JP2002227041A - ポリエステル短繊維の製造方法 - Google Patents

ポリエステル短繊維の製造方法

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JP2002227041A
JP2002227041A JP2001025311A JP2001025311A JP2002227041A JP 2002227041 A JP2002227041 A JP 2002227041A JP 2001025311 A JP2001025311 A JP 2001025311A JP 2001025311 A JP2001025311 A JP 2001025311A JP 2002227041 A JP2002227041 A JP 2002227041A
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cut
fiber
polyester
fiber bundle
fibers
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Tamio Yamamoto
民男 山本
Mikio Tashiro
幹雄 田代
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリエステル未延伸糸条を紡糸後直ちに、安
定して、かつ正確にカットし、高品質なポリエステル短
繊維、特に、抄紙用のポリエステル短繊維を製造する方
法を提供する。 【解決手段】 紡糸口金より溶融紡出されたポリエステ
ル糸条を冷却固化した後、該繊維束の水分率を3〜50
%の範囲となして、直ちにカット長3〜30mmの範囲
にカットする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル短繊
維、特に抄紙用に適したポリエステル短繊維を効率的に
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル短繊維は衣料用途、工業用
途、抄紙用途等多くの分野で使用されている。通常、ポ
リエステル短繊維は延伸され、捲縮を施され、用途に応
じて適切な繊維長にカットされている。抄紙用バインダ
ーとして使用される場合は、捲縮は不要であり、また未
延伸状態のポリエステル繊維が好ましい。しかし、捲縮
が付与されていないポリエステル繊維束をカットする場
合、単繊維同志の絡合が弱く、カッターに供給する時に
繊維束が割れ易く、カットミス等のトラブルが頻発す
る。特に、抄紙用ポリエステル短繊維のような細い繊度
の繊維束を3〜30mmにカットするのは極めて難し
い。したがって、抄紙用バインダー繊維としてポリエス
テル未延伸糸をカットする場合、紡糸後一端糸条を集束
し缶等に収めて、再度繊維束を引き揃え、カッターが装
備されている延伸装置等に通して繊維束をカッターに供
給する方法が行われている。しかし、延伸をともなわな
い工程でこのような長大な設備を使用するのは経済的で
無く、また再度繊維束を引き揃えても、捲縮が付与され
ていないポリエステル繊維束を、正確に、安定して、カ
ットするのは極めて難しい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の現状を背景になされたものであり、その目的
は、ポリエステル未延伸糸条を紡糸後直ちに、安定し
て、かつ正確にカットし、高品質なポリエステル短繊
維、特に、抄紙用に適したポリエステル短繊維を製造す
る方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、紡糸口金より溶
融紡出されたポリエステル糸条群を冷却固化した後、該
繊維束の水分率を3〜50%の範囲となして、直ちにカ
ット長3〜30mmの範囲にカットすることによって上
記の課題を解決した。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
詳細に説明する。本発明で用いられるポリエステルは、
ポリエチレンテレフタレート系のポリエステルが最も適
しているが、ポリエチレンナフタレート系のポリエステ
ル等、他のポリエステルも使用できる。また、これらの
ポリエステルには、公知の添加剤、例えば、顔料、染
料、艶消し剤、防汚剤、蛍光増白剤、難燃剤、安定剤、
紫外線吸収剤、滑剤等を含有させてもよい。
【0006】該ポリエステルは乾燥され、溶融、吐出さ
れ、冷却固化され、糸条群となり、走行しつつ処理剤の
水分散液が付与され、直ちにカットされ短繊維となる。
使用するカッターは、通常のドラム式カッターが品質お
よび生産性の面から好ましいが、本発明においてはこの
方式のカッターに限定されるものではない。本発明者等
は、カッターに供給する該繊維束の水分率を3〜50%
の範囲に保持すれば、捲縮がほどこされていない未延伸
繊維束でも安定して、かつ正確にカットされることを見
出した。水分率が3%より低いと、カットされた短繊維
の飛散が激しくなり、歩留まりが低下する。水分率が5
0%を越えると、ドラム式カッターに巻き付けられた繊
維束から、遠心力によって飛散する水分の量が非常に多
くなり、設備の運転が不可能となる。
【0007】繊維束の水分は、冷却固化後、回転ローラ
ーあるいはスプレー装置等で繊維処理剤分散液を走行糸
条に付与し、ピックアップ量として調整する。繊維処理
剤としては、平滑性の高いものが好ましい。たとえば、
ステアリン酸メチルやオレイン酸メチル等の脂肪酸エス
テル、流動パラフィンやパラフィンワックス等の炭化水
素、ラウリルアルコールやセチルアルコール等の高級ア
ルコールおよび水溶性の変性シリコン等が好適である。
抄紙用としては、ポリアルキレングリコールーポリエス
テル共重合体との混合使用が、抄紙時の分散性が向上す
るため、より好ましい。なお、処理剤の繊維に対する付
着量は0.05〜3%が好適である。
【0008】さらに、本発明者等は、繊維長が3〜30
mmの範囲となるようにカットすれば、捲縮がほどこさ
れていない未延伸繊維束でも安定して、かつ正確にカッ
トされ、抄紙用として優れた品質のポリエステル短繊維
が得られることを見出した。カット長が3mmより短く
なると、カットされた短繊維の排出抵抗が高くなり、繊
維同士が強く絡んだり、あるいは融着が起り易くなる。
このような現象が起こると高速でのカットが難しくな
る。一方、カット長が30mmより長くなると、抄紙時
の分散が悪くなり、均一な紙面が得られなくなる。な
お、カット長5〜20mmの範囲で、さらに好ましいカ
ット効率、短繊維品質が得られる。
【0009】
【実施例】次に本発明の実施例及び比較例を詳述する
が、本発明はこれらによって限定されるものではない。
なお、繊維束の水分率、カット長は以下の方法により測
定した。
【0010】1)繊維束の水分率 カット直前の糸条を採取し、該糸条の水分率をJIS
L1015(7.1.1)に準拠して測定した。
【0011】2)カット長 JIS L1015(7.4.1 A法)の平均繊維長
の測定方法に準拠して測定した。
【0012】3)カット繊維の飛散状態 繊維束をドラム式カッターで表面速度1000m/mi
nで回転するドラムに巻き付けてカットする際、該繊維
束から遠心力によってカット繊維が飛散しドラム周辺に
堆積した状態を目視観察により、以下の基準で格付けし
た。ランクB以上を合格とした。 ランクA:飛散繊維の付着がほとんど認められない。ラ
ンクB:数箇所に飛散繊維の付着が認められる。ランク
C:ドラム周辺に多数の飛散繊維が付着、堆積してい
る。運転継続に支障がある。ランクB以上を合格とし
た。
【0013】4)水の分散状態 繊維束をドラム式カッターで表面速度1000m/mi
nで回転するドラムに巻き付けてカットする際、該繊維
束から遠心力によって水が飛散する状態を目視観察によ
り、以下の基準で格付けした。ランクB以上を合格とし
た。 ランクA:水の飛散がほとんど認められない。ランク
B:少しの水の飛散が認められる。ランクC:水の飛散
が激しく、運転継続に支障がある。
【0014】5)カット繊維の絡み状態 カット後の繊維塊を採取し、繊維同志の絡み状態を目視
観察により、以下の基準で格付けした。ランクB以上を
合格とした。 ランクA:絡みがほとんど認められない。ランクB:絡
みが少し認められる。ランクC:絡みが非常に多く、抄
紙用として使用できない。
【0015】6)カット繊維の水中分散性 1000ミリリットルのメスシリンダーに500ミリリ
ットルの水道水を入れ、その中に0.1gのカット繊維
を投入し、1回反転させ、単繊維の水中での分散状態を
目視観察により、以下の基準で格付けした。ランクB以
上を合格とした。 ランクA:均一に分散している。ランクB:小さな繊維
凝集が少し認められる。ランクC:大小の繊維凝集が多
数認められ、抄紙用として使用できない。
【0016】[実施例1〜3、比較例1〜2]35℃の
オルソクロロフェノール中で測定した固有粘度が0.6
4のポリエチレンテレフタレートを乾燥後、300℃で
溶融し、孔数が1200個の口金を通して、単糸繊度が
1.7デシテックスとなるように1000m/minの
紡糸速度で引き取り、直ちに5mmにカットした。な
お、カッターに供給される繊維束は6錘分を集束し、ポ
リエーテル−ポリエステル共重合体が50%、ラウリル
ホスフェートカリウム塩が20%、パラフィンワックス
が30%混合された水分散液を回転ローラーで付与し
た。この際、ローラーの回転数を調整し、カッターに供
給される繊維束の水分率を変更し、表1の結果を得た。
繊維束の水分率が4.2%の実施例1、25.5%の実
施例2および45.3%の実施例3では、カット繊維の
飛散が少なく、カット時の水の飛散も少なく安定して繊
維束のカットが実施できた。繊維束の水分率が2.0%
の比較例1では、カッタードラム周辺へのカット繊維の
飛散が極めて多く、カッターの継続運転ができなくなっ
た。水分率が54.5%の比較例2では、カット時の水
分飛散が極めて多く、カッターの継続運転ができなくな
った。
【0017】
【表1】
【0018】[実施例4〜7、比較例3〜4]カッター
に供給される繊維束の水分率を20.5%に固定し、カ
ット長を表2に示すように変更すること以外は実施例1
と同様の条件下で実施し、カット繊維の品質をチェック
し、表2の結果を得た。カット長が3.2mmの実施例
4、5.0mmの実施例5、10mmの実施例6および
25mmの実施例7では、絡みが少なく、水中分散性の
良いカット繊維が得られた。カット長が2.0mmの比
較例3では、カット繊維同志の絡みが多く、抄紙用とし
て使用できない品質のものとなった。カット長が35m
mの比較例4では、カット繊維の水中分散性が極めて悪
く、抄紙用として使用できない品質のものとなった。
【0019】
【表2】
【0020】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、捲縮がほど
こされていない未延伸繊維束を紡糸後直ちに、安定し
て、かつ正確にカット可能であり、紡糸工程とカット工
程を分けることなく抄紙用ポリエステル短繊維が製造で
きる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紡糸口金より溶融紡出されたポリエステ
    ル糸条を冷却固化した後、該繊維束の水分率を3〜50
    %の範囲となして、直ちにカット長を3〜30mmの範
    囲にカットすることを特徴とするポリエステル短繊維の
    製造方法。
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