JP2001325006A - 位置決め時の騒音を低減する位置決め装置 - Google Patents

位置決め時の騒音を低減する位置決め装置

Info

Publication number
JP2001325006A
JP2001325006A JP2000140667A JP2000140667A JP2001325006A JP 2001325006 A JP2001325006 A JP 2001325006A JP 2000140667 A JP2000140667 A JP 2000140667A JP 2000140667 A JP2000140667 A JP 2000140667A JP 2001325006 A JP2001325006 A JP 2001325006A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
trajectory
acceleration
speed
input
model
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000140667A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3853135B2 (ja
Inventor
Jun Ishikawa
潤 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP2000140667A priority Critical patent/JP3853135B2/ja
Publication of JP2001325006A publication Critical patent/JP2001325006A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3853135B2 publication Critical patent/JP3853135B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Feedback Control In General (AREA)
  • Moving Of Head For Track Selection And Changing (AREA)
  • Moving Of The Head To Find And Align With The Track (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】位置決め装置、特に静粛性を要求されるディス
ク装置ヘッドの位置決め装置において、低コストにソフ
トウエア的に騒音を低減するとともに、装置の使用状況
に応じて、オンラインで静粛性と高速性の優先度を切り
換えられる位置決め時の騒音を低減する位置決め装置を
提供する。 【解決手段】位置決め装置であって、基準参照加速度軌
道、基準参照速度軌道、基準参照位置軌道を生成する基
準参照軌道生成モデルと、3種類の基準参照軌道を、フ
ィルタ調整器によりオンラインで特性を変更される全く
同じ特性の3つフィルタをそれぞれ通過させて参照加速
度軌道、参照速度軌道、参照位置軌道を生成する参照軌
道生成モデルと、制御対象の速度を推定する状態推定器
と、制御対象を参照軌道に追従させて移動し位置決めを
行う制御器を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、位置決め装置に関
し、特に、入力が加速度の次元に相当し、出力は位置の
次元となる2重積分特性を持った制御対象を参照軌道に
追従させて移動しディスク装置ヘッド等の位置決めを行
う位置決め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明の技術に関連する刊行物として以
下の文献等が参照される。
【0003】(1).米国特許5875067、米国特
許5781373:カバーを振動させないように機構的
な改良を行ったもの。
【0004】(2).米国特許5901009:実際の
制御ループ内にフィルタを含み、フィルタの特性が直接
制御系の安定性に関係するので、位置決めの最初から最
後まで一貫してフィルタを導入することが不可能なも
の。
【0005】(3).特許第2725547号:ヘッド
の目標位置、目標速度および目標加速度で規定される参
照軌道を発生する参照軌道発生手段と、ディスク面に対
するヘッドの位置を検出する位置検出手段により検出さ
れてヘッドの検出位置、ヘッドの検出加速度、参照軌道
の目標位置と目標速度を用いてヘッドを参照軌道に追従
させるための誤差補正信号を加速度の次元で生成する軌
道追従型のサーボ補償器と、誤差補正信号と参照軌道の
目標加速度を加算して加速度指令を生成する加算器と、
加速度指令、検出位置、検出速度を用いてモータを加速
度指令通りに駆動するためにモータへの入力を計算して
生成する逆動力学計算による入力生成手段を備えたディ
スク装置のヘッド位置決め装置の構成。
【0006】(5).特開2000−21103号公
報:シーク時における制御系内部のモデル側制御系に周
波数特性を持った切替面を有するスライディングモード
制御系を構成し、モデル側の計算周期をヘッド位置が観
測されるよりも短くすることにより、モデル側制御系か
ら、VCM駆動系に与えられる制御電流指令の出力周期
をフィードバック制御器の出力周期よりも短くして電流
指令の変化を滑らかにし、VCM高次共振モードを励起
しない高速シーク系を実現するシーク制御方法。
【0007】近時、磁気ディスク装置は、コンピュータ
の記憶装置としてばかりでなく、セットトップボックス
(STB)や、テレビ、さらには、「ハードディスクレ
コーダ」と呼ばれる家電のオーディオ・ビジュアル(A
V)データを記録・再生する装置としても使われるよう
になってきた。
【0008】磁気ディスク装置のヘッドをあるトラック
から別のトラックへ移動させる位置決め動作(「シーク
動作」という)時の騒音は、従来より、抑制すべきもの
とされてきたが、磁気ディスク装置の家電分野への適用
が加速される状況の下、静粛性への要請は、ますます高
まってきている。
【0009】また、以下に述べるソフトエア的な方法
は、基本的にはシーク動作時の加速度プロファイルを滑
らかにすることで騒音を制御する手法であり、静粛性と
位置決めに要する時間はトレードオフの関係にある。例
えば、静粛性を優先して滑らかな加速度プロファイルを
採用すれば、位置決め時間が余計にかかる、という具合
である。
【0010】したがって、磁気ディスク装置の使用状況
に応じて、オンラインで静粛性と高速性の優先度を切り
換えられることが望まれている。
【0011】図17(a)は、磁気ディスク装置の構成
を示す斜視図、図17(b)はカバー1を外した状態の
分解斜視図である。磁気ディスク装置のシーク動作時の
位置決め騒音の主な原因は、カバー1が、ヘッド6の位
置決め機構の回転中心であるピボット2と固定ねじ7に
よって固定されている部分より振動(力)を受けて、振
動する、ことによるものとされている。
【0012】従来、この騒音音原因となる振動を低減す
るため、機構的な観点からみた発明がなされている。例
えば、米国特許5875067では、図18に示すよう
に、カバー801の固定ねじ803との接点部分の厚み
を周りよりも薄くする(802の部分)ことで、ピボッ
トからの振動が伝わりにくいような、工夫がなされてい
る。
【0013】また、米国特許5781373では、図1
9に示すように、固定ねじで直接ピボット接触する部分
を、別部品814として設け、これを弾性のある振動吸
収部材813を介してカバー812に固定する技術が開
示されている。
【0014】一方、カバーを振動させるもとの原因であ
る、シーク動作時のピボットそのものの振動を、シーク
動作の制御によって、ソフトウエア的に抑制する方法も
提案されている。
【0015】米国特許5901009には、図20に示
すように、ヘッドを移動させるための参照速度を参照速
度発生器906より生成するが、この参照速度軌道VR
EFを速度指令として、直接、速度制御器907に伝達
せず、ローパスフィルタ904を介して伝達している。
ただし、速度制御ループ内にローパスフィルタを入れた
場合、制御系の安定性に影響が及ぶため、パラメータα
を用いて、目標位置(ターゲット)までの残り距離に応
じてαの値を小さくする機構901を備え、係数α90
2と係数(1−α)903により、ローパスフィルタ9
04の効き具合を調整し、目標位置近傍では、実質的
に、αを零として、ローパスフィルタ904の効果がな
くなるようにして制御系の安定性を確保している。
【0016】また、特許第2725547号、特開20
00−21103号公報等には、図21に示すように、
一般に、「2自由度制御」あるいは「軌道追従型制御」
と呼ばれる制御系の構成をもとに、参照軌道の生成モデ
ルに改良を加えた技術が開示されている。
【0017】2自由度制御あるいは軌道追従型制御と
は、図21を参照して説明すると、入力が加速度の次元
に相当し、出力は位置の次元となる制御対象101を参
照軌道に追従させて移動し位置決めを行う位置決め装置
であって、参照加速度軌道206をフィードフォワード
(FeedForward)入力として、制御対象101に入力
し、さらに、参照位置軌道208と制御対象101の位
置201との追従誤差209と、参照速度軌道207と
状態推定器105より求めた推定速度202との追従誤
差210とを零とするように働くフィードバック制御器
104を具備するこ位置決め装置の制御をいう。
【0018】このような構成のもと、特許第27255
47号には、図22に示すように、VCM(ボイスコイ
ルモータ)のモデル911を入力生成器912によって
駆動して、その内部状態から、参照加速度軌道913、
参照速度軌道914、参照位置軌道915として生成す
るが、その間に、ローパスフィルタ916を導入してい
る。
【0019】また、特開2000−21103号公報で
は、VCMのモデルをスライディングモードと呼ばれる
制御手法で駆動して、参照軌道を生成する方法が開示さ
れており、周波数特性を持ったフィルタを導入し、機構
系の共振周波数を励起しないような方法が提案されてい
る。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の技術は下記記載の問題点を有している。
【0021】米国特許5875067、米国特許578
1373に開示されている技術の問題点は、製品コスト
が上がる、ということである。
【0022】その理由は、機械的な加工を行う必要があ
るからである。そして、ソフトウエア的な手法を併用す
れば更に静粛性を向上できる余地も残している。
【0023】米国特許5901009に開示されている
技術の問題点は、位置決めの最初から最後まで一貫して
フィルタを導入することが不可能であり、またローパス
フィルタの特性の変更をオンラインに行うこともできな
い、ということである。
【0024】その理由は、ローパスフィルタが速度制御
系のループに直接組み込まれているため、ローパスフィ
ルタのカットオフ周波数のような特性が、そのまま制御
系全体の安定性に影響する、からである。また、ローパ
スフィルタの特性を変更するためには、制御系の安定性
を考慮して、パラメータαの減少曲線など参照モデル全
体の再設計を行う必要があるからである。
【0025】特許第2725547号、特開2000−
21103号公報等に開示されている技術の問題点は、
ローパスフィルタの特性の変更をオンラインに行うこと
ができない、ということである。
【0026】その理由は、何れの方法もVCMのモデル
を安定化するループを構成しているが、そのループの内
部にローパスフィルタを組み込んでおり、やはりローパ
スフィルタの特性を変更するためには、参照モデル全体
の再設計が必要となるからである。
【0027】したがって、本発明は、上記問題点に鑑み
てなされたものであって、その目的は、入力が加速度の
次元に相当し、出力は位置の次元となる2重積分特性を
持った制御対象を参照軌道に追従させて移動し位置決め
を行う位置決め装置、特に静粛性を要求されるディスク
装置ヘッドの位置決め装置において、低コストにソフト
ウエア的に騒音を低減し、装置の使用状況に応じて、オ
ンラインで静粛性と高速性の優先度を切り換えられる位
置決め時の騒音を低減する位置決め装置を提供すること
にある。
【0028】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明は、入力が加速度の次元に相当し、出力は位置の次元
となる制御対象を参照軌道に追従させて移動し位置決め
を行う位置決め装置であって、基準参照加速度軌道、基
準参照速度軌道、基準参照位置軌道を生成する基準参照
軌道生成モデルと、3種類の基準参照軌道を全く同じ特
性の3つフィルタをそれぞれ通過させて参照加速度軌
道、参照速度軌道、参照位置軌道を生成する参照軌道生
成モデルと、制御対象の速度を推定する状態推定器を有
し、参照加速度軌道をフィードフォワード入力として制
御対象に入力し、さらに参照位置軌道と制御対象の位置
との追従誤差と、参照速度軌道と前記状態推定器より求
めた推定速度との追従誤差とを零とするように働くフィ
ードバック制御器を具備することを特徴としている。
【0029】本発明は基準参照加速度軌道、基準参照位
置軌道を生成する基準参照軌道生成モデルと、前記2種
類の基準参照軌道を全く同じ特性の2つフィルタをそれ
ぞれ通過させて参照加速度軌道、参照位置軌道を生成す
る参照軌道生成モデルを有し、前記参照加速度軌道をフ
ィードフォワード入力として前記制御対象に入力し、さ
らに前記参照位置軌道と前記制御対象の位置との追従誤
差を零とするように働くフィードバック制御器を備えて
いる。
【0030】前記参照軌道生成モデルは、前記フィルタ
のカットオフ周波数などの特性をオンラインで変更する
フィルタ調整器を有する。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について説明
する。本発明は、その好ましい一実施の形態において、
図1を参照すると、入力が加速度の次元に相当し、出力
は位置の次元となる制御対象を参照軌道に追従させて移
動し位置決めを行う位置決め装置であって、基準参照加
速度軌道212、基準参照速度軌道213、基準参照位
置軌道214を生成する手段である基準参照軌道生成モ
デル108と、これら3種類の基準参照軌道を全く同じ
特性の3つフィルタ109、110、111をそれぞれ
通過させて参照加速度軌道207、参照速度軌道20
8、参照位置軌道209を生成する手段である参照軌道
生成モデル107を備えている。
【0032】さらに、制御対象101の速度を推定する
状態推定器105を備え、参照加速度軌道を、フィード
フォワード入力として制御対象101に入力し、さらに
前記参照位置軌道と制御対象101の位置との追従誤差
と、前記参照速度軌道と前記状態推定器105より求め
た推定速度との追従誤差とを零とするように制御するフ
ィードバック制御器104を備える。
【0033】フィルタ109、110、111により特
定の(高周波数域、もしくは共振周波数付近)周波数成
分が参照軌道より除去され騒音の制御ができると同時
に、フィルタ109、110、111が、基準参照軌道
生成モデルと、実際の追従制御を行う制御系との間に組
み込まれるため、基準参照軌道生成モデルや制御系と無
関係に、フィルタの特性のみを変更することができる。
【0034】本発明は、軌道追従制御にあたり、速度の
情報が必要とならない場合、入力が加速度の次元に相当
し、出力は位置の次元となる制御対象を参照軌道に追従
させて移動し位置決めを行う位置決め装置において、基
準参照加速度軌道、基準参照位置軌道を生成する基準参
照軌道生成モデルと、前記2種類の基準参照軌道を全く
同じ特性の2つフィルタをそれぞれ通過させて参照加速
度軌道、参照位置軌道を生成する参照軌道生成モデルを
有し、前記参照加速度軌道をフィードフォーワード入力
として前記制御対象に入力し、さらに前記参照位置軌道
と前記制御対象の位置との追従誤差を零とするように働
くフィードバック制御器を備えた構成としてもよい。
【0035】本発明において、前記参照軌道生成モデル
内に、前記フィルタのカットオフ周波数などの特性を、
騒音の抑制と位置決めに要する時間のトレードオフで、
オンラインで変更するフィルタ調整器を備えた構成とし
てもよい。その結果、磁気ディスク装置を使ったコンピ
ュータや家電の設計者は、磁気ディスク装置の使用状況
に応じて、数個のパラメータ値を変更する(もしくは磁
気ディスク装置にコマンドを発行する)のみで、静粛性
優先や高速性優先といった磁気ディスク装置の仕様の変
更をオンラインで行うことができる。
【0036】
【実施例】本発明の実施例について図面を参照して以下
に説明する。図1は、本発明の一実施例の構成を示す図
である。図1において、制御対象101は、図17に示
されるドライバによって駆動されるボイスコイルモータ
3とキャリッジアーム4、ヘッド6などから構成され
る。
【0037】制御対象101からは、位置決めの対象で
ある制御対象101の位置(ヘッド位置)201が、所
望のトラックとの相対位置の形で出力される。ここで
は、ディジタルコントローラを想定しているため、ゼロ
次ホールド回路102とサンプラ103とが、制御対象
101の前後に、それぞれ配設されている。
【0038】図3は、ボイスコイルモータへの入力から
ヘッド位置201までの周波数応答(ゲインと位相の周
波数特性)を示す図である。図3から、高周波数域の共
振を無視すれば、ボイスコイルモータへの入力は、ヘッ
ド位置の加速度の次元、出力は位置の次元となる2重積
分器に相当していることがわかる。すなわち低周波数域
のゲインが−40dB/decの傾きをもち、位相が−
180度であるためである。
【0039】PID制御器104は、各参照軌道20
6、207、208に、制御対象101の状態を追従さ
せるためのものである。軌道追従型の制御器であればよ
く、PIDの構成に限定されるものではない。
【0040】ここでは、参照位置軌道208と、制御対
象101の位置201との位置追従誤差209に積分
(ディジタル系であるため加算)動作と比例動作を施
し、参照速度軌道207と状態推定器105により推定
された制御対象101の推定速度205との速度追従誤
差210に比例動作を施して、フィードバック制御信号
を出力する。
【0041】なお、積分動作は過渡応答調整のため、ス
イッチ106により位置決め終了直前より開始しても良
い。
【0042】また、参照加速度軌道206は、フィード
バック制御器の遅れを補い、追従精度を向上させるため
にフィードフォワード入力として制御信号211を生成
するためにPID制御器104からの出力に加算され
る。
【0043】このような構成は、2自由度制御系、もし
くは軌道追従型制御系として参照されるもので、参照軌
道に高速に制御対象の状態を追従させることができる一
般的な手法である。
【0044】参照軌道生成モデル107は、基準参照加
速度軌道212、基準参照速度軌道213、基準参照位
置軌道214を生成する基準参照軌道生成モデル108
と、全く同じ特性(例えばカットオフ周波数)を有する
ローパスフィルタA109、ローパスフィルタC11
0、ローパスフィルタB111より構成される。
【0045】図4は、加速度の次元に相当するボイスコ
イルモータ(VCM)の電流値から騒音の主因であるカ
バーの振動までの伝達特性を示す図である。ローパスフ
ィルタの役割は、この伝達特性の2kHz前後の可聴域
の周波数成分を参照軌道から取り除き、騒音を制御する
ものである。
【0046】例えば、このローパスフィルタは、式
(1)で表される1次のローパスフィルタである。
【0047】 yk(i)=Af・yk(i-1)+(1-Af)・uk(i) …(1)
【0048】ただし、式(1)において、Afは、カッ
トオフ周波数を決定するパラメータであり、ディジタル
系のサンプリング時間をTs、カットオフ周波数をfと
すれば、 Af=exp(−2・π・f・Ts) で計算される。
【0049】また、uk(i)はフィルタへの入力、y
k(i)はフィルタの出力、yk(i−1)は前回サン
プリングのフィルタ出力である。
【0050】例えば、サンプリング時間Ts=83.3
マイクロ秒、カットオフ200HzであればAf=0.
9となるので、ローパスフィルタ調整器112は、この
Afというパラメータ一つを、0.9から0までの任意
の値に選ぶだけで、カットオフ200Hz(静粛性大、
低速)から無限大(静粛性小、高速)まで無段階で静粛
性を、必要とされる高速性とのトレードオフで調整する
ことが可能となる。
【0051】なお、カットオフ無限大とは、すなわちA
f=0であり、基準参照軌道がそのまま出力される状態
である。
【0052】図2は、この参照軌道生成モデル107の
詳細を示したものである。基本的には制御対象の数値モ
デル101にシーク動作をさせて、その時の内部状態を
基準参照軌道として生成する基準参照軌道生成モデルと
上述の3つのローパスフィルタより構成される。
【0053】制御対象の数値モデル301は、2重積分
器と見なせる制御対象101をサンプリング時間Tsで
離散化したものである。
【0054】例えば、式(2)や、演算時間遅れTdの
影響も考慮した式(3)などような状態方程式で規定さ
れる。
【0055】
【0056】 …(3)
【0057】いずれのモデルも式(2)、(3)に従
い、入力a(i)を受け、次サンプリングの状態、すな
わちモデルの位置302、p(i+1)とモデルの速度
303、v(i+1)を計算するためのものである。
【0058】この数値モデル301に対して、速度制
御、位置制御ができるように決定された状態フィードバ
ック係数が、速度ゲイン305と位置ゲイン306が設
定される。
【0059】速度プロファイル308は、例えば式
(4)で表される関数(簡易的にはテーブル引きするこ
ともある)であり、通常は、実際の制御対象のシーク動
作の制御に利用されるものである。
【0060】
【0061】しかし、ここでは、数値モデル301に対
して、この速度プロファイルを用いてシーク動作を実行
させる構成となっている。
【0062】式(4)は、最終目標位置309とモデル
の位置302との偏差peの関数として定義され、速度
プロファイルと呼ばれる目標速度vdを生成する。
【0063】ただし、adは、減速時の基準加速度、c
sは減速の最終段階を滑らかにするための設計パラメー
タであり、通常0.0005から0.001程度の値が
使用される。
【0064】この速度プロファイル308より生成され
た信号はモデルの速度303との偏差をとって速度ゲイ
ン305を乗じた後、ボイスコイルモータの性能を考慮
した飽和要素307を通して、制御対象の数値モデル3
01にフィードバックされる。
【0065】もし、制御対象の数値モデルを実際の制御
対象に読み替えれば既存のシーク動作と同じであり、こ
の構成は、数値モデル301にシーク動作を行わせるた
めのものとなっている。
【0066】また、スイッチ310とスイッチ311は
共に接点A側からシーク動作を開始し、最終目標位置3
09とモデルの位置302との偏差peが、1トラック
幅以下となった時点で、接点B側に切り替わる。
【0067】これにより、速度プロファイルの出力は、
零に固定され、さらに、モデルの位置302がドリフト
しないように、位置ゲイン306による位置制御が開始
される。
【0068】この例では、等価的な逆起電力係数304
により、逆起電力による電圧降下に相当する加速度31
3を、飽和要素307の出力312より減じたものが、
基準参照加速度軌道212として生成され、モデルの速
度303が、基準参照速度軌道213、モデルの位置3
02が基準参照速度軌道214として生成される。
【0069】以上、基準参照生成モデルの構成を説明し
たが、基本的には、加速度、速度、位置の次元で矛盾の
生じないよう(加速度の積分値は速度に一致するなど)
に、軌道を生成するモデルであれば、本発明による基準
参照軌道生成モデルとして採用可能である。
【0070】その理由は、以下に述べるローパスフィル
タの構成は、基準参照軌道生成モデルの構成に因る部分
がないからである。
【0071】最後に、参照軌道生成モデル107は、基
準参照軌道212、213、214を、それぞれ全く同
じ特性を持つローパスフィルタAからCを通過させた
後、参照軌道206、207、208を生成する。
【0072】これらの参照軌道は、上述のように2自由
度制御系の参照軌道として使用される。
【0073】ここで注目すべきは、本発明では全く同じ
特性の線形なローパスフィルタを使用しているため、基
準参照軌道が加速度、速度、位置として矛盾なく生成さ
れていれば(加速度軌道を積分すれば速度軌道となり、
その速度軌道を積分すれば位置軌道となる関係)、どの
ようにカットオフ(係数Af)を設定してもローパスフ
ィルタ通過後の参照軌道も加速度、速度、位置として矛
盾を生じないという点である。
【0074】本発明の一実施例の動作について、図1、
図2、図5から図16を参照して、以下に詳細に説明す
る。ここでは、磁気ディスク装置のヘッドをあるトラッ
クから別のトラックへ移動させるシーク動作を行う場合
について説明する。
【0075】まず、シーク動作のターゲットとなる目標
位置309が決定され、基準参照軌道生成モデル108
に伝達される。
【0076】また、ローパスフィルタ調整器112は、
上位より要求される静粛性と高速性のトレードオフによ
り、例えば0.9から0の間で式(1)の係数Afを決
定する。
【0077】目標位置309がシーク開始により更新さ
れると、スイッチ310とスイッチ311の接点はA側
(図3参照)にリセットされる。
【0078】また、目標位置309と現在のモデルの位
置302との間に偏差を生じるので、速度プロファイル
308は、式(4)に従って、目標速度となる出力を計
算する。
【0079】この計算結果と、モデルの速度303との
偏差に、速度ゲイン305を乗じた後、ボイスコイルモ
ータの物理的性能を超えないように設けられた飽和要素
307を通して、制御信号312として、制御対象の数
値モデル301に伝達され、これを駆動する。
【0080】ただし、実効的に得られる加速度は、逆起
電力による電圧降下に相当する加速度313を減じる必
要があることから、制御信号312から、信号313
(等価的な逆起電力係数304により逆起電力による電
圧降下に相当する加速度)を減じたものが制御対象の数
値モデル301に伝達される。
【0081】この制御対象の数値モデル301に伝達さ
れる信号が、基準参照加速度軌道212となる。
【0082】このようにして、速度プロファイル308
は、制御対象の位置が目標位置309に到達するように
適切な目標速度を出力し続け、その結果として得られる
モデルの速度303と、モデル301の位置302は、
それぞれ、基準参照速度軌道213、基準参照速度軌道
214となる。
【0083】制御対象の数値モデル301は、基本的に
は2重積分器であり、これらの基準参照軌道は、如何な
る状況下でも、加速度、速度、位置として矛盾を生じな
い。最終的には、モデルの位置302が目標位置309
に接近して、残り距離が1トラック幅以下という条件を
満たすので、その時点でスイッチ310と311は接点
Bに切り替わり、目標速度は零となり、位置フィードバ
ックがかかるので、制御対象の位置309は、目標位置
と一致した状態で停止する。これは、基準参照軌道の生
成が終了したことを意味する。
【0084】上記のような過程で生成された基準参照軌
道は、一方で、リアルタイムに3つのローパスフィルタ
109、110、111で処理された後、参照軌道20
6、207、208として2自由度制御系へ伝達され
る。
【0085】PID制御器104は、参照軌道が動的に
生成さている間、各参照軌道206、207、208
に、実際の制御対象の状態を追従させるように動作す
る。すなわち、参照位置軌道208と制御対象の位置2
01との位置追従誤差209に積分(ディジタル系なの
で加算)動作と比例動作を施し、参照速度軌道207と
状態推定器105により推定された制御対象の推定速度
205との速度追従誤差210に比例動作を施してフィ
ードバック制御則を出力する。
【0086】また、参照加速度軌道206は、フィード
バック制御器の遅れを補い、追従精度を向上させるため
にフィードフォワード入力として制御信号211を生成
するためにPID制御器からの出力に加算される。な
お、積分動作は過渡応答調整のため、スイッチ106に
より位置決め終了直前より開始しても良い。
【0087】以上の動作により、ローパスフィルタのカ
ットオフに応じた騒音制御を実現したうえで、制御対象
の状態は参照軌道に精度良く追従し、シーク動作が完遂
される。
【0088】図5から図7は、ローパスフィルタのカッ
トオフ無限大、すなわちAf=0に設定し、約8.4m
mヘッドを移動させるための参照軌道(参照加速度軌
道、参照速度軌道、参照位置軌道)を生成した場合の例
を示す図である。この場合、Af=0であるため、図5
から図7までの参照軌道は、基準参照軌道と一致してい
る。
【0089】また、図8は、図5から図7の参照軌道を
用いて、シーク動作を実行した場合のカバー(図17参
照)の振動(加速度計の出力)の時刻歴応答を示す図で
ある。
【0090】図9から図11は、ローパスフィルタのカ
ットオフ400Hz、すなわちAf=0.81に設定
し、約8.4mmヘッドを移動させるための参照軌道
(参照加速度軌道、参照速度軌道、参照位置軌道)を生
成した場合の例を示す図である。ここで、基準参照軌道
は、図5から7と同一である。
【0091】また、図12は、図9から図11の参照軌
道を用いて、シーク動作を実行した場合のカバーの振動
(加速度計の出力)の時刻歴応答を示す図である。
【0092】図12を図8の結果と比較すると、明らか
に、図12に示す例の方が、カバーの振動が抑制されて
おり、静粛性が改善されている(騒音計による計測で約
5dB改善されている)。
【0093】また、位置決めに要する時間は、カットオ
フ無限大(高速仕様)時と比べ、約2ミリ秒ほど伸びて
いる。
【0094】図13から図15は、ローパスフィルタの
カットオフ200Hz、すなわちAf=0.90に設定
し、約8.4mmヘッドを移動させるための参照軌道
(参照加速度軌道、参照速度軌道、参照位置軌道)を生
成した場合の例である。ここで、基準参照軌道は、図5
から図7と同一である。
【0095】また、図16は、図13から図15の参照
軌道を用いてシーク動作を実行した場合のカバーの振動
(加速度計の出力)の時刻歴応答を示す図である。
【0096】図16を参照すると、カットオフ400H
z時の図12に示す例より、カバーの振動が抑制されて
おり、さらに静粛性が改善されている。また、位置決め
に要する時間は、カットオフ無限大(高速仕様)時と比
べ約5ミリ秒ほど伸びている。
【0097】以上の例からもわかるように、本発明よれ
ば、ローパスフィルタの係数Afを変更するのみで、き
わめて容易に、静粛性と高速性とのトレードオフを無段
階に調整することを可能としており、オンラインでの騒
音制御レベルの設定ができる。
【0098】本発明の別の実施例として、制御対象の速
度を制御に使用する場合、状態推定器を用いずに、直接
タコジェネレータ等のセンサ付加して、その情報を利用
しても良い。
【0099】フィルタ109、110、111は、線形
なフィルタであれば、ローパスフィルタではなく、カバ
ーなどの機械共振周波数付近を減衰させるバンドエリミ
ネイテッド(ノッチ)フィルタとしても良い。
【0100】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば下
記記載の効果を奏する。
【0101】本発明の第1の効果は、フィルタによりソ
フトウエア的に特定の周波数成分が参照軌道より除去さ
れて騒音の制御ができるとともに、基準参照軌道生成モ
デルや制御系と無関係に、フィルタの特性のみを変更す
ることできる、ということである。
【0102】その理由は、本発明においては、入力が加
速度の次元に相当し、出力は位置の次元となる制御対象
を参照軌道に追従させて移動し位置決めを行う位置決め
装置であって、基準参照加速度軌道、基準参照速度軌
道、基準参照位置軌道を生成する基準参照軌道生成モデ
ルと、3種類の参照軌道を全く同じ特性の3つフィルタ
をそれぞれ通過させて、参照加速度軌道、参照速度軌
道、参照位置軌道を生成する参照軌道生成モデルと、制
御対象の速度を推定する状態推定器を有し、参照加速度
軌道をフィードフォーワード入力として制御対象に入力
し、さらに参照位置軌道と制御対象の位置との追従誤差
と、参照速度軌道と前記状態推定器より求めた推定速度
との追従誤差とを零とするように働くフィードバック制
御器を具備しているからである。
【0103】本発明の第2の効果は、フィルタのみに関
係する数パラメータ値を変更するのみで、静粛性優先や
高速性優先といった磁気ディスク装置の仕様の変更をオ
ンラインで行うことができる、ということである。
【0104】その理由は、本発明においては、参照軌道
生成モデル内にフィルタのカットオフ周波数などの特性
を、騒音の抑制と位置決めに要する時間とのトレードオ
フで、オンラインで変更するフィルタ調整器を具備して
いるからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施例の参照軌道生成モデル107
の詳細を示す図である。
【図3】本発明の一実施例における制御対象のボイスコ
イルモータへの入力からヘッド位置までの周波数応答の
一例を示す図である。
【図4】本発明の一実施例におけるボイスコイルモータ
電流値からカバー振動までの周波数応答を示す図であ
る。
【図5】本発明の一実施例におけるローパスフィルタの
カットオフ無限大(Af=0)時の参照加速度軌道の時
刻歴応答を示す図である。
【図6】本発明の一実施例におけるローパスフィルタの
カットオフ無限大(Af=0)時の参照速度軌道の時刻
歴応答を示す図である。
【図7】本発明の一実施例におけるローパスフィルタの
カットオフ無限大(Af=0)時の参照位置軌道の時刻
歴応答を示す図である。
【図8】本発明の一実施例におけるローパスフィルタの
カットオフ無限大(Af=0)時のカバー振動(加速
度)の時刻歴応答を示す図である。
【図9】本発明の一実施例におけるローパスフィルタの
カットオフ400Hz(Af=0.81)時の参照加速
度軌道の時刻歴応答を示す図である。
【図10】本発明の一実施例におけるローパスフィルタ
のカットオフ400Hz(Af=0.81)時の参照速
度軌道の時刻歴応答を示す図である。
【図11】本発明の一実施例におけるローパスフィルタ
のカットオフ400Hz(Af=0.81)時の参照位
置軌道の時刻歴応答を示す図である。
【図12】本発明の一実施例におけるローパスフィルタ
のカットオフ400Hz(Af=0.81)時のカバー
振動(加速度)の時刻歴応答を示す図である。
【図13】本発明の一実施例におけるローパスフィルタ
のカットオフ200Hz(Af=0.90)時の参照加
速度軌道の時刻歴応答を示す図である。
【図14】本発明の一実施例におけるローパスフィルタ
のカットオフ200Hz(Af=0.90)時の参照速
度軌道の時刻歴応答を示す図である。
【図15】本発明の一実施例におけるローパスフィルタ
のカットオフ200Hz(Af=0.90)時の参照位
置軌道の時刻歴応答を示す図である。
【図16】本発明の一実施例におけるローパスフィルタ
のカットオフ200Hz(Af=0.90)時のカバー
振動(加速度)の時刻歴応答を示す図である。
【図17】一般的な磁気ディスク装置の機構部分構成を
示す斜視図である
【図18】機構的な改善により騒音を低減する従来技術
の構成を示す図である。
【図19】機構的な改善により騒音を低減する別の従来
技術の構成を示す図である。
【図20】ソフト的な改善により騒音を低減する従来技
術の構成を示す図である。
【図21】一般的な2自由度制御系(軌道追従型の制御
系)の構成を示す図である。
【図22】ソフト的な改善により騒音を低減する別の従
来技術の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 磁気ディスク装置カバー 2 ピボット 3 ボイスコイルモータ(VCM) 4 キャリッジアーム 5 ディスク 6 ヘッド 7 固定用ねじ 101 制御対象 102 ゼロ次ホールド回路 103 サンプラ 104 PID制御器 105 状態推定器 106 積分器スイッチ 107 参照軌道生成モデル 108 基準参照軌道生成モデル 109 ローパスフィルタA 110 ローパスフィルタC 111 ローパスフィルタB 112 ローパスフィルタ調整器 201 制御対象の位置 202 速度推定値 203 PID制御器の積分ゲイン 204 PID制御器の比例ゲイン 205 PID制御器の微分ゲイン(速度比例ゲイン) 206 参照加速度軌道 207 参照速度軌道 208 参照位置軌道 209 位置の追従誤差 210 速度の追従誤差 211 制御入力 212 基準参照加速度軌道 213 基準参照速度軌道 214 基準参照位置軌道 301 制御対象の数値モデル 302 モデルの位置 303 モデルの速度 304 等価逆起電力係数 305 参照モデルの速度フィードバックゲイン 306 参照モデルの位置フィードバックゲイン 307 飽和要素 308 速度プロファイル 309 目標位置 310 速度プロファイル切り替えスイッチ 311 位置制御切り替えスイッチ 312 飽和要素通過後の駆動信号 313 逆起電力と等価な加速度 801 磁気ディスク装置のピボット付近カバー 802 カバーの厚みを薄くした部分 803 ピボット固定用ねじ 811 カバーの蓋 812 磁気ディスク装置のカバー 813 振動吸収部材 814 固定ねじで直接ピボット接触する部材 901 残り距離によりパラメータαを変更するアルゴ
リズムブロック 902 ゲインα 903 ゲイン(1−α) 904 ローパスフィルタ 905 参照速度調整器 906 速度プロファイル発生器 907 速度制御器と制御対象 910 軌道生成モデル 911 VCMのモデル 912 入力生成器 913 参照加速度軌道 914 参照速度軌道 915 参照位置軌道
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D088 PP01 PP08 TT03 TT10 UU07 5D096 AA02 DD05 GG06 HH01 HH18 KK11 RR01 RR02 5H004 GA05 GA09 GA34 GB09 HA07 HA08 HA09 HB07 HB08 JA02 JA03 JA09 JB03 KA69 KA72 KB02 KB04 KB06 KB13 KB16 KB32 KB39 KC34 KC35 KC39 LA12 LA13 LA16 LB05 LB09 MA12 MA44

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力が加速度の次元に相当し、出力は位置
    の次元となる制御対象を参照軌道に追従させて移動し位
    置決めを行う位置決め装置であって、 基準参照加速度軌道、基準参照速度軌道、及び基準参照
    位置軌道を生成する基準参照軌道生成モデルと、前記3
    種類の基準参照軌道をそれぞれ同じ特性の3つのフィル
    タを通過させて参照加速度軌道、参照速度軌道、及び参
    照位置軌道を生成する参照軌道生成モデルと、前記制御
    対象の速度を推定する状態推定器と、を有し、前記参照
    加速度軌道を、フィードフォワード入力として、前記制
    御対象に入力し、前記参照位置軌道と前記制御対象の位
    置との追従誤差と、前記参照速度軌道と前記状態推定器
    より求めた推定速度との追従誤差とを零とするように制
    御するフィードバック制御器を備えたことを特徴とす
    る、位置決め時の騒音を低減する位置決め装置。
  2. 【請求項2】入力が加速度の次元に相当し、出力は位置
    の次元となる制御対象を参照軌道に追従させて移動し位
    置決めを行う位置決め装置であって、 基準参照加速度軌道、及び基準参照位置軌道を生成する
    基準参照軌道生成モデルと、前記2種類の基準参照軌道
    をそれぞれ同じ特性の2つのフィルタを通過させて参照
    加速度軌道、及び参照位置軌道を生成する参照軌道生成
    モデルと、を有し、前記参照加速度軌道をフィードフォ
    ワード入力として前記制御対象に入力し、前記参照位置
    軌道と前記制御対象の位置との追従誤差を零とするよう
    に働くフィードバック制御器を備えたことを特徴とす
    る、位置決め時の騒音を低減する位置決め装置。
  3. 【請求項3】前記参照軌道生成モデルが、前記フィルタ
    の所定の特性をオンラインで変更するフィルタ調整器を
    有することを特徴とする、請求項1又は2記載の位置決
    め時の騒音を低減する位置決め装置。
  4. 【請求項4】入力が加速度の次元に相当し、出力が位置
    の次元となる制御対象を参照軌道に追従させて移動させ
    位置決めを行う位置決め装置であって、 基準参照加速度軌道、基準参照速度軌道、及び基準参照
    位置軌道を生成する基準参照軌道生成手段と、 前記基準参照加速度軌道、前記基準参照速度軌道、及び
    前記基準参照位置軌道をそれぞれ入力とし、参照加速度
    軌道、参照速度軌道、及び参照位置軌道をそれぞれ出力
    する第1乃至第3のフィルタと、 前記第1乃至第3のフィルタの特性を可変させるフィル
    タ調整手段と、 を備えた参照軌道生成手段と、 前記制御対象の速度を推定する状態推定手段と、 前記参照軌道生成手段から出力される前記参照加速度軌
    道を、フィードフォワード入力として、前記制御対象に
    入力し、前記参照軌道生成手段から出力される前記参照
    位置軌道と前記制御対象の位置との追従誤差と、前記参
    照軌道生成手段から出力される前記参照速度軌道と前記
    状態推定手段より求められた推定速度との追従誤差とを
    零とするように制御するフィードバック制御手段と、 を備えたことを特徴とする位置決め装置。
  5. 【請求項5】前記参照軌道生成手段において、前記制御
    対象を数値化したモデル(「制御対象モデル」という)
    に対して、速度制御、位置制御ができるように決定され
    た状態フィードバック係数が速度ゲイン手段と位置ゲイ
    ン手段とに設定され、 前記制御対象の位置決め動作の制御に利用され、最終目
    標位置と、前記制御対象モデルの位置とを入力とする第
    1の減算器から出力される偏差に基づき、目標速度を生
    成する速度プロファイル生成手段と、 前記速度プロファイル生成手段より生成された信号と前
    記制御対象モデルの速度との偏差をとる第2の減算器
    と、を備え、 前記第2の減算器の出力は、前記速度ゲイン手段に供給
    されて速度ゲインを乗じた後、前記制御対象の性能を考
    慮した飽和設定手段を通して、前記制御対象モデルにフ
    ィードバック入力され、 前記速度プロファイル生成手段の出力と、零固定値とを
    第1、第2の入力に入力しその一方を前記速度ゲイン手
    段に選択出力する第1のスイッチと、 零固定値と、前記速度プロファイル生成手段への入力
    を、第1、第2の入力に入力しその一方を前記位置ゲイ
    ン手段に選択出力する第2のスイッチと、を備え、 前記第1、及び第2のスイッチは、ともに、第1の入力
    側から位置決め動作を開始し、最終目標位置と前記制御
    対象モデルの位置との偏差が所定数トラック幅以下とな
    った時点で、第2の入力側に切り替え、前記速度プロフ
    ァイル生成手段の出力は、零に固定され、さらに、前記
    制御対象モデルの位置がドリフトしないように、前記位
    置ゲイン手段による位置制御が開始され、 前記制御対象モデルの速度を入力とし逆起電力係数によ
    り逆起電力と等価な加速度を出力する逆起電力係数手段
    と、 前記逆起電力係数手段により得られる逆起電力と等価な
    加速度を前記飽和設定手段の出力より減じる第3の減算
    器と、を備え、 前記第3の減算器の出力は、前記制御対象モデルに入力
    されるとともに、前記基準参照加速度軌道として前記第
    1のフィルタに入力され、 前記制御対象モデルの速度が前記基準参照速度軌道とし
    て前記第2のフィルタに入力され、 前記制御対象モデルの位置が前記基準参照速度軌道とし
    て前記第3のフィルタに入力される、ことを特徴とする
    請求項4に記載の位置決め装置。
  6. 【請求項6】前記制御対象モデルが、磁気ディスク装置
    におけるヘッド、モータ、キャリッジアーム、ヘッドを
    含む制御対象を数値でモデル化したものである、ことを
    特徴とする請求項4又は5に記載の位置決め装置。
  7. 【請求項7】前記第1乃至第3のフィルタは、周波数特
    性が互いに同一とされている、ことを特徴とする請求項
    4乃至6のいずれか一に記載の位置決め装置。
  8. 【請求項8】入力が加速度の次元に相当し、出力が位置
    の次元となる制御対象を参照軌道に追従させて移動させ
    位置決めを行う位置決め装置であって、 基準参照加速度軌道、及び基準参照位置軌道を生成する
    基準参照軌道生成手段、 前記基準参照加速度軌道、及び前記基準参照位置軌道を
    それぞれ入力し参照加速度軌道、及び参照位置軌道をそ
    れぞれ生成する第1、及び第2のフィルタと、 を備えた参照軌道生成手段と、 前記参照加速度軌道をフィードフォワード入力として前
    記制御対象に入力し、前記参照位置軌道と前記制御対象
    の位置との追従誤差を零とするように働くフィードバッ
    ク制御器と、 を備えたことを特徴とする、位置決め装置。
JP2000140667A 2000-05-12 2000-05-12 位置決め時の騒音を低減する位置決め装置 Expired - Fee Related JP3853135B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000140667A JP3853135B2 (ja) 2000-05-12 2000-05-12 位置決め時の騒音を低減する位置決め装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000140667A JP3853135B2 (ja) 2000-05-12 2000-05-12 位置決め時の騒音を低減する位置決め装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001325006A true JP2001325006A (ja) 2001-11-22
JP3853135B2 JP3853135B2 (ja) 2006-12-06

Family

ID=18647919

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000140667A Expired - Fee Related JP3853135B2 (ja) 2000-05-12 2000-05-12 位置決め時の騒音を低減する位置決め装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3853135B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005011036A (ja) * 2003-06-18 2005-01-13 Honda Motor Co Ltd プラントの制御装置
JP2008084103A (ja) * 2006-09-28 2008-04-10 Fujitsu Ltd シーク制御方法、シーク制御装置および媒体記憶装置
US7359140B2 (en) 2003-05-19 2008-04-15 Samsung Electronics Co., Ltd. Method and apparatus of acceleration-based track seeking servo control of disk drive
JP2009020580A (ja) * 2007-07-10 2009-01-29 Nec Corp 駆動制御装置
CN104111662A (zh) * 2014-06-10 2014-10-22 西安应用光学研究所 一种光电跟踪仪自动跟踪状态下的单杆补偿方法
CN106842916A (zh) * 2016-12-23 2017-06-13 中国科学院数学与系统科学研究院 一种三维位置伺服系统的预测自抗扰控制方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07261853A (ja) * 1994-03-23 1995-10-13 Komatsu Ltd ロボットの振動低減装置
JP2725547B2 (ja) * 1993-01-07 1998-03-11 日本電気株式会社 ディスク装置のヘッド位置決め制御装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2725547B2 (ja) * 1993-01-07 1998-03-11 日本電気株式会社 ディスク装置のヘッド位置決め制御装置
JPH07261853A (ja) * 1994-03-23 1995-10-13 Komatsu Ltd ロボットの振動低減装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7359140B2 (en) 2003-05-19 2008-04-15 Samsung Electronics Co., Ltd. Method and apparatus of acceleration-based track seeking servo control of disk drive
JP2005011036A (ja) * 2003-06-18 2005-01-13 Honda Motor Co Ltd プラントの制御装置
JP2008084103A (ja) * 2006-09-28 2008-04-10 Fujitsu Ltd シーク制御方法、シーク制御装置および媒体記憶装置
JP4612603B2 (ja) * 2006-09-28 2011-01-12 東芝ストレージデバイス株式会社 シーク制御方法、シーク制御装置および媒体記憶装置
JP2009020580A (ja) * 2007-07-10 2009-01-29 Nec Corp 駆動制御装置
CN104111662A (zh) * 2014-06-10 2014-10-22 西安应用光学研究所 一种光电跟踪仪自动跟踪状态下的单杆补偿方法
CN104111662B (zh) * 2014-06-10 2016-08-24 西安应用光学研究所 一种光电跟踪仪自动跟踪状态下的单杆补偿方法
CN106842916A (zh) * 2016-12-23 2017-06-13 中国科学院数学与系统科学研究院 一种三维位置伺服系统的预测自抗扰控制方法
CN106842916B (zh) * 2016-12-23 2018-12-21 中国科学院数学与系统科学研究院 一种三维位置伺服系统的预测自抗扰控制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3853135B2 (ja) 2006-12-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4837558B2 (ja) モータ制御装置
JP2005135186A (ja) 規範モデル追従型制御システム及び規範モデル追従型制御方法
US6950274B2 (en) Disk storage apparatus and disk storage apparatus control method
JP2007156699A (ja) モータの負荷イナーシャ推定方法
JP4287442B2 (ja) 磁気ディスク装置およびヘッド位置決め制御方法
JP3853135B2 (ja) 位置決め時の騒音を低減する位置決め装置
JP2003033066A (ja) 速度制御装置
JP2007140950A (ja) ディジタルサーボ制御装置
JP2004023910A (ja) モータ制御装置
JP2001136767A (ja) リニアモータの制御方法とその装置
JP2005071034A (ja) サーボ制御装置
JP3454942B2 (ja) 位置制御装置
JP4494665B2 (ja) 移動体位置制御装置,移動体位置制御装置の帯域阻止フィルタ調整用プログラムおよび移動体位置制御装置のループゲイン調整用プログラム
JP4109812B2 (ja) 位置決め制御装置
JP3779668B2 (ja) ディスク記憶装置及びヘッド位置決め制御方法
JP2008243176A (ja) 位置制御装置
JP4078184B2 (ja) ディスク装置およびその制御方法
JP2621665B2 (ja) ヘッドの位置決め制御方式
JP4072138B2 (ja) ディスク装置及びヘッド位置決め制御方法
KR100794893B1 (ko) 모터 제어 장치
JP2009201329A (ja) 圧電アクチュエータの制御装置
JPH10269675A (ja) ディスク記憶装置
JP2000021103A (ja) 磁気ディスク装置のシーク制御方法
JPH08329630A (ja) ディスク記録装置
JP2000311454A (ja) ディスク装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060301

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060620

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060810

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060905

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060905

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100915

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110915

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120915

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130915

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees