JP2004018679A - 蛍光体粒子及びその製造方法 - Google Patents

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Naoko Furusawa
古澤 直子
Satoshi Ito
伊藤 聡
Takayuki Suzuki
鈴木 隆行
Hisahiro Okada
岡田 尚大
Hideki Hoshino
星野 秀樹
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Abstract

【課題】発光効率の高い蛍光体粒子及びその製造方法を提供すること、特に真空紫外を励起光源とするPDPに適した蛍光体粒子及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】賦活剤で活性化された蛍光体粒子であって、該蛍光体粒子を、粒子表面から励起光進入深度の1/2の深さまでの層と、励起光進入深度から中心部までの部分と、該A層とC部に挟まれる層に区分した場合、該A層に含まれる賦活剤原子のモル数が、該B層に含まれる賦活剤原子のモル数の20%以下(0%を含む)であることを特徴とする蛍光体粒子。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛍光体粒子及びその製造方法に関し、特にPDP用蛍光体に適した蛍光体粒子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、蛍光体粒子表面近傍に発光に寄与しない層が存在することについては、当業界では一般的に知られている。例えば、Extended Abstracts,Electrochem.Soc.Meeting,91−2,973には、蛍光体粒子の平均粒径が小さくなり、表面層が粒子の大部分を占めるようになると発光効率が急激に減少していくことが報告されている。この原因として、表面付近に存在する結晶欠陥により賦活剤に吸収された励起光のエネルギーが発光に使われない非効率過程が存在しているためと考えられている。
【0003】
内部に構造をもつ蛍光体粒子として以下に記す従来例が知られている。特開平7−133484号には、蛍光体粒子表面付近の所定の位置に賦活剤を分散する技術が開示されている。しかしながら、この技術は、蛍光体粒子の最表面に賦活剤が存在していることから、本発明とはその趣旨が異なるものである。また、特開平9−328681号は、蛍光体粒子表面の賦活剤濃度を高く設定する技術が開示されている。特表平8−504871号には、不活性コアの上に発光皮膜を有する技術が開示されている。特開2000−323098には、蛍光物質を皮膜として有する無色透明粒子の表面に蛍光体粒子を被覆する技術が開示されている。特開2001−323262には、非蛍光体粒子の核の表面に蛍光体粒子の層を形成する技術が開示されている。ここには、蛍光体粒子内部に賦活剤の存在しない部分をつくり、表面付近の賦活剤濃度を高く設定する、粒子の核を非蛍光体物質で形成し表面付近のみに、蛍光体を存在させる方法等が述べられているが、いずれも、表面付近に蛍光体(または、発光中心である賦活剤)が存在している。
【0004】
また、蛍光体粒子表面に粒子本体とは異なる組成の物質で皮膜を作るという技術については、特開平8−293275号に表面付近に低抵抗な層を作ることが開示され、特開平6−299150号に粒子表面にその表面を覆う障壁層を備えている蛍光体粒子について開示があるが、いずれも本発明とは異なるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
蛍光体粒子表面の非効率過程を回避することで、発光効率の高い蛍光体粒子及びその製造方法を提供することを目的とする。特に真空紫外を励起光源とするPDPに適した蛍光体粒子及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的は、以下の手段により達成できることを見出した。
【0007】
(1) 賦活剤で活性化された蛍光体粒子であって、該蛍光体粒子の粒子表面から中心方向に向けて結晶格子10個以内の表面層に賦活剤が存在しないことを特徴とする蛍光体粒子。
【0008】
(2) 蛍光体粒子の励起光進入深度の1/2以上の深さから中心部にかけて賦活剤を含むことを特徴とする(1)に記載の蛍光体粒子。
【0009】
(3) 励起光進入深度以上から中心部に賦活剤を含まないことを特徴とする(2)に記載の蛍光体粒子。
【0010】
(4) 賦活剤で活性化された蛍光体粒子であって、該蛍光体粒子を、A層と、C部と、B層に区分した場合、該A層に含まれる賦活剤原子のモル数が、該B層に含まれる賦活剤原子のモル数の20%以下(0%を含む)であることを特徴とする蛍光体粒子。
【0011】
(5) 前記C部に含まれる賦活剤原子のモル数が、前記B層に含まれる賦活剤原子の50%以下(0%を含む)であることを特徴とする(4)に記載の蛍光体粒子。
【0012】
(6) 賦活剤で活性化された蛍光体粒子であって、該蛍光体粒子の表面の50%以上が、(1,0,0)結晶面、または(0,0,1)結晶面を含むことを特徴とする蛍光体粒子。
【0013】
(7) 平均粒径が100nm〜1μmであることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の蛍光体粒子。
【0014】
(8) PDP用蛍光体であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1項に記載の蛍光体粒子。
【0015】
(9) BaMgAl1017:Eu2+であることを特徴とする(8)に記載の蛍光体粒子。
【0016】
(10) ZnSiO:Mn2+であることを特徴とする(8)に記載の蛍光体粒子。
【0017】
(11) (Y,Gd)BO:Eu3+であることを特徴とする(8)に記載の蛍光体粒子。
【0018】
(12) (1)乃至(11)のいずれか1項に記載の蛍光体粒子を反応晶析法で製造することを特徴とする蛍光体粒子の製造方法。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の蛍光体粒子は、表面最近傍に実質的に賦活剤が存在しない層を設け、非効率過程を回避しようというものである。賦活剤の英語名はactivatorである。蛍光体に発光性をもたせるために加えられる物質のことであり、当業者に広く知られている。
【0020】
鋭意検討の結果、非効率過程を回避するのに必要な賦活剤が実質的に存在しない表面最近傍とは、蛍光体の種類によっても異なるが、おおよそ蛍光体粒子の結晶格子10個分程度であることを見いだした。
【0021】
さらに、励起光である真空紫外線の侵入深度の1/2程度より中心側に賦活剤を存在させることにより高輝度な蛍光体粒子を作製することに成功した。
【0022】
賦活剤量は、蛍光体粒子の発光効率等、蛍光体の諸性能に影響を与える因子であり、蛍光体粒子の用途によって望まれる性能を充分に引き出せるような値に設定することが重要である。
【0023】
賦活剤の含有量は、蛍光体の種類や、用途によって異なってくる。賦活剤は、蛍光体の母結晶1molに対して0.05mol%以上の割合で含有されていることが好ましい。賦活剤の添加量の上限は、おおよそ母結晶1molに対して30mol%程度である。
【0024】
さらに、励起光侵入深度より内部については励起光がそもそも届かないので、発光中心が存在している必要がない。発光中心は一般的に高価な希土類イオンが使用されることが多いので、この部分に発光中心を入れずに蛍光体結晶粒子を形成することができれば、より安価な蛍光体粒子を得ることができる。
【0025】
このような蛍光体粒子はいかなる方法を用いて作製しても良いが、本発明の蛍光体粒子は、反応晶析法を用いて作製することが好ましい。そして、反応晶析法を用いることにより、賦活剤を含有する層、含有しない層を持つ多層構造の蛍光体粒子を容易に作製することが可能となる。反応晶析法とは、液相中または気相中で原料溶液または原料ガスを混合することによって蛍光体または蛍光体前駆体を合成する方法であり、当業者にとって良く知られた技術である。本発明は、公知の反応晶析法を用いて賦活剤の添加のタイミングと添加時間を制御することが重要である。本発明における反応晶析法は好ましくは液相中での反応であり、より好ましくは液相中での原料溶液の反応である。
【0026】
蛍光体前駆体とは、蛍光体の中間生成物であり、蛍光体前駆体を所定の温度で焼成することにより、蛍光体粒子が得られる。液相法で蛍光体前駆体を合成した後、必要に応じてろ過、蒸発乾固、遠心分離等の方法で回収した後に好ましくは洗浄を行い、更に乾燥、焼成等の諸工程を施してもよく、分級してもよい。また、原料溶液の一つ以上、または全部に保護コロイドを混合してもかまわない。保護コロイドは、天然、合成を問わず各種の高分子化合物を用いることができる。ゼラチン、ポリビニルピロリドン等を用いることができる。
【0027】
本発明において、平均粒径とは、粒子が立方体あるいは八面体の所謂、正常晶の場合には、粒子の稜の長さをいう。また、正常晶でない場合、例えば球状、棒状あるいは平板状粒子の場合には、粒子の体積と同等な球を考えた時の直径をいう。本発明の蛍光体は、平均粒径が1μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.9μm以下である。下限は100nm以上が好ましく、より好ましくは300nm以上である。
【0028】
本発明においては、蛍光体前駆体の乾燥方法には特に限定はなく、真空乾燥、気流乾燥、流動層乾燥、噴霧乾燥等、あらゆる方法が用いられる。
【0029】
本発明においては、蛍光体前駆体の焼成温度、時間に特に限定はなく、蛍光体の種類に応じて適宜選択できる。更に、焼成時のガス雰囲気は、酸化性雰囲気、還元性雰囲気または不活性雰囲気の何れでもよく、目的に応じて適宜選択できる。焼成装置としても特に限定はなく、公知のあらゆる装置を使用することができる。中でも、箱型炉や坩堝炉、ロータリーキルン等が好ましく用いられる。
【0030】
焼成時に焼結防止剤を添加しても添加しなくともよい。添加する場合は、蛍光体前駆体の形成時にスラリーとして添加してもよく、また、粉状のものを乾燥済の蛍光体前駆体と混合して焼成する方法も好ましく用いられる。更に、焼結防止剤に特に限定はなく、蛍光体の種類、焼成条件によって適宜選択される。例えば、蛍光体の焼成温度域によって800℃以下での焼成にはTiO等の金属酸化物が、1000℃以下での焼成にはSiOが、1700℃以下での焼成にはAlが、それぞれ好ましく使用される。
【0031】
表面の非効率を回避する別の手段として、表面欠陥の少ない結晶面からなる蛍光体粒子を見出した。
【0032】
表面欠陥の少ない結晶面としては、例えば、立方晶の(1,0,0)結晶面、六方晶の(0,0,1)結晶面などが挙げられる。このような面により表面が形成されている蛍光体結晶粒子は非効率過程が減少し、その他の面を持つよりも、発光効率が高くなるということを見出した。立方晶の(1,0,0)結晶面、または六方晶の(0,0,1)結晶面は、少なくとも蛍光体粒子表面の50%は必要である。それぞれの結晶面を持つ蛍光体粒子であることは、例えば、走査型電子顕微鏡を用いてその所望の結晶面を持つことを観察して知ることができる。所望の結晶面を持つ蛍光体粒子を、反応晶析法で作製するためには、その面が安定になるようなゼラチン等の保護コロイドあるいは吸着剤を反応晶析の際に添加すればよい。
【0033】
本発明に係る無機蛍光体粒子の組成は例えば、特開昭50−6410号、同61−65226号、同64−22987号、同64−60671号、特開平1−168911号等に記載されており、特に制限はないが、結晶母体であるYS、ZnSiO、Ca(POCl等に代表される金属酸化物及びZnS、SrS、CaS等に代表される硫化物に、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb等の希土類金属のイオンやAg、Al、Mn、Sb等の金属のイオンを賦活剤または共賦活剤として組み合わせたものが好ましい。
【0034】
結晶母体の好ましい例としては、例えば、ZnS、YS、YAl12、YSiO、ZnSiO、Y、BaMgAl1017、BaAl1219、(Ba,Sr,Mg)O・BaAl、(Y,Gd)BO、YO、(Zn,Cd)S、SrGa、SrS、GaS、SnO、Ca10(PO(F,Cl)、(Ba,Sr)(Mg、Mn)Al1017、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(POCl、(La,Ce)PO、CeMgAl1119、GdMgB10、Sr、SrAl1425等が挙げられる。
【0035】
以上の結晶母体及び賦活剤または共賦活剤は、同族の元素と一部置き換えたものでも構わないし、とくに元素組成に制限はない。
【0036】
以下に無機蛍光体粒子の化合物例を示すが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
【0037】
[青色発光無機蛍光化合物]
(BL−1) Sr:Sn4+
(BL−2) SrAl1425:Eu2+
(BL−3) BaMgAl1017:Eu2+
(BL−4) SrGa:Ce3+
(BL−5) CaGa:Ce3+
(BL−6) (Ba,Sr)(Mg,Mn)Al1017:Eu2+
(BL−7) (Sr,Ca,Ba,Mg)10(POCl:Eu2+
(BL−8) ZnS:Ag
(BL−9) CaWO
(BL−10) YSiO:Ce3+
(BL−11) ZnS:Ag,Ga,Cl
(BL−12) CaCl:Eu2+
(BL−13) BaMgAl1423:Eu2+
(BL−14) BaMgAl1017:Eu2+,Tb3+,Sm2+
(BL−15) BaMgAl1423:Sm2+
(BL−16) BaMgAl1222:Eu2+
(BL−17) BaMgAl18:Eu2+
(BL−18) BaMgAl1835:Eu2+
(BL−19) (Ba,Sr,Ca)(Mg,Zn,Mn)Al1017:Eu2+
[緑色発光無機蛍光体粒子]
(GL−1) (Ba,Mg)Al1627:Eu2+,Mn2+
(GL−2) SrAl1425:Eu2+
(GL−3) (Sr,Ba)AlSi:Eu2+
(GL−4) (Ba,Mg)SiO:Eu2+
(GL−5) YSiO:Ce3+,Tb3+
(GL−6) Sr−Sr:Eu2+
(GL−7) (Ba,Ca,Mg)(POCl:Eu2+
(GL−8) SrSiSrCl:Eu2+
(GL−9) ZrSiO,MgAl1119:Ce3+,Tb3+
(GL−10) BaSiO:Eu2+
(GL−11) ZnS:Cu,Al
(GL−12) (Zn,Cd)S:Cu,Al
(GL−13) ZnS:Cu,Au,Al
(GL−14) ZnSiO:Mn2+
(GL−15) ZnS:Ag,Cu
(GL−16) (Zn,Cd)S:Cu
(GL−17) ZnS:Cu
(GL−18) GdS:Tb3+
(GL−19) LaS:Tb3+
(GL−20) YSiO:Ce3+,Tb3+
(GL−21) ZnGeO:Mn2+
(GL−22) CeMgAl1119:Tb3+
(GL−23) SrGa:Eu2+
(GL−24) ZnS:Cu,Co
(GL−25) MgO・nB:Ce3+,Tb3+
(GL−26) LaOBr:Tb3+,Tm3+
(GL−27) LaS:Tb3+
(GL−28) SrGa:Eu2+,Tb3+,Sm2+
[赤色発光無機蛍光体粒子]
(RL−1) YS:Eu3+
(RL−2) (Ba,Mg)SiO:Eu3+
(RL−3) Ca(SiO:Eu3+
(RL−4) LiY(SiO:Eu3+
(RL−5) (Ba,Mg)Al1627:Eu3+
(RL−6) (Ba,Ca,Mg)(POCl:Eu3+
(RL−7) YVO:Eu3+
(RL−8) YVO:Eu3+,Bi3+
(RL−9) CaS:Eu3+
(RL−10) Y:Eu3+
(RL−11) 3.5MgO,0.5MgFGeO:Mn4+
(RL−12) YAlO:Eu3+
(RL−13) YBO:Eu3+
(RL−14) (Y,Gd)BO:Eu3+
等。
【0038】
【実施例】
以下に本発明の実施例を挙げて詳細に説明をするが本発明の様態はこれに限定されない
(実施例1)
《無機蛍光体粒子 ZnSiO:Mn2+の合成》
〈蛍光体粒子Aの作製方法〉
12.2gのメタ珪酸ナトリウムを純水200mlに溶解してAA液を作った。25.9gの塩化亜鉛を純水200mlに溶解してAB液を作った。1.979gの塩化マンガン4水和物を純水50mlに溶解してAC液を作った。200mlの純水をマグネチックスターラーで充分攪拌を行ないながら、その中にAA液、AB液、AC液を各々10分間かけて等速で添加した。生成した白色沈殿を大気中で1050℃、3時間焼成して蛍光体粒子Aを得た。
【0039】
〈蛍光体粒子Bの作製方法〉
12.2gのメタ珪酸ナトリウムを純水200mlに溶解してBA液を作った。26.3gの塩化亜鉛を純水200mlに溶解してBB液を作った。1.39gの塩化マンガン4水和物を純水50mlに溶解してBC液を作った。200mlの純水をマグネチックスターラーで充分攪拌を行ないながら、その中にBA液、BB液を各々10分間かけて等速で添加した。BC液はBA液,BB液と同時に添加を開始し、7分間で添加を終了した。生成した白色沈殿を大気中で1050℃、3時間焼成して蛍光体粒子Bを得た。
【0040】
〈蛍光体粒子Cの作製方法〉
12.2gのメタ珪酸ナトリウムを純水200mlに溶解してCA液を作った。26.6gの塩化亜鉛を純水200mlに溶解してCB液を作った。0.99gの塩化マンガン4水和物を純水50mlに溶解してCC液を作った。200mlの純水をマグネチックスターラーで充分攪拌を行ないながら、その中にCA液、CB液を各々10分間かけて等速で添加した。CC液はCA液、CB液の添加を開始した後、2分後に添加を開始し、5分間で添加を終了した。生成した白色沈殿を大気中で1050℃、3時間焼成して蛍光体粒子Cを得た。
【0041】
〈蛍光体粒子Dの作製方法〉
12.2gのメタ珪酸ナトリウムを純水200mlに溶解してDA液を作った。26.6gの塩化亜鉛を純水200mlに溶解してDB液を作った。0.99gの塩化マンガン4水和物を純水50mlに溶解してDC液を作った。0.12gの塩化マンガン4水和物を3mlに溶解しDD液を作った。200mlの純水をマグネチックスターラーで充分攪拌を行ないながら、その中にDA液、DB液を各々10分間かけて等速で添加した。DC液はDA液,DB液の添加を開始した後、2分後に添加を開始し、5分間で添加を終了した。DD液は、DA液、DB液の添加を開始した後7分後に添加を開始し、3分間で添加を終了した。生成した白色沈殿を大気中で1050℃、3時間焼成して蛍光体粒子Dを得た。
【0042】
〈蛍光体粒子Eの作製方法〉
12.2gのメタ珪酸ナトリウムを純水200mlに溶解してEA液を作った。26.6gの塩化亜鉛を純水200mlに溶解してEB液を作った。0.99gの塩化マンガン4水和物を純水50mlに溶解してEC液を作った。0.2gの塩化マンガン4水和物を純水5mlに溶解してED液を作った。200mlの純水をマグネチックスターラーで充分攪拌を行ないながら、その中にEA液、EB液を各々10分間かけて等速で添加した。EC液はEA液、EB液の添加を開始した後、2分後に添加を開始し、5分間で添加を終了した。ED液は、EA液、EB液と同時に添加を開始し、2分間で添加を終了した。生成した白色沈殿を大気中で1050℃、3時間焼成して蛍光体粒子Eを得た。
【0043】
蛍光体粒子A、B、C、D及びEのそれぞれを大塚電子(株)蛍光スペクトル測定装置を用いて、147nm励起における発光強度測定を行なった。蛍光体粒子Aの発光強度を100としたときの蛍光体粒子B〜Eの相対発光強度は、表1のようになった。
【0044】
【表1】
Figure 2004018679
【0045】
表1の結果から、本発明の蛍光体粒子は優れた特性を持つことが明らかである。
【0046】
(実施例2)
《無機蛍光体粒子 (Y,Gd)BO:Eu3+の合成》
〈蛍光体粒子Fの作製方法〉
純水1000mlをFA液とする。純水500mlに0.078molの硝酸イットリウム6水和物と、0.045molの硝酸ガドリニウムを溶解してFB液を作った。0.0065molの硝酸ユーロピウムを純水50mlに溶解してFC液を作った。純水500mlにホウ素のイオン濃度が0.78mol/Lとなるようにほう酸を溶解してFD液を作った。FA液を60℃で激しく攪拌させ、その中に同じく60℃に保ったFB液、FC液、FD液を10分間かけて同時に各々等速で添加を行なった。FA液中に生成した白色沈殿をろ過、乾燥の後、大気中で1400℃、2時間焼成し蛍光体粒子Fを得た。
【0047】
〈蛍光体粒子Gの作製方法〉
純水1000mlをGA液とする。純水500mlに0.078molの硝酸イットリウム6水和物と、0.045molの硝酸ガドリニウムを溶解してGB液を作った。0.0065molの硝酸ユーロピウムを純水50mlに溶解してGC液を作った。純水500mlにホウ素のイオン濃度が0.78mol/Lとなるようにほう酸を溶解してGD液を作った。GA液を40℃で激しく攪拌させ、その中に同じく40℃に保ったGB液、GC液、GD液を5分間かけて同時に各々等速で添加を行なった。GA液中に生成した白色沈殿をろ過、乾燥の後、大気中で1400℃、2時間焼成し蛍光体粒子Gを得た。
【0048】
〈蛍光体粒子Hの作製方法〉
純水1000mlをHA液とする。純水500mlに0.078molの硝酸イットリウム6水和物と、0.045molの硝酸ガドリニウムを溶解してHB液を作った。0.0033molの硝酸ユーロピウムを純水25mlに溶解してHC液を作った。純水500mlにホウ素のイオン濃度が0.78mol/Lとなるようにほう酸を溶解してHD液を作った。HA液を60℃で激しく攪拌させ、その中に同じく60℃に保ったHB液、HD液を10分間かけて同時に各々等速で添加を行なった。HC液については、HB液、HD液の添加開始2分後から添加を開始し、等速で5分間添加を行なった。HA液中に生成した白色沈殿をろ過、乾燥の後、大気中で1400℃、2時間焼成し蛍光体粒子Hを得た。
【0049】
〈蛍光体粒子Iの作製方法〉
純水1000mlをIA液とする。純水500mlに0.078molの硝酸イットリウム6水和物と、0.045molの硝酸ガドリニウムを溶解してIB液を作った。0.0033molの硝酸ユーロピウムを純水25mlに溶解してIC液を作った。純水500mlにホウ素のイオン濃度が0.78mol/Lとなるようにほう酸を溶解してID液を作った。IA液を40℃で激しく攪拌させ、その中に同じく40℃に保ったIB液、ID液を5分間かけて同時に各々等速で添加を行なった。IC液についてはIB液、ID液の添加開始1分後から添加を開始し、等速で2.5分間添加を行なった。IA液中に生成した白色沈殿をろ過、乾燥の後、大気中で1400℃、2時間焼成し蛍光体粒子Iを得た。
【0050】
〈蛍光体粒子Jの作製方法〉
GA液を、低分子ゼラチン(平均分子量約2万)10%水溶液に代えた以外は、蛍光体粒子Gの作製方法と同様にし蛍光体粒子Jを作製した。
【0051】
蛍光体粒子F〜Jを大塚電子(株)蛍光スペクトル測定装置を用いて、147nm励起における発光強度測定を行なった。蛍光体粒子Fの発光強度を100としたときの蛍光体粒子G〜Jの相対発光強度は、表2のようになった。また、蛍光体粒子の平均粒径はゼータサイザー1000(マルバーン社製)で測定した。粒子内部の賦活剤添加量は粒子断面を透過型電子顕微鏡で観察しながら、蛍光X線分析で測定した。粒子形状は走査型電子顕微鏡で観察した。
【0052】
【表2】
Figure 2004018679
【0053】
以上のように本発明は優れた特性を持つことが明らかとなった。また、平均粒径が小さくなっても、相対発光強度が減少しないという長所を持つことがわかる。また蛍光体粒子Jは(1,0,0)面を持つ粒子であり、このような粒子では相対発光強度が増加することが分かる。
【0054】
(実施例3)
《無機蛍光体粒子 BaMgAl1017:Eu2+の合成》
〈蛍光体粒子Kの作製方法〉
高純度のBaCO、EuO、MgO、Alの各粉末原料をエタノールを混合溶媒として、めのう乳鉢中で湿式混合した。この混合物を1600℃、2時間かけて還元雰囲気下で焼成を行ない蛍光体粒子Kを得た。
【0055】
〈蛍光体粒子Lの作製方法〉
塩化バリウム2水和物、塩化マグネシウム6水和物、塩化アルミニウム6水和物、塩化ユーロピウム6水和物それぞれを上記蛍光体粒子組成比と等しくなるよう純水1000mlに溶解してLA液とした。LA液にはさらに、保護コロイドとして低分子ゼラチン30g(平均分子量約2万)を溶解し、液温を40℃とした。この溶液を撹拌しながら、アンモニアとシュウ酸を滴下して沈殿物を得た。得られた沈殿物を濾過、洗浄し、1600℃、2時間かけて還元雰囲気下で焼成を行ない蛍光体粒子Lを得た。
【0056】
蛍光体粒子K、Lを大塚電子(株)蛍光スペクトル測定装置を用いて、147nm励起における発光強度測定を行なった。蛍光体粒子Kの発光強度を100としたときの蛍光体粒子Lの相対発光強度を表3に示す。また、蛍光体粒子の粒子形状を走査型電子顕微鏡で観察した結果も表3に示す。
【0057】
【表3】
Figure 2004018679
【0058】
蛍光体粒子Lは、粒子形状から主な結晶表面が(0,0,1)から成ることが分かり、全表面積に対する(0,0,1)結晶面の割合は電子顕微鏡で観察した20粒子の平均値で約75%であった。また、本発明の蛍光体粒子は優れた特性を持つことが明らかとなった。
【0059】
以上の結果から明らかなように、本発明の蛍光体粒子は147nm励起における発光強度に優れており、PDP用蛍光体粒子として適していることが分かる。したがって、本発明の蛍光体粒子よりなる蛍光体層を有するPDPを、その駆動回路等とともにアセンブルすることにより、カラーテレビやモニター等のプラズマディスプレイ装置を構成することができる。
【0060】
【発明の効果】
発光効率の高い蛍光体粒子及びその製造方法を提供することが出来た。特に、真空紫外を励起光源とするPDPに適した蛍光体粒子及びその製造方法を提供することが出来た。

Claims (12)

  1. 賦活剤で活性化された蛍光体粒子であって、該蛍光体粒子の粒子表面から中心方向に向けて結晶格子10個以内の表面層に賦活剤が存在しないことを特徴とする蛍光体粒子。
  2. 蛍光体粒子の励起光進入深度の1/2以上の深さから中心部にかけて賦活剤を含むことを特徴とする請求項1記載の蛍光体粒子。
  3. 励起光進入深度以上から中心部に賦活剤を含まないことを特徴とする請求項2記載の蛍光体粒子。
  4. 賦活剤で活性化された蛍光体粒子であって、該蛍光体粒子を、粒子表面から励起光進入深度の1/2の深さまでの層(以下、A層という)と、励起光進入深度から中心部までの部分(以下、C部という)と、該A層とC部に挟まれる層(以下、B層という)に区分した場合、該A層に含まれる賦活剤原子のモル数が、該B層に含まれる賦活剤原子のモル数の20%以下(0%を含む)であることを特徴とする蛍光体粒子。
  5. 前記C部に含まれる賦活剤原子のモル数が、前記B層に含まれる賦活剤原子の50%以下(0%を含む)であることを特徴とする請求項4記載の蛍光体粒子。
  6. 賦活剤で活性化された蛍光体粒子であって、該蛍光体粒子の表面の50%以上が、(1,0,0)結晶面、または(0,0,1)結晶面を含むことを特徴とする蛍光体粒子。
  7. 平均粒径が100nm〜1μmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の蛍光体粒子。
  8. プラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)用蛍光体であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の蛍光体粒子。
  9. BaMgAl1017:Eu2+であることを特徴とする請求項8記載の蛍光体粒子。
  10. ZnSiO:Mn2+であることを特徴とする請求項8記載の蛍光体粒子。
  11. (Y,Gd)BO:Eu3+であることを特徴とする請求項8記載の蛍光体粒子。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の蛍光体粒子を反応晶析法で製造することを特徴とする蛍光体粒子の製造方法。
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