JP2002231238A - アルカリ蓄電池用ニッケル極及びアルカリ蓄電池 - Google Patents
アルカリ蓄電池用ニッケル極及びアルカリ蓄電池Info
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Abstract
ーストを導電性芯体に塗布し乾燥させたアルカリ蓄電池
用ニッケル極を正極に使用したアルカリ蓄電池におい
て、高温環境下における充放電サイクル特性を向上させ
る。 【解決手段】 水酸化ニッケルからなる活物質粒子を含
むペーストを導電性芯体に塗布し、これを乾燥させたア
ルカリ蓄電池用ニッケル極1において、上記の活物質粒
子の表面に、コバルト又はその化合物からなる導電剤を
添加又は被覆させると共にタンタル又はその化合物の粉
末を添加させるようにし、またこのアルカリ蓄電池用ニ
ッケル極をアルカリ蓄電池の正極に用いた。
Description
蓄電池、ニッケル−カドミウム蓄電池等のアルカリ蓄電
池及びこのようなアルカリ蓄電池の正極に使用するアル
カリ蓄電池用ニッケル極に係り、特に、水酸化ニッケル
からなる活物質粒子を含むペーストを導電性芯体に塗布
し、これを乾燥させたアルカリ蓄電池用ニッケル極を改
善して、高温環境下におけるアルカリ蓄電池の充放電サ
イクル特性を向上させた点に特徴を有するものである。
−カドミウム蓄電池に代表されるアルカリ蓄電池におい
ては、その正極として、一般に水酸化ニッケルを活物質
に用いたアルカリ蓄電池用ニッケル極が使用されてい
た。
ケル極においては、活物質として使用する水酸化ニッケ
ルの導電性が低いため、一般に、芯金となる穿孔鋼鈑等
にニッケル粉末を充填させて焼結させた焼結基板に、活
物質である水酸化ニッケルを含浸させた焼結式のニッケ
ル極が用いられていた。
場合、ニッケル粉末における粒子間の結合が弱く、基板
における多孔度を高くすると、ニッケル粉末が脱落しや
すくなるため、実用上、基板の多孔度を80%程度とす
るのが限界で、活物質の水酸化ニッケルを多くの充填さ
せることができず、容量の大きなアルカリ蓄電池を得る
ことが困難であった。
孔鋼板等の芯金を使用するため、一般に活物質の充填密
度が小さく、さらに、焼結により形成されたニッケル粉
末の細孔は10μm以下と小さいため、活物質を充填さ
せるにあたっては、煩雑な工程を数サイクルも繰り返す
溶液含浸法を用いなければならず、その生産性が悪い等
の問題というもあった。
粒子にメチルセルロース等の結合剤の水溶液を加えて混
練させたペーストを、発泡ニッケル等の多孔度の大きい
導電性芯体に塗布し、これを乾燥させたペースト式のア
ルカリ蓄電池用ニッケル極が用いられるようになった。
蓄電池用ニッケル極の場合、多孔度が95%以上の導電
性芯体を用いることができ、導電性芯体に多くの活物質
を充填させて、容量の大きなアルカリ蓄電池を得ること
ができると共に、導電性芯体に対して活物質を簡単に充
填させることができ、生産性も向上した。
蓄電池用ニッケル極において、導電性芯体に多くの活物
質を充填させるために、多孔度の大きい導電性芯体を用
いると、この導電性芯体における集電性が悪くなって、
活物質の利用率が低下するという問題があった。
ースト式のアルカリ蓄電池用ニッケル極において、上記
の水酸化ニッケルからなる活物質粒子に、導電剤とし
て、金属コバルト、コバルトの酸化物や水酸化物からな
るコバルト化合物を添加し、充電により上記の金属コバ
ルトやコバルト化合物をオキシ水酸化コバルトβ−Co
OOHに酸化させ、これにより電極内における導電性を
高めて、活物質の利用率を向上させることが行われるよ
うになった。
る活物質粒子に、導電剤として金属コバルトやコバルト
化合物を添加させた場合においても、このペースト式の
アルカリ蓄電池用ニッケル極をアルカリ蓄電池の正極に
用い、高温環境下において充放電を行うと、放電時にお
ける放電深度が深くなり、前記のように金属コバルトや
コバルト化合物が酸化されたオキシ水酸化コバルトが水
酸化コバルトに還元され、このように還元された水酸化
コバルトがアルカリ蓄電池におけるアルカリ電解液中に
HCoO2 -として溶解された後、これが活物質粒子の表
面に析出するようになった。
ルカリ電解液中に溶解して析出する場合、その速度が早
いため、上記のように高温環境下において充放電を何度
も繰り返して行うと、水酸化コバルトが水酸化ニッケル
からなる活物質粒子の表面に均一に析出されなくなっ
て、水酸化コバルトが活物質粒子の表面において偏析す
ると共に、水酸化コバルトの一部が活物質粒子の細孔内
に拡散し、これによりアルカリ蓄電池用ニッケル極にお
ける導電性が次第に低下し、高温環境下における充放電
サイクル特性が悪くなるという問題があった。
ッケルからなる活物質粒子を含むペーストを導電性芯体
に塗布し、これを乾燥させたアルカリ蓄電池用ニッケル
極及びこのアルカリ蓄電池用ニッケル極を正極に用いた
アルカリ蓄電池における上記のような問題を解決するこ
とを課題とするものである。
うなアルカリ蓄電池用ニッケル極を正極に用いたアルカ
リ蓄電池を、高温環境下において充放電させた場合にお
いて、このアルカリ蓄電池の放電容量が低下するのを抑
制し、高温環境下における充放電サイクル特性を向上さ
せることを課題とするものである。
リ蓄電池用ニッケル極においては、上記のような課題を
解決するため、水酸化ニッケルからなる活物質粒子を含
むペーストを導電性芯体に塗布し、これを乾燥させたア
ルカリ蓄電池用ニッケル極において、上記の活物質粒子
の表面に、コバルト又はその化合物からなる導電剤を添
加させると共に、タンタル又はその化合物の粉末を添加
させるようにしたのである。
用ニッケル極のように、水酸化ニッケルからなる活物質
粒子の表面に、コバルト又はその化合物からなる導電剤
を添加させると、この導電剤により電極内における集電
性が高くなり、活物質の利用率が向上する。
ニッケル極のように、水酸化ニッケルからなる活物質粒
子の表面にコバルト又はその化合物からなる導電剤を添
加又は被覆させると共に、タンタル又はその化合物の粉
末を添加させると、このアルカリ蓄電池用ニッケル極を
アルカリ蓄電池の正極に用い、このアルカリ蓄電池を高
温環境下において充放電させた場合において、放電時に
上記のコバルト又はその化合物からなる導電剤が水酸化
コバルトに還元されたとしても、この水酸化コバルトが
アルカリ電解液中に溶解して析出する速度が遅くなり、
水酸化コバルトが活物質粒子の表面において偏析するの
が防止されると共に、水酸化コバルトの一部が活物質粒
子の細孔内に拡散するのも抑制され、高温環境下におけ
る充放電サイクル特性が向上する。
用ニッケル極において、水酸化ニッケルからなる活物質
粒子の表面に添加又は被覆させる導電剤としては、例え
ば、金属コバルト,水酸化コバルト,一酸化コバルト,
オキシ水酸化コバルト,ナトリウム含有コバルト酸化物
等を用いることができ、またこのような導電剤により電
極内における集電性を高めるためには、このような導電
剤を水酸化ニッケルからなる活物質粒子の表面に単に添
加させるよりも、活物質粒子の表面を被覆するように導
電剤の層を設けるようにすることが好ましい。
含有コバルト酸化物を用いると、このナトリウム含有コ
バルト酸化物が金属コバルトや他のコバルト化合物に比
べて導電性が高いため、水酸化ニッケルからなる活物質
の利用率がさらに向上すると共に、高温での放電時に、
このナトリウム含有コバルト酸化物が水酸化コバルトに
還元されてアルカリ電解液中に溶解することが少なくな
り、高温環境下における充放電サイクル特性がさらに向
上する。なお、このナトリウム含有コバルト酸化物の化
学的構造は定かではないが、極めて高い電気伝導性を有
することから、コバルト酸化物とナトリウムとの単なる
混合物ではなく、コバルト酸化物の結晶中にナトリウム
が挿入された構造になった層間化合物であると考えられ
る。
子の表面に、上記のような導電剤の層を設けるにあたっ
ては、水酸化ニッケル粉末に対して、金属コバルト粉末
や水酸化コバルト粉末や一酸化コバルト粉末を加え、こ
れを不活性ガス雰囲気中において、圧縮磨砕粉砕機によ
り乾式混合するメカニカルチャージ法によって形成する
ことができる。
の表面に水酸化コバルトの層を形成するにあたっては、
硫酸コバルト等のコバルト塩水溶液に水酸化ニッケル粉
末を添加し、これを撹拌しながら水酸化ナトリウム水溶
液等のアルカリ水溶液を滴下してpHを11程度にし、
その後、撹拌しながら所定時間反応させて、水酸化コバ
ルトを水酸化ニッケル粒子の表面に析出させることによ
り形成することもできる。
の表面にオキシ水酸化コバルトの層を形成するにあたっ
ては、例えば、上記のようにして水酸化ニッケルからな
る活物質粒子の表面に水酸化コバルト層を形成した後、
これを40℃程度に加熱した過酸化水素水と反応させ
て、水酸化コバルトを酸化させることにより形成するこ
とができる。
の表面にナトリウム含有コバルト酸化物の層を形成する
にあたっては、例えば、活物質粒子の表面に金属コバル
ト層や水酸化コバルト層や一酸化コバルト層やオキシ水
酸化コバルト層を形成し、その後、これに水酸化ナトリ
ウム水溶液を添加し、酸素存在下において50〜200
℃の温度で加熱処理することによって形成することがで
きる。
50〜200℃にするのは、加熱処理する温度が50℃
未満の場合には、電気伝導性の低いCoHO2 が析出す
る一方、加熱処理する温度が200℃を超えた場合に
は、電気伝導性の低い四酸化三コバルトCo3 O4 が析
出し、何れの場合にも導電性の高い導電層が得られなく
なるためである。なお、活物質粒子の表面にオキシ水酸
化コバルトの粒子を添加させたり、オキシ水酸化コバル
トの層を形成した場合には、50℃未満の温度で加熱処
理してもCoHO2 が析出することはないが、ナトリウ
ムが含有されにくくなって導電性の高い導電層が得られ
なくなる。ここで、上記のように加熱処理する時間につ
いては特に限定されず、使用する水酸化ナトリウムの濃
度や加熱処理する温度等によって適宜変更させるように
し、一般的には0.5〜10時間加熱処理させるように
する。
物質粒子の表面に、タンタル又はその化合物の粉末を添
加させるにあたって、その添加量が少なくなると、高温
環境下において充放電サイクル特性が低下するのを十分
に抑制することができなくなる一方、その添加量が多く
なり過ぎると、アルカリ蓄電池用ニッケル極中における
水酸化ニッケルの割合が少なくなって放電容量が減少す
る。このため、水酸化ニッケルからなる活物質粒子の表
面に上記の導電層が形成された全体の重量に対して、添
加させたタンタル又はその化合物の粉末中におけるタン
タル元素の量が0.2〜4.0重量%の範囲になるよう
にすることが好ましい。なお、上記のタンタルの化合物
としては、例えば、Ta2 O5 やTa2 O5 ・nH2 O
等を用いることができる。
の粒径が大きくなると、導電層が形成された活物質粒子
の表面に対して接触するタンタルやその化合物の粉末の
面積が少なくなって、十分な効果が得られなくたるた
め、タンタルやその化合物の粉末として、平均粒径が1
00μm以下のものを用いることが好ましい。
用ニッケル極において、上記の水酸化ニッケルからなる
活物質粒子中に、亜鉛,コバルト,カルシウム,マグネ
シウム,アルミニウム,マンガン,イットリウム及びイ
ッテルビウムよりなる群から選択される少なくとも1種
の元素を固溶させ、上記の水酸化ニッケルにおけるニッ
ケルとこの元素との総量に対するこの元素の割合を10
原子%以下にすると、固溶させた元素の作用により、ア
ルカリ電解液中におけるカリウムイオン等が活物質であ
る水酸化ニッケルの結晶中にインターカレーションされ
るのが抑制され、アルカリ電解液のドライアウトによる
充放電容量の低下が抑制されるようになる。
ニッケル極において、上記のようにナトリウム含有コバ
ルト酸化物からなる導電層が形成された活物質粒子の表
面に対して、タンタルやタンタル化合物の粉末の他に、
イットリウム,イッテルビウム,カルシウム,アルミニ
ウム,エルビウム,ガドリニウム,ツリウム,ルテチウ
ム,亜鉛,ニオブ及びタングステンよりなる群から選ば
れた少なくとも1種の元素又はその化合物の粉末を添加
させると、高温環境下における充放電サイクル特性がよ
り一層向上されるようになる。
ニッケル極において、上記のような活物質粒子を含むペ
ーストを塗布させる導電性芯体としては、例えば、ニッ
ケル発泡体、フェルト状金属繊維体、パンチングメタル
等を用いることができる。
ケル極を正極に使用したアルカリ蓄電池としては、負極
に水素吸蔵合金電極を用いたニッケル−水素蓄電池、負
極にカドミウム電極を用いたニッケル−カドミウム蓄電
池、負極に亜鉛電極を用いたニッケルー亜鉛蓄電池等が
挙げられる。
ケル極及びこのアルカリ蓄電池用ニッケル極を正極に用
いたアルカリ蓄電池について実施例を挙げて具体的に説
明すると共に、この実施例におけるアルカリ蓄電池にお
いては、高温での充放電サイクル特性が向上することを
比較例を挙げて明らかにする。なお、この発明における
アルカリ蓄電池用ニッケル極及びアルカリ蓄電池は、下
記の実施例に示したものに限定されるものではなく、そ
の要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施でき
るものである。
リ蓄電池用ニッケル極を作製するにあたり、26.25
gの硫酸コバルトを溶解させた1リットルの硫酸コバル
ト水溶液に、活物質である水酸化ニッケルの粉末を10
0g加え、これを撹拌しながら10重量%の水酸化ナト
リウム水溶液を加えて、この溶液のpHを11に調整し
ながら1時間撹拌を続けた後、沈殿物を濾取し、この沈
殿物を水洗した後、真空乾燥させて、活物質である水酸
化ニッケル粒子の表面に水酸化コバルトの層が形成され
た粉末を得た。
化コバルトの層が形成された粉末と、25重量%の水酸
化ナトリウム水溶液とを1:10の重量比で混合し、こ
れを90℃で5時間加熱処理した後、これを水洗し、6
0℃で乾燥させて、活物質である水酸化ニッケル粒子の
表面にナトリウム含有コバルト酸化物からなる導電層が
形成された粉末を得た。
化ニッケル粒子の表面にナトリウム含有コバルト酸化物
からなる導電層を形成した場合、活物質である水酸化ニ
ッケル粒子に対する導電層中におけるコバルト元素の量
は4重量%であった。
物からなる導電層中におけるナトリウムの量を調べるた
め、上記の場合とほぼ同様に、水酸化コバルト粉末と2
5重量%の水酸化ナトリウム水溶液とを1:10の重量
比で混合し、これを90℃で5時間加熱処理した後、こ
れを水洗し、60℃で乾燥させてナトリウム含有コバル
ト酸化物を作製し、このナトリウム含有コバルト酸化物
について原子吸光分析によりナトリウムの量を求めたと
ころ、ナトリウム含有コバルト酸化物中におけるナトリ
ウム元素の量は1重量%であり、また酸化還元滴定によ
り求めたコバルトの価数は3.1であった。
粒子の表面にナトリウム含有コバルト酸化物からなる導
電層が形成された粉末に対して、タンタル化合物である
平均粒径が1μmのTa2 O5 粉末を100:2.4の
重量比で混合させ、この混合物100重量部に対して、
結着剤として1重量%のメチルセルロース水溶液を20
重量部加え、これを混練してペーストを調製し、このペ
ーストを導電性芯体である発泡ニッケル(多孔度95
%、平均孔径200μm)に充填し、これを乾燥させ、
加圧成型して、アルカリ蓄電池用ニッケル極を作製し
た。なお、このアルカリ蓄電池用ニッケル極において
は、上記のようにナトリウム含有コバルト酸化物からな
る導電層が形成された水酸化ニッケル粒子全体の重量に
対して、Ta2O5 粉末中におけるタンタル元素の量が
2重量%になっていた。
蓄電池用ニッケル極を正極に使用する一方、負極に一般
に用いられているペースト式カドミウム極を、セパレー
タにポリアミド不織布を、アルカリ電解液に30重量%
の水酸化カリウム水溶液を使用し、図1に示すようなA
Aサイズのアルカリ蓄電池を作製した。
っては、図1に示すように、上記の正極1と負極2との
間にセパレータ3を介在させ、これらをスパイラル状に
巻いて電池缶4内に収容させた後、この電池缶4内に上
記のアルカリ電解液を注液して封口し、正極1を正極リ
ード5を介して正極蓋6に接続させると共に、負極2を
負極リード7を介して電池缶4に接続させ、電池缶4と
正極蓋6とを絶縁パッキン8により電気的に分離させる
ようにした。
コイルスプリング10を設け、電池の内圧が異常に上昇
した場合には、このコイルスプリング10が圧縮されて
電池内部のガスが大気中に放出されるようにした。
リ蓄電池用ニッケル極を作製するにあたり、上記の実施
例1の場合と同様にして、活物質である水酸化ニッケル
粒子の表面にナトリウム含有コバルト酸化物からなる導
電層が形成された粉末を得た後、この粉末に対して平均
粒径が1μmのTa粉末を100:2の重量比で混合さ
せるようにし、それ以外は、上記の実施例1の場合と同
様にしてアルカリ蓄電池用ニッケル極を作製した。
蓄電池用ニッケル極を正極に用いる以外は、上記の実施
例1の場合と同様にして、実施例2のアルカリ蓄電池を
作製した。
リ蓄電池用ニッケル極を作製するにあたり、上記の実施
例1の場合と同様にして、活物質である水酸化ニッケル
粒子の表面にナトリウム含有コバルト酸化物からなる導
電層が形成された粉末を得た後、この粉末に対して、平
均粒径が1μmのTa2 O5 粉末と平均粒径が1μmの
Ta粉末とを100:1.27:1の重量比で混合させ
るようにし、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様
にしてアルカリ蓄電池用ニッケル極を作製した。なお、
このアルカリ蓄電池用ニッケル極においても、ナトリウ
ム含有コバルト酸化物からなる導電層が形成された水酸
化ニッケル粒子全体の重量に対するタンタル元素の量が
2重量%になっていた。
蓄電池用ニッケル極を正極に用いる以外は、上記の実施
例1の場合と同様にして、実施例3のアルカリ蓄電池を
作製した。
リ蓄電池用ニッケル極を作製するにあたり、上記の実施
例1の場合と同様にして活物質である水酸化ニッケル粒
子の表面にナトリウム含有コバルト酸化物からなる導電
層が形成された粉末を得た後、この粉末にTa2 O5 粉
末を加えないようにし、この粉末100重量部に対し
て、結着剤として1重量%のメチルセルロース水溶液を
20重量部加え、それ以外は、上記の実施例1の場合と
同様にしてアルカリ蓄電池用ニッケル極を作製した。
蓄電池用ニッケル極を正極に用いる以外は、上記の実施
例1の場合と同様にして、比較例1のアルカリ蓄電池を
作製した。
〜3及び比較例1の各アルカリ蓄電池について、それぞ
れ25℃の温度条件下において、充電電流100mAで
16時間充電した後、放電電流1000mAで1.0V
まで放電し、これを1サイクルとして3サイクルの充放
電を行い、実施例1〜3及び比較例1の各アルカリ蓄電
池における3サイクル目の放電容量を求めた。
における3サイクル目の放電容量を100とし、実施例
1〜3及び比較例1の各アルカリ蓄電池における放電容
量の相対指数を容量特性として下記の表1に示した。
行った実施例1〜3及び比較例1の各アルカリ蓄電池に
ついて、それぞれ60℃の高温条件下において、充電電
流500mAで2時間充電した後、放電電流500mA
で1.0Vまで放電し、これを1サイクルとする充放電
サイクル試験を行い、その放電容量が60℃の高温条件
下における1サイクル目の放電容量の80%以下に低下
するまでのサイクル数を求めた。
におけるサイクル数を100として、実施例1〜3及び
比較例1の各アルカリ蓄電池におけるサイクル数の相対
指数を充放電サイクル特性として下記の表1に示した。
る水酸化ニッケル粒子の表面にナトリウム含有コバルト
酸化物からなる導電層を形成すると共にタンタル又はそ
の化合物の粉末を添加させたものを用いたアルカリ蓄電
池用ニッケル極を正極に使用した実施例1〜3の各アル
カリ蓄電池は、比較例1のアルカリ蓄電池に比べて、高
温条件下における充放電サイクル特性が著しく向上して
いた。
おいては、アルカリ蓄電池用ニッケル極を作製するにあ
たって、上記の実施例1の場合と同様にして、活物質で
ある水酸化ニッケル粒子の表面にナトリウム含有コバル
ト酸化物からなる導電層が形成された粉末を得た後、こ
のように導電層が形成された粉末に対して平均粒径が1
μmのTa2 O5 粉末を混合させるにあたり、導電層が
形成された上記の粉末と平均粒径が1μmのTa2 O5
粉末との重量比を、実施例A1では100:0.01
2、実施例A2では100:0.06、実施例A3では
100:0.24、実施例A4では100:3.6、実
施例A5では100:4.8、実施例A6では100:
6.1にし、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様
にして、各アルカリ蓄電池用ニッケル極を作製した。
カリ蓄電池用ニッケル極において、ナトリウム含有コバ
ルト酸化物からなる導電層が形成された水酸化ニッケル
粒子全体の重量に対するタンタル元素の量を求めた結
果、下記の表2に示すように、実施例A1では0.01
重量%、実施例A2では0.05重量%、実施例A3で
は0.2重量%、実施例A4では3重量%、実施例A5
では4重量%、実施例A6では5重量%になっていた。
カリ蓄電池用ニッケル極を正極に用い、それ以外は、上
記の実施例1の場合と同様にして、実施例A1〜A6の
各アルカリ蓄電池を作製した。
1〜A6の各アルカリ蓄電池についても、上記の実施例
1の場合と同様にして、25℃の温度条件下において充
放電を繰り返して行い、3サイクル目の放電容量を求
め、その後、60℃の高温条件下において充放電を繰り
返して行い、放電容量が60℃の高温条件下における1
サイクル目の放電容量の80%以下に低下するまでのサ
イクル数を求めた。
における3サイクル目の放電容量及びサイクル数を10
0とし、実施例A1〜A6の各アルカリ蓄電池における
放電容量及びサイクル数の相対指数を容量特性及び充放
電サイクル特性として、下記の表2に示した。
からなる導電層が形成された水酸化ニッケル粒子全体の
重量に対するタンタル元素の量が0.2〜4.0重量%
の範囲になったアルカリ蓄電池用ニッケル極を用いた実
施例1,A3〜A5のアルカリ蓄電池は、タンタル元素
の量が0.05重量%以下になったアルカリ蓄電池用ニ
ッケル極を用いた実施例A1,A2のアルカリ蓄電池に
比べて高温条件下における充放電サイクル特性が優れて
おり、またタンタル元素の量が5重量%になったアルカ
リ蓄電池用ニッケル極を用いた実施例A6のアルカリ蓄
電池に比べて容量特性が優れていた。
おいては、アルカリ蓄電池用ニッケル極を作製するにあ
たり、上記の実施例1の場合と同様にして、活物質であ
る水酸化ニッケル粒子の表面にナトリウム含有コバルト
酸化物からなる導電層が形成された粉末を得た後、この
ように導電層が形成された粉末に対してTa2 O5 粉末
を100:2.4の重量比になるように混合させるにあ
たり、平均粒径が異なるTa2 O5 粉末を用いるように
し、下記の表3に示すように、平均粒径が、実施例B1
では0.1μm、実施例B2では10μm、実施例B3
では20μm、実施例B4では50μm、実施例B5で
は100μm、実施例B6では150μmになったTa
2 O5粉末を用い、それ以外は、上記の実施例1の場合
と同様にして、各アルカリ蓄電池用ニッケル極を作製し
た。
カリ蓄電池用ニッケル極を正極に用い、それ以外は、上
記の実施例1の場合と同様にして、実施例B1〜B6の
各アルカリ蓄電池を作製した。
1〜B6の各アルカリ蓄電池についても、上記の実施例
1の場合と同様にして、25℃の温度条件下において充
放電を繰り返して行い、3サイクル目の放電容量を求
め、その後、60℃の高温条件下において充放電を繰り
返して行い、放電容量が60℃の高温条件下における1
サイクル目の放電容量の80%以下に低下するまでのサ
イクル数を求めた。
における3サイクル目の放電容量及びサイクル数を10
0とし、実施例B1〜B6の各アルカリ蓄電池における
放電容量及びサイクル数の相対指数を容量特性及び充放
電サイクル特性として、下記の表3に示した。
からなる導電層が形成された水酸化ニッケル粒子に対し
て、平均粒径が100μm以下のTa2 O5 粉末を添加
させたアルカリ蓄電池用ニッケル極を用いた実施例1,
B1〜B5のアルカリ蓄電池は、平均粒径が150μm
のTa2 O5 粉末を添加させたアルカリ蓄電池用ニッケ
ル極を用いた実施例B6のアルカリ蓄電池に比べて、高
温条件下における充放電サイクル特性が優れていた。
は、アルカリ蓄電池用ニッケル極を作製するにあたり、
水酸化ニッケルの粉末に対してナトリウム含有コバルト
酸化物の粉末を90:10の重量比で混合させたもの
に、平均粒径が1μmのTa2 O5 粉末を100:2.
4の重量比で混合させ、この混合物100重量部に対し
て、結着剤として1重量%のメチルセルロース水溶液を
20重量部加え、これを混練してペーストを調製し、こ
のペーストを導電性芯体である発泡ニッケル(多孔度9
5%、平均孔径200μm)に充填し、これを乾燥さ
せ、加圧成型して、アルカリ蓄電池用ニッケル極を作製
した。
ニッケル極を作製するにあたり、水酸化ニッケルの粉末
に対して水酸化コバルトの粉末を90:10の重量比で
混合させたものに、平均粒径が1μmのTa2 O5 粉末
を100:2.4の重量比で混合させ、その後は、上記
の実施例C1の場合と同様にして、アルカリ蓄電池用ニ
ッケル極を作製した。
ニッケル極を作製するにあたり、水酸化ニッケルの粉末
に対して一酸化コバルトの粉末を90:10の重量比で
混合させたものに、平均粒径が1μmのTa2 O5 粉末
を100:2.4の重量比で混合させ、その後は、上記
の実施例C1の場合と同様にして、アルカリ蓄電池用ニ
ッケル極を作製した。
ニッケル極を作製するにあたり、水酸化ニッケルの粉末
に対して金属コバルトの粉末を90:10の重量比で混
合させたものに、平均粒径が1μmのTa2 O5 粉末を
100:2.4の重量比で混合させ、その後は、上記の
実施例C1の場合と同様にして、アルカリ蓄電池用ニッ
ケル極を作製した。
ニッケル極を作製するにあたり、40℃の水1リットル
に対して100gの水酸化コバルトと40gの過酸化水
素水とを加え、これを攪拌させて反応させた後、沈殿物
を水洗し、乾燥させてオキシ水酸化コバルトの粉末を得
た。
記のオキシ水酸化コバルトの粉末を90:10の重量比
で混合させたものに、平均粒径が1μmのTa2 O5 粉
末を100:2.4の重量比で混合させ、その後は、上
記の実施例C1の場合と同様にして、アルカリ蓄電池用
ニッケル極を作製した。
ニッケル極を作製するにあたり、上記の実施例1の場合
と同様にして、活物質である水酸化ニッケル粒子の表面
に水酸化コバルトの層が形成された粉末を得た後、これ
に対して水酸化ナトリウム水溶液による処理を行わない
ようにし、水酸化ニッケル粒子の表面に水酸化コバルト
の層が形成された粉末と平均粒径が1μmのTa2 O5
粉末とを100:2.4の重量比で混合させ、それ以外
は、上記の実施例1の場合と同様にして、アルカリ蓄電
池用ニッケル極を作製した。
カリ蓄電池用ニッケル極を正極に用い、それ以外は、上
記の実施例1の場合と同様にして、実施例C1〜C6の
各アルカリ蓄電池を作製した。
1〜C6の各アルカリ蓄電池についても、上記の実施例
1の場合と同様にして、25℃の温度条件下において充
放電を繰り返して行い、3サイクル目の放電容量を求
め、その後、60℃の高温条件下において充放電を繰り
返して行い、放電容量が60℃の高温条件下における1
サイクル目の放電容量の80%以下に低下するまでのサ
イクル数を求めた。
における3サイクル目の放電容量及びサイクル数を10
0とし、実施例C1〜C6の各アルカリ蓄電池における
放電容量及びサイクル数の相対指数を容量特性及び充放
電サイクル特性として、下記の表4に示した。
トリウム含有コバルト酸化物の層が形成された粉末にT
a2 O5 粉末を添加させたアルカリ蓄電池用ニッケル極
を用いた実施例1のアルカリ蓄電池が、実施例C1〜C
6の各アルカリ蓄電池に比べて、容量特性や高温条件下
における充放電サイクル特性が優れていた。
2においては、アルカリ蓄電池用ニッケル極を作製する
にあたり、上記の実施例1の場合と同様にして、活物質
である水酸化ニッケル粒子の表面にナトリウム含有コバ
ルト酸化物からなる導電層が形成された粉末を得た後、
このように導電層が形成された粉末100重量部に対し
て、平均粒径が1μmのTa2 O5 粉末を2.4重量部
加えると共に、実施例D1ではY2 O3 粉末を1.27
重量部、実施例D2ではYb2 O3 粉末を1.14重量
部、実施例D3ではCa(OH)2 粉末を1.84重量
部、実施例D4ではAl(OH)3 粉末を2.89重量
部、実施例D5ではEr2 O3 粉末を1.14重量部、
実施例D6ではGd2 O3 粉末を1.15重量部、実施
例D7ではTm2 O3 粉末を1.14重量部、実施例D
8ではLu2 O3 粉末を1.14重量部、実施例D9で
はZnO粉末を1.24重量部、実施例D10ではNb
2 O5 粉末を1.43重量部、実施例D11ではWO3
粉末を1.26重量部、実施例D12ではY2 O3粉末
を0.63重量部とNb2 O5 粉末を0.72重量部の
割合で加えるようにした。
の表面にナトリウム含有コバルト酸化物からなる導電層
が形成された粉末に対してTa2 O5 粉末と上記の各化
合物の粉末とを混合させた場合、導電層が形成された水
酸化ニッケル粒子全体の重量に対するTa2 O5 粉末中
におけるタンタル元素Taの量は2重量%になってい
た。
粒子全体の重量に対して、上記のように加えた各化合物
中におけるイットリウムY,イッテルビウムYb,カル
シウムCa,アルミニウムAl,エルビウムEr,ガド
リニウムGd,ツリウムTm,ルテチウムLu,亜鉛Z
n,ニオブNb,タングステンWの各元素(M1)の量
は、下記の表5に示すように、実施例D1〜D11にお
いては各元素(M1)の量がそれぞれ1重量%であり、
また実施例D12においてはイットリウムY及びニオブ
Nbの各元素の量がそれぞれ0.5重量%で、合計で1
重量%になっていた。
例1の場合と同様にして、各アルカリ蓄電池用ニッケル
極を作製し、このようにして作製した各アルカリ蓄電池
用ニッケル極を正極に用い、上記の実施例1の場合と同
様にして、実施例D1〜D12の各アルカリ蓄電池を作
製した。
1〜D12の各アルカリ蓄電池についても、上記の実施
例1の場合と同様にして、25℃の温度条件下において
充放電を繰り返して行い、3サイクル目の放電容量を求
め、その後、60℃の高温条件下において充放電を繰り
返して行い、放電容量が60℃の高温条件下における1
サイクル目の放電容量の80%以下に低下するまでのサ
イクル数を求めた。
における3サイクル目の放電容量及びサイクル数を10
0とし、実施例D1〜D12の各アルカリ蓄電池におけ
る放電容量及びサイクル数の相対指数を容量特性及び充
放電サイクル特性として、下記の表5に示した。
からなる導電層が形成された水酸化ニッケル粒子に対し
てTa2 O5 粉末と一緒にY2 O3 粉末等を添加させた
アルカリ蓄電池用ニッケル極を用いた実施例D1〜D1
2の各アルカリ蓄電池は、上記の実施例1のアルカリ蓄
電池よりさらに高温条件下における充放電サイクル特性
が優れていた。
1.1〜D1.6においては、アルカリ蓄電池用ニッケ
ル極を作製するにあたり、上記の実施例1の場合と同様
にして、活物質である水酸化ニッケル粒子の表面にナト
リウム含有コバルト酸化物からなる導電層が形成された
粉末を得た後、このように導電層が形成された粉末に、
上記の実施例D1の場合と同様に、平均粒径が1μmの
Ta2 O5 粉末と一緒にY2 O3 粉末を混合させるよう
にした。
おいては、上記のように導電層が形成された粉末に対し
て、平均粒径が1μmのTa2 O5 粉末と一緒にY2 O
3 粉末を混合させるにあたり、これらの添加量を上記の
実施例D1の場合と変更し、導電層が形成された水酸化
ニッケル粒子全体の重量に対するタンタル元素及びイッ
トリウム元素の量を、下記の表7に示すように、実施例
D1.1ではタンタル元素Taとイットリウム元素Yの
量がそれぞれ0.05重量%で合計量が0.1重量%、
実施例D1.2ではタンタル元素Taとイットリウム元
素Yの量がそれぞれ0.1重量%で合計量が0.2重量
%、実施例D1.3ではタンタル元素Taとイットリウ
ム元素Yの量がそれぞれ0.5重量%で合計量が1重量
%、実施例D1.4ではタンタル元素Taとイットリウ
ム元素Yの量がそれぞれ1重量%で合計量が2重量%、
実施例D1.5ではタンタル元素Taとイットリウム元
素Yの量がそれぞれ2重量%で合計量が4重量%、実施
例D1.6ではタンタル元素Taとイットリウム元素Y
の量がそれぞれ3重量%で合計量が6重量%になるよう
にした。
例1の場合と同様にして、各アルカリ蓄電池用ニッケル
極を作製し、このようにして作製した各アルカリ蓄電池
用ニッケル極を正極に用い、上記の実施例1の場合と同
様にして、実施例D1.1〜D1.6の各アルカリ蓄電
池を作製した。
1.1〜D1.6の各アルカリ蓄電池についても、上記
の実施例1の場合と同様にして、25℃の温度条件下に
おいて充放電を繰り返して行い、3サイクル目の放電容
量を求め、その後、60℃の高温条件下において充放電
を繰り返して行い、放電容量が60℃の高温条件下にお
ける1サイクル目の放電容量の80%以下に低下するま
でのサイクル数を求めた。
における3サイクル目の放電容量及びサイクル数を10
0とし、実施例D1.1〜D1.6の各アルカリ蓄電池
における放電容量及びサイクル数の相対指数を容量特性
及び充放電サイクル特性として、下記の表6に示した。
からなる導電層が形成された水酸化ニッケル粒子に対し
てTa2 O5 粉末とY2 O3 粉末とを添加させるにあた
り、導電層が形成された水酸化ニッケル粒子に対するタ
ンタル元素Taとイットリウム元素Yとの合計量が0.
1重量%以下になると、高温条件下における充放電サイ
クル特性が低下し、またタンタル元素Taとイットリウ
ム元素Yとの合計量が6重量%以上になると、容量特性
が低下した。
からなる導電層が形成された水酸化ニッケル粒子に対し
てTa2 O5 粉末とY2 O3 粉末とを添加させる場合、
導電層が形成された水酸化ニッケル粒子に対するタンタ
ル元素Taとイットリウム元素Yとの合計量を0.2〜
4重量%の範囲にすることが好ましかった。
1においては、アルカリ蓄電池用ニッケル極を作製する
にあたり、167gの硫酸ニッケルに対して、実施例E
1では硫酸アルミニウムを9.71g、実施例E2では
硫酸マンガンを8.6g、実施例E3では硫酸コバルト
を8.8g、実施例E4では硫酸亜鉛を9.20g、実
施例E5では硝酸カルシウムを9.30g、実施例E6
では硫酸マグネシウムを6.83g、実施例E7では硫
酸イットリウムを13.04g、実施例E8では硫酸イ
ッテルビウムを17.98g、実施例E9では硫酸マン
ガンを18.0g、実施例E10では硫酸マンガンを2
2.2g、実施例E11では硫酸マンガンを4.2gと
硫酸コバルトを4.28g加えるようにした。
各水溶液に、5重量%のアンモニア水溶液と10重量%
の水酸化ナトリウム水溶液とを同時に滴下し、pHを1
1に保持しながらこれらを反応させた後、沈殿物を濾取
し、これを水洗し、乾燥させて、水酸化ニッケル中にA
l,Mn,Co,Zn,Ca,Mg,Y,Ybの各元素
(M2)が固溶された水酸化ニッケル粉末を得た。
ルNiと、固溶されたAl,Mn,Co,Zn,Ca,
Mg,Y,Ybの各元素(M2)との総量に対する各元
素(M2)の割合は、下記の表7に示すように、実施例
E1〜E8では何れも5原子%、実施例E9では10原
子%、実施例E10では12原子%、実施例E11では
Mnが2.5原子%とCoが2.5原子%になってい
た。
た水酸化ニッケル粉末を用いる以外は、上記の実施例1
の場合と同様にして、各アルカリ蓄電池用ニッケル極を
作製し、このようにして作製した各アルカリ蓄電池用ニ
ッケル極を正極に用い、上記の実施例1の場合と同様に
して、実施例E1〜E11の各アルカリ蓄電池を作製し
た。
1〜E11の各アルカリ蓄電池についても、上記の実施
例1の場合と同様にして、25℃の温度条件下において
充放電を繰り返して行い、3サイクル目の放電容量を求
め、その後、60℃の高温条件下において充放電を繰り
返して行い、放電容量が60℃の高温条件下における1
サイクル目の放電容量の80%以下に低下するまでのサ
イクル数を求めた。
における3サイクル目の放電容量及びサイクル数を10
0とし、実施例E1〜E11の各アルカリ蓄電池におけ
る放電容量及びサイクル数の相対指数を容量特性及び充
放電サイクル特性として、下記の表7に示した。
上記の各元素(M2)が固溶された水酸化ニッケル粉末
を用いた実施例E1〜E11の各アルカリ蓄電池は、上
記の実施例1のアルカリ蓄電池よりさらに高温条件下に
おける充放電サイクル特性が優れていた。しかし、M2
(本実施例ではMn)の固溶量が多くなった実施例E1
0のアルカリ蓄電池においては容量特性が低下してい
た。
は、水酸化ニッケルからなる活物質粒子を含むペースト
を導電性芯体に塗布し、これを乾燥させたアルカリ蓄電
池用ニッケル極において、上記の活物質粒子の表面に、
コバルト又はその化合物からなる導電剤を添加又は被覆
させると共にタンタル又はその化合物の粉末を添加させ
るようにしたため、上記の導電剤により電極内における
集電性が高くなって、活物質の利用率が向上すると共
に、高温環境下において充放電させた場合において、放
電時に導電剤として用いたコバルト又はその化合物が水
酸化コバルトに還元されたとしても、上記のタンタル又
はその化合物の作用により、この水酸化コバルトがアル
カリ蓄電池におけるアルカリ電解液中に溶解して析出す
る速度が遅くなり、水酸化コバルトが活物質粒子の表面
において偏析するのが防止されると共に、水酸化コバル
トの一部が活物質粒子の細孔内に拡散するのも抑制され
るようになった。
ッケル極を正極に用いたアルカリ蓄電池においては、十
分な電池容量が得られると共に、高温環境下において充
放電サイクル特性が著しく向上した。
アルカリ蓄電池の概略断面図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 水酸化ニッケルからなる活物質粒子を含
むペーストを導電性芯体に塗布し、これを乾燥させたア
ルカリ蓄電池用ニッケル極において、上記の活物質粒子
の表面に、コバルト又はその化合物からなる導電剤を添
加又は被覆させると共に、タンタル又はその化合物の粉
末を添加させたことを特徴とするアルカリ蓄電池用ニッ
ケル極。 - 【請求項2】 請求項1に記載したアルカリ蓄電池用ニ
ッケル極において、上記導電剤として、金属コバルト,
水酸化コバルト,一酸化コバルト,オキシ水酸化コバル
ト及びナトリウム含有コバルト酸化物よりなる群から選
択される少なくとも1種を用いている。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載したアルカリ蓄電
池用ニッケル極において、水酸化ニッケルからなる活物
質粒子の表面に上記の導電剤が添加又は被覆された全体
の重量に対して、添加させたタンタル又はその化合物の
粉末中におけるタンタル元素の量が0.2〜4.0重量
%の範囲である。 - 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1項に記載したア
ルカリ蓄電池用ニッケル極において、前記のタンタル又
はその化合物の粉末の平均粒子径が100μm以下であ
る。 - 【請求項5】 請求項1〜4の何れか1項に記載したア
ルカリ蓄電池用ニッケル極において、前記の水酸化ニッ
ケルからなる活物質粒子中に、亜鉛,コバルト,カルシ
ウム,マグネシウム,アルミニウム,マンガン,イット
リウム及びイッテルビウムよりなる群から選択される少
なくとも1種の元素が固溶され、上記の水酸化ニッケル
におけるニッケルとこの元素との総量に対して、この元
素の割合が10原子%以下になっている。 - 【請求項6】 請求項1〜5の何れか1項に記載したア
ルカリ蓄電池用ニッケル極において、前記のタンタル又
はその化合物の粉末の他に、イットリウム,イッテルビ
ウム,カルシウム,アルミニウム,エルビウム,ガドリ
ニウム,ツリウム,ルテチウム,亜鉛,ニオブ及びタン
グステンよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素
又はその化合物の粉末が添加されている。 - 【請求項7】 請求項1〜6の何れか1項に記載したア
ルカリ蓄電池用ニッケル極を正極に用いたことを特徴と
するアルカリ蓄電池。
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---|---|---|---|
JP2001022096A JP4436574B2 (ja) | 2001-01-30 | 2001-01-30 | アルカリ蓄電池用ニッケル極及びアルカリ蓄電池 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2002231238A true JP2002231238A (ja) | 2002-08-16 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017078179A1 (ja) * | 2015-11-06 | 2017-05-11 | トヨタ自動車株式会社 | 正極活物質及びアルカリ電池 |
-
2001
- 2001-01-30 JP JP2001022096A patent/JP4436574B2/ja not_active Expired - Lifetime
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WO2017078179A1 (ja) * | 2015-11-06 | 2017-05-11 | トヨタ自動車株式会社 | 正極活物質及びアルカリ電池 |
JPWO2017078179A1 (ja) * | 2015-11-06 | 2018-03-29 | トヨタ自動車株式会社 | 正極活物質及びアルカリ電池 |
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