JP2004075891A - 無機蛍光体の製造方法 - Google Patents

無機蛍光体の製造方法 Download PDF

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Yusuke Kawahara
川原 雄介
Hisahiro Okada
岡田 尚大
Noriko Hoshino
星野 徳子
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Abstract

【課題】小粒径であり、輝度特性に優れた無機蛍光体の製造方法を提供すること。
【解決手段】無機蛍光体の製造方法において、
(1)温度100℃以上で乾燥する工程を設ける。
(2)乾燥時間48時間以下で乾燥する工程を設ける。
(3)風速2m/s以下で乾燥する工程を設ける。
(4)乾燥工程を凝集粒子径10mm以下に解砕して行う。
(5)含水率を0.2%以下とする乾燥工程を設ける。
無機蛍光体の製造方法であり、特に、上記乾燥工程が液相法によって合成された無機蛍光体前駆体に施される無機蛍光体の製造方法。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は無機蛍光体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
CRTなどのディスプレイ装置や蛍光灯には古くから種々の無機蛍光体が使用されており、それら蛍光体の諸特性を向上させる技術が多く開示されている。蛍光体の諸特性の中でも輝度特性は最も重要な特性の1つであり、高輝度である蛍光体が望まれている。
従来一般的には、無機蛍光体は、固相法と呼ばれる蛍光体製造方法(金属酸化物等の原料粉末を乾式で混合し、微量のフラックスと共に焼成)で得られており、これにより輝度特性に優れた無機蛍光体が得られるが、近年、液相中で無機蛍光体の前駆体を形成し、焼成することにより蛍光体を製造する方法が提案されている。
例えば、特開平6−287551号公報、特開平11−293239号公報等には金属アルコキシドを含む混合溶液を加水分解して前駆体を形成し、その後、乾燥工程を経て焼成し、無機蛍光体を製造する方法が開示されているが、前駆体形成後の乾燥工程に関する記載はなされておらず、高輝度な無機蛍光体を得るには不十分であった。
また、特開2000−87033号公報、同2000−96048号公報、同2000−109825号公報等には噴霧法にて前駆体を形成する無機蛍光体の製造方法が開示されているが、乾燥方法に関する記載は何らなされておらず、高輝度な無機蛍光体を得ることはできなかった。
このように、従来、諸特性向上を目的として種々の無機蛍光体の製造方法が多く開示されているが十分に満足できる蛍光体は得られていない。
そこで、本発明者は無機蛍光体の製造過程において、乾燥工程、特に、前駆体の乾燥工程を鋭意検討したところ、乾燥工程の条件をコントロールすることによって上記の問題点を解決することができることが判明した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、小粒径であり、輝度特性に優れた無機蛍光体の製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、
(1)無機蛍光体の製造方法において、温度100℃以上で乾燥する工程を設けたことを特徴とする無機蛍光体の製造方法。
(2)無機蛍光体の製造方法において、乾燥時間48時間以下で乾燥する工程を設けたことを特徴とする無機蛍光体の製造方法。
(3)無機蛍光体の製造方法において、風速2m/s以下で乾燥する工程を設けたことを特徴とする無機蛍光体の製造方法。
(4)乾燥工程の風速を2m/s以下とすることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の無機蛍光体の製造方法。
(5)無機蛍光体の製造方法において、乾燥工程を凝集粒子径10mm以下に解砕して行うことを特徴とする無機蛍光体の製造方法。
(6)乾燥工程を凝集粒子径10mm以下に解砕して行うことを特徴とする上記(1)または(2)に記載の無機蛍光体の製造方法。
(7)無機蛍光体の製造方法において、含水率を0.2%以下とする乾燥工程を設けたことを特徴とする無機蛍光体の製造方法。
(8)乾燥工程で含水率を0.2%以下とすることを特徴とする上記(1)から(4)のいずれかに記載の無機蛍光体の製造方法。
(9)乾燥工程が、液相法によって合成された無機蛍光体前駆体に施されることを特徴とする上記(1)から(8)のいずれかに記載の無機蛍光体の製造方法。
によて達成される。
【0005】
以下に、本発明の無機蛍光体の製造方法にについて詳細に説明する。
本発明の無機蛍光体の製造方法によって無機蛍光体を製造する場合、無機蛍光体前駆体を形成して無機蛍光体を製造するのが好ましく、本発明の条件による乾燥は、無機蛍光体前駆体に施されることが好ましい。無機蛍光体前駆体はいずれの製造方法で製造されたものであってもよく、その製造方法に特に限定はないが、小粒径で高輝度な無機蛍光体を得るためには液相法で製造された前駆体であることが好ましい。
液相法で製造された前駆体は、多くの場合、焼成工程を経て、その後、更に必要に応じて分散工程を経て無機蛍光体が得られる。
焼成工程をより効率的に施するために、焼成工程の前に前駆体は乾燥される。
本発明において、乾燥は下記の条件のいずれか、または、それらを組み合わせて行われる。
(1)温度100℃以上で行う。
(2)乾燥時間48時間以下で行う。
(3)風速2m/s以下で行う。
上記において、乾燥の温度は150℃以上であることが更に好ましく、また、乾燥時間は24時間以内であることが更に好ましい。
乾燥を温度100℃以上あるいは乾燥時間48時間以下で行う場合、使用する乾燥機としては特に限定はなくそれぞれに適したあらゆる装置を使用することができ、例えば、真空乾燥機、凍結乾燥機、箱型通気流/平行流式乾燥機、気流式乾燥機、噴霧乾燥機等を使用することができる。
また、風速は1m/s以下であることが更に好ましい。
乾燥を風速2m/s以下で行う場合、使用する乾燥機としては対流伝熱タイプの乾燥機であれば特に限定はなく、あらゆる装置を使用することができ、例えば、バンド平行流乾燥機、箱型通気流/平行流式乾燥機、多段円盤式乾燥機、気流乾燥機、流動層乾燥機等を使用することができるが、特に、流動層乾燥機を用いることが好ましい。
また、本発明において、乾燥工程の前に、前駆体は凝集粒子径が10mm以下になるように予め解砕されるが、5mm以下になるように解砕することがさらに好ましい。
解砕に用いる装置には特に制限はなく、あらゆる解砕装置を使用することができ、例えば、転動ミル、振動ミル、ローラーミル、インパクトミル等を使用することができる。
また、本発明において、乾燥工程後の含水率、特に、前駆体の乾燥工程後の含水率を0.2%以下とされるが、含水率を0.1%にすることが更に好ましい。これら含水率は市販の測定機で測定することができる。
【0006】
本発明において蛍光体は、無機蛍光体前駆体を形成して製造するのが好ましい。 次に、これら無機蛍光体前駆体について説明する。
本発明において、前駆体はいかなる製造方法によって製造してもよく、特に制限はないが、原料を溶液の形態で混合し、必要に応じて熟成等を行って複合金属酸化物とし前駆体を合成する液相法が好ましい。
液相法とは、共沈法、反応晶析法、ゾルゲル法など液相中で反応させる方法を称するものであり、いずれの方法を適宜選択することが可能であるが、本発明の前駆体はゾルゲル法によって合成することが好ましい。
先ず、ゾルゲル法によって無機蛍光体を製造する方法について具体的に説明する。
ゾルゲル法とは、例えば、母体または賦活剤または共賦活剤に用いる元素(金属)を含む、例えば、金属アルコキシド(例えば、Si(OCH等)や金属錯体(例えば、Eu3+(CHCOCH=C(O−)CH等)またはそれらの有機溶媒溶液に金属単体を加えて作るダブルアルコキシド(例えば、Al(OBu)の2−ブタノール溶液に金属マグネシウムを加えて作るMg[Al(OBu)等)、金属ハロゲン化物、有機酸の金属塩を反応容器中で必要量混合し、熱的または化学的に加水分解または重縮合することによって合成する方法である。
ゾルゲル法を適用する際の溶媒は反応原料が溶解すれば何を用いてもよいが、環境面の観点からエタノールが好ましい。
また、反応に当り反応開始剤を用いることができるが、これら反応開始剤としては酸でも塩基でもよいが、加水分解速度の観点から塩基を用いる方が好ましい。塩基としては、反応を開始することができればNaOH、アンモニア等の一般的な塩基を用いることができるが、除去のしやすさの観点からはアンモニアを用いることが好ましい。反応開始剤は、先に母液に添加しておいてもよく、また、原料と同時に添加しても、予め原料に加えて添加してもよいが、均一性を高めるためには母液に先に添加することが好ましい。
複数の反応原料を用いる場合、原料の添加順序は同時でも異なってもよく、その活性によって適切な順序を適宜組み立てることができる。場合によってはダブルアルコキシドを形成してもよい。
【0007】
共沈法とは、母核または賦活剤または共賦活剤に用いる元素(金属)を含む反応原料の1種類または複数種類を水を主とした溶媒に溶解して、1種類または場合によっては複数種類の原料溶液を準備し、それ自身が溶媒に溶解し原料と反応して難溶性または不溶性物質を生成・沈殿する有機化合物、例えば、蓚酸または酒石酸を沈殿剤として添加し、必要に応じてアルカリ金属硼酸塩などのフラックス等を使用して、原料が共沈した沈殿物を生成する方法である。沈殿物を生成した後は、濾別し乾燥・焼成等の工程を経て、所望とする蛍光体粒子を得ることができる。
反応晶析法とは、母核または賦活剤または共賦活剤に用いる元素(金属)を含む金属硝酸塩、金属ハロゲン化物など種々の金属塩等の反応原料を水を主とした溶媒に溶かし混合溶液にした後、化学的に難溶性塩を析出させる方法である。
共沈法や反応晶析法を適用する際の溶媒は反応原料が溶解すれば何を用いてもよいが、過飽和度制御のしやすさの観点から水が好ましい。複数の反応原料を用いる場合は、原料の添加順序は同時でも異なってもよく、活性によって適切な順序を適宜組み立てることができる。
液相法で前駆体を合成する場合、上記のどの方法の場合においても、反応の温度、原料の添加速度、攪拌速度、pHなどを制御してもよく、また、反応中に超音波を照射してもよい。また、粒径制御のために界面活性剤やポリマーなどを添加してもよい。原料を添加し終ったら必要に応じて液を濃縮及び/または熟成することも好ましい態様の1つである。
【0008】
液相法で得られた前駆体は、必要に応じてろ過工程や洗浄工程を経て、乾燥処理が施され、更に必要に応じて焼成、分散等の諸工程が施される。本発明において、乾燥工程には前記の条件が採用される。
焼成には現在知られているあらゆる方法を用いることができるが、回転型のキルンを用いることが好ましい。焼成温度や時間は各蛍光体が最も性能が高くなるように調整すればよく、雰囲気も組成に合わせて酸化性、還元性、硫化性、不活性ガス等の雰囲気を用いることができる。
分散には、例えば、高速攪拌型のインペラー型の分散機、コロイドミル、ローラーミル、またボールミル、振動ボールミル、アトライタミル、遊星ボールミル、サンドミルなど媒体(メディア)を装置内で運動させてその衝突(crush)及び剪断力を与えて微粒化するもの、また、カッターミル、ハンマーミル、ジェットミル等の乾式型分散機、超音波分散機、高圧ホモジナイザー等を用いることができる。これらの中でも、本発明では特に媒体(メディア)を使用する湿式メディア型分散機を使用することが好ましく、連続的に分散処理が可能な連続式湿式メディア型分散機を使用することが更に好ましい。複数の連続式湿式メディア型分散機を直列に接続する態様等も適用できる。ここでいう「連続的に分散処理が可能」とは、少なくとも無機蛍光体及び分散媒体を時間当たり一定の量比で途切れることなく分散機に供給しながら分散処理すると同時に、前記分散機内で製造された分散物を供給された材料に押し出される形で途切れることなく分散機より吐出する形態を指す。
本発明の無機蛍光体の製造方法で、分散処理工程として媒体(メディア)を使用する湿式メディア型分散機を用いる場合、その分散室容器(ベッセル)は縦型でも横型でも適宜選択することが可能である。
【0009】
本発明の製造方法で得る無機蛍光体は特に制限はなく、これまでに公知のあらゆる組成を有する無機蛍光体であることができ、これら蛍光体としては、例えば、特開昭50−6410号公報、同61−65226号公報、同64−22987号公報、同64−60671号公報、特開平1−168911号公報等に記載されている無機蛍光体が挙げられる。
無機蛍光体としては、YS、ZnSiO等に代表される金属酸化物、Ca(POCl等に代表されるリン酸塩、ZnS、SrS、CaS等に代表される硫化物等を結晶母体とし、これら母核にCe、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb等の希土類金属のイオンやAg、Al、Mn、Sb等の金属のイオンを賦活剤または共賦活剤として組み合わせたものが好ましい。
結晶母体の好ましい例としては、ZnS、SrS、GaS、(Zn,Cd)S、SrGa、YO、YS、Y、YSiO、SnO、YAl12、ZnSiO、SrAl1425、CeMgAl1019、BaAl1219、BaMgAl1017、BaMgAl1423、BaMgAl1222、BaMgAl18、BaMgAl1835、(Ba,Sr,Mg)O・aAl、(Ba,Sr)(Mg,Mn)Al1017、(Ba,Sr,Ca)(Mg,Zn,Mn)Al1017、Sr、(La,Ce)PO、Ca10(PO(F,Cl)、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(POCl、GdMgB10、(Y,Gd)BO等が挙げられる。
結晶母体及び賦活剤または共賦活剤は、元素の組成に制限はなく、同族の元素と一部置き換えることもできるが、無機酸化物蛍光体、または無機ハロゲン化物蛍光体を使用することが好ましい。
紫外から青色領域を吸収して可視光を発する蛍光体は結晶母体及び賦活剤または共賦活剤の適宜組み合わせて得ることができる。
【0010】
以下に、本発明で得られる無機蛍光体の具体的な化合物例を示すが、本発明で得られる蛍光体はこれらの化合物に限定されるものではない。
[青色発光無機蛍光体化合物]
(BL−1) Sr:Sn4+
(BL−2) SrAl1425:Eu2+
(BL−3) BaMgAl1017:Eu2+
(BL−4) SrGa:Ce3+
(BL−5) CaGa:Ce3+
(BL−6) (Ba,Sr)(Mg,Mn)Al1017:Eu2+
(BL−7) (Sr,Ca,Ba,Mg)10(POCl:Eu2+
(BL−8) ZnS:Ag
(BL−9) CaWO
(BL−10) YSiO:Ce
(BL−11) ZnS:Ag,Ga,Cl
(BL−12) CaCl:Eu2+
(BL−13) BaMgAl1423:Eu2+
(BL−14) BaMgAl1017:Eu2+,Tb3+,Sm2+
(BL−15) BaMgAl1423:Sm2+
(BL−16) BaMgAl1222:Eu2+
(BL−17) BaMgAl18:Eu2+
(BL−18) BaMgAl1835:Eu2+
(BL−19) (Ba,Sr,Ca)(Mg,Zn,Mn)Al1017:Eu2+
【0011】
[緑色発光無機蛍光体化合物]
(GF−1) (Ba,Mg)Al1627:Eu2+,Mn2+
(GF−2) SrAl1425:Eu2+
(GF−3) (Sr,Ba)AlSi:Eu2+
(GF−4) (Ba,Mg)SiO:Eu2+
(GF−5) YSiO:Ce3+,Tb3+
(GF−6) Sr−Sr:Eu2+
(GF−7) (Ba,Ca,Mg)(POCl:Eu2+
(GF−8) SrSi−2SrCl:Eu2+
(GF−9) ZrSiO,MgAl1119:Ce3+,Tb3+
(GF−10) BaSiO:Eu2+
(GF−11) ZnS:Cu,Al
(GF−12) (Zn,Cd)S:Cu,Al
(GF−13) ZnS:Cu,Au,Al
(GF−14) Zn2SiO:Mn
(GF−15) ZnS:Ag,Cu
(GF−16) (Zn,Cd)S:Cu
(GF−17) ZnS:Cu
(GF−18) GdS:Tb
(GF−19) LaS:Tb
(GF−20) YSiO:Ce,Tb
(GF−21) ZnGeO:Mn
(GF−22) CeMgAl1119:Tb
(GF−23) SrGa:Eu2+
(GF−24) ZnS:Cu,Co
(GF−25) MgO・nB:Ce,Tb
(GF−26) LaOBr:Tb,Tm
(GF−27) LaS:Tb
(GF−28) SrGa:Eu2+,Tb3+,Sm2+
【0012】
[赤色発光無機蛍光体化合物]
(RL−1) YS:Eu3+
(RL−2) (Ba,Mg)SiO:Eu3+
(RL−3) (Ba,Mg)Al1627:Eu3+
(RL−4) (Ba,Ca,Mg)(POCl:Eu3+
(RL−5) YVO:Eu3+
(RL−6) YVO:Eu3+,Bi3+
(RL−7) CaS:Eu3+
(RL−8) Y:Eu3+
(RL−9) 3.5MgO,0.5MgFGeO:Mn
(RL−10) YBO:Eu3+
【0013】
また、本発明で得られる無機蛍光体は上記の無機蛍光体の他にも、3波長蛍光体に使用されている無機蛍光体やハロリン酸カルシウム等が挙げられる。
本発明の製造方法により製造される無機蛍光体粒子の1次粒子は、平均粒径が10nm以上200nm以下であることが好ましく、20nm以上100nm以下であることがより好ましい。10nm未満では個々の無機蛍光体粒子が一定の輝度を有することが困難になることがある。
無機蛍光体を何に使うかによって好ましい平均粒径は異なるが、例えば、インクジェット記録用インクに用いる場合、平均粒径を小さくコントロールすることによって蛍光インクの分散安定性、吐出安定性等を改善することができ、平均粒径が200nmを超えないことが好ましい。
なお、ここでいう粒径とは、球換算粒径を意味する。球換算粒径とは、粒子の体積と同体積の球を想定し、該球の粒径をもって表した粒径である。
また、得られる無機蛍光体粒子の粒径分布は狭い方が好ましい。具体的には、下記式によって定義される変動係数[%]の値が100%以下であることが好ましく、50%以下であることが更に好ましい。
変動係数[%]=(粒径分布の標準偏差/粒径の平均値)×100
本発明の製造方法によって製造された無機蛍光体の用途については特に限定はない。CRTやPDP等のディスプレイ装置の蛍光層、蛍光塗料や蛍光インク等の様々な用途に適宜使用することができるが、特にインクジェット記録用蛍光インクに適用することは好ましい用途の1つである。
【0014】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1
(緑色蛍光体ZnSiO:Mn前駆体の作製)
二酸化珪素(日本アエロジル株式会社製AEROSIL200、BET比表面積200m/g)4.51gを純水297.95gに混合してA液を、硝酸亜鉛6水和物42.39gと硝酸マンガン6水和物2.15gを純水126.84gに溶解してB液を、アンモニア水(28%)21.90gを純水125.67gに混合してC液をそれぞれ調製した。次に、A液を撹拌しながら、ローラポンプを使ってB液とC液を10cc/minの添加速度でA液表面にダブルジェットで同時添加した。B液、C液の添加終了後、吸引濾過により固液分離を行いながら純水を用いて十分に洗浄を行った。
(緑色蛍光体ZnSiO:Mn前駆体の乾燥)
得られた前駆体を、湿式・乾式整粒機コーミルU−20型((株)パウレック製)を用いて回転数475rpmで解砕・整粒を行い、顆粒状前駆体を得た。次いで、箱型通気式乾燥機(不二パウダル(株)製)を用いて、乾燥温度80℃で送風しながら60時間の乾燥処理を行い、前駆体の乾燥粉体を得た。
(緑色蛍光体ZnSiO:Mn固体微粒子分散物試料の作製)
得られた前駆体の乾燥粉体をN雰囲気中、1,200℃で2時間の条件で焼成を行った。次いで、下記処方により緑色蛍光体ZnSiO:Mn含有スラリーを調製し、ビーズミル分散機(VMA−GETZMANN社製DISPERMATT SL−C5)を用いて微粒子分散を施し、固体微粒子分散物試料G−11を得た。ビーズミル分散機には平均粒経0.3mmのジルコニアビーズを用い、ビーズの充填率を80%とし、周速は9m/s、分散時間は5minとした。
【0015】
Figure 2004075891
また、表1に示すように乾燥温度及び乾燥時間を変更した以外は固体微粒子分散物試料G−11と同様にして固体微粒子分散物G−12〜16を作製した。
《固体微粒子分散物の評価》
得られた固体微粒子分散物試料の平均粒径及び輝度を測定した。得られた結果を表1に示す。粒径はマルバーン、輝度は蛍光光度計(日本分光社製)を用いて測定した。なお、輝度は固体微粒子分散物試料G−11の輝度を100%とする相対輝度(%)で示した。
【0016】
【表1】
Figure 2004075891
表1の結果より、前駆体を100℃以上で乾燥した場合及び乾燥時間を48時間以下とした場合には、平均粒径が小さく、輝度の高い蛍光体が得られることがわかる。
実施例2
(緑色蛍光体ZnSiO:Mn固体微粒子分散物試料の作製)
実施例1に記載の固体微粒子分散物試料G−11の作製において、乾燥装置を流動層乾燥機スリットフローFBS−05(大河原製作所製)にして、乾燥条件を乾燥温度110℃、乾燥時間3時間に変更し、また、乾燥処理を行うときの風速を表2に示すような風速とした以外は固体微粒子分散物試料G−11と同様にして固体微粒子分散物試料G−21〜23を得た。
《固体微粒子分散物の評価》
得られた固体微粒子分散物試料の平均粒径及び輝度を実施例1と同様にして測定した。得られた結果を表2に示す。なお、輝度は固体微粒子分散物試料G−21の輝度を100%とする相対輝度(%)で示した。
【0017】
【表2】
Figure 2004075891
表2の結果より、乾燥処理における風速は2m/s以下とした場合には、平均粒径が小さく、輝度が高い蛍光体が得られることがわかる。また、風速が2m/sを越える場合にはフィルターの目詰まりが頻繁に起こるなどの不具合が生じた。
実施例3
(緑色蛍光体ZnSiO:Mn固体微粒子分散物試料の作製)
実施例2に記載の固体微粒子分散物試料G−23の作製において、解砕・整粒後の最大粒子径を表3に示すようにし、その後、乾燥処理を行った以外は固体微粒子分散物試料G−23と同様にして固体微粒子分散物試料G−31〜33を得た。
《固体微粒子分散物の評価》
得られた固体微粒子分散物試料の平均粒径及び輝度を実施例1と同様にして測定した。得られた結果を表3に示す。なお、輝度は固体微粒子分散物試料G−31の輝度を100%とする相対輝度(%)で示した。
【0018】
【表3】
Figure 2004075891
表3の結果より、乾燥工程を凝集粒子径10mm以下に解砕して行った場合には、平均粒径が小さく、輝度が高い蛍光体が得られることがわかる。
実施例4
(緑色蛍光体ZnSiO:Mn固体微粒子分散物試料の作製)
乾燥工程後の含水率が表4に示す値になるように乾燥条件を変化させた以外は固体微粒子分散物試料G−23と同様にして固体微粒子分散物試料G−41〜43を得た。
《固体微粒子分散物の評価》
得られた固体微粒子分散物試料の平均粒径及び輝度を実施例1と同様にして測定した。得られた結果を表4に示す。なお、輝度は固体微粒子分散物試料G−41の輝度を100%とする相対輝度(%)で示した。
【0019】
【表4】
Figure 2004075891
表4の結果より、乾燥工程後の含水率が0.2%以下になるように乾燥させた場合には、平均粒径が小さく、輝度が高い蛍光体が得られることがわかる。また、乾燥工程後の含水率が0.2%以下であると同等の輝度を得るための焼成時間を短縮することができることがわかる。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、小粒径で、輝度特性に優れた無機蛍光体を得ることができる。

Claims (9)

  1. 無機蛍光体の製造方法において、温度100℃以上で乾燥する工程を設けたことを特徴とする無機蛍光体の製造方法。
  2. 無機蛍光体の製造方法において、乾燥時間48時間以下で乾燥する工程を設けたことを特徴とする無機蛍光体の製造方法。
  3. 無機蛍光体の製造方法において、風速2m/s以下で乾燥する工程を設けたことを特徴とする無機蛍光体の製造方法。
  4. 乾燥工程の風速を2m/s以下とすることを特徴とする請求項1または2に記載の無機蛍光体の製造方法。
  5. 無機蛍光体の製造方法において、乾燥工程を凝集粒子径10mm以下に解砕して行うことを特徴とする無機蛍光体の製造方法。
  6. 乾燥工程を凝集粒子径10mm以下に解砕して行うことを特徴とする請求項1または2に記載の無機蛍光体の製造方法。
  7. 無機蛍光体の製造方法において、含水率を0.2%以下とする乾燥工程を設けたことを特徴とする無機蛍光体の製造方法。
  8. 乾燥工程で含水率を0.2%以下とすることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の無機蛍光体の製造方法。
  9. 乾燥工程が、液相法によって合成された無機蛍光体前駆体に施されることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の無機蛍光体の製造方法。
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