JP3918539B2 - 無機蛍光体微粒子の製造装置、無機蛍光体微粒子の製造方法及びインク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は無機蛍光体(以下、単に蛍光体ともいう)を分散する分散装置(以下、分散機ともいう)を用いて無機蛍光体微粒子を製造する製造装置、無機蛍光体微粒子の製造方法(以下、単に製造方法ともいう)及びインクに関するものであり、特にインクジェットノズルから出射可能なインクに関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットノズルから出射可能な無機蛍光体インクを得るためには、インク用分散媒に無機蛍光体を分散する工程があり、分散装置の材質には通常ステンレスが用いられる。
【0003】
しかし、無機蛍光体の硬度は一般的には硬く、使用する無機蛍光体の種類などによっては分散機の攪拌部分の材質、回転数、攪拌時間等の攪拌条件によって、ステンレス部分が無機蛍光体により磨耗し、得られた無機蛍光体微粒子にステンレス紛が混入することにより着色を生じ、無機蛍光体の分散中に無機蛍光体の発光輝度の低下をおこす場合があり問題になっていた。
【0004】
また、そのような弊害をなくすために攪拌部の攪拌速度を低減したり攪拌時間を短縮したりして無機蛍光体に与える負荷を少なくすると、無機蛍光体が充分に分散しない場合があり、安定した性能(輝度)の無機蛍光体微粒子が得られないと言う問題があった。
【0005】
また、本分散の前工程としてプレ分散を行うが、プレ分散に用いる撹拌混合型分散機でも、同様の問題が生じていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、上記問題を鑑みてなされたものであり、分散工程中、分散機の磨耗による分散機材質の混入が少なく、分散性が良好で高輝度の無機蛍光体微粒子を安定に得ることができ、該無機蛍光体微粒子をインクジェット用インクとして用いた場合、出射性が良好である無機蛍光体微粒子の製造装置、無機蛍光体微粒子の製造方法及びインクを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は以下の構成により達成される。
【0008】
1.無機蛍光体及び水を含む分散媒をプレ分散する分散装置と、プレ分散液を本分散する分散装置を用いる無機蛍光体微粒子の製造装置であって、何れかの分散装置の無機蛍光体と接触する部分がセラミック化合物で形成されていることを特徴とする無機蛍光体微粒子の製造装置。
【0009】
2.前記セラミック化合物がTiAlN、TiC、TiCN、TiN、TiO2、CrC、CrN、TaC、TaN、ZrC、ZrN、SiC、Si3N4及びAl2O3から選ばれる少なくとも1種のセラミック化合物であることを特徴とする前記1に記載の無機蛍光体微粒子の製造装置。
【0010】
3.前記1又は2に記載の製造装置を用いて製造することを特徴とする無機蛍光体微粒子の製造方法。
【0011】
4.無機蛍光体及び分散媒を乳鉢を用いてプレ分散することを特徴とする前記3に記載の無機蛍光体微粒子の製造方法。
【0012】
5.前記乳鉢が無機蛍光体の原料よりも硬度が硬い材質で形成されていることを特徴とする前記4に記載の無機蛍光体微粒子の製造方法。
【0013】
6.前記乳鉢がセラミック化合物で形成されていることを特徴とする前記5に記載の無機蛍光体微粒子の製造方法。
【0014】
7.上記セラミック化合物がTiAlN、TiC、TiCN、TiN、TiO2、CrC、CrN、TaC、TaN、ZrC、ZrN、SiC、Si3N4及びAl2O3から選ばれる少なくとも1種のセラミック化合物であることを特徴とする前記6に記載の無機蛍光体微粒子の製造方法。
【0015】
8.前記1〜7の何れか1項に記載の無機蛍光体微粒子を用いることを特徴とするインク。
【0016】
即ち、本発明者らは、無機蛍光体微粒子の製造装置に用いられるプレ分散する分散機中の無機蛍光体及び本分散する分散機中の無機蛍光体が、それぞれの分散機に接触する部分に着目し、分散機の構造や材質などについて鋭意検討した結果、該部分に、特定な材質を用いることによって、本発明の目的を達成できることを見い出した。
【0017】
上記無機蛍光体が接触する部分とは、本分散する分散機中の無機蛍光体及びプレ分散する分散機中の無機蛍光体が、それぞれの分散機に接触する部分のことをいい、本発明においては、該接触する部分の面積に対して、好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上の一部の面積であっても、本発明の効果を奏することも見い出した。
【0018】
また、上記の分散装置を用いることにより、無機蛍光体の発光輝度を十分に発揮でき、分散性が良好な無機蛍光体微粒子を安定に得られることも見出した。
【0019】
前記特定な材質とは、TiAlN、TiC、TiCN、TiN、TiO2、CrC、CrN、TaC、TaN、ZrC、ZrN、SiC、Si3N4及びAl2O3で等の化合物であり、これらの中の少なくとも1種類の化合物から選択されることが好ましい。
【0020】
また、本発明者らはプレ分散する分散装置に従来の攪拌混合型分散機を用いてきたが、乳鉢で無機蛍光体及び分散媒を十分になじませることによるプレ分散を行うと前記分散方法と同様に本発明の効果が得られることも見出した。
【0021】
以下、本発明を更に詳細に述べる。
先ず、本発明の本分散する分散装置(分散機)について説明する。
【0022】
本分散する分散機としは、高速攪拌型のインペラー型の分散機、コロイドミル、ローラーミルまたボールミル、振動ボールミル、アトライタミル、遊星ボールミル、サンドミルなど媒体メディアを装置内で運動させてその衝突(crush)及び剪断力の両方により微粒化するもの、またはカッターミル、ハンマーミル、ジェットミル等の乾式型分散機、超音波分散機、高圧ホモジナイザー等が挙げられる。
【0023】
これらの中でも、本発明の本分散には、特に媒体(メディア)を使用する湿式メディア型分散機を使用することが好ましく、特に、連続的に分散処理が可能な連続式湿式メディア型分散機を使用することが好ましい。複数の連続式湿式メディア型分散機を直列に接続する態様等も適用できる。
【0024】
ここでいう「連続的に分散処理が可能」とは、少なくとも無機蛍光体及び分散媒を時間当たり一定の量比で途切れることなく分散機に供給しながら分散処理すると同時に、前記分散機内で製造された分散物を途切れることなく分散機より吐出する形態をいう。分散室容器(ベッセル)は縦型でも横型でも適宜選択することが可能である。
【0025】
図1は本発明の本分散する分散機の一例を示すビーズミル分散機の概略図である。
【0026】
分散機と無機蛍光体が接触する部分は図1中のローター1及びベッセル2である。
【0027】
また、プレ分散する分散装置としては下記の分散装置が挙げられるが、IKA社製ウルトラタラックスの場合、該ウルトラタラックス分散機と無機蛍光体とが接触する部分は分散機のステーターとローター(図示せず)である。
【0028】
本発明においては、上記接触する部分又は好ましくは接触する部分の一部がセラミック化合物であることを特徴としており、該セラッミック化合物としては、TiAlN、TiC、TiCN、TiN、TiO2、CrC、CrN、TaC、TaN、ZrC、ZrN、SiC、Si3N4及びAl2O3の各セラッミック化合物から選ばれることが好ましい。
【0029】
上記接触する部分の一部とは、無機蛍光体が分散機と接触する部分の面積に対して、30%以上の面積ことをいい、50%以上の面積がより好ましい。
【0030】
プレ分散する分散装置(分散機)には、攪拌混合型の分散機が用いられる。具体例としては、例えば、ミキサーディゾルバー、ハイスピードディスパーザー、IKA社製ウルトラタラックスなどが挙げられる。
【0031】
本発明は、無機蛍光体を分散媒にプレ分散する際に乳鉢を用いることが好ましく、該乳鉢は無機蛍光体よりも硬度が硬い材質で形成されていることがより好ましく、また、セラミック化合物であることが更に好ましい。
【0032】
無機蛍光体よりも硬度が硬い材質としては、例えば、めのうが好ましく用いられる。
【0033】
セラミックス化合物としては前記セラミックス化合物が好ましく用いられる。
また、本発明の請求項1でいう、プレ分散液とは、前記プレ分散する分散装置又は前記乳鉢で後述する無機蛍光体及び分散媒を分散した分散液のことをいう。
【0034】
次に、無機蛍光体について説明する。
本発明の製造方法に用いられる無機蛍光体は特に制限されないが、たとえば、以下のような無機蛍光体が用いられる。
【0035】
〔青色発光無機蛍光体〕
(BL−1) Sr2P2O7:Sn4+
(BL−2) Sr4Al14O25:Eu2+
(BL−3) BaMgAl10O17:Eu2+
(BL−4) SrGa2S4:Ce3+
(BL−5) CaGa2S4:Ce3+
(BL−6) (Ba,Sr)(Mg,Mn)Al10O17:Eu2+
(BL−7) (Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO4)6Cl2:Eu2+
(BL−8) ZnS:Ag
(BL−9) CaWO4
(BL−10) Y2SiO5:Ce
(BL−11) ZnS:Ag,Ga,Cl
(BL−12) Ca2B5O9Cl:Eu2+
(BL−13) BaMgAl14O23:Eu2+
(BL−14) BaMgAl10O17:Eu2+、Tb3+、Sm2+
(BL−15) BaMgAl14O23:Eu2+
(BL−16) Ba2Mg2Al12O22:Eu2+
(BL−17) Ba2Mg4Al8O18:Eu2+
(BL−18) Ba3Mg5Al18O35:Eu2+
(BL−19) (Ba,Sr,Ca)(Mg,Zn,Mn)Al10O17:Eu2+
〔緑色発光無機蛍光体〕
(GF−1) (Ba,Mg)Al16O27:Eu2+、Mn2+
(GF−2) Sr4Al14O25:Eu2+
(GF−3) (Sr,Ba)Al2Si2O8:Eu2+
(GF−4) (Ba,Mg)2SiO4:Eu2+
(GF−5) Y2SiO5:Ce3+、Tb3+
(GF−6) Sr2P2O7−Sr2B2O5:Eu2+
(GF−7) (Ba,Ca,Mg)5(PO4)3Cl:Eu2+
(GF−8) Sr2Si3O8−2SrCl2:Eu2+
(GF−9) Zr2SiO4,MgAl11O19:Ce3+、Tb3+
(GF−10) Ba2SiO4:Eu2+
(GF−11) ZnS:Cu,Al
(GF−12) (Zn,Cd)S:Cu,Al
(GF−13) ZnS:Cu,Au,Al
(GF−14) Zn2SiO4:Mn
(GF−15) ZnS:Ag,Cu
(GF−16) (Zn,Cd)S:Cu
(GF−17) ZnS:Cu
(GF−18) Gd2O2S:Tb
(GF−19) La2O2S:Tb
(GF−20) Y2SiO5:Ce、Tb
(GF−21) Zn2GeO4:Mn
(GF−22) CeMgAl11O19:Tb
(GF−23) SrGa2S4:Eu2+
(GF−24) ZnS:Cu,Co
(GF−25) MgO・nB2O3:Ce、Tb
(GF−26) LaOBr:Tb、Tm
(GF−27) La2O2S:Tb
(GF−28) SrGa2S4:Eu2+、Tb3+、Sm2+
〔赤色発光無機蛍光体〕
(RL−1) Y2O2S:Eu3+
(RL−2) (Ba,Mg)2SiO4:Eu3+
(RL−3) (Ba,Mg)Al16O27:Eu3+
(RL−4) (Ba,Ca,Mg)5(PO4)3Cl:Eu3+
(RL−5) YVO4:Eu3+
(RL−6) YVO4:Eu3+、Bi3+
(RL−7) CaS:Eu3+
(RL−8) Y2O3:Eu
(RL−9) 3.5MgO,0.5MgF2GeO2:Mn
(RL−10) YBO3:Eu
上記の無機蛍光体の他に、3波長型機蛍光体に使用されている無機蛍光体、ハロリン酸カルシウム等が挙げられる。
【0036】
本発明の無機蛍光体は、その平均粒径に特に制限は無いが、平均粒径は小さい方が後に分散処理を施すに当たって有利である。
【0037】
具体的には、平均粒径は1.0μm以下であることが好ましく、0.8μm以下であることが更に好ましい。ここで無機蛍光体の平均粒径は、球換算粒径を意味する。球換算粒径とは、粒子の体積と同体積の球を想定し、該球の粒径をもって表わした粒径である。
【0038】
また、粒径分布も上記と同様の理由から予め狭い方が有利であり、具体的には、粒径分布の変動係数が100%以下であることが好ましく、70%以下であることが更に好ましい。ここで粒径分布の変動係数(粒子分布の広さ)とは、下式によって定義される値である。
【0039】
粒径分布の広さ(変動係数)〔%〕=(粒子サイズ分布の標準偏差/粒子サイズの平均値)×100
本発明の無機蛍光体微粒子は、本発明の製造方法によって得られた無機蛍光体の固体微粒子分散物をいい、該無機蛍光体微粒子は後述する様々な用途に適用することができる。
【0040】
本発明の無機蛍光体の分散媒としては、水または種々有機溶媒、それらの混合物等いずれを使用しても良く、無機蛍光体微粒子のその後の用途に応じて適宜選択することができる。
【0041】
本発明の無機蛍光体微粒子には、必要に応じて種々の界面活性剤、分散安定性を向上させるために高分子分散剤、バインダー等を適宜添加することができる。
【0042】
本発明の無機蛍光体微粒子の粒径や粒径分布には特に制限は無く、その後の用途に応じて適切に制御することが可能であるが、大半の場合、粒径は小さく粒径分布は狭い方が有利な場合が多い。
【0043】
具体的には、平均粒径は0.8μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることが更に好ましい。
【0044】
また、粒径分布の変動係数は70%以下であることが好ましく、50%以下であることが更に好ましい。ここで粒径の定義や変動係数の算出方法は、上述に準ずる。
【0045】
本発明の製造方法によって得られた無機蛍光体微粒子は、様々な用途に適用することができ、例えば、他の溶液や固体分散物等の液状の材料と混合させて液状の蛍光性材料としたり、無機蛍光体分散物またはそれを含む混合物を基材に塗布したりするなど、多様な用途に適用できる。
【0046】
具体的には、例えば、インクジェットプリンター用インク、プラズマディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、エレクトロルミネッセンス装置、能動発光型液晶装置、陰極線管(CRT)等の種々の画像表示装置の無機蛍光層、レーザプリンター用インク、その他オフセット印刷や転写リボン等の印刷様式に適した各種インク、電子写真用トナー、または各種塗料や筆記具等に用いる色材、更には電子記録媒体用色材、ハロゲン化銀写真材料、増感紙等、様々な用途にも用いることができる。中でも、インクジェットプリンター用インクとして用いることが好ましい。
【0047】
また、本発明においては、特に上記各種インク、各種色材に適用する場合は、主に色補正等を目的として本発明の無機蛍光体微粒子を染料や顔料等の着色剤を含む溶液や固体分散物に混合して使用することができる。
【0048】
また、着色剤を含有せずに無機蛍光体微粒子を主成分とする蛍光性材料として使用することも可能である。
【0049】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
【0050】
実施例1
《無機蛍光体試料Ba2SiO4:Eu2+の合成》
(無機蛍光体1)
テトラエトキシシラン8.3g、ユーロピウムアセチルアセトナート0.097gをエタノール150mlに溶解した溶液と0.3M硝酸バリウム水溶液295mlとを、アンモニアでpH10に調整した水:エタノール=1:1の母液300mlに、5.0ml/minで同時に滴下した。
【0051】
滴下終了後、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエートを0.75g添加し、ロータリーエバポレーターで濃縮乾固した。残った固体をエタノール中に分散・洗浄し、ろ過後、イソプロパノールを用いて再度洗浄し、乾燥後、400℃で5時間、続いて900℃で2時間焼成した。これにより無機蛍光体1を得た。
【0052】
実施例2
1)プレ分散
実施例2−1:
上記で作製した無機蛍光体1および下記の組成物を混合し、IKA社製ウルトラタラックスでプレ分散を行った。プレ分散は8000rpmで1分間行った。
【0053】
ローターおよびステーターはステンレス製である。
得られた分散液を分散液1とする
実施例2−2:
前記ウルトラタラックスのローター及びステーターをZrN製と取り替えた以外は実施例2−1と同様に分散を行った。得られた分散液を分散液2とする。無機蛍光体1の接触する面積の35%がZrN製である。
【0054】
実施例2−3:
ウルトラタラックスの変わりにめのう製乳鉢を用いて無機蛍光体1と前記分散媒を10分間混合した以外は、実施例2−1と同様にして分散液3を得た。
【0055】
実施例3
(本分散)
実施例3−1:
上記で作製した分散液1を図1に示すビーズミル分散機 VMA−GETZMANN社製DISPERMATT SL−C5を用いて分散を行った。ローターおよびベッセルは、ステンレス製である。
【0056】
分散には平均粒経0.3mmのジルコニアビーズを用い、ビーズの充填率は80%とした。分散は5500rpmで10分間行った。得られた分散液を分散液4とする。
【0057】
実施例3−2:
前記ビーズミル分散機のローター及びベッセルの部分をZrN製の物と取り替えた以外は実施例3−1と同様にして分散を行った。用いた分散液1、2、3で得られた分散液を分散液5、6、7とする。分散液の接触する面積の50%がZrN製である。
【0058】
実施例で作製した分散液の相対発光強度および分散物の平均粒径を測定した。
測定には、Hitachi社製Florescence Spectrophotometer F3010を用いて、365nmの励起光で測定した。
【0059】
平均粒径はゼータサイザー1000(マルバーン社製)で測定した。
次に、各々の分散液を無機蛍光体インクとしてインクジェット用インクに用い、64本の出射ノズルを持つオンデマンド・ピエゾシェアーモード駆動方式のインクジェットプリンターを使用し、駆動周波数8.2kHzで出射速度10m/sで出射させ、出射性を下記の評価基準で評価した。
【0060】
出射状態を目視で2時間観察し、時々出射がなくなる間欠出射及び出射方向が斜めにずれる斜め出射など通常出射状態を維持出来ないノズルの本数を数えた。通常出射出来ないノズルの本数が少ないほど出射安定性がよい。
【0061】
出射出来ないノズル数が0本:◎
出射出来ないノズル数が1〜2本未満:○
出射出来ないノズル数が2〜6本未満:△
出射出来ないノズル数が6本以上:×とした。
【0062】
結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
以上の結果から明らかなように、本発明のプレ分散用分散装置、本分散用分散装置及びそれらを用いて得られた分散液は、発光強度に優れ、平均粒径もほとんど変化せず十分に分散されていることが分かる。
【0065】
また、本発明の分散液を無機蛍光体インク(インクジェット用インク)として用いた場合、出射性が良好であることが分かる。
【0066】
【発明の効果】
本発明による無機蛍光体微粒子の製造装置及び無機蛍光体微粒子の製造方法は、分散工程中、分散機の磨耗による分散機材質の混入が少なく、分散性が良好で高輝度の無機蛍光体微粒子を安定に得ることができ、該無機蛍光体微粒子を含有する分散液をインクジェット用インクとして用いた場合、出射性が良好で、優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の本分散する分散装置の一例を示すビーズミル分散機の概略図である。
【符号の説明】
1 ローター
2 ベッセル
Claims (8)
- 無機蛍光体及び水を含む分散媒をプレ分散する分散装置と、プレ分散液を本分散する分散装置を用いる無機蛍光体微粒子の製造装置であって、何れかの分散装置の無機蛍光体と接触する部分がセラミック化合物で形成されていることを特徴とする無機蛍光体微粒子の製造装置。
- 前記セラミック化合物がTiAlN、TiC、TiCN、TiN、TiO2、CrC、CrN、TaC、TaN、ZrC、ZrN、SiC、Si3N4及びAl2O3から選ばれる少なくとも1種のセラミック化合物であることを特徴とする請求項1に記載の無機蛍光体微粒子の製造装置。
- 請求項1又は2に記載の製造装置を用いて製造することを特徴とする無機蛍光体微粒子の製造方法。
- 無機蛍光体及び分散媒を乳鉢を用いてプレ分散することを特徴とする請求項3に記載の無機蛍光体微粒子の製造方法。
- 前記乳鉢が無機蛍光体の原料よりも硬度が硬い材質で形成されていることを特徴とする請求項4に記載の無機蛍光体微粒子の製造方法。
- 前記乳鉢がセラミック化合物で形成されていることを特徴とする請求項5に記載の無機蛍光体微粒子の製造方法。
- 上記セラミック化合物がTiAlN、TiC、TiCN、TiN、TiO2、CrC、CrN、TaC、TaN、ZrC、ZrN、SiC、Si3N4及びAl2O3から選ばれる少なくとも1種のセラミック化合物であることを特徴とする請求項6に記載の無機蛍光体微粒子の製造方法。
- 請求項1〜7の何れか1項に記載の無機蛍光体微粒子を用いることを特徴とするインク。
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