JP6512412B2 - 方向性電磁鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、方向性電磁鋼板とその製造方法に関し、具体的には優れた磁気特性と被膜特性を有する方向性電磁鋼板とその製造方法に関するものである。
電磁鋼板は、変圧器やモータの鉄心等として広く用いられている軟磁性材料であり、中でも方向性電磁鋼板は、結晶方位がGoss方位と呼ばれる{110}<001>方位に高度に集積し、磁気特性に優れていることから、主として大型の変圧器の鉄心等に使用されている。
変圧器における無負荷損(エネルギーロス)を低減するためには、低鉄損であることが必要である。方向性電磁鋼板の鉄損を低減する方法としては、Si含有量の増加や、板厚の低減、結晶方位の配向性向上、鋼板への張力付与、鋼板表面の平滑化、二次再結晶組織の細粒化などが有効であることが知られている。
上記方法において、二次再結晶をコントロールして結晶方位の配向性を向上させたり、二次再結晶組織の細粒化を図ったりするためには、インヒビタ成分の種類や量、冷延圧下率、一次再結晶焼鈍パターン、二次再結晶焼鈍前の鋼板表面状態など様々な要素を最適化する必要がある。
ところで、上記二次再結晶焼鈍前の鋼板表面状態を改善して、良好な磁気特性を得る方法としては、例えば、特許文献1には、冷間圧延で最終板厚に仕上げた鋼板表面に、Cu,Sn,CoおよびNiのうちから選ばれる1種または2種以上の金属または合金を0.1〜85mg/m電着させ、しかる後に脱炭焼鈍を行うことで、コイルの全長および全幅にわたって欠陥のない均一で密着性に優れた被膜を有し、かつ、磁気特性にも優れた方向性けい素鋼板を製造する方法が開示されている。
また、特許文献2には、インヒビタ成分を含有しない鋼スラブを素材として、一次再結晶焼鈍後、鋼板表面にSi,Cu,Sn,Co,Niのうちから選ばれる1種または2種以上の金属含有物を該金属換算の合計量で0.1〜50mg/mの範囲で電着し、しかる後、焼鈍分離剤を塗布することによって、優れた磁気特性、被膜特性を得る方向性電磁鋼板の製造方法が開示されている。
また、特許文献3には、最終冷間圧延後の鋼板表面の算術平均粗さを0.40μm以下に調整し、その後の脱炭焼鈍に先立って、電解脱脂法で鋼板表面にSiを含有する電着物を0.1mg/m以上付着させる洗浄処理を施し、次いで、雰囲気を調整した脱炭焼鈍を施すことにより、工業的生産においても安定して高磁束密度の方向性電磁鋼板を製造する方法が開示されている。
特開平09−087744号公報 特開2008−144231号公報 特開平09−031546号公報
しかしながら、発明者らの検証結果によれば、上記特許文献1に開示の方法は、磁気特性や被膜特性が改善される効果にバラツキが大きく、安定した効果は得られない。また、特許文献2に開示の方法は、主に被膜特性を改善する技術であり、磁気特性については、やはりバラツキが大きく、場合によっては劣化することもある。さらに、特許文献3に開示の方法は、脱炭焼鈍前にSi電着物を形成させているが、Siの電着物自体が脱炭焼鈍時のバリアとなってSiOの内部酸化を不均一にすることが頻発した。すなわち、わずかな電解浴の経時変化や、電解前の洗浄の不均一などがあると、Si電着物が板面に均一に付着しないため、脱炭焼鈍で形成されるサブスケールの保護性がコイル内で不均一となり、磁気特性のバラツキが大きくなったり、被膜特性のムラが増大したりする。
また、方向性電磁鋼板をトランスの鉄心として巻きコアやEIコアなどに利用する場合、加工時に導入される歪みを除去するため、800℃程度の温度で歪取焼鈍を施すことが行われているが、この際、大気やDXガスなど、被膜や地鉄との反応性が高い雰囲気で焼鈍することが多い。このような雰囲気で焼鈍を行うと、被膜が損傷して被膜密着性が劣化することがある。特にスリットした鋼板の端面近傍では、被膜が剥離しやすいため、トランス使用時に、鋼板が導通し、場合によってはコアが溶損するという大きなトラブルに発展することもある。
本発明は、従来技術が抱える上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、磁気特性に優れるだけでなく、DXガスのような反応性の高い雰囲気で歪取焼鈍を行う場合でも被膜特性に優れる方向性電磁鋼板を提供するとともに、その有利な製造方法を提案することにある。
発明者らは、上記課題の解決に向けて鋭意検討を重ねた。その結果、脱炭焼鈍前に鋼板表面に電着する金属の種類ではなく、電着粒子の析出形態が重要であり、これを適性化することによって、脱炭焼鈍の際に形成される内部酸化層が改善され、ひいては磁気特性や被膜特性が改善されることを見出し、本発明を開発するに至った。
すなわち、本発明は、フォルステライト質下地被膜を有する方向性電磁鋼板であって、上記下地被膜表面をEPMAでマッピング分析したときのO強度の標準偏差が平均値の0.15以下であり、DXガス雰囲気下で歪取焼鈍を施した後の曲げ剥離径が30mmφ以下であることを特徴とする方向性電磁鋼板である。
また、本発明は、上記C:0.03〜0.08mass%、Si:2.5〜4.5mass%およびMn:0.03〜0.30mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼素材を熱間圧延して熱延板とし、熱延板焼鈍を施した後あるいは熱延板焼鈍を施すことなく、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延して最終板厚の冷延板とし、一次再結晶焼鈍を兼ねた脱炭焼鈍を施した後、鋼板表面に焼鈍分離剤を塗布し、仕上焼鈍する一連の工程からなる方向性電磁鋼板の製造方法において、上記最終板厚とする冷間圧延から脱炭焼鈍までの間において、鋼板表面に平均粒径が70nm以下の金属粒子を25個/μm以上析出させることを特徴とする上記の方向性電磁鋼板の製造方法を提案する。
本発明の方向性電磁鋼板の製造方法に用いる上記鋼素材は、上記成分組成に加えてさらに、Al:0.01〜0.03mass%およびN:0.003〜0.01mass%を含有し、あるいは、Al:0.01〜0.03mass%、N:0.003〜0.01mass%、Se:0.01〜0.025mass%および/またはS:0.01〜0.025mass%を含有することを特徴とする。
また、本発明の方向性電磁鋼板の製造方法に用いる上記鋼素材は、上記成分組成に加えてさらに、Se:0.01〜0.025mass%および/またはS:0.01〜0.025mass%を含有することを特徴とする。
また、本発明の方向性電磁鋼板の製造方法に用いる上記鋼素材に含まれる上記不可避的不純物中のAl,N,SおよびSeは、それぞれAl:0.01mass%未満、N:0.0050mass%未満、S:0.0050mass%未満およびSe:0.0030mass%未満であること特徴とする。
また、本発明の方向性電磁鋼板の製造方法に用いる上記鋼素材は、上記成分組成に加えてさらに、Ni:0.01〜0.4mass%、Cr:0.01〜0.25mass%、Cu:0.01〜0.30mass%、P:0.005〜0.10mass%、Sb:0.005〜0.10mass%、Sn;0.005〜0.10mass%、Bi:0.005〜0.10mass%、Mo:0.005〜0.10mass%、B:0.0002〜0.0025mass%、Te:0.0005〜0.01mass%、Nb:0.001〜0.01mass%、V:0.001〜0.01mass%およびTa:0.001〜0.01mass%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする。
本発明によれば、磁気特性と被膜特性が共に優れる方向性電磁鋼板を安定して提供することができる。
酸洗条件およびCuの電着有無が磁気特性と被膜特性に及ぼす影響を示すグラフである。 酸洗有無が下地被膜表面をEPMAでマッピング分析したときのO分布に及ぼす影響を示すSEM像である。 酸洗条件およびCuの電着有無が下地被膜表面をEPMAでマッピング分析したときのO分布の(標準偏差/平均値)に及ぼす影響を示すグラフである。金属電着後の鋼板表面のSEM像の一例を示す図である。 酸洗有無が電着した金属粒子の析出状態に及ぼす影響を示すSEM像である。 塩酸酸洗条件が、電着した金属粒子の平均粒径および析出密度に及ぼす影響を示すグラフである。
発明者らは、脱炭焼鈍前の鋼板表面に金属粒子を電着させる処理を行ったとき、磁気特性が大きく改善されたり、全く改善されなかったりして、バラツキが大きい原因について調査するため、以下の実験を行った。
C:0.065mass%、Si:3.44mass%、Mn:0.08mass%、Al:0.03mass%およびN:0.008mass%を含有する鋼を溶製し、連続鋳造法で鋼スラブとした後、1410℃に再加熱し、熱間圧延して板厚2.4mmの熱延板とし、1050℃×60sの熱延板焼鈍を施した後、一次冷間圧延して中間板厚1.8mmとし、1120℃×80sの中間焼鈍を施した後、200℃の温度で二次冷間圧延して、最終板厚0.23mmの冷延板とした。
次いで、上記冷延板をアルカリ液で脱脂した後、塩酸酸洗し、さらに電解脱脂を行った。この際、上記塩酸酸洗の条件を、下記4水準に振り分けた。
水準1)塩酸酸洗なし
水準2)液温が50℃の3mass%塩酸水溶液に10s間浸漬
水準3)液温が60℃の5mass%塩酸水溶液に10s間浸漬
水準4)液温が70℃の10mass%塩酸水溶液に10s間浸漬
また、上記電解脱脂の電解浴には、3mass%NaOH+0.5mass%界面活性剤+1.5mass%グルコン酸銅(C122214Cu)よりなる水溶液を用いた。この浴中で鋼板を陰極として電解処理し、Cuを金属換算で、片面当たり50mg/m電着させた。なお、Cuの電着量は、蛍光X線で分析した、予め作成しておいた検量線に基づき定量した。また、比較として、グルコン酸銅を添加しない電解浴でも電解脱脂も行った。
次いで、50vol%H−50vol%N、露点62℃の湿潤雰囲気下で、840℃の温度に100s間保持する、一次再結晶焼鈍を兼ねた脱炭焼鈍を施した。
その後、鋼板表面に、MgOを主剤とし添加剤として酸化チタンをTi換算で5mass%添加した焼鈍分離剤を塗布し、乾燥した後、二次再結晶焼鈍と水素雰囲気下で1200℃×7hrの純化処理とからなる仕上焼鈍を施した。
その後、未反応の焼鈍分離剤を除去し、絶縁被膜を塗布し、該被膜の焼付けと形状矯正を兼ねた平坦化焼鈍を800℃×30sで行い、製品板とした。
斯くして得た製品板について、磁気特性と被膜密着性を調査した。
ここで、磁気特性は、JIS C2550に規定された方法で、磁束密度Bおよび鉄損W17/50を測定した。
また、被膜の密着性は、850℃×3hrのDXガス雰囲気(CO:1vol%+H:1vol%+CO:12vol%+残部:N、露点10℃)で歪取焼鈍を施した後、径の異なる丸棒に鋼板を巻き付けたときに被膜が剥離しなかった最小の径(曲げ剥離径)を測定した。
上記測定の結果を図1に示した。この図から、グルコン酸銅を添加しない、即ち、Cu電着をさせない条件では、電着前の酸洗条件によらず、磁気特性、被膜密着性はほぼ一定の値を示しているのに対して、Cu電着をさせた条件では、適度に酸洗した、水準2)および3)では、顕著に磁気特性と被膜特性が改善されている。しかし、過度に酸洗した水準3)では、磁気特性、被膜特性は電着させない条件と同レベルにまで低下した。また、酸洗しない水準1)では、磁気特性、被膜特性とも、Cuを電着させない場合より大きく劣化している。
この原因を調査するために、仕上焼鈍後の鋼板表面(下地被膜付き)表面をEPMAで分析した。分析した領域は50μm×50μmで、この領域について0.2μmピッチで酸素(O)分析を行い、マッピング表示した。一例として、酸洗しない水準1)の結果と、5mass%塩酸で酸洗した水準3)の結果を図2に示した。この図から、酸洗しない水準1)では、酸素の分布が不均一となっているのに対して、5mass%塩酸で酸洗した水準3)では酸素の分布が均一であり、下地被膜が均一に形成されていることがわかる。
次いで、上記マッピングデータのO強度について、全測定値の平均値と標準偏差を求め、各水準ごとの平均値に対する標準偏差の比率を求めた結果を図3に示した。この図から、3〜5mass%塩酸で酸洗してCuを電着させた水準2,3で最も低い値を示し、下地被膜の均一性が増していることがわかる。また、この傾向は、磁気特性や被膜密着性の傾向ともよく一致していることがわかる。
また、酸洗しない水準1)と、5mass%塩酸で酸洗した水準3)のCu電着後のSEM像を図4に示した。塩酸で酸洗していない水準1)では、大きさの異なる不均一なCu粒子が析出しているのに対して、5mass%塩酸で酸洗した水準3)では、微細なCu粒子が均一に析出している。さらに、電着したCu粒子の平均粒径と析出密度を、SEM像を画像解析して求め、その結果を図5に示した。この図から、磁気特性や被膜密着性が良好であった水準2)や水準3では、電着したCu粒子の平均粒径が70nm以下で、電着したCu粒子の析出密度が25個/μm以上であり、中でも、最も良好な特性を示した水準3)では、Cu粒子が最も微細かつ均一に析出していることがわかる。
上記のように、同じ目付量でCuを電着させても、Cuの析出形態に大きな変化が生じる原因について、発明者らは以下のように考える。
仕上焼鈍時の雰囲気が磁気特性に大きく影響することは従来から知られている。これは、仕上焼鈍中に雰囲気中に含まれる水分や窒素分が鋼中に侵入して、インヒビタを分解したり粗大化したりして、粒成長抑制力を低下させるためであるとされている。この対策としては、脱炭焼鈍で形成される内部酸化膜を均一かつ緻密にすることが有効であると考えられている。そのため、従来技術の多くは、内部酸化膜の断面構造に着目して、均一で緻密な構造の内部酸化膜を得る方法について検討してきた。
しかし、本発明の上記実験の結果では、鋼板表面内での内部酸化膜のバラツキが大きく、これが製品板の磁気特性、被膜特性に強く影響していることが明らかになった。すなわち、断面における内部酸化膜が均一で緻密であったとしても、鋼板表面内の一部に粗雑で雰囲気の遮蔽性が弱い部分があれば、そこから雰囲気ガスの成分が侵入して、磁気特性や被膜特性に悪影響を及ぼすことになる。これを防ぐには、鋼板表面内での内部酸化膜の均一性を高めなければならない。そのために重要なのが、金属電着した金属粒子の析出状態である。金属粒子が析出した状態で脱炭焼鈍を行うと、析出粒子を核にして内部酸化が進行する。従って、金属粒子を均一に析出させることによって、内部酸化も均一に起こさせることができる。
さらに、金属粒子を均一に析出させるためには、電解処理前の鋼板表面を均一にしておくことが必要であり、そのためには、事前の酸洗等で表面状態を均一化しておくことが重要となる。ただし、上記実験結果では、酸洗し過ぎると金属粒子は均一に析出しなかった。この原因は不明であるが、過度の酸洗によって鋼板表面にピットや肌荒れが発生し、そこが起点となって粗大な金属粒子の析出が起こったためと考えられる。
なお、鋼板表面を酸洗等で均一な状態にすれば、金属を析出させなくても均一酸化が進行するとも考えられるが、上記の実験では、このような結果は得られなかった。これは、表面状態を均一化したつもりであっても、結晶方位の違いにより、脱炭焼鈍中の酸化のされ方は異なってしまう、つまり、結晶方位により表面エネルギーが異なるため、酸化のために吸着する酸素分子や水分子の量が異なるためであると考えられる。そして、この違いを緩和するのが、電解で析出した金属粒子であると考えられる。
上記のように、酸洗と金属粒子の電着処理を行い、鋼板の断面方向のみならず表面方向にも均一な内部酸化膜を得ることによって、仕上焼鈍後のフォルステライト被膜(下地被膜)の均一化が促進される。上記均一化の程度は、EPMAでマッピング分析することにより得られる下地被膜表面のO強度の平均値に対する標準偏差の比で評価することができる。そして、この比が小さい、すなわち、均一な下地被膜を形成させることによって、優れた磁気特性と被膜特性が達成されるのである。
次に、本発明の方向性電磁鋼板の製造に用いる鋼素材(スラブ)の成分組成について説明する。
C:0.03〜0.08mass%
Cは、0.03mass%に満たないと、粒界強化効果が失われ、スラブに割れが生じるなど、製造に支障を来たす欠陥を生ずるようになる。一方、0.08mass%を超えると、脱炭焼鈍で、磁気時効の起こらない0.005mass%以下に低減することが難しくなる。よって、Cは0.03〜0.08mass%の範囲とする。好ましくは0.035〜0.075mass%の範囲である。
Si:2.5〜4.5mass%
Siは、鋼の比抵抗を高め、鉄損を低減するのに必要な元素である。この効果は、2.5mass%未満では十分ではなく、一方、4.5mass%を超えると、加工性が低下し、圧延して製造すること困難となる。よって、Siは2.5〜4.5mass%の範囲とする。好ましくは2.8〜4.0mass%の範囲である。
Mn:0.03〜0.3mass%
Mnは、鋼の熱間加工性を改善するために必要な元素である。上記効果は、0.03mass%未満では十分ではなく、一方、0.3mass%を超えると、製品板の磁束密度が低下するようになる。よって、Mnは0.03〜0.3mass%の範囲とする。好ましくは0.04〜0.2mass%の範囲である。
上記C,SiおよびMn以外の成分については、二次再結晶を生じさせるために、インヒビタを利用する場合と、しない場合とで異なる。
まず、二次再結晶を生じさせるために、インヒビタを利用する場合で、例えば、AlN系インヒビタを利用するときには、AlおよびNを、それぞれAl:0.01〜0.03mass%、N:0.003〜0.01mass%の範囲で含有させるのが好ましい。また、MnS・MnSe系インヒビタを利用するときには、前述した量のMnの他に、S:0.01〜0.025mass%およびSe:0.01〜0.025mass%のうちの1種または2種を含有させることが好ましい。それぞれ添加量が、上記下限値より少ないと、インヒビタ効果が十分に得られず、一方、上限値を超えると、インヒビタ成分がスラブ加熱時に未固溶で残存し、磁気特性の低下をもたらす。なお、上記AlN系とMnS・MnSe系のインヒビタは併用してもよい。
一方、二次再結晶を生じさせるためにインヒビタを利用しない場合には、上述したインヒビタ形成成分であるAl,N,SおよびSeの含有量を極力低減し、Al:0.01mass%未満、N:0.0050mass%未満、S:0.0050mass%未満およびSe:0.0030mass%未満に低減した鋼素材を用いるのが好ましい。
本発明の方向性電磁鋼板に用いる鋼素材は、上記成分以外に、磁気特性の改善を目的として、Ni:0.01〜0.4mass%、Cr:0.01〜0.25mass%、Cu:0.01〜0.30mass%、P:0.005〜0.10mass%、Sb:0.005〜0.10mass%、Sn;0.005〜0.10mass%、Bi:0.005〜0.10mass%、Mo:0.005〜0.10mass%、B:0.0002〜0.0025mass%、Te:0.0005〜0.01mass%、Nb:0.001〜0.01mass%、V:0.001〜0.01mass%およびTa:0.001〜0.01mass%のうちから選ばれる1種または2種以上を適宜含有してもよい。
次に、本発明の方向性電磁鋼板の製造方法について説明する。
本発明の方向性電磁鋼板の製造に用いる鋼素材(スラブ)は、上述した成分組成を有する鋼を常法の精錬プロセスで溶製した後、従来公知の造塊−分塊圧延法または連続鋳造法で製造してもよいし、あるいは、直接鋳造法で100mm以下の厚さの薄鋳片としてもよい。
上記スラブは常法に従い、例えばインヒビタ成分を含有する場合には1400℃程度の温度に再加熱した後、一方、インヒビタ成分を含まない場合は1300℃以下の温度に再加熱した後、熱間圧延に供する。なお、インヒビタ成分を含有しない場合には、連続鋳造後、再加熱することなく直ちに熱間圧延してもよい。また、薄鋳片の場合には、熱間圧延してもよいし、熱間圧延を省略してそのまま以後の工程に進めてもよい。
次いで、熱間圧延して得た熱延板は、必要に応じて熱延板焼鈍を施す。この熱延板焼鈍の均熱温度は、良好な磁気特性を得るためには、800〜1150℃の範囲とするのが好ましい。800℃未満では、熱間圧延で形成されたバンド組織が残留し、整粒の一次再結晶組織を得ることが難しくなり、二次再結晶の発達が阻害される。一方、1150℃を超えると、熱延板焼鈍後の粒径が粗大化し過ぎて、やはり整粒の一次再結晶組織を得ることが難しくなるからである。
熱延後あるいは熱延板焼鈍後の熱延板は、1回の冷間圧延または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延をして最終板厚の冷延板とする。上記中間焼鈍の均熱温度は、900〜1200℃の範囲とするのが好ましい。900℃未満では中間焼鈍後の再結晶粒が細かくなり過ぎたり、一次再結晶組織におけるGoss核が減少して製品板の磁気特定が低下したりするおそれがある。一方、1200℃を超えると、熱延板焼鈍のときと同様、結晶粒が粗大化し過ぎて整粒の一次再結晶組織を得ることが難しくなる。
また、最終板厚とする冷間圧延(最終冷間圧延)は、圧延時の鋼板温度を100〜300℃の温度に上昇させて圧延する温間圧延としたり、圧延の途中で100〜300℃の温度で時効処理を1回または複数回施したりすることが、一次再結晶集合組織を改善し、磁気特性を向上させるのに有効である。
次いで、最終板厚とした冷延板は、脱炭焼鈍前までの段階で、鋼板表面に金属粒子を電着させる。電着させる金属元素としては特に限定しないが、Si,Cu,Sn,Co,Ni,Ti,Mn,Ta,Zn,Cr等が好適である。
このとき、電析させる金属粒子の平均粒径を70nm以下とし、析出密度を25個/μm以上とすることが必要である。平均粒径が大き過ぎたり、析出密度が低過ぎたりすると、脱炭焼鈍時の内部酸化を十分に均一化することができない。好ましくは、金属粒子の平均粒径は50nm以下、析出密度は45個/μm以上である。
また、上記金属粒子の電着量は、片面あたりで0.1〜70mg/mの範囲とするのが好ましい。なお、複数の金属を電着させてもよいが、その場合でも0.1〜70mg/mの範囲とするのが好ましい。0.1mg/m未満では、電着効果が十分ではなく、一方、70mg/mよりも多いと、電着させた金属によって脱炭焼鈍中に鋼板表面に酸素が拡散するのが過度に妨げられ、酸素目付量不足となり、却って被膜特性が劣化するからである。より好ましい範囲は0.1〜50mg/mの範囲である。
なお、本発明では、鋼板表面への金属の付着を電着によって行うものとする。これは、電着物の密着性を確保するためと、電着量の制御が容易であるからである。電着方法としては、通常の電気めっきによる方法が好適である。めっき浴は、地鉄の溶解を防ぐために、水酸化ナトリウムや珪酸ナトリウムなどを溶解させたアルカリ浴に、所望の金属イオンを含む化合物を溶解させることで調整する。アルカリ浴に溶解させる化合物としては、エチレンジアミン四酢酸EDTAやグルコン酸などの金属キレート塩を用いるのが好適である。このような液で電解すると、金属電着と電解脱脂を兼ねて行うことができる。さらに、この際、鋼板に付着した油分を離脱、乳化させるための界面活性剤を添加してもよい。
なお、電解条件としては、所定量の金属を付着させるために、電流密度や電解時間を適宜調節する必要があるが、本発明程度の金属電着量であれば、電流密度0.1〜100A/dm、電解時間0.1〜10s程度となる。電解処理は、定電流電解、交番電流電解のいずれでも可能である。ただし、交番電流電解では、鋼板がマイナス極となるときの電解時間の合計が上記範囲に収まるようにするのが好ましい。また、金属粒子を、本発明が規定する析出密度となるよう均一微細に析出させるためには、例えば、電解前の鋼板を酸洗や研削などして清浄度を高めたり、電解浴のアルカリ濃度を高くし、金属化合物濃度を低くしたりすることなどが有効である。
上記の金属粒子を電着させた鋼板は、その後、一次再結晶焼鈍を兼ねた脱炭焼鈍を施す。脱炭処理の均熱温度は700〜900℃、均熱時間は30〜300sの範囲とするのが好ましい。均熱温度が700℃未満、均熱時間が30s未満では、脱炭が不十分となったり、一次再結晶粒が小さくなり過ぎたりして、磁気特性が劣化するおそれがある。一方、均熱温度が900℃を超えたり、脱炭時間が300sを超えたりすると、一次再結晶粒が大きくなり過ぎ、やはり磁気特性が劣化する。
なお、この脱炭焼鈍では、鋼板表層内部にサブスケール(内部酸化層)を形成させるが、前工程で均一微細に電着した金属粒子が、脱炭焼鈍時に形成される内部酸化層を厚さ方向、表面方向に均一化する。また、電着した金属粒子は、脱炭焼鈍中に自らが鋼中に拡散して侵入したり、鋼板表面で酸化されたりする。この酸化物は、後の仕上焼鈍における追加酸化を抑制して、磁気特性を改善する効果がある。
脱炭焼鈍の雰囲気は、水蒸気−水素分圧PH2O/PH2(酸素ポテンシャル)で0.3〜0.6の範囲とするのが好ましい。これにより、鋼板表層のSiO形成量および電着金属の酸化量を適正化することができる。
なお、上記脱炭焼鈍時の雰囲気は、必ずしも一定とする必要はなく、例えば、前半と後半の2段階に分けて、後半を低露点にして還元処理を施したり、あるいは、加熱時の雰囲気と均熱時の雰囲気を別々にしたりしてもよい。また、加熱時の昇温速度を急速加熱としたり、脱炭焼鈍後に窒化処理を施したりしてもよい。
上記脱炭焼鈍後は、鋼板表面に焼鈍分離剤を塗布する。この焼鈍分離剤は、主剤として少なくとも50mass%のMgOを含み、これに、TiやCa,Sr,Mn,Mo,Fe,Cu,Zn,Ni,Sn,Al,K,LiKなどの酸化物、硫酸塩、塩化物、ホウ酸塩、珪酸塩、硝酸塩、チタン酸塩、水酸化物などを1種または2種以上添加したものを用いるのが好ましい。
上記焼鈍分離剤を塗布した鋼板は、その後、コイル状に巻き取った状態で、二次再結晶焼鈍と、それに続いて純化処理する仕上焼鈍を施す。これにより、Goss方位に高度に集積した二次再結晶組織を発達させるとともに、フォルステライト被膜を形成させることができる。上記仕上焼鈍は、二次再結晶を発現させるためには800℃以上に、また、二次再結晶を十分に完了させるためには1100℃程度まで加熱するのが好ましい。また、引き続き行う純化処理では、フォルステライト被膜を形成させるためには1200℃程度の温度まで加熱するのが好ましい。なお、インヒビタ形成成分を含まない素材を用いる場合は、純化処理は省略してもよい。
このようにして製造した方向性電磁鋼板のフォルステライト被膜(下地被膜)は、下地被膜表面をEPMAでマッピング分析したときのO強度の平均値に対する標準偏差の比率が0.15以下の均一なものとなる。その結果、DXガスのような反応性の高い雰囲気での歪取焼鈍でも、下地被膜が劣化せず、密着性に優れる被膜が得られる。なお、上記EPMAのマッピング分析は、50μm×50μmの領域を0.2μmピッチで測定するものとする。
上記仕上焼鈍後の鋼板は、その後、鋼板表面に付着した未反応の焼鈍分離剤を除去するための水洗やブラッシング、酸洗等を行った後、絶縁被膜を塗布し、この焼付けと形状矯正を兼ねた平坦化焼鈍を施して最終製品の方向性電磁鋼板とするのが好ましい。
なお、製品板の鉄損をより低減するためには、磁区細分化処理を施すことが有効である。磁区細分化の方法としては、一般的に実施されている、最終製品板に溝を形成したり、レーザーや電子ビームを照射して線状または点状の熱歪や衝撃歪を導入する方法、最終板厚に冷間圧延した鋼板表面にエッチング加工を施して溝を形成したりする方法等を用いることができる。なお、本発明では、電子ビーム照射しても被膜が剥落することがない強固な被膜を形成することができるので、電子ビーム照射が好適である。
C:0.070mass%、Si:3.4mass%、Mn:0.08mass%、Al:0.02mass%およびN:0.008mass%、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼スラブを連続鋳造法で製造し、1350℃の温度に再加熱した後、熱間圧延して、板厚2.4mmの熱延板とし、1000℃×50sの熱延板焼鈍を施した後、一次冷間圧延により1.8mmの中間板厚とし、1100℃×20sの中間焼鈍を施した後、二次冷間圧延して最終板厚0.23mmの冷延板に仕上げた。
次いで、上記冷延板を脱脂し、酸洗した後、珪酸ナトリウム30g/L、界面活性剤5g/Lと、種々の金属のEDTA金属塩を添加した電解液を用いて、浴温70℃、電流密度0.1〜20A/dmで、電解時間を0〜15sの範囲で種々に変化させて電解処理して金属粒子を鋼板表面に電着させた。この際、電解液の金属塩濃度および電解処理前の酸洗液濃度を種々に変えて、金属の析出状態を変化させた。
その後、上記冷延板を、50vol%H−50vol%N、露点50〜65℃の湿潤雰囲気下で、840℃の温度に100s間保持する、一次再結晶焼鈍を兼ねた脱炭焼鈍を施した。
次いで、MgOを主体とする焼鈍分離剤をスラリー状にして鋼板表面に塗布、乾燥した後、二次再結晶焼鈍後に1200℃×10hrの純化処理を行う仕上焼鈍を施した。仕上焼鈍の雰囲気は、純化処理する1200℃保定時はH、昇温時(二次再結晶焼鈍を含む)および降温時はNとした。その後、リン酸マグネシウム−コロイド状シリカを主成分とする絶縁被膜を塗布し、平坦化焼鈍で焼き付けて製品板とした。
上記のようにして得た製品板からサンプルを採取し、磁気特性と歪取焼鈍を施した後の曲げ密着性を評価した。
ここで、上記磁気特性は、JIS C2550に規定された方法で、磁束密度Bおよび鉄損W17/50を測定した。
また、被膜の密着性は、850℃×3hrのDXガス雰囲気(CO:1vol%+H:1vol%+CO:12vol%+残部:N、露点10℃)で歪取焼鈍を施した後、径の異なる丸棒に鋼板を巻き付けたときに被膜が剥離しなかった最小の径(曲げ剥離径)を測定した
また、上記測定とは別に採取したサンプル表面の絶縁被膜をアルカリ洗浄して除去し、EPMAで下地被膜表面の50μm×50μmの領域を、0.2μmピッチで、O濃度をマッピング分析し、得られたO強度の全測定データの平均値と標準偏差および平均値に対する標準偏差の比を求めた。
上記測定の結果を表1に示した。この表から、本発明に適合する鋼板は、いずれも磁気特性と被膜特性に優れていることがわかる。
Figure 0006512412
表2にした各種成分組成を有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼スラブを連続鋳造法で製造し、1380℃の温度に再加熱した後、熱間圧延して板厚2.0mmの熱延板とし、1030℃×10sの熱延板焼鈍を施した後、冷間圧延して最終板厚が0.23mmの冷延板に仕上げた。
次いで、上記冷延板を脱脂し、酸洗した後、水酸化ナトリウム30g/L、界面活性剤5g/Lと、グルコン酸銅を添加した電解液を用いて、浴温70℃、電流密度2A/dmで、電解時間を1sとする電解処理を施し、鋼板表面にCuを電着させた。この際、酸洗条件と電解浴のグルコン酸銅の濃度を種々に変えることで、電解後のCu粒子の析出形態を種々に変化させた。
その後、50vol%H−50vol%N、露点50〜65℃の湿潤雰囲気下で、840℃の温度に100s間保持する、一次再結晶焼鈍を兼ねた脱炭焼鈍を施した後、MgOを主体とする焼鈍分離剤をスラリー状にして鋼板表面に塗布、乾燥し、その後、二次再結晶焼鈍後、1200℃×10hrの純化処理を行う仕上焼鈍を施した。なお、仕上焼鈍の雰囲気は、純化処理する1200℃保定時はH、昇温時(二次再結晶焼鈍を含む)および降温時はNとした。その後、リン酸マグネシウム−コロイド状シリカを主成分とする絶縁被膜塗布し、平坦化焼鈍で焼き付けて製品板とした。
上記のようにして得た製品板からサンプルを採取し、実施例1と同様にして、磁気特性と被膜密着性を評価した。同表から、本発明に適合する成分組成の鋼素材を用いることで、良好な磁気特性と被膜特性を有する方向性電磁鋼板を得ることができることがわかる。
Figure 0006512412

Claims (7)

  1. C:0.005mass%以下、Si:2.5〜4.5mass%およびMn:0.03〜0.30mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、
    フォルステライト質下地被膜およびリン酸マグネシウム−コロイド状シリカを主成分とする絶縁被膜を有する方向性電磁鋼板であって、
    上記下地被膜表面をEPMAでマッピング分析したときのO強度の標準偏差が平均値の0.15以下であり、
    CO:1vol%+H:1vol%+CO:12vol%+残部:N、露点10℃のDXガス雰囲気下で850℃×3hrの歪取焼鈍を施した後の曲げ剥離径が30mmφ以下であることを特徴とする方向性電磁鋼板。
  2. 上記鋼板は、上記成分組成に加えてさらに、Ni:0.01〜0.4mass%、Cr:0.01〜0.25mass%、Cu:0.01〜0.30mass%、P:0.005〜0.10mass%、Sb:0.005〜0.10mass%、Sn0.005〜0.10mass%、Bi:0.005〜0.10mass%、Mo:0.005〜0.10mass%、B:0.0002〜0.0025mass%、Te:0.0005〜0.01mass%、Nb:0.001〜0.01mass%、V:0.001〜0.01mass%およびTa:0.001〜0.01mass%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の方向性電磁鋼板。
  3. C:0.03〜0.08mass%、Si:2.5〜4.5mass%およびMn:0.03〜0.30mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼素材を熱間圧延して熱延板とし、熱延板焼鈍を施した後あるいは熱延板焼鈍を施すことなく、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延して最終板厚の冷延板とし、一次再結晶焼鈍を兼ねた脱炭焼鈍を施した後、鋼板表面に焼鈍分離剤を塗布し、仕上焼鈍し、リン酸マグネシウム−コロイド状シリカを主成分とする絶縁被膜を被成する一連の工程からなる方向性電磁鋼板の製造方法において、
    上記最終板厚とする冷間圧延から脱炭焼鈍までの間において、鋼板表面に平均粒径が70nm以下の金属粒子を25個/μm以上電着析出させることを特徴とする請求項1に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  4. 上記鋼素材は、上記成分組成に加えてさらに、Se:0.01〜0.025mass%および/またはS:0.01〜0.025mass%を含有することを特徴とする請求項3に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  5. 上記鋼素材は、上記成分組成に加えてさらに、Al:0.01〜0.03mass%およびN:0.003〜0.01mass%を含有し、あるいは、Al:0.01〜0.03mass%、N:0.003〜0.01mass%、Se:0.01〜0.025mass%および/またはS:0.01〜0.025mass%を含有することを特徴とする請求項3に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  6. 上記鋼素材に含まれる不可避的不純物中のAl,N,SおよびSeは、それぞれAl:0.01mass%未満、N:0.0050mass%未満、S:0.0050mass%未満およびSe:0.0030mass%未満であること特徴とする請求項3に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  7. 上記鋼素材は、上記成分組成に加えてさらに、Ni:0.01〜0.4mass%、Cr:0.01〜0.25mass%、Cu:0.01〜0.30mass%、P:0.005〜0.10mass%、Sb:0.005〜0.10mass%、Sn0.005〜0.10mass%、Bi:0.005〜0.10mass%、Mo:0.005〜0.10mass%、B:0.0002〜0.0025mass%、Te:0.0005〜0.01mass%、Nb:0.001〜0.01mass%、V:0.001〜0.01mass%およびTa:0.001〜0.01mass%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
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