JPH08329630A - ディスク記録装置 - Google Patents

ディスク記録装置

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Publication number
JPH08329630A
JPH08329630A JP7131596A JP13159695A JPH08329630A JP H08329630 A JPH08329630 A JP H08329630A JP 7131596 A JP7131596 A JP 7131596A JP 13159695 A JP13159695 A JP 13159695A JP H08329630 A JPH08329630 A JP H08329630A
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JP
Japan
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head
signal
head position
track
target
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Application number
JP7131596A
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English (en)
Inventor
Soichi Toyama
聡一 遠山
Takashi Yamaguchi
高司 山口
Takashi Yoshida
吉田  隆
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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  • Control Of Position Or Direction (AREA)
  • Moving Of Head For Track Selection And Changing (AREA)
  • Moving Of The Head To Find And Align With The Track (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 目標トラックへの速やかな位置決めが可能で
かつ、高記録密度化が可能なディスク記録装置を提供す
ること。 【構成】 ディスク記録装置は、ディスク(10)上の
目標トラックの中心に対するヘッドの相対的な位置を検
出して、ヘッド位置検出信号を出力するヘッド位置検出
手段(20、21)と、ヘッドの位置決め制御をディジ
タル制御で実現するための処理を行うマイクロ・プロセ
ッサー(30)を含み、ヘッド位置検出信号をフィード
バック信号とする、ヘッド位置制御系を備えており、こ
のヘッド位置制御系目標トラックに追従するフォロイン
グ動作と、現在のトラックから別のトラックにヘッドを
移動するシーク動作とを行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ディスク、光ディ
スクなどを記録媒体とするディスク記録装置と、そのヘ
ッド位置決め制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ここでは磁気ディスク装置を例に挙げ
て、本発明の背景を説明する。磁気ディスク装置は、高
速に回転する磁気ディスクの表面に同心円状の記録トラ
ックを有し、ディスク面に対向する磁気ヘッドによって
情報を記録・再生する装置である。 ヘッドを内蔵した
スライダーはバネによって支持され、動圧空気軸受の原
理でディスク表面からわずかに浮上しており、高記録密
度化のためには浮上量が小さいほど望ましい。
【0003】ヘッド位置決めサーボ系は、シーク・モー
ドとフォロイング・モードの二つの制御モードを持って
いる。フォロイング・モードは記録・再生中に機械的振
動、ディスクの回転偏心、電気信号ノイズなどの影響を
抑圧して、ヘッドを目標トラックに精密に追従させる役
割を持つ。シーク・モードはヘッドをあるトラックから
別のトラックへ高速に移動する役割を持つ。このため、
ヘッド速度を目標速度軌道に追従させる方式が多く用い
られている。
【0004】従来はシーク制御方式として、最高速度以
降の減速区間だけの目標速度を規定する方法、いわゆる
減速カーブ・シーク方式が用いられてきた。この方法の
シーク動作応答波形を図24に示す。同図に示すよう
に、目標トラックまでの残シーク距離に応じて減速カー
ブを発生し、ヘッド速度をフィードバックして追従させ
る。この追従精度を上げるために、速度偏差量に加速度
フィードフォワードを加算する方法が併用されている。
これによる速度波形を図25に示す。
【0005】また、減速カーブと加速度フィードフォワ
ードはリード・オンリー・メモリー(ROM)にテーブ
ル形式で格納されており、残シーク距離のトラック数に
対応して値が確定して読みだされる。これらのテーブル
はシーク・ストロークによらず、共通のものがいつも用
いられる。この方法により、比較的長いストロークのシ
ーク動作では擬似的最短時間制御を行う。その加減速パ
タ−ンを図26に示す。しかし、シーク動作開始時や加
速・減速切り替わり時の加速度変化が大きいために、ヘ
ッド支持系やディスクなどの機構要素が振動して、シー
ク後残留振動による実質的シーク時間の増大、ヘッドや
ディスクの損傷を引き起こすことがあった。
【0006】この振動を抑制するために、デニー・ケイ
・ミュー著:メカトロニクス エレクトロメカニクス
アンド コントロメカニクス:スプリンガー・ヴァーラ
ッグ社(1993年)(Denny K. Miu : Mechatronics E
lectromechanics and Contromechanics : Springer-Ver
lag(1993))の第172ページから第175ページでは、
弾性片持ち梁の揺動による先端の位置決め制御方法に関
して、制御対象に加える操作量として、シーク動作開始
からの経過時間の多項式関数と三角関数を加算した加減
速パターンによりシーク制御を行う方法が開示されてい
る。ただし、この文章には閉ループ系の構成に関する記
載はない。
【0007】また、特開平3-233609では、制御対象を振
動などが誘発されないように加速・減速制御して高速位
置決め制御を行わせるために、制御対象の加速度の微分
値の2乗積分値が最少となる加速・減速パターンに基づ
いて動作させる方式を開示している。さらに、特開平5-
143165でも同様の目的のために、制御対象が指定位置に
到達して停止する時点での、目標加速度の微分値が0に
なる加速・減速パターンに基づいて動作させる方式を開
示している。この二つの発明は共に速度フィードバック
制御で制御対象を高速移動することを提案している。
【0008】また、特公平1-46939では、直流モーター
で磁気ヘッドを駆動する磁気ディスク装置において、前
記ヘッドを安定、高精度に目標位置に移動することを目
的として、加速区間は前記モーターを定電圧駆動し、減
速区間は定電流駆動して、かつ、理想的な移動とヘッド
の現在位置信号との偏差で駆動電流値を補正することに
より、全区間を位置制御のみで目標位置に移動させる、
ヘッドの位置決め制御方式を開示している。
【0009】また、特開平6-2034998と、日本機械学会
第71期通常総会講演論文集(IV)(1994年)の第
724ページから第726ページ「2自由度制御系を用
いた磁気ディスク装置の高速位置決め制御」では、制御
対象を完全な2重積分器1/s2に線形化してサーボ補
償器の設計を容易にし、かつ、逆起電力を積極的に利用
した参照軌道を発生することで高速な位置決め動作を行
う手段を開示している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
「従来の技術」で説明した各公知技術の問題点を指摘し
て、本発明が解決しようとする課題を以下に説明する。
【0011】第一の公知技術として取り上げた、現在の
多くの磁気ディスク装置に用いられているシーク制御方
法では、加速・減速の切り替わりでの加速度変化が大き
いために機構要素を振動させることがあった。また、シ
ーク・モードは速度制御であり、それに続くフォロイン
グ・モードは位置制御であるため、目標トラックへの引
き込み動作、いわゆるセトリング動作(シーク動作モー
ドにおい整定するまでの直前の動作)において、制御モ
ードの切り替え後にフォロイング補償器の状態変数の初
期値応答による過渡応答が生じ、実質的なシーク時間が
伸びることがあった。さらに、シークストロークによら
ず共通の減速カーブ・テーブルを用いるために、長いス
トロークでは擬似的最短時間動作になるが、比較的短い
ストロークではそのシーク動作の最高速度が低く制限さ
れてしまい、最短時間動作から大きく離れてしまうこと
があった。これを改善するために短いストロークに専用
の減速カーブ・テーブルを備えると、それだけ大容量の
ROMを要することになり、回路規模が大きくなる、あ
るいは価格が上がるなどの弊害を生じる。
【0012】また、特開平6-203498や特公平1-46939が
提案する制御方法は、一つの位置制御系でシークとフォ
ロイング動作を行うために、前記の制御モードの切り替
えによる過渡応答を防止することができる。しかし、位
置制御でシ−ク動作を行うためには動作開始位置からの
連続的なヘッド位置信号が必須であり、この点について
技術が開示されていない。この信号を高精度に生成する
には、信号のダイナミックレンジの点から考えて、マイ
クロ・プロセッサ−を用いたディジタル制御であること
が必要である。さらに上記の提案では、加速・減速の切
り替わりでの加速度変化が大きいために機構要素を振動
させて、残留振動による実質的なシーク時間の増大やヘ
ッド・ディスク間の接触による装置の損傷を起こすこと
が懸念される。
【0013】また、特開平3ー233609と特開平5ー143165が
提案する制御方法は、滑らかな加減速パターンでシーク
動作を行うことにより、磁気ディスク装置では数kHz
以上の高周波の機構振動を抑制することができる。しか
し、非常に励振され易い振動モードが存在する場合や数
百Hz程度の比較的低い振動モードがある場合には、振
動を十分に抑圧することはできない。また、シーク・モ
ードは速度制御であるため、制御モードの切り替えによ
る過渡応答が不可避である。
【0014】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、高速なシーク動作と速やかなセトリング
動作が可能であり、かつ、前記の動作中に機構要素の振
動による装置の損傷を起こさず、しかも記録密度の高い
ディスク記録装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】具体的には、本発明は、
ディスク上の目標トラックの中心に対するヘッドの相対
的な位置を検出して、ヘッド位置検出信号を出力するヘ
ッド位置検出要素を備えており、ヘッドの位置決め制御
をディジタル制御で実現するための処理を行うマイクロ
・プロセッサーを備えているディスク記録装置であっ
て、ヘッド位置検出信号をフィ−ドバック信号とする、
ヘッド位置制御系を備えており、目標トラックに追従す
るフォロイング動作と、現在のトラックから別のトラッ
クにヘッドを移動するシーク動作の両方に前記のヘッド
位置制御系を用いることを特徴とする。
【0016】また、本発明は、シーク動作時にヘッドの
位置の目標軌道を生成する手段と、り、シーク動作時に
は、目標軌道から前記ヘッド位置検出信号を減算して、
軌道追従誤差信号を出力する加算要素を備えており、シ
ーク動作時には、軌道追従誤差を抑圧するフィードフォ
ワード信号を生成する手段を備えており、シーク動作時
には、前記フィードフォワード信号を閉ループ補償要素
の出力信号に加算して、前記モーターを駆動する操作量
信号を出力する加算要素を備えていることを特徴とす
る。
【0017】また本発明は、シーク動作時に生成する、
前記目標軌道と前記フィードフォワード信号が共に、そ
のパワースペクトルの中にヘッド支持機構の固有振動数
の成分、あるいはディスク・スピンドル系の固有振動数
の成分を含まないことを特徴とする。
【0018】また本発明は、シーク動作時に生成する、
前記目標軌道と前記フィードフォワード信号が、それぞ
れシーク動作開始からの経過時間(以下、変数t)の関
数で表され、サンプル周期毎にその関数を計算して、前
記目標軌道と前記フィードフォワード信号とを生成する
ことを特徴とする。
【0019】さらに、前記フィードフォワード信号を表
す関数が、次式
【0020】
【数2】
【0021】であることを特徴とする。ここでa0
1,a2,a3,c1,c2はシーク動作のトラック間距
離に依存する係数であり、ωnは機構部の角固有振動数
である。
【0022】さらに、本発明は、前記目標軌道と前記フ
ィードフォワード信号を表す関数の係数値を、シーク動
作のトラック間距離に応じて変えることを特徴とする。
【0023】また、本発明は、前記のディジタル制御方
法であって、前記フィードフォワード信号に対して、前
記目標軌道を一定時間だけ遅らせるむだ時間補償手段を
有することを特徴とする。
【0024】さらに、本発明は、前記むだ時間補償手段
は、前記位置制御系のディジタル制御演算、閉ループ内
部の0次ホールダー要素やアナログフィルターに起因す
る位相遅れに等価なむだ時間だけ前記目標軌道を遅らせ
ることを特徴とする。
【0025】また本発明は、シーク動作を開始してから
目標トラックに到達するまでの全時間で、前記目標軌道
と前記フィードフォワード信号が、それぞれ一つの関数
で表され、前記全時間にわたって、前記ヘッド位置検出
信号が前記目標軌道に追従する(以下、方式1)ことを
特徴とする。
【0026】また本発明は、、シーク動作のトラック間
距離に応じてあらかじめヘッド速度を加速から減速に切
り替えるべき時刻を設定し、該切り替え時刻を境とし
て、前記目標軌道と前記フィードフォワード信号が、そ
れぞれ異なる関数で表され、シーク動作開始から前記切
り替え時刻までの加速時間では、前記ヘッド駆動モータ
ーの発生し得る最大推力で駆動するための関数であり、
前記切り替え時刻以降の減速時間では、前記動作時間変
数tの多項式関数であり、シーク動作を開始してから目
標トラックに到達するまでの全時間にわたって、前記ヘ
ッド位置検出信号が、前記の、加速用、あるいは減速用
の目標軌道に追従する(以下、方式2)ことを特徴とす
る。
【0027】また本発明は、シーク動作のトラック間距
離を、短い距離と長い距離とに区分する境界をあらかじ
め設定し、前記境界より短いシーク動作では、方式1で
ヘッドを駆動し、前記境界より長いシーク動作では、方
式2でヘッドを駆動することを特徴とする。
【0028】また本発明は、前記ヘッド位置検出信号と
前記操作量信号を入力として、前記位置制御系に作用す
る外乱を推定する手段を備えており、前記フィードフォ
ワード信号と前記閉ループ補償要素の出力信号とを加算
し、さらにその結果から前記外乱の推定値を減算した信
号を前記操作量とすることを特徴とする。
【0029】また本発明は、前記ヘッド駆動モーターの
駆動電流値をサンプル周期毎にAD変換して、駆動電流
検出信号を発生する手段を備えており、前記ヘッド位置
検出信号と前記駆動電流検出信号を入力として、前記位
置制御系に作用する外乱を推定する手段を備えており、
前記フィードフォワード信号と前記閉ループ補償要素の
出力信号とを加算し、さらにその結果から前記外乱の推
定値を減算した信号を前記操作量とすることを特徴とす
る。
【0030】また本発明は、ディスク上の目標トラック
の中心に対するヘッドの相対的な位置を検出して、ヘッ
ド位置検出信号を出力するヘッド位置検出要素を備えて
おり、ヘッドの位置決め制御をディジタル制御で実現す
るための処理を行うマイクロ・プロセッサーを備えてい
るディスク記録装置であって、ヘッドの速度を検出する
手段を備えており、前記ヘッド位置検出信号と、ヘッド
速度検出信号と、閉ル−プ補償器の状態変数のそれぞれ
にゲインを掛けて加算した値をフィ−ドバック信号とす
る閉ル−プ制御系を備えており、目標トラックに追従す
るフォロイング動作と、現在のトラックから別のトラッ
クにヘッドを移動するシ−ク動作の両方に前記の閉ル−
プ制御系を用いることを特徴とする。
【0031】また、上記のディスク記録装置であって、
前記ヘッド位置検出要素は、最近接トラックの中心から
のヘッドの位置ずれを表す複数相のヘッド位置誤差信号
を発生し、サンプル周期毎に、前記複数相のヘッド位置
誤差信号を同時にサンプルする二つ以上のAD変換器を
備えることを特徴とする。
【0032】
【作用】本発明のディスク記録装置は、ヘッド位置検出
要素とマイクロ・プロセッサーを備えているので、ディ
ジタル制御によるヘッド位置決め制御を行う。さらに、
ディジタル制御により、シ−ク動作開始位置からの連続
的なヘッド位置検出信号を生成する。しかもフォロイン
グ動作とシーク動作を共通の閉ル−プ制御系で実現する
ので、制御モードの切り替えによる過渡応答の無い、速
やかなセトリング動作が可能である。
【0033】また、本発明のディスク記録装置は、シー
ク動作時に、前記閉ル−プ制御系にヘッドの位置の目標
軌道とフィードフォワード信号を入力するので、目標軌
道に追従したシーク動作を可能にする。
【0034】また、シーク動作時に生成する、前記目標
軌道と前記フィードフォワード信号は共に、そのパワー
スペクトルの中にヘッド支持機構の固有振動数の成分を
含まないので、ヘッドを振動させずにディスクに接近さ
せることができ、高記録密度化とヘッドやディスクの損
傷の防止を可能にする。
【0035】あるいはディスク・スピンドル系の残留振
動の成分を含んでいないので、残留振動を低減でき、速
やかなセトリング動作とトラックピッチの狭小化による
高記録密度化を可能にする。
【0036】また、シーク動作時に生成する、前記目標
軌道と前記フィードフォワード信号は、それぞれシーク
動作開始からの経過時間(以下、変数t)の関数で表さ
れ、しかも関数の係数値をシーク動作のトラック間距離
に応じて変えるので、トラック間距離毎にシーク動作の
高速化を図ることを可能にする。
【0037】また、シーク動作時に生成する、前記フィ
ードフォワード信号に対して、前記目標軌道を一定時間
だけ遅らせるむだ時間補償手段を備えており、しかも前
記むだ時間は前記位置制御系のディジタル制御演算、閉
ループ内部の0次ホールダー要素やアナログフィルター
に起因する位相遅れに等価なむだ時間であるので、ディ
ジタル制御に固有の閉ループ内部の位相遅れを補償し
て、シーク動作中に前記ヘッド位置検出信号を前記目標
軌道に高精度に追従させて、追従誤差のセトリング動作
への影響を低減して速やかなセトリング動作を可能にす
る。
【0038】また、シーク動作時に、「課題を解決する
ための手段」に記載した方式1と方式2をシーク動作の
トラック間距離に応じて切り替えるので、前記装置の平
均シーク時間の短縮が可能である。
【0039】また、前記位置制御系に作用する外乱を推
定する手段を備えており、前記フィードフォワード信号
と前記閉ループ補償要素の出力の加算結果から、前記偏
奇力(外乱)の推定値を減算した信号を操作量信号にす
るので、ヘッド位置決め機構に作用する駆動力以外の外
乱力や制御対象のパラメーター変化による等価的な外乱
を打ち消して、フォロイング動作中にはヘッドを目標ト
ラックの中心に高精度に追従させることを可能にし、し
かもシーク動作中には前記ヘッド位置検出信号を前記目
標軌道に高精度に追従させて、追従誤差のセトリング動
作への影響を低減して速やかなセトリング動作を可能に
する。
【0040】また、前記ヘッド位置検出要素が複数相の
ヘッド位置誤差信号を発生する方式のディスク記録装置
において、前記複数相のヘッド位置誤差信号を同時にサ
ンプルする、AD変換器を備えているので、ヘッド位置
誤差信号の各相が表すヘッド位置ずれの値に時間的な前
後差が無いので、前記複数相のヘッド位置誤差信号を選
択的に切り替えて、真に連続的な前記ヘッド位置検出信
号を生成できるため、前記目標軌道に対する追従誤差を
低減して、速やかなセトリング動作を可能にする。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。
【0042】「第一の実施例」 「磁気ディスク装置のハードウェア構成」図1のブロッ
ク線図は、本発明を適用した磁気ディスク装置のハード
ウェア構成を示す。ヘッド・ディスク・アセンブリー
(HDA)1は装置の主要な機能要素であり、以下の要
素から成る。ディスク10は記録媒体であり、1つ以上
の各ディスク面には同心円状のトラック11を複数本有
しており、近年の装置では半径方向のトラック密度は、
1インチあたり5400本程度が主流である。このディ
スクはスピンドル軸17を中心として、スピンドルモー
ター(図示せず)により回転する。スライダー13は磁
気ヘッド(図示せず)を搭載しており、各ディスク面に
対向しており、ディスクの回転で生じるスライダー・デ
ィスク間の空気流の動圧効果により、ヘッド・ディスク
間の微小な距離を保っている。
【0043】フレキシブル・プリント配線(FPC)1
4は、可とう性の基板上に導体の配線を埋め込んだ物で
あり、ヘッドに入出力する電気信号を送る配線である。
ヘッドアーム15は、スライダーを支持する。ボイス・
コイル・モーター(VCM)16は、ヘッドを位置決め
する駆動モーターである。ピボット軸18は、VCMの
発生する回転トルクによりヘッドアームを揺動する回転
軸である。以上がHDAの構成である。
【0044】次にヘッド位置決め制御のための、各要素
の役割を説明する。近年の磁気ディスク装置は、いわゆ
るデータ面サーボ方式であり、ディスク面上に放射状の
複数のサーボエリア12を備えている。サーボエリアに
は、トラックのアドレスを示すコード、トラックの中心
に対するヘッドの変位を測定するためのバースト信号な
どが記録されている。サーボエリアの磁気信号はヘッド
の通過により、電気信号(SRV)に変換され、ヘッド
アンプ(AMP)20により増幅される。その後、サー
ボ信号復調回路(DEMOD)21で、トラックアドレ
スのディジタル信号(TRK)と、2相のトラック内位
置誤差信号(PESNとPESQ)に復調される。トラ
ック内位置誤差信号PESNとPESQはそれぞれ、A
D変換器(AD1とAD2)34、35でディジタル信
号に変換される。
【0045】データ・バス(BUS)38は、位置決め
制御回路のディジタル信号を伝送する配線である。マイ
クロ・プロセッサー(μP)30は、位置決め制御の演
算と処理を行う。ランダム・アクセス・メモリー(RA
M)31は、マイクロ・プロセッサー30が行う処理の
データーの一時的な記憶を行う。リード・オンリー・メ
モリー(ROM)32は、マイクロ・プロセッサー30
が行う処理の定数を格納する。
【0046】ディスク制御回路(CONT)33は、本
装置とホスト・コンピューターを仲介し、本装置にシー
ク動作などの指令を出したり、本装置の動作状態の監視
などを行う。マイクロ・プロセッサー30の処理の結果
である、位置決め制御の操作量信号(DCNT)は、D
A変換器(DAC)37を介して、アナログ信号に変換
され、アナログ・フィルター23で処理された後に、ア
ナログ操作量信号(ACNT)としてVCM駆動アンプ
(PA)22に入力される。
【0047】VCM駆動アンプ22はVCM16に駆動
電流(CRNT)を供給する。また、VCM駆動アンプ
22は駆動電流CRNTの電流値に比例した電圧信号
(CSENS)を出力し、これはAD変換器(AD3)
36でディジタル信号に変換され、データバス38を介
してマイクロ・プロセッサー30に入力される。
【0048】AD変換器AD1、AD2、AD3はすべ
て同一のクロック信号(CL)で駆動されるので、信号
PESN、PESQ、CSENSのサンプルは同時に行
われる。
【0049】「ヘッド位置誤差信号」図2は、ヘッドの
移動により発生するトラック内位置誤差信号PESNと
PESQの波形を示す。図示するように、この2相の信
号は90度の位相ずれを有しており、隣接するトラック
の中心上をヘッドが通過するたびに、信号値が交互に0
になる。また、各トラックの中心で信号値が0となる相
の信号は、そのトラックの中心から前後1/2トラック
以内で、トラック中心からのヘッド変位量に線形な信号
値になる。ヘッドの移動中に線形な相の信号を選択する
と、図3に示すような鋸波状の波形になる。以下、これ
を線形位置誤差信号(LINPES)と表す。
【0050】「位置制御系の構成」図4のブロック線図
は、本発明に係るディスク記録装置のディジタル位置決
め制御系のモデルを示す。このモデルでは制御対象であ
るアクセス機構、すなわちスライダーを搭載したヘッド
アームを慣性体とみなしている。すなわち、ヘッドアー
ムの回転運動を直線運動に近似して、慣性質量をm、ボ
イスコイルモータ16の推力定数をKFとし、駆動電流
ACNTを入力、ヘッド変位を出力として、伝達関数は
KF/ms2になる。これは図中の1a、1b、1cで
ある。
【0051】またボイスコイルモータ16のパラメータ
ーとしてコイルの電気抵抗値をRC、コイル・インダク
タンスをLC、逆起電力定数をKBとし、VCM駆動ア
ンプ22のパラメーターとして電流帰還ゲインをKAと
する。
【0052】VCM駆動アンプ22はアナログ操作信号
ACNTに対して駆動電流CRNTを追従させるよう
に、両者の差分の符号によって、正、または負の電圧を
切り替えてボイスコイルモータ16のコイル両端に印加
する。コイルの運動により速度に比例した逆起電力を生
じ、前記の電圧から逆起電力分を引いた電圧により、コ
イルに駆動電流CRNTが流れる。これらは図中の1
d,1e,1f,1g,1h,1iである。
【0053】駆動電流CRNTがアナログ操作信号AC
NTに追従している状態では、CRNT=KA・ACN
Tになる。
【0054】制御量である、ヘッドの位置は次のように
検出する。シーク動作時はトラックアドレスディジタル
信号TRKが変化するので、目標トラック番号をトラッ
クアドレスディジタル信号TRKから引けば、その時刻
でのトラック単位の残シーク距離がわかる。
【0055】また、線形位置誤差信号LINPESは1
トラック内の位置誤差を表すから、単位を統一して両者
を加算すれば、連続的な残シーク距離の信号が得られ
る。これをヘッド位置検出信号とする。この信号は、ヘ
ッドが目標トラックに到達したところで0になることは
明らかである。これらはヘッド位置検出感度2aの値を
KPとし、仮想的なサンプラー3aを用い、ヘッド位置
を表す座標の原点を目標トラック中心に置くことでモデ
ル化できる。この制御系は位置制御系であるから、ヘッ
ド位置検出信号をフィードバック信号として負帰還し、
シーク動作時にはヘッド位置の目標軌道xrを入力す
る。フォロイング時にはxr=0である。両者の偏差が
軌道追従誤差であり、これを閉ループ補償要素(C1
(z))3bに入力する。C1(z)の出力にフィード
フォワード信号αrを加算して、第一の操作量信号を得
る。制御対象に駆動力以外の力やパラメーター変動など
の外乱が作用しない場合は、第一の操作量信号をDAC
37を介して出力することにより、前記の軌道追従誤差
が理想的に0でシーク動作を行う。
【0056】しかし、前記の外乱の作用する場合は、追
従誤差を抑圧する補償手段が必要である。この要素(C
2(z))3cはヘッド位置検出信号とVCM駆動電流
の検出信号から外乱を推定するものであり、この推定値
を前記の第一の操作量信号に加算することにより、外乱
を相殺する。C2(z)に関して後に詳細に説明する。
【0057】「目標軌道とフィードフォワード信号の設
計」制御対象であるヘッドアームの振動系物理モデルを
構築し、その運動方程式を拘束条件として積分型評価関
数を解き、シーク動作での最適な加減速パターンを動作
時間の関数として導出する。以下、これについて詳細に
説明する。
【0058】図5に前記の振動系物理モデルを示す。こ
れは二つの質点(m1、m2)とその間の線形バネで構
成される。前述のようにヘッドアームの回転運動を直線
運動に近似してモデル化するので、2質点の質量の和、
m1+m2はヘッドアームのピボット軸回りの慣性等価
質量(以下、この値をmとする)に等しくする。典型的
にはm1=m2=m/2とする。前記の線形バネのバネ
定数kは、前記の2質点と連結した系の固有振動数
【0059】
【数3】
【0060】が、ヘッドアームの固有振動数に一致する
ように値を決める。多くの場合、ヘッドアームには複数
の固有モードがあるので、ヘッドの位置で位置決め方向
に最も大きく振動するモードの振動数に一致させる。こ
の振動系の運動方程式は次式である。
【0061】
【数4】
【0062】ここで、x1、x2はそれぞれ質点m1、
m2の変位を表し、変数上の・は時間微分を表す。u
(t)はアクチュエーターの駆動電流を表す。KFはア
クチュエータの推力定数を表す。この式を一階連立微分
方程式に直し、さらに、剛体モードと振動モードが独立
になるように座標変換すると、次式を得る。
【0063】
【数5】
【0064】ここで、jは虚数単位である。ωnは前記
のヘッドアームの固有角振動数、すなわち、ωn=2π
fnである。z1〜z4はモード座標の状態変数であ
り、特にz1、z2はそれぞれ剛体モードの変位と速度
を表す。また、この式を簡単のため、次式で表す。
【0065】
【数6】
【0066】ここで、z(t)はモード座標状態ベクト
ルである。Jは数4中の4×4正方行列である。bは入
力u(t)にかかる係数ベクトルである。さらに、上式
をz(t)の微分方程式として解くと、シーク動作終了
時刻t=Teにおける状態量z(Te)は次式になる。
【0067】
【数7】
【0068】ここで、τはシーク動作開始からの経過時
間の積分変数、exp(Jt)は行列指数関数による、
状態遷移行列である。シーク開始時(t=0)で全状態
量が0、すなわちz(0)=0として、上式を次のよう
に変形する。
【0069】
【数8】
【0070】制振加減速パターンの設計として、アクチ
ュエーターの駆動電流u(t)の一階微分の2乗の時間
積分を最小化する意味で最適解を導く。その効果は、u
(t)の高周波振動を低減し、かつ前記の固有モードω
nを抑圧することである。この評価関数は、式(8)を
拘束条件として、次式になる。
【0071】
【数9】
【0072】ここで、λは1×4のラグランジュの未定
係数ベクトルである。上記評価関数の解を変分法で導く
と、数1の形式の一般解を得る。状態量z(t)と駆動
電流u(t)の初期・終端条件を満たすように係数を決
めるために、式(2)を式(7)に代入して、各シーク
距離での係数値a0、a1、a2、a3、c1、c2を
計算する。
【0073】「むだ時間補償手段の設計」フィードフォ
ワード信号は、上記の制振加減速パターンの時間関数を
サンプル周期毎に計算して発生する。
【0074】また、目標位置軌道は連続系ならばフィー
ドフォワード信号の2階積分になるが、離散時間系で構
成するために、閉ループ内部の0次ホールダー要素、演
算時間、アナログ・フィルターによる位相遅れを補償す
る必要がある。以下、この補償手段の設計方法を説明す
る。0次ホールダーによる遅れは、むだ時間に換算し
て、サンプル周期の1/2(Ts/2)である。演算時
間による遅れは、サーボ処理プログラムにおいて、ヘッ
ド位置検出すなわちトラック位置誤差信号PESNとP
ESQのサンプルから、操作量信号のDA変換までの処
理に要する時間である。
【0075】またアナログ・フィルターによる遅れは、
位置制御系の開ループゲイン交差周波数における、アナ
ログ・フィルターの位相遅れを測定し、位相遅れ量がこ
の測定値に等しいむだ時間要素に換算する。これらのむ
だ時間の総和をΔとし、ラプラス演算子をsとしてむだ
時間補償要素exp(−Δs)で、目標位置軌道をフィ
ードフォワード信号に対して相対的に遅らせることによ
り、前記の閉ループ内部の位相遅れに起因する目標軌道
への追従誤差を抑圧して、目標トラックへのセトリング
応答を改善できる。前記のむだ時間補償要素は、exp
(−Δs)の1次パディ近似式により、ディジタル補償
器として実現できる。
【0076】「外乱推定手段の構成」次に、制御対象に
作用する外乱を補償する手段(図4のC2(z)3c)
について説明する。まず、連続時間系でこの手段の原理
を説明する。操作量U(s)から制御量Y(s)までの
伝達関数をWyu(s)、外乱Q(s)から制御量Y
(s)までの伝達関数をWyq(s)と表す。すると、
Y(s)はU(s)とQ(s)に対する応答として、
【0077】
【数10】 Y(s)=Wyu(s)・U(s)+Wyq(s)・Q(s)……(10) と表される。これをQ(s)について解くと、次式を得
る。
【0078】
【数11】
【0079】ただし、Wyu(s)について、逆システ
ムを考えるために不安定な零点を持たないと仮定する。
この時、図6が示すように、次式を満たすsの多項式G
uq(s)が存在するならば、外乱の影響を相殺でき
る。
【0080】
【数12】 (Wyq(s)+Wyu(s)・Guq(s))Q(s)=0……(12) 外乱を相殺するためにU(s)に加算する信号は、Gu
q(s)・Q(s)であり、これは式(11)を用い
て、次式のようにY(s)とU(s)とで表せる。
【0081】
【数13】
【0082】また、式(13)で表す外乱補償系のブロ
ック線図を図7に示す。しかし、K(s)=[−1/W
yu(s),1]の要素、−1/Wyu(s)は分母次
数より分子次数が大きくなる〔(相対次数=(分母次数
−分子次数)>0)のが一般的である〕。よって、K
(s)をそのまま実現することはできないが、適当な相
対次数のローパス・フィルターF(s)を導入して、周
波数帯域を制限して外乱を補償することができる。すな
わち、
【0083】
【数14】 K’(s)=F(s)・K(s)=[−F(s)/Wyu(s),F(s)] ……(14) で、F(s)/Wyu(s)の相対次数が0以上になる
ようにF(s)を選べば、K’(s)は外乱補償要素と
して実現可能である。以上のことを磁気ディスク装置に
適用する。制御対象のヘッドアームを慣性体にモデル化
して、Wyu(s)=KF/ms2とする。この相対次
数は2であるから、2次ローパス・フィルターとしてF
(s)=ωc2/(s+ωc)2とする。ここでωcはロ
ーパスフィルターの折点角周波数である。この時、式
(14)から外乱補償手段は次式になる。
【0084】
【数15】
【0085】また、この系のブロック線図は図8にな
る。
【0086】次に離散時間系の外乱補償手段について説
明する。数9から数14と図6から図8で表す構成はほ
ぼそのまま、離散時間系にも適用できる。前記の伝達関
数Wyu=KF/ms2を、DA変換器を介したディジ
タル制御のために、前置0次ホールダー付きz変換で離
散化すると、サンプル周期をTsとして次式を得る。
【0087】
【数16】
【0088】ところが、この伝達関数Wyu(z)は分
子の零点が安定限界上に存在するため、数13の1/W
yu(s)に対応する、離散時間系の逆システムを安定
に実現できない。そこで、演算子zと次式の関係を持
つ、オイラー演算子εを導入する。
【0089】
【数17】 z=Ts・ε+1 zの安定領域は複素平面上の原点を中心とする単位円の
内部であるから、式(17)の関係から、εの安定領域
は(−1/Ts,0)を中心とする、半径1/Tsの円
の内部に写像される。数16を数15に代入し、さらに
Ts→0の極限で、分子のεの一次項の係数Ts/2も
0に収束することから、この項を無視して次の伝達関数
を得る。
【0090】
【数18】
【0091】この伝達関数の逆システムは明らかに安定
である。これに対して、数13と同様にして補償手段を
構成するために、相対次数2のローパス・フィルターF
(ε)を導く。F’(s)=ωc2/(s+ωc)2を双
一次変換で離散化し、さらに式(17)によりεの伝達
関数に変換して、次式を得る。
【0092】
【数19】
【0093】この分子多項式について、Ts→0の極限
で、一次項と二次項の係数は共に0に収束することか
ら、この項を無視して、次の伝達関数を得る。
【0094】
【数20】
【0095】連続時間系の式(15)に対応する、オイ
ラー演算子表現の補償手段は次式になる。
【0096】
【数21】
【0097】その状態方程式は次式になる。
【0098】
【数22】
【0099】ここで、δはεに対応する時間領域の演算
子である。演算子zに対応する時間領域の演算子(シフ
ト演算子)をqとすると、δとqの関係は式(14)の
εとzの関係に一致するので、次式を得る。
【0100】
【数23】 δ=(q−1)/Ts これを式(22)に代入して次式が得られ、マイクロ・
プロセッサーμPのプログラムとして実現するための基
礎方程式になる。
【0101】
【数24】
【0102】「制御アルゴリズム」図9から図16を用
いて、本発明に係るディスク記録装置の制御方式のアル
ゴリズムを説明する。このアルゴリズムは、図1のマイ
クロ・プロセッサー(μP)30によって処理されるよ
うにプログラム化され、サンプル周期毎に繰り返して実
行される。図9は処理全体の流れを示す。同図において
ステップF1で、ヘッド位置検出信号を生成する。
【0103】次にステップF2で、前記の目標位置軌道
とフィードフォワード信号の現サンプル時刻の値を確定
する。更にステップF3で、前述した閉ループ補償手段
(図4の3b)と外乱推定手段(図4の3c)の現サン
プル時刻での出力値を計算する。
【0104】次にステップF4で、ディジタル制御処理
による操作量信号(DCNT)の現サンプル時刻での値
を計算し、DA変換器に入力する。更にステップF5
で、次のサンプル時刻での目標位置軌道とフィードフォ
ワード信号の値を計算する。
【0105】次いでステップF6で、閉ループ補償手段
3bと外乱推定手段3cの状態変数値を計算する。更に
ステップF7で、シーク動作が終了したか、否かを判定
する。 図10は、ヘッド位置検出処理の詳細な手順を
示す。同図においてステップF11で、図2の2相の位
置誤差信号(PESNとPESQ)を同時にAD変換す
る。次にステップF12で、図3の線形位置誤差信号L
INPESを生成し、またトラックアドレスディジタル
信号TRKを取り込み、線形位置誤差信号LINPES
とトラックアドレスディジタル信号TRKとから連続し
たヘッド位置検出信号を生成する。続いて処理は目標軌
道出力計算処理(図11)に移行する。
【0106】図11のステップF21で、シーク動作中
か、否かを判定する。判定が「YES」ならば、ステッ
プF22で、シーク動作開始直後か、否かを判定する。
この判定が[YES」ならば、ステップF23でフィー
ドフォワード信号値を0に確定する。
【0107】またステップF24で目標位置軌道の値を
0に確定する。さらに、前述の目標軌道を遅らせるむだ
時間補償手段の状態変数に初期値を設定する。
【0108】一方ステップF22の判定が「NO」なら
ば、ステップF23からステップF25の処理は行わな
い。
【0109】ステップF26で、現サンプル時刻での目
標位置軌道とヘッド位置検出信号との差を計算して、位
置偏差信号とする。ステップF21の判定が「NO」、
すなわちフォロイング動作中ならば、ステップF22か
らステップF26の処理は行わず、ヘッド位置検出信号
を符号反転して位置偏差信号とする。次に処理は閉ルー
プ出力計算処理(図12)に移行する。
【0110】図12のステップF31では、閉ループ補
償手段の出力値を計算する。閉ループ補償手段は離散時
間の状態方程式で表され、その出力方程式をここで計算
する。さらに、外乱推定手段の出力値をここで計算す
る。次に処理は操作量計算処理(図13)に移行する。
【0111】図13は操作量信号DCNTの計算の詳細
を示す。ステップF41で閉ループ補償手段の出力値に
フィードフォワード信号を加算する。次いでステップF
42で、その加算結果を、DA変換器37のダイナミッ
クレンジに合わせてリミッター処理する。更にステップ
F43で、その値をDA変換器37でアナログ信号に変
換し、次サンプルの目標軌道計算処理(図14)に移行
する。
【0112】図14は、フィードフォワード信号と目標
位置軌道の計算の詳細を示す。ステップF51は、むだ
時間補償手段に目標位置軌道を入力して、遅らせる処理
をする。ステップF52では、次のサンプル時刻での式
(2)の値を計算する。ステップF53では、式(2)
をtについて2階積分した関数から、次のサンプル時刻
でのむだ時間補償前の目標位置軌道の値を計算し、閉ル
ープ補償器内部計算処理(図15)に移行する。
【0113】図15のステップF61では、閉ループ補
償手段の状態変数値を計算する。さらに、外乱推定手段
の状態変数値を式(24)により計算する。次に処理は
シーク終了判定処理(図16)に移行する。
【0114】図16は、シーク動作の終了判定手順の詳
細を示す。ステップF71で、線形位置誤差信号LIN
PESから、ヘッドが目標トラックの中心に対して所定
の位置誤差以内にあるか、否かを判定する。判定が「Y
ES」ならば、ステップF72でタイマー変数に1を加
算する。次にステップF73で、タイマー変数が所定の
値に等しい(「YES」)と判定したら、所定の時間を
継続して目標トラックに追従したと判断して、ステップ
F74でシーク終了フラグをセットして、ディスク制御
回路33にシーク動作終了を知らせる。
【0115】他方ステップF73の判定が「NO」なら
ば、ステップF74の処理は行わない。
【0116】またステップF71の判定が「NO」なら
ば、ステップF75でタイマー変数値を0にリセットす
る。
【0117】「応答波形」本発明を適用した磁気ディス
ク装置の応答波形を図17から図19に示す。図17は
フレキシブル・プリント配線14による外乱力(下段)
と、外乱推定手段による外乱推定値(上段)の時間波形
である。ただし、単位はVCM駆動電流に合わせて、ミ
リ・アンペア(mA)とした。シーク動作中の時刻0〜
14.5msの間で、ヘッドの移動に伴って外乱は変化
するが、推定値はほぼ全時間にわたって真値を推定して
いる。この推定精度により、外乱を相殺して高精度に目
標位置軌道に追従できる。
【0118】また図18はヘッド位置誤差信号の一つの
相(PESN)(上段)と、VCM駆動電流(下段)の
時間波形である。シーク動作終了時(時刻14.5m
s)に過渡応答なく、目標トラックの中心に速やかに位
置決めしている。
【0119】図19は目標位置軌道に対する、ヘッド位
置検出信号の追従誤差の時間波形である。最大でもトラ
ック・ピッチの16/1000であり、高精度な軌道追
従性が得られる。
【0120】「第二の実施例」図20のブロック線図
に、本発明の第二の実施例のディジタル位置決め制御系
の構成を示す。以下、第一の実施例との構成の違いを説
明する。第一の実施例では、閉ループ系のフィードバッ
ク信号はヘッド位置検出信号だけであったが、第二の実
施例では、ヘッド位置検出信号x(kTs)の他に、ヘ
ッド速度検出信号v(kTs)と閉ループ補償手段の状
態変数xc(kTs)もフィードバック信号とする。す
なわち、閉ループ補償手段3bと制御対象1jを直列に
接続した系(以下、拡大系)の状態フィードバックの構
成をとる。この閉ループ系を設計するには以下の手順を
行う。まず、理想とする閉ループ特性の伝達関数(以
下、規範モデル)を定める。
【0121】次に、前記の拡大系の伝達関数の分子多項
式の根が、規範モデルの分子多項式の根に一致するよう
に、閉ループ補償手段を決める。さらにこの拡大系に対
して、状態フィードバックの閉ループ伝達関数の極が規
範モデルの極に一致するように、フィードバックゲイン
fc,fv,fxを求める。
【0122】この系への入力は、次のようにする。式
(2)のフィードフォワード信号をαrとして閉ループ
補償手段の出力に加算し、また、式(2)の1階積分で
ある目標速度軌道vrと、2階積分である目標位置軌道
xrとをゲインの比をfv:fxで重み付け加算した信
号を閉ループ系の目標値とする。
【0123】このように構成した系でも、第一の実施例
と同様に外乱や制御対象のパラメーター変化の影響を抑
圧して、図18に示すような速やかな目標トラックへの
位置決めが可能である。
【0124】「第三の実施例」図21から図23に、本
発明の第三の実施例の制御波形を示す。以下、第一ある
いは第二の実施例との違いを説明する。第一と第二の実
施例では、式(2)で表す一種類のフィードフォワード
信号を用いてシーク動作を行うが、本実施例では加速用
のフィードフォワード信号と減速用のフィードフォワー
ド信号とを切り替える。加速フィードフォワード信号u
1は、ボイスコイルモーター16の性能での最大加速時
の駆動電流を時間関数化して、加速中にサンプル周期毎
に計算する。減速フィードフォワード信号u2は式
(2)と同形式の関数で、シーク距離に応じた係数値を
あらかじめ定めて、減速中にサンプル周期毎に計算す
る。閉ループ系に入力するフィードフォワード信号は、
シーク動作時間の中間で加速フィードフォワード信号u
1から減速フィードフォワード信号u2に切り替える。
図22は、この信号の時間波形である。図22の時間波
形の1階積分を目標速度軌道、2階積分を目標位置軌道
として、第一あるいは第二の実施例と同様に目標値とす
る。図23は目標位置軌道の時間波形である。
【0125】このように構成した系では、加速時にボイ
スコイルモーターの最高性能で駆動することにより、よ
り高速なシーク動作を実現できる。また、第一、第二の
実施例で述べた一種類のフィードフォワード信号を用い
る場合と、本実施例のように加速、減速別のフィードフ
ォワード信号を切り替える場合をシーク距離に応じて選
択することも容易である。
【0126】
【発明の効果】以上で説明したように、本発明によれ
ば、シ−ク動作とフォロイング動作とで共通の閉ル−プ
制御系を用いているので、制御モ−ドの切り替えによる
過渡応答を無くして、目標トラックへの速やかな位置決
めが可能である。
【0127】また、シ−ク動作時に、ヘッド位置の目標
軌道とフィ−ドフォワ−ド信号を閉ル−プ制御系に入力
し、かつ、フィ−ドフォワ−ド信号は装置の機構要素の
振動を防止する特性を持ち、また、シ−ク動作開始位置
からの連続したヘッド位置検出信号をフィ−ドバック信
号とすることにより、ヘッドの運動は所定の軌道に高精
度に追従して、残留振動を生じること無く、目標トラッ
クへの速やかな位置決めが可能である。
【0128】また、過渡応答や残留振動を抑制できるの
で、トラックピッチの狭小化により、高記録密度化が可
能である。
【0129】また、人間の可聴周波数域の振動を抑制す
ることにより、シ−ク動作時の騒音を低減することもで
きる。
【0130】さらに、ヘッドが振動しないので、ヘッド
・ディスク間を接近させて、高記録密度化が可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例を示すハードウェア構成
図である。
【図2】本発明のヘッド位置誤差信号を示す図である。
【図3】本発明の線形位置誤差信号を示す図である。
【図4】本発明の第一の実施例を示すブロック線図であ
る。
【図5】制御対象の物理モデルを示す図である。
【図6】本発明の外乱推定手段の原理を示す図である。
【図7】本発明の外乱推定手段の構成を示す図である。
【図8】本発明の外乱推定手段の構成を示す図である。
【図9】本発明の制御アルゴリズムの全体を示す流れ図
である。
【図10】本発明のヘッド位置検出の手順を示す流れ図
である。
【図11】本発明の目標軌道計算の手順を示す流れ図で
ある。
【図12】本発明の閉ループ補償手段の演算手順を示す
流れ図である。
【図13】本発明の操作量出力の手順を示す流れ図であ
る。
【図14】本発明の目標軌道計算の手順を示す流れ図で
ある。
【図15】本発明の閉ループ補償手段の演算手順を示す
流れ図である。
【図16】本発明のシーク動作終了判定の手順を示す流
れ図である。
【図17】本発明の第一の実施例の外乱推定手段の出力
値の時間波形である。
【図18】本発明の第一の実施例のシーク動作応答波形
である。
【図19】本発明の第一の実施例の目標位置軌道への追
従誤差の時間波形である。
【図20】本発明の第二の実施例を示すブロック線図で
ある。
【図21】本発明の第三の実施例の加速フィ−ドフォワ
−ド信号と減速フィ−ドフォワ−ド信号の時間波形であ
る。
【図22】本発明の第三の実施例のフィ−ドフォワ−ド
信号の時間波形である。
【図23】本発明の第三の実施例の目標位置軌道の時間
波形である。
【図24】従来の磁気ディスク装置のヘッド速度の波形
である。
【図25】従来の磁気ディスク装置のヘッド速度の時間
波形である。
【図26】従来の磁気ディスク装置のヘッド加速度の時
間波形である。
【符号の説明】
1 ヘッド・ディスク・アセンブリー(HDA) 10 ディスク 11 トラック 12 サーボエリア 13 スライダー 14 フレキシブル・プリント配線(FPC) 15 ヘッドアーム 16 ボイス・コイル・モーター(VCM) 17 スピンドル軸 18 ピボット軸 20 ヘッドアンプ(AMP) 21 サーボ信号復調回路(DEMOD) 22 VCM駆動アンプ(PA) 23 アナログ・フィルター 30 マイクロ・プロセッサー(μP) 31 ランダム・アクセス・メモリー(RAM) 32 リード・オンリー・メモリー(ROM) 33 ディスク制御回路(CONT) 34 AD変換器(AD1) 35 AD変換器(AD2) 36 AD変換器(AD3) 37 DA変換器(DAC) 38 データ・バス(BUS)

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスク上の目標トラックの中心に対す
    るヘッドの相対的な位置を検出して、ヘッド位置検出信
    号を出力するヘッド位置検出手段を有するディスク記録
    装置において、 ヘッドの位置決め制御をディジタル制御で実現するため
    の処理を行う演算処理手段を含み、前記ヘッド位置検出
    手段の出力するヘッド位置検出信号をフィードバック信
    号としてヘッドの位置決め制御を行なうヘッド位置制御
    系を有し、 該ヘッド位置制御系は、目標トラックに追従するフォロ
    イング動作と、現在のトラックから別のトラックにヘッ
    ドを移動するシーク動作とを行なうことを特徴とするデ
    ィスク記録装置。
  2. 【請求項2】 ディスク上の最寄りのトラックの中心に
    対するヘッドの位置ずれを検出する第1のヘッド位置検
    出手段と、前記の最寄りのトラックのアドレスを検出す
    る第2のヘッド位置検出手段を備えているディスク記録
    装置において、 ヘッドの位置決め制御をディジタル制御で実現するため
    の処理を行う演算処理手段を含み、前記第一のヘッド位
    置検出手段の出力と第二のヘッド位置検出手段の出力を
    加算して、ヘッド位置検出信号を生成し、該ヘッド位置
    検出信号をフィードバック信号としてヘッドの位置決め
    制御を行なうヘッド位置制御系を有し、 該ヘッド位置制御系は、目標トラックに追従するフォロ
    イング動作と、現在のトラックから別のトラックにヘッ
    ドを移動するシーク動作とを行なうことを特徴とするデ
    ィスク記録装置。
  3. 【請求項3】 トラック内に間欠的に位置信号を記録し
    たディスクにデータを記録、再生するディスク記録装置
    であって、最寄りのトラックの中心に対するヘッドの位
    置ずれを前記の位置信号から検出する第一のヘッド位置
    検出手段と、前記の最寄りのトラックのアドレスを前記
    の位置信号から検出する第二のヘッド位置検出手段を有
    するディスク記録装置において、 ヘッドの位置決め制御をディジタル制御で実現するため
    の処理を行う演算処理手段を含み、前記第一のヘッド位
    置検出手段の出力と第二のヘッド位置検出手段の出力を
    加算して、ヘッド位置検出信号を生成し、該ヘッド位置
    検出信号をフィードバック信号としてヘッドの位置制御
    を行なうヘッド位置制御系を有し、 該ヘッド位置制御系は、目標トラックに追従するフォロ
    イング動作と、現在のトラックから別のトラックにヘッ
    ドを移動するシーク動作とをを行なうことを特徴とす
    る、ディスク記録装置。
  4. 【請求項4】 ディスク上の目標トラックの中心に対す
    るヘッドの相対的な位置を検出して、ヘッド位置検出信
    号を出力するヘッド位置検出手段を有するディスク記録
    装置において、 ヘッドの位置決め制御をディジタル制御で実現するため
    の処理を行う演算処理手段を含み、前記ヘッド位置検出
    手段の出力するヘッド位置検出信号をフィードバック信
    号としてヘッドの位置決め制御を行なうヘッド位置制御
    系を有し、 該ヘッド位置制御系は、目標トラックに追従するフォロ
    イング動作と、現在のトラックから別のトラックにヘッ
    ドを移動するシーク動作とを行ない、かつヘッドを駆動
    するモーターが発生する駆動力が、装置を構成する機構
    要素の振動の発生を防止する特性を有するように制御す
    ることを特徴とする、ディスク記録装置。
  5. 【請求項5】 前記ヘッド位置制御系は、シーク動作時
    にヘッドの位置の目標軌道を生成する手段と、 シーク動作時に目標軌道から前記ヘッド位置検出信号を
    減算して、軌道追従誤差信号を出力する第1の加算手段
    と、 シーク動作時に軌道追従誤差を抑圧するフィードフォワ
    ード信号を生成する手段と、 シーク動作時に前記フィードフォワード信号を閉ループ
    補償手段の出力信号に加算して、前記モーターを駆動す
    る操作量信号を出力する第2の加算手段とを有すること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のディス
    ク記録装置。
  6. 【請求項6】 シーク動作時に生成する、前記目標軌道
    と前記フィードフォワード信号が共に、そのパワースペ
    クトルの中にヘッド支持機構の固有振動数の成分を含ま
    ないことを特徴とする請求項5に記載のディスク記録装
    置。
  7. 【請求項7】 シーク動作時に生成する、前記目標軌道
    と前記フィードフォワード信号が共に、そのパワースペ
    クトルの中にディスク・スピンドル系の固有振動数の成
    分を含まないことを特徴とする請求項5に記載のディス
    ク記録装置。
  8. 【請求項8】 シーク動作時に生成する、前記目標軌道
    と前記フィードフォワード信号が、それぞれシーク動作
    開始からの経過時間(以下、変数t)の関数で表され、
    サンプル周期毎にその関数を計算して、前記目標軌道と
    前記フィードフォワード信号とを生成することを特徴と
    する請求項5に記載のディスク記録装置。
  9. 【請求項9】 シーク動作時に生成する、前記フィード
    フォワード信号を表す関数が、次式 【数1】 であることを特徴とする請求項5に記載のディスク記録
    装置。
  10. 【請求項10】 前記目標軌道と前記フィードフォワー
    ド信号を表す関数の係数値を、シーク動作のトラック間
    距離に応じて変えることを特徴とする請求項8または9
    のいずれかに記載のディスク記録装置。
  11. 【請求項11】 前記ヘッド位置制御系は、前記フィー
    ドフォワード信号に対して、前記目標軌道を一定時間だ
    け遅らせるむだ時間補償手段を有することを特徴とする
    請求項5に記載のディスク記録装置。
  12. 【請求項12】 前記ヘッド位置制御系は、前記フィー
    ドフォワード信号に対して、前記ヘッド位置制御系のデ
    ィジタル制御演算、閉ループ内部の0次ホールダー要素
    やアナログフィルターに起因する位相遅れに等価なむだ
    時間だけ、前記目標軌道を遅らせる手段を有することを
    特徴とする請求項5に記載のディスク記録装置。
  13. 【請求項13】 シーク動作を開始してから目標トラッ
    クに到達するまでの全時間で、前記目標軌道と前記フィ
    ードフォワード信号が、それぞれ一つの関数で表され、 前記ヘッド位置制御系は、前記全時間にわたって前記ヘ
    ッド位置検出信号が前記目標軌道に追従するように制御
    することを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記
    載のディスク記録装置。
  14. 【請求項14】 前記ヘッド位置制御系は、シーク動作
    のトラック間距離に応じてあらかじめヘッド速度を加速
    から減速に切り替えるべき時刻を設定し、該切り替え時
    刻を境として、前記目標軌道と前記フィードフォワード
    信号が、それぞれ異なる関数で表されており、シーク動
    作時に、前記ヘッド位置検出信号が、前記の加速用目標
    軌道から減速用目標軌道に移り変わって追従するように
    制御することを特徴とする請求項5、8乃至10のいず
    れかに記載のディスク記録装置。
  15. 【請求項15】 前記ヘッド位置制御系は、前記シーク
    動作のトラック間距離に応じてあらかじめヘッド速度を
    加速から減速、減速からセトリングに切り替えるべき時
    刻(以下、切り替え時刻)を設定し、該切り替え時刻を
    境として、前記目標軌道と前記フィードフォワード信号
    が、それぞれ異なる関数で表されており、シーク動作時
    に、前記ヘッド位置検出信号が、前記の加速用目標軌道
    から減速用目標軌道、減速用目標軌道からセトリング用
    目標軌道に移り変わって追従するように制御することを
    特徴とする請求項5、8乃至10のいずれかに記載のデ
    ィスク記録装置。
  16. 【請求項16】 前記ヘッド位置制御系は、前記ヘッド
    位置検出信号と前記操作量信号を入力として、前記位置
    制御系に作用する外乱を推定する手段を備え、 前記フ
    ィードフォワード信号と前記閉ループ補償要素の出力信
    号とを加算し、さらにその結果から前記外乱の推定値を
    減算した信号を前記操作量とすることを特徴とする請求
    項5に記載のディスク記録装置。
  17. 【請求項17】 前記ヘッド位置制御系は、 前記ヘッドを駆動する駆動モーターの駆動電流値をサン
    プル周期毎にAD変換して、駆動電流検出信号を発生す
    る手段と、 前記ヘッド位置検出信号と前記駆動電流検出信号を入力
    として、前記位置制御系に作用する外乱を推定する手段
    とを有し、 前記フィードフォワード信号と前記閉ループ補償要素の
    出力信号とを加算し、さらにその結果から前記外乱の推
    定値を減算した信号を前記操作量とすることを特徴とす
    る請求項5に記載のディスク記録装置。
  18. 【請求項18】 ディスク上の目標トラックの中心に対
    するヘッドの相対的な位置を検出して、ヘッド位置検出
    信号を出力するヘッド位置検出手段を有するディスク記
    録装置において、 ヘッドの位置決め制御をディジタル制御で実現するため
    の処理を行う演算処理手段を含み、ヘッドの速度を検出
    する手段を備えており、前記ヘッド位置検出信号と、ヘ
    ッド速度検出信号と、閉ル−プ補償器の状態変数のそれ
    ぞれにゲインを掛けて加算した値をフィ−ドバック信号
    とする閉ル−プ制御系を有し、 該閉ル−プ制御系は、目標トラックに追従するフォロイ
    ング動作と、現在のトラックから別のトラックにヘッド
    を移動するシ−ク動作とを行なうことを特徴とするディ
    スク記録装置。
  19. 【請求項19】 ディスク上の目標トラックの中心に対
    するヘッドの相対的な位置を検出して、ヘッド位置検出
    信号を出力するヘッド位置検出手段を備えているディス
    ク記録装置において、 ヘッドの位置決め制御をディジタル制御で実現するため
    の処理を行う演算処理手段を含み、ヘッドの速度を検出
    する手段を備えており、前記ヘッド位置検出信号と、ヘ
    ッド速度検出信号と、閉ル−プ補償器の状態変数のそれ
    ぞれにゲインを掛けて加算した値をフィ−ドバック信号
    とする閉ル−プ制御系を有し、 該閉ル−プ制御系は、目標トラックに追従するフォロイ
    ング動作と、現在のトラックから別のトラックにヘッド
    を移動するシ−ク動作とを行ない、かつシーク動作時に
    ヘッドの位置と速度の目標軌道を生成する手段と、 前記目標位置軌道と目標速度軌道を重み付け加算して目
    標値信号を出力する手段と、 シーク動作時に前記目標値信号から前記フィ−ドバック
    信号を減算する手段と、 シーク動作時にフィードフォ
    ワード信号を生成する手段と、 シーク動作時に前記フィードフォワード信号を閉ループ
    補償手段の出力信号に加算して、前記モーターを駆動す
    る操作量信号を出力する加算手段とを有することを特徴
    とするディスク記録装置。
  20. 【請求項20】 前記ヘッド位置検出手段は、最寄りの
    トラックの中心からのヘッドの位置ずれを表す複数相の
    ヘッド位置誤差信号を発生し、 サンプル周期毎に、前記複数相のヘッド位置誤差信号を
    同時にサンプリングする一つ以上のAD変換器を有する
    ことを特徴とする請求項1、19乃至20のいずれかに
    記載のディスク記録装置。
  21. 【請求項21】 前記第一のヘッド位置検出手段は、最
    寄りのトラックの中心からのヘッドの位置ずれを表す複
    数相のヘッド位置誤差信号を発生し、 サンプル周期毎に、前記複数相のヘッド位置誤差信号を
    同時にサンプルする一つ以上のAD変換器を有すること
    を特徴とする請求項2または3のいずれかに記載のディ
    スク記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003208230A (ja) * 2002-01-15 2003-07-25 Fuji Mach Mfg Co Ltd 機械の制振制御方法,装置および制振制御型機械
US6995944B1 (en) 1999-11-17 2006-02-07 Fujitsu Limited Head positioning control method for a storage device and head positioning control device

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