JP2002229602A - 振動抑制位置決め制御装置 - Google Patents
振動抑制位置決め制御装置Info
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Abstract
る振動抑制位置決め制御装置を提供する。 【解決手段】目標位置指令の微分値を積分する積分器6
と、積分器6の出力と位置指令を差し引いて位置指令偏
差を出力する減算器7と、目標位置指令の微分値を入力
すると、フィードバック制御系5の振動極ω0と同じ周
波数成分を除去する安定型プレフィルタ1と、安定型プ
レフィルタ1の出力と位置指令偏差を入力し、目標位置
指令の微分値が零から非零になれば指令開始と判断し、
目標位置指令の微分値が非零から零になれば指令終了と
判断するとともに、指令終了の後、位置指令偏差が0に
なってから次の指令開始までは0を出力し、それ以外は
安定型プレフィルタ1の出力をそのまま出力する指令定
着手段2と、指令定着手段2の出力を積分して位置指令
を出力する第2の積分器4とを備える。
Description
動して位置決めする位置決め制御装置に関し、とくに、
負荷又は負荷が置かれる機台に存在する低周波数の振動
を抑制する技術に関する。
要求から、モータと負荷を接続する軸や駆動機構が置か
れる機台の剛性が低下しつつあり、負荷系や機台の固有
周波数が低下する傾向にある。またこれと並行してサー
ボ制御系の性能が高められ、駆動系の応答も高められる
傾向にある。このような状況にあるサーボ制御系につい
ては、負荷や機台が振動しやすくなるという問題が顕在
化しつつある。従来、このような振動を抑制するため、
図3に示すような「電気学会研究会資料」2C-96-17, p
p.75-84に記載されたサーボ制御装置が提案されてい
る。図において、31はS字位置指令発生器、32は準
安定型プレフィルタ、33はセミクローズドフィードバ
ック位置制御系であり、33aはフィードバック制御系
の位置指令からモータ位置までの伝達関数、33bはモ
ータ位置から負荷位置までの伝達関数である。このフィ
ードバック制御系における負荷の固有振動角周波数はω
aであり、S字位置指令θ* Mの速度パターンθ* Mが図5
に示すような加速時間と減速時間が等しい台形となって
いる場合を例示している。なお、tAは加減速時間、
(tD-tA)は等速時間である。このような制御系をし
ている場合、フィードバック位置制御系33の振動極ω
aは、図3からわかるように、準安定型プレフィルタ3
2の伝達関数
(2)式のいずれかを満足するように設定することによ
って、制振制御が実現される。
の技術によると、 (1)目標位置指令θ* Mの加減速時間および等速時間が
短い場合、フィードバック系の位置指令θ** Mが急峻に
なる。(図6参照。詳細な説明は後述) (2)(2)式は厳密に満たされる必要があり、満たさ
れないと持続振動が発生する。例えば、目標位置指令θ
* Mの加減速時間がわずか5%変動すると、後述の図7に
示すようにフィードバック系の位置指令θ** Mが持続的
に振動する。 (3)従来の準安定型プレフィルタをCPU等の演算手
段で実現しようとすると、離散時間化による誤差で、準
安定型プレフィルタの臨界安定極が不安定な極となるた
め、準安定型プレフィルタが不安定となる。たとえば、
サンプル時間がわずか100μsであっても、図8に示
すようにフィードバック系の位置指令θ** Mが不安定
(振動しながら発散)なものとなる。 などの問題があった。従来の準安定型プレフィルタの問
題を考察すると、問題の本質がすべてフィルタの分母の
減衰項がゼロであることに帰着する。通常は、減衰項が
入ったフィルタを単純に適用することを考えるが、この
場合、フィルタの遅れ時間が大きくなり、位置決め時間
が伸びてしまう。従来例はこの遅れ時間をなくすため
に、減衰項をゼロにしているものと考えられる。したが
って、従来の考え方の延長では、「安定性が高くかつ位
置決め時間が短い」プレフィルタは構成できなかった。
本発明は、この根本的な問題を解決するために、フィー
ドバック制御系の位置指令が目標指令と一致したときに
プレフィルタの出力をゼロとすることにより、フィード
バック制御系の位置指令を目標位置に定着させて、短時
間に安定な位置決めをすることができる振動抑制位置決
め制御装置を提供することを目的とする。
制位置決め制御装置は、所定のパターンで変化する目標
位置指令の微分値を与えると、位置指令を生成し、その
位置指令をフィードバック制御系に入力して負荷を前記
位置指令に追従させる位置決め制御装置において、前記
目標位置指令の微分値を積分する積分器と、前記積分器
の出力と前記位置指令を差し引いて位置指令偏差を出力
する減算器と、前記目標位置指令の微分値を入力する
と、前記フィードバック制御系の振動極ω0と同じ周波
数成分を除去する安定型プレフィルタと、前記安定型プ
レフィルタの出力と前記位置指令偏差を入力し、前記目
標位置指令の微分値が零から非零になれば指令開始と判
断し、前記目標位置指令の微分値が非零から零になれば
指令終了と判断するとともに、指令終了の後、前記位置
指令偏差が0になってから次の指令開始までは0を出力
し、それ以外は前記安定型プレフィルタの出力をそのま
ま出力する指令定着手段と、前記指令定着手段の出力を
積分して前記位置指令を出力する第2の積分器と、を備
えることを特徴としている。請求項2の発明の振動抑制
位置決め制御装置は、所定のパターンで変化する目標位
置指令を与えると、位置指令を生成し、その位置指令を
フィードバック制御系に入力して負荷を前記位置指令に
追従させる位置決め制御装置において、前記目標位置指
令を微分する微分器と、前記目標位置指令と前記位置指
令を差し引いて位置指令偏差を出力する減算器と、前記
微分器の出力である目標位置指令の微分値を入力する
と、前記フィードバック制御系の振動極ω0と同じ周波
数成分を除去する安定型プレフィルタと、前記安定型プ
レフィルタの出力と前記位置指令偏差を入力し、前記目
標位置指令の微分値が零から非零になれば指令開始と判
断し、前記目標位置指令の微分値が非零から零になれば
指令終了と判断するとともに、指令終了の後、前記位置
指令偏差が0になってから次の指令開始までは0を出力
し、それ以外は前記安定型プレフィルタの出力をそのま
ま出力する指令定着手段と、前記指令定着手段の出力を
積分して前記位置指令を出力する第2の積分器と、を備
えることを特徴としている。以上のようになっているた
め、負荷又は負荷が置かれる機台に低周波数の振動が存
在することがあっても、短時間に安定な位置決めをする
ことができるのである。
て、図を用いて説明する。図1と図2はそれぞれ本発明
の実施例1と実施例2を示すブロック図であり、図4は
本発明を適用したシステムの構成図である。まず図4か
ら説明すると、41はモータ、43は負荷、42はモー
タ41と負荷43を連結して回転力を伝える力伝達機構
であり、44はこれらを搭載する機台、45は機台44
を支える支持足である。モータ41が力伝達機構42を
介して負荷43を駆動するとき、機台44がモータ41
の駆動力の反力を受ける。支持足45の剛性が低い場合
は機台44が振動しやすく、また、モータが高加減速度
で負荷を駆動する場合で、特に駆動力の周期が機台44
の固有振動周期に近いときは機台44が振動しやすい。
このような機台44の振動を抑制するため、本発明の実
施例1と実施例2の制御系はそれぞれ図1と図2のよう
に構成されている。これらの図において、5はフィード
バック制御系、5aはフィードバック制御系5の位置指
令x***から機台変位yまでの伝達関数の安定項、5bは
同じくその伝達関数の不安定項である。なお、ω0は機
台44の固有振動周波数である。図1において、目標位
置指令の微分値v*が与えられると、積分器6では目標
位置指令の微分値v*が積分されて目標位置指令x*が得
られる。図2において、目標位置指令x*が与えられる
と、微分器8では目標位置指令x*が微分されて目標位
置指令の微分値v*が得られる。図1および図2におい
て、まず、減算器7では、目標位置指令x*からフィー
ドバック制御系5の位置指令x***が減算されて位置指
令偏差erが得られる。目標位置指令の微分値v*が式
(3)の伝達関数を持つ安定型プレフィルタ1に入力さ
れる。
標位置指令の微分値v*は指令定着部2に入力される。
次に、指令定着部2では、目標位置指令の微分値v*に
基づいて目標指令の開始と終了が判断される。v*が零
から非零になるときは、指令開始と判断され、v*が非
零から零になるときは、指令終了と判断される。また、
指令終了の後、位置指令偏差erが0になってから次の
指令開始までは切替スイッチをB側に倒して0が出力さ
れ、それ以外の場合には、A側に倒してv**が出力され
る。すなわち、フィードバック制御系の位置指令が目標
位置に達する前は、安定型プレフィルタ1通過後の信号
v**を出力し、フィードバック制御系の位置指令が目標
位置に達した後は、0を出力する、という動作がとられ
るのである。なお、図5のパターンを繰り返す連続送り
の場合では、フィードバック制御系の位置指令が目標位
置に達してから次の送りの始まりまで、安定型プレフィ
ルタ1の全状態量をゼロにクリアする処理を追加する。
これにより、安定型プレフィルタ1が常に初期状態で起
動するので、連続する図5のパターンの間隔が短い場合
でも、安定型プレフィルタ1が正常に動作する効果があ
る。最後に、指令定着部2の出力v***が積分器4で積
分演算されて位置指令x***が得られると、位置指令と
してフィードバック制御系5に入力される。以上述べた
ように、目標位置指令の微分値を安定型プレフィルタ1
に通させることにより、目標位置指令の微分値に含まれ
る機台の固有振動周波数ω0成分が除去されるので、安
定型プレフィルタ1通過後の指令信号は安定かつなだら
かで、機台の振動を励起しないものとなる。また、安定
型プレフィルタ1通過後の指令信号を指令定着部2に通
過させることにより、フィードバック制御系に加わる最
終の指令信号をすばやく目標位置に到達させることがで
きるのである。こうして、機台の振動を励起させること
なく、指令定着時間が短い安定な位置決め指令を得るこ
とができる。次に、この実施例における発明の効果につ
いて、次の3つのケースについてシミュレーションした
ので説明する。 ケース1) tAが一定で、従来の準安定型プレフィル
タおよび本発明の安定型プレフィルタを連続系で実現す
る。 ケース2) tAが5%下がり、従来の準安定型プレフ
ィルタおよび本発明の安定型プレフィルタを連続系で実
現する。 ケース3) tAが一定で、従来の準安定型プレフィル
タおよび本発明の安定型プレフィルタを離散系で実現す
る(サンプル周期Ts=100μs)。 シミュレーションに用いる共通する条件は、目標位置指
令x*がQM *と同じ、図5に示したパターンで、tA=1
8.8ms、tD=27.2msであり、機台の固有振動周波数はω
0=12Hzである。従来の技術については、準安定型プレ
フィルタF1(s)のパラメータをωa=ω0、ωan=2
π/tAとして上記3つのケースについてシミュレーシ
ョンし、その結果、得られた位置指令の時間関数をそれ
ぞれ図6、図7および図8に示す。本発明を適用した場
合については、安定型プレフィルタF2(s)のパラメ
ータをω2=2ω0、ζ2=0.4として上記3つのケースに
ついてシミュレーションし、その結果、得られた位置指
令の時間関数をそれぞれ図9、図10および図11に示
す。図6〜8を図9〜11と比較してわかるように、従
来技術のフィードバック系の位置指令QM **は 1) 波形が急峻である。 2) tAを少し(5%)下げるだけでも、持続的に振
動する。 3) 準安定型プレフィルタを離散系で実現すると、不
安定になる。 となっているのに対して、本発明のフィードバック制御
系の位置指令X***は 1)なだらかである。 2)tAを少し(5%)下げても、波形がほぼ変わらな
い。 3)安定型プレフィルタを離散系で実現しても、波形が
全然変わらない。 となっており、従来技術にくらべて時間応答が大幅に改
善されていることがわかる。なお、安定型プレフィルタ
F2(s)通過後の位置指令x**はオーバーシュートし
ているが、指令定着部2の出力であるフィードバック制
御系の位置指令x** *はオーバーシュートしていないた
め、指令定着時間が非常に短かくなっている。
指令信号を安定型プレフィルタに通しているので、目標
指令信号に含まれる機械の固有振動周波数成分が除去さ
れ、しかも安定型プレフィルタ通過後の指令信号が安定
かつなだらかなものとなっている。また、安定型プレフ
ィルタ通過後の指令信号を指令定着部に通しているの
で、フィードバック制御系に加わる最終の指令信号がす
ばやく目標位置に到達するようになっている。従って、
機械の振動を励起させることなく、指令定着時間が短い
安定な位置決め指令を得ることができるという大きな効
果がある。
ブロック図
関数を示す図
で実現する場合の従来技術の位置指令の時間関数を示す
図
続系で実現する場合の従来技術の位置指令の時間関数を
示す図
で実現する場合の従来技術の位置指令の時間関数を示す
図
実現する場合の本発明の位置指令の時間関数を示す図
続系で実現する場合の本発明の位置指令の時間関数を示
す図
で実現する場合の本発明の位置指令の時間関数を示す図
での伝達関数の安定項 5b フィードバック制御系の位置指令から機台変位ま
での伝達関数の不安定項 7 減算器 8 微分器 31 S字位置指令発生器 32 準安定型プレフィルタ 33 セミクローズドフィードバック制御系 33a フィードバック制御系の位置指令からモータ位
置までの伝達関数 33b フィードバック制御系のモータ位置から負荷位
置までの伝達関数 41 モータ 42 力伝達機構 43 負荷 44 機台 45 支持足
Claims (2)
- 【請求項1】所定のパターンで変化する目標位置指令の
微分値を与えると、位置指令を生成し、その位置指令を
フィードバック制御系に入力して負荷を前記位置指令に
追従させる位置決め制御装置において、 前記目標位置指令の微分値を積分する積分器と、 前記積分器の出力と前記位置指令を差し引いて位置指令
偏差を出力する減算器と、 前記目標位置指令の微分値を入力すると、前記フィード
バック制御系の振動極ω0と同じ周波数成分を除去する
安定型プレフィルタと、 前記安定型プレフィルタの出力と前記位置指令偏差を入
力し、前記目標位置指令の微分値が零から非零になれば
指令開始と判断し、前記目標位置指令の微分値が非零か
ら零になれば指令終了と判断するとともに、指令終了の
後、前記位置指令偏差が0になってから次の指令開始ま
では0を出力し、それ以外は前記安定型プレフィルタの
出力をそのまま出力する指令定着手段と、 前記指令定着手段の出力を積分して前記位置指令を出力
する第2の積分器と、 を備えることを特徴とする振動抑制位置決め制御装置。 - 【請求項2】所定のパターンで変化する目標位置指令を
与えると、位置指令を生成し、その位置指令をフィード
バック制御系に入力して負荷を前記位置指令に追従させ
る位置決め制御装置において、 前記目標位置指令を微分する微分器と、 前記目標位置指令と前記位置指令を差し引いて位置指令
偏差を出力する減算器と、 前記微分器の出力である目標位置指令の微分値を入力す
ると、前記フィードバック制御系の振動極ω0と同じ周
波数成分を除去する安定型プレフィルタと、 前記安定型プレフィルタの出力と前記位置指令偏差を入
力し、前記目標位置指令の微分値が零から非零になれば
指令開始と判断し、前記目標位置指令の微分値が非零か
ら零になれば指令終了と判断するとともに、指令終了の
後、前記位置指令偏差が0になってから次の指令開始ま
では0を出力し、それ以外は前記安定型プレフィルタの
出力をそのまま出力する指令定着手段と、 前記指令定着手段の出力を積分して前記位置指令を出力
する第2の積分器と、 を備えることを特徴とする振動抑制位置決め制御装置。
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