JP2003278028A - 牽切加工用ポリエステル繊維 - Google Patents

牽切加工用ポリエステル繊維

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JP2003278028A
JP2003278028A JP2002080780A JP2002080780A JP2003278028A JP 2003278028 A JP2003278028 A JP 2003278028A JP 2002080780 A JP2002080780 A JP 2002080780A JP 2002080780 A JP2002080780 A JP 2002080780A JP 2003278028 A JP2003278028 A JP 2003278028A
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Japan
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stretch
fiber
polyester fiber
elongation
polyester
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JP2002080780A
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Yasutake Matsui
健剛 松井
Ryokichi Kinoshita
良吉 木下
Koji Nakanaga
孝司 中永
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Nippon Ester Co Ltd
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Nippon Ester Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 牽切加工性が良好であり、かつ、高強力、高
モジュラスで寸法安定性に優れた不織布や紡績糸となる
牽切加工用ポリエステル繊維を提供する。 【解決手段】 牽切加工用に用いるポリエステル繊維に
おいて、牽切加工前のトウ状ポリエステル繊維の7%伸
長時応力が2.2cN/dtex以上、破断伸度が25
%以下であり、かつ、牽切加工後のポリエステル繊維の
3%伸長時応力が1.8cN/dtex以上となる牽切
加工用ポリエステル繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業資材用の不織
布や紡績糸等の用途に好適な高強力性と高モジュラス性
を有する牽切加工用ポリエステル繊維に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】高強力性と高モジュラス性が要求される
産業資材用の不織布や紡績糸は、長繊維を相当量集束し
たトウ状繊維をあらかじめ製造し、前記トウ状繊維を牽
切法により牽切して短繊維となし、この短繊維を用いて
製造されている。牽切加工法により得られる短繊維は、
牽切加工で繊維を引き伸ばした結果として切断に至らし
める方法で得られるものであり、当然ながら高強力、高
モジュラスな短繊維である。
【0003】牽切加工法に用いられる繊維としては、ビ
ニロン繊維やポリエステル繊維が大半である。ビニロン
繊維はコストは高いが、牽切加工性が良好で繊維は高強
力、高モジュラスであり、ポリエステル繊維は低コスト
ではあるが、牽切加工性、強力やモジュラスはビニロン
繊維に及ばないものであった。また、繊維の基本性能と
して、ビニロン繊維は耐水性能が著しく悪いことも公知
の事実である。
【0004】ポリエステル繊維の欠点である牽切加工性
を向上させる方法は従来から鋭意検討され、牽切加工前
のポリエステル繊維の伸度をより低伸度化すること、牽
切加工に供給するトウ状繊維束の形態を均一化するこ
と、すなわち、トウ状繊維束を板状となし、かつ厚さを
より均一化すること、さらには繊維に付与する油剤を工
夫すること等で生産に問題のない領域に至っている。し
かしながら、強力やモジュラスの点は改善が困難であ
り、紡績糸の番手を大きくしたり、不織布の目付を大き
くして対応しているのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した牽
切加工用ポリエステル繊維の問題点を解決し、牽切加工
性が良好であり、かつ、高強力、高モジュラスで寸法安
定性に優れた不織布や紡績糸となる牽切加工用ポリエス
テル繊維を提供することを技術的な課題とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明に到
達した。すなわち、本発明は、次の構成を要旨とするも
のである。 (1) 牽切加工用に用いるポリエステル繊維において、牽
切加工前のトウ状ポリエステル繊維の7%伸長時応力が
2.2cN/dtex以上、破断伸度が25%以下であ
り、かつ、牽切加工後のポリエステル繊維の3%伸長時
応力が1.8cN/dtex以上となることを特徴とす
る牽切加工用ポリエステル繊維。 (2) 繊維を形成するポリエステルの固有粘度が0.71
〜0.75であり、かつ酸化チタンを0.15〜0.6
0質量%含有する上記(1) 記載の牽切加工用ポリエステ
ル繊維。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の牽切加工用ポリエステル繊維としては、
ポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましく用い
られるが、性能を損なわない範囲であれば共重合成分を
含有していてもよい。
【0008】本発明のポリエステル繊維は、酸化チタン
を0.15〜0.60質量%含有することが好ましく、
酸化チタンの含有量が0.15質量%未満では牽切加工
時の牽切操業性が低下しやすく、牽切時にランダム牽切
ができ難く、著しい場合には牽切機を停台に至らしめる
ことが生じやすいので好ましくない。一方、酸化チタン
の含有量が0.60質量%を超えると繊維の強度が低下
しやすく、コスト高にもなるので好ましくない。
【0009】ポリエステル繊維の固有粘度は0.71〜
0.75であることが好ましく、固有粘度が0.71未
満では高強力、高モジュラスの繊維を得難くなる。ま
た、繊維の固有粘度が0.75を超える繊維を得るため
には、連続重合でポリマーの固有粘度を0.77以上と
する必要があるが、連続重合でポリマーの固有粘度を
0.77以上にすることは、重合時間を長くすること、
重合温度を高めること等が必要となり、重合設備の複雑
化と重合の生産性低下等の問題があり、工業的に好まし
くない。
【0010】本発明のポリエステル繊維は、牽切加工前
のトウ状ポリエステル繊維の7%伸長時応力が2.2c
N/dtex以上、好ましくは2.5cN/dtex以
上、破断伸度が25%以下、好ましくは23%以下であ
ることが必要である。7%伸長時応力が2.2cN/d
tex未満になると、牽切加工後の繊維の強力やモジュ
ラスも低くなり、産業資材用としては不適当なものとな
る。また、破断伸度が25%を超えると、伸度が高すぎ
て牽切加工性が低下する。
【0011】さらに、本発明のポリエステル繊維は、牽
切加工後のポリエステル繊維の3%伸長時応力が1.8
cN/dtex以上、好ましくは2.0N/dtex以
上となることが必要である。3%伸長時応力が1.8c
N/dtex未満になると、強力やモジュラスが低くな
り、産業資材用としては不適当なものとなる。
【0012】次に、本発明の牽切加工用ポリエステル繊
維の製法例について説明する。本発明のポリエステル繊
維は、通常の連続重合法で重合したポリマーを用いて通
常の溶融紡糸を行い、未延伸糸を得た後、この未延伸糸
を集束して延伸し、捲縮を付与してトウ状ポリエステル
繊維とするものであり、この繊維に牽切加工を施して短
繊維とするものである。したがって、ポリエステル短繊
維を製造する一般的な設備で製造することができる。
【0013】従来のポリエステル短繊維は、ポリマーの
固有粘度が0.65〜0.67であることが一般的であ
り、そのために繊維の強力やモジュラスに限界があり、
高強力、高モジュラスな繊維が得られなかった。
【0014】本発明のポリエステル繊維の紡糸方法とし
ては、通常の連続重合でポリマーの固有粘度が0.72
〜0.76となるように重合を行い、直接紡糸する方法
と、連続重合で固有粘度が0.73〜0.77となるよ
うに重合を行い、いったんチップとした後、このチップ
を溶融紡糸する方法がある。
【0015】本発明のポリエステル繊維の固有粘度は、
前述したように0.71〜0.75であることが好まし
く、ポリエステル繊維の強力は繊維を構成するポリエス
テルポリマーの固有粘度に影響されるが、製糸条件にも
影響される。
【0016】次に、本発明のポリエステル繊維を得るた
めの製糸条件について説明する。まず、紡糸においては
紡糸温度と紡糸速度が特に重要であり、紡糸温度は29
0〜300℃が好ましく、紡糸速度は500〜1000
m/分が好ましい。また、延伸以降の工程においては、
延伸倍率、熱セット温度、捲縮付与温度等が重要であ
る。延伸倍率は紡糸速度によって変化するが、要は繊維
の破断伸度を25%以下とする延伸倍率が必要である。
熱セット温度は190〜203℃、捲縮付与温度は13
0〜160℃が好ましい。
【0017】
【作用】本発明のポリエステル繊維は、7%伸長時応力
が2.2cN/dtex以上であり、破断伸度が25%
以下で、かつ、好ましくは酸化チタンを0.15〜0.
60質量%含有するので、牽切加工性に優れた繊維であ
る。また、牽切加工後の繊維は、3%伸長時応力が1.
8cN/dtex以上となるので、この繊維から牽切加
工法を経由して得られる紡績糸や不織布は高強力、高モ
ジュラスで、かつ寸法安定性に優れたなものとなる。
【0018】
【実施例】次に、本発明を実施例を用いてさらに具体的
に説明する。なお、実施例における各物性は、次の方法
で測定した。 (1) 繊維の伸長応力、破断伸度、繊度、捲縮数、捲縮率
は、JIS−E1015に準じて測定した。 (2) 固有粘度は、フェノール/四塩化エタン等量溶媒を
用い、温度20℃で測定した。 (3) 不織布強力は、オリエンチック社製RTC−121
0型引張り試験機を用い、不織布を幅5cmに切断し、試
料長10cm、引張り速度10cm/分で測定した。 (4) 牽切加工性は、次の3段階で評価した。 ○:牽切加工性が良好。 △:牽切加工時にローラ捲きが多い。 ×:牽切加工ができない。
【0019】実施例1 固有粘度0.760で酸化チタンを0.45質量%含有
したPETチップを用い、紡糸温度298℃、紡糸速度
580m/分で溶融紡糸し、固有粘度0.735のポリ
エステル未延伸糸を得た。この未延伸糸を215Kte
xとなるように集束して延伸倍率5.30で延伸し、1
98℃で熱セットした後、捲縮を付与して45Ktex
のポリエステルトウを得た。
【0020】実施例2 連続重合で固有粘度が0.735で酸化チタンを0.3
0質量%含有したPETポリマーを製造し、このポリマ
ーを紡糸温度295℃、紡糸速度600m/分で直接紡
糸して固有粘度0.724のポリエステル未延伸糸を得
た。この未延伸糸を235Ktexとなるように集束し
て延伸倍率5.33で延伸し、195℃で熱セットした
後、捲縮を付与して49Ktexのポリエステルトウを
得た。
【0021】比較例1 固有粘度が0.758で酸化チタンを含有しないPET
チップを用い、実施例1と同一条件で紡糸、延伸してポ
リエステルトウを得た。
【0022】比較例2 固有粘度が0.694で酸化チタンを0.35質量%含
有したPETチップを用い、紡糸温度292℃、紡糸速
度800m/分で紡糸して固有粘度0.676の未延伸
糸を得た。この未延伸糸を240Ktexとなるように
集束して延伸倍率4.73で延伸し、198℃で熱セッ
トした後、捲縮を付与して55Ktexのポリエステル
トウを得た。
【0023】比較例3 実施例2で得た未延伸糸をを用い、延伸倍率5.01で
延伸して175℃で熱セットし、次いで捲縮を付与して
52Ktexのポリエステルトウを得た。実施例1〜2
及び比較例1〜3で得られたトウの物性を表1に示す。
【0024】次に、上記のトウをOM製作所製OM−5
型牽切機で倍率(ドラフト)5.06倍、速度180m
/分で牽切加工を行い、牽切加工性評価と牽切後の繊維
の物性を表2に示す。さらに、実施例1〜2及び比較例
2〜3で得られた牽切スライバー繊維(短繊維)を不織
布に加工し、表2に示す物性の不織布を得た。なお、そ
れぞれの不織布は、繊維が75質量%とアクリル系バイ
ンダー25質量%からなっており、不織布3%伸長時応
力は不織布1cm幅当たりの応力に換算した数値である。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】表1、2から明らかなように、実施例1〜
2では、牽切加工性が良好な牽切加工用繊維が得られ、
この繊維を牽切加工した短繊維を用いた不織布は、高強
力、高モジュラスで寸法安定性に優れたものであった。
一方、比較例1で得られた繊維の強力は実施例1とほぼ
同等で高強力、高モジュラスな繊維であったが、牽切加
工性が悪く、牽切加工機のローラに捲糸が多発したため
満足な短繊維が得られなかった。また、比較例2〜3の
繊維から得られた不織布は、強力とモジュラスが低く、
実施例1〜2の繊維を使用した不織布と同等の不織布と
するためには約20%あるいはそれ以上の目付増加が必
要となり、コストアップと不織布の嵩が高くなることが
避けられないものであった。
【0028】
【発明の効果】本発明の牽切加工用ポリエステル繊維
は、一般的な連続重合で得られる比較的安価なポリエス
テルポリマーを、一般的なポリエステル短繊維の製糸設
備、製糸方法を用いて得られる安価なポリエステル繊維
であって、かつ、牽切加工法に適した牽切加工性の優れ
たポリエステル繊維であり、牽切加工して不織布や紡績
糸加工用に用いれば、高強力、高モジュラスで寸法安定
性に優れた不織布や紡績糸を得ることができるものであ
る。
フロントページの続き Fターム(参考) 4L035 BB32 BB91 CC02 EE08 HH03 JJ05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 牽切加工用に用いるポリエステル繊維に
    おいて、牽切加工前のトウ状ポリエステル繊維の7%伸
    長時応力が2.2cN/dtex以上、破断伸度が25
    %以下であり、かつ、牽切加工後のポリエステル繊維の
    3%伸長時応力が1.8cN/dtex以上となること
    を特徴とする牽切加工用ポリエステル繊維。
  2. 【請求項2】 繊維を形成するポリエステルの固有粘度
    が0.71〜0.75であり、かつ酸化チタンを0.1
    5〜0.60質量%含有する請求項1記載の牽切加工用
    ポリエステル繊維。
JP2002080780A 2002-03-22 2002-03-22 牽切加工用ポリエステル繊維 Pending JP2003278028A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009167570A (ja) * 2008-01-18 2009-07-30 Asahi Kasei Fibers Corp ウレタン発泡成形用補強基布

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