JPH11335860A - 超低鉄損一方向性珪素鋼板の製造方法 - Google Patents

超低鉄損一方向性珪素鋼板の製造方法

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JPH11335860A
JPH11335860A JP10257334A JP25733498A JPH11335860A JP H11335860 A JPH11335860 A JP H11335860A JP 10257334 A JP10257334 A JP 10257334A JP 25733498 A JP25733498 A JP 25733498A JP H11335860 A JPH11335860 A JP H11335860A
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silicon steel
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phosphate
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Masao Iguchi
征夫 井口
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    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/12Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
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    • H01F1/14766Fe-Si based alloys
    • H01F1/14775Fe-Si based alloys in the form of sheets
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄損が格段に優れ、かつ磁歪特性にも優れた
一方向性珪素鋼板を、従来に比べて極めて安価にしかも
高生産性の下で得る。 【解決手段】 仕上焼鈍済みの一方向性珪素鋼板につい
て、その表面の酸化物を除去し、ついで必要に応じて平
滑化処理を施したのち、リン酸塩とクロム酸を主成分と
する絶縁被膜あるいはリン酸塩とコロイダルシリカを主
成分とする張力絶縁被膜用コーティング液を水で薄めた
希釈液中にFe, Si, AlおよびB等の無機化合物を微量添
加した処理液を、塗布・乾燥後、またはその後さらに非
酸化性雰囲気中で短時間の熱処理を施して、該鋼板の表
面に張力絶縁被膜成分中にFe, Si,AlおよびB等の窒化
・酸化物を微細に分散させた極薄下地被膜を被成したの
ち、常法に従ってリン酸塩とコロイダルシリカを主成分
とする張力絶縁被膜を被成することからなる超低鉄損一
方向性珪素鋼板の製造方法において、上記した酸化物の
除去処理および/または平滑化処理を、SiCl4 を含む水
溶液を用いて行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超低鉄損一方向性
珪素鋼板の製造方法に関し、特に仕上焼鈍済みの珪素鋼
板の表面酸化物除去処理および平滑化処理に工夫を加え
ることによって、鉄損特性の一層の改善を磁歪の圧縮応
力特性の改善と共に、低コストの下で実現しようとする
ものである。
【0002】
【従来の技術】一方向性珪素鋼板は、主として変圧器そ
の他の電機機器の鉄心として利用され、磁化特性として
磁束密度(B8 値で代表される)が高く、鉄損(W
17/50 で代表される)が低いことが要求される。
【0003】一方向性珪素鋼板の磁気特性を向上させる
ためには、第一に鋼板中の2次再結晶粒の〈001〉軸
を圧延方向に高度に揃える必要があり、第二には最終製
品中に残存する不純物や析出物をできるだけ少なくする
必要がある。
【0004】このため、N.P.Gossによって一方向性珪素
鋼板の2段冷延による基本的な製造技術が提案されて以
来、その製造技術に数多くの改良が重ねられ、一方向性
珪素鋼板の磁束密度および鉄損値は年を追って改善され
てきた。その中で特に代表的なものは、SbとMnSeまたは
MnSとをインヒビターとして利用する特公昭51-13469号
公報に記載の方法、もう一つはAlNとMnSをインヒビタ
ーとして利用する特公昭33−4710号公報、特公昭40-156
44号公報および特公昭46-23820号公報等に記載の方法で
あり、これらの方法によればB8 が1.88Tを超える高磁
束密度を有する製品が得られるようになった。
【0005】さらに高磁束密度の製品を得るために、特
公昭57-14737号公報では素材中にMoを複合添加したり、
また特公昭62-42968号公報では素材中にMoを複合添加さ
せたのち、最終冷延直前の中間焼鈍後に急冷処理を施す
などの改良を加えて、B8 が1.90T以上の高磁束密度
で、かつ鉄損W17/50 が 1.05 W/kg(製品板厚:0.30m
m) 以下の低鉄損が得られることが、開示提案されてい
るが、なお十分な低鉄損化については改善すべき余地が
残されていた。
【0006】とくに、十数年前のエネルギー危機を境と
して電力損失を極力低減することへの要請が著しく強ま
り、それに伴って鉄心材料の用途においても、より一層
の改善が望まれている。そのため、渦電流損をできる限
り小さくすることを目的として、製品板厚を薄くした0.
23mm厚(9mil)以下のものが数多く使用されるようにな
ってきた。
【0007】これとは別に、一方向性珪素鋼板の絶縁被
膜の観点からも、大幅な改良が加えられた。すなわち、
現在商品化されている珪素鋼板は、鋼板とフォルステラ
イト系下地被膜の絶縁被膜の熱膨張係数の差を利用する
ことによって、鋼板に張力を加えることによって鉄損の
低減と磁歪の改善が図られている。この代表的な張力絶
縁被膜形成方法として、特公昭53-28375号公報に開示さ
れたリン酸アルミニウムとコロイダルシリカと無水クロ
ム酸を主成分とするコ−ティング液を利用する方法、お
よび特公昭56-52117号公報に開示されたリン酸マグネシ
ウムとコロイダルシリカと無水クロム酸を主成分とする
コ−ティング液を利用する方法があげられる。
【0008】上記した技術はいずれも、主に冶金学的な
手法であるが、これらの方法とは別に、特公昭57−2252
号公報に提案されているような、仕上焼鈍後の鋼板の表
面にレーザー照射やプラズマ照射(B.Fukuda, K.Sato,
T.Sugiyama, A.Honda and Y.Ito : Proc. of ASM Con.
of Hard and Soft Magnetic Materials, 8710-008,(US
A), (1987) )を行い、人為的に 180°磁区幅を減少さ
せて鉄損を低減する方法(磁区細分化技術)が開発され
た。この技術の開発により、一方向性珪素鋼板の鉄損
は、大幅に低減された。しかしながら、この技術は、高
温での焼鈍に耐え得ないという欠点があり、用途が歪取
焼鈍を必要としない積鉄心変圧器に限定されるという問
題があった。
【0009】この点、歪取焼鈍に耐え得る磁区細分化技
術として、一方向性珪素鋼板の仕上焼鈍後の鋼板表面
に、線状の溝を導入し、溝による反磁界効果を応用して
磁区の細分化を図る方法が工業化された(H.Kobayashi,
E.Sasaki, M.Iwasaki and N.Takahashi : Proc. SMM-
8., (1987), P.402 )。また、これとは別に、一方向性
珪素鋼板の最終冷延板に局所的な電解エッチングを施す
ことによって溝を形成し、磁区を細分化する方法(特公
平8−6140号公報)も開発され、工業化されている。
【0010】さらに、上記した珪素鋼板の製造方法とは
別に、特公昭55-19976号公報、特開昭56−127749号公報
および特開平2−3213号公報に開示されているように、
非晶質合金が通常の電力用トランスや高周波トランス等
の材料として注目されている。しかしながら、このよう
な非晶質材料では、通常の一方向性珪素鋼板に比較して
非常に優れた鉄損特性が得られる反面、熱的安定性に欠
ける、占積率が悪い、切断が容易でない、あまりにも薄
く脆いためトランスの組み立て工数のコストアップが大
きい等実用上の不利が多いことから、現状では大量に使
用されるまでには至っていない。
【0011】その他にも、特公昭52-24499号公報におい
て、珪素鋼板の仕上焼鈍後に形成されるフォルステライ
ト下地被膜を除去し、鋼板表面を研磨した後、この鋼板
表面に金属メッキを施すことからなる方法が提案されて
いる。しかしながら、この方法は、低温では低鉄損が得
られるものの、高温処理を施すと金属が珪素鋼板中に拡
散するため、かえって鉄損が劣化するという欠点があっ
た。
【0012】この点、発明者らは先に、上記の不利を解
消するものとして、特公昭63-54767号公報等において、
研磨により平滑化した一方向性珪素鋼板上にCVDやイ
オンプレーティング, イオンインプランテーション等の
ドライプレーティング(PVD)により、Si, Mn, Cr,
Ni, Mo, W,V,Ti, Nb, Ta, Hf, Al,Cu, ZrおよびB
の窒化物、炭化物のうちから選んだ1種または2種以上
の張力被膜を被成させることによって超低鉄損が得られ
ることを開示した。この製造法により、電力用トランス
や高周波トランス等の材料として非常に優れた鉄損特性
が得られるようになったが、それでもなお、最近の低鉄
損化に対する要求に対しては十分に応えているとはいい
難かった。
【0013】そこで、発明者らは、従来に比べて鉄損の
一層の低減を図るべく、あらゆる観点から根本的な再検
討を加えた。すなわち、発明者は、安定した工程で平滑
化した一方向性珪素鋼板表面上に種々の窒化物、炭化物
のうちから選んだ1種または2種以上の張力被膜を被成
させて超低鉄損の製品を得るためには、一方向性珪素鋼
板の素材成分から最終の処理工程に至るまでの根本的な
再検討が必要であるとの認識に立って、珪素鋼板の集合
組織の追跡から、鋼板表面の平滑度や最終のCVDやP
VD処理工程に至るまで鋭意検討を重ねた。その結果、
以下に述べる知見を得た。
【0014】(1) 珪素鋼板に被覆したセラミック (代表
例として TiN膜を使用) の薄膜は、1.5 μm 以上の厚み
に被成しても、鉄損向上の度合いは少なくなる。すなわ
ち1.5 μm 以上の厚みのTiN 膜は、鉄損については僅か
の向上しか期待できず、むしろ占積率および磁束密度の
劣化を招く。 (2) この場合の TiNの役割は、セラミック特有の張力付
加に加えて、珪素鋼板との密着性の役割の方がより重要
である。すなわち TiN横断面の透過電子顕微鏡観察 (井
口征夫:日本金属学会誌, 60 (1996), P.781〜786 参
照) では、10nmの横縞が観察され、これは珪素鋼板の
〔011〕方向のFe−Fe原子の5原子層に相当する。 (3) TiN 被覆領域および化学研磨領域のX線による二層
の集合組織の同時測定(Y.Inokuti:ISIJ Internationa
l, 36 (1996), P.347〜352 参照) では、研磨領域のFe
の{200}ピーク形状は円形である。しかし TiN被覆
領域でのFeの{200}ピーク形状は楕円形であり、珪
素鋼板の〔100〕si-steel方向に強力に張力付加され
た状況になっている。 (4) TiN 薄膜の張力 (井口征夫、鈴木一弘、小林康宏:
日本金属学会誌、60 (1996), P.674〜678 参照) は8〜
10 MPaで、これにより 0.014〜0.016 T程度の磁束密度
の向上が期待できる。(これは約1°のGoss方位集積度
を向上させたことに相当する。)
【0015】以上が、セラミック被覆についての新規知
見であるが、さらにセラミック膜と鋼板の表面状態に関
し、以下に述べる知見を得た。 (5) 珪素鋼板の最終冷延板に局所的な電解エッチングを
施すことによって溝を形成し、さらに2次再結晶処理後
の鋼板表面を研磨により平滑化した後、 TiNセラミック
膜を被覆した場合には、導入した溝に起因した反磁界効
果による磁区細分化に加えて、さらにセラミック被膜に
よる張力付加により、効果的に鉄損が低減する。 (6) セラミック被覆前に、鋼板表面上に凹状の溝を形成
した場合の引張りによる鉄損の低減効果は、通常の研磨
により平滑化した珪素鋼板の場合よりも大きい(特公平
3-32889号公報参照)。すなわち、溝を導入した場合に
は珪素鋼板表面上に異張力が作用し、引張り張力による
鉄損の低減度合いが増大する。 (7) 凹状の溝を形成した珪素鋼板上にセラミック膜を被
覆した場合は、通常の研磨により平滑化しセラミック膜
を被覆した場合よりも、鉄損の低減効果がより効果的で
ある。( 例えば、特公昭63-35686号公報参照) すなわち、線状の溝を導入し、溝による反磁界効果を応
用して磁区を細分化したのち、セラミック張力被膜を被
成して、さらに 180°主磁区を細分化する方が一層効果
的で、超低鉄損が得られる。 (8) 珪素鋼板の最終冷延板に局所的な電解エッチングを
施すことによって溝を形成した場合は、2次再結晶処理
を施した後の鋼板表面を研磨により平滑化しない表面状
態で TiNセラミック膜を被成した場合であっても、かな
りの鉄損低減効果が発揮される。すなわち、研磨により
平滑化しない状態、例えば酸洗処理等により表面に小さ
な凹凸が存在する状態であっても、熱膨張係数の小さな
セラミック膜を被覆することによって、珪素鋼板の表面
に強力な張力を付加することが可能であり、これによっ
て鉄損を有利に低減することができる。
【0016】そこで、発明者は、上記の新規知見を基
に、所期した目的を達成すべく数多くの実験と検討を重
ねた結果、表面を平滑化した珪素鋼板および線状の溝を
導入した珪素鋼板いずれであっても、該珪素鋼板の表面
に被成するセラミック張力被膜を複数種とし、しかもこ
のセラミック張力被膜について、その熱膨張係数が外側
にいくほど小さくすることが、鉄損の低減に極めて有効
であることの知見を得、これに基づき極めて鉄損の低い
一方向性珪素鋼板を新たに開発した(特願平9−328042
号明細書)。
【0017】かくして得られた一方向性珪素鋼板は、極
めて薄く、かつ密着性に優れたセラミック膜の張力被膜
をそなえ、超低鉄損の達成が可能なだけでなく、絶縁性
を具備し、しかも占積率にも優れているため、まさに理
想的な珪素鋼板といえる。
【0018】しかしながら、このような緻密なセラミッ
ク膜を被成するには、真空中で高プラズマ雰囲気下での
処理が不可欠であり、かような方法ではセラミック膜の
高速成膜ができず、生産性が低いため、工業化に際し
て、コストアップになるというところに問題を残してい
た。
【0019】なお、これとは別に、最近、特許第 26624
82号および 2664326号各公報において、平滑化した鋼板
の表面に酸化Al−酸化B系の複合膜を形成させることに
よって、被膜密着性と鉄損を改善した低鉄損一方向性珪
素鋼板が提案された。しかしながら、この方法による珪
素鋼板の鉄損値W17/50 は、0.2 mm板厚の製品で0.77〜
0.83 W/kg 程度にすぎず、製品板厚が薄いにもかかわら
ずこの程度の到達鉄損値では、やはり改良すべき余地が
残されているといわざるを得ない。さらに、この方法で
製造した酸化Al- 酸化B 系の複合セラミック膜は、真空
プラズマを利用して作成したセラミック膜に比較して、
緻密さや平滑性の面で劣ることから、この一方向性珪素
鋼板の絶縁被膜は、化学的安定性が十分でなく耐食性、
耐水性の改善が指摘されている。
【0020】そこで、発明者らは、上記の新規知見を基
に、再度、珪素鋼板の表面状態、さらにはその表面に被
成する張力絶縁被膜について検討を行った。また、その
際、磁歪の圧縮応力特性(以下、単に磁歪特性という)
の改善についても併せて検討した。ここに、珪素鋼板の
磁歪とは、鋼板を磁化した時に鋼板が伸縮振動する現象
で、変圧器騒音の最も大きな原因となるものである。
【0021】この磁歪挙動は、鋼板の磁化過程が90°磁
壁移動および回転磁化を含むことに起因し、鋼板にかか
る圧縮応力に応じて磁歪は増大する。変圧器の組み立て
時には、不可避的に鋼板に圧縮応力が加わることから、
予め鋼板に張力を与えておけば、磁歪特性の面では有利
である。勿論、鋼板に張力が付加されることは、方向性
珪素鋼板の鉄損の改善にも有効に寄与する。従来、方向
性珪素鋼板は、2次再結晶前の脱炭・1次再結晶焼鈍時
に鋼板表面に形成されるサブスケール(SiO2)と、MgO
を主成分とする焼鈍分離剤との仕上げ焼鈍の際における
高温反応によって形成されるフォルステライト質下地被
膜とその上に重ねて被成されるリン酸塩とコロイダルシ
リカを主成分とする張力絶縁被膜とによって張力が加え
られ、磁歪特性の改善が図られていたのであるが、この
ような従来法では十分満足いくほどの磁歪特性の改善は
望み得なかったのである。
【0022】さて、上記の検討の結果、珪素鋼板の表面
に、リン酸塩とコロイダルシリカを主成分とする張力絶
縁被膜を被成するに先立ち、この張力絶縁被膜用のコー
ティング液を水で薄めた希釈液中にFe, Si, AlおよびB
のうちから選んだ1種または2種以上を含む無機化合物
を添加した処理液を薄く塗布し、鋼板の表面に微量のFe
等を含む無機化合物を付着させたのち、非酸化性雰囲気
中で短時間の熱処理を施してやると、基本的に張力絶縁
被膜と同じ被膜成分になる極薄被膜が形成されると共
に、該被膜中に存在するFe等を含む無機化合物が活性度
の高いFe等の窒化・酸化物に変化し、これが鋼板表面に
強固に固着する結果、上記極薄被膜は高い密着性の下で
鋼板表面に被成され、一方この極薄被膜はその上に被成
する張力絶縁被膜と同質であるため、これらの密着性も
極めて良好であることから、結果として、従来に比較し
て密着性が格段に優れた張力絶縁被膜を鋼板の表面に被
成することができ、かくして鉄損の極めて低い一方向性
珪素鋼板を、生産性良く、また低コストの下で製造でき
ることを見出し、特願平10-43238号明細書において開示
した。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記技術の
改良に係わり、上記した極薄下地被膜の鋼板に対する密
着性をさらに向上させることによって、鉄損特性の一層
の改善を磁歪特性の改善に併せて実現することを目的と
する。
【0024】
【課題を解決するための手段】以下、本発明の解明経緯
について説明する。さて、本発明で使用する仕上げ焼鈍
済みの一方向性珪素鋼板は、通常膜無し材と呼ばれるフ
ォルステライト下地被膜を生成しない方法で製造した一
方向性珪素鋼板である。すなわち、通常の一方向性珪素
鋼板は、Goss方位に強く集積した2次再結晶粒を優先的
に発達させるため2次再結晶焼鈍前の珪素鋼板表面上に
MgOを主成分とする焼鈍分離剤がスラリ−塗布され、そ
の後2次再結晶焼鈍と純化焼鈍を施す際に珪素鋼板の焼
付を防止すると共に、珪素鋼板の表面に生成させたサブ
スケ−ル(SiO2)と焼鈍分離剤(MgO)との高温での界面
反応(2MgO + SiO2 →Mg2SiO4) を利用して、珪素鋼板
表面上に薄いフォルステライト系下地被膜を形成させて
いる。しかしながら、本発明による一方向性珪素鋼板の
製造方法においては、このようなフォルステライト系下
地被膜を形成させない方法が採用されている。すなわ
ち、フォルステライト生成抑制用の焼鈍分離剤の使用、
例えば特公昭63-32850号公報に開示されているように、
珪素鋼板表面上にスラリ−塗布する MgOの割合を少なく
し、代わってAl2O3, SiO2, CaSiO3, PbCl2等の割合を増
加させる方法が広く一般的に用いられている。
【0025】本発明は、上記のような分離剤を使用し
て、仕上げ焼鈍後の珪素鋼板の表面におけるフォルステ
ライト系下地被膜の形成を抑制すると共に、その後の酸
化物の除去処理および研磨処理において、コストの安価
な革新的な方法を採用することにより、鉄損特性の有利
な向上を磁歪特性の改善と共に実現したものである。ま
た、従来、仕上げ焼鈍済みの珪素鋼板の表面の酸化物の
除去やその後の平滑化処理においては、磁気特性の観点
から鋼板表面に歪みを付加しないで処理することが重要
であるとして、化学研磨や電解研磨が用いられてきたこ
とから、コストアップの要因となっていた。本発明は、
この問題も併せて解決したものである。
【0026】すなわち、本発明の要旨構成は次のとおり
である。 1.板厚が0.05〜0.5 mmの仕上焼鈍済みの一方向性珪素
鋼板について、その表面の酸化物を除去し、ついで必要
に応じて平滑化処理を施した後、リン酸塩とクロム酸を
主成分とする絶縁被膜あるいはリン酸塩とコロイダルシ
リカを主成分とする張力絶縁被膜用コーティング液を水
で薄めた希釈液中にFe, Si, AlおよびBのうちから選ん
だ1種または2種以上を含む無機化合物を微量添加した
処理液を、塗布・乾燥することにより、鋼板表面に微量
のFe, Si, AlおよびBのうちから選んだ1種または2種
以上を含む無機化合物を付着させたのち、常法に従って
リン酸塩とコロイダルシリカを主成分とする張力絶縁被
膜を被成する一連の工程からなる超低鉄損一方向性珪素
鋼板の製造方法において、上記した酸化物の除去処理お
よび/または平滑化処理を、SiCl4 を含む水溶液を用い
て行うことを特徴とする超低鉄損一方向性珪素鋼板の製
造方法。
【0027】2.板厚が0.05〜0.5 mmの仕上焼鈍済みの
一方向性珪素鋼板について、その表面の酸化物を除去
し、ついで必要に応じて平滑化処理を施した後、リン酸
塩とクロム酸を主成分とする絶縁被膜あるいはリン酸塩
とコロイダルシリカを主成分とする張力絶縁被膜用コー
ティング液を水で薄めた希釈液中にFe, Si, AlおよびB
のうちから選んだ1種または2種以上を含む無機化合物
を微量添加した処理液を、塗布・乾燥することにより、
鋼板表面に微量のFe, Si, AlおよびBのうちから選んだ
1種または2種以上を含む無機化合物を付着させたの
ち、非酸化性雰囲気中で短時間の熱処理を施して、該鋼
板の表面に、絶縁被膜成分または張力絶縁被膜成分中に
Fe, Si, AlおよびBのうちから選んだ1種または2種以
上の窒化・酸化物を微細に分散させた極薄下地被膜を被
成し、ついで常法に従ってリン酸塩とコロイダルシリカ
を主成分とする張力絶縁被膜を被成する一連の工程から
なる超低鉄損一方向性珪素鋼板の製造方法において、上
記した酸化物の除去処理および/または平滑化処理を、
SiCl4 を含む水溶液を用いて行うことを特徴とする超低
鉄損一方向性珪素鋼板の製造方法。
【0028】3.上記1または2において、SiCl4 を含
む水溶液を用いて酸化物の除去処理および/または平滑
化処理を行ったのち、鋼板表面を含N非酸化性雰囲気中
に曝す暴露処理を行うことを特徴とする超低鉄損一方向
性珪素鋼板の製造方法。
【0029】4.上記1,2または3において、鋼板の
地鉄表面に、圧延方向と交差する向きに2〜10mmの間隔
で、幅:50〜500 μm 、深さ:0.1 〜50μm の線状の凹
領域を設けたことを特徴とする超低鉄損一方向性珪素鋼
板。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。まず、本発明による成功が導かれるに至った経過に
ついて説明する。C:0.069 wt%、Si:3.42wt%、Mn:
0.075 wt%、Se:0.020 wt%、Sb:0.025 wt%、Al:0.
020 wt%、N:0.0073wt%およびMo:0.012 wt%を含有
し、残部は実質的にFeの組成になる珪素鋼連鋳スラブ
を、1360℃、5時間の加熱処理後、熱間圧延を施して板
厚:2.0 mmの熱延板とした。この熱延板に1020℃、3分
間の均一化焼鈍を施した後、1050℃の中間焼鈍を挟む2
回の圧延を施して板厚:0.23mmの最終冷延板とした。
【0031】その後、最終冷延板は次のように処理し
た。この最終冷延板の表面に、アルキド系樹脂を主成分
とするエッチングレジストインキをグラビアオフセット
印刷により、非塗布部が圧延方向にほぼ直角に幅:200
μm 、間隔:4mmで線状に残存するように塗布したの
ち、200 ℃で3分間焼き付けた。このときのレジスト厚
は2μm であった。このようにしてエッチングレジスト
を塗布した鋼板に、電解エッチングを施すことにより、
幅:200 μm 、深さ:20μm の線状の溝を形成し、つい
で有機溶剤中に浸漬してレジストを除去した。このとき
の電解エッチングは、NaCl電解液中で電流密度:10 A/d
m2、処理時間:20秒の条件で行った。
【0032】その後、 840℃の湿H2中で脱炭・1次再結
晶焼鈍を行った後、鋼板表面に CaO(20%), Al2O3(50
%), SiO2(30%) の組成になる焼鈍分離剤をスラリ−
塗布し、ついで 850℃で15時間の焼鈍後、 850℃から12
℃/hの速度で1150℃まで昇温してゴス方位に強く集積し
た2次再結晶粒を発達させた後、1200℃の乾H2中で純化
処理した。
【0033】かくして得られたフォルステライト下地被
膜を有しない珪素鋼板の表面を、以下に述べる工程で処
理した。 (A) 工程:1500ccの蒸留水中に SiCl4:30ccを添加した
水溶液中(80℃) に1分間浸漬して、鋼板表面の酸化物
除去を行った。 (B) 工程:1500ccの蒸留水中に SiCl4:20ccと HCl:20
ccとを添加した水溶液中(80℃) に1分間浸漬して、鋼
板表面の酸化物除去を行った。 (C) 工程:1500ccの蒸留水中に HCl:50ccを添加した水
溶液中(80℃) に1分間浸漬して、鋼板表面の酸化物除
去を行った。 (D) 工程:1500ccの蒸留水中に HCl:50ccを添加した水
溶液中(80℃) に 0.5分間浸漬して鋼板表面の酸化物を
除去した後、3%HFと97%H2O2 の混合液中で化学研磨し
た。 (E) 工程:(D) 工程の処理後、(A) 工程と同じ方法、す
なわち1500ccの蒸留水中に SiCl4:30ccを添加した水溶
液中(80℃) に20秒間浸漬した。
【0034】その後、上記(A)〜(E)の工程で処理
した珪素鋼板をそれぞれ、 950℃のH2(50%)+N2(50%)
混合ガス中で10分間の処理した後、さらに珪素鋼板の表
面に、リン酸塩とコロイダルシリカを主成分とする張力
絶縁被膜用コーティング液:250 ccを1500ccの蒸留水で
薄めた希釈溶液中に SiCl4溶液:25ccと FeCl3:15gと
AlPO4:10gと H3PO3:10gを複合添加した80℃の処理
液中に20秒間浸積し、水洗後、乾燥した。ついで、それ
ぞれ N2(93%)+H2(7%)混合ガス中にて 900℃で10分間の
熱処理を施した。なお、(A′)工程として、(A)工
程の処理後、 H2(50%)+N2(50%) 混合雰囲気中での短時
間の熱処理を行わず、単にN雰囲気中に20秒間曝すだけ
の処理を施し、その後、 N2(93%)+H2(7%)混合ガス中に
て上記と同様の処理を施して、鋼板の表面に極薄下地被
膜を被成した。
【0035】その後、さらにこれらの鋼板の表面に、リ
ン酸塩とコロイダルシリカを主成分とする張力絶縁被膜
用コーティング液を塗布・乾燥し、 800℃のN2ガス中で
焼き付けて 2.0μm 厚の張力絶縁被膜を被成した。かく
して得られた各製品の鉄損特性W17/50(W/kg) と密着性
について調べた結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】表1から明らかなように、本発明に従う
(A),(A′),(B)および(E)の工程で処理し
た珪素鋼板は、鉄損W17/50(W/kg) で0.56〜0.65 W/kg
の超低鉄損が得られ、しかも密着性も良好であることが
注目される。すなわち、フォルステライト下地被膜を有
しない一方向性珪素鋼板を、SiCl4を含む水溶液中にて
浸漬・酸洗処理を行うだけで、超低鉄損と優れた密着性
を有する一方向性珪素鋼板の製造が可能であることが注
目される。なお、特に良好な結果が得られたのは(E)
工程のような酸洗処理および化学研磨処理を施した場合
であるが、化学研磨を施さない(A)および(A′)工
程によってもそれぞれ、W17/50(W/kg) で 0.63 W/kg,
0.61 W/kg という超低鉄損が得られることが注目され
る。
【0038】従来は、化学研磨や電解研磨等を用いて珪
素鋼板の表面を平滑化させることにより、珪素鋼板のヒ
ステリシス損を減少させる方法が採用されてきた。しか
しながら、この化学研磨や電解研磨等の方法は、製品歩
留りが悪くなるだけでなく、研磨費用の大幅のコストア
ップとなるという大きな問題があった。本発明では、フ
ォルステライト下地被膜を有しない一方向性珪素鋼板の
表面を、SiCl4 を含む水溶液中で浸漬・酸洗処理を行う
だけで、超低鉄損と優れた密着性を有する一方向性珪素
鋼板が極めて安価に得られることが注目される。
【0039】図1に、(A′)工程に従い、仕上焼鈍後
の鋼板を、 SiCl4溶液(80℃) 中に浸漬後、N雰囲気中
に曝した際の鋼板表層部のN濃度をSIMS(Secondary Io
nMass Spectroscopy)で測定した結果を、(D)工程に
従い、3%HFと97%H2O2 の混合液中で化学研磨した場合と
比較して示す。同図に示したとおり、鋼板を SiCl4溶液
中に浸漬し、その後にN雰囲気中に曝すだけでも、鋼板
表面には、化学研磨材に比べると格段に高いN濃化層が
形成されていることが注目される。
【0040】また、図2には、Fe, Si, AlおよびB等の
無機化合物として SiCl4を利用して、鋼板の表面にSiの
窒化・酸化物を分散させた極薄下地被膜を被成した場合
における、該窒化・酸化物中の酸化物組成を、 XPS法で
測定した結果を示す。同図から明らかなように、この方
法によって形成される酸化物は、主にFeSiO3(Clinoferr
osilite)とFe2SiO4(Fayalite)からなっていることが注
目される (なお、厳密には、FeSiO3の生成物の方が Fe2
SiO4よりも多い)。ここに、上記のような酸化物は、次
式 SiCl4 + 2H2O + 2FeO → Fe2SiO4+ 4HCl のような反応によって形成されるものと考えられる。そ
して、上記したような酸化物は、従来からのSiO2のサブ
スケールとは異なり、極めて緻密であり、かような緻密
な酸化物が微細な窒化物と共に生成するために、従来に
比べると格段に密着性が向上するものと考えられる。
【0041】なお、フォルステライト下地被膜を有しな
い一方向性珪素鋼板の表面制御を利用した、この種の従
来技術としては、特開昭60−131976号、特開平6−1847
62号および特開平9-78252号各公報において、研磨した
珪素鋼板表面上に外部酸化型のSiO2膜の酸化層を形成さ
せる方法が提案されている。しかしながら、これらの手
法の骨子は、珪素鋼板の有害なCを除去するために行わ
れる脱炭・1次再結晶焼鈍時の湿H2中での処理によるSi
O2を主成分とするサブスケ−ルの形成と類似の方法であ
る。特に、このような鋼板の酸化処理を使用することに
よるSiO2を利用する手法は、珪素鋼板の鏡面化による鉄
損低減効果が激殺されることが既に指摘されている。
【0042】
【作用】本発明の素材である含珪素鋼としては、従来公
知の成分組成いずれもが適合するが、代表組成を掲げる
と次のとおりである。 C:0.01〜0.08wt% Cは、0.01wt%より少ないと熱延集合組織の抑制が不十
分となって大きな伸長粒が形成されるため磁気特性が劣
化し、一方0.08wt%より多いと脱炭工程で脱炭に時間が
かかり経済的でないので、0.01〜0.08wt%程度とするの
が好ましい。
【0043】Si:2.0 〜4.0wt % Siは、 2.0wt%より少ないと十分な電気抵抗が得られな
いため渦電流損が増大して鉄損の劣化を招き、一方 4.0
wt%より多いと冷延の際に脆性割れが生じ易くなるの
で、 2.0〜4.0 wt%程度の範囲とすることが好ましい。
【0044】Mn:0.01〜0.2 wt% Mnは、一方向性珪素鋼板の2次再結晶を左右する分散析
出相としてのMnSあるいはMnSeを決定する重要な成分で
ある。Mn量が0.01wt%を下回ると2 次再結晶を生じさせ
るのに必要なMnS等の絶対量が不足し、不完全2次再結
晶を起こすと同時に、ブリスタ−と呼ばれる表面欠陥が
増大する。一方、 0.2wt%を超えると、スラブ加熱等に
おいてMnS等の解離固溶が行われたとしても、熱延時に
析出する分散析出相が粗大化し易く、抑制剤として望ま
れる最適サイズ分布が損なわれて磁気特性が劣化するの
で、Mnは0.01〜0.2 wt%程度とすることが好ましい。
【0045】 S:0.008 〜0.1 wt%、Se:0.003 〜0.1 wt% SおよびSeはいずれも、 0.1wt%以下、中でもSは 0.0
08〜0.1 wt%、またSeは 0.003〜0.1 wt%の範囲とする
ことが好ましい。というのは、これらが 0.1wt%を超え
ると熱間および冷間加工性が劣化し、一方それぞれ下限
値に満たないとMnS、MnSeとしての1 次粒成長抑制機能
に格別の効果を生じないからである。その他、インヒビ
タ−として従来公知のAl, Sb, Cu, SnおよびB 等を複合
添加しても、本発明の効果を妨げるものではない。
【0046】次に、本発明に従う超低鉄損一方向性珪素
鋼板の製造工程について説明する。まず、素材を溶製す
るには、LD転炉、電気炉、平炉、その他公知の製鋼炉
を用い得ることは勿論のこと、真空溶解やRH脱ガス処
理を併用することもできる。
【0047】本発明に従い、素材中に含有されるS、Se
あるいはその他の1 次粒成長抑制剤を溶鋼中に微量添加
する方法としては、従来公知の何れの方法を用いても良
く、例えばLD転炉、RH脱ガス終了時あるいは造塊時
の溶鋼中に添加することができる。また、スラブ製造
は、コスト低減、さらにはスラブ長手方向における成分
あるいは品質の均一性等の経済的・技術的利点のため連
続鋳造法の採用が有利ではあるが、従来の造塊スラブの
使用を妨げるものではない。
【0048】連続鋳造スラブは、スラブ中のインヒビタ
−を解離・固溶させるために、1300℃以上の温度に加熱
される。その後、このスラブは熱間粗圧延ついで熱間仕
上圧延が施されて、通常厚み 1.3〜3.3 mm程度の熱延板
とされる。
【0049】次に熱延板は、必要に応じ 850〜1100℃程
度の温度範囲で熱延板焼鈍(均一化焼鈍ともいう)を施
したのち、1回または中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延を
施して最終板厚とするが、高磁束密度で低鉄損の特性を
有する製品を得るには最終冷延率(通常55〜90%)に注
意を払う必要がある。このとき、珪素鋼板の渦電流損を
できるかぎり小さくする観点から、製品厚の上限は0.5
mmに、またヒステリシス損の弊害を避けるために板厚の
下限は0.05mmに限定した。
【0050】鋼板表面に線状の溝を形成する場合には、
この最終冷延を終え製品板厚となった鋼板に対して行う
のがとりわけ有利である。すなわち、最終冷延板または
2次再結晶前後の鋼板の表面に、圧延方向と交差する向
きに2〜10mmの間隔で、幅:50〜500 μm 、深さ:0.1
〜50μm の線状の凹領域を形成させるのである。ここ
に、線状凹領域の間隔を2〜10mmの範囲に限定したの
は、2mmに満たないと鋼板凹凸があまりにも顕著で磁束
密度が低下し経済的でなくなり、一方10mmを超えると磁
区細分化効果が小さくなるからである。また、凹領域の
幅が50μm に満たないと反磁界効果を利用することが困
難となり、一方 500μm を超えると磁束密度が低下し経
済的でなくなるので、凹領域の幅は50〜500 μm の範囲
に限定した。さらに、凹領域の深さが 0.1μm に満たな
いと反磁界効果を効果的に利用することができず、一方
50μm を超えると磁束密度が低下し経済的でなくなるの
で、凹領域の深さは 0.1〜50μm の範囲に限定した。な
お、線状凹領域の形成方向は、圧延方向と直角方向すな
わち板幅方向とするのが最適であるが、板幅方向に対し
±30°以内であればほぼ同様の効果を得ることができ
る。
【0051】さらに、線状凹領域の形成方法としては、
最終冷延板の表面に、印刷によりエッチングレジストを
塗布、焼き付けた後、エッチング処理を施し、しかるの
ち該レジストを除去する方法が、従来のナイフの刃先や
レーザー等を用いる方法に比較して、工業的に安定して
実施できる点、および引張り張力により一層効果的に鉄
損を低減できる点で有利である。
【0052】以下、上記のエッチングによる線状溝形成
技術の典型例について具体的に説明する。最終冷延板の
表面に、アルキド系樹脂を主成分とするエッチングレジ
ストインキをグラビアオフセット印刷により、非塗布部
が圧延方向にほぼ直角に幅:200μm 、間隔:4mmで線
状に残存するように塗布したのち、 200℃で約20秒間焼
き付ける。このとき、レジスト厚は2μm 程度とする。
このようにしてエッチングレジストを塗布した鋼板に、
電解エッチングまたは化学エッチングを施すことによ
り、幅:200 μm 、深さ:20μm の線状の溝を形成し、
ついで有機溶剤中に浸漬してレジストを除去する。この
時の電解エッチング条件は、NaCl電解液中で電流密度:
10 A/dm2、処理時間:20秒程度、また化学エッチング条
件は、HNO3液中で浸漬時間:10秒間程度とすれば良い。
【0053】ついで、鋼板には脱炭焼鈍が施される。こ
の焼鈍は、冷延組織を1次再結晶組織にすると同時に、
最終焼鈍(仕上焼鈍とも呼ばれる)で{110}〈00
1〉方位の2次再結晶粒を発達させる場合に有害なCを
除去することを目的とし、例えば 750〜880 ℃の湿水素
中で行う。
【0054】最終焼鈍は、{110}〈001〉方位の
2次再結晶粒を十分発達させるために施されるもので、
通常箱焼鈍によって直ちに1000℃以上に昇温し、その温
度に保持することによって行われる。この最終焼鈍は通
常、マグネシア等の焼鈍分離剤を塗布して行い、表面に
フォルステライトと呼ばれる下地被膜も同時に形成す
る。しかしながら、この発明では、フォルステライト下
地被膜を形成させたとしても、次工程でこの下地被膜を
除去するため、かようなフォルステライト下地被膜を形
成させないような焼鈍分離剤の方が有利である。すなわ
ち、フォルステライト下地被膜を形成させる MgOの含有
比率を低減し(50%以下)、代わってかかる被膜を形成
させない CaO, Al2O3, CaSiO3, SiO2, PbCl3等の含有比
率を高く(50%以上)した焼鈍分離剤が有利である。
【0055】この発明において{110}〈001〉方
位に高度に集積した2次再結晶組織を発達させるために
は、 820℃から900 ℃の低温で保定焼鈍する方が有利で
あるが、その他、例えば 0.5〜15℃/h程度の昇温速度の
徐熱焼鈍でも良い。
【0056】ついで、鋼板表面のフォルステライト下地
被膜や酸化被膜を除去するが、本発明では、酸化被膜を
除去の際、またその後に平滑化処理を施す場合には少な
くともこの平滑化処理を施す際に、SiCl4 を含む水溶液
中で処理することが不可欠である。この場合に使用する
水溶液中の SiCl4濃度は 0.001〜5.0 mol/l 程度とする
ことが望ましい。というのは、この濃度より濃いと経済
的でなく、一方これより薄いと処理効果が小さいなるか
らである。また、この SiCl4を使用する際、表1の (B)
工程に示したように HClやH3PO4,H2SO4, HF 等を混入さ
せて使用するとか、あるいは他の塩化物化合物の併用、
例えば FeCl3やAlCl3 等を少量添加することを妨げるも
のではない。さらに、この場合の SiCl4を含む水溶液
は、電解液としても有効で、珪素鋼板の表面を弱電解処
理することも可能である。また、浸漬、電解処理に代え
て、この水溶液を鋼板上に直接噴射あるいは噴霧処理も
使用可能である。
【0057】なお、本発明では、珪素鋼板の表面を必ず
しも平滑化する必要はない。従ってこの場合には、コス
トアップを伴う平滑化処理を行わなくても、酸洗処理の
みで十分な鉄損低減効果を発揮できるという利点があ
る。とはいえ、やはり平滑化処理を施すことが有利であ
ることに変わりはない。また、この段階で鋼板表面に凹
形状の溝を導入することもできる。溝の導入方法は、最
終冷延板または2次再結晶前後の鋼板の表面に施す場合
と同じ方法を用いれば良い。
【0058】上記したような前処理を施した後、珪素鋼
板の表面を含N非酸化性雰囲気中に曝すいわゆる暴露処
理を施すことは有利である。というのは、かような暴露
処理によって鋼板の表面にはN濃化層が形成され(Siの
窒化・酸化物層が形成されていると考えられる)、これ
が被膜密着性の向上に有利に作用するからである。ま
た、このような暴露処理の代わりに、 500℃以上の非酸
化性雰囲気中で焼鈍処理を実施しても良い。
【0059】ついで、下地被膜として、リン酸塩とクロ
ム酸を主成分とする絶縁被膜あるいはリン酸塩とコロイ
ダルシリカを主成分とする張力絶縁被膜と同じ被膜成分
中にFe, Si, AlおよびBのうちから選んだ1種または2
種以上の窒化・酸化物を微細に分散させた極薄被膜を形
成する。この極薄下地被膜を形成するには、まず、リン
酸塩とコロイダルシリカを主成分とする張力絶縁被膜用
コーティング液を水で希釈し、この希釈液中にFe, Si,A
lおよびBのうちから選んだ1種または2種以上を含む
無機化合物を微量添加したものを処理液として用いる。
【0060】ここに、リン酸塩とコロイダルシリカを主
成分とする張力絶縁被膜用コーティング液としては、例
えば特公昭53-28375号公報に開示のような、コロイド状
シリカ:4〜16wt%、リン酸アルミニウム:3〜24wt
%、無水クロム酸および/またはクロム酸塩:0.2 〜4.
5 wt%を添加したコ−ティング液や、特公昭56-52117号
公報に開示のような、コロイド状シリカ:7〜24wt%、
リン酸マグネシウム:5〜30wt%(ただし、リン酸マグ
ネシウムとコロイド状シリカとのモル比:20/80〜30/
70)、さらに必要に応じて無水クロム酸、クロム酸塩お
よび/または重クロム酸塩:0.01〜5wt%を添加したコ
−ティング液が有利に適合する。
【0061】また、上記コーティング液の希釈程度につ
いては、1〜60%程度好ましくは10〜20%(例えば、15
00ccの水溶液中に 100〜1000ccのコーティング液を溶解
した程度の量)程度まで希釈することが好ましい。とい
うのは、本発明において、地鉄に強固に密着した下地被
膜を被成するためには、下地処理液中に含有させたFe,
Si, AlおよびB等の無機化合物を窒化・酸化物に変化さ
せる必要があるが、この下地処理液の濃度が濃すぎる
と、その際の処理雰囲気(好適には N2(50%)+H2(50%)混
合ガス雰囲気)では無機化合物をうまく窒化・酸化物に
変化させることが難しく、かかる窒化・酸化を効果的に
促進させるためには適量の水で希釈することが効果的だ
からである。
【0062】さらに、Fe, Si, AlおよびBのうちから選
んだ1種または2種以上を含む無機化合物の希釈液中に
おける添加量は、無機化合物の量にして5〜500 g程度
( 0.001〜0.5 mol/l 程度)とすることが好ましい。と
いうのは、これらの無機化合物の量が少なすぎるとその
効果を発揮することができず、一方多すぎる場合には経
済的でないだけでなく、かえって被膜特性が劣化するか
らである。ここに、上記した各種無機化合物のうち、Fe
を含む無機化合物としてはFeCl3,Fe(NO3)3等が、Siを含
む無機化合物としてはSiCl4, Na2SiO3等が、Alを含む無
機化合物としてはAlCl3, Al(NO3)3, AlPO4等が、Bを含
む無機化合物としてはH3BO 3, Na2B4O7等がとりわけ有利
に適合する。
【0063】なお、上記したような極薄被膜のベースと
しては、必ずしもリン酸塩とコロイダルシリカを主成分
とする張力絶縁被膜である必要はなく、リン酸塩とクロ
ム酸を主成分とする通常の絶縁被膜であっても良い。
【0064】さて、上記したような、張力絶縁被膜用コ
ーティング液の希釈液中にFe, Si,AlおよびB等の無機
化合物を微量添加した処理液を、鋼板表面に塗布・乾燥
することにより、地鉄表面に微量のFe, Si, AlおよびB
等の無機化合物を付着させたのち、好ましくは非酸化性
雰囲気中で短時間の熱処理を施して、該鋼板の表面に張
力絶縁被膜成分中にFe, Si, AlおよびB等の窒化・酸化
物を微細に分散させた極薄下地被膜を被成する。また、
本発明においては、上記したような短時間の熱処理は必
ずしも必要とはしない。というのは、このような短時間
の熱処理を施さなくても、その後の絶縁被膜形成時の熱
処理によって、鋼板表面に上記したようなFe, Si, Alお
よびB等の窒化・酸化物を微細に分散させた極薄下地被
膜が優先的に形成されるからである。
【0065】ここに、塗布方法としては、通常のロール
コーター等による塗布の他、鋼板そのものを処理液中に
漬ける浸漬方法、また処理液を鋼板表面に直接噴霧ある
いは噴射する方法、さらには電解処理法など公知の方法
いずれもが使用できる。処理温度は、常温でもかまわな
いが、より有効に付着させるためには50〜100 ℃程度の
温溶液中で処理する方が好ましい。また、浸漬処理を利
用する場合には、浸漬時間は1〜100 秒程度とすること
が望ましい。
【0066】ついで、水洗後、乾燥させたのち、微細な
Fe, Si, AlおよびB等の窒化・酸化物を鋼板の界面に形
成させるために、好ましくは非酸化性雰囲気中で短時間
の熱処理を施す。処理雰囲気としては、窒化の促進を図
るため含N非酸化性雰囲気とすることが好ましく、例え
ば(N2+H2)混合ガス雰囲気およびアンモニアを含む(N
H3+H2)混合雰囲気がとりわけ好適である。また、処理
温度は 200〜1100℃程度(好ましくは 500〜100 ℃程
度)、処理時間は1〜100 分間程度(好ましくは3〜30
分間程度)が好適である。
【0067】かくして、被膜中に微細に分散させたFe,
Si, AlおよびB等の窒化・酸化物の存在により、鋼板の
表面に強固に被着した極薄下地被膜を被成することがで
きる。なお、下地処理液の塗布量は、 0.001〜0.5 g/m2
程度とすることが好ましく、この程度の量を塗布したの
ち熱処理を施すことにより、最終的に 0.001〜3.0 μm
程度の好適厚みになる極薄下地被膜を得ることができ
る。
【0068】その後、上記した極薄下地被膜の表面に、
常法に従い、リン酸塩とコロイダルシリカを主成分とす
る張力絶縁被膜用コーティング液を塗布した後、 500〜
1000℃の温度で焼き付けて、張力絶縁被膜(0.5〜5μm
厚) を形成する。上記した張力絶縁被膜用のコーティン
グ液としては、前掲した特公昭53-28375号公報に開示さ
れた、コロイド状シリカとリン酸アルミニウムと無水ク
ロム酸等を主成分とするコ−ティング液や、特公昭56-5
2117号公報に開示された、コロイド状シリカとリン酸マ
グネシウムと無水クロム酸等を主成分とするコ−ティン
グ液が有利に適合するが、下地被膜の場合と同様、リン
酸塩とクロム酸を主成分とする通常の絶縁被膜用コ−テ
ィング液であっても良い。さらに、これらを混合した絶
縁被膜の使用も可能である。この場合、珪素鋼板に対し
て一層良好な傾斜機能を発揮させるためには、珪素鋼板
側には通常の絶縁被膜を被成し、その上に重ねて張力絶
縁被膜を被成することが有利である。
【0069】ここに、上記した極薄下地被膜とその上に
被成した張力絶縁被膜は同質であるので、これらの密着
性は極めて高く、それ故結果として、従来に比較して格
段に密着性に優れた張力絶縁被膜を鋼板の表面に被成す
ることができ、かくして鉄損の極めて低い一方向性珪素
鋼板を、生産性良く、また低コストの下で得ることがで
きるのである。
【0070】
【実施例】実施例1 C:0.075 wt%, Si:3.47wt%, Mn:0.068 wt%, Se:
0.020 wt%, Sb:0.025 wt%, Al:0.020 wt%, N:0.
0073wt%およびMo:0.012 wt%を含有し、残部は実質的
にFeの組成になる珪素鋼連鋳スラブを、1350℃で5時間
の加熱処理後、熱間圧延を施して厚み:2.2 mmの熱延板
とした。ついで1000℃の均一化焼鈍を施した後、1050℃
の中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延を施して0.23mm厚の最
終冷延板とした。ついで、 840℃の湿H2中で脱炭・1次
再結晶焼鈍を行った後、鋼板表面にCaO(10%), Al2O3(50
%), SiO2(40%)の組成になる焼鈍分離剤をスラリ−塗布
し、ついで 850℃で15時間の焼鈍後、 850℃から12℃/h
の速度で1100℃まで昇温してゴス方位に強く集積した2
次再結晶粒を発達させた後、1220℃の乾H2中で純化処理
を施した。
【0071】かくして得られたフォルステライト系下地
被膜を形成さない珪素鋼板に、1500ccの蒸留水中に SiC
l4:50ccを溶解させた80℃の水溶液中に60秒間浸積させ
る酸洗処理を施して、表面の酸化物を除去した後、 950
℃で5分間 N2(50%)+H2(50%) 混合ガス中で処理した。
その後、リン酸マグネシウムとコロイダルシリカを主成
分とする張力絶縁被膜用コーティング液:250 ccを1500
ccの蒸留水で薄めた希釈液中に SiCl4:20cc,AlPO4:10
g, H3BO4:10gを複合添加した処理液(80℃)中に20
秒間浸漬したのち、 N2(93%)+H2(7%)混合ガス中におい
て 900℃で5分間の熱処理を施し、厚み:0.3 μm の下
地被膜を形成した。その後、鋼板表面にリン酸マグネシ
ウムとコロイダルシリカを主成分とする張力絶縁被膜用
コーティング液を、塗布・乾燥後、800 ℃で焼き付け
て、厚み:約2μm の張力絶縁被膜を被成した。
【0072】かくして得られた製品の磁気特性、密着性
および磁歪特性は次のとおりであった。 磁気特性 B8 : 1.94 T W17/50 : 0.62 W/kg 密着性 直径:20mmの丸棒上での 180°曲げを行っても剥離が無く、良好 であった。 磁歪特性 圧縮応力σ=0.4 kg/mm2の時の磁気ひずみλPP= 0.7×10-6 〃 =0.6 kg/mm2の時の磁気ひずみλPP= 1.2×10-6 であり良好な値を示した。
【0073】実施例2 C:0.077 wt%, Si:3.46wt%, Mn:0.070 wt%, Se:
0.019 wt%, Sb:0.025 wt%, Al:0.020 wt%, N:0.
0074wt%およびMo:0.013 wt%を含有し、残部は実質的
にFeの組成になる珪素鋼連鋳スラブを、1350℃で5時間
の加熱処理後、熱間圧延を施して厚み:2.0 mmの熱延板
とした。ついで1000℃の均一化焼鈍を施した後、1030℃
の中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延を施して0.23mm厚の最
終冷延板とした。ついで、最終冷延板の表面に、アルキ
ド系樹脂を主成分とするエッチングレジストインキをグ
ラビアオフセット印刷により、非塗布部が圧延方向とほ
ぼ直角な方向に幅:200 μm 、圧延方向の間隔:4mmで
線状に残存するように塗布したのち、200 ℃で約20秒間
焼付けた。このときのレジスト厚は2μm であった。こ
のようにしてエッチングレジストを塗布した鋼板に、電
解エッチングを施すことにより、幅:200 μm 、深さ:
20μm の線状の溝を形成し、ついで有機溶剤中に浸漬し
てレジストを除去した。この時の電解エッチングは、Na
Cl電解液中で電流密度:10 A/dm2、処理時間:20秒間の
条件で行った。
【0074】その後、 850℃の湿H2中で脱炭・1次再結
晶焼鈍を行った後、鋼板表面にMgO(5%), CaO(25%),Al2O
3(30%), CaSiO3(10%), SiO2(30%) の組成になる焼鈍分
離剤をスラリ−塗布し、ついで 850℃で15時間の焼鈍
後、 850℃から12℃/hの速度で1050℃まで昇温してゴス
方位に強く集積した2次再結晶粒を発達させた後、1220
℃の乾H2中で純化処理を施した。
【0075】かくして得られたフォルステライト系被膜
を形成させない珪素鋼板の表面を、次の二つの条件で処
理した。 1500cc の蒸留水中に SiCl4:45ccと FeCl3:10gを
混入させた85℃の水溶液中に60秒間浸積した。 の条件で処理した後、さらに鋼板の表面を(3%HF
+97%H2O2)の混合液中で化学研磨した。 ついで、それぞれの鋼板を、1500ccの蒸留水中に SiC
l4:20ccを混入させた80℃の水溶液中に20秒間浸積した
のち、 950℃の N2(50%)+H2(50%) 混合ガス中で熱処理
した。
【0076】その後、リン酸マグネシウムとコロイダル
シリカを主成分とする張力絶縁被膜用コーティング液:
250 ccを1500ccの蒸留水で薄めた希釈液中に SiCl4:25
cc,AlCl3:5g, H3BO4:10gを複合添加した処理液
(80℃)中に20秒間浸漬したのち、 N2(93%)+H2(7%)混
合ガス中において 900℃で10分間の熱処理を施し、厚
み:0.5 μm の下地被膜を形成した。その後、鋼板表面
にリン酸マグネシウムとコロイダルシリカを主成分とす
る張力絶縁被膜用コーティング液を、塗布・乾燥後、80
0 ℃で焼き付けて、厚み:約1.5μm の張力絶縁被膜を
被成した。
【0077】かくして得られた製品の磁気特性および密
着性は次のとおりであった。 の条件で処理して得た珪素鋼板 磁気特性 B8 : 1.91 T W17/50 : 0.62 W/kg 密着性 直径:20mmの丸棒上での 180°曲げを行っても剥離が無く、良好 であった。 の条件で処理して得た珪素鋼板 磁気特性 B8 : 1.91 T W17/50 : 0.57 W/kg 密着性 直径:20mmの丸棒上での 180°曲げを行っても剥離が無く、良好 であった。
【0078】実施例3 C:0.044 wt%, Si:3.37wt%, Mn:0.069 wt%, Se:
0.021 wt%, Sb:0.024 wt%およびMo:0.012 wt%を含
有し、残部は実質的にFeの組成になる珪素鋼連鋳スラブ
を、1320℃で4時間加熱処理後、熱間圧延を施して厚
み:2.4 mmの熱延板とした。ついで、 950℃の均一化焼
鈍後、1000℃の中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延を施して
0.23mm厚の最終冷延板とした。その後、最終冷延板の表
面に、アルキド系樹脂を主成分とするエッチングレジス
トインキをグラビアオフセット印刷により、非塗布部が
圧延方向とほぼ直角な方向に幅:200 μm 、圧延方向の
間隔:4mmで線状に残存するように塗布したのち、200
℃で約20秒間焼付けた。このときのレジスト厚は2μm
であった。このようにしてエッチングレジストを塗布し
た鋼板に、電解エッチングを施すことにより、幅:200
μm 、深さ:20μm の線状の溝を形成し、ついで有機溶
剤中に浸漬してレジストを除去した。この時の電解エッ
チングは、NaCl電解液中で電流密度:10 A/dm2、処理時
間:20秒間の条件で行った。
【0079】ついで、840 ℃の湿H2中で脱炭・1次再結
晶焼鈍を行った後、鋼板表面にMgO(5%), Al2O3(50%), C
aSiO3(15%), SiO2(30%)の焼鈍分離剤をスラリ−塗布
し、ついで 850℃ で50時間の保定焼鈍によりゴス方位
に強く集積した2次再結晶粒を発達させた後、1220℃の
乾H2中で純化処理を施した。
【0080】かくして得られたフォルステライト系下地
被膜を形成させない珪素鋼板を、1500ccの蒸留水中に S
iCl4:55ccを混入させた85℃の水溶液中に60秒間浸積し
た。その後、さらに珪素鋼板を、1500ccの蒸留水中に S
iCl4:15ccを混入させた90℃の水溶液中に15秒間浸積し
た後、 900℃の N2(50%)+H2(50%) 混合ガス中で処理し
た。その後、リン酸アルミニウムとコロイダルシリカを
主成分とする張力絶縁被膜用コーティング液:200 ccを
2000ccの蒸留水で薄めた希釈液中に SiCl4:20ccを添加
した処理液(85℃)中に40秒間浸漬したのち、 N2(93%)
+H2(7%)混合ガス中において 950℃で3分間の熱処理を
施し、厚み:0.4 μm の下地被膜を形成した。その後、
鋼板表面にリン酸アルミニウムとコロイダルシリカを主
成分とする張力絶縁被膜用コーティング液を、塗布・乾
燥後、800 ℃で焼き付けて、厚み:約2.5μm の張力絶
縁被膜を被成した。
【0081】かくして得られた製品の磁気特性および密
着性は次のとおりであった。 磁気特性 B8 : 1.88 T W17/50 : 0.65 W/kg 密着性 直径:20mmの丸棒上での 180°曲げを行っても剥離が無く、良好 であった。 その後、この製品に 800℃での2時間の歪み取り焼鈍を
行った時の磁気特性は次のとおりであった。 磁気特性 B8 : 1.88 T W17/50 : 0.64 W/kg
【0082】実施例4 C:0.073 wt%, Si:3.42wt%, Mn:0.076 wt%, Se:
0.020 wt%, Sb:0.025 wt%, Al:0.020 wt%, N:0.
0074wt%およびMo:0.012 wt%を含有し、残部は実質的
にFeの組成になる珪素鋼連鋳スラブを、1340℃で5時間
の加熱処理後、熱間圧延を施してて厚み:2.0 mmの熱延
板とした。ついで1000℃の均一化焼鈍を施した後、1030
℃の中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延を施して0.23mm厚の
最終冷延板とした。ついで、最終冷延板の表面に、アル
キド系樹脂を主成分とするエッチングレジストインキを
グラビアオフセット印刷により、非塗布部が圧延方向と
ほぼ直角な方向に幅:200 μm 、圧延方向の間隔:4mm
で線状の残存するように塗布したのち、200 ℃で約20秒
間焼付けた。このときのレジスト厚は2μm であった。
このようにしてエッチングレジストを塗布した鋼板に、
電解エッチングを施すことにより、幅:200 μm 、深
さ:20μm の線状の溝を形成し、ついで有機溶剤中に浸
漬してレジストを除去した。この時の電解エッチング
は、NaCl電解液中で電流密度:10 A/dm2、処理時間:20
秒間の条件で行った。
【0083】その後、 850℃の湿H2中で脱炭・1次再結
晶焼鈍を行った後、鋼板表面にMgO(5%), CaO(25%),Al2O
3(30%), CaSiO3(10%), SiO2(20%), PbCl2(10%) の組成
になる焼鈍分離剤をスラリ−塗布し、ついで 850℃で15
時間の焼鈍後、 850℃から12℃/hの速度で1050℃まで昇
温してゴス方位に強く集積した2次再結晶粒を発達させ
た後、1220℃の乾H2中で純化処理を施した。
【0084】かくして得られたフォルステライト系被膜
を形成させない珪素鋼板の表面を、次の二つの条件で処
理した。 1500cc の蒸留水中に HCl:30ccと H3PO4:25ccと S
iCl4:25ccを混入させた85℃の水溶液中に60秒間浸積し
た。 の条件で処理した後、さらに鋼板の表面を(3%HF
+97%H2O2)の混合液中で化学研磨した。 ついで、それぞれの鋼板を、1500ccの蒸留水中に SiC
l4:20ccを混入させた80℃の水溶液中に20秒間浸積し
た。
【0085】その後、リン酸マグネシウムとクロム酸を
主成分とする絶縁被膜用コーティング液:250 ccを1500
ccの蒸留水で薄めた希釈液中に SiCl4:25cc, AlCl3
5g, H3BO4:10gを複合添加した処理液(80℃)中に
20秒間浸漬し、厚み:0.3 μm の下地被膜分を塗布し
た。その後、鋼板表面にリン酸マグネシウムとクロム酸
を主成分とする絶縁被膜用コーティング液を 0.5μm 厚
みで形成した後、さらにその上にコロイダルシリカとリ
ン酸マグネシウムを主成分とする張力絶縁被膜用コーテ
ィング液を、塗布・乾燥後、800 ℃で焼き付けて、厚
み:約 1.0μm の張力絶縁被膜を被成した。
【0086】かくして得られた製品の磁気特性および密
着性は次のとおりであった。 の条件で処理して得た珪素鋼板 磁気特性 B8 : 1.91 T W17/50 : 0.65 W/kg 密着性 直径:20mmの丸棒上での 180°曲げを行っても剥離が無く、良好 であった。 の条件で処理して得た珪素鋼板 磁気特性 B8 : 1.91 T W17/50 : 0.62 W/kg 密着性 直径:20mmの丸棒上での 180°曲げを行っても剥離が無く、良好 であった。
【0087】実施例5 C:0.076 wt%, Si:3.32wt%, Mn:0.071 wt%, Se:
0.020 wt%, Sb:0.025 wt%, Al:0.020 wt%, N:0.
0068wt%およびMo:0.012 wt%を含有し、残部は実質的
にFeの組成になる珪素鋼連鋳スラブを、1350℃で4 時間
の加熱処理後、熱間圧延を施してて厚み:2.0 mmの熱延
板とした。ついで1000℃の均一化焼鈍を施した後、1050
℃の中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延を施して0.23mm厚の
最終冷延板とした。ついで、最終冷延板の表面に、アル
キド系樹脂を主成分とするエッチングレジストインキを
グラビアオフセット印刷により、非塗布部が圧延方向と
ほぼ直角な方向に幅:200 μm 、圧延方向の間隔:4mm
で線状に残存するように塗布したのち、200 ℃で約20秒
間焼付けた。このときのレジスト厚は2μm であった。
このようにしてエッチングレジストを塗布した鋼板に、
電解エッチングを施すことにより、幅:200 μm 、深
さ:20μm の線状の溝を形成し、ついで有機溶剤中に浸
漬してレジストを除去した。この時の電解エッチング
は、NaCl電解液中で電流密度:10 A/dm2、処理時間:20
秒間の条件で行った。
【0088】その後、 840℃の湿H2中で脱炭・1次再結
晶焼鈍を行った後、鋼板表面にMgO(5%), CaO(25%),Al2O
3(30%), CaSiO3(10%), SiO2(20%), PbCl2(10%) の組成
になる焼鈍分離剤をスラリ−塗布し、ついで 850℃で15
時間の焼鈍後、 850℃から12℃/hの速度で1080℃まで昇
温してゴス方位に強く集積した2次再結晶粒を発達させ
た後、1220℃の乾H2中で純化処理を施した。
【0089】かくして得られた珪素鋼板の試料は、1500
ccの蒸留水中に HCl:30ccと H3PO4:25ccと SiCl4:25
ccを混入させた 85℃の水溶液中に60秒間浸積した。そ
の後、さらに鋼板の表面を(3%HF+97%H2O2)の混合液中
で化学研磨した。ついで、珪素鋼板の試料は、真空グロ
−ボックスを使用して、N2 雰囲気中で以下の処理を行
った。すなわち、珪素鋼板を、1500ccの蒸留水中に SiC
l4:20ccを混入させた90℃の水溶液中に10秒間浸積した
後、N2 雰囲気中に5秒間曝した。そして、この処理を
3回繰り返し行った。
【0090】その後、リン酸マグネシウムとクロム酸を
主成分とする絶縁被膜用コーティング液:250 ccを1500
ccの蒸留水で薄めた希釈液中に SiCl4:25cc, AlCl3
5g, H3BO4:10gを複合添加した処理液(80℃)中に
20秒間浸漬し、厚み:0.3 μm の下地被膜分を塗布し
た。その後、鋼板表面にリン酸マグネシウムとクロム酸
を主成分とする絶縁被膜用コーティング液を 0.5μm 厚
みで形成した後、さらにその上にコロイダルシリカとリ
ン酸マグネシウムを主成分とする張力絶縁被膜用コーテ
ィング液を、塗布・乾燥後、800 ℃で焼き付けて、厚
み:約 1.0μm の張力絶縁被膜を被成した。
【0091】かくして得られた製品の磁気特性および密
着性は次のとおりであった。 このように処理して得た珪素鋼板 磁気特性 B8 : 1.91 T W17/50 : 0.62 W/kg 密着性 直径:20mmの丸棒上での 180°曲げを行っても剥離が無く、良好 であった。
【0092】
【発明の効果】かくして、本発明によれば、鉄損特性お
よび磁歪特性に優れた一方向性珪素鋼板を、従来に比べ
て極めて安価にしかも生産性良く得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】化学研磨材と SiCl 材の表面N濃度を比較して
示したグラフである。
【図2】極薄下地被膜中に分散させたSiの窒化・酸化物
中における酸化物組成を示した図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板厚が0.05〜0.5 mmの仕上焼鈍済みの一
    方向性珪素鋼板について、その表面の酸化物を除去し、
    ついで必要に応じて平滑化処理を施した後、リン酸塩と
    クロム酸を主成分とする絶縁被膜あるいはリン酸塩とコ
    ロイダルシリカを主成分とする張力絶縁被膜用コーティ
    ング液を水で薄めた希釈液中にFe, Si, AlおよびBのう
    ちから選んだ1種または2種以上を含む無機化合物を微
    量添加した処理液を、塗布・乾燥することにより、鋼板
    表面に微量のFe, Si, AlおよびBのうちから選んだ1種
    または2種以上を含む無機化合物を付着させたのち、常
    法に従ってリン酸塩とコロイダルシリカを主成分とする
    張力絶縁被膜を被成する一連の工程からなる超低鉄損一
    方向性珪素鋼板の製造方法において、 上記した酸化物の除去処理および/または平滑化処理
    を、SiCl4 を含む水溶液を用いて行うことを特徴とする
    超低鉄損一方向性珪素鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 板厚が0.05〜0.5 mmの仕上焼鈍済みの一
    方向性珪素鋼板について、その表面の酸化物を除去し、
    ついで必要に応じて平滑化処理を施した後、リン酸塩と
    クロム酸を主成分とする絶縁被膜あるいはリン酸塩とコ
    ロイダルシリカを主成分とする張力絶縁被膜用コーティ
    ング液を水で薄めた希釈液中にFe, Si, AlおよびBのう
    ちから選んだ1種または2種以上を含む無機化合物を微
    量添加した処理液を、塗布・乾燥することにより、鋼板
    表面に微量のFe, Si, AlおよびBのうちから選んだ1種
    または2種以上を含む無機化合物を付着させたのち、非
    酸化性雰囲気中で短時間の熱処理を施して、該鋼板の表
    面に、絶縁被膜成分または張力絶縁被膜成分中にFe, S
    i, AlおよびBのうちから選んだ1種または2種以上の
    窒化・酸化物を微細に分散させた極薄下地被膜を被成
    し、ついで常法に従ってリン酸塩とコロイダルシリカを
    主成分とする張力絶縁被膜を被成する一連の工程からな
    る超低鉄損一方向性珪素鋼板の製造方法において、 上記した酸化物の除去処理および/または平滑化処理
    を、SiCl4 を含む水溶液を用いて行うことを特徴とする
    超低鉄損一方向性珪素鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、SiCl4 を含
    む水溶液を用いて酸化物の除去処理および/または平滑
    化処理を行ったのち、鋼板表面を含N非酸化性雰囲気中
    に曝す暴露処理を行うことを特徴とする超低鉄損一方向
    性珪素鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1,2または3において、鋼板の
    地鉄表面に、圧延方向と交差する向きに2〜10mmの間隔
    で、幅:50〜500 μm 、深さ:0.1 〜50μmの線状の凹
    領域を設けたことを特徴とする超低鉄損一方向性珪素鋼
    板。
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