JP2002227059A - 織機における糸制動装置 - Google Patents

織機における糸制動装置

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JP2002227059A
JP2002227059A JP2001025683A JP2001025683A JP2002227059A JP 2002227059 A JP2002227059 A JP 2002227059A JP 2001025683 A JP2001025683 A JP 2001025683A JP 2001025683 A JP2001025683 A JP 2001025683A JP 2002227059 A JP2002227059 A JP 2002227059A
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braking
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Zenji Tamura
善次 田村
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Tsudakoma Corp
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Tsudakoma Corp
Tsudakoma Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 緯糸に作用させる制動力をブレーキの利
き具合に合わせて変更することができるようにすること
にある。 【解決手段】 糸制動装置は、飛走する緯糸を減速させ
る制動部材と、給糸体における緯糸消費量、及び、緯入
れ条件を変更した場合における変更後の緯入れ条件の少
なくとも一方に応じて制動部材により緯糸に作用させる
制動力を制御する制御器とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジェットルームの
ような無杼織機において飛走中の緯糸に制動力を作用さ
せる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ジェットルームのような無杼織機におい
て、緯入れのために(より詳しくは、飛走緯糸減速時に
おける緯糸切れトラブルを防止するために)飛走中の緯
糸に糸制動装置により制動力を付与する技術は種々提案
されている(例えば、特公平3−50019号公報、特
開平6−287837号公報)。これらの従来技術は、
いずれも、飛走する緯糸が飛走経路上の所定の位置に到
達したタイミング(到達タイミングとその目標値との偏
差量に基づいて緯入れ制御(より詳しくは、緯糸に対す
る制動力制御)を行っている。
【0003】例えば、特公平3−50019号公報に記
載された技術においては、緯糸を挟み込む方式の糸制動
装置を緯糸準備装置(測長貯留装置)と緯入れノズル
(特に、メインノズル)との間に配置し、緯糸飛走経路
上における緯糸飛走状況(飛走速度)を検出し、検出し
た飛走速度に応じて、緯糸にブレーキを掛ける制動作用
時間、緯糸を屈曲させる制動量(屈曲量)等、糸制動装
置により緯糸に作用させる制動力を制御している。
【0004】
【解決しようとする課題】しかし、従来の装置は、いず
れも、緯糸の製造ロットや給糸体の巻径等により緯糸の
物性(すなわち、緯糸の状態)が変化して、緯糸の飛走
特性が変化し、この変化にともなって緯糸に対するブレ
ーキの作用度合い(利き具合)が変化するにもかかわら
ず、そのようなブレーキの利き具合について何ら考慮さ
れていない。このため、物性の変化の大きい緯糸では、
糸制動装置を備えるがゆえに緯糸の到達タイミングのば
らつきが大きくなり、安定した緯入れを維持することが
できない、という問題がある。
【0005】本発明の目的は、緯糸に作用させる制動力
をブレーキの利き具合に合わせて変更することができる
ようにすることにある。
【0006】
【解決手段、作用及び効果】本発明に係る糸制動装置
は、飛走する緯糸を減速させる制動部材と、給糸体にお
ける緯糸消費量、及び、緯入れ条件を変更した場合にお
ける変更後の緯入れ条件の少なくとも一方に応じて前記
制動部材により緯糸に作用させる制動力を制御する制御
器とを含む。
【0007】給糸体における緯糸消費量の変化は給糸体
の巻径の変化に関係し、給糸体の巻径の変化はその箇所
の緯糸部分と他の箇所の緯糸部分との間における、毛羽
の状態、緯糸の形状等、緯糸の物性の変化にも関係す
る。また、緯入れ条件の変更は緯糸の飛走状態の変化に
関係し、緯糸の飛走状態の変化は緯糸の物性の変化にも
関係する。
【0008】そのような物性の変化は緯糸へのブレーキ
の利き具合に大きく影響することから、給糸体における
緯糸消費量の変化や、緯入れ条件の変更(特に、変更さ
れた緯入れ条件)は、緯糸へのブレーキの利き具合に大
きく影響する。
【0009】上記のことから、給糸体における緯糸消費
量の変化や変更された緯入れ条件を基に緯糸に作用する
制動力を制御すると、飛走する緯糸の減速時の緯糸切れ
トラブル(いわゆる、拘束切れ)を確実に防止すること
ができると共に、織機の運転中に供給される緯糸の物性
が変化して、緯糸へのブレーキの利き具合が変化して
も、そのような変化に対応した制動力を緯糸に作用させ
ることができる。その結果、物性の変化が大きい緯糸に
対しても、緯糸の到達タイミングのばらつきが大きくな
らず、安定した緯入れを維持することができる。
【0010】前記制御器は、給糸体における緯糸消費量
に応じて前記制動部材による前記制動力を制御すること
ができる。これに加えて又はこれの代わりに、前記制御
器は、緯入れ条件の変更後に飛走状態が目標状態に達し
たとき、変更された緯入れ条件に応じて前記制動部材に
よる前記制動力を制御することもできる。
【0011】好ましい実施例において、前記織機は緯糸
の飛走状態に応じて緯入れ条件を変更する緯入れ制御装
置を備え、前記制御器は、緯糸の飛走状態が目標の状態
に達するまでの制御途上期間においては、現状の制動量
を維持し、緯入れ条件の変更後に飛走状態が目標状態に
達したとき、変更された緯入れ条件にしたがって前記制
動部材による制動力を変更する。
【0012】好ましい緯糸制動装置は、さらに、前記制
動部材による前記制動力を緯糸の状態に応じて設定する
設定器を含む。
【0013】ここでいう緯糸の状態とは、緯糸の物性、
より具体的には毛羽の状態や形状など緯糸飛走特性を左
右するものを指し、糸制御装置に対して設定される値
(すなわち、制動条件)は、これらを考慮して設定され
る。設定される値は、変更されるまで維持される値のほ
かに、経時的に変化するように設定される値のいずれか
を含む。
【0014】
【発明の実施の形態】図1を参照するに、無杼織機10
は、図示の例ではエアージェットルームであり、また給
糸体12に巻かれている緯糸14を測長貯留装置16に
おいて1ピック分の長さに測長して貯留している。測長
貯留装置16に貯留されている緯糸14は、メインノズ
ル18に挿通されている。
【0015】緯入れ時、無杼織機10は、測長貯留装置
16の係止ピンをソレノイドのような係止ピン駆動機構
18により動作させて測長貯留装置16の緯糸を解舒
し、圧縮空気を緯糸14と共にメインノズル20から経
糸開口に向けて噴出させ、圧縮空気を複数のサブノズル
22から所定のタイミングで噴射させる。これにより、
1ピック分の緯糸14が経糸24の開口に緯入れされ
る。
【0016】緯入れが正しく行われると、緯糸14は、
その先端が反緯入れ側に配置されたフィーラ26の検知
領域に達することにより、フィーラ26によって検知さ
れる。フィーラ26は、緯糸を検知している間、その旨
を意味する緯糸検知信号S1を出力する。緯入れされた
緯糸は、筬28により織布30の織前に筬打ちされ、ま
たカッタ32によりメインノズル20の側の部分から切
り離される。
【0017】緯入れ用流体としての圧縮空気は、コンプ
レッサのような流体供給源34から、圧力制御弁36及
び開閉弁38を介してメインノズル20に供給される。
サブノズル22への圧縮空気の供給は、それぞれが複数
のサブノズルを含む複数のサブノズル群に分けられて、
群毎に流体供給源34又は他の流体供給源(図示せず)
から圧力制御弁及び開閉弁(いずれも、図示せず)を介
して行われる。
【0018】メインノズル20用の圧力制御弁36及び
開閉弁38並びにサブノズル22用に圧力制御弁及び開
閉弁は、いずれも、緯入れ制御装置40により制御され
る。緯入れ制御装置40は、フィーラ26から出力され
る緯糸検知信号S1を受けると共に、クランク角度信号
θをエンコーダ42から受ける。
【0019】主軸44にはエンコーダ42が連結されて
設けられており、エンコーダ42から出力されるクラン
ク角度信号θは、主軸44の回転角度を表す信号であ
る。このため、エンコーダ42は、主軸44が所定の角
度(例えば、1度)回転するたびパルス信号を計数する
動作を主軸44の一回転毎に繰り返し実行して、計数値
をクランク角度信号θとして出力する。
【0020】緯入れ制御装置40は、緯糸検知信号S1
とクランク角度信号θとを用いて、緯糸が正常に緯入れ
されたか否かを判定すると共に、緯糸がフィーラ24の
配置位置に達したときの到達タイミングを算出する。前
者の判定は、クランク角度信号θが所定の値ときに緯糸
検知信号S1が入力されているか否かを判定することに
より、行うことができる。後者は、緯糸検知信号S1が
入力したときのクランク角度信号θの値(計数値)を読
み込むことにより行うことができる。
【0021】緯入れ制御装置40は、また、算出した到
達タイミング、緯入れが正常に行われたか否かの判定結
果、緯入れ条件設定器46に設定された各種のデータ、
織機の主制御装置(図示せず)から供給される製織パタ
ーン等を用いて、圧力制御弁を制御して緯入れ用流体と
しての圧縮空気の圧力を調整すると共に、開閉弁を制御
して緯入れノズルとしてのメインノズル20及びサブノ
ズル22の動作及び係止ピン駆動機構18の動作を制御
する。
【0022】各種の緯入れ条件は、予め緯入れ条件設定
器46に設定されている。そのような緯入れ条件の例と
して、圧縮空気の圧力、緯入れノズル20,22の噴射
タイミング、係止ピン駆動機構18の動作のタイミング
等の設定値のほか、フィーラ26の配置位置への緯糸の
到達タイミングの目標値などをあげることができる。そ
れらの緯入れ条件は、緯入れに用いる緯糸の種類毎に予
め設定されている。
【0023】緯入れ制御装置40による緯入れ制御は、
緯入れノズルに供給される圧縮空気の圧力や、緯入れノ
ズルの噴射のタイミング等、実際の緯入れ条件を、到達
タイミングの実際値(算出値)が目標値になるように
(到達タイミングの実際値と目標値との偏差が解消する
ように)、補正することを含み、より詳しくは、目標タ
イミングに対する緯糸到達タイミングの偏差量に応じ
て、緯入れノズルへの供給圧力を変更したり、緯入れノ
ズルの噴射タイミングや係止ピンの解除タイミングを変
更する。到達タイミングの目標値は、単一の値であって
もよいし、所定の範囲を有していてもよい。
【0024】図示の例では、フィーラ26の出力信号を
用いて緯糸が反給糸側に到達したいわゆる最終到達タイ
ミングを算出している。しかし、貯留されている緯糸1
4が解舒されたことを検知する解舒センサ48から出力
される解舒検知信号S2や、経糸開口内における緯糸の
飛走路に配置された1以上の緯糸検知センサ等から出力
される緯糸検知信号を基に、緯糸がその飛走路上の所定
の位置に到達したタイミングを算出してもよい。
【0025】解舒センサ48は、光線を投光器48aか
ら受光器48bに向けて指向させ、この光線を測長貯留
装置16から解舒された緯糸14が通過するたびにその
旨を検知して緯糸14が解舒されたことを意味する解舒
検知信号S2を出力する公知のセンサである。
【0026】緯入れ制御装置40は、さらに、緯入れ条
件補正量を表す補正量信号S3と、緯入れ制御状態を表
す制御状態信号S4とを後に説明する糸制動装置50の
制動制御器56に出力する。補正量信号S3は、目標値
に対する補正量であってもよいし、補正後の緯入れ条件
であってもよい。制御状態信号S4は、緯入れ条件を目
標値に補正中であるか否かを表す信号である。
【0027】糸制動装置50は、緯糸14に制動力を付
与する制動部材52と、制動部材52を動作させる駆動
機構54と、駆動機構54を制御する制動制御器56
と、緯糸へのブレーキの利き具合に応じた各種の制動条
件が設定されている制動条件設定器58とを含む。
【0028】制動部材52は、測長貯留装置16とメイ
ンノズル20との間に緯糸の走行方向に間隔をおいて配
置された一対のヤーンガイド60,62の間に配置され
ている。制動部材52及びヤーンガイド60,62に
は、それぞれ穴が設けられており、緯糸14は、制動部
材52及びヤーンガイド60,62の各穴に通されてい
る。制動部材52は、駆動機構52によりヤーンガイド
60,62に対し揺動されて、緯糸14をヤーンガイド
60,62の間の箇所において屈曲させることにより、
制動力を緯糸14に作用させる。
【0029】駆動機構54は、緯糸14に制動力を作用
させている間、制動部材52を所定の揺動位置に維持し
得るように、サーボモータのような位置制御可能のモー
タを駆動源として備えており、またモータの回転軸に組
み付けられたアームの先端部に制動部材52を組み付け
ている。モータの代わりに、回転式ソレノイド、直線移
動式ソレノイド機構、シリンダ機構等、位置制御可能の
他のアクチュエータを駆動機構54の駆動源として用い
てもよい。
【0030】制動制御器56は、エンコーダ42からの
クランク角度信号θと、解舒センサ48からの解舒検知
信号S2と、緯入れ制御装置40からの補正量信号S3
及び制御状態信号S4とを基に、制動力付与のタイミン
グ(制動部材の揺動開始や揺動終了のタイミング、制動
力付与時間等)、制動力の大きさ(制動部材の揺動量、
ひいては緯糸の屈曲量)等の制動条件を制動条件設定器
58から読み取り、読み取った制動条件に応じて駆動機
構54を制御する。
【0031】緯糸に対するブレーキの利き具合は、緯糸
の毛羽や緯糸の形状などの緯糸の物性すなわち緯糸飛走
特性を左右する要素により左右される。このため、上記
した制動条件は、緯糸の物性の変化に対応して補正され
るように構成される。例えば、緯糸到達タイミングを一
定に保つべく緯入れ条件を補正する織機では、緯糸飛走
特性すなわち緯糸の物性の変化と緯入れ条件の補正量と
が対応している点に着目し、緯入れ条件の補正量に対応
してブレーキの利き具合を調整するように構成すること
ができる。より具体的には、緯入れ条件の補正量信号S
3は、設定された緯入れ条件、より具体的には、緯入れ
ノズルへの流体供給圧力値、緯入れノズルの噴射タイミ
ング(噴射開始、噴射終了の各タイミング)、係止ピン
の動作タイミング(解除、係止の各タイミング)等の条
件のうち、いずれかに対する補正量信号であり、設定器
58には、これら緯入れ条件の補正量に対応する制動部
材の制動条件が、特性の変化を考慮して糸種毎に設定さ
れており、制動制御器に予め設定されている。
【0032】緯入れ条件の補正量とブレーキの利き具合
とは、以下の関係を有する、と考えられる。
【0033】給糸体の巻径の減少にともなって到達タイ
ミングが早くなる緯糸の場合、給糸体の巻径が大きい状
態においては、糸表面の毛羽が多く飛走しにくい状態に
あるから、到達タイミングが遅くなる。このため、緯入
れ制御装置は、圧縮空気の圧力を高めるように、圧力制
御弁を制御する。
【0034】しかし、毛羽が多いと、その緯糸はブレー
キが利きやすいから、作用させる制動力を抑える必要が
ある。したがって、糸制動装置50は、到達タイミング
が早くなるように緯入れ条件が補正されたときは、緯入
れ条件の補正量に応じて、緯糸への制動力の付与時間を
短くするか、緯糸の屈曲量(制動部材の揺動量)小さく
する。
【0035】これに対し、給糸体の巻径が減少した状態
においては、糸表面の毛羽が抑えられており、飛走しや
すい状態にあるから、到達タイミングが早くなる。この
ため、緯入れ制御装置は、圧縮空気の圧力を下げるよう
に、圧力制御弁を制御する。
【0036】しかし、毛羽が抑えられていると、その緯
糸はブレーキが利きにくいから、作用させる制動力を高
める必要がある。したがって、糸制動装置50は、到達
タイミングが遅くなるように緯入れ条件が補正されたと
きは、緯入れ条件の補正量に応じて、緯糸への制動力の
付与時間を長くするか、緯糸の屈曲量を大きくする。
【0037】上記のことから、制動条件は、試織過程に
おいて又は製織途中において作業者が製織状態を観察す
ることにより決定して、緯糸の種類毎及び緯入れ条件の
補正量毎に制動条件設定器58に設定されて制動制御器
56に入力される。
【0038】設定器46,58として、テンキー、操作
パネル、磁気カードやICカードのようなカード類、コ
ンピュータ用キーボード等の入力手段と、入力された条
件を記憶するメモリとを用いることができる。
【0039】製織時、緯入れ制御装置40は、到達タイ
ミングが設定器46に設定された目標値であるか否かを
判定し、到達タイミングがその目標値でないと、緯入れ
ノズルから噴射する圧縮空気の圧力や噴射タイミング等
の緯入れ条件をわずかに補正するステップを緯入れのた
びに実行する。このように緯入れ条件を緯入れ毎に判定
して補正することにより、到達タイミングはその目標値
に漸次接近し、最終的に目標値に達して安定化する。
【0040】緯入れ条件を補正している間、緯入れ制御
装置40は、その旨を表す制御状態信号S4を制動制御
器56に出力する。このため、制動制御器56は、これ
までと同じ制動力を緯糸に付与するように、これまでと
同じ制動条件で駆動機構54を制御する。
【0041】到達タイミングがその目標値に達すると、
緯入れ制御装置40は、緯入れ条件の補正を中止し、そ
の旨を意味する制御状態信号S4と、今回の緯入れ条件
の補正による新たな補正量信号S3とを制動制御器56
に出力する。
【0042】これにより、制動制御器56は、新たな補
正量信号S4と緯糸の種類とに対応した新たな制動条件
を制動条件設定器58から読み取り、読み取った新たな
制動条件を用いて駆動機構54を制御する。これによ
り、緯糸に作用する制動力が新たな緯入れ条件に応じた
値に修正される。
【0043】その後、到達タイミングがその目標値から
ずれると、緯入れ制御装置40は緯入れ条件を少しずつ
補正するステップを実行し、その間制動制御器56は現
在の制動条件で駆動機構54を駆動させる。
【0044】上記のように、制動条件を緯糸へのブレー
キの利き具合に応じて緯入れ条件の補正量を基に制動条
件を補正すると、緯糸に作用する制動力が緯糸へのブレ
ーキの利き具合に応じて制御されるから、織機の運転中
に供給される緯糸の物性が変化して、緯糸へのブレーキ
の利き具合が変化しても、そのような変化に対応した制
動力を緯糸に作用させることができ、物性の変化が大き
い緯糸に対しても、緯糸の到達タイミングのばらつきが
大きくならず、安定した緯入れを維持することができ
る。
【0045】また、緯入れ条件を補正している間、それ
までの制動条件で駆動機構を駆動させると、制動条件自
体に起因する到達タイミングの変動を抑えた状態で緯入
れ条件を補正することができるから、短時間で安定した
緯入れが行われる。
【0046】上記実施例では、変更する緯入れ条件とし
て、緯入れノズルからの圧縮空気の噴射タイミング又は
圧縮空気の圧力を用いているが、測長貯留装置16から
の緯糸の解舒のタイミングのような他の緯入れ条件を用
いてもよい。また、前記実施例は、緯入れ条件の補正量
信号を介して制動条件を補正する例であるが、緯入れ条
件の設定値そのものを変更する構成にも適用可能であ
る。
【0047】上記実施例は緯糸の物性(すなわち、緯糸
の状態)の変化が未知の場合に好適であるが、本発明は
緯糸の物性の変化が既知の場合(例えば、緯糸の消費量
に応じてブレーキの利き具合の変化を予測可能の場合)
にも適用することができる。
【0048】図2を参照するに、織機60は、給糸体1
2の巻径を検出する巻径センサ62を用いている。織機
60で用いる糸制動装置64は、制動部材52と、その
駆動機構54と、この駆動機構54を制御する制動制御
器66と、制動条件が緯糸の種類毎に設定された制動条
件設定器68と、制動条件の補正に用いる関数が緯糸の
種類毎及び給糸体12の巻径(d)毎に設定された関数
設定器70と、給糸体12の巻径に応じた関数f(d)
を発生する関数発生器82とを含む。
【0049】制動条件設定器68に設定される制動条件
は、制動力の付与タイミング、制動力の付与時間、制動
力の大きさ(緯糸の屈曲量)等であり、緯糸の種類毎
に、給糸体の巻径(d)に対応して予め設定される。関
数設定器70に設定される関数は、制動条件の補正量の
算出に用いる関数である。関数発生器72は、巻径セン
サ62から供給される給糸体12の巻径を基に、その巻
径及び緯糸の種類に対応する関数を設定器70から読み
出して制動制御器66に出力する。
【0050】制動制御器66は、エンコーダ42から入
力するクランク角度信号θと関数発生器72から入力す
る関数とを用いて、駆動機構54を制御する。制動制御
器66による駆動機構54の制御は、例えば、巻径が減
少するにつれて緯糸の毛羽が抑えられていく結果、ブレ
ーキの利き具合が低下していく緯糸の場合、巻径が小さ
くなるにしたがって制動力が大きくなるように、行わ
れ、逆の物性を有する緯糸の場合は逆に行われる。
【0051】上記の結果、糸制動装置64においても、
緯糸に作用する制動力が緯糸の状態の変化、換言すれば
緯糸へのブレーキの利き具合の変化に応じて制御される
から、織機の運転中に供給される緯糸の物性が緯糸の消
費量に対応して変化して、緯糸へのブレーキの利き具合
が変化しても、そのような変化に対応した制動力を緯糸
に作用させることができ、物性の変化が大きい緯糸に対
しても、緯糸の到達タイミングのばらつきが大きくなら
ず、安定した緯入れを維持することができる。
【0052】糸制動装置64においても、図1に示す実
施例と同様に、緯入れ制御装置による緯入れ条件の補正
中は制動条件を変更せず、緯入れ条件を修正した後制動
条件を補正するようにしてもよい。
【0053】給糸体12の巻径は、緯糸の消費量に対応
して変化する。したがって、給糸体12の巻径を直接用
いる代わりに、緯入れピック数、給糸体の重量、給糸替
わり時からの経過時間等、緯糸の消費量を表す信号を給
糸体12の巻径を表す信号として用いてもよい。
【0054】例えば、給糸替わり時からの経過時間を給
糸体12の巻径を表す信号として用いる場合、図2に点
線で示すように、タイマー74には、給糸替わり時から
の経過時間を計測すると共に、予め糸種を考慮し経過時
間に対応して制動条件の補正量が予め設定関数f(t)
として設定されている。そして、タイマー74は、給糸
替わり時からの経過時間tを計時し、設定関数f(t)
に基づいて制動条件に対する補正量信号を制動制御器6
6に供給することができる。この場合、複数の給糸体1
2が備えられて前後の給糸体12の緯糸が相互に結ばれ
ているならば、緯糸の結び目76を結び目センサ78で
検出し、結び目センサ78の検出信号によりタイマー7
4をリセットすることができる。
【0055】ブレーキの利き具合を左右する要素につい
ては、緯入れ条件の補正量や給糸体の巻径以外に、給糸
体、ひいては緯糸の製造ロットのような給糸体の製造時
の条件、糸制動装置の経年変化等を用いてもよい。ま
た、緯糸の物性(すなわち、緯糸の状態)の変化をセン
サ等で検出し、この検出結果に対応して制動条件を制御
するようにしてもよい。
【0056】上記実施例は、いずれも、緯糸を制動部材
で屈曲させることにより緯糸に制動力を付与している
が、本発明は、そのような実施例に限定されず、緯糸を
制動部材で把持する又は他の部材に押圧することにより
緯糸に制動力を付与する装置のような他の形式の糸制動
装置にも適用することができる。また、本発明は、多色
緯入れ織機にも適用可能であり、緯糸毎に前記制動条件
を補正するように構成することができることは言うまで
もない。
【0057】本発明は、上記実施例に限定されない。本
発明は、その趣旨を逸脱しない限り、種々変更すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る糸制動装置を備えた織機の一実施
例を示す図である。
【図2】本発明に係る他の糸制動装置を備えた織機の一
実施例を示す図である。
【符号の説明】
10,60 織機 12 給糸体 14 緯糸 16 測長貯留装置 18 係止ピン駆動機構 20 メインノズル 22 サブノズル 24 経糸 26 フィーラ 28 筬 30 織布 32 カッタ 34 流体供給源 36 圧力制御弁 38 開閉弁 42 エンコーダ 44 主軸 48 解舒センサ 50,64 糸制動装置 52 制動部材 54 駆動機構 58,68 制動条件設定器 70 関数設定器 72 関数発生器 76 結び目 78 結び目センサ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 飛走する緯糸を減速させる制動部材と、
    給糸体における緯糸消費量、及び、緯入れ条件を変更し
    た場合における変更後の緯入れ条件の少なくとも一方に
    応じて前記制動部材により緯糸に作用させる制動力を制
    御する制御器とを含む、織機における糸制動装置。
  2. 【請求項2】 前記制御器は、給糸体における緯糸消費
    量に応じて前記制動部材による前記制動力を制御する、
    請求項1に記載の糸制動装置。
  3. 【請求項3】 前記制御器は、緯入れ条件の変更後に飛
    走状態が目標状態に達したとき、変更された緯入れ条件
    に応じて前記制動部材による前記制動力を制御する、請
    求項1に記載の糸制動装置。
  4. 【請求項4】 前記織機は緯糸の飛走状態に応じて緯入
    れ条件を変更する緯入れ制御装置を備え、前記制御器
    は、緯糸の飛走状態が目標の状態に達するまでの制御途
    上期間においては現状の制動量を維持し、緯入れ条件の
    変更後に飛走状態が目標状態に達したとき、変更された
    緯入れ条件にしたがって前記制動部材による制動力を変
    更する、請求項3に記載の糸制動装置。
  5. 【請求項5】 さらに、前記制動部材による前記制動力
    を緯糸の状態に応じて設定する設定器を含む、請求項1
    〜3のいずれか1項に記載の糸制動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017075409A (ja) * 2015-10-12 2017-04-20 株式会社豊田自動織機 エアジェット織機における緯入れ制御装置

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