JP2022154117A - 細繊度ポリエステル短繊維 - Google Patents

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Abstract

【課題】カット綿品位とカット性を維持しつつ、取り扱い性の良い極細ポリエステル短繊維を提供する。【解決手段】単糸繊度が0.2dtex以下、かつ繊維長が1~100mmの細繊度ポリエステル短繊維であり、繊維横断面が実質的に円形の円弧上に少なくとも3個の凸部を有する異形断面であり、その異型度が1.05~1.7であることを特徴とする、細繊度ポリエステル短繊維。【選択図】なし

Description

本発明は細繊度ポリエステル短繊維に関する。
機械的特性、電気的特性、耐熱性、寸法安定性等に優れ、かつコスト優位性の高いポリエステル繊維を原料の一部または全部に使用した繊維製品が、産業資材、生活資材、衣料分野等で広く活用されている。これらの繊維製品に用いられるポリエステル繊維は、繊維製品における柔軟性向上、嵩高性、軽量化等の需要が高まっている。
従来、細繊度のポリエステル繊維を製造する方法として、未延伸繊維を第1段でフロー延伸(スーパードロー、または、超延伸とも称する)し、第2段でネック延伸する技術は、例えば、特許文献1で公知である。
このようなポリエステル繊維を切断するため特許文献2にて提案されているロータリーカッターを用いる。しかし提案されているカッターでは単糸繊度が0.2dtex以下の細繊度ポリエステルのカットの際、カット端不良や、カッター刃間に原綿が詰まり工程通過性が悪い問題がある。
特許文献3では単糸繊度0.001~0.6dtexまでの繊維軸方向と直角方向の繊維横断面形状が真円に近い細繊度ポリエステル繊維のカット方法が提案されている。しかし、捲縮が存在する細繊度ポリエステル繊維において繊維同士の絡み合い、または繊維と金属間の摩擦が高いためにカット端不良、またカッター刃間にてカット綿の詰まりが発生してしまい、工程通過性が悪く、同様の問題が発生してしまった。
特許文献4で提案されている異形断面の短繊維では短繊維に捲縮を付与しにくい、また熱収縮をした際、捲縮が丸断面に比べ、元に戻りやすい、また強伸度の劣ったものになりやすいという問題点がある。またカットの際、凸部が中空孔の部分から外れてしまう、または折れてしまい、工程通過性は悪くないが、繊維軸方向と直角方向の繊維横断面形状が安定しにくい、また短繊維の品位を損なってしまう問題が発生してしまう。さらに異型度が高くなるほど製造される短繊維に捲縮が付与しにくい問題がある。
特公昭43-11832号公報 特開平10-168670号公報 特開2020-007680号公報 特開2014-210989号公報
本発明の課題は、カット綿品位とカット性を維持しつつ、取り扱い性の良い極細ポリエステル短繊維を提供することにある。
本発明は、単糸繊度が0.2dtex以下、かつ繊維長が1~100mmの細繊度ポリエステル短繊維であり、繊維横断面が実質的に円形の円弧上に少なくとも3個の凸部を有する異形断面であり、その異型度が1.05~1.7であることを特徴とする、細繊度ポ
リエステル短繊維である。
本発明によれば、カット綿品位とカット性を維持しつつ、取り扱い性の良い極細ポリエステル短繊維を提供することができる。
異形度を説明するための図である。 実施例、比較例の細繊度ポリエステル短繊維の横断面の形状の例である。 実施例、比較例で用いた紡糸口金の形状である。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
〔ポリエステル〕
本発明の細繊度ポリエステル短繊維を構成するポリエステルとしては熱可塑性ポリエステルを用いる。好ましくは熱可塑性芳香族ポリエステルを用いる。芳香族ポリエステルとして、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレートなどを例示することができる。これらのポリエステルを主たる成分とし第三成分を共重合したポリエステルであってもよく、2種以上のポリエステルまたは異なるポリマーのブレンドであってもよい。
〔固有粘度および強度〕
本発明の極細ポリエステル短繊維を構成するポリエステルの固有粘度は、0.3~0.7、好ましくは0.4~0.6である。
本発明の極細ポリエステル短繊維は、その引張強度が1~5cN/dtexであり、かつその破断伸度が5~100%である。
〔単糸繊度・繊維長〕
本発明の細繊度ポリエステル短繊維は、その単糸繊度が0.2dtex以下、好ましくは0.001~0.2dtex、さらに好ましくは0.007~0.17dtex、特に好ましくは0.01~0.11dtexである。単糸繊度が0.2dtexを超えると繊度が大きいため、細繊度ポリエステル短繊維として好ましくない。0.001dtex未満であると繊維-金属間摩擦が大きく、近年多く用いられているイーストマン式等のロータリーカッター(多数のカッター刃が外側に向いて放射状に等間隔で配されている)においては、カッター刃を構成する金属と繊維との摩擦が大きく、カッター刃間からの繊維の排出が悪くなり、また、カット綿の外観不良、絡み、繊維端不良部が発生し、好ましくない。
本発明の細繊度ポリエステル短繊維は、繊維長が1~100mm、好ましくは2~50mmである。100mm超、または、1mm未満であると前述と同様のカッターからの排出不良やカット綿の不良が生じる。
〔繊維断面形状〕
本発明の細繊度ポリエステル短繊維は、繊維横断面が実質的に円形の円弧上に少なくとも3個の凸部を有する異形断面である。この繊維横断面の異形断面は、好ましくは多葉断面または多角形断面である。この形状であることで生産性、機械的強度の高い繊維を得ることができる。この異型断面として、例えば図2(a)(b)に示すような横断面の形状を例示することができる。
本発明では、前記異形断面の異型度が1.05~1.7、好ましくは1.05~1.3である。1.05未満であると繊維-金属間、また繊維-繊維間の摩擦が強くなり、カット性不良となり、他方、1.7を超えると繊維の機械的物性や捲縮数が下がる。
この異形度は、下記の式で定義される。
異型度=L1/L2
L1:実質的に円形の円弧の平均直径
L2:繊維横断面凸部に接触する内接円の平均直径
実質的に円形の円弧の平均直径と内接円の平均直径は、繊維横断面を倍率1000倍の光学顕微鏡で撮影して測定した。測定は10点の試料について行い平均をとり平均直径とした。
〔捲縮〕
本発明の細繊度ポリエステル短繊維は、好ましくは捲縮を付与されている。この捲縮は、好ましくは15~30個/25mm、さらに好ましくは15~20個/25mmである。この範囲の捲縮が付与されていることで良好なカット品位とカット性を得ることができる。
〔静摩擦係数〕
本発明によれば、カッター刃の材料である金属に対する繊維の静摩擦係数が、好ましくは0.1~0.50である細繊度ポリエステル短繊維を得ることができる。この静摩擦係数であることによって、カッターとの摩擦が少なく、カット性の良好なカット綿を得ることができる。
〔製造方法〕
以下、本発明の細繊度ポリエステル短繊維を得る方法を説明する。
まず、固有粘度が0.3~0.7dl/g、好ましくは0.4~0.65dl/gのポリエステルポリマーを溶融し、公知の紡糸設備を用いて口金より吐出して、冷却風で空冷しながら速度100~2000m/分で引き取り、未延伸糸を得る。このとき、異型度が高くなるのを防ぐため、紡糸温度280~310℃、好ましくは290~300℃にて紡糸する。280℃以下であると異型度が高くなってしまい、310℃を超えると安定した成形ができず、生産性が低下する。
引き続いて得られた未延伸糸の延伸と熱セットの操作を70~100℃の温水中または100~125℃のスチーム中で行い、油剤を付与し、クリンパーによる背圧を利用し切断前繊維束に捲縮を付与し、単糸繊度が0.2dtex以下の延伸糸を得る。
さらに延伸糸に対して、乾燥処理および必要に応じて弛緩熱処理を行い、繊維束を得た後、これを所定の繊維長に切断する。この切断は、多数のカッター刃が外側に向いて放射状に等間隔で設けられたイーストマン式等のロータリーカッターを用いて行うことができる。
以下に本発明の構成および効果を具体的にするため、実施例等を挙げて説明する。実施例中の各値は以下の方法に従って求めた。
(1)異型度
異形度は、下記の式で定義される(図1参照)。実質的に円形の円弧の平均直径と内接円の平均直径は、繊維横断面を倍率1000倍の光学顕微鏡で撮影して測定した。測定は
10点の試料について行い、平均をとり平均直径とした。
異型度=L1/L2
L1:実質的な円形の円弧の平均直径
L2:繊維横断面凸部に接触する内接円の平均直径
(2)単糸繊度
カッターにて切断前の繊維束1,800mmを採取し、120℃の熱風乾燥機で40分間乾燥させた後、測定した絶乾質量を5,000倍し、繊維束の総繊度(単位:denier)を測定した。得られた総繊度を構成される単糸繊維本数で除して、単糸繊度(単位:denier)とし、さらに1.111倍することで、単糸繊度(単位:dtex)を算出した。
(3)引張強度、破断伸度
カッターにて切断前の繊維束から、約2,000deの繊維束を採取し、1,800mmを採取し、120℃の熱風乾燥機で40分間乾燥させた後、測定した絶乾質量を5,000倍し、繊維束の総繊度(単位:denier)を測定した。
同じ繊維束を用いて、JIS L 1013 8.5.1に準拠し、つかみ距離20cm、引張速度20cm/分で強力(g)、及び、伸度(%)を測定した。得られた強力を、上記繊維束の総繊度で除した後、0.826倍して、強度(cN/dtex)とした。
(4)繊維長
短繊維側面を顕微鏡で拡大して、その長さをN=10で測定し、その平均値を算出した。
(5)捲縮数
短繊維側面を顕微鏡で拡大して、その長さをN=10で測定し、その平均値を算出して、25mm当りの座屈の数に換算した。
(6)静摩擦係数
カッターにて切断前の繊維束を50mmの繊維長にカットし、単糸レベルに分繊したサンプルを、レーダー式摩擦係数試験器を使用し、JIS L 1015:2010 8.13の要領で単繊維と金属円筒間の摩擦係数を測定した。
(7)カット綿品位
カットサンプル10gをサンプリングし、カット不良や捩れている綿があるかないかを目視で観察して、以下の基準で評価した。
×: カット不良やねじれている綿がある
〇: カット不良やねじれている綿がない
(8)カット性
連続してカットを行い、以下の基準で評価した。
×: カット開始5分間以内に、カット綿がカッター刃間に詰まり、排出されない状態になった
○: カット開始後5分間経過後も、カット綿がカッター刃間に詰まらず安定してカットが可能であった
(9)固有粘度
ポリマーサンプル0.12gを10mLのテトラクロロエタン/フェノール混合溶媒(容量比1/1)に溶解し、35℃における固有粘度(dL/g)を測定した。
(10)融点
TAインストルメント・ジャパン社製サーマルアナリスト-2200示差走査熱量測定計DSCを用いた。測定は、試料10mgを窒素雰囲気下、昇温速度20℃/分で室温から300℃まで昇温し、JIS K7121-1987に記載の方法で測定を行った。
〔実施例1〕
固有粘度が0.64dL/g、融点256℃で、平均粒径0.3μmのアナターゼ型酸化チタン粒子を0.30質量%含有するポリエチレンテレフタレートを280℃に溶融して、凸部が4個ある図3(a)に示す公知の紡糸口金を用いて孔当り0.97g/分で吐出させ、紡糸速度500m/分で空冷しながら未延伸糸を引き取った。これを97℃の温水中で7.7倍に延伸、75℃の温水中で2.7倍に延伸した後、紡績油剤付与、捲縮付与を行った後、120℃の熱風中で無緊張熱処理をし、ロータリーカッターによりカットして細繊度ポリエステル短繊維を製造した。得られた細繊度ポリエステル短繊維の横断面形状は図2(a)のとおりであった。
〔実施例2〕
口金の凸部を4個から8個に変更し、さらに中空糸紡糸用の口金(図3(b))に変更した他は実施例1と同様に実施して細繊度ポリエステルを製造した。得られた細繊度ポリエステル短繊維の横断面は図2(b)のとおりであった。評価結果を表1に示す。
〔比較例1〕
口金の凸部を4個から0個に変更(口金孔径状は図3(c))した他は実施例1と同様に実施した。得られた細繊度ポリエステル短繊維の横断面は図2(c)のとおりであった。評価結果は表1に示す。
Figure 2022154117000001
本発明の細繊度ポリエステル短繊維は、不織布の原料として用いることができる。

Claims (5)

  1. 単糸繊度が0.2dtex以下、かつ繊維長が1~100mmの細繊度ポリエステル短繊維であり、繊維横断面が実質的に円形の円弧上に少なくとも3個の凸部を有する異形断面であり、その異型度が1.05~1.7であることを特徴とする、細繊度ポリエステル短繊維。
  2. 繊維横断面の異形断面が多葉断面または多角形断面である、請求項1に記載の細繊度ポリエステル短繊維。
  3. 固有粘度が0.3~0.7のポリエステルからなり、引張強度が1~5cN/dtexかつ破断伸度が5~100%である、請求項1または2に記載の細繊度ポリエステル短繊維。
  4. 5~50個/25mmの捲縮が付与されている、請求項1~3のいずれかに記載の細繊度ポリエステル短繊維。
  5. 金属に対する静摩擦係数が0.10~0.50である、請求項1~4のいずれかに記載の細繊度ポリエステル短繊維。
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