した直流プラズマCVD装置を用いて窒化チタン被
膜を形成する方法を説明する。
本のガス供給ノズル8a、8bがそれぞれ配置され、か
つ前記各ガス供給ノズル8a、8bの他端は前記チャン
バ1上壁を貫通して外部に延出されている。前記一方の
ガス供給ノズル8aには、TiCl4 ガスを導入するた
めのガス導入管9aとH2ガスを導入するためのガス分
岐管10aが連結されている。前記他方のガス供給ノズ
ル8bには、H2 ガスを導入するためのガス分岐管10
bとNH3 ガスを導入するためのガス導入管9bが連結
されている。なお、前記ガス分岐管10a、10bは後
端で互いにガス導入管9cに連結されている。前記各ガ
ス導入管9a、9b、ガス分岐管10a、10bには、
バルブ11a〜11dがそれぞれ介装されている。前記
バルブ11a〜11dの後端側の前記ガス導入管9a〜
9cには、マスフローコントローラ12a〜12cがそ
れぞれ介装されている。 実施例 前述した直流プラズマCVD装置を用いて窒化チタン被
膜を形成する方法を説明する。
【0015】まず、真空チャンバ1内の平板状電極2上
にSKH51製の平板状基材13を載置した。つづい
て、真空ポンプ6を作動して排気管5を通して前記チャ
ンバ1内のガスを排気した後、マスフローコントローラ
12bおよびバルブ11cで流量調節された1000s
ccmのH2 ガスをガス供給ノズル8bを通して前記チ
ャンバ1内に供給し、圧力調整バルブ7によりチャンバ
1内の圧力を0.5torrに保持した。この状態で直
流電源4から−1500Vの直流電圧を前記平板状電極
2に印加し、前記チャンバ1内にプラズマを発生させて
チャンバ1内面、平板状電極2および平板状基材13の
表面を30分間水素プラズマにより清浄化した。
にSKH51製の平板状基材13を載置した。つづい
て、真空ポンプ6を作動して排気管5を通して前記チャ
ンバ1内のガスを排気した後、マスフローコントローラ
12bおよびバルブ11cで流量調節された1000s
ccmのH2 ガスをガス供給ノズル8bを通して前記チ
ャンバ1内に供給し、圧力調整バルブ7によりチャンバ
1内の圧力を0.5torrに保持した。この状態で直
流電源4から−1500Vの直流電圧を前記平板状電極
2に印加し、前記チャンバ1内にプラズマを発生させて
チャンバ1内面、平板状電極2および平板状基材13の
表面を30分間水素プラズマにより清浄化した。
【0016】次いで、前記平板状電極2に印加する電圧
を−800Vに調整し、マスフローコントローラ12c
およびバルブ11dで流量調節された200sccmの
NH3 とマスフローコントローラ12bおよびバルブ1
1cで流量調節された2000sccmのH2 ガスをガ
ス供給ノズル8bを通して前記チャンバ1内に供給し、
圧力調整バルブ7によりチャンバ1内の圧力を1tor
rに保持した。この時、ヒータ3により平板状基材13
の表面温度を500℃に制御した。この状態を30分間
保持した後、マスフローコントローラ12aおよびバル
ブ11aで流量調節された50sccmのTiCl4 と
マスフローコントローラ12bおよびバルブ11bで流
量調節された1000sccmのH2 ガスをガス供給ノ
ズル8aを通して前記チャンバ1内に供給すると共に、
マスフローコントローラ12cおよびバルブ11dで流
量調節された200sccmのNH3 とマスフローコン
トローラ12bおよびバルブ11cで流量調節された1
000sccmのH2 ガスをガス供給ノズル8bを通し
て前記チャンバ1内に供給し、前記基材13表面に窒化
チタン被膜の成膜を開始した。かかる状態を2時間保持
した後、前記各原料ガスの供給および平板状電極2への
電圧印加を停止し、チャンバ1内を真空排気して窒化チ
タン被膜の成膜を終了した。 比較例 アンモニアガスの代わりに150sccmの窒素ガスを
用いた以外、実施例1と同様な条件で窒化チタン被膜を
成膜した。
を−800Vに調整し、マスフローコントローラ12c
およびバルブ11dで流量調節された200sccmの
NH3 とマスフローコントローラ12bおよびバルブ1
1cで流量調節された2000sccmのH2 ガスをガ
ス供給ノズル8bを通して前記チャンバ1内に供給し、
圧力調整バルブ7によりチャンバ1内の圧力を1tor
rに保持した。この時、ヒータ3により平板状基材13
の表面温度を500℃に制御した。この状態を30分間
保持した後、マスフローコントローラ12aおよびバル
ブ11aで流量調節された50sccmのTiCl4 と
マスフローコントローラ12bおよびバルブ11bで流
量調節された1000sccmのH2 ガスをガス供給ノ
ズル8aを通して前記チャンバ1内に供給すると共に、
マスフローコントローラ12cおよびバルブ11dで流
量調節された200sccmのNH3 とマスフローコン
トローラ12bおよびバルブ11cで流量調節された1
000sccmのH2 ガスをガス供給ノズル8bを通し
て前記チャンバ1内に供給し、前記基材13表面に窒化
チタン被膜の成膜を開始した。かかる状態を2時間保持
した後、前記各原料ガスの供給および平板状電極2への
電圧印加を停止し、チャンバ1内を真空排気して窒化チ
タン被膜の成膜を終了した。 比較例 アンモニアガスの代わりに150sccmの窒素ガスを
用いた以外、実施例1と同様な条件で窒化チタン被膜を
成膜した。
【0017】本実施例及び比較例により成膜された窒化
チタン被膜について、厚さおよびビッカース硬さを測定
した。その結果、本実施例では厚さが約3μm、硬さが
2000Hvで、成膜速度が高く、高硬度であることが
わかった。これに対し、比較例では厚さが約0.5μ
m、硬さが1200Hvであった。また、本実施例及び
比較例により成膜された窒化チタン被膜について電子線
マイクロアナライザにより残留塩素濃度およびN/Ti
の原子比を測定した。その結果、本実施例では残留塩素
濃度が1%以下と低い値を示し、N/Tiの原子比はほ
ぼ1でTiN特有の金色を呈していた。これに対し、比
較例では残留塩素濃度が8%と高い値となり、N/Ti
の原子比も約0.7とTiNの原子比率から相当外れて
いた。
チタン被膜について、厚さおよびビッカース硬さを測定
した。その結果、本実施例では厚さが約3μm、硬さが
2000Hvで、成膜速度が高く、高硬度であることが
わかった。これに対し、比較例では厚さが約0.5μ
m、硬さが1200Hvであった。また、本実施例及び
比較例により成膜された窒化チタン被膜について電子線
マイクロアナライザにより残留塩素濃度およびN/Ti
の原子比を測定した。その結果、本実施例では残留塩素
濃度が1%以下と低い値を示し、N/Tiの原子比はほ
ぼ1でTiN特有の金色を呈していた。これに対し、比
較例では残留塩素濃度が8%と高い値となり、N/Ti
の原子比も約0.7とTiNの原子比率から相当外れて
いた。
【0018】さらに、実施例および比較例において平板
状電極に印加する直流電圧を−600〜−1600Vの
範囲で変化させ、成膜された窒化チタン被膜中の残留塩
素濃度を測定したところ、図2に示す特性図が得られ
た。なお、比較例において直流電圧を増大させることに
より成膜速度を高くすることができる。
状電極に印加する直流電圧を−600〜−1600Vの
範囲で変化させ、成膜された窒化チタン被膜中の残留塩
素濃度を測定したところ、図2に示す特性図が得られ
た。なお、比較例において直流電圧を増大させることに
より成膜速度を高くすることができる。
【0019】図2から明らかなようにアンモニアガスを
原料ガスの一成分として用いた本実施例では−600〜
−1200Vの範囲において残留塩素濃度の低い窒化チ
タン被膜を形成できることがわかる。これに対し、窒素
ガスを原料ガスの一成分として用いた比較例では印加す
る直流電圧の増大に伴って残留塩素濃度も増加する。こ
のため、窒素ガスを用いて残留塩素濃度が低く、優れた
膜特性を有する窒化チタン被膜を高い成膜速度で形成す
ることは困難である。
原料ガスの一成分として用いた本実施例では−600〜
−1200Vの範囲において残留塩素濃度の低い窒化チ
タン被膜を形成できることがわかる。これに対し、窒素
ガスを原料ガスの一成分として用いた比較例では印加す
る直流電圧の増大に伴って残留塩素濃度も増加する。こ
のため、窒素ガスを用いて残留塩素濃度が低く、優れた
膜特性を有する窒化チタン被膜を高い成膜速度で形成す
ることは困難である。
【0020】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明によれば残留
ハロゲン量が少なく、緻密性、結晶性等の膜特性の優れ
た金属窒化物被膜を高い成膜速度で形成することが可能
な金属窒化物被膜の形成方法を提供できる。
ハロゲン量が少なく、緻密性、結晶性等の膜特性の優れ
た金属窒化物被膜を高い成膜速度で形成することが可能
な金属窒化物被膜の形成方法を提供できる。
【図1】本発明の実施例で使用した直流プラズマCVD
装置を示す概略図。
装置を示す概略図。
【図2】平板状電極に印加する直流電圧と成膜された窒
化チタン被膜中の残留塩素濃度との関係を示す特性図。
化チタン被膜中の残留塩素濃度との関係を示す特性図。
1…真空チャンバ、2…平板状電極、3…ヒータ、4…
直流電源、5…排気管、8a、8b…ガス供給ノズル、
13…平板状基材。
直流電源、5…排気管、8a、8b…ガス供給ノズル、
13…平板状基材。
Claims (1)
- 【請求項1】 直流プラズマCVD法により真空チャン
バ内で基材表面に金属窒化物被膜を形成する方法におい
て、 原料ガスとしてハロゲン化金属ガス、アンモニアガスお
よび水素ガスを用い、前記基材に印加する直流バイアス
電圧を−100V〜−1200V、前記基材温度を40
0℃以上、前記チャンバ内の圧力を0.1〜10tor
rにして成膜することを特徴とする金属窒化物被膜の形
成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29558691A JPH05132778A (ja) | 1991-11-12 | 1991-11-12 | 金属窒化物被膜の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29558691A JPH05132778A (ja) | 1991-11-12 | 1991-11-12 | 金属窒化物被膜の形成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05132778A true JPH05132778A (ja) | 1993-05-28 |
Family
ID=17822549
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29558691A Pending JPH05132778A (ja) | 1991-11-12 | 1991-11-12 | 金属窒化物被膜の形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05132778A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006253555A (ja) * | 2005-03-14 | 2006-09-21 | Jfe Steel Kk | 被膜密着性に優れた超低鉄損方向性電磁鋼板 |
-
1991
- 1991-11-12 JP JP29558691A patent/JPH05132778A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006253555A (ja) * | 2005-03-14 | 2006-09-21 | Jfe Steel Kk | 被膜密着性に優れた超低鉄損方向性電磁鋼板 |
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