JP2017110292A - 方向性電磁鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】絶縁酸化物被膜とセラミクス被膜を有する方向性電磁鋼板において、地鉄を、・平均結晶粒径が16mm以上であって、粒界におけるエッチング深さが10μm未満、・表面粗度Raが0.3μm以下、・エッチピット部を含む結晶粒の面積率が30%以下とし、かつセラミクス被膜を、・平均膜厚が0.3μm以上1.0μm以下の、TiN、TiCNまたはTiCのいずれか、・酸素の検出強度が上層の絶縁酸化物被膜のそれに対し1/2となる表層からの位置が該被膜の板厚方向の中心よりも表層側、・表層から測定したセラミクス被膜の硬度が2100HV以上とする。
【選択図】図9
Description
この手法で得られる方向性電磁鋼板は、大別して、数百度以上で熱処理しても低鉄損が保たれる耐熱型と、熱処理後に鉄損が劣化する非耐熱型の2種類に分けられるが、変圧器鉄心が巻型の場合には、耐熱型特性が要求されることが多い。というのは、巻型鉄心作製の際に鋼板内部に生じる、鉄損の劣化原因となる歪みを、高温の歪取り焼鈍によって除去する場合が多いためである。
一つ目の問題は、成膜にかかる製造コストが高いことである。PVDやCVDでの被膜形成の場合、蒸発源となる金属元素(例えばTi)のコストが高く、また成膜歩留りも低いため、成膜するほど製造コストが増大する。従って、セラミクス被膜は可能な限り薄く成膜したいけれども、この場合には低鉄損が得られ難い。
従来知見においては、被膜中に存在するPに起因して地鉄との界面に形成されるFePが被膜密着性の劣化する原因ともされているが、Pを含まない被膜を形成した場合であっても同様に被膜密着性が損なわれることがあった。従って、別の原因もあると考えられるが詳細について不明な点が多い。
すなわち、地鉄については、
・平均結晶粒径が16mm以上であって、粒界におけるエッチング深さが10μm未満、
・表面粗度Raが0.3μm以下、
・エッチピット部を含む結晶粒の面積率が30%以下
とすることが、重要であることを実験的に明らかとした。
なお、被膜密着性は、鋼板を直径:50,40,30,25,20,15,10,5mmの丸棒に巻き付けたとき被膜剥離が生じない最小の曲げ径で評価した。また、平均結晶粒径Dは、1結晶粒の面積率AiとRD粒径Diを用いて、ΣDi×Ai(i:1〜50)で評価した。ここに、RD粒径とは、圧延方向(RD)における結晶粒の粒径である。
同図に示したとおり、粒内に対する粒界の研磨深さがNDに10μmになると、鉄損はほぼ同等であるものの、被膜密着性が悪化した。ここに、NDとは、圧延面法線方向を意味する。より好ましい研磨深さは5μm以下である。
結晶粒界の数や深く穿たれた粒界が、被膜性状に及ぼす影響に関しての詳細は明らかでないが、セラミクス被膜は地鉄に対しエピタキシャルに成長するとの考えもあることから、空隙や格子欠陥を含んだ粒界部分の表層で成長するセラミクス被膜に、何かしらの欠陥・欠損が存在するためではないかと考えられる。
図3は、平均結晶粒径:16mmの素材の表面を、電解研磨と硝酸研磨の濃度、浸漬時間を変更することによって、表面粗度Raを変えた材料に対し、800℃の歪取り焼鈍を施した後の鉄損について調べたものである。ここで、粒界部分の研磨深さは、0.4〜0.9μmであった。
同図に示したとおり、Raが0.3μm以下で特に低い鉄損が得られている。
そこで、本発明者らは、この塩酸や硝酸などを使用した化学的手法による研磨を試みたところ、この方法によった場合には、地鉄表面に形成されるエッチピットの出方によって被膜密着性および鉄損が悪化することが判明した。
同図に示したとおり、エッチピットを含む結晶粒の面積率が30%を超えると、歪取り焼鈍後の鉄損が急激に劣化することが分かる。
同図に示したとおり、この値が0.5以上になると、被膜密着性が悪くなることが定量的に把握された。
また、セラミクス被膜は、表面粗度Rzの平均膜厚に対する比が0.3以下であること望ましい。TiNなどは島状に成長することが知られているが、特に膜厚が薄い場合には、成膜条件によっては、図7(TiNを0.3μm厚で成膜直後の表面写真)に示すように、TiNの厚みが部分的に変化してしまう。この場合、膜厚が薄い部分(表面粗度Rzの平均膜厚に対する比が大きい部分)で被膜密着性が悪くなる。なお、RzはSEMの断面観察像から導出した。
本発明者らは、以下に述べるとおり、従来以上にセラミクス被膜を高硬度化することによって、焼鈍後の被膜密着性と鉄損を共に格段に向上できることを見出した。
また、被膜密着性および鉄損は、TiN成膜後、無機物の処理液を焼き付けたリン酸塩系コーティングをした後、800℃,3hで歪取り焼鈍(SRAともいう)を行った後に測定した。なお、被膜密着性は、鋼板を直径50,40,30,25,20,15,10,5mmの丸棒に巻きつけたとき被膜剥離が生じない最小の曲げ径にて評価した。また、図9中のプロット点に付記した数字は、硬度測定と同じタイミングで測定したヤング率(単位はGPa)である。ここで、被膜のヤング率は、被膜のポアソン比を0.3として、次式によって求めた。
1/Er =(1−ν2)/EIT+(1−νi 2)/Ei
ここで、EIT=被膜の弾性率(ヤング率)
Er =複合弾性率
Ei =圧子(ダイヤモンド)の弾性率
ν =被膜のポアソン比
νi =圧子(ダイヤモンド)のポアソン比
すなわち、加工性を劣化させることなく硬度を増大させるためには、セラミクス被膜のRD平均結晶粒径を0.1μm以下とし、かつ単一の粒がNDに伸びた柱状組織とすることが有用であることを見出した。この平均結晶粒径は、従来になく小さいものであって、これが上述のような高硬度に影響していると推定される。ここで、柱状であることは、EBSD法によって測定することができる。冷凍割断面によって組織を観察する例もあるが、必ずしも正確な結晶サイズが測定できないため好ましくない。地鉄界面には歪が多く導入されているためか、EBSD測定が良くできないため、表層から1/2までの範囲で結晶方位解析を行い、明瞭に測定できた部分のうち50%以上の組織がNDに長軸を有する柱状であれば、柱状であると判断した。
得られた結果を表2に示す。
1.OまたはPを含む絶縁酸化物被膜を最表層に有し、その下層かつ地鉄上にセラミクス被膜を有する方向性電磁鋼板であって、
地鉄は、
・平均結晶粒径が16mm以上であって、粒界におけるエッチング深さが10μm未満、
・表面粗度Raが0.3μm以下、
・エッチピット部を含む結晶粒の面積率が30%以下
であり、セラミクス被膜は、
・平均膜厚が0.3μm以上1.0μm以下の、TiN、TiCNまたはTiCのいずれか、
・酸素の検出強度が上層の絶縁酸化物被膜のそれに対し1/2となる表層からの位置が該被膜の板厚方向の中心よりも表層側、
・表層から測定したセラミクス被膜の硬度が2100HV以上
であることを特徴とする方向性電磁鋼板。
前記セラミクス被膜は、
・表面粗度Rzの平均膜厚に対する比が0.3以下である
ことを特徴とする方向性電磁鋼板。
前記セラミクス被膜は、
・表層におけるRDの平均結晶粒径が0.1μm未満で、NDに伸びた柱状組織である
ことを特徴とする方向性電磁鋼板
・地鉄の平均結晶方位において、鋼板の圧延方向を向く二次再結晶粒の<100>軸と圧延面とのなす角βが3°未満である
ことを特徴とする方向性電磁鋼板。
前記1〜4のいずれかに記載の絶縁酸化物被膜を、塗布ロールによって成膜するものとし、その際、絶縁酸化物被膜焼付け時のライン張力を7MPa以上とすることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
前記1〜4のいずれかに記載のセラミクス被膜を形成する地鉄表面を平滑化するに当たり、塩酸、硝酸あるいはそれらを含む酸にて地鉄を研磨した後、さらに電解研磨や化学研磨によって地鉄を8μm以上研磨して平滑化することを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
前記1〜4のいずれかに記載のセラミクス被膜を形成するに当たり、地鉄表面に、500V以上の電圧で加速されたTiイオンを10s以上衝突させて表面の酸化物被膜を除去した後、イオン加速電圧を100V以上として成膜することを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
前記7に加え、さらに、歪み導入型の磁区細分化処理をしない場合にはセラミクス被膜成膜工程の後工程において、また歪み導入型の磁区細分化処理をする場合にはセラミクス被膜成膜工程と歪み導入型の磁区細分化工程の間のいずれかの工程において、750℃以上かつ15s以上の焼鈍を施すことを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
前記1〜4のいずれかに記載のセラミクス被膜を形成するに当たり、セラミクス被膜の成膜速度を1nm/s以上とすることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
従って、本発明に従って作製した方向性電磁鋼板を変圧器に使用すれば、エネルギ使用効率を低減することができるため、産業上有用である。
まず、セラミクス被膜の成膜前の方向性電磁鋼板について説明する。
方向性電磁鋼板としては、鋼組成として、C:300massppm以下、Si:1〜7mass%、P:0.1mass%以下、Mn:0.1mass%以下およびS:10massppm未満を含有するものであることが好ましい。その他の成分については、従来知見に基づき、二次再結晶後の結晶方位がGoss方位に先鋭化されるような成分が添加されていても問題ないが、フォルステライト被膜を形成する場合には、アンカーを発達させるCrは極力少ない方がよく、0.1mass%以下とすることが好ましい。また、二次再結晶焼鈍が施され、Goss方位近傍に集積した組織であることが好ましい。
この二次再結晶組織として、平均結晶粒径は16mm以上とする。というのは、平均結晶粒径が16mm未満では、前掲図1に示したように、鉄損や被膜密着性、特に被膜密着性の急激な劣化を招くからである。
また、後述する実施例に示すように、鋼板の圧延方向を向く二次再結晶粒の<100>軸と圧延面とのなす角βが低いほど、鉄損改善効果が大きくなるため、β角は3°未満とすることが好ましい。
セラミクス被膜の成膜前には、地鉄の表面に視認できる程度の錆が発生していないことが必要であるが、錆の発生が認められた場合には、塩酸酸洗等の化学的な手法によって除去しておく必要がある。しかしながら、極微細な酸化物は不可避的に表層に形成されるため、事前に10Pa以下の真空中にて、イオンクリーニングによって除去することは有利である。クリーニングとしては、500V以上の電圧で加速されたイオンを10秒以上地鉄表面に衝突させることが有利である。ここで用いるイオンは成膜元素であるTiイオンとするのが良い。望ましくは、加速電圧:800V以上である。これにより、セラミクス被膜の密着性が向上する。地鉄の表面に酸化物などの粗大な不純物が残存していると、そこからセラミクス被膜が剥離する不利が生じる。ただし、加速電圧を過度に増大させた場合に、地鉄に歪を与え、鉄損を増大させるため、上限は2000Vとすることが好ましい。
PVD法には、代表的な成膜方式としてHCD法とAIP法があるが、どちらでも適用が可能である。ただし、AIP法の場合はドロップレットが発生しないよう、カソードを調整することが好ましい。ドロップレットなどの欠損は、絶縁酸化物被膜からのOの拡散を促し、被膜を変質させる。
なお、成膜温度は300℃以上500℃以下とする。過度に低いと成膜レートが減少し、増大すると被膜組織が粗大化してしまうからである。
また、上記の方法によってセラミクス被膜を形成することにより、TiCを除いて、地鉄側と逆の界面におけるRDの平均結晶粒径が0.1μm以下で、NDに伸びた柱状組織とすることができる。なお、地鉄側の界面においては、RDの平均結晶粒径はより微細になっているようだが、上述したEBSD法では明瞭に確認できなかった。
上記のTiNなどのセラミクス被膜は導電性を有するため、変圧器鉄心用途として使用するためには、その表層に絶縁被膜を形成する必要がある。本発明において、かかる絶縁被膜としては、OまたはPを含む絶縁酸化物被膜を用いるものとする。というのは、OまたはPを含む絶縁酸化物被膜は、安価であって、高温耐熱性や高張力発生の点で有利だからである。ここに、OやPの含有量としては10〜70mass%程度が好適である。
かような絶縁酸化物としては、リン酸マグネシウムやリン酸アルミニウムなどが挙げられる。
地鉄の表面に溝を形成して磁区細分化を行う場合、溝形成プロセスはセラミクス被膜の成膜前に行うことが好ましい。セラミクス被膜の成膜後に溝を形成する場合には、その被膜除去に追加コストが発生するため好ましくない。また、非耐熱型の磁区細分化処理は、絶縁酸化物被膜を形成した後が良い。絶縁酸化物被膜によっては、700℃以上の高温で成膜する被膜があるため、絶縁酸化物被膜の形成前に電子ビームなどによって歪みを導入しても、この焼付け時に歪みが消失してしまい、磁区細分化の効果が減少してしまうためである。
また、非耐熱型の磁区細分化手法としては、レーザ法よりも電子ビーム法の方が好ましい。レーザの場合、平滑化された表面で反射されて、エネルギ照射効率が低くなるためである。
鋼板としては、地鉄中に、Cを20massppm、Siを3.4mass%含有したフォルステライト被膜付きの、製造条件の異なる2種類の2次再結晶板(板厚:0.22mm、平均結晶粒径:28〜35mm)を用いた。この鋼板を、塩酸とフッ化水素、硝酸の混合液にてフォルステライト被膜を除去した後、フッ化水素水(47%)と過酸化水素水(34.5%)を1:20の割合で混合した水溶液で化学研磨することにより、板厚を0.20mmまで減厚すると共に、表面粗度Raが0.1μm以下の平滑化表面とした。この時の粒界のエッチング深さは0.5μm以下であった。
ついで、1000Vの電圧で加速したイオンにて表面酸化物を除去し、成膜電圧:200V、成膜速度:1.5nm/sにて、平均膜厚:0.6μmのTiNを成膜した。TiNの硬度は、2550HVであった。また、表面粗度Rzの平均膜厚に対する比は0.14、RD平均結晶粒径は0.05μmでNDに平行に伸びた柱状組織であった。
ついで、800℃、60sでリン酸塩系の絶縁張力被膜をロール塗布後に焼き付けた。このときのライン張力は10MPaとした。その後、電子ビーム法によって、磁区細分化処理を施した。
なお、表中に示した地鉄平滑化方法Aとは、塩酸、フッ化水素、硝酸の混合液で、0.205mmまで減厚した後、化学研磨の方法で0.197mmまで減厚した場合、また地鉄平滑化方法Bとは、塩酸、フッ化水素、硝酸の混合液で、0.202mmまで減厚した後、化学研磨の方法で0.197mmまで減厚した場合である。
鋼板としては、30μmの深さで幅方向に延びた溝が、圧延方向に3mm間隔で周期的に形成され、地鉄中にCを20massppm、Siを3.4mass%含有したフォルステライト被膜付きの2次再結晶板(板厚:0.22mm、平均結晶粒径:30mm、角β:2°)を用いた。この鋼板を、塩酸とフッ化水素、硝酸の混合液にてフォルステライト被膜を除去し0.210mmまで減厚した後、NaCl水溶液を電解液とした電解研磨によって、板厚を0.200mmまで減厚すると共に、表面粗度Raが0.1μm以下の平滑表面とした。この時の粒界のエッチング深さは0.5μm以下、エッチピットを含む結晶粒の面積率は3%であった。
ついで、1000Vの電圧で加速したイオンにて表面酸化物を除去し、表4に示す各条件の下で、平均膜厚:0.6μmのTiNまたはTiCNを成膜した。表面粗度Rzの平均膜厚に対する比は0.15で、組織はNo.4を除き、NDに平行に伸びた柱状組織であった。
その後、800℃、60sでリン酸塩系の絶縁張力被膜をロール塗布後に焼き付けた。このときのライン張力は10MPaとした。
鋼板としては、30μmの深さで幅方向に延びた溝が、圧延方向に3mm間隔で周期的に形成され、地鉄中にCを20massppm、Siを3.4mass%含有したフォルステライト被膜付きの2次再結晶板(板厚:0.22mm、平均結晶粒径:25mm、角β:2°)を用いた。この鋼板を、塩酸とフッ化水素、硝酸の混合液にてフォルステライト被膜を除去し0.210mmまで減厚した後、NaCl水溶液を電解液とした電解研磨によって、板厚を0.200mmまで減厚すると共に、表面粗度Raが0.1μm以下の平滑化表面とした。この時の粒界のエッチング深さは0.5μm以下、エッチピットを含む結晶粒の面積率は3%であった。
ついで、表5に示す各電圧で加速したTiイオンにて表面酸化物を除去し、各条件にて、平均膜厚:0.7μmのTiNを成膜した。表面粗度Rzの平均膜厚に対する比は0.1で、組織はNDに平行に伸びた柱状組織であった。
その後、表5に示す各温度にて15s保持することにより、ロールにより塗布した酸化物系絶縁張力被膜を焼き付けた。
Claims (9)
- OまたはPを含む絶縁酸化物被膜を最表層に有し、その下層かつ地鉄上にセラミクス被膜を有する方向性電磁鋼板であって、
地鉄は、
・平均結晶粒径が16mm以上であって、粒界におけるエッチング深さが10μm未満、
・表面粗度Raが0.3μm以下、
・エッチピット部を含む結晶粒の面積率が30%以下
であり、セラミクス被膜は、
・平均膜厚が0.3μm以上1.0μm以下の、TiN、TiCNまたはTiCのいずれか、
・酸素の検出強度が上層の絶縁酸化物被膜のそれに対し1/2となる表層からの位置が該被膜の板厚方向の中心よりも表層側、
・表層から測定したセラミクス被膜の硬度が2100HV以上
であることを特徴とする方向性電磁鋼板。 - 請求項1に記載の方向性電磁鋼板であって、
前記セラミクス被膜は、
・表面粗度Rzの平均膜厚に対する比が0.3以下である
ことを特徴とする方向性電磁鋼板。 - 請求項1または2に記載の方向性電磁鋼板であって、
前記セラミクス被膜は、
・表層におけるRDの平均結晶粒径が0.1μm未満で、NDに伸びた柱状組織である
ことを特徴とする方向性電磁鋼板 - 請求項1〜3のいずれかに記載の方向性電磁鋼板であって、
・地鉄の平均結晶方位において、鋼板の圧延方向を向く二次再結晶粒の<100>軸と圧延面とのなす角βが3°未満である
ことを特徴とする方向性電磁鋼板。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の方向性電磁鋼板を製造する方法であって、
請求項1〜4のいずれかに記載の絶縁酸化物被膜を、塗布ロールによって成膜するものとし、その際、絶縁酸化物被膜焼付け時のライン張力を7MPa以上とすることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の方向性電磁鋼板を製造する方法であって、
請求項1〜4のいずれかに記載のセラミクス被膜を形成する地鉄表面を平滑化するに当たり、塩酸、硝酸あるいはそれらを含む酸にて地鉄を研磨した後、さらに電解研磨や化学研磨によって地鉄を8μm以上研磨して平滑化することを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の方向性電磁鋼板を製造する方法であって、
請求項1〜4のいずれかに記載のセラミクス被膜を形成するに当たり、地鉄表面に、500V以上の電圧で加速されたTiイオンを10s以上衝突させて表面の酸化物被膜を除去した後、イオン加速電圧を100V以上として成膜することを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の方向性電磁鋼板を製造する方法であって、
請求項7に加え、さらに、歪み導入型の磁区細分化処理をしない場合にはセラミクス被膜成膜工程の後工程において、また歪み導入型の磁区細分化処理をする場合にはセラミクス被膜成膜工程と歪み導入型の磁区細分化工程の間のいずれかの工程において、750℃以上かつ15s以上の焼鈍を施すことを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の方向性電磁鋼板を製造する方法であって、
請求項1〜4のいずれかに記載のセラミクス被膜を形成するに当たり、セラミクス被膜の成膜速度を1nm/s以上とすることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
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