JP2002226842A - 無機蛍光体分散物の製造方法及び無機蛍光体分散物 - Google Patents

無機蛍光体分散物の製造方法及び無機蛍光体分散物

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JP2002226842A
JP2002226842A JP2001030809A JP2001030809A JP2002226842A JP 2002226842 A JP2002226842 A JP 2002226842A JP 2001030809 A JP2001030809 A JP 2001030809A JP 2001030809 A JP2001030809 A JP 2001030809A JP 2002226842 A JP2002226842 A JP 2002226842A
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dispersion
fluorescent substance
inorganic phosphor
inorganic fluorescent
phosphor
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Application number
JP2001030809A
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English (en)
Inventor
Yusuke Kawahara
雄介 川原
Hisahiro Okada
尚大 岡田
Noriko Ohara
徳子 大原
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 無機蛍光体の良好な分散を可能とし、分散時
の輝度低下を抑制できる無機蛍光体分散物の製造方法及
び無機蛍光体分散物を提供する。 【解決手段】 (1)液相法で合成した無機蛍光体を分
散処理する、(2)無機蛍光体に予備分散処理を施し、
その後、本分散処理を施す、または(3)上記二つの構
成を併用するという、三つの手段により無機蛍光体分散
物を製造する。無機蛍光体は、固相法、液相法等種々の
製造法で製造されたものを適用できるが、ゾルゲル法、
共沈法、、反応晶析法等の液相法によって製造されたも
のが好ましく、時にゾルゲル法によって製造された無機
蛍光体が好ましい。また分散処理では媒体(メディア)
を用い、連続的に分散処理が可能な連続式湿式メディア
型分散機を使用することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無機蛍光体分散物の
製造方法及びそれを用いて製造された無機蛍光体分散物
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、無機蛍光体を使用する製品の種類
は益々多くなり、その多くはその製造過程で無機蛍光体
を水や有機溶媒またはそれらの混合物に懸濁させた無機
蛍光体スラリーや無機蛍光体分散物の形態を経由するも
のが多い。カラーブラウン管、プラズマディスプレイパ
ネル等のディスプレイ装置や蛍光灯等における蛍光膜作
製時の塗布液等がその例であり、更に最近では様々な目
的でインクジェット記録用インク等の色材にも無機蛍光
体を含有する技術が提案されている。
【0003】蛍光体またはそれを含むスラリーや分散物
の製造過程において、焼成を施し蛍光体粒子を形成した
後、必要に応じて湿式分散処理を行い、分散時の蛍光体
諸特性を維持しながら蛍光体の表面に無機質、有機質ま
たは両者の組み合わせからなる物質を表面に付着させる
等の処理を施すことによって、表面改質を行うことが多
い。
【0004】この湿式分散処理時の蛍光体の輝度特性や
液体中での分散性は、その後必要に応じて施される表面
改質処理の諸特性または蛍光体を含むスラリーの諸特
性、更にはそれを使用して製造された最終製品の諸性能
に大きな影響を与えるので特に重要である。
【0005】一般的に蛍光体の分散性を向上させる方法
としては、焼成後の蛍光体に必要に応じて水篩・水洗等
の処理を施した後、液体媒体中に蛍光体と、アルミナボ
ール、ガラスビーズ等の固体粒子の分散媒体(本発明で
は、これらを総称して「メデイア」ということもある)
とを混合するか、蛍光体を液体媒体中に分散させただけ
の蛍光体スラリーを調製し、これを容器駆動媒体ミル、
媒体攪拌ミル等の連続式メディアミルを用いて機械的に
湿式分散処理することはよく知られている。
【0006】従来から、メディアミルの機械的分散によ
る分散性を向上させるためには、メディアの直径を小さ
くし、メディアの硬度を硬くし、メディアの比重を大き
くし、また、遠心加速したり、周速(回転数)を早めた
り、かつ、分散時間を長くしてミルのベッセル中の滞留
時間を長くしたり、メディアの充填量を多くするなどし
て分散性を向上させる試みがなされてきた。このよう
に、メディアの種類や直径及び充填量等によっても分散
状態が大きく変わるため、処理液スラリーの内容と、目
的とする分散状態により、メディアの種類や直径及び充
填量を種々選択することになる。
【0007】ところで、蛍光体を液体媒体中に分散させ
るために、前記のメディアミルによる機械的分散を適用
すると、蛍光体の分散性は向上するものの、蛍光体表面
結晶の摩砕に起因すると思われる発光輝度の低下という
問題が発生した。
【0008】上記記載の問題を解決する技術として、特
開平11−61111号公報には、液相中、真比重が1
〜2.2という比較的比重の小さいメディアを全メディ
アの50質量%以上使用することによって、分散性を向
上させ、発光輝度の低下を抑制する技術が開示されてい
る。
【0009】しかしながら、前記公報に開示されている
技術では、分散性の向上と輝度低下の抑制を両立するに
は未だ満足できるものではなく、更に改良された分散処
理方法を確立が要望されていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
欠点を解消し、無機蛍光体の良好な分散を可能とし、か
つ、その際の輝度低下を十分に抑制することができる無
機蛍光体分散物の製造方法及びそれを用いて製造された
無機蛍光体分散物を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は下記
の項目1〜6により達成された。
【0012】1.液相法で合成した無機蛍光体を分散処
理することを特徴とする無機蛍光体分散物の製造方法。
【0013】2.分散処理に、媒体を使用する湿式連続
分散機を用いることを特徴とする前記1に記載の無機蛍
光体分散物の製造方法。
【0014】3.無機蛍光体に予備分散処理を施し、そ
の後、本分散処理を施す工程を有することを特徴とする
無機蛍光体分散物の製造方法。
【0015】4.無機蛍光体が液相法で合成した無機蛍
光体であることを特徴とする前記3に記載の無機蛍光体
分散物の製造方法。
【0016】5.本分散処理が媒体を使用する湿式連続
分散機で施されることを特徴とする前記3または4に記
載の無機蛍光体分散物の製造方法。
【0017】6.前記1〜5のいずれか1項に記載の製
造方法により製造されたことを特徴とする無機蛍光体分
散物。
【0018】以下、本発明を詳細に説明する。本発明者
らは鋭意検討の結果、(1)液相法により合成した小粒
径かつ分布の良好な蛍光体を分散する、(2)予備分散
を施す、または(3)上記2つの構成を併用するとい
う、3つの手段を選択することによって、無機蛍光体の
分散性向上と輝度低下抑制の両立を達成することができ
た。この理由としては、上記3つの内いずれかの構成を
施すことによって、本分散工程を比較的小さなエネルギ
ーで施すことが可能で、機械的分散による蛍光体表面結
晶の摩砕を抑制しながらより微細な蛍光体固体分散物を
調製できたことによるものと推定している。
【0019】本発明の無機蛍光体分散物の製造方法は、
必須の工程として分散処理工程を有する。分散処理工程
で使用する分散機としては、従来から公知の様々な分散
機を使用することができる。具体的には、高速攪拌型の
インペラー型の分散機、コロイドミル、ローラーミル、
またボールミル、振動ボールミル、アトライタミル、遊
星ボールミル、サンドミルなど媒体メディアを装置内で
運動させてその衝突(crush)及び剪断力の両方に
より微粒化するもの、またはカッターミル、ハンマーミ
ル、ジェットミル等の乾式型分散機、超音波分散機、高
圧ホモジナイザ等が挙げられる。
【0020】これらの中でも、本発明では特に媒体(メ
ディア)を使用する湿式メディア型分散機を使用するこ
とが好ましく、連続的に分散処理が可能な連続式湿式メ
ディア型分散機を使用することが更に好ましい。ここで
言う「連続的に分散処理が可能」とは、少なくとも無機
蛍光体及び分散媒体を時間当たり一定の量比で途切れる
ことなく分散機に供給しながら分散処理すると同時に、
前記分散機内で製造された分散物を供給に押し出される
形で途切れることなく分散機より吐出する形態を指す。
【0021】本発明の無機蛍光体分散物の製造方法で、
分散処理工程として媒体(メディア)を使用する湿式メ
ディア型分散機を用いる場合、その分散室容器(ベッセ
ル)は縦型でも横型でも適宜選択することが可能であ
る。更には複数の連続式湿式メディア型分散機を直列に
接続する態様等も適用できる。
【0022】湿式メディア型分散機を用いる際の周速と
しては、3〜20m/sであることが好ましく、5〜1
0m/sであることが更に好ましい。また、この時の分
散液の温度は特に制限は無いが、20〜50℃の範囲に
することが好ましい。使用するメディアの粒径としては
0.2mm以上2mm以下であることが好ましく、0.
3mm以上1mm以下であることが更に好ましい。
【0023】また、使用するメディアの比重や硬度は、
大きいほど衝撃力が大きく剪断力も大きいと推測され、
分散効率及び分散速度の向上が期待されるので、蛍光体
表面結晶の摩砕を著しく起こさない程度に両者とも高い
方が好ましい。具体的には、比重は2.5〜10である
ことが好ましく、3.5〜6であることが更に好まし
い。また、使用するメディアの材質としては、ガラス、
ジルコニア、アルミナ、シリカ、チタニア等、種々の材
質のメディアを使用することができるが、比重や硬度の
観点からジルコニアビーズが特に好ましい。
【0024】また、本発明では、分散機のメディアと接
触する部材が、実質的にジルコニア又はアルミナを主成
分とするセラミック、ポリウレタン、テフロン(登録商
標)、ポリエチレンから選ばれる素材からなることが特
徴であり、より好ましくは、ジルコニア強化アルミナで
ある。本発明に用いられる分散機の撹拌部(ディスク、
ピンなど)は、ジルコニア、ポリウレタン、テフロン、
ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン又はABSの
樹脂から選ばれる素材よりなることが好ましい。
【0025】湿式メディア型分散機のベッセル中のメデ
ィアの充填量としては、50〜90容積%の範囲とする
のが好ましく、60〜80容積%の範囲とするのが更に
好ましい。メディアの充填量が50容積%を下回ると無
機蛍光体の分散が不十分となり、また、90容積%を上
回るとベッセル内でのメディアの分布が不均一になって
局部的に分散が進行するため好ましくない。
【0026】本発明の無機蛍光体分散物の製造方法は、
分散処理工程として最初に少なくとも1工程以上の予備
分散処理を施し、その後本分散処理を施す工程を有する
ことが好ましい。即ち、予備分散としてまず分散力の弱
い分散機を用いて粗分散を行い、続いて本分散としてよ
り分散力の強い分散機を用いて固体微粒子分散物を作製
する方法である。
【0027】上記予備分散の態様としては、焼成を施し
た無機蛍光体の乾燥粉体と分散媒体とを連続的に混合し
分散するタイプ、または分散媒体に懸濁させた無機蛍光
体を回分式で分散するタイプ等、様々なタイプの分散手
段を適宜選択し用いることが可能である。即ちその手段
として具体的には、高速ミキサ、ホモジナイザ、高速衝
撃ミル、バンバリーミキサ、ホモミキサ、ニーダー、ピ
ンミキサ、ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミ
ル、アトライタ、サンドミル、ビーズミル、コロイドミ
ル、ジェットミル、ローラーミル、トロンミル、高速ス
トーンミル等を挙げることができる。また、いわゆるダ
イナミックミキサ方式またはスタチックミキサ方式のい
ずれも好ましく用いることができる。更に機械的に分散
する以外にも、pHコントロールすることで溶媒中に粗
分散し、その後、分散助剤の存在下でpHを変化させて
微粒子化させても良い。このとき、粗分散に用いる溶媒
として有機溶媒を使用しても良く、その場合には通常有
機溶媒は微粒子化終了後除去される。
【0028】上記予備分散工程は、例えば上記に挙げた
方法を用いた1工程でも良く、または上記に挙げた方法
から選ばれる2種類以上の工程を組み合わせて用いても
良い。ここで1工程とは、例えば上記に挙げた手段を用
い、同一条件下で予備分散工程を行うことを指し、2工
程以上とは、例えば上記に挙げた手段から選択される2
種類以上の手段を用いる、または同一手段であっても処
理条件を2種類以上変更して予備分散処理を行うことを
指す。
【0029】予備分散終了時点での無機蛍光体の粒径
は、余りに大きいと本分散工程での多大なエネルギーが
必要となり蛍光体表面結晶を破壊することに起因する輝
度の低下を起こすことになり、また、粒径を必要以上に
小さくしようとすると実質的に予備分散工程にて分散処
理を行うこととなり、充分微粒化しない粒子を含んだ分
散安定性に劣る分散液になってしまう。そこで、予備分
散終了時点での平均粒径としては、1μm以上30μm
以下であることが好ましく、1μm以上10μm以下で
あることが更に好ましい。
【0030】本発明の無機蛍光体分散物の製造方法とし
て、分散処理工程が予備分散工程・本分散工程を有する
場合、本分散工程に用いる分散手段としては主に高圧ホ
モジナイザ、湿式メディア型分散機、連続式高速撹拌型
分散機、超音波分散機等が挙げられ、具体的にはマント
ンゴーリンホモジナイザ、ソノレータ(同栄商事)、マ
イクロフルイタイザ(みずほ工業)、ナノマイザ(月島
機械)、アルティマイザ(伊藤忠産機)、パールミル、
アジテーターミル(アシザワ)、グレンミル、トルネー
ド(浅田鉄鋼)、ビスコミル(アイメックス)、マイテ
ィーミル、RSミル、SGミル(井上製作所)、荏原マ
イルダー(荏原製作所)、ファインフローミル、キャビ
トロン(大平洋機工)等が挙げられる。上記分散手段の
中でも、媒体(メディア)を使用する湿式メディア型分
散機を使用することが好ましく、連続的に分散処理が可
能な湿式メディア型分散機を使用することが更に好まし
い。本分散工程で湿式メディア型分散機を使用する際の
態様は、上述した通りである。
【0031】以下に、本発明に係る分散方法の一例を示
す。本発明の無機顔料の固体微粒子分散物の製造方法
は、例えば、図1で示す構造を有する分散機を用いて好
適に実施することができる。図1は、本発明の無機蛍光
体分散物の製造方法に用いられる分散機の一例を示す概
略図であり、1は粉砕機本体、2は冷却水ジャケット、
3は回転主軸4に取り付けた分散用撹拌子である。撹拌
子は、ディスク、ピン付きディスク、偏心ディスク、ピ
ンなどであってよい。7はスラリー(無機顔料スラリ
ー)の取り入れ口であり、スラリーはメディアを充填し
た粉砕室9に導入されて、分散用撹拌子3とメディアに
より微細に粉砕される。8は微粉砕スラリーの取り出し
口であり、スクリーン5は8を覆っており分散容器内に
突出している。6は主軸4に取り付けられた最も出口側
のディスクに取り付けられた棒状の撹拌部材(オーバー
キャップ)であり、メディア分離室10の中に位置し、
スクリーン5の出口側側面付近まで伸びており、スクリ
ーン5の全面を覆っている。6の撹拌部材は回転により
メディア分離室に入ったメディアに遠心力を与え、メデ
ィアを粉砕室に戻す機能があり、分散中はメディア分離
室には実質的にメディアが存在しない。したがって、ス
クリーンの目つまりを防止できる。撹拌部材は、上記機
能を有していればどのような形でもよく、例えば、羽根
型、籠型でもよい。このような分散機の具体的な例とし
ては、アシザワ株式会社製アジテータミルLMKを挙げ
ることができる。
【0032】図2は、本発明の無機蛍光体分散物の製造
方法に用いられる分散機の一例を示す概略図であり、1
1は冷却水ジャケット、12は粉砕機本体、14は回転
主軸15に取り付けたピンである。撹拌子はディスク、
ピン付きディスク、偏心ディスク、ピンなどであってよ
い。13はスラリーの取り入れ口であり、スラリーはメ
ディアを充填した粉砕室18に導入されて、分散用撹拌
子14とメディアにより微細に粉砕される。16はセン
トリーセパレーターと呼ばれるメディア分離室であり、
この例では主軸に固定されたディスク2枚とこれらに挟
まれたブレード20からなっている。この回転によりメ
ディア分離室がインペラーとして働き、入ってきたメデ
ィアに遠心力を与え、メディアを粉砕室に戻す機能があ
り、分散中はメディア分離室には実質的にメディアが存
在しない。微粒子化スラリーは、円盤の間の取り込み口
からはいり、セントリーセパレータを通って主軸の中心
のスラリーの導路17を通って取り出される。メディア
分離室の構造は、入ってきたメディアがインペラーによ
り排出されるような機構であればどのようなものでもよ
い。たとえば上下2枚のディスクは回転せず、中のイン
ペラーが別途あって、これが回転してもよい。このよう
な分散機の例としては、コトブキ技研工業株式会社製S
AMを挙げることができる。
【0033】図3は、本発明の無機蛍光体分散物の製造
方法に適用される分散システムの一例を示す概略図であ
る。
【0034】図3において、タンク21に投入された蛍
光体と溶媒の混合物は切替弁A1を通り、ポンプ23に
より湿式メディア型分散機22に送られ、メディア分散
される。必要に応じて、切替弁A1と切替弁A2の設定
により、分散物は図3に示された矢印の方向に送られ、
繰り返し湿式メディア型分散機22により分散され、調
製された分散物は切替弁A2により、タンク24に送ら
れる。
【0035】本発明の無機蛍光体分散物の製造方法にお
いて湿式で分散処理を施す際は、その分散媒としては
水、または種々有機溶媒、またはそれらの混合物を適宜
使用することができ、無機蛍光体をこれら分散媒中に懸
濁させてスラリーを調製し、湿式分散処理を施す。この
時の分散質としての無機蛍光体の濃度は、無機蛍光体固
体分散物のその後の用途により任意に調製可能である
が、5〜30質量%の範囲であることが好ましく、10
〜25質量%の範囲であることが更に好ましい。
【0036】本発明の無機蛍光体分散物の製造方法にお
いて、その分散処理に際しては必要に応じてアニオン性
界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活
性剤等の種々界面活性剤や、高分子分散剤等を適宜使用
することが可能である。
【0037】次に、本発明の無機蛍光体分散物の製造方
法に適用される無機蛍光体について説明する。
【0038】本発明で適用される無機蛍光体は、従来か
ら公知の固相法、液相法等、種々の製法で製造された無
機蛍光体を適用することができるが、分散処理工程に至
る前に予め平均粒径が小さく、更には粒径分布の狭い無
機蛍光体粒子を適用することが有利であることから、ゾ
ルゲル法、共沈法、反応晶析法等の液相法によって製造
された無機蛍光体を適用することが好まく、ゾルゲル法
によって製造された無機蛍光体を適用することが特に好
ましい。
【0039】ゾルゲル法とは、母核または賦活剤または
共賦活剤に用いる元素(金属)を含む金属アルコキシ
ド、アルコキシ基の一部または全てを置換したもの、金
属錯体、またはそれらの有機溶媒溶液に金属単体を加え
て作るダブルアルコキシド、金属ハロゲン化物、種々金
属塩等の反応原料を有機溶媒に溶かし混合溶液にした
後、熱的または化学的に加水分解及び重縮合反応させる
ことにより水酸化物または酸化物のゾルを生成させる方
法である。得られる無機蛍光体の平均粒径、粒径分布の
変動係数は、原料、混合条件、反応温度等の諸条件によ
り決定される。
【0040】母核または賦活剤または共賦活剤に用いる
元素(金属)としては種々の元素(金属)を適宜使用す
ることが可能で、例えば賦活剤または共賦活剤に用いる
元素(金属)として賦活の際の価数と異なる価数の化合
物を原料として使用することも可能である。
【0041】金属アルコキシド等の反応原料を溶解する
有機溶媒としては、エタノールやプロパノールなど全て
のアルコール類、更に必要に応じて他の極性溶媒を含む
混合溶媒を使用することが可能であるが、環境の観点か
らエタノールを使用することが好ましい。
【0042】複数の反応原料を用いる場合、原料の添加
順序は同時でも異なっても良く、活性によって適切な順
序を組み立てることが可能で、場合によってはダブルア
ルコキシドを形成しても良い。
【0043】反応温度、pH、添加速度、攪拌速度等は
必要に応じて適宜制御することが可能である。また、反
応中または反応後に超音波を照射したり、機械的エネル
ギーを与えたり、粒径制御のために界面活性剤やポリマ
ー等を添加しても構わない。
【0044】加水分解時には触媒(反応開始剤)として
塩基や酸を用いることが好ましく、加水分解速度の観点
から塩基を用いる方が好ましい。塩基の種類としては反
応が開始すればNaOH、アンモニア等一般的なものを
用いることができるが、除去のしやすさの観点からアン
モニアを用いることが好ましい。反応開始剤の混合方法
は、先に母液に添加されていても良く、原料と同時に添
加しても、原料に加えても良いが、均一性を高めるため
には先に母液に添加されている方法が好ましい。
【0045】上記加水分解及び重縮合反応が終了しゾル
を生成した後、必要に応じて熟成を施したり濃縮を行っ
ても良い。更にゾルをろ過、蒸発乾固、遠心分離等の方
法で回収した後に好ましくは洗浄を行い、更にその後に
必ずしも必須ではないが乾燥及び焼成を行う。乾燥温度
は特に制限は無いが、乾燥温度は使用した溶媒が気化す
る温度付近以上の温度であることが好ましく、具体的に
は50〜300℃の範囲であることが好ましい。焼成温
度についても特に制限は無いが、一般に600〜150
0℃の範囲を好ましく使用できる。乾燥温度が高い場合
は乾燥と同時に焼成が施されることがある。焼成は還元
雰囲気下、酸化雰囲気下、または硫化物存在下のどの条
件下でも良く、適宜選択することができる。更に、必要
に応じて焼成の後に還元処理または酸化処理等を施して
も良い。また、無機蛍光体の組成や反応条件等によって
は焼成を行う必要が無い場合があり、その場合は焼成工
程を省いても構わない。
【0046】本発明で適用される無機蛍光体は、種々の
目的で吸着・被覆等の表面処理を施すことが好ましい。
どの時点で表面処理を施すかはその目的によって異な
り、適宜適切に選択するとその効果がより顕著になる。
例えば、分散処理工程前のいずれかの時点でSi、T
i、Al、Zr、Zn、In、Snから選択される少な
くとも1種の元素を含む酸化物で蛍光体の表面を被覆す
ると、分散処理時における蛍光体の結晶性の低下を抑制
でき、更に蛍光体の表面欠陥に励起エネルギーが捕獲さ
れることを防ぐことにより、発光輝度及び発光強度の低
下を抑制できる。また、分散処理工程後のいずれかの時
点で有機高分子化合物等で蛍光体の表面を被覆すると、
耐候性等の特性が向上し、耐久性に優れた無機蛍光体を
得ることができる。これら表面処理を施す際の被覆層の
厚さや被覆率等は、適宜任意に制御することができる。
【0047】本発明で適用される無機蛍光体は、その組
成に特に制限は無く公知の種々の組成を適用することが
できるが、Y23、Zn2SiO4等に代表される金属酸
化物、Ca5(PO43Cl等に代表されるリン酸塩、
ZnS、SrS、CaS等に代表される硫化物等を結晶
母核とし、これら母核にCe、Pr、Nd、Pm、S
m、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb
等の希土類金属イオンやAg、Al、Mn、Sb等の金
属イオンを賦活剤または共賦活剤として組み合わせたも
のが好ましい。
【0048】結晶母体の好ましい例としては、例えば、
YO3、Y23、Y22S、Y2SiO3、YAlO3、Y
3Al512、(Y,Gd)3Al512、SnO2、Zn2
SiO4、Sr4Al1425、CeMgAl1119、Ba
Al1219、BaAl2Si28、BaMgAl
1017、BaMgAl1423、Ba2Mg2Al1
222、Ba 2Mg4Al818、Ba3Mg5Al1835
(Ba,Sr,Mg)O・aAl2 3、(Ba,Sr)
(Mg,Mn)Al1017、(Ba,Sr,Ca)(M
g,Zn,Mn)Al1017、(Y,Gd)BO3、G
dMgB510、Sr227、(La,Ce)PO4
Ca5(PO43Cl、Ca10(PO46(F,C
l) 2、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO46
2、ZnS、(Zn,Cd)S、CaS、SrS、S
rGa24、等を挙げることができる。
【0049】以上の結晶母核及び賦活剤または共賦活剤
は、元素組成には特に制限はなく、同族の元素と一部置
き換えることもでき、得られた無機蛍光体は紫外線を吸
収して可視光を発するものが好ましい。
【0050】以下に、本発明に好ましく適用される無機
蛍光体を示すが、本発明はこれらの化合物に限定されな
い。
【0051】[青色発光無機蛍光化合物] (BL1) Sr4Al1425:Eu2+ (BL2) BaAl2Si28:Eu2+ (BL3) BaMgAl1017:Eu2+ (BL4) BaMgAl1017:Eu2+、Tb3+、S
2+ (BL5) BaMgAl1423:Eu2+ (BL6) Ba2Mg2Al1222:Eu2+ (BL7) Ba2Mg4Al818:Eu2+ (BL8) Ba3Mg5Al1835:Eu2+ (BL9) (Ba,Sr)(Mg,Mn)Al
1017:Eu2+ (BL10)(Ba,Sr,Ca)(Mg,Zn,M
n)Al1017:Eu2+ (BL11)Sr227:Sn4+ (BL12)(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO46
Cl2:Eu2+ (BL13)SrGa24:Ce3+ (BL14)CaGa24:Ce3+ [緑色発光無機蛍光化合物] (GF1) Y3Al512:Tb3+ (GF2) Sr4Al1425:Eu2+ (GF3) (Ba,Mg)Al1627:Eu2+,Mn
2+ (GF4) Ba2SiO4:Eu2+ (GF5) (Ba,Mg)2SiO4:Eu2+ (GF6) Ca28(SiO462:Tb3+ (GF7) Y2SiO5:Ce3+,Tb3+ (GF8) La3Ga5SiO14:Tb3+ (GF9) (Sr,Ba)Al2Si28:Eu2+ (GF10)(Ba,Ca,Mg)5(PO43Cl:
Eu2+ (GF11)SrGa24:Eu2+,Tb3+,Sm2+ (GF12)Sr2Si38−2SrCl2:Eu2+ (GF13)Zr2SiO4−MgAl1119:Ce3+
Tb3+ (GF14)Sr227−Sr225:Eu2+ [赤色発光無機蛍光化合物] (RL−1) Y22S:Eu3+ (RL−2) YAlO3:Eu3+ (RL−3) YVO4:Eu3+ (RL−4) (Y,Gd)3Al512:Ce3+ (RL−5) (Ba,Mg)Al1627:Eu3+ (RL−6) (Ba,Mg)2SiO4:Eu3+ (RL−7) Ca28(SiO462:Eu3+ (RL−8) LiY9(SiO462:Eu3+ (RL−9) (Ba,Ca,Mg)5(PO43
l:Eu3+ (RL−10)CaS:Eu3+ 本発明で適用される無機蛍光体は、その粒径に特に制限
は無いが、予め平均粒径は小さい方が後に分散処理を施
すに当たって有利である。具体的には、平均粒径は1.
0μm以下であることが好ましく、0.8μm以下であ
ることが更に好ましい。ここで無機蛍光体の粒径は、球
換算粒径を意味する。球換算粒径とは、粒子の体積と同
体積の球を想定し、該球の粒径をもって表わした粒径で
ある。
【0052】また、粒径分布も上記と同様の理由から予
め狭い方が有利であり、具体的には、粒径分布の変動係
数が100%以下であることが好ましく、70%以下で
あることが更に好ましい。ここで粒径分布の変動係数
(粒子分布の広さ)とは、下式によって定義される値で
ある。
【0053】粒径分布の広さ(変動係数)[%]=(粒
子サイズ分布の標準偏差/粒子サイズの平均値)×10
0 本発明の無機蛍光体スラリーは、上記本発明の無機蛍光
体分散物の製造方法によって製造された無機蛍光体の固
体微粒子分散物を指し、それは後述する様々な用途に適
用することができる。
【0054】本発明の無機蛍光体スラリーの分散媒体と
しては、水、または種々有機溶媒、またはそれらの混合
物等いずれを使用しても良く、無機蛍光体スラリーのそ
の後の用途に応じて適宜選択することができる。本発明
の無機蛍光体スラリーには、必要に応じて種々界面活性
剤、分散安定性を向上させるための高分子分散剤やバイ
ンダー等を適宜添加することができる。
【0055】本発明の無機蛍光体スラリーの粒径や粒径
分布には特に制限は無く、その後の用途に応じて適切に
制御することが可能であるが、多くの用途の場合粒径は
小さく粒径分布は狭い方が有利な場合が多い。具体的に
は、平均粒径は0.8μm以下であることが好ましく、
0.5μm以下であることが更に好ましい。また、粒径
分布の変動係数は70%以下であることが好ましく、5
0%以下であることが更に好ましい。ここで粒径の定義
や変動係数の算出方法は、上述に準ずる。
【0056】本発明の無機蛍光体分散物の製造方法によ
って得られた無機蛍光体スラリーは、様々な用途に適用
することができる。その適用方法は、例えば、他の溶液
や固体分散物等の液状の材料と混合させて液状の蛍光性
材料としたり、無機蛍光体分散物またはそれを含む混合
物を基材に塗布したりするなど、多様な方法で適用でき
る。
【0057】本発明の無機蛍光体分散物の用途は特に制
限はなく、例えば、プラズマディスプレイ、フィールド
エミッションディスプレイ、エレクトロルミネッセンス
装置、能動発光型液晶装置、陰極線管(CRT)等の種
々の画像表示装置の無機蛍光層、インクジェットプリン
ター用インク、レーザプリンター用インク、その他オフ
セット印刷や転写リボン等の印刷様式に適した各種イン
ク、電子写真用トナー、または各種塗料や筆記具等に用
いる色材、更には電子記録媒体用色材、ハロゲン化銀写
真材料、増感紙等、様々な用途を挙げることができる。
【0058】特に上記各種インク、各種色材に適用する
場合は、主に色補正等を目的として本発明の無機蛍光体
分散物を染料や顔料等の着色剤を含む溶液や固体分散物
に混合したり、着色剤を含有せずに無機蛍光体を主成分
とする蛍光性材料として適用することも可能である。
【0059】また、本発明の無機蛍光体分散物の製造方
法においては、前記媒体を使用する湿式連続分散機に印
加する単位質量当たりの積算動力を〜kWh/kgにす
ることが好ましい。
【0060】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが本発明はこれらに限定されない。
【0061】実施例1 《蛍光体1(固相法)の合成方法》蛍光体の化学組成が
Ba2SiO4:Eu2+ 0.1となるように炭酸バリウム、
テトラエチルオルソシリケート及び炭酸ユーロピウムの
粉末を混合し、窒素98%−水素2%の雰囲気下で11
50℃の温度に保持した電気炉で2時間焼成を行い蛍光
体1(固相法)を得た。
【0062】組成式:Ba2SiO4:Eu2+ 0.1で表さ
れる無機蛍光体を製造するにあたり、以下の方法で製造
した。
【0063】(1)秤量 各原料をできるだけ正確に秤量する BaCO3 :15.783g(4.0mol) SiO2 : 2.403g(2.0mol) Eu23 : 1.408g(0.1mol) (2)混合 各原料をプラスチック製のボールミル容器に入れ、径3
mmのTiO2ボール及びエタノール約50mlを加え
て蓋をし、1晩、回転台で回転させる。
【0064】(3)溶媒の除去 Advantec 5Cのろ紙を用い、減圧ろ過により
溶媒を除去する。
【0065】(4)自然乾燥した混合原料をるつぼに入
れ、2%のH2−N2雰囲気下1150℃で焼成した。
【0066】得られた蛍光体1(固相法)を蛍光光度計
(日本分光社製)を用いて、励起波長、発光波長を測定
したところ、極大励起波長385nm、極大発光波長5
02nmであった。
【0067】《蛍光体2(液相法)の合成方法》蛍光体
2(液相法)は以下に示される、Sol−Gel法合成
フローにて一次粒子を作製した。
【0068】テトラエトキシシランとユーロピウム(3
価)アセチルアセトナート錯体をエタノールに溶解し、
これをアンモニアを加えた水−エタノール中に約1ml
/minの速度で攪拌しながら滴下し、ゾルを調製し
た。得られたゾルをエバポレーターで約15倍に濃縮
し、これに0.3mol/lのバリウム硝酸塩水溶液を
295ml添加し、ゲル化させた。
【0069】得られた湿潤ゲルは、密閉容器中、60℃
で1晩熟成させた。その後撹拌を行っているエタノール
(約300ml)中に1ml/minで添加、ろ紙(A
dvantec5A)を用いた濾過により分取し、室温
で乾燥した。
【0070】乾燥ゲルは、2%のH2−N2雰囲気中、1
150℃で2時間の熱処理を施し蛍光体2(液相法)を
得た。
【0071】得られた蛍光体2(液相法)を蛍光光度計
(日本分光社製)を用いて、励起波長、発光波長を測定
したところ、極大励起波長385nm、極大発光波長5
03nmであった。
【0072】以下、各試料の作製方法を示す。ちなみに
各分散方法とも事前に実験を行い最適な分散時間、分散
条件を検討した上で試料の作製を行っている。
【0073】《試料1の作製方法と測定結果》蛍光体1
(固相法)20g、溶媒1(純水75%、ジエチレング
リコール15%、トリエチレングリコール−モノ−n−
ブチルエーテル15%)80gをスターラーで攪拌した
ものを試料1とする。
【0074】試料1の平均粒径(体積粒径)をマルバー
ンを用い測定したところ1820nm、分布は320%
であった。また、発光強度を蛍光光度計で測定したとこ
ろ相対発光強度100%(相対強度で試料1を100%
とする)であった。
【0075】《試料2の作製方法と測定結果》蛍光体2
(液相法)20g、溶媒1(純水75%、ジエチレング
リコール15%、トリエチレングリコール−モノ−n−
ブチルエーテル15%)80gをスターラーで攪拌した
ものを試料2とする。
【0076】試料2の平均粒径(体積粒径)をマルバー
ンを用い測定したところ1350nm、分布は76%で
あった。また発光強度を蛍光光度計で測定したところ相
対発光強度178%(相対強度で試料1を100%とす
る)であった。
【0077】《試料3の作製方法と測定結果》蛍光体1
(固相法)20gを、ボールミル(乾式、直径60m
m、ボール3mm、ボール材質ジルコニア、ボール充填
率20%)を用い、10時間分散した。その後分散した
蛍光体を、溶媒1 80gと混合し分散液とし試料3と
した。
【0078】試料3の平均粒径(体積粒径)をマルバー
ンを用い測定したところ215nm、分布は680%で
あった。また発光強度を蛍光光度計で測定したところ相
対発光強度0%(相対強度で試料1を100%とする)
であった。
【0079】《試料4の作製方法と測定結果》蛍光体2
(液相法)20gを、80gの前記溶媒1とともにディ
スクタイプの回分式メディアミルを用いて分散し、試料
4を得た。分散条件は以下の通り。
【0080】 ディスク :2枚 ディスク径 :38mm ディスク回転数:2,700rpm ビーズ径 :0.3mm 容器径 :50mm ビーズ充填率 :70% 分散時間 :30分間 試料4の平均粒径(体積粒径)をマルバーンを用い測定
したところ143nm、分布は37%であった。また発
光強度を蛍光光度計で測定したところ相対発光強度26
7%(相対強度で試料1を100%とする)であった。
【0081】《試料5の作製方法と測定結果》蛍光体1
(固相法)20gを、80gの溶媒1とともにディスク
タイプの回分式メディアミルを用いて分散し、試料5を
得た。分散条件は以下の通り。
【0082】 ディスク :2枚 ディスク径 :38mm ディスク回転数:2,700rpm ビーズ径 :0.3mm 容器径 :50mm ビーズ充填率 :70% 分散時間 :30分間 試料5の平均粒径(体積粒径)をマルバーンを用い測定
したところ158nm、分布は153%であった。また
発光強度を蛍光光度計で測定したところ相対発光強度0
%(相対強度で試料1を100%とする)であった。
【0083】《試料6の作製方法と測定結果》蛍光体2
(液相法)20gを、ボールミル(乾式、直径60m
m、ボール3mm、ボール材質ジルコニア、ボール充填
率20%)を用い、10時間分散した。その後分散した
蛍光体を、80gの溶媒1と混合し分散液とし試料6と
した。
【0084】試料6の平均粒径(体積粒径)をマルバー
ンを用い測定したところ187nm、分布は93%であ
った。また発光強度を蛍光光度計で測定したところ相対
発光強度180%(相対強度で試料1を100%とす
る)であった。
【0085】《試料7の作製方法と測定結果》蛍光体2
(液相法)20gを、溶媒1 80gとともに横型の連
続式メディアミル(ゲッツマン製)を用いて分散し、試
料7を得た。分散条件は以下の通り。
【0086】 ディスク径 ディスク回転数:5,520rpm ビーズ種 :ジルコニア ビーズ径 :0.3mm ビーズ充填率 :70% 流量 :120ml/min 分散時間 :3分間 試料7の平均粒径(体積粒径)をマルバーンを用い測定
したところ132nm、分布は28%であった。また発
光強度を蛍光光度計で測定したところ相対発光強度32
5%(相対強度で試料1を100%とする)であった。
【0087】《試料8の作製方法と測定結果》蛍光体2
(液相法)20gを、80gの溶媒1とともにIKA
JAPAN製ホモジナイザを用いて予備分散を行った。
予備分散の条件は以下の通り、 翼径 :20mm 回転数 :8000rpm 予備分散時間:2分 続いて横型の連続式メディアミル(ゲッツマン製)を用
いて本分散し、試料8を得た。分散条件は以下の通り。
【0088】 ディスク径 ディスク回転数:5,520rpm ビーズ種 :ジルコニア ビーズ径 :0.3mm ビーズ充填率 :70% 流量 :120ml/min 分散時間 :3分間 試料8の平均粒径(体積粒径)をマルバーンを用い測定
したところ108nm、分布は29%であった。また発
光強度を蛍光光度計で測定したところ相対発光強度45
4%(相対強度で試料1を100%とする)であった。
【0089】得られた結果を表1に示す。
【0090】
【表1】
【0091】表1から、比較に比べて本発明の試料は平
均粒径が小さく、また、粒径分布が小さいことから分散
性が良好であり、且つ、分散物の輝度が高いことから蛍
光体表面結晶の分散時の摩砕が極めて小さいことが明ら
かである。
【0092】
【発明の効果】本発明により、無機蛍光体の分散性が向
上し、且つ、輝度低下を十分に抑制することができる無
機蛍光体分散物の製造方法及びそれを用いて製造された
無機蛍光体分散物を提供することが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の無機蛍光体分散物の製造方法に用いら
れる分散機の一例を示す概略図である。
【図2】本発明の無機蛍光体分散物の製造方法に用いら
れる分散機の一例を示す概略図である。
【図3】本発明の無機蛍光体分散物の製造方法に適用さ
れる分散システムの一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1、12 粉砕機本体 2 冷却水ジャケット 3 分散用撹拌子 4 回転主軸 5 スクリーン 6 棒状のオーバーキャップ 7 スラリーの取り入れ口 8 スラリーの取り出し口 9 粉砕室 10 メディア分離室 11 冷却水ジャケット 13 スラリーの取り入れ口 14 ピン 15 回転主軸 16 セントリーセパレータ 17 主軸の中心のスラリーの導路 18 粉砕室 19 取り込み口 20 ブレード 21、24 タンク 22 湿式メディア型分散機 23 ポンプ M モータ A1、A2 分散物流路切替弁

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液相法で合成した無機蛍光体を分散処理
    することを特徴とする無機蛍光体分散物の製造方法。
  2. 【請求項2】 分散処理に、媒体を使用する湿式連続分
    散機を用いることを特徴とする請求項1に記載の無機蛍
    光体分散物の製造方法。
  3. 【請求項3】 無機蛍光体に予備分散処理を施し、その
    後、本分散処理を施す工程を有することを特徴とする無
    機蛍光体分散物の製造方法。
  4. 【請求項4】 無機蛍光体が液相法で合成した無機蛍光
    体であることを特徴とする請求項3に記載の無機蛍光体
    分散物の製造方法。
  5. 【請求項5】 本分散処理が媒体を使用する湿式連続分
    散機で施されることを特徴とする請求項3または4に記
    載の無機蛍光体分散物の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の製
    造方法により製造されたことを特徴とする無機蛍光体分
    散物。
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