JP2003026968A - 蛍光インク、蛍光画像および蛍光画像形成方法 - Google Patents

蛍光インク、蛍光画像および蛍光画像形成方法

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JP2003026968A
JP2003026968A JP2001215079A JP2001215079A JP2003026968A JP 2003026968 A JP2003026968 A JP 2003026968A JP 2001215079 A JP2001215079 A JP 2001215079A JP 2001215079 A JP2001215079 A JP 2001215079A JP 2003026968 A JP2003026968 A JP 2003026968A
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JP
Japan
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fluorescent
ink
image
pigment
inorganic phosphor
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Application number
JP2001215079A
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English (en)
Inventor
Yusuke Kawahara
雄介 川原
Hisahiro Okada
尚大 岡田
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蛍光体の励起光を照射し蛍光画像を鑑賞する
とき以外は、蛍光インクまたは蛍光画像の存在が完全に
視認不可能な蛍光画像、蛍光画像形成方法及びこのよう
な蛍光画像に好ましく用いられる蛍光インクを提供す
る。 【解決手段】 少なくとも無機蛍光体を含有し、光路長
1cmにおける可視光平均透過率が50%以上100%
以下であることを特徴とする蛍光インク。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機蛍光体を含有
する蛍光インク、及びそれを用いた蛍光画像、蛍光画像
形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、宣伝広告用途や店舗の内装等、様
々な用途で蛍光画像が多用されてきている。
【0003】例えば蛍光インクのみを用いて表現する蛍
光画像においては、含有する蛍光体の励起光を照射して
いない際にはそのインクが使用されていることが視認不
可能な蛍光画像を得たい場合が多いが、現状では不十分
であった。
【0004】また、昼光、ブラックライト等の光源違い
で「色違い」や「画像違い」等の複数種類の画像を表現
する蛍光画像においては、通常の色材インクを塗布(吐
出)した後に蛍光インクを塗布(吐出)する場合は、蛍
光インクの透明性が高くないと色材インクで記録した画
像が見えにくくなり、蛍光体の励起光ではなく例えば昼
光で(反射で)見る際に視認性が劣るなどの問題点があ
った。
【0005】特開平9−208870号公報には、平均
粒子径が200nm以下の顔料、平均粒子径が200n
m以下の樹脂粒子、水を含有するインクジェット記録用
インクが開示されている。これは透明性の高い印刷物を
得ることを意図しているが、OHPシートに印字後加熱
し樹脂を溶融させることによって達成しており、粒径を
制御してインクそのものの透明性を上げるものではな
く、蛍光インクでもない。
【0006】また、特開平8−151545号公報に
は、励起光や発光色に対して透過性を有する分散剤を含
有するインクジェット記録用インクが、更に特開平10
−46072号公報には、揮発性溶媒、蛍光染料、粒径
0.01〜1の透明固体微粒子を含有するインクジェッ
ト記録用インクがそれぞれ開示されているが、蛍光イン
クそのものの透明性を上げるものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたものであり、その目的は、蛍光体の励起光
を照射し蛍光画像を鑑賞するとき以外は、蛍光インクま
たは蛍光画像の存在が完全に視認不可能な蛍光画像、蛍
光画像形成方法及びこのような蛍光画像に好ましく用い
られる蛍光インクを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は下記
構成により達成される。
【0009】1.少なくとも無機蛍光体を含有し、光路
長1cmにおける可視光平均透過率が50%以上100
%以下であることを特徴とする蛍光インク。
【0010】2.前記無機蛍光体の平均粒径が10nm
以上200nm以下であることを特徴とする前記1に記
載の蛍光インク。
【0011】3.インクジェット記録用インクであるこ
とを特徴とする前記1または2に記載の蛍光インク。
【0012】4.前記1から3のいずれか1項に記載の
蛍光インクを用いて得られることを特徴とする蛍光画
像。
【0013】5.前記1から3のいずれか1項に記載の
蛍光インク及び色材を含有するインクを用いて得られ、
少なくとも2種類の波長の異なる光源を照射することに
より、無地から画像を出現する、同一画像の色を変える
または少なくとも2種類の画像を同一面上で表示するこ
とを特徴とする蛍光画像。
【0014】6.前記3に記載の蛍光インクを使用し
て、前記4または5に記載の蛍光画像を形成することを
特徴とする蛍光画像形成方法。
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
蛍光インクは、光路長1cmにおける可視光平均透過率
が50%以上100%以下であり、より好ましくは70
%以上100%以下であり、更に好ましくは80%以上
100%以下である。本発明の目的を達成するためには
可視光平均透過率は高いほど好ましい。ここで可視光平
均透過率とは、可視光領域の波長の入射光に対して、蛍
光インクを介して透過していく透過光の比率の平均値を
指す。
【0016】可視光平均透過率の測定は、具体的には蛍
光インクを光路長1cmのセルに入れ、濁度計や分光光
度計を用いて測定する。測定の際には光源の波長及びそ
の分布に留意し、蛍光インクに含まれる無機蛍光体や色
材等の励起波長や吸収波長を含まないようにする必要が
ある。
【0017】蛍光インクの可視光平均透過率を上げるた
めの具体的な主な手段としては、(1)蛍光インクに含
有する無機蛍光体固体微粒子の平均粒径をコントロール
する、(2)屈折率が等しいかまたは近似の分散媒やバ
インダーを選択する等が挙げられ、これらの手段を組み
合わせてもよい。可視光透過率を任意に高精度に制御す
るという観点では、前者の方法がより好ましい。
【0018】本発明の蛍光インクに含有する無機蛍光体
固体微粒子は、平均粒径が10nm以上200nm以下
であることが好ましく、30nm以上100nm以下で
あることがより好ましい。10nm未満では個々の無機
蛍光体固体微粒子が一定の輝度を有することが困難にな
ることがある。また、200nmを越えると画像の視認
性が劣化してくる。上述したように無機蛍光体固体微粒
子の平均粒径を小さくコントロールすることによって可
視光透過率を上げることができるほか、蛍光インクの停
滞安定性、更にインクジェット記録方式に適用する際は
吐出安定性等の観点でも、無機蛍光体の平均粒径は小さ
い方が好ましい。尚、ここで言う粒径とは、球換算粒径
を意味する。球換算粒径とは、粒子の体積と同体積の球
を想定し、該球の粒径をもって表した粒径である。
【0019】また、無機蛍光体の粒径分布は狭い方が好
ましい。具体的には、下記式によって定義される変動係
数[%]の値が100%以下であることが好ましく、5
0%以下であることが更に好ましい。
【0020】変動係数[%]=(粒径分布の標準偏差/
粒径の平均値)×100 本発明の蛍光インクでは、含有する無機蛍光体の固形分
濃度に特に制限は無いが、1質量%〜50質量%が好ま
しく、5質量%〜30質量%がより好ましく、15質量
%〜25質量%が特に好ましい。
【0021】本発明の蛍光インクに含有する無機蛍光体
組成には特に制限は無く、意図する蛍光画像の励起光波
長、または発光色等によって、これまでに公知のあらゆ
る組成の無機蛍光体を使用することができる。
【0022】無機蛍光体の組成としては、例えば特開昭
50−6410号、同61−65226号、同64−2
2987号、同64−60671号、特開平1−168
911号等に記載されている無機蛍光体を適宜使用する
ことができるが、その結晶母体としては、Y22S、Z
2SiO4、Ca5(PO43Cl等に代表される金属
酸化物、ZnS、SrS、CaS等に代表される硫化物
に、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、T
b、Dy、Ho、Er、Tm、Yb等の希土類金属のイ
オンやAg、Al、Mn、Sb等の金属のイオンを賦活
剤または共賦活剤として組み合わせたものが好ましい。
【0023】結晶母体の好ましい例を以下に列挙する。
ZnS、SrS、GaS、(Zn,Cd)S、SrGa
24、YO3、Y22S、Y23、Y2SiO3、Sn
2、Y3Al512、Zn2SiO4、Sr4Al1425
CeMgAl1019、BaAl1219、BaMgAl10
17、BaMgAl1423、Ba2Mg2Al1222、B
2Mg4Al818、Ba3Mg5Al183 5、(Ba,
Sr,Mg)O・aAl23、(Ba,Sr)(Mg,
Mn)Al1 017、(Ba,Sr,Ca)(Mg,Z
n,Mn)Al1017、Sr227、(La,Ce)
PO4、Ca10(PO46(F,Cl)2、(Sr,C
a,Ba,Mg)10(PO46Cl2、GdMgB
510、(Y,Gd)BO3等が挙げられる。
【0024】結晶母体及び賦活剤または共賦活剤は、特
に元素の組成に制限はなく、同族の元素と一部置き換え
たものでも使用可能で、紫外から青色領域を吸収して可
視光を発するものであればどのような組み合わせでも使
用可能であるが、無機酸化物蛍光体、または無機ハロゲ
ン化物蛍光体を使用することが好ましい。
【0025】以下に本発明に使用される無機蛍光体の具
体的な化合物例を示すが、本発明はこれらの化合物に限
定されるものではない。 [青色発光無機蛍光体化合物] (BL−1) Sr227:Sn4 + (BL−2) Sr4Al1425:Eu2+ (BL−3) BaMgAl1017:Eu2+ (BL−4) SrGa24:Ce3+ (BL−5) CaGa24:Ce3+ (BL−6) (Ba,Sr)(Mg,Mn)Al1017:Eu2+ (BL−7) (Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO46Cl2:Eu2+ (BL−8) ZnS:Ag (BL−9) CaWO4 (BL−10) Y2SiO5:Ce (BL−11) ZnS:Ag,Ga,Cl (BL−12) Ca259Cl:Eu2+ (BL−13) BaMgAl1423:Eu2+ (BL−14) BaMgAl1017:Eu2+、Tb3+、Sm2+ (BL−15) BaMgAl1423:Eu2+ (BL−16) Ba2Mg2Al1222:Eu2+ (BL−17) Ba2Mg4Al818:Eu2+ (BL−18) Ba3Mg5Al1835:Eu2+ (BL−19) (Ba,Sr,Ca)(Mg,Zn,Mn)Al1017:Eu 2+ [緑色発光無機蛍光体化合物] (GF−1) (Ba,Mg)Al1627:Eu2+,Mn2+ (GF−2) Sr4Al1425:Eu2+ (GF−3) (Sr,Ba)Al2Si28:Eu2+ (GF−4) (Ba,Mg)2SiO4:Eu2+ (GF−5) Y2SiO5:Ce3+,Tb3+ (GF−6) Sr227−Sr225:Eu2+ (GF−7) (Ba,Ca,Mg)5(PO43Cl:Eu2+ (GF−8) Sr2Si38−2SrCl2:Eu2+ (GF−9) Zr2SiO4,MgAl1119:Ce3+,Tb3+ (GF−10) Ba2SiO4:Eu2+ (GF−11) ZnS:Cu,Al (GF−12) (Zn,Cd)S:Cu,Al (GF−13) ZnS:Cu,Au,Al (GF−14) Zn2SiO4:Mn (GF−15) ZnS:Ag,Cu (GF−16) (Zn,Cd)S:Cu (GF−17) ZnS:Cu (GF−18) Gd22S:Tb (GF−19) La22S:Tb (GF−20) Y2SiO5:Ce,Tb (GF−21) Zn2GeO4:Mn (GF−22) CeMgAl1119:Tb (GF−23) SrGa24:Eu2+ (GF−24) ZnS:Cu,Co (GF−25) MgO・nB23:Ce,Tb (GF−26) LaOBr:Tb,Tm (GF−27) La22S:Tb (GF−28) SrGa24:Eu2+、Tb3+、Sm2+ [赤色発光無機蛍光体化合物] (RL−1) Y22S:Eu3+ (RL−2) (Ba,Mg)2SiO4:Eu3+ (RL−3) (Ba,Mg)Al1627:Eu3+ (RL−4) (Ba,Ca,Mg)5(PO43Cl:Eu3+ (RL−5) YVO4:Eu3+ (RL−6) YVO4:Eu3+、Bi3+ (RL−7) CaS:Eu3+ (RL−8) Y23:Eu (RL−9) 3.5MgO,0.5MgF2GeO2:Mn (RL−10) YBO3:Eu 上記の化合物の他に、3波長蛍光体に使用されている無
機蛍光体や、ハロリン酸カルシウム等が挙げられる。
【0026】本発明の蛍光インクに含有する無機蛍光体
の製造方法に特に制限は無く、発光効率の低下を招かず
に合成する方法として例えば複合金属酸化物を合成する
方法、噴霧熱分解法など、これまでに公知の種々の製造
方法を適用することができる。複合金属酸化物を合成す
る方法としては、2種以上の金属の粉体状酸化物を混合
し高温加熱処理を行う固相法、及び原料を溶解した溶液
から複合金属酸化物の前駆体を合成して分離し、得られ
た前駆体を酸化処理する液相法が挙げられる。
【0027】液相法とは、共沈法、反応晶析法、ゾルゲ
ル法などの一般的な液相中での反応方法を称して表して
おり、本発明では適宜選択することが可能であるが、特
にゾルゲル法によって前駆体を合成することが好まし
い。
【0028】ここで、ゾルゲル法によって無機蛍光体を
製造する方法について、具体的に説明する。ゾルゲル法
とは、例えば、母体または賦活剤または共賦活剤に用い
る元素(金属)として、例えば、金属アルコキシド(例
えば、Si(OCH34等)や金属錯体(例えば、Eu
3+(CH3COCH=C(O−)CH33等)またはそ
れらの有機溶媒溶液に金属単体を加えて作るダブルアル
コキシド(例えば、Al(OBu)3の2−ブタノール
溶液に金属マグネシウムを加えて作るMg[Al(OB
u)32等)、金属ハロゲン化物、有機酸の金属塩を反
応容器中で必要量混合し、熱的または化学的に加水分解
及び重縮合することによって合成する製造方法である。
【0029】ゾルゲル法を適用する際の溶媒は反応原料
が溶解すれば何を用いてもよいが、環境面の観点からエ
タノールが好ましい。また、反応開始剤としては酸でも
塩基でもよいが、加水分解速度の観点から塩基の方が好
ましい。塩基の種類としては反応が開始すればNaO
H、アンモニア等一般的なものを用いることができる
が、除去しやすさの観点からアンモニアが好ましい。反
応開始剤の混合方法としては、先に母液に添加されてい
てもよく、原料と同時に添加してもよく、予め原料に加
えていてもよいが、均一性を高めるために、先に母液に
添加されている方法が好ましい。複数の反応原料を用い
る場合は、原料の添加順序は同時でも異なってもよく、
活性によって適切な順序を適宜組み立てることができ、
場合によってはダブルアルコキシドを形成してもよい。
【0030】また、共沈法や反応晶析法を適用する際の
溶媒は反応原料が溶解すれば何を用いてもよいが、過飽
和度制御のしやすさの観点から水が好ましい。複数の反
応原料を用いる場合は、原料の添加順序は同時でも異な
ってもよく、活性によって適切な順序を適宜組み立てる
ことができる。
【0031】液相法で前駆体を合成する場合、どの方法
の場合でも反応中は温度、添加速度、攪拌速度、pHな
どを制御してもよく、反応中に超音波を照射してもよ
い。粒径制御のために界面活性剤やポリマーなどを添加
してもよい。原料を添加し終ったら必要に応じて液を濃
縮、及び/または熟成することも好ましい態様の1つで
ある。
【0032】液相法で前駆体を合成した後、必要に応じ
てろ過、洗浄、乾燥、焼成、分散等の諸工程を施しても
よく、分級してもよい。
【0033】焼成方法は現在知られているあらゆる方法
を用いてもよいが、回転型のキルンを用いることが好ま
しい。焼成温度や時間は各蛍光体が最も性能が高くなる
ように調整すればよく、雰囲気も組成に合わせて酸化
性、還元性、硫化性、不活性ガス等を用いることができ
る。
【0034】分散方法は例えば、高速攪拌型のインペラ
ー型の分散機、コロイドミル、ローラーミル、またボー
ルミル、振動ボールミル、アトライタミル、遊星ボール
ミル、サンドミルなど媒体メディアを装置内で運動させ
てその衝突(crush)及び剪断力の両方により微粒
化するもの、またはカッターミル、ハンマーミル、ジェ
ットミル等の乾式型分散機、超音波分散機、高圧ホモジ
ナイザー等が挙げられる。これらの中でも、本発明では
特に媒体(メディア)を使用する湿式メディア型分散機
を使用することが好ましく、連続的に分散処理が可能な
連続式湿式メディア型分散機を使用することが更に好ま
しい。複数の連続式湿式メディア型分散機を直列に接続
する態様等も適用できる。ここで言う「連続的に分散処
理が可能」とは、少なくとも無機蛍光体及び分散媒体を
時間当たり一定の量比で途切れることなく分散機に供給
しながら分散処理すると同時に、前記分散機内で製造さ
れた分散物を供給に押し出される形で途切れることなく
分散機より吐出する形態を指す。本発明の無機蛍光体の
製造方法で、分散処理工程として媒体(メディア)を使
用する湿式メディア型分散機を用いる場合、その分散室
容器(ベッセル)は縦型でも横型でも適宜選択すること
が可能である。
【0035】本発明の蛍光インクは、筆やスプレー等に
よって蛍光画像を描く方法や、種々のプリンターに適用
して印刷する方法等、様々な形態で使用することができ
る。その中でも、インクジェットプリンターを使用して
印刷するインクジェット記録用インクとして適用するこ
とは、本発明の好ましい形態の1つである。
【0036】本発明の蛍光インクをインクジェット記録
用インクとして適用する際の形態としては、無機蛍光体
を含有してさえいればどのような形態でもよく、無機蛍
光体の他に更に色材を含有してもよい。色材を含有させ
る際は、顔料を固体分散して含有させる態様や、染料を
溶解して含有させる態様等、公知のインクジェット記録
用インクで実用している様々な形態を適用できる。ま
た、本発明の蛍光インクをインクジェット記録用インク
として適用する際は、無機蛍光体を含有する蛍光インク
1種類を吐出して画像形成する場合や、複数のインクジ
ェットヘッドを使用して複数種類のインクを吐出して画
像形成する場合がある。特に後者の場合は、少なくとも
1種類のインクが無機蛍光体を含有する蛍光インクであ
れば他のインクはどのような形態でもよく、無機蛍光体
のみを含有するインク、無機蛍光体と色材を含有するイ
ンク、色材のみを含有するインクのあらゆる組み合わせ
で適宜適用できる。
【0037】次に、本発明に係るインクジェット記録用
インクについて説明する。 水溶性有機溶剤 本発明に係るインクジェット記録用インクに用いられる
溶媒としては、水性液媒体が好ましく用いられ、該水性
液媒体としては、水及び水溶性有機溶剤等の混合溶媒が
更に好ましく用いられる。好ましく用いられる水溶性有
機溶剤の例としては、アルコール類(例えば、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブ
タノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、
ターシャリーブタノール)、多価アルコール類(例え
ば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオー
ル、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオー
ル、チオジグリコール)、多価アルコールエーテル類
(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコ
ールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメ
チルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエー
テル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エ
チレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレング
リコールモノフェニルエーテル)、アミン類(例えば、
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチル
ジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリ
ン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチ
レンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチ
レンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テト
ラメチルプロピレンジアミン)、アミド類(例えば、ホ
ルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピ
ロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシ
ルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル
−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例え
ば、ジメチルスルホキシド)等が挙げられる。 高分子分散剤 本発明に係るインクジェット記録用インクに用いられる
水溶性高分子分散剤としては、下記の水溶性樹脂を用い
ることができ、吐出安定性の観点から好ましい。
【0038】水溶性樹脂として好ましく用いられるの
は、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステ
ル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン
−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリ
ル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル
酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アル
キルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエ
ステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合
体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体等のような
水溶性樹脂である。
【0039】溶性樹脂のインク全量に対する含有量とし
ては、0.1〜10質量%が好ましく、更に好ましく
は、0.3〜5質量%である。
【0040】これらの水溶性樹脂は二種以上併用するこ
とも可能である。本発明のインクに用いる水に分散ある
いは溶解可能な色材の含有量は、インク全質量に対し
て、1〜10質量%であるのが好ましい。 水溶性染料 本発明に係るインクジェット記録用インクに用いられる
水溶性染料としては、例えば下記の水溶性染料が好まし
く用いられる。
【0041】〈直接染料〉 C.I.ダイレクトイエロー1、4、8、11、12、
24、26、27、28、33、39、44、50、5
8、85、86、100、110、120、132、1
42、144、 C.I.ダイレクトレッド1、2、4、9、11、1
3、17、20、23、24、28、31、33、3
7、39、44、47、48、51、62、63、7
5、79、80、81、83、89、90、94、9
5、99、220、224、227、243、 C.I.ダイレクトブルー1、2、6、8、15、2
2、25、71、76、78、80、86、87、9
0、98、106、108、120、123、163、
165、192、193、194、195、196、1
99、200、201、202、203、207、23
6、237、 C.I.ダイレクトブラック2、3、7、17、19、
22、32、38、51、56、62、71、74、7
5、77、105、108、112、117、154、 〈酸性染料〉 C.I.アシッドイェロー2、3、7、17、19、2
3、25、29、38、42、49、59、61、7
2、99、 C.I.アシッドオレンジ56、64、 C.I.アシッドレッド1、8、14、18、26、3
2、37、42、52、57、72、74、80、8
7、115、119、131、133、134、14
3、154、186、249、254、256、 C.I.アシッドバイオレット11、34、75、 C.I.アシッドブルー1、7、9、29、87、12
6、138、171、175、183、234、23
6、249、 C.I.アシッドグリーン9、12、19、27、4
1、 C.I.アシッドブラック1、2、7、24、26、4
8、52、58、60、94、107、109、11
0、119、131、155、 〈反応性染料〉 C.I.リアクティブイエロー1、2、3、13、1
4、15、17、37、42、76、95、168、1
75、 C.I.リアクティブレッド2、6、11、21、2
2、23、24、33、45、111、112、11
4、180、218、226、228、235、 C.I.リアクティブブルー7、14、15、18、1
9、21、25、38、49、72、77、176、2
03、220、230、235、 C.I.リアクティブオレンジ5、12、13、35、
95、 C.I.リアクティブブラウン7、11、33、37、
46、 C.I.リアクティブグリーン8、19、 C.I.リアクティブバイオレット2、4、6、8、2
1、22、25、 C.I.リアクティブブラック5、8、31、39 〈塩基性染料〉 C.I.ベーシックイェロー11、14、21、32 C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13 C.I.ベーシックバイオレット3、7、14 C.I.ベーシックブルー3、9、24、25 顔料 本発明に係るインクジェット記録用インクに使用できる
顔料としては、従来公知の有機及び無機顔料が使用でき
る。例えばアゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔
料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料や、フタロシアニン
顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔
料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオイン
ジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等
の多環式顔料や、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レー
キ等の染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニ
リンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、カーボンブ
ラック等の無機顔料が挙げられる。
【0042】具体的な有機顔料を以下に例示する。マゼ
ンタまたはレッド用の顔料としては、C.I.ピグメン
トレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピ
グメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.
I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド1
5、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメン
トレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:
1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグ
メントレッド122、C.I.ピグメントレッド12
3、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメ
ントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、
C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメント
レッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.
I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
【0043】オレンジまたはイエロー用の顔料として
は、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメ
ントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、
C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメント
イエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.
I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエ
ロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.
ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー
128、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げら
れる。
【0044】グリーンまたはシアン用の顔料としては、
C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブ
ルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、
C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブ
ルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられ
る。
【0045】顔料の分散方法としては、ボールミル、サ
ンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘ
ンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザ
ー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカ
ー等各種を用いることができる。
【0046】本発明の顔料分散体の粗粒分を除去する目
的で遠心分離装置を使用すること、フィルターを使用す
ることも好ましく用いられる。 界面活性剤 本発明に係るインクジェット記録用インクに好ましく使
用される界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルキ
ルエステル硫酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩類、ア
ルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルリン酸塩、
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、脂肪
酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフ
ェニルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキ
シエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー
類等のノニオン性界面活性剤、グリセリンエステル、ソ
ルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、
アミンオキシド等の活性剤、アルキルアミン塩類、第四
級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げら
れる。
【0047】これらの界面活性剤は顔料の分散剤として
も用いることが出来、特にアニオン性界面活性剤を好ま
しく用いることができる。
【0048】本発明に係るインクジェット記録用インク
として用いることができる顔料インクの作製例を以下に
示すが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。 〔I〕顔料分散液の作製 (イエロー顔料分散液−1) C.I.ピグメントイエロー74 95g デモールC(花王(株)製) 65g エチレングリコール 100g イオン交換水 120g を混合し、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で5
0%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、イエ
ロー顔料分散液を得た。
【0049】遠心分離器で沈降物を除去した。 (マゼンタ顔料分散液−1) C.I.ピグメントレッド122 105g ジョンクリル61(アクリル−スチレン系樹脂、ジョンソン社製) 60g グリセリン 100g イオン交換水 130g を混合し、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で5
0%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、マゼ
ンタ顔料分散液を得た。
【0050】遠心分離器で沈降物を除去した。 (シアン顔料分散液−1) C.I.ピグメントブルー15:3 100g デモールC 68g ジエチレングリコール 100g イオン交換水 125g を混合し、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で5
0%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、シア
ン顔料分散液を得た。
【0051】遠心分離器で沈降物を除去した。 (カーボンブラック分散液−1) トーカブラック ♯8500(東海カーボン株式会社製) 120g ジョンクリル62(ジョンソンポリマー株式会社製) 59g レベノールWX(花王株式会社製) 3g ジエチレングリコール 100g イオン交換水 300g を混合し、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で5
0%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、ブラ
ック顔料分散液を得た。
【0052】遠心分離器で沈降物を除去した。 〔II〕上記顔料分散液を用いての顔料インクの作製 (イエローインク) イエロー顔料分散液−1 110g Nipol LX844B(日本ゼオン(株)製;固形分40%) 50g エチレングリコール 200g プロピレングリコール 150g オルフィン1010(日信化学(株)製) 4g プロキセルGXL(ゼネカ社製) 2g ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.1g 塩化ナトリウム 0.6g これらをイオン交換水で1000gに仕上げ、十分に攪
拌した後に、孔径1ミクロンのミリポアフィルター濾過
機を2度通過させ、インクを得た。
【0053】顔料の平均粒径は122nmであった。
尚、粒径測定はマルバーン社製ゼータサイザ1000に
より行った。
【0054】 (マゼンタインク) マゼンタ顔料分散液−1 140g Nipol SX1105(日本ゼオン(株)製;固形分45%) 56g エチレングリコール 150g ジエチレングリコール 120g ペレックスOT−P(花王(株)製) 4g プロキセルGXL 2g 水酸化ナトリウム 0.1g ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.1g 硝酸カリウム 1.8g これをイオン交換水で1000gに仕上げ、十分に攪拌
した後に、孔径1ミクロンのミリポアフィルター濾過機
を2度通過させ、インクを得た。
【0055】得られたインク中の顔料の平均粒径は85
nmであった。 (シアンインク) シアン顔料分散液−1 110g タケラックW−605(武田薬品(株)製;固形分30%) 267g エチレングリコール 100g ジエチレングリコール 140g エマルゲン913 4g プロキセルGXL 2g ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.1g 塩化ナトリウム 0.8g 塩化カリウム 0.3g これをイオン交換水で1000gに仕上げ、十分に攪拌
した後に、孔径1ミクロンのミリポアフィルター濾過機
を2度通過させ、インクを得た。
【0056】得られた顔料分散物の平均粒径は105n
mであった。 (ブラックインク) カーボンブラック分散液−1 160g エチレングリコール 150g トリエチレングリコールモノブチルエーテル 100g ペレックスOT−P(花王株式会社製) 2g プロキセル(バイエル社製) 2g これをイオン交換水で1000gに仕上げ、十分に攪拌
した後に、孔径1ミクロンのミリポアフィルター濾過機
を2度通過させ、インクを得た。
【0057】得られた顔料分散物の平均粒径は44nm
であった。 (ライトマゼンタインク) マゼンタ顔料分散液−1 35g Nipol SX1105(日本ゼオン(株)製;固形分45%) 56g エチレングリコール 150g ジエチレングリコール 120g ペレックスOT−P(花王(株)製) 4g プロキセルGXL 2g 水酸化ナトリウム 0.1g ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.1g 硝酸カリウム 1.8g これをイオン交換水で1000gに仕上げ、十分に攪拌
した後に、孔径1ミクロンのミリポアフィルター濾過機
を2度通過させ、インクを得た。
【0058】得られたインク中の顔料の平均粒径は85
nmであった。 (ライトシアンインク) シアン顔料分散液−1 28g タケラックW−605(武田薬品(株)製;固形分30%) 267g エチレングリコール 100g ジエチレングリコール 140g エマルゲン913 4g プロキセルGXL 2g ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.1g 塩化ナトリウム 0.8g 塩化カリウム 0.3g これをイオン交換水で1000gに仕上げ、十分に攪拌
した後に、孔径1ミクロンのミリポアフィルター濾過機
を2度通過させ、インクを得た。
【0059】得られた顔料分散物の平均粒径は105n
mであった。本発明の蛍光インクをインクジェット記録
用インクとして適用する場合、プリンタードライバーに
より吐出の量、位置を制御しながら画像を形成する。無
機蛍光体を用いた加法混色のカラードライバーはこれま
でに知られてなく、インクジェットプリンターで蛍光画
像を形成する上で非常に重要な役割を果たす。これまで
蛍光画像を形成しようとすると、ブラックライト等を照
射して発光する蛍光画像を確認しながら手書きで形成す
る他、決まった画像を何枚も印刷したり、フォトリソで
形成したりする等の方法しか無かったが、加法混色のカ
ラードライバーを使用することにより、様々な画像を手
軽に形成することが可能となる。
【0060】次に、本発明の蛍光インクを用いて得られ
る蛍光画像について説明する。本発明の蛍光インクは蛍
光画像を形成するために用いられ、単色で使用する蛍光
画像、フルカラー再現する蛍光画像など、発光色の色の
種類は任意に使用することができる。また、黒を再現す
るための黒用インクとしては公知の各種UV吸収剤を使
用でき、白を再現するための白用インクとしては各色の
蛍光インクを適当な分量ずつ使用して白を表現してもよ
く、色ずれを防止するために予め所望の白が表現できる
ように蛍光体を混合しておき、1つの白用インクとして
用いてもよい。
【0061】本発明の蛍光画像として、本発明の蛍光イ
ンク及び色材を含有するインクを用いて得られ、2種類
以上の波長の異なる光源を照射することにより、無地か
ら画像を出現する及び/または同一画像の色を変える及
び/または2種類以上の画像を同一面上で表示するなど
の蛍光画像態様は特に好ましい。
【0062】蛍光画像の光源となる励起光については蛍
光画像の視認性が良好であれば特に制限は無いが、比較
的多く使われている波長254nmの光源やブラックラ
イトを適用することが好ましく、また、蛍光体によって
は波長405nm付近のパープリッシュブルーを励起光
に適用してもよい。尚、本発明でいう「昼光」とは主に
太陽光、蛍光灯等を意味し、そこに含まれる可視光及
び、微量の紫外線を総称する。
【0063】これらの画像はそれぞれの必要性に応じ
て、耐水性、耐光性の保護膜を設置することができる。
【0064】本発明の蛍光画像を形成する基材は、紙、
布、樹脂、金属、その他どのような素材でも適用でき
る。特に基材としては不要な蛍光を発するものが含まれ
ない素材が好ましいが、その素材が不要な発光を有する
場合、その発光を消すために紫外線吸収剤またはその他
の非発光性素材を塗布することが可能である。
【0065】本発明の蛍光画像を使用する場所は屋内、
屋外、水周り等どのような環境でも使用可能であるが、
昼光など周囲の光量が少ない時間があるか、または積極
的に励起光を照射することが可能である環境が好まし
い。例えば屋内であれば地下や外光の入射が少ない場
所、屋外であれば、安全表示、道路表示や広告、フリー
トマーキング等が挙げられる。
【0066】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものでは
ない。
【0067】実施例1 《無機蛍光体1〜4の作製》 無機蛍光体1(Ba2SiO4:Eu2+)の作製 1)秤量 各原料を以下のように秤量する。
【0068】 BaCO3 15.783g(4.0mol) SiO2 2.403g(2.0mol) Eu23 0.704g(0.1mol) 焼結防止剤(アルミニウムオキサイドC アエロジル社製) 0.9445g(他の原料の総量に対して5質量%) 2)混合 各原料をプラスチック製のボールミル容器に入れ、径3
mmのTiO2ボール、及びエタノール約50mlを加
えて蓋をし、1晩、回転台で回転させる。
【0069】3)溶媒の除去 Advantec 5Cのろ紙を用いた減圧ろ過により
溶媒を除去する。
【0070】4)焼成・解砕 自然乾燥した混合原料をるつぼに入れ、2%H2−N2
囲気下で焼成する。焼成した蛍光体を解砕機で解砕して
無機蛍光体1を得た。 無機蛍光体2(Ba2SiO4:Eu2+)の作製 テトラエトキシシラン1.34×10-1molとユーロ
ピウム(3価)アセチルアセトナート錯体1.00×1
-2molをエタノール300mlに溶解したものを溶
液Aとし、この溶液Aを、アンモニア5.00×10-2
molを加えた水−エタノール(1:1、400ml)
中に約1ml/minの速度で攪拌しながら滴下し、ゾ
ルを調製した。得られたゾルをエバポレーターで約15
倍濃度に濃縮し、これに0.33mol/lの硝酸バリ
ウム塩水溶液を500ml添加し、ゲル化させ、湿潤ゲ
ル(1)を得た。
【0071】得られた湿潤ゲル(1)は、密閉容器中、
90℃で10時間熟成させた。後、ろ紙(Advant
ec5A)を用いた濾過により分取し、50℃で10時
間乾燥した。この乾燥して得られた前駆体に対し焼結防
止剤(アルミニウムオキサイドC アエロジル社製)を
前駆体質量の1質量%混合し、2%H2−N2雰囲気中、
1000℃で2時間の熱処理を施し焼成する。焼成した
蛍光体を解砕機で解砕して無機蛍光体2を得た。 無機蛍光体3(Ba2SiO4:Eu2+)の作製 焼結防止剤(アルミニウムオキサイドC アエロジル社
製)の使用量を前駆体質量の5質量%に変更した他は上
記無機蛍光体2の作製と同様にして無機蛍光体3を得
た。 無機蛍光体4(Ba2SiO4:Eu2+)の作製 焼結防止剤(アルミニウムオキサイドC アエロジル社
製)の使用量を前駆体質量の7質量%に変更した他は上
記無機蛍光体2の作製と同様にして無機蛍光体4を得
た。 《インクジェット記録用蛍光インクの調製》上記で作製
した無機蛍光体1〜4各々について、下記の「無機蛍光
体の固体微粒子分散物成分組成」となるように下記の各
成分(水を主成分とする分散媒)を添加、混合して、そ
れぞれの無機蛍光体含有スラリーを調製した。次に、無
機蛍光体含有スラリーをディゾルバーによる予備分散工
程を経て粗分散物を得た後、ビーズミル分散機(VMA
−GETZMANN社製DISPERMATT SL−
C5)を用いて無機蛍光体1〜4の固体微粒子分散物を
それぞれ調製した。尚、ビーズミル分散では平均粒径
0.3mmのジルコニアビーズを用い、ビーズの充填率
は80%とした。 〈無機蛍光体の固体微粒子分散物成分組成〉 無機蛍光体1、2、3または4 20g 両親媒性化合物 ノニポール400(三洋化成製) 5g アニオン性分散剤 Joncryl62(分子量8500、ジョンソンポリマー製) 2g アセチレニックグリコール 1g イオン交換水 50g 上記で調製した無機蛍光体1〜4の固体微粒子分散物
(分散液)各々35gに、攪拌下、ジエチレングリコー
ル8g、1,5ペンタンジオール7gおよびイオン交換
水50gを30分間かけて各々滴下して、インクジェッ
ト記録用蛍光インク1〜4を各々調製した。該インクに
含有する無機蛍光体の固体微粒子の濃度は、各々15質
量%であった。
【0072】上記で作製したインクジェット記録用蛍光
インク1〜4各々の可視光平均透過率を濁度計を用いて
測定した結果、及び該蛍光インク各々に含有する無機蛍
光体の固体微粒子をTEM観察し平均粒径を測定した結
果を表1に示した。 《蛍光画像形成及び画像の視認性の評価》上記で調製し
たインクジェット記録用蛍光インク1〜4を使用して、
透明樹脂フィルムにそれぞれのパターン画像1−1〜1
−4を形成した。画像形成にはインクジェットプリンタ
ー(セイコーエプソン社製MJ−5000C)を用いて
印刷した。
【0073】パターン画像1−1〜1−4それぞれにつ
いて、昼光下で目視観察し、下記評価基準に従って画像
の視認性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0074】 ◎・・・蛍光インクが塗られていることを全く確認でき
ない ○・・・蛍光インクが塗られていることをほぼ確認でき
ない △・・・注視すると蛍光インクの存在を確認できる ×・・・一見してすぐに蛍光インクの存在を確認できる 尚、パターン画像1−1〜1−4それぞれについてブラ
ックライト(波長365nm)を励起光として照射して
観察した結果、どのパターン画像についてもほぼ同程度
に高い輝度を確認した。
【0075】
【表1】
【0076】表1から明らかなように、その励起光を照
射した際には十分な輝度を有するにも関わらず、可視光
平均透過率が50%以上の蛍光インクを用いた場合(本
発明の請求項1の発明の構成)は、その励起光を照射し
ない限りその存在を確認できず、視認性が良好であるこ
とがわかる。また、特に平均粒子径が小さい無機蛍光体
固体微粒子を含有する蛍光インクでは特に視認性が良好
で、更に輝度を上げるために濃度を高くしても、良好な
視認性を維持できることがわかる。
【0077】実施例2 《蛍光画像形成及び画像の視認性の評価》普通紙に、イ
ンクジェットプリンター(セイコーエプソン社製MJ−
6000C)を使用し、同プリンターの純正の色材イン
ク(セイコーエプソン社製MJIC8C)を用いてパタ
ーン画像1を印刷した後、実施例1で調製したインクジ
ェット記録用蛍光インク1〜4を用いてパターン画像1
とは異なるパターン画像2を印刷し、異なる2種類のパ
ターン画像1、パターン画像2を普通紙の同一面上に表
示するパターン画像2−1〜2−4をそれぞれ形成し
た。
【0078】パターン画像2−1〜2−4それぞれにつ
いて、昼光下で目視観察し、実施例1と同様にして画像
の視認性評価を行った。結果を表2に示す。
【0079】尚、パターン画像2−1〜2−4それぞれ
について、ブラックライト(波長365nm)を励起光
として照射して観察した結果、どのパターン画像につい
てもほぼ同程度に高い輝度を確認した。
【0080】
【表2】
【0081】表2の結果から、実施例1と同様にその励
起光を照射した際には十分な輝度を有するにも関わら
ず、可視光平均透過率が50%以上の蛍光インクを用い
た場合は、その励起光を照射しない限りその存在を確認
できず視認性が良好であり、昼光下では色材インクによ
る画像のみを明確に観察することができることがわか
る。
【0082】
【発明の効果】本発明により、蛍光体の励起光を照射し
蛍光画像を鑑賞するとき以外は、蛍光インクまたは蛍光
画像の存在が完全に視認不可能な蛍光画像、蛍光画像形
成方法及びこのような蛍光画像に好ましく用いられる蛍
光インクを提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 FC01 2H086 BA55 BA60 4J039 BA10 BA18 BA19 BA22 BA30 BA31 BA32 BA39 BE01 CA06 EA28 GA24

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも無機蛍光体を含有し、光路長
    1cmにおける可視光平均透過率が50%以上100%
    以下であることを特徴とする蛍光インク。
  2. 【請求項2】 前記無機蛍光体の平均粒径が10nm以
    上200nm以下であることを特徴とする請求項1に記
    載の蛍光インク。
  3. 【請求項3】 インクジェット記録用インクであること
    を特徴とする請求項1または2に記載の蛍光インク。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれか1項に記載の
    蛍光インクを用いて得られることを特徴とする蛍光画
    像。
  5. 【請求項5】 請求項1から3のいずれか1項に記載の
    蛍光インク及び色材を含有するインクを用いて得られ、
    少なくとも2種類の波長の異なる光源を照射することに
    より、無地から画像を出現する、同一画像の色を変える
    または少なくとも2種類の画像を同一面上で表示するこ
    とを特徴とする蛍光画像。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の蛍光インクを使用し
    て、請求項4または5に記載の蛍光画像を形成すること
    を特徴とする蛍光画像形成方法。
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