JP2009020580A - 駆動制御装置 - Google Patents

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【課題】広範囲な角速度指令に対して、安定で高精度な角速度追従特性と角度精度を実現可能にする。
【解決手段】応答可能範囲を拡大すべく駆動指令を生成していた過程に、立ち上がり、立下りを考慮したプロファイル型指令生成器4と、高精度な追従特性を得るべく2自由度型モデル追従補償器7とで構成された制御系を具備するとともに、該制御系の上位制御器として、要求される角速度で安定に駆動すべく要求プロファイルや補償器を適応的に切り替えたり、全体システムの安定性に関する評価指標をリアルタイムで算出しながら、コントローラを自動的に設定する最適制御器9を備えた構成を採用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、駆動機構によって制御対象を目標状態に制御する駆動制御装置に関し、特に、その指向方向を目標角度に向ける制御を行うレーダ用のアンテナ駆動制御装置に関する。
近年のレーダ技術の発展に伴い、偵察用のスロットアレイ式指向性レーダアンテナ装置が実用化されている。従来、このアンテナの指向角度制御を行うために駆動装置の制御系として、例えばPID(Proportional Integral and Differential)制御等を備えたフィードバック制御装置が採用されている。
図7は、レーダ装置における従来のアンテナ駆動制御系を示すブロック図であり、レーダアンテナを駆動して該アンテナの指向角度を目標角度に一致させるために、PID制御装置1と制御対象である大型レーダ2とによって単純なフィードバックループ形を構成している。PID制御は、目標値との誤差の定数倍だけでなく誤差の積分値および微分値の定数倍をそれぞれ加えてフィードバック制御するものであって、アンテナ駆動制御系の応答性を良くするとともに定常誤差をなくす効果が得られる。
しかし、このPID制御によるフィードバック制御装置の場合、構造物の高次共振モードによる制御系の不安定化を押さえるためにはフィードバック制御系の帯域を狭くする必要があるが、一方、目標を高速に捕捉し、かつ指向精度を高めるためには、ゲイン安定の範囲でフィードバック制御系の帯域を上げていく必要がある。また、ゲイン安定の範囲内でフィードバック制御系の帯域を上げることにより予想される構造的な共振モードの問題を解決できたとしても、今度は、摩擦などの非線形な外乱の影響を押さえることができなくなるという問題があり、これら外乱の影響によって制御系が不安定な動作をする場合がある。
即ち、PID制御によるフィードバック制御では、高精度な位置制御をしようとすると制御系が不確定な外乱を抑制することができなる構成であるため、風や主軸回りの摩擦等の駆動制御系への外乱として作用する要素の影響を受けて、静止時にハンチング現象を引き起こしてしまう不具合が発生していた。
このような問題を解決する手段として、例えば、特許文献1では、アンテナ駆動機構制御回路に、アンテナ支持弾性軸受で生じる振動特性を制御し、アンテナに加わる外乱トルクの影響を低減させる外乱補償器を付加することにより、環境からの外乱や軸受の振動特性の影響を受け難くしたアンテナ指向方向制御系を実現している。
また、特許文献2では、宇宙機に搭載される2軸のジンバル機構からなる光通信用光アンテナの指向角制御を行う際に、例えばPID制御系によってフィードバック制御系をゲイン安定化し、また、外乱に対してはロバスト補償器により外乱を抑制し、さらに、ターゲット衛星の高速な捕捉にはリファレンスモデルとフィードフォワードによる制御を行うことで、フィードバック制御系の帯域に依存しない制御系を構成する技術が記載されている。
特開平6−343007号公報 特開平9−121112号公報 特開2005−135186号公報 特開平5−297907号公報 特開平5−303403号公報 特開平6−113578号公報
スロットアレイ式指向性レーダアンテナ装置は、構造としては搭載するアンテナが横長で平たい形をしており、風等の影響を受けやすい形状であるために、図7に示すようなPID制御系ループで構成された従来の制御系では所望の角速度安定性を確保することはできない。一方、上記特許文献1〜2等に記載のアンテナ駆動制御装置によれば、従来のPID制御によるアンテナ駆動の場合の問題点を解消して、外乱の影響を抑制し、制御の安定化と応答性を改善することが可能であるが、要求される広範囲な角速度指令に対し、安定で高精度な角速度追従特性と角度精度を一様に実現しようとすると、その設計が困難となるという問題がある。
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、広範囲な角速度指令に対して、安定で高精度な角速度追従特性と角度精度を比較的容易に実現可能にする手段を提供することにある。
本発明の制御対象駆動制御装置は、プロファイル型指令生成器と、2自由度型モデル追従補償器とで構成されて制御対象を駆動制御する駆動制御系と、前記制御対象に要求される目標値に応じて前記プロファイル型指令生成器のプロファイル及び前記2自由度型モデル追従補償器を適応的に切り替えるとともに、前記駆動制御系の安定性に関する評価指標をリアルタイムで算出しながら前記駆動制御系を設計して動作させる最適制御器を備えていることを特徴とする。
即ち本発明は、上記課題を解決するために、制御器の駆動指令を生成していた過程に、立ち上がり、立下りを考慮したプロファイル型指令生成器と、高精度な追従特性を得るべく2自由度型モデル追従補償器とで構成された制御系を設ける。また、要求プロファイルに対して最適な補償器の構成に切り替え、全体システムの安定性に関する評価指標をリアルタイムで算出しながら、コントローラを自動的に設定する最適制御器を採用することを特徴とする。
そのため前記最適制御器は、入力された目標値および前記制御対象の現状値をもとに、前記制御対象の動的特性と近似する制御対象モデルを選定する機能と、該選定した制御対象モデルに従って前記プロファイル型指令生成器のプロファイル及び前記2自由度型モデル追従補償器を適応的に切り替える機能と、該切り替えられた前記2自由度型モデル追従補償器内部のパラメータを所定の評価式を用いて最適化して自動設定する機能と、該自動設定された前記駆動制御系により前記制御対象を駆動制御する機能を有している。
本発明を指向性アンテナの駆動装置として構成した場合には、低速から高速までの幅広い角速度指令に対し、指定角速度、応答状態に合わせた目標プロファイルと補償器を選定し、また、駆動中においてもリアルタイムに最適な評価指標を算出し、自動的に設定されたアンテナの指向性コントローラを形成することで、安定で高精度な角速度追従特性と角度精度を実現することが可能となる。
即ち本発明のアンテナ駆動制御系では、アンテナ構造の動的特性を考慮した駆動制御を実施することによりアンテナ面の無駄な振動の発生を抑制できることから、共振に耐えうる補強構造を減らすことが可能となる。また、低速から高速までの角速度追従制御を変速ギア等の構造的変速機構ではなくソフトウエアのみで実現するため、構造の簡略化、小型軽量化が可能となる。
また、現状の構造の特性を考慮した制御系を構築することで、より最短な時間でのアンテナ駆動を実現することができる。
本発明の制御系は、最適制御器によって最適化したコントローラを自動設定する構成としているので、容易にロバスト安定性に優れ、かつ広範囲の応答特性を有する構成を実現できる。そのため、制御対象にセンサを取付けにくいものや、制御対象が不確定なもの、または外乱を受けやすいもの、駆動系が機械的剛性を有していないもの(例えば同様な高速高精度駆動を要する搭載レーダ/ジンバルや大型柔軟構造物等)や制御操作量に対する制限があるもの等の高精度駆動制御系に対しても容易に適用可能である。
また本発明をレーダ用アンテナに適用した場合、レーダ用アンテナの角度制御系に所望の角速度に合わせた角速度目標指令と、スイッチング機能を用いて最適な補償器を切替え接続する構成とし、さらに全体システムの安定性に関する評価指標を、駆動中においてもリアルタイムに算出して最適化したコントローラを自動設定する構成としているので、要求される広範囲な角速度指令に対し、安定で高精度な角速度追従特性と角度精度を実現することが出来、また、アンテナ構造が共振した時などに大きくなる駆動部主軸周りのねじれトルクによるアンテナやギア系への負荷を極力低減し、最短駆動が可能な駆動制御を実現することが可能となる。
特に本実施形態の構成では、新たなセンサを追加することなく、同定したアンテナ部の構造数学モデルに基づいて算出された補償器を使用しているため、応答性に優れた駆動を実現することができ、さらに、それに対応した外乱補償器により、摩擦、風等の予測が困難な外乱要素から系が受ける影響を最小にしているため、同様な駆動系構造モデルへの転用が可能となり開発コストを大幅に低減することが可能となる。
また、PID制御のように確定したパラメータを用いた制御器と比較し、制御対象の構造的特性が経年的に変化しても、その時点における構造的特性を把握し、適応的にコントローラを設定するロバスト性を有しているため、品質向上の面でもきわめて有利である。
図1は、本発明の実施形態を示す、レーダ用最適追従補償器モデルのブロック図である。
本実施形態のレーダ用駆動制御装置は、応答可能範囲を拡大すべく駆動指令を生成していた過程に、立ち上がり、立下りを考慮したプロファイル型指令生成器4と、高精度な追従特性を得るべく2自由度型モデル追従補償器7とで構成された制御系を具備するとともに、該制御系の上位制御器として、要求される角速度で安定に駆動すべく要求プロファイルや補償器を適応的に切り替えたり、全体システムの安定性に関する評価指標をリアルタイムで算出しながら、コントローラを自動的に設定する最適制御器9を備えた構成を採用する。
また、特に2自由度型モデル追従補償器7の内部においては、搭載するレーダアンテナ構造の動的特性を構造数学モデルに置き換え、従来の駆動指令にフィードフォワード型のモデル追従補償器5と、ロバスト安定性に優れたフィードバック系で構築された安定化補償器10、これに対応する外乱補償器8を盛り込む。構造数学モデルとしては、例えば構造物の振動特性を構造共振として数値で示した数式2次剛体系に置き換える。
例えば、15Hzの振動固有値を有した構造体であれば、2次共振系の以下の伝達関数G(S)に置き換えることができる。
G(S)=ω /(S+2ζωS+ω )・・・(1)
ここでωは、ω=2π×15である。
なお安定化補償器10は、該安定化補償器10と制御対象である大型レーダ6が直列及びフィードバックで結合された閉ループ系における内部安定条件を満たす系として構成され、PID補償器、H∞補償器、ニューラルネットワーク等の、安定化させるためのあるゲインを具備した補償器として実現される。
また最適制御器9は、本実施形態の制御系を逐次制御するためのCPU(コンピュータ)を内部に備えており、プロファイル型指令生成器4、モデル追従補償器7のそれぞれの入出力、内部状態、切り替えスイッチSW1、SW2、SW3に接続されて、パラメータ監視及び切り替えスイッチの切り替え制御等を実行する機能を有している。
図2は、本実施形態の最適追従補償器モデルの高速運転時におけるアンテナ駆動制御系ブロックの組合せ例を示しており、図3は、角速度安定化を重視した運転時における本実施形態のアンテナ駆動制御系ブロックの組合せ例を示している。
例えば、停止モード以外で高速運転を行いたい場合には、図2に示すように、応答性を高めるフィードフォワードの要素を多くし、フィードバック要素を減らして高速応答性を重視した構成に切り替える。また停止時には、アンテナが静止する際に揺れることなくスムーズに止まる必要があるため、図3に示すような、静止安定性を重視した構成に切り替える。角速度が安定するためには、オーバーシュート、アンダーシュートを無くす制御を実現する必要があるため、角加速度の変化量を極力小さくするような制御を行う。そのため、応答性を高めるフィードフォワードの要素を無くすことで、制御系全体の安定化を高めた構成を構築する。角速度が安定になるような構成にする判断は最適制御器9で行われる。
図4は、プロファイル指令生成器4のプロファイル形状を示す事例であり、例えば、立ち上がり時間α、最大目標速度β、最大減速目標速度γにより設定される。図4では、実線で示された高速プロファイル、点線で示された中速プロファイル、一点鎖線で示された低速プロファイルの例が示されているが、最大到達速度が高い場合であってもその立ち上がりを点線のように緩やかにして最大到達速度時のオーバーシュートを緩和する等、適宜のプロファイル形状を設定することができる。
プロファイル生成器4は1入力1出力の構成で、内部回路上では、図4に示すとおり、立ち上がり時間α、最大目標速度β、最大減速目標速度γを調整するパラメータを示しており、各々のバランスを調整することで、制御対象の応答特性に合わせて例えば、高速、低速、中速の3段階の特性プロファイルが事前に設定されている。
本実施形態では、最適制御器9にて目標角度とともに指定された制定時間を計算した上で、制御対象の応答特性を最適化するようにこれらの組み合わせを選定する。また、最適制御器9は、全体システムの安定性に関する評価指標(例えばH∞ノルム等)をリアルタイムで算出しながら、最適なコントローラを自動的に設計する。
例えば、目標角度が現時点とかなり離れている場合には、
1. 最初最大速度で動かし、徐々に目標角度に近づくにつれ、低速で動かすように切り替える。
2. 動かし始めはフィードフォワード主体の構成に切り替える。(フィードバックループを使用するとその分指令に対する応答に遅れが生じるため。)
3. 目標角度に近づくにつれ、速度安定性を重視するため、速度を安定化し低速度指令に切り替える。
4. 安定化補償器内部に具備する積分機能の効きを良くするパラメータを大きくすることで、目標角度に停止するための制御性能を向上させる。(制御偏差を小さくする。)
また、目標角度が現時点と近い場合には、上記3)〜4)の手順にて最適化制御を行い、等速度旋回させる場合には、上記3)を実施し、必要に応じて4)を実施する制御を行う。その際、最適制御器9は、全体システムの安定性に関する評価指標(例えばH∞ノルム等)をリアルタイムで算出しながら、最適なコントローラを自動的に設計する。
最適制御器9の自動設計のための判断材料は、目標角度、制定時間、制御対象の応答特性、制御対象が受ける外乱特性等を、現在制御対象をどのような形態で駆動させているかにより、その特性をあらかじめ最適制御器9に把握させておき、場合分けにて設定、判断を行う。またこの評価指標の算出は、フィードバック系よりも遅い一定間隔の周期で更新される。
図5は最適制御器9の評価指標モデル例を示しており、図6は本実施形態における評価指標の判定アルゴリズムの事例を示している。以下、本実施形態の動作について図1〜図6を参照して説明する。
まず、図5に示すとおり、制御対象である大型レーダアンテナに対し、図1に示す最適制御器9にて構成されたコントローラで駆動するフィードバックループ型のシステムモデルを構築する。図5に示されているコントローラは、図1に示す最適制御器9、プロファイル型指令生成器4、および2自由度型モデル追従補償器7を含む最適追従補償器に対応している。
制御対象となる大型レーダは、数値モデル化した際にモデル化誤差が生じたり、外乱を受ける可能性がある。そのため、図5の外乱w2が制御量(制御によって小さくしたい量)z1に与える影響度合い(ロバスト安定化)、外乱w1が出力yに与える影響度合い(外乱抑圧特性)が考慮される。これは混合感度問題と呼ばれている(例えば特許文献4〜6等参照)。混合感度問題では、低周波領域で感度関数S(s)を小さくすることで良好な外乱抑制を達成でき、高周波領域で相補感度関数T(s)を小さくすることでロバスト安定化を確保できる。
アンテナの駆動を行う前に、最適制御器9の中で数種類の制御対象モデルを推定しておく。制御対象モデルとしては、微妙に周波数帯域を変化させた数値モデルをテーブル化しておき、算出された指標に対して、最も近いモデルを図1のスイッチSW1,SW2,SW3の接続状態と対応させる。
最適制御器9は、ステップS1で、コントローラに送られた指令トルクデータ(入力)、角度センサによる検出角度データ(出力)をもとに、現在駆動中の制御対象の動的特性と近似する制御対象モデルを選定する(ステップS2)。即ち、この入力および出力の値を見て、最適制御器9は事前にテーブル化しておいた制御対象の代表数値モデルを推定する。
図1で示すブロックの場合では、CPUのサンプリング周期と同期してプロファイル型指令生成器から2自由度型モデル追従補償器に逐次入力される目標角度θ0と現在の角度位置θpを基に、θ0−θpの値(エラー角度差)を算出し、このエラー角度差に応じて、制御対象モデルを選定する。
あるいは、制御系CPUのサンプリングよりも長期の一定周期にて検出角度データを抽出し、検出角度データの変移量(角速度データ)、角速度データの変移量(角加速度データ)等によって、制御対象モデルを選定することもできる。
さらに別な目的として、制御系の処理にも即応性を要求する必要性がある場合、制御対象の数値モデルを簡便化(高次元のモデルを低次元化)する、あるいは逆に厳密なモデル制御を実施したい場合、数値モデルを高次元まで考慮することで、制御対象に忠実な制御系を構築することも可能である。
制御対象である大型レーダの構造モデルは大きく変動はせず、ほとんどは一定の構造共振モデルにて表現可能である。但し、モデルを厳密化することで高周波域の振動条件に対しても考慮する/しないの対応が可能となり、あらかじめ用意されている代表モデルは高周波域をどこまで取り入れるか(固有振動モード)によって変動可能なモデルとすることができる。代表的な構造数学モデルは、以下の式(2)で示される。
G(S)=ω /(S+2ζω n−1+・・・+ω ) ・・・(2)
ここでωは構造共振モードの共振周波数を示す。
制御対象の数値モデルの更新は、制御系CPUのサンプリングに対し、100倍〜1000倍程度の割合で行われる。この一定期間において定値化された数値モデルに対し、最適な挙動をさせるための指令プロファイル及びコントローラを構築する。即ち、この期間ではほぼ一定の数値モデルに対してのコントローラの最適化となるため、目標角度に到達するために最速で動かすべきか、緩やかに速度安定性を考慮しながら制御すべきかを与えられた閾値で判断し、切り替えスイッチのON/OFFを設定する(ステップS3)。
続いて、現状の制御対象に最適な補償器を選定した上で、いくつかの代表モデルを設定し補償器内部のパラメータを最適化するために以下の評価式(3)を用いる(ステップS4)。
‖[SW TW]‖<1 ・・・(3)
ここでSは感度関数、Tは相補感度関数であり、W、Wはそれぞれローパス、ハイパスの周波数重みである。これらの評価関数のH∞ノルムが式(3)の条件を満たすことでロバスト安定なH∞制御器が導出されることは混合感度問題として知られている(特許文献4〜6等参照)。この評価指標をあらかじめ用意されている代表モデルと比較し、動的特性が近似するものを選定してコントローラを自動的に設定する(ステップS5)。
即ち、設定されたコントローラの構成の中で、評価指標に基づきコントローラのパラメータが選定されるが、パラメータは各補償器により異なり、応答性、安定性、外乱抑圧特性等にそれぞれに対応したパラメータが選定される。これにより、全体システムの安定性に関する評価指標をリアルタイムに算出しながら、最も良好なコントローラを自動的に設定することができる。
そして、本コントローラを用いてアンテナ旋回を行うための駆動電圧を入力し、制御対象を駆動制御する(ステップS6)。なお、本評価指標に基づいて設計されるコントローラは導出に要する時間もかかることから、コントローラの実機への更新レートは制御器の計算能力により調整されるものとする。
本実施形態によれば、目標プロファイルとスイッチング機能を用いて補償器構成を最適化した制御系で、駆動中においても評価指標を用いてリアルタイムに補償器内部のパラメータを最適化することにより、大型のレーダアンテナ要求される広範囲な角速度指令に対して、高精度な角速度追従特性と位置決め制御を実現できる。また、アンテナ構造が共振した時などに大きくなる駆動部主軸周りのねじれトルクによるアンテナやギア系への負荷を極力低減し、最短駆動が可能な駆動制御系を実現することが可能となる。
なお上記実施形態では、本発明を大型レーダアンテナの駆動制御に適用した場合について説明したが、本制御器構成は、同様な高速高精度駆動及び角速度追従性を要する搭載アンテナ/ジンバルや大型柔軟構造物や駆動中に形状が非線形的に変動するような動的特性が不安定な構造体の駆動制御への転用を比較的容易に実現できる。
また本発明は、アンテナ制御系以外にも、低速から高速までの幅広い範囲での角速度追従特性を要する装置、高精度位置決め装置で、センサ等を多用することが出来ない装置、制御対象が一定形状でなかったり、不安定な構造を有する装置などへの適用が可能である。
本発明の実施形態を示す、レーダ用最適追従補償器モデルのブロック図である。 本実施形態の最適追従補償器モデルの高速運転時におけるアンテナ駆動制御系ブロックの組合せ例を示す図である。 本実施形態の最適追従補償器モデルの角速度安定化を重視した運転時におけるアンテナ駆動制御系ブロックの組合せ例を示す図である。 本実施形態のプロファイル指令生成器のプロファイル形状例を示す図である。 本実施形態の最適制御器の評価指標モデル例を示す図である。 本実施形態における評価指標の判定アルゴリズムの事例を示す図である。 フィードバックループ系を備えたアンテナ駆動制御系の従来例を示すブロック図である。
符号の説明
1 PID制御装置
2、6 大型レーダ
3 角度センサ
4 プロファイル型指令生成器
5 モデル追従補償器
7 2自由度型モデル追従補償器
8 外乱補償器
9 最適制御器
10 安定化補償器

Claims (6)

  1. プロファイル型指令生成器と、2自由度型モデル追従補償器とで構成されて制御対象を駆動制御する駆動制御系と、前記制御対象に要求される目標値に応じて前記プロファイル型指令生成器のプロファイル及び前記2自由度型モデル追従補償器を適応的に切り替えるとともに、前記駆動制御系の安定性に関する評価指標をリアルタイムで算出しながら前記駆動制御系を設計して動作させる最適制御器を備えていることを特徴とする制御対象駆動制御装置。
  2. 前記最適制御器は、入力された目標値および前記制御対象の現状値をもとに、前記制御対象の動的特性と近似する制御対象モデルを選定する機能と、該選定した制御対象モデルに従って前記プロファイル型指令生成器のプロファイル及び前記2自由度型モデル追従補償器を適応的に切り替える機能と、該切り替えられた前記2自由度型モデル追従補償器内部のパラメータを所定の評価式を用いて最適化して自動設定する機能と、該自動設定された前記駆動制御系により前記制御対象を駆動制御する機能を有していることを特徴とする請求項1に記載の制御対象駆動制御装置。
  3. 前記プロファイル型指令生成器には、立ち上がり時間、最大目標速度、および最大減速目標速度を調整するパラメータによる複数段階の特性プロファイルが前記制御対象の応答特性に合わせて事前に設定されており、前記最適制御器は、前記選定した制御対象モデルに従って該制御対象の応答特性に合わせた特性プロファイルを選択することを特徴とする請求項1または2に記載の制御対象駆動制御装置。
  4. 前記2自由度型モデル追従補償器は、フィードフォワード型のモデル追従補償器と、ロバスト安定性を有するフィードバック系で構築された安定化補償器と、該安定化補償器に対応して設けた外乱補償器を備えており、前記最適制御器は、前記選定した制御対象モデルに従って前記フィードフォワード型のモデル追従補償器と前記外乱補償器を、前記駆動制御系に接続するまたは前記駆動制御系から切り離す制御を行う機能を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の制御対象駆動制御装置。
  5. 前記最適制御器は、高速運転時には前記プロファイル型指令生成器に設定されている高速応答プロファイルを選択するとともに前記駆動制御系から前記外乱補償器を切り離し、静止安定性を重視した運転時には前記プロファイル型指令生成器に設定されている低速応答プロファイルを選択するとともに前記駆動制御系から前記フィードフォワード型のモデル追従補償器を切り離す制御を行う機能を有していることを特徴とする請求項4に記載の制御対象駆動制御装置。
  6. 前記制御対象は、レーダ用のアンテナであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の制御対象駆動制御装置。
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